第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

(1) 経営方針

当社は、地域に根差し、地域の信頼を基盤に、「まちづくり」と「ものづくり」を通して地域の発展に貢献し続けていくべく、サスティナビリティを経営の軸としています。そのためには、「安全第一」、「品質第一」、そして「お客様満足度第一」であることを経営の要諦として実践しております。人材が会社を支える礎。人材育成に力を入れ、個々の能力と一丸となって進む組織力との融合がさらに高い付加価値を生む。一世紀を支え続けてきた変わらぬ骨太の創業精神という土壌の上に変化する時代に合わせてニーズを的確に捉え、企業価値の継続的向上に努めてまいります。「地域と共に」の姿勢は、信州にゆかりのある企業の品物でご好評をいただく当社の株主優待での取り扱いにも表れています。

 

(2) 経営環境

アフターコロナからの需要増加も一巡する中、世界的なインフレ抑制への動きは止まらず、リセッションの可能性も指摘されるなど今後の業績予測は難しく、設備投資には慎重になる動きも広がっており、今後の当社受注見通しは厳しさが続くものと思われます。加えて、建設市場の構造変化、技術者・技能者の慢性的な労働力不足、原材料費の高騰など、建設業界は全体として厳しい環境が増していくものと予測されます。

しかしながら、一方では業種により旺盛な需要は継続してあり、受注を安定的に伸ばしていくために、一定の分野での強みと共に、スピードを兼ね備えた全方位タイプのフットワークも兼ね備えた企業として、多様化するお客様のご要望にお応えしてまいります。

 

(3) 経営戦略及び優先的に対処すべき課題

経営の根幹である人材の確保・育成は、当社および当社グループ、そしてサプライチェーン全体においても最重要課題と認識しています。サスティナビリティは人材あってのことですので、継続した人材の確保・育成ができる体制づくりに重点的に取り組みます。その土台の上に立ち、当社の強みを最大限に活かしていくことで企業価値を高めていく活動を継続してまいります。

また、建築事業・土木事業・エンジニアリング事業・開発事業と展開する当社事業の総合技術力は、お客様にとりましては大きな魅力となり得るものです。不動産の取得・活用から資金計画、機械設備も含めた建物の提案、設計、施工、アフターフォローまでをトータルサポート展開することにより、お客様の事業性の確立に貢献できるのが当社の最大の武器でもあります。この特徴から生まれるシナジー効果をさらに有効に活かし、健全な財務体質を背景として収益力を高めてまいります。

さらに、長野県内での地盤強化とともに、エリアとしても開拓を進め、隣県の山梨県にこの4月には支店開設をしました。引き合いも順調に伸びてきており、面と線の着実な拡大と深耕を図っていきます。

これらを踏まえて、一定の規模拡大もテーマとして捉えております。当社は従来より財務基盤の強化を進めてまいりました。これにつきましては自己資本比率も約70%という高水準にありますが、今後は資本効率も高めていくことも経営の重要な要素と考えております。そのためにも、受注の安定的増加と収益の増加とを将来にわたって確保していく計画を立て、下記の2点を推進しております。

 

①DX(Digital Transformation)

資材・原材料価格の高騰が進む影響を最小限にとどめるため、ノウハウを蓄積してきた最新デジタル技術を可能な限り活用するとともに、積極的に導入も進めています。PC上で仮想建築を行いながら設計するBIM、三次元モデルで土木の設計を行うCIM、設計データどおりの施工に機器を自動制御するマシンコントロール、施工箇所の正確な位置情報を出すマシンガイダンス、現場測量を自動で行う3Dレーザースキャナー、VR、ARなどの技術です。これら最新のICTを駆使し、現場に隠れるムリ・ムダ・ムラをなくすIEを主としたKAIZEN活動の全社展開、また、自社開発の仮設資材等の軽量化・省力化による工数削減と原価削減を推進し、働き方改革にも大きな効果を上げています。さらにはCO2などGHG排出量の削減もDXにより推し進め、社会貢献をしてまいります。

 

②ドメインの明確化・強化

建築、土木、エンジニアリング共にドメインの一層の強化を図っており、それぞれが当社のブランドとして実ってきています。今後は重点的にブランド強化に経営資源を投入して事業の柱に育成してまいります。

企業様向けの建築では、食品工場のHACCPにも対応する「オイシールド」、工場や倉庫建築の「イーファクト」、オフィスをイノベーション化する「アットワークス」という、ドメインを明確にした3ブランドを立ち上げています。エンジニアリング事業では、設備・装置・構造物・システムに関する技術情報を紹介する「インフラ技術ナビ」、製缶・板金・溶接・大物機械加工の設計・加工・組立て・検査まで一貫対応し、製缶加工や装置設計に関する技術情報を紹介する「製缶加工・装置受託センター.COM」、各種制御設備の設計・政策から総合監視システムの設計・構築・、電気通信工事までの「制御・監視エンジニアリングセンター.COM」サイトをオープンしました。これらにより、建設事業、エンジニアリング事業ともに当社の特徴がお客様にもわかりやすく、訴求力を高めています。

 

・対処すべき課題としての内部統制の強化

このような環境の下、2023年5月26日付「当社連結子会社の不適切な支出に関するお知らせ」で公表いたしましたとおり、当社従業員による不適切な支出と不適切な会計処理の事案(以下「本件事案」といいます。)を受け、内部統制及びガバナンス体制には大きな課題があることを認識しました。再発防止に向けてガバナンス体制の強化を図るとともに、あらためて内部統制の強化に向けた継続的な取り組みを実施することを喫緊の課題として捉えております。

当社は、本件事案において第三者委員会を設置して調査を進め、7月27日に調査報告書(中間)を受領いたしました。本調査報告書では、会社としての企業行動規範を定め、規程等を整えて不正防止策等を講じていたなかで、繰り返し不適切な支出及び不適切な会計処理がされていた根本的な原因として、内部統制及びガバナンス上の問題点を指摘されております。

本件事案の個別事象についての発生原因や、長期にわたり発見できなかった原因について、詳細な調査に基づく再発防止策等の提言を受けたことを真摯に受け止め、内部統制及びガバナンス体制を強化することが最重要課題であるとの認識の下、経営トップを委員長とするコンプライアンス・リスク管理委員会において徹底的に協議のうえ取締役会に諮り、有効性・実効性の高い具体的な再発防止策等を策定したうえで、抜本的な改善を早期に実施するための体制強化を図ってまいります。

 

当社グループは継続的な発展を遂げていくため、法令遵守、コンプライアンスの徹底のもと、ヤマウラブランドの向上に向け、顧客の皆様に、より満足いただけるよう安全第一・技術力ならびに品質第一・お客様満足度第一の精神の基、提案力を高め且つ協力会社を含めて技能継承を行い、高品質な建物・商品をご提供して収益確保に努め、内部留保と継続的な配当を行いつつ財務体質の強化を図るとともに、社会に貢献してまいります。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループは、地域に根差し「まちづくり」と「ものづくり」を通して地域に支えられて一世紀を超えて発展してきました。社会インフラの提供は、そこで暮らす人々へ、いつまでも100年先までも快適で安心・安全な日常をお約束することを意味します。「それこそが私達の使命」として捉え。『100年先、変わらぬ価値をつくる』を当社グループのパーパスとしました。100年先も「豊かに暮らせる街」「夢を感じる日常」をつくり、「地域の発展」「地域の安心」を生み出す街と日常をつくり、社会に貢献していきます。

 


 

[ESG基本方針]

1.レジリエントで持続可能な社会への貢献

地球温暖化による近年の自然災害の激甚化に対し、当社の事業領域である「まちづくり」・「ものづくり」で社会へ貢献していきます。

2.持続可能な地球環境のための実質ゼロ・カーボンへの貢献

脱炭素社会の実現に向けて、事業活動によるCO2排出量を早期にニュートラルに持っていき、社会へ貢献していきます。

3.信頼と調和、健康都会的なシンバイオシス社会への貢献

企業活動の持続性と継続性は三方良しの「共生」があってこそであり、コンプライアンスを旨とするガバナンス姿勢で社会へ貢献していきます。

 

 

ESGとSDGsとの調和による事業方針

ESGとSDGsは共に持続的な社会の発展を目指していくものです。当社では、ESGを根幹に据えて経営方針を定め、課題解決を図りながらSDGsの17のゴールの達成に繋がるように各施策を講じていきます。

 


 

 

[気候変動に対する取り組み]

当社グループは、事業活動による気候変動への影響については真摯にその責任を受け止めております。GHG排出量の計画的な削減を図り、2021年度を基準として2030年までには38%の削減、年率4.2%を削減していく目標を掲げてSBTに申請、認定をいただいております。これにより、産業革命期から2100年までの間の気温の上昇率を1.5℃以下に抑えることに貢献してまいります。

 


 

(1) ガバナンス

当社は気候変動に関連するリスクと機会をサスティナビリティ委員会に報告し、審議しています。取締役会はサスティナビリティ委員会から気候変動関連の事項について報告を受け、必要に応じてサステナビリティ委員会にて議論を行い、気候変動関連の課題への取り組み状況の監督を行っております。

 


 

 

(2) 戦略・リスク管理

気候変動関連の重要リスク・機会については、サスティナビリティ委員会にて将来起こりうる可能性を2100年に気温上昇を1.5℃に抑えるという枠組みの中で当社に与える影響度を特定しています。当社では、これらの特定されたリスク・機会のうち、重要度評価で「中」または「大」のものについて重点的に対策をとっていきます。

 

リスク一覧

大分類

中分類

特定されたリスク・機会

時間軸

重要度

1.5℃

リスク

移行

政策と法

・炭素税導入によるコスト増

・炭素税導入による排出量削減よる設備投資ニーズ縮小

・リサイクル・リユース等の規制強化に伴う廃棄物処理費

中~長

技術・市場・評判

・ZEB、ZEH対応のための人材採用、育成、研究開発費の増加

中~長

物理

急性

・サプライヤーの被災による工事遅延

・工事現場被災による工事遅延、機会損失、コスト増

・自社事業所等被災による復旧コストの発生

短~長

慢性

・森林資源の育成環境変化による木材価格の上昇

・気温上昇に伴う労働生産性の低下

短~長

 

 

機会一覧

大分類

中分類

特定されたリスク

時間軸

重要度

1.5℃

機会

資源効率性

・サーキュラーエコノミー対応による売上増

中~長

エネルギー源・製品/サービス

・ZEBやZEHの新築条件化や、環境配慮物件のニーズ拡大に伴う建設工事の増加

短~長

・省エネリニューアル、リフォーム工事の売上増

短~長

・再生可能エネルギー産業向けの建設需要増

中~長

製品/サービス

・治山治水インフラ等、国土強靭化に資する建築、土木需要の増加

短~長

 

 

(3) 指標と目標

2022年4月には、県内本社他各支店関連施設に、長野県公営水力等を利用した「信州Greenでんき(信州産のCO2フリー電力)」を導入しました。これにより年間使用電力量968,310kwh、COにして393tの排出量を削減いたしました。この結果、当社事業地盤である長野県内においては、消費電力の多くを再生可能エネルギーとしています。

また、当社では再生可能エネルギーの販売を事業としても行っており、既に稼働し売電をしている14ヶ所の太陽光発電、自社開発で自社施工の小水力発電、そして購入する信州greenでんきのCOフリー電力とを合わせ、2030年には当社のScope1・2の分を賄う、実質ゼロ・カーボンの達成を目指しております。

項目

対象

2021年度実績

2030年目標

GHG排出量

Scope1・2

1,422t

881t

Scope3

265,989t

221,767t

再生可能エネルギー

再エネ電力利用率

17.8%

74.2%

EV(営業車)導入率

0.0%

50.0%

 

 

 

 

[人的資本]

人材の育成方針

信頼される人づくり」が原点です。当社のパーパスに共感し、経営理念を体現する人間力ある社員、誠実な社員、向上意欲のある社員の育成に注力します。

ヤマウラアカデミーという教育研修体系のもと、専門教育と一般教育をと兼ね備えたカリキュラムで、「入社3年で独り立ち」ができることを目標に、教える人の違いによる教え方のムラもない300本以上に上る自社制作の動画による基礎教育システムを導入しています。自分の担当業務はもとより他部門の業務も学び、当社全体の事業が分かることで、社内コミュニケーションも良好となり、円滑な業務環境が生まれ、働きやすさへとつながっていくことも大きなメリットとなっています。

良い環境の中でこそ人は「成長する」。当社の従業員が働きやすく、将来に向けてのモチベーションを上げて、個性豊かな発想を育んで能力を開花させるプロフェッショナル集団を育成しています。新入社員が入る独身寮「ベルナビオ(Bell Navio)」は、全寮制に近い体制で1年間を学びます。Bell Navioの名は、「美しい艦隊」を意味します。寮の中は自治組織で運営され、一人一人が何らかの役割を任命されて過ごしやすい集団生活づくりを体験していきます。社会へ参画することの重要性も学びながら人間力も培っていきます。

BIM研修などの最新のITによる技術学習は入社時の集合研修の一環として行われ、デジタル人材として建設業のデジタル化への推進役となるように学んでいきます。

このように、全人格的な成長を目指していくことが当社の人材育成方針です。自律を促し、自己啓発をすることに喜びを感じるための環境づくりをしていきます。

 

人材育成における重点項目

 健康づくり

社員が幸福感を抱いて充実した生活が営める原点は健康にあります。その健康の土台づくりを会社が積極的にサポートをすることによって、生き生きとした生活を営めるようにしています。

・生活習慣病予防健診を対象年齢全員、各種がん検診、脳ドックも38歳以上は全員実施

・長時間労働者は全員ストレスチェックを実施

・全社員参加型の日々の運動等を目標とするヘルスケアチャレンジを実施

・社員食堂での健康バランス食事を提供するスマートミールを実施

等の多角的な施策を通じ、「live a happy life」の実現を目指してまいります。

 

② 資格取得

国家資格などの公的資格取得の推進は、当社の長い歴史の中でも特に技術力を担保するために重要視しているものです。資格取得の支援はトータルサポート体制となっています。

1.資格取得のための学習体制の支援

2.資格取得のための学費・模試などの支援(授業料・模試代金・登録費等)

3.資格取得後の報酬(お祝金・資格手当・賞与加算)

中でも技術士と一級建築士の取得は重点的に支援しています。1回の受験で100万円以上となる学費も会社が支給するなど、個人としての負担が殆どなく知識と能力を身につけることができます。

項目

2021年実績

2030年目標

資格取得

技術士

13名

30名

一級建築士

48名

80名

 

 

 

③ エンゲージメントの向上

・個人のパーパスを明確にすることで自己肯定感を創出

・会社のパーパスに共感することで会社と社会との一体感を創出

・家庭のパーパスを家族と共有することで信頼と愛情の絆を深める

個人・会社・家庭のそれぞれのパーパスを持ち、ともにバランスをとって幸せになることが、モチベーションUPへとつながり、生きがいにつながります。個人・会社・家庭のいずれか一つでも何か悩みを抱えるとパフォーマンスが発揮できなくなります。

当社では、個々人の幸福な将来を想い、それぞれの1年後、10年後の目標に対する現在地を確認し、目標に届くための面談を半期に一度全社員に行なっています。

社内報は月に2回発行し、各家庭に郵送し、ご家族が“ヤマウラの今”を常に知っていただけることで、一体感を共有できるようにしています。

 

④ ダイバーシティ&インクルージョン

地方での建設業への新規就労就人口は非常に厳しいものがあります。そのような状況の中、当社としましては、採用の多角化、人材の定着化、定年の延長、女性の幹部候補育成、時間外労働の抑制、勤務間インターバル制等をこれまでも進めてまいりました。さらに、パート社員の正社員登用も制度化していく等、それぞれの生活状況、人材の多様化に応じて、働きやすい環境を整えてまいります。地方という特性を考慮し、多様な働き方が選択できる環境の整備に努めてまいります。

 

 

3 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、財務状態及び株価等に影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。

(1) 事業環境の変化

想定を上回る建設需要の減少や主要資材の価格等の急激な上昇、不動産市場における需給状況や価格の大幅な変動等、建設事業・開発事業等に係る著しい環境変化が生じた場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

建設需要動向、資材等価格動向、不動産市況の先行管理を可能な限り行い、幅広いお客様のニーズを的確に捉えることができる受注体制・設計体制・施工体制を確保し、工期の短縮、購買機能の強化、また、適切な不動産の仕入れ等を実施することで環境変化へ柔軟に対応します。

 

(2) 発注者の要求に満たない施工や設計と異なる施工、不適切な検査等により品質の問題が発生した場合は、損害賠償、境的な信用の失墜、工事遅延等により、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

フロントローディングによる施工計画時の課題・懸念事項の入念な事前計画と確実な実施、日々の施工写真等の記録管理、現場パトロールによる書類も含めた工事全般のチェック等により、将来にわたる品質不具合の防止を行います。

 

(3) 現場事故・環境汚染リスク

安全・環境面に配慮し対策を施して工事を行っていますが、工事は市街地、山間地などの多様な周辺環境の中で行われ、現場内では多数の作業員が多種な作業を同時に行うため、第三者への加害事故や労働災害、環境汚染事故等が発生する可能性を有しております。このため、事故が発生した場合には、損害賠償、工事の遅延、指名停止等により、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

ISO45001で定めた手順・ルールの徹底、現場巡視、日々の安全活動の徹底・安全教育研修等を通じ、事故防止に努めます。

 

(4) 保有資産の価格変動

当社グループが保有する販売用不動産、賃貸等不動産などの事業用不動産は、市況が悪化して地価や賃貸価格の下落が生じた場合、また、投資有価証券等の時価が著しく低下した場合、評価損や減損損失の計上等により、業績及び財政基盤に影響を及ぼす可能性があります。

財務基盤を強化し、中長期的な視野に立った保有意義や投資計画を立案し、投資先の経営状況や不動産市況、経済指標を定期的に確認し、価格変動による資産縮小リスクを回避します。

 

(5) 取引先の信用リスク

取引先(発注者、協力会社、JV共同施工会社他)の信用不安に陥った場合には、工事代金の回収不能や施工遅延等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。

取引先との接点を常に維持し、情報の感度を高め、経済情勢・業界動向も見極めつつ急激な変化にも対処します。

 

(6) 法的規制等リスク

建設業界は、建設業法、建築基準法、宅地建物取引業法、独占禁止法、さらには環境関連の法令等、さまざまな法的規制を受けており、新たな法規制の制定や法令の改廃等が増加し、それらへの的確な対応に不備が生じ、法令違反等が発生した場合には、業績や企業評価に影響を及ぼす可能性があります。

関連法制の改正動向を注視するとともに、社内体制の整備、及び教育の継続的実施等を通じ、最新の法対応への備えすることで、法令違反の未然防止をします。

 

 

(7)コンプライアンスリスク

従業員による不正行為、人権を侵害する行為、または個人情報や営業秘密情報の漏洩等があった場合は、活力の低下、社会的な信用の失墜等により、業績や企業評価に影響を及ぼす可能性があります。

コンプライアンス教育は、eラーニングでの全社員の学習や階層別研修での集合教育等実施しておりますが、完全には未然防止はできません。内部統制の見直し、内部監査の見直し、内部通報制度の見直し等を行い、より実効性のあるコンプライアンス強化を進めます。

 

(8) 気候変動リスク

脱炭素社会への移行に向けて炭素税の導入、環境に負荷が掛からない原材料・資材等の仕入れやサービスの提供、また、気候変動の物理的リスクとして、平均気温の上昇や自然災害が激甚化した場合、サプライチェーンの被災、工事現場の被災等により、事業活動や業績等に影響を及ぼす可能性があります。

TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明し、SBTの認証(中小企業版)も得て、気候変動に関するリスクと機会を分析・対応するとともに、サスティナビリティ推進活動に積極的に取り組むため、「サスティナビリティ委員会」を設置し、気候変動への対策を図っています。

 

(9) 情報セキュリティリスク

ITシステムを活用し、建造物、顧客、経営、知的財産等に関する情報、個人情報など様々な情報を取り扱っています。これらの情報がサイバー攻撃や社員の過失等により漏えいした場合には、当社グループの社会的信用に影響を与え、損害賠償やシステム復旧費用等の発生により、業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

サイバー攻撃など新たなリスクに応じた技術的な対策と監視・検知の強化実施、情報システム管理規程の整備、そして教育・研修の徹底で情報セキュリティの強化を図ってまいります。

 

(10) 担い手不足リスク

建設業界においては、建設技術者・技能労働者が減少傾向であり、高齢化と労働者のさらなる減少が進むと、工期の遅れや人件費の上昇を招き、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

働き方改革を推進するため「4週8閉所」に取り組み、労働条件の改善を図るとともに、ICT施工やパワーアシストスーツの導入など労働者の負担軽減に努め、建設キャリアアップシステムでの人材育成等、建設業界の魅力向上に取り組みます。

 

(11) 災害リスク

大雨や台風の災害等による影響を最小限にとどめる為の万全な対策をとっていますが、それらによる影響を完全に防止・軽減できる保証はありません。また、感染症による社員への感染拡大、サプライチェーンへの寸断等が発生した場合、及び大規模な災害が発生した場合は、工事の遅延による保障、一時的な復旧費用等の負担が生じ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

不測事態を想定し、当社のBCPに沿った教育・訓練の継続実施、職場環境の整備、定期的な設備点検等の実施をすることで災害時の影響を最小限に留めます。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりです。

① 財政状態、経営成績の状況

当期における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症への対策を段階的に緩めながら正常化へと向かってまいりました。しかし、ウクライナ問題の長期化に加えて円安の影響を受けての原材料価格や消費者物価の高騰、金利上昇による海外先進国の景気後退などが少なからず企業収益に与える影響が懸念される状況にあります。

建設業界においては、民間の設備投資は堅調に推移してはいるものの、建設資材の価格高騰、納期遅延などの影響で厳しい経営環境が続いております。

このような状況のもと、将来にわたっての経営基盤となる地域への貢献、お客様から信頼される誠実施工を念頭に、ドメインの強化とBIMをはじめとするICTの一層の強化を推進し、エリア拡大を図り受注確保に努めてまいりました。

当社グループの当連結会計年度における業績は、受注高(開発事業等含む)375億50百万円、前年同期比110億5百万円(41.5%)の増加、売上高313億81百万円、前年同期比34億35百万円(12.3%)の増収、営業利益30億76百万円、前年同期比8億68百万円(39.3%)の増益、経常利益19億65百万円、前年同期比3億41百万円(21.0%)の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は7億44百万円、前年同期比30百万円(3.9%)の減益となりました。

 

事業部の種類別セグメントの実績は次のとおりであります。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。

 

建設事業

建設事業につきましては、医療介護・マンション建設をはじめ、水力発電設備及び道路・河川建設工事など公共工事の受注にも注力いたしました。

民間工事受注確保に向けて「オイシールド」、「イーファクト」、「アットワークス」の3ブランドを投入し、物流倉庫、工場、事務所・オフィスビルなどの一層の受注拡大とエリア拡大を図るとともに、ファミレ、ブレインマンションなど当社ブランドの住宅、賃貸マンションの受注にも努めました。

その結果、受注高299億53百万円、前年同期比89億33百万円(42.5%)増加、完成工事高241億5百万円、前年同期比12億2百万円(5.2%)の増収、営業利益は26億12百万円、前年同期比4億68百万円(21.8%)の増益となりました。

 

エンジニアリング事業

エンジニアリング事業では、長年に亘って培った金属加工・製罐技術と制御技術を個々に、または相互の連携によってあらゆる顧客ニーズに応えられる体制を活かして、ダム関連機器工事、合成床版、大型精密製缶工事、水力発電設備工事などの受注をいたしました。

受注高27億98百万円、前年同期比1億75百万円(5.9%)の減少、完成工事高24億77百万円、前年同期比13百万円(0.6%)の減収、営業利益は3億60百万円、前年同期比5百万円(1.6%)の減益となりました。

 

開発事業等

開発事業等につきましては、首都圏等でのマンション分譲事業やリノベーション事業に加え、再生エネルギー事業等を行っております。

開発事業等売上高48億28百万円、前年同期比22億47百万円(87.1%)の増収、営業利益4億59百万円、前年同期比2億80百万円(156.9%)の増益となりました。

 

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ58億92百万円増加し、当連結会計年度末には88億9百万円になりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により獲得した資金は62億29百万円となりました。税金等調整前当期純利益の増加に加えて、販売用不動産の減少25億88百万円、契約負債の増加18億31百万円などによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により使用した資金は2億42百万円となりました。有形固定資産の取得による支出1億75百万円、投資有価証券の取得による支出64百万円などによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

配当金94百万円の支出をいたしました。

 

 

③ 生産、受注及び販売の状況

当連結企業集団が営んでいる事業の大部分を占める建設事業及びエンジニアリング事業では生産実績を定義することが困難であり、また請負形態をとっているため販売実績という定義は実態にそぐいません。

当連結企業集団においては建設事業及びエンジニアリング事業以外では受注生産形態をとっておりません。

したがって受注及び販売の状況については各セグメントごとの業績に関連付けて記載しております。

当社グループは、連結ベースでの事業別受注工事高、完成工事高、繰越工事高及び施工高の状況は作成しておりません。

なお、当社単独の事業の状況は、以下のとおりです。

(1) 受注工事高及び施工高の状況

①  受注工事高、完成工事高、繰越工事高及び施工高

 

項目

工事別

前期繰越

工事高

(千円)

当期受注

工事高

(千円)

(千円)

当期完成

工事高

(千円)

次期繰越工事高

当期施工高

(千円)

手持工事高

(千円)

うち施工高

(千円)

第63期

自2021年4月1日

至2022年3月31日

建設

建築

12,891,611

18,338,320

31,229,931

20,202,566

11,027,364

8.6

950,620

20,336,811

土木

2,338,977

2,680,910

5,019,887

2,700,947

2,318,940

2.8

65,205

2,633,734

小計

15,230,588

21,019,230

36,249,819

22,903,513

13,346,305

7.6

1,015,825

22,970,545

エンジニアリング

2,863,049

2,974,342

5,837,391

2,491,298

3,346,092

6.7

226,919

2,421,445

18,093,638

23,993,572

42,087,210

25,394,812

16,692,398

7.4

1,242,744

25,391,990

第64期

自2022年4月1日

至2023年3月31日

建設

建築

11,027,364

27,014,375

38,041,739

21,235,409

16,806,330

6.4

1,081,007

21,365,797

土木

2,318,940

2,938,682

5,257,623

2,870,188

2,387,435

1.5

36,159

2,841,142

小計

13,346,305

29,953,057

43,299,363

24,105,597

19,193,765

5.8

1,117,167

24,206,940

エンジニアリング

3,346,092

2,798,795

6,144,888

2,477,575

3,667,312

10.7

394,684

2,645,340

16,692,398

32,751,853

49,444,251

26,583,173

22,861,077

6.6

1,511,851

26,852,280

 

 

(注) 1  前期以前に受注した工事で契約の変更により請負金額を変更したものについては、当期受注工事高にその増減額を含めております。従って、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれます。

2  次期繰越工事高の手持工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)に一致します。

3  次期繰越工事高のうち施工高は、未成工事支出金により手持工事高の施工高を推定したものであります。

 

 

 

②  受注工事高

 

期別

区分

官公庁(千円)

民間(千円)

計(千円)

第63期

自  2021年4月1日

至  2022年3月31日

建設

建築

751,016

17,587,303

18,338,320

土木

2,424,263

256,646

2,680,910

小計

3,175,279

17,843,950

21,019,230

エンジニアリング

597,172

2,377,170

2,974,342

3,772,451

20,221,120

23,993,572

第64期

自  2022年4月1日

至  2023年3月31日

建設

建築

1,073,903

25,940,471

27,014,375

土木

2,499,687

438,995

2,938,682

小計

3,573,590

26,379,466

29,953,057

エンジニアリング

203,319

2,595,475

2,798,795

3,776,910

28,974,942

32,751,853

 

 

 

③  完成工事高

 

期別

区分

官公庁(千円)

民間(千円)

計(千円)

第63期

自  2021年4月1日

至  2022年3月31日

建設

建築

1,722,621

18,479,945

20,202,566

土木

2,386,380

314,566

2,700,947

小計

4,109,001

18,794,512

22,903,513

エンジニアリング

376,716

2,114,581

2,491,298

4,485,718

20,909,094

25,394,812

第64期

自  2022年4月1日

至  2023年3月31日

建設

建築

948,479

20,286,930

21,235,409

土木

2,536,491

333,696

2,870,188

小計

3,484,971

20,620,626

24,105,597

エンジニアリング

388,185

2,089,390

2,477,575

3,873,157

22,710,016

26,583,173

 

 

1  完成工事のうち主なものは次のとおりです。

第63期の完成工事のうち請負金額2億円以上の主なもの

建設事業

発注者

工事件名

施工場所

マルヤス機械株式会社

マルヤス機械株式会社本社社屋新築工事

長野県

株式会社キッツ

キッツグループイノベーションセンター新築工事

長野県

株式会社ジャパネットホールディングス

ジャパネット富士山ファクトリー増築工事

山梨県

ひかり味噌株式会社

ひかり味噌株式会社飯島グリーン工場新築工事

長野県

伊那食品工業株式会社

伊那食品サウスエリア店舗建設工事

長野県

東邦電気株式会社

(仮称)東邦電気株式会社長野新工場新築工事

長野県

大桑村

令和2年度大桑村庁舎建設工事

長野県

 

 

第64期の完成工事のうち請負金額2億円以上の主なもの

建設事業

発注者

工事件名

施工場所

株式会社エフプラス

株式会社エフプラス工場増築工事(2期工事)

長野県

株式会社原信

(仮称)原信安曇野店新築工事

長野県

株式会社クギン

株式会社クギン飯島工場新築工事

長野県

ひかり味噌株式会社

ひかり味噌株式会社新熟成庫新築工事

長野県

株式会社北越ケーズ

株式会社ケーズデンキ安曇野インター店新築工事

長野県

長野ダイハツ販売株式会社

長野ダイハツ販売株式会社飯田店新築工事

長野県

ミヤマ精工株式会社

ミヤマ精工株式会社組立工場新築工事

長野県

 

 

 

 

 

2  完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は次のとおりであります。

第63期

該当はありません。

第64期

該当はありません。

 

④  手持工事高(2023年3月31日現在)

 

区分

官公庁(千円)

民間(千円)

合計(千円)

建設

建築

239,203

16,567,127

16,806,330

土木

2,227,106

160,328

2,387,435

小計

2,466,309

16,727,455

19,193,765

エンジニアリング

1,208,869

2,458,442

3,667,312

3,675,179

19,185,898

22,861,077

 

 

1  手持工事のうち請負金額2億円以上の主なものは次のとおりであります。

繰越工事

発注者

工事件名

完成予定

アイエイエム電子株式会社

アイエイエム電子株式会社新工場建設工事

2023年9月

株式会社キッツマイクロフィルター

株式会社キッツマイクロフィルター第2工場増築工事

2023年10月

長野三和ポリエチレン株式会社

長野三和ポリエチレン株式会社工場新築工事

2023年10月

株式会社エンプラ

株式会社エンプラ本社工場建替工事

2023年11月

大和電機工業株式会社

大和電機工業株式会社松本事業所第8工場増築工事

2023年12月

日本発条株式会社

日本発条株式会社産機生産本部宮田工場増築工事

2024年8月

南信発電管理事務所

与田切川上流地点発電所建設工事

2025年3月

 

 

 

(2) 開発事業等の状況

①  開発事業等の売上実績

 

区分

第63期

自  2021年4月1日

至  2022年3月31日

(千円)

第64期

自  2022年4月1日

至  2023年3月31日

(千円)

開発事業その他

275,605

262,192

275,605

262,192

 

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

 

② 当連結会計年度の経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、以下のとおりです。

当社グループの連結会計年度において、新型コロナウイルス感染症の動向、ウクライナ情勢を含めた原材料・資機材価格高騰、円安動静等の変動要因も多岐にわたり、世界経済情勢を勘案しても、民間設備投資についての慎重な姿勢・価格競争が依然として激しい状況で推移しております。

 

経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度における売上高は、313億81百万円と前年同期と比べ34億35百万円(12.3%)の増収となりました。これは主に、厳しい環境のもと、地域密着型の堅実経営を目指し、BIM、CIM、マシンコントロール、マシンガイダンス、VR、AR、3Dレーザースキャナーを始めとするICT化を駆使した提案型営業の積極的な展開により、医療介護・マンション・流通・食品関連・水力発電設備及び道路・河川建設工事など公共工事等の受注に注力した結果であります。各セグメントの売上高の連結売上高に占める割合は、建設事業が76.8%と前年同期と比べ5.1ポイント(前年同期82.0%)の減少、エンジニアリング事業が7.9%と前年同期と比べ1.0ポイント(前年同期8.9%)の減少、開発事業等が15.3%と前年同期と比べ6.2ポイント(前年同期9.1%)の増加となりました。

 

(売上総利益)

当連結会計年度における売上総利益は、建設事業を中心に、BIMを駆使し、IEを主としたKAIZEN活動の全社展開や仮設資材等の軽量化・省力化による工数削減等にての原価削減に引き続き取り組んだ結果、61億20百万円と前年同期と比べ8億81百万円(16.8%)の増益となりました。また、売上総利益率は、19.5%と前年同期と比べ0.8ポイント(前年同期18.7%)の増加となりました。

 

(営業利益)

当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、支払手数料、人件費、広告宣伝費等の増加はありましたが、消耗品費、寄付金、租税公課等の減少があり、30億43百万円と前年同期と比べ13百万円(0.4%)の減少となりました。

以上の結果、当連結会計年度の営業利益は、30億76百万円と前年同期と比べ8億68百万円(39.3%)の増益となりました。

 

(経常利益)

当連結会計年度における営業外収益は、受取利息、受取配当金や受取保険金等にて96百万円と前年同期と比べ1億27百万円(57.0%)の減益となりました。

営業外費用は、支払利息等にて12億7百万円と前年同期と比べ3億99百万円(49.4%)の増加となりました。

以上の結果、連結会計年度の経常利益は、19億65百万円と前年同期と比べ3億10百万円(19.1%)の増益となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度における特別利益は固定資産売却益での328千円と前年同期と比べ1百万円(77.3%)の減益の計上、また、固定資産の売却・除却損失での298千円と前年同期と比べ2百万円(89.3%)の減少の特別損失を計上しております。

以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、7億44百万円と前年同期と比べ30百万円(3.9%)の減益となりました。

 

財政状況の分析

(資産の部)

当連結会計年度末の総資産は、258億66百万円となりました。これは、主に現預金、受取手形・完成工事未収入金及び契約資産の増加による、流動資産の増加によるものです。

 

(負債の部)

当連結会計年度末の負債は、86億22百万円となりました。これは主に契約負債の増加による、流動負債の増加によるものです。

 

(純資産の部)

当連結会計年度末の純資産残高は172億44百万円となりました。この結果、自己資本比率は4.3ポイント減少して66.7%となりました。

 

キャッシュ・フローの分析

当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりです。

当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりです。

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、工事原価のほか、商品の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用です。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものです。

当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの一時的な短期借入を基本とし、設備投資資金の調達につきましては、基本的に自己資金としております。

なお、当連結会計年度末における借入金残高はありません。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は88億9百万円となっております。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

1.ライセンス契約

当社とライセンス契約ビルダーは、当社の開発したブレインシステムを利用して、ブレインマンション建設事業を行うライセンス契約を締結しております。

 

6 【研究開発活動】

建設事業(建築、土木)及びエンジニアリング事業において、社会の変化とお客様の多様なニーズに対応し、満足して頂けるよう環境に配慮し、品質及び生産性の向上を目的に、建設資材、設計、施工及び営業に関する技術の研究開発に積極的に推進しております。

当連結会計年度における研究開発活動に投入した費用は総額14,516千円で、主な研究テーマは次のとおりです。

 

(建設事業)

1  オリジナル住宅の開発

移りゆく時代、ニーズに対応するべくアルミ遮熱材と環境にやさしい断熱材(アクアフォーム)を組み合わせた高気密・高断熱住宅での省エネ生活の実現、プレカットハイブリッド構造と耐震性、デザイン性を高めたローコスト・コンパクト住宅の開発に取り組んでおります。

 

2  仮設資材

環境に配慮した転用率の高いスチール型枠・樹脂型枠の開発と特殊形状のオリジナルアルミ脚立の開発、製作及び作業環境の改善、軽量化・省力化を実現したオリジナルスーパーフォーム(SF)型枠等の研究開発を継続して実施しております。

 

3  ブレインマンション

従来のハイクオリティーブレインマンションの仕様見直しを行い、機能・品質を維持しつつ更にローコスト化を狙いとして構造躯体の合理化、外観デザイン、設備配管・配線の合理化方法の開発を進めております。

 

4  YNP(Yamaura Newel Post)工法

ブレインマンションの基礎配筋に於ける躯体隅部配筋のユニット化ならびに基礎配筋構造の研究・開発を行い、YNP工法の建築技術性能証明も取得いたしました。

 

5  土木用断熱型枠

厳寒期でも躯体養生不要なコンクリート自体の水和熱を利用する遮熱養生工法の研究・開発を継続して進め、近時、全天候型養生方法も開発し特許取得もしております。

 

建設事業にての研究開発費の金額は12,229千円です。

 

(エンジニアリング事業)

1  自然再生エネルギー資源活用技術の研究開発

小水力発電を中心とした自然エネルギーを有効的かつ効率的に活用するためのシステム設計技術・機器等の開発実用化研究を進めております。前期においては、2012年7月から始まった再生エネルギー固定価格買取制度を背景に、従来から進めてきた小水力発電提案事業が推進され、IoTセンシング技術を用いた遠隔監視システムなども開発・納入しております。

 

エンジニアリング事業にての研究開発費の金額は2,286千円です。

 

(開発事業等)

通常、研究開発活動は特段行われておりません。