文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、空気調和、冷暖房、給排水衛生設備、電気工事の設計、施工を通じて社会の発展、環境の保全と改善に貢献することを経営理念として事業活動を行っております。
(2) 目標とする経営指標
当社は、経営上の目標の達成状況を判断するため、完成工事高、営業利益、資本効率の観点から収益性の指標として自己資本当期純利益率(ROE)、を重要な経営指標として位置付け、持続的な企業価値向上に努めてまいります。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社は、下記の経営基本理念を念頭に置き、経営活動を推進しております。
①最高の技術を結集して、優れた品質の仕事を、適正な価格で顧客に提供する。
②絶えず生産性の向上に努め、適正な利益を確保する。
③仕事を通じて品質と性能の維持向上に努め、社会の環境の保全と改善を積極的に推進する。
④全社に相互信頼と協力の気風を培い、組織の総力を結集する。
⑤従業員の安全な職場環境の維持に努める。
(4) 今後の見通し及び対処すべき課題
今後のわが国経済の見通しにつきましては、高水準な企業収益を背景に内需主導で緩やかな景気回復が続く見通しであり、物価高を上回る賃上げや設備投資の拡大など前向きな動きが広がるものと思われます。しかしながら、物価上昇による消費者マインドの下振れや国際情勢による影響などが景気を下押しするリスクとなることに十分注意する必要があります。
建設業界におきましては、公共投資は引き続き底堅く推移し、企業の設備投資意欲も旺盛であるため、受注環境は堅調に推移していくものと思われます。一方で、建設資材費の高騰、労働力不足等の課題があります。こうしたなか、デジタル・ITを活用した生産性の向上や業務の効率化、価格競争力の改善による収益基盤の強化、持続可能な社会の実現に向けた環境対応に取組んでまいります。
当社は、2025年3月期から2027年3月期までの3年間の事業運営に関する「中期経営計画2026」の数値目標を前倒しで達成しましたので、新たに見直しました「中期経営計画2026」を当社ホームページへ掲載いたしました。
このような状況のなかで、当社は、
1.生産性の革新と成長の実現
2.環境設備技術の推進
3.健全な経営活動の推進
4.総合力発揮による収益基盤の強化
5.健康経営の実現
を重点方針としております。
これらの施策を講じながらサステナビリティ経営推進による社会価値の創造、社会に貢献し夢のある会社の実現に向け、成長と企業価値の向上に努めてまいります。
また、当社は、サステナブルな活動をSDGsやESG(環境、社会、企業統治)に連動させた取組みとして実践しております。「社会の発展、環境の保全と改善に貢献すること」を理念として生活環境作りに取組んでおり、環境保全は重要テーマの一つであると捉えております。とりわけ、ESGについては次のように考えております。
E(環境)については、事業活動を通じて省エネルギー化の促進等により脱炭素社会の実現へ貢献します。また、ボランティア清掃、ゴミ分別、エコキャップ活動等、環境保全活動にも積極的に取組んでまいります。
S(社会)については、働き方改革やダイバーシティの推進を重要課題と捉え、多様な人が働きやすい職場環境の整備に努め、従業員エンゲージメントの向上を目指します。
G(企業統治)については、「川崎設備工業 企業行動憲章」に基づき、コンプライアンスの遵守に継続して取組んでおります。
以上の取組みにより、すべてのステークホルダーから信頼される企業となることを目指し、企業価値の向上に、より一層努めてまいります。
当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
サステナビリティ全般
当社は経営理念として「わが社は常に未来を見つめ、明るく・正しく・強くをモットーに日常の経営活動を通
じて社会の発展と環境の保全と改善に貢献することを究極の目標とする」としており、生活基盤として欠かすこ
との出来ない建築設備工事を通して、健全な事業活動の推進と社会に必要とされる企業価値の向上、社会貢献、
環境保全活動を推進し、持続可能な社会の実現に積極的に取組んでおります。
2023年度には3ヵ年(2024年度から2026年度)の中期経営計画を策定しました。その中で、カーボンニュートラルの実現、地球温暖化対策、働き方改革の推進、ダイバーシティの推進、ボランティア活動、コンプライアンスの遵守、リスクマネジメントの強化をマテリアリティとして掲げ、ZEB事業や省エネ・再生可能エネルギーの提案、カーボンニュートラル(脱炭素社会)とSDGsの達成に向けた社会への貢献に全力で取組んでまいります。
サステナビリティ方針
サステナビリティ方針については、
をご参照ください。
(1) ガバナンス
当社は、サステナビリティ経営への取組み強化を目的として、サステナビリティ委員会を設置しており、
ESG課題への対応方針や取組み計画等を審議しております。
サステナビリティ委員会は、社長を責任者として各本部長等によって構成しております。定期的に開催し、取
締役会に報告することで、取締役会の監督が適切に図れる体制をとっております。
当社の総合的なリスクは内部統制室にて管理しており、工事施工期間中に発生する事故および災害、民間設備
投資の変動や資材費・労務費の価格変動、売上債権回収に関するリスク等、事業運営上発生しうるあらゆるリス
クの予防、発見、是正および再発防止のための議論・検討を行っております。気候変動リスクに関しては、サス
テナビリティ委員会と内部統制室が連携することにより、統合的なリスク管理体制を構築しております。

(2) 行動指針
行動指針については、
さい。
(3) リスク管理
当社は、総合的なリスク管理のプロセスを、内部統制室が年に1回リスクの識別・評価を行い、発生頻度や影
響度から優先順位を付け、「リスク管理一覧表」として纏めたものを取締役会および経営会議にて報告しており
ます。
また、リスクの顕在化についての調査を、内部監査時に行っております。その調査結果は取締役会および経営
会議へ報告され、顕在化したリスクについては主管部署が対策等を決定し、全社へ周知しております。
(4) 指標及び目標
「(2) 行動指針」に記載の、サステナビリティ(SDGsへの取組み)を指標として、その達成を図っており
ます。
気候変動(TCFD提言への取組)
(1) ガバナンス
サステナビリティ経営への取り組みの一環として、2020年1月にSDGs推進委員会を設置し、2022年4月に
はサステナビリティ委員会へと改称いたしました。当委員会は取締役会直下に位置し、半期に1回開催されてお
り、代表取締役社長を委員長、本部長、副本部長、総務部長を委員、経営企画部を委員兼事務局として構成され
ております。当委員会では、ESG課題への対応方針・取組み計画等の審議やサステナビリティ報告書への掲載
項目の特定、SDGsへの取組目標の設定と進捗状況の確認を行い、事務局では、委員会の運営や、サステナビ
リティ報告書作成の役割を担います。委員会の議題としては、マテリアリティの検討・設定、SDGsへの目標
達成状況や今後の取組、サステナビリティ報告書への掲載項目の検討等を取り扱います。当委員会にて検討され
た内容については、半期に一度の頻度で取締役会に報告しており、取締役会では報告内容について委員会に諮問
のうえ、委員会で検討したサステナビリティ目標に関する進捗のモニタリングを実施します。
(2) 戦略
当社は、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に基づき、当社の事業に関連する気候変動
リスク・機会の特定・評価、対応策の検討を実施しました。
気候変動の影響を適切に把握するため、低炭素経済への移行が進む1.5℃シナリオ(移行リスク)と、GHG排
出削減が十分に進まず気温上昇が加速する4℃シナリオ(物理リスク)を想定し、それぞれのシナリオにおける
事業環境の変化を分析しています。
各リスク・機会が発生すると想定される時期(時間軸)は、短期を1~3年、中期を3~10年、長期を10~30
年と設定しております。また、各リスク・機会の影響度は、事業への影響を定性的に評価し、大・中・小の3段
階で設定しております。
(3) リスク管理
気候関連リスクを識別・評価・管理するプロセス
当社は、気候変動に伴うリスクについては短期的なリスクのみならず、中長期的なリスクに関しても考慮し
ており、各本部で洗い出しを実施した後、サステナビリティ委員会によって年に1回の頻度で識別・評価を実
施し、特に重要であるリスクについては半期に1回の頻度で内部統制室および取締役会に報告される体制とな
っております。
識別・評価された気候変動リスクに関しては、サステナビリティ委員会にて予防策と対応方針を検討し、取
締役会にて審議・決定されます。決定された対応方針については、取締役会から当委員会を経て主管部署にて
実行されます。また、リスクレベルについては「影響度」と「緊急度」をそれぞれ3段階で評価し、総合評価
として9段階に分類することで対処すべきリスクの重要性と優先度の決定を行っております。
(4) 指標及び目標
① 気候関連の指標及び目標
カーボンニュートラル達成に向け、その中間目標となる 2030年度の当社のCO2排出量(SCOPE-1, 2)を、2013年
度比50%減と設定しております。2020年度より算定を開始し、2023年度は前年度比8.1%削減、2013年度比20.4%
削減となりました。
目標達成に向け、今後も、太陽光発電や自然由来の電力などを積極的に取り入れて温室効果ガス排出量の削減
に努めるとともに、ハイブリッド車、電気自動車等への切り替えを進めていき、引き続き当社が保有する脱炭素
技術や省エネ技術を最大限駆使して、脱炭素社会の実現に貢献してまいります。
温室効果ガス排出量実績(Scope-1,2) 単位:tCO2
温室効果ガス排出実績(Scope-3) 単位:tCO2
対象となる排出源
Scope1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出
Scope2:他者から供給された電気の使用に伴う間接排出
Scope3:カテゴリ8~10及び13~15は該当なしとしています。
なお、Scope1-2排出量はCO2のみを算定しており、環境省 算定・報告・公表制度、電気事業者別排出係数を使用しています。
人的資本に関する事項
(1) 戦略
a.人材に関する方針
当社は、施工管理を社業とする労働集約型の企業であることを踏まえ、「人への投資」によってイノベーショ
ン等を促し、高付加価値サービスの提供等を通じて、収益の拡大と社会課題の解決(環境問題への対応)に取組
んでいくこととしております。
(採用方針)
当社は、性別・国籍、障がいの有無等を問わず、建築設備工事に興味・意欲のある者については、新卒採用・
通年採用の枠にとらわれることなく、積極的に採用しております。
また、リファラル採用制度を導入し、当社社員一丸となって、採用活動に努めております。
(育成方針)
採用した人材につきましては、「空気と水のクリエイト」のエンジニアリング企業の社員として、技術を通じ
て社会に貢献するため、必要な国家資格の取得はもとより、専門能力・専門知識の習得・向上に向け、着実かつ
計画的な育成に努めております。
また、DX等、加速化する社会・経済の変化を踏まえて、専門知識・技術の補完、リスキリングについても、
積極的に取組んでおります。加えて、70歳までの継続雇用制度を整備し、熟練技術者の持つ知識・技術について
次代への着実な継承に努めております。
女性社員につきましては、管理職任用候補の選定、計画的な業務ローテーションの付与等により育成に努めて
おります。
(研修体系)
入社~初級社員:専門知識・技術の習得
イ.座学と実践を組み合わせた計画的かつ着実な育成
・新入社員導入教育、若年層教育
・2年目研修、3年目研修
・初級CAD講習
ロ.国家資格取得に向けた講習会の実施
・消防設備士試験講習会
・1級管工事施工管理技士検定講習会
中堅社員~:専門知識・技術の向上
イ.BIM講習
中堅社員~管理職:マネジメント能力・コンセプチュアルスキルの向上
イ.階層別研修(新任管理職研修等)
ロ.問題解決研修
全社員
イ.通信教育
b.職場環境整備方針
当社は、人材が最大の資源であることを踏まえ、全ての社員が健康で活き活きと働き、創造性を最大限発
揮できる、「働きやすさ」と「働きがい」を同時実現する職場づくりを進めております。
(人権の尊重)
当社は、事業のあらゆる場面において、いかなる差別的取扱いも行わず、基本的人権を尊重します。特
に、パワーハラスメント、セクシュアルハラスメント、マタニティハラスメント、ジェンダーハラスメント
等、ハラスメント行為は一切禁ずるとともに、他人の行為も見逃しません。
(安全衛生管理の徹底)
当社は、安全を経営の最重要課題と認識し、安全パトロール等により災害防止に努めるとともに、健康診
断項目の充実等により疾病の予防・早期発見に取組むなど、心身の安全・健康に十分留意した職場づくりを
進めております。
(多様で柔軟な働き方)
当社は、仕事と家庭の両立や自己啓発等の支援のため、長時間労働の削減、休暇取得の推進など、働き方
改革に全社をあげて取組むとともに、フレックスタイム勤務・在宅勤務(リモート勤務)を導入するなど、
社員の柔軟な働き方を支援しております。
また、育児に利用できる当社独自の休暇制度を導入し、育児と仕事の両立支援にも力を入れております。
(あらゆる人が働きやすい環境整備)
各事業に加え、時限的で制約のある現場事務所については、その特性を考慮しつつ配置人員を踏まえて、
女子更衣室、女子トイレ、バリアフリーの整備に取組んでおります。また、傷病のための療養や育児目的に
活用できる有給休暇の積立保存制度を設け、安心して働くことができる環境整備に努めております。
新入社員については、一人ひとりにメンターを選任し、公私にわたるフォローを行うとともに、教育ツー
ルにDXを積極的に取り入れ、社員がいつでもどこでも学べる環境を整備しております。
さらに、施工管理業務の内容・特性を分析・整理し、現場業務とバックオフィス業務を区分けするなど、
多様な人材がそれぞれの適性・能力を十分発揮できる業務分担となるよう留意しております。
(公正な処遇)
当社では、中途・新卒採用区分や、年齢、性別、国籍等の属人的要素に関係なく、当人の保有するスキル
(国家資格等)、職務遂行能力、実績を公正に評価し、処遇・昇格等に反映する制度および運用を徹底して
おります。
(2) 指標および目標
当社では、上記「(1)戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材に関する方針および職場環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標および実績は、次のとおりであります。
a.多様性の確保
b.女性の活躍推進
c.働き方改革の推進
d.仕事と家庭の両立
e.コミュニケーション促進
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。
建設業は請負形態を主とするため、公共投資や民間設備投資などの建設市場が急激に縮小した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
この対策として、当社は、外部環境の変化やお客様のニーズを的確に捉えてビジネスチャンスに繋げていけるよう、全社一丸となって努力し、リスクの最小化に努めてまいります。
資材価格や労務単価が急激に上昇した際、それを請負金額に反映することが困難な場合には、業績等に影響を及ぼす可能性があります。
この対策として、工事調達の合理化を総合的に推進し、計画的な調達および適時発注など業務の質的向上を図るとともに、工事請負契約の締結にあたり、原則として労務賃金・建設物価の変動に基づく請負代金の変動に関する規定(スライド条項等)を、基本的な条件として交渉しております。
当社は、取引先の財務情報他を入手し、取引から発生するリスクを軽減すべく与信管理を実施しておりますが、工事代金の受領前に取引先が倒産した場合は、当社の経営成績並びに財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 工事施工期間中に発生する事故および災害に関するリスク
当社は、工事施工期間中の安全衛生、品質管理等に重点をおいて工事を施工しておりますが、不測の人的・物的の事故並びに災害等の発生に伴い、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
この対策として、役員や業務経験の豊富な従業員による品質パトロールを定期的に実施して事故等の発生の回避に努めております。
当社は、竣工引き渡し後一定期間の間、かし担保責任を負っております。このかし担保責任により、訴訟等が提起された場合には、業績に影響を受ける可能性があります。
この対策として、役員や業務経験の豊富な従業員による品質パトロールを定期的に実施して偶発債務の発生等の回避に努めております。
当社は、建設業法、独占禁止法、労働安全衛生法等による法的規制を受けており、法的規制の改廃や新設、適用基準等の変更があった場合、または法的規制による行政処分等を受けた場合には、業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、コンプライアンスの向上を図ることを目的として、コンプライアンス委員会を設置しております。コンプライアンス委員会は、代表取締役社長を委員長とし、本部長や支社長等により構成されており、企業倫理の基本理念を遵守するための施策の審議決定や遵守状況の監視をしております。
また、適切な機会を利用して従業員に対する教育・啓蒙を行っており、コンプライアンス違反の情報を提供する手段として、内部通報制度を設けております。
履行義務の充足に係る進捗度を合理的に見積ることができない場合および工期がごく短い工事契約等を除いて、一定の期間にわたり履行義務の充足に係る進捗度に基づき収益を認識しております。当該収益認識にあたっては、工事収益総額、工事原価総額および事業年度末における工事進捗度を合理的に見積もっております。当社は、工事案件ごとに継続的に見積工事原価総額や予定工事期間の見直しを実施する等適切な原価管理に取り組んでおります。しかしながら、それらの見直しが必要になった場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、見積工事原価総額が請負金額を上回ることとなった場合は、その時点で工事損失引当金を計上しております。
この対策として、見積工事原価総額の見直しを行い、適宜決算に反映するようにしております。
新たな感染症が発生し、当社の従業員および協力会社の従業員等が就業不能になった場合、事業継続が困難となるリスクがあります。また、国内外の景気が後退し、建設受注高の減少や工事中断による売上高の減少等、業績に影響を及ぼす可能性があります。
この対策として、事業継続計画書を整備し、有事に備えております。
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりであります。
a.経営成績
当事業年度におけるわが国経済は、緩やかに回復しており、高水準な企業収益を支えに、前年を上回る賃上げや設備投資の拡大など好調に推移しております。
建設業界におきましては、公共投資は底堅く推移しており、民間設備投資も好調な企業収益を背景に堅調に推移しました。
このような経済状況下において、当社は、本年度より2026年度を最終年度とする新中期経営計画をスタートさせ、「かわせつ 未来にむかって、夢と希望を切り開く」のスローガンのもと、5つの重点方針である
1.生産性の革新と成長の実現
2.環境設備技術の推進
3.健全な経営活動の推進
4.総合力発揮による収益基盤の強化
5.健康経営の実現
を推進してまいりました。
その結果、受注高につきましては、310億23百万円(前期比9.4%増)となりました。工事種別では、一般ビル工事は、店舗・商業施設等の減少により217億27百万円(前期比0.9%減)、産業施設工事は、工場関連施設の増加により63億86百万円(前期比48.0%増)、電気工事は、工場関連施設の増加により29億10百万円(前期比36.7%増)となりました。セグメント別の前事業年度比較では、東部・中部・西部すべてにおいて増加しました。
完成工事高につきましては、291億59百万円(前期比29.7%増)となりました。工事種別では、一般ビル工事は、スポーツ施設等の増加により207億41百万円(前期比26.8%増)、産業施設工事は、工場関連施設の増加により58億16百万円(前期比41.3%増)、電気工事は、工場関連施設の増加により26億1百万円(前期比29.7%増)となりました。セグメント別の前事業年度比較では、東部・中部・西部すべてにおいて増加しました。
損益につきましては、営業利益は27億13百万円(前期比103.5%増)、経常利益は27億33百万円(前期比101.8%増)、当期純利益は19億58百万円(前期比131.5%増)となりました。
また、本年度よりスタートした新中期経営計画は、受注高、完成工事高、各利益において前倒しで達成することができました。
次期以降の繰越高は、271億52百万円(前期比7.4%増)となりました。
2024年度 計画値と実績値の差異 (単位:百万円)
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
〔東部〕
東部の業績につきましては、完成工事高は一般ビル工事が堅調に推移したため95億44百万円(前期比11.5%増)となりました。セグメント利益は11億34百万円(前期比17.6%増)となりました。
〔中部〕
中部の業績につきましては、完成工事高は一般ビル工事が堅調に推移したため142億63百万円(前期比45.9%増)となりました。セグメント利益は23億89百万円(前期比90.0%増)となりました。
〔西部〕
西部の業績につきましては、完成工事高は一般ビル工事が堅調に推移したため53億52百万円(前期比29.0%増)となりました。セグメント利益は4億69百万円(前期比77.0%増)となりました。
b.財政状態
当事業年度末の資産合計は、前事業年度末に比べ39億48百万円増加し、242億74百万円となりました。
当事業年度末の負債合計は、前事業年度末に比べ22億43百万円増加し、109億39百万円となりました。
当事業年度末の純資産合計は、前事業年度末に比べ17億5百万円増加し、133億35百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期純利益の計上および仕入債務の増加額等がありましたが、売上債権の増加等により、△0百万円(前年同期は△5億86百万円であり、これと比較すると5億86百万円の増加)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出等により、△30百万円(前年同期は△52百万円であり、これと比較すると21百万円の増加)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額等により、△5億13百万円(前年同期は△4億27百万円であり、85百万円の減少)となりました。
この結果、現金及び現金同等物の当事業年度末残高は、前年同期比5億44百万円(12.3%)減の38億71百万円となりました。
(注) 1 当社では建設事業以外は受注活動を行っておりません。
2 当社では生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載しておりません。
(1) 受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高
(注) 1 前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額に増減のある場合は、当期受注工事高にその増減額が含まれております。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれております。
2 次期繰越工事高は、(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)であります。
(2) 受注工事高の受注方法別比率
工事の受注方法は特命と競争に大別されます。
(注) 百分比は請負金額比で示しております。
(3) 完成工事高
(注) 1 前事業年度の完成工事高のうち主なものは、次のとおりであります。
2 当事業年度の完成工事高のうち主なものは、次のとおりであります。
3 完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先の完成工事高およびその割合は、次のとおりであります。
前事業年度
川崎重工業株式会社 2,456百万円 10.9%
当事業年度
川崎重工業株式会社 3,793百万円 13.0%
東亜建設工業株式会社 3,300百万円 11.3%
(4) 次期繰越工事高(2025年3月31日現在)
(注) 次期繰越工事高のうち主なものは、次のとおりであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
当社は、適正な利益確保を重視し、株主価値の向上を図るため自己資本当期純利益率(ROE)8.0%以上の達成を目指しました。その結果、自己資本当期純利益率(ROE)は15.7%と目標を達成しました。
なお、当社の当事業年度の経営成績等は次のとおりであります。
当事業年度末における完成工事高は、291億59百万円(前期比29.7%増)となり、前事業年度に比べて66億77百万円増加しました。セグメント別の完成工事高については、第2 [事業の状況]4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 をご参照下さい。
当事業年度における営業利益は、27億13百万円(前期比103.5%増)となり、前事業年度に比べて13億79百万円増加しました。営業利益率は前事業年度から3.4ポイント増加し、9.3%となりました。
(経常利益)
当事業年度末における経常利益は、27億33百万円(前期比101.8%増)となり、前事業年度に比べて13億79百万円増加しました。経常利益率は前事業年度から3.4ポイント増加し、9.4%となりました。
当事業年度末における流動資産の残高は、196億44百万円(前事業年度末は157億17百万円)となり、39億26百万円増加しました。主な増加の要因は、完成工事未収入金が増加したことによるものであります。
当事業年度末における固定資産の残高は、46億30百万円(前事業年度末は46億8百万円)となり、22百万円増加しました。主な増加の要因は、投資その他の資産の繰延税金資産が増加したことによるものであります。
当事業年度末における流動負債の残高は、96億11百万円(前事業年度末は72億18百万円)となり、23億92百万円増加しました。主な増加の要因は、工事未払金が増加したことによるものであります。
当事業年度末における固定負債の残高は、13億27百万円(前事業年度末は14億76百万円)となり、1億49百万円減少しました。主な減少の要因は、リース債務が減少したことによるものであります。
当事業年度末における純資産の残高は、133億35百万円(前事業年度末は116億30百万円)となり、17億5百万円増加しました。主な増加の要因は、当期純利益の計上によるものであります。
当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況の分析につきましては、第2[事業の状況]4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況をご参照下さい。
なお、当社のキャッシュ・フロー指標のトレンドは、下記のとおりであります。
(注)1 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業活動によるキャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業活動によるキャッシュ・フロー/利払い
*株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により算出しております。
*有利子負債は、貸借対照表に計上されている負債のうち、短期借入金、長期借入金(1年以内返済)および長期借入金を対象としております。また、利払いについてはキャッシュ・フロー計算書の「利息の支払額」を使用しております。
2 第97期および第98期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率、インタレスト・カバレッジ・レシオは、「営業活動によるキャッシュ・フロー」がマイナスのため表示しておりません。
3 キャッシュ・フロー対有利子負債比率は、「有利子負債」がないため表示しておりません。
資本の財源及び資金の流動性
当社の運転資金需要のうち主なものは、工事原価のほか、販売費及び一般管理費等の費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。
運転資金および投資資金については、主として営業活動から得られるキャッシュ・フローを源泉とする内部資金または金融機関からの借入を基本としております。
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5[経理の状況] 1 [財務諸表等][注記事項](重要な会計方針)に記載しております。財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態および経営成績に影響を及ぼすと考えております。
当社のすべての工事について工事契約を締結しております。当該契約については、一定の期間にわたり履行義務が充足されると判断し、履行義務の充足に係る進捗度に基づき収益を認識しております。進捗度の測定は、各報告期間の期末日までに発生した工事原価が、予想される工事原価の総額に占める割合に基づいて行っております。また、履行義務の充足に係る進捗度を合理的に見積ることができないが、当該履行時期を充足する際に発生する費用を回収することが見込まれる場合には、履行義務の充足に係る進捗度を合理的に見積ることができる時まで、一定の期間にわたり充足される履行義務について原価回収基準により収益を認識しております。なお、契約における取引開始日から完全に履行義務を充足すると見込まれる時点までの期間がごく短い工事契約等については、引渡時点において履行義務が充足されると判断し、当該時点で収益を認識しております。
また、工事損失引当金については事業年度末手持工事のうち、損失が見込まれ、かつ、その金額を合理的に見積もることが出来る工事について、将来の損失見込額を計上しております。
しかしながら、この見積りには設計変更や工期変更等による見積工事原価総額の見直し、および原材料価格や人件費の高騰や、作業人員若しくは建設資材の不足、または工事の完工が遅れる場合等の様々な要因により変動する可能性があり、実際の完成工事高、完成工事原価及び工事損失引当金の計上額と異なる可能性があります。
当社は、繰延税金資産について、その回収可能性を考慮して、評価性引当額を計上しております。評価性引当額を計上する際には、将来の課税所得を合理的に見積もっております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得に依存するので、その見積額が減少した場合は繰延税金資産が減少され税金費用が計上される可能性があります。
従業員の退職給付費用については、各会計年度末における退職給付債務の見込額に基づき引当計上しております。これらは割引率、昇給率、死亡率等の重要な見積りを加味して計上しております。
該当事項はありません。
当社の研究開発は、複雑化する社会ニーズの中で、空気調和・冷暖房・給排水・衛生・換気・防災・環境・公害防止・電気・省エネルギー等の多くの分野の中から、現在、当社で進行している設計、工事の中から必要技術を選び研究・開発を推進しております。
当事業年度における研究開発費は
(a)感染防止個別換気付隔離飼育装置の空調システムの技術開発
(b)CFD(Computational Fluid Dynamics:コンピューターによる熱・流体解析)による産業空調での検証技術の開発