「第2 事業の状況」における各事項の記載については、消費税等抜きの金額で表示しております。
日本経済は新型コロナウイルス感染症拡大による景気後退の影響を受けて、個人消費は依然として低迷期から脱出できず、企業収益の回復が遅れている状況から設備投資は消極的な動きを辿るなど、先行きの不透明感が払拭できない厳しいものとなっております。
先行きが不透明な情勢にはありますが、当社グループ(当社及び連結子会社をいう。以下同じ。)は、2019年4月より不確実性の大きい経営環境に柔軟かつ機動的に対応できる、持続的で安定的な経営基盤の確立を目指して、「中期経営計画」(2020年3月期~2022年3月期)を策定し、スタートしております。『変革に挑戦し、「企業価値の増大と社会への還元」を目指した経営の実践』を計画のコンセプトに掲げ、本計画の基本方針である①安定的な売上高確保への取組み強化、②安定的な利益確保への取組み強化、③働き方改革を強化するとともに人材の確保・育成システム充実への取組み強化、④「健全な財務体質」、「将来の成長戦略投資に必要な内部留保の確保」を総合的に勘案した株主還元、⑤コーポレート・ガバナンスの更なる充実への取組みを着実に実施してまいります。
また、企業市民として、安全・品質の確保やコンプライアンスの徹底を実践し、公正妥当な事業活動を行うとともに、内部統制システムの充実に努めてまいります。
道路建設業界におきましては、感染症の拡大に収束の兆しが現れない限り、生産活動や消費需要の低迷が業績の下振れに結び付く懸念が大きいことなど、経営環境の先行きに予断を許さない状況になっております。
このような状況を踏まえ、当社グループは、不確実性の大きい経営環境に柔軟かつ機動的に対応することによって、影響を低減することを図ってまいります。また、技術力やコスト競争力の向上と提案力の強化に努め収益の確保を目指すともに、「働き方改革」と建設DXの推進による「生産性向上」の一体化を目標に施工効率の追求、協力会社の育成等を実行していく所存です。
有価証券報告書に記載した「第2 事業の状況」、「第5 経理の状況」等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクには以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 特定の取引先への高い依存度について
当社グループの主要事業である道路舗装事業は、公共投資への市場依存度が高く、政府の公共投資政策が急激に変更になった場合など、売上高が大きく減少するなどの影響を受ける可能性があります。影響を軽減する対応として、公共投資事業に過度に依存することなく、民間土木事業への提案型営業を強化するなどの取組みを行っております。
(2) 調達資材・労務について
調達資材のうち、輸入原油から製造され舗装原材料となるアスファルトは、原油と為替の市況により購入価格が変動しますが、著しく購入価格が高騰した場合に、製品販売価格や請負代金に転嫁させることができない場合には業績に影響を及ぼす可能性があります。影響を軽減する対応として、自助努力によるコスト削減や価格転嫁に努めるなどの取組みを行ってまいります。
また、感染症の拡大が発生した場合には、物流や移動の制限などによって資材・労務の調達が困難になる懸念があり、同じく業績に影響を及ぼす可能性があります。影響を軽減する対応として、事業継続計画の策定や災害時対応マニュアルなどの対策を講じております。
(3) 法的処分等について
建設事業は、その作業環境や作業方法の特性から他の産業に比べ事故発生率が高く、建設現場で労働災害や公衆災害が発生した場合、その程度により建設業法上の監督処分(営業停止等)や公的発注機関の指名停止処分の対象となったり、あるいは損害賠償を受ける等によって、業績に影響を及ぼす可能性があります。影響を軽減する対応として、安全パトロールの実施や協力会社への安全講習の実施などにより、事故の発生を未然に防ぐ取組みを行っております。
(4) 取引先の信用について
取引先につきましては、取引金額、会社規模及び経営状況等が多種多様なため、急激な事業環境の変化等により、取引先が信用不安に陥った場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。影響を軽減する対応として、受注審査に一定の基準を設け、取引先の信用について入念に検討しております。
(5) 大規模自然災害や感染症等の発生について
当社グループの事務所や工場所在地を含む地域で大規模な地震、津波、風水害等の大規模自然災害が発生した場合、また感染症等の拡大が発生した場合には、当社グループの事業継続に支障をきたし、業績に影響を及ぼす可能性があります。影響を軽減する対応として、事業継続計画を策定するとともに安否確認システムの定期的な運用訓練を実施しております。また、通常の出勤が困難となる場合に備えて、在宅勤務を効率的に行う体制を整備しております。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は、次のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響につきましては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に記載しております。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比べ437百万円増加して、27,548百万円となりました。
流動資産は同292百万円増加の21,195百万円、固定資産は144百万円増加の6,352百万円となりました。
資産の増加の主な要因は、現金預金の増加によるものであります。
流動負債は同307百万円減少の12,872百万円、固定負債は同136百万円減少の2,132百万円となりました。
負債の減少の主な要因は、支払手形・工事未払金等の減少によるものであります。
当連結会計年度末の純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益を1,188百万円計上したこと等により、12,543百万円となりました。
当連結会計年度の業績につきましては、受注高は前連結会計年度比11.0%減少の32,183百万円となりました。また、売上高は同1.2%増加の33,796百万円、経常利益は、主に建設事業の採算管理の徹底などによる利益率の好転により同13.5%増加の1,827百万円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は同14.5%増加の1,188百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。なお、報告セグメントの利益は売上総利益の数値であります。
建設事業におきましては、受注高は26,777百万円(前連結会計年度比12.7%減少)、完成工事高は28,336百万円(前連結会計年度比1.8%増加)、セグメント利益は3,185百万円(前連結会計年度比10.0%増加)となりました。
建設用資材の製造・販売事業におきましては、売上高は5,406百万円(前連結会計年度比1.7%減少)、セグメント利益は840百万円(前連結会計年度比2.1%減少)となりました。
その他におきましては、太陽光発電による売電事業の売上高は53百万円(前連結会計年度比2.6%増加)、セグメント利益は31百万円(前連結会計年度比13.8%増加)となりました。
期首に計画をした当連結会計年度の業績は、売上高は34,600百万円、経常利益は1,310百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は810百万円であり、セグメントごとの計画は、次のとおりであります。なお、報告セグメントの利益は売上総利益の数値であります。
完成工事高28,380百万円、セグメント利益2,575百万円
売上高6,180百万円、セグメント利益1,000百万円
売上高40百万円、セグメント利益20百万円
建設事業におきましては、完成工事高はほぼ計画どおりとなり、採算管理の徹底などによる利益率の好転により、セグメント利益は23.7%の増加となりました。
製造・販売事業におきましては、アスファルト合材の製造数量が当初の見込より減少したことなどから、売上高は計画から12.5%の減少となり、売上高の減少から、セグメント利益は計画から16.0%の減少となりました。
その他におきましては、太陽光発電は、計画を若干上回る結果となりました。
今後の課題としては、建設事業におきましては、建設DXの推進などにより採算性と効率性を追求するとともに、製造・販売事業におきましては、アスファルト合材の製造数量を確保するとともに、材料の仕入価格の変動に対応した適正な販売価格の設定が重要と考えております。
営業活動では、税金等調整前当期純利益の計上等により2,429百万円の資金の増加(前連結会計年度1,099百万円の資金の増加)となりました。
投資活動では、有形固定資産の取得による支出等により752百万円の資金の減少(前連結会計年度520百万円の資金の減少)となりました。
また、財務活動では、配当金の支払等により267百万円の資金の減少(前連結会計年度250百万円の資金の減少)となりました。
これにより「現金及び現金同等物の期末残高」は、1,409百万円増加し、10,677百万円(前連結会計年度比15.2%増加)となりました。
当社グループの主要な資金需要は、建設事業及び製造・販売事業のための材料費、労務費、外注費、経費、販売費及び一般管理費の営業費用ならびに主として製造・販売事業における設備の増強、更新等に係る投資であります。
これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金にて対応することを基本方針としております。
セグメント別の設備投資の概要及び現在予定をしている重要な設備の新設については、「第3 設備の状況」をご参照下さい。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、連結会計年度末における資産・負債ならびに連結会計年度の収益・費用の数値に影響を与える見積り及び判断が行われております。これらの見積り及び判断については、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なることがあります。
なお、会計上の見積りに対する新型コロナウイルス感染症の影響に関して、現時点で影響は軽微であり、当連結会計年度において会計上の見積りを行った結果、当連結会計年度における連結財務諸表に及ぼす影響、及び翌連結会計年度における連結財務諸表に及ぼす影響は軽微なものと判断しております。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
当社グループは、繰延税金資産について定期的に回収可能性を検討し、当該資産の回収が不確実と考えられる部分に対して評価性引当額を計上しております。回収可能性の判断においては、将来の課税所得見込額と実行可能なタックス・プランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しております。
将来の課税所得見込額はその時の業績等により変動するため、課税所得の見積りに影響を与える要因が発生した場合は、回収懸念額の見直しを行い繰延税金資産の修正を行うため、当期純損益額が変動する可能性があります。
成果の確実性が認められる工事については、工事進行基準(工事の進捗率の見積りは原価比例法)により完成工事高を計上しております。計上にあたっては、工事収益総額及び工事原価総額を合理的に見積る必要があります。発注者との交渉の状況によって工事収益総額が変動した場合や、想定していなかった原価の発生等により工事原価総額が変動した場合は、完成工事高及び完成工事原価が影響を受け、当社グループの業績を変動させる可能性があります。
c 固定資産の減損
固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、資産のグルーピングをセグメント別に行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減損し、当該減少額を減損損失として計上しております。
固定資産の回収可能価額について、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき算出しているため、当初見込んでいた収益が得られなかった場合や将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更があった場合、固定資産の減損を実施し、業績を悪化させる可能性があります。
当社グループでは、生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載しておりません。
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の売上高及び売上総額に対する割合は、次のとおりであります。
なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は、次のとおりであります。
(a) 工事部門の状況
イ 受注工事高、完成工事高、繰越工事高及び施工高
(注) 1 前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額に変更あるものについては、当期受注工事高にその増減額を含めております。従って、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれております。
2 次期繰越工事高の施工高は、手持工事高の工事進捗部分であります。
3 当期施工高は、(当期完成工事高+次期繰越施工高-前期繰越施工高)に一致します。
ロ 受注工事高の受注方法別比率
工事の受注方法は、特命と競争に大別されます。
(注) 百分比は、請負金額比であります。
ハ 完成工事高
完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。
第73期の完成工事のうち主なもの
第74期の完成工事のうち主なもの
ニ 手持工事高 (2021年3月31日現在)
手持工事のうち主なもの
(b) 製品部門の状況
アスファルト合材等の販売実績は、次のとおりであります。
(注) その他売上金額は、乳剤、砕石等の素材の販売等の売上金額であります。
(c) 主要顧客の状況
売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及び割合は、次のとおりであります。
該当事項はありません。
提出会社においては、技術研究所を中心に道路舗装材に関する調査・研究ならびに新材料・工法及び施工機械等の改良開発に努めております。
当連結会計年度における研究開発費は、
当連結会計年度における研究開発は、以下のとおりであります。
① 浸透型防水層を用いた、複合防水システムの研究開発
② ライフサイクルコスト削減を目的とした、高耐久性舗装材の更新と薄層舗装化
③ 再生合材の品質確保を目的とした、フォームド技術の導入
④ 社会的ニーズに対応した新舗装材の開発
⑤ リーンマネージメントからのICT技術の抽出
⑥ 維持修繕工事への対応を目的とした、補修材料の開発
なお、連結子会社においては、研究開発活動は行われておりません。