当社グループ(当社及び連結子会社をいう。以下同じ。)における経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
日本経済は、2023年3月に新型コロナウイルス感染症拡大防止の取組みが緩和されるなど、ウィズコロナの新たな段階への移行が進みつつある中、緩やかながら経済活動が回復に向かう兆しを見せておりますが、世界情勢の緊迫に伴う資源価格の高騰や円安の進行による物価上昇が、個人消費の冷え込みや企業の設備投資の縮小に繋がる恐れがあるなど、先行きの不透明感が払拭できない厳しいものとなっております。
先行きが不透明な情勢にはありますが、当社グループは、持続可能な社会の実現に向かって世界的に意識が高まっている背景を踏まえ、経済的価値の追求に加え、環境・社会的価値の追求を取り入れて事業活動を展開していくことを目指して、『「将来へつながる」道づくり ~選ばれる企業へ~』をコンセプトに掲げ策定した、2022年度を初年度とする三ヵ年の「中期経営計画2022-2024」(2023年3月期~2025年3月期)に則り、本計画の基本方針である①当社グループの財産である「人」の育成を通じ、魅力ある職場環境を実現する ②「大地とともに歩む」企業として、地球環境保全に積極的に取り組む ③高品質なものづくりを提供し、安心・安全で長く使い続けられる社会インフラの整備を行うに従った施策を着実に実施してまいります。
また、企業市民として、安全・品質の確保やコンプライアンスの徹底を実践し、公正妥当な事業活動を行うとともに、内部統制システムの充実に努めてまいります。
道路建設業界におきましては、原油価格の高騰に伴い製造・販売事業の主要材料であるアスファルトの仕入価格が上昇していることが業績に大きな影響を及ぼし、採算の悪化に繋がっていることなど現時点では非常に厳しい環境になっております。
このような状況を踏まえ、当社グループは、不確実性の大きい経営環境に柔軟かつ機動的に対応することによって、影響を低減することを図ってまいります。また、技術力やコスト競争力の向上と提案力の強化に努め収益の確保を目指すとともに、「働き方改革」と建設DXの推進による「生産性向上」の一体化を目標に施工効率の追求、協力会社の育成等を実行していく所存です。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) ガバナンス
サステナビリティに関する取組みを全社で推進するため、当社取締役会の諮問機関として2021年11月に代表取締役社長が委員長を務める「サステナビリティ推進委員会」を設置し、経営企画部が事務局となり、サステナビリティ施策の立案、展開、進捗管理を行う体制を整えております。
経営理念に掲げる「社員活力の重視」については、経営トップの強いコミットメントと社員の意識改革の下、女性、外国人、シニア、障がい者等の積極的な登用を図るとともに、多様な人材が活躍できる企業風土づくりの実現に取り組んでおります。

(2) 戦略
〔気候変動〕
当社グループは、「脱炭素社会へ向けた取組み」「サーキュラーエコノミーに向けた取組み」をマテリアリティとして設定しております。これを達成するために、環境負荷の低減、再生エネルギーの活用等による地球環境への貢献、資源の有効活用、リサイクルの推進、廃棄物の削減による循環型社会への貢献を目指し、さらなる温室効果ガス(GHG)排出量削減に取り組んでおります。
〔人材の育成に関する方針〕
社員一人ひとりが三井住建道路グループというチームの一員として自分の役割や期待を理解して課題に挑戦し、仕事を通じて成長し、期待される役割を果たせるように、チーム内コミュニケーションの質向上及び問題解決・課題達成のための思考力向上につながるさまざまな教育を実施しております。
また、性別などの属性によらず、社員一人ひとりが能力を最大限に発揮できる会社を目指しております。当社グループは、なかでも女性活躍推進を最大の課題と認識しており、「女性活躍推進法」に基づいて、積極的な女性採用及び管理職登用を行い、女性が働きやすい職場づくりに取り組んでおります。
〔社内環境整備に関する方針(従業員の安全及び健康)〕
会社は社員の健康が最重要と考え、経営理念と安全衛生基本方針に基づき、社員の健康状態が向上するとともに、社員が仕事にやりがいを感じ、活き活きと働いている状態の実現を目指しております。その結果、業績向上や企業価値向上にもつながります。活動推進にあたり、健康経営の責任者である社長のもと、推進主体として「安全・衛生委員会」を設置しており、統括安全衛生管理責任者を安全担当役員が兼任し、健康経営を総合的にマネジメントいたします。
(3) リスク管理
企業を取り巻く環境が複雑かつ不確実性を増すなか、企業活動に重大な影響を及ぼすリスクに的確に対処することが、経営戦略や事業目的を遂行していくうえでは不可欠であります。
当社グループは、気候関連問題を経営上の重大な影響を及ぼすリスクとして位置付け、適切に管理しております。
(4) 指標及び目標
〔気候変動〕
当社グループは、2050年の「カーボンニュートラル」の実現に向け、中長期的な温室効果ガス(GHG)の排出削減目標の達成を目指します。そのために、再生エネルギーの活用、循環型社会への貢献、事業活動などバリューチェーンを通じた環境負荷低減に積極的に取り組んでおります。
■ GHG削減目標
※Scope1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)
Scope2:他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出
Scope3:Scope1、Scope2以外の間接排出(事業者の活動に関連する他社の排出)
〔人材の育成〕
当社グループは、共通の価値観を持って的確・迅速な意思決定ができるリーダー人材を育成するとともに、多様な人材が活躍できる、働きやすい環境を整備し、そこで働く人々がチーム力を最大限発揮することができるよう、風通しの良い組織づくりを進めております。
〔従業員の安全及び健康〕
当社グループは、企業が健全であるためには、従業員が心身ともに健康であることが重要と考え、積極的に従業員の健康管理に取り組んでおります。
(注) 労働災害の重さの程度:1,000延べ実労働時間当たりの延べ労働損失日数による
計算式:延べ労働損失日数÷延べ実労働時間数×1,000
有価証券報告書に記載した「第2 事業の状況」、「第5 経理の状況」等に関する事項のうち、当社グループの経営成績及び財務状況等(株価等を含む)に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 特定の取引先への高い依存度について
当社グループの主要事業である道路舗装事業は、公共投資への市場依存度が高く、政府の公共投資政策が急激に変更になった場合など、売上高が大きく減少するなどの影響を受ける可能性があります。影響を軽減する対応として、公共投資事業に過度に依存することなく、民間土木事業への提案型営業を強化するなどの取組みを行っております。
(2) 調達資材について
調達資材のうち、輸入原油から製造され舗装原材料となるアスファルトは、原油と為替の市況により購入価格が変動しますが、著しく購入価格が高騰した場合に、製品販売価格や請負代金に転嫁させることができない場合は、業績に影響を及ぼす可能性があります。
顧客に対して、適正な転嫁を要請すること等により、業績への影響を軽減することに努めます。
(3) 法的処分等について
建設事業は、その作業環境や作業方法の特性から他の産業に比べ事故発生率が高く、建設現場で労働災害や公衆災害が発生した場合、その程度により建設業法上の監督処分(営業停止等)や公的発注機関の指名停止処分の対象となったり、あるいは損害賠償を受ける等によって、業績に影響を及ぼす可能性があります。影響を軽減する対応として、安全パトロールの実施や協力会社への安全講習の実施などにより、事故の発生を未然に防ぐ取組みを行っております。
(4) 取引先の信用について
取引先につきましては、取引金額、会社規模及び経営状況等が多種多様なため、急激な事業環境の変化等により、取引先が信用不安に陥った場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。影響を軽減する対応として、受注審査に一定の基準を設け、取引先の信用について入念に検討しております。
(5) 大規模自然災害や感染症等の発生について
当社グループの事務所や工場所在地を含む地域で大規模な地震、津波、風水害等の大規模自然災害が発生した場合、また感染症等の拡大が発生した場合には、当社グループの事業継続に支障をきたし、業績に影響を及ぼす可能性があります。影響を軽減する対応として、事業継続計画を策定するとともに安否確認システムの定期的な運用訓練を実施しております。また、通常の出勤が困難となる場合に備えて、在宅勤務を効率的に行う体制を整備しております。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は、次のとおりであります。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比べ1,470百万円増加して、28,164百万円となりました。
流動資産は同929百万円増加の21,243百万円、固定資産は541百万円増加の6,921百万円となりました。
資産の増加の主な要因は、現金預金の増加によるものであります。
流動負債は同1,073百万円増加の12,705百万円、固定負債は同10百万円増加の2,100百万円となりました。
負債の増加の主な要因は、未成工事受入金等の増加によるものであります。
当連結会計年度末の純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益を630百万円計上したこと等により、13,358百万円となりました。
当連結会計年度の業績につきましては、受注高は30,843百万円(前連結会計年度比1.6%減少)となりました。売上高は31,914百万円(前連結会計年度比1.2%増加)、経常利益は、1,015百万円(前連結会計年度比6.9%増加)、親会社株主に帰属する当期純利益は630百万円(前連結会計年度比0.5%増加)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。なお、報告セグメントの利益は売上総利益の数値であります。
建設事業におきましては、受注高は25,226百万円(前連結会計年度比3.4%減少)、完成工事高は26,246百万円(前連結会計年度比0.0%増加)、セグメント利益は2,820百万円(前連結会計年度比8.0%増加)となりました。
建設用資材の製造・販売事業におきましては、売上高は5,616百万円(前連結会計年度比7.0%増加)、セグメント利益は399百万円(前連結会計年度比30.1%減少)となりました。
その他におきましては、太陽光発電による売電事業の売上高は50百万円(前連結会計年度比4.3%減少)、セグメント利益は28百万円(前連結会計年度比0.5%増加)となりました。
期首に計画をした当連結会計年度の業績は、売上高は32,400百万円、経常利益は1,210百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は750百万円であり、セグメントごとの計画は、次のとおりであります。なお、報告セグメントの利益は売上総利益の数値であります。
完成工事高26,350百万円、セグメント利益2,635百万円
売上高6,000百万円、セグメント利益900百万円
売上高50百万円、セグメント利益30百万円
建設事業におきましては、完成工事高は、ほぼ計画どおりとなり、セグメント利益は工事採算の好転等から7.0%の増加となりました。
製造・販売事業におきましては、アスファルト合材の製造数量が当初の見込より減少したことなどから、売上高は計画から6.4%の減少となり、売上高の減少及び原油価格の高騰に伴い主要材料であるアスファルトの仕入価格が急激に上昇し販売価格への転嫁が困難であったことから、セグメント利益は計画から55.6%の減少となりました。
その他におきましては、太陽光発電は、ほぼ計画どおりとなりました。
今後の課題としては、建設事業におきましては、建設DXの推進などにより採算性と効率性を追求するとともに、製造・販売事業におきましては、アスファルト合材の製造数量を確保するとともに、材料の仕入価格の変動に対応した適正な販売価格の設定が重要と考えております。
営業活動では、税金等調整前当期純利益の計上等により2,141百万円の資金の増加(前連結会計年度195百万円の資金の増加)となりました。
投資活動では、有形固定資産の取得による支出等により793百万円の資金の減少(前連結会計年度930百万円の資金の減少)となりました。
また、財務活動では、配当金の支払等により297百万円の資金の減少(前連結会計年度278百万円の資金の減少)となりました。
これにより「現金及び現金同等物の期末残高」は、1,049百万円増加し、10,713百万円(前連結会計年度比10.9%増加)となりました。
当社グループの主要な資金需要は、建設事業及び製造・販売事業のための材料費、労務費、外注費、経費、販売費及び一般管理費の営業費用ならびに主として製造・販売事業における設備の増強、更新等に係る投資であります。
これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金にて対応することを基本方針としております。
セグメント別の設備投資の概要及び現在予定をしている重要な設備の新設については、「第3 設備の状況」をご参照下さい。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、連結会計年度末における資産・負債ならびに連結会計年度の収益・費用の数値に影響を与える見積り及び判断が行われております。これらの見積り及び判断については、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なることがあります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
当社グループは、繰延税金資産について定期的に回収可能性を検討し、当該資産の回収が不確実と考えられる部分に対して評価性引当額を計上しております。回収可能性の判断においては、将来の課税所得見込額と実行可能なタックス・プランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しております。
将来の課税所得見込額はその時の業績等により変動するため、課税所得の見積りに影響を与える要因が発生した場合は、回収懸念額の見直しを行い繰延税金資産の修正を行うため、当期純損益額が変動する可能性があります。
工事進捗部分について履行義務の充足が認められる工事については、主として一定の期間にわたり履行義務を充足し収益を認識する方法(履行義務の充足に係る進捗度の見積りはコストに基づくインプット法)により完成工事高を計上しております。計上にあたっては、工事収益総額及び工事原価総額を合理的に見積る必要があります。発注者との交渉の状況によって工事収益総額が変動した場合や、想定していなかった原価の発生等により工事原価総額が変動した場合は、完成工事高及び完成工事原価が影響を受け、当社グループの業績を変動させる可能性があります。
c 固定資産の減損
固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、資産のグルーピングをセグメント別に行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減損し、当該減少額を減損損失として計上しております。
固定資産の回収可能価額について、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき算出しているため、当初見込んでいた収益が得られなかった場合や将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更があった場合、固定資産の減損を実施し、業績を悪化させる可能性があります。
当連結会計年度においては、大阪府大阪市にあるアスファルト合材工場における製造コストが原油価格高騰を受け、主要原材料であるストレート・アスファルトの他、重油・ガス、電力等も高騰しており、また合材工場の維持関連費用などのコストも増加しております。このことから翌連結会計年度以降、継続的な営業損失が見込まれ、当該資産の減損の兆候が生じているものと判断し、帳簿価額を回収可能価額まで減額いたしました。なお、回収可能価額は使用価値により測定しております。
使用価値を算定するための将来キャッシュ・フローは、経営者により承認された事業計画を基礎としておりますが、当該事業計画の販売数量、販売価格及び製造原価といった経営者による主要な仮定を含んでおり、これらの仮定については、原油価格高騰などの長期化の影響を含む不確実性の影響を受ける可能性があります。
当社グループでは、生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載しておりません。
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の売上高及び売上総額に対する割合は、次のとおりであります。
なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は、次のとおりであります。
(a) 工事部門の状況
イ 受注工事高、完成工事高、繰越工事高及び施工高
(注) 1 前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額に変更あるものについては、当期受注工事高にその増減額を含めております。従って、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれております。
2 次期繰越工事高の施工高は、手持工事高の工事進捗部分であります。
3 当期施工高は、(当期完成工事高+次期繰越施工高-前期繰越施工高)に一致します。
ロ 受注工事高の受注方法別比率
工事の受注方法は、特命と競争に大別されます。
(注) 百分比は、請負金額比であります。
ハ 完成工事高
完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。
第75期の完成工事のうち主なもの
第76期の完成工事のうち主なもの
ニ 手持工事高 (2023年3月31日現在)
手持工事のうち主なもの
(b) 製品部門の状況
アスファルト合材等の販売実績は、次のとおりであります。
(注) その他売上金額は、乳剤、砕石等の素材の販売等の売上金額であります。
(c) 主要顧客の状況
売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及び割合は、次のとおりであります。
該当事項はありません。
提出会社においては、技術研究所を中心に道路舗装材に関する調査・研究ならびに新材料・工法及び施工機械等の改良開発に努めております。
当連結会計年度における研究開発費は、
当連結会計年度における研究開発は、以下のとおりであります。
① ライフサイクルコスト削減を目的とした、高耐久性舗装材の更新と薄層舗装化
② CO2削減を目的とした、フォームド技術の実装
③ SDGsに対応した、新舗装材の開発
④ イノベーションワークショップからのICT技術の抽出
⑤ 利用しやすさを意識した、保有技術の更新とPR
なお、連結子会社においては、研究開発活動は行われておりません。