第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当連結会計年度における日本経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善等により緩やかな回復基調が継続したものの、新興国の景気減速懸念や地政学的リスクの高まりなど、先行き不透明感が払拭されない中で推移致しました。

今後の国内経済につきましては、緩やかな景気回復基調は続くものの、米国の政策動向の影響や地政学的リスクの高まりなど先行き不透明な中で推移するものと予想されます。

当社グループの主力事業の属する建設業界におきましても、当面の受注環境は比較的堅調であるものの、一方で労務費の上昇や受注競争の激化等、予断を許さない環境が続くものと思われます。

こうした中、当社グループは、グループの技術と経験の結集を盛り込んだ中期経営計画「Integrity(誠実) & Initiative(主導権)」に基づき、社会や顧客のニーズにトータル・ソリューションで応えることで、新たな成長に向けての基盤づくりを進めてまいります。

(中期経営計画の基本方針)

(1)人材基盤の強化

プロフェッショナルの育成のために、次のことに取り組んでまいります。

・人材開発

・働き方改革

・人事制度改革

・人材獲得力強化

(2)事業基盤の強化

特色あるトータル・ソリューション提供のために、次のことに取り組んでまいります。

・社会的な要請に対する取組み強化

・新規顧客開拓

・提案力の向上

・高い品質・安全水準の堅持

なお、本項に記載した将来に関する記述は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、本項に記載した将来に関する記述は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)建設事業の市場環境について

当社グループの事業に大きな影響を与える建設業界は、民間設備投資及び公共投資に大きく影響されます。大幅な公共投資の削減に加え、国内の景気後退等により、製造業を中心とする民間設備投資が縮小した場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)資材の市況リスクについて

当社グループは管材等の資材を調達しておりますが、品薄や相場の高騰等資材価格の急速かつ大幅な上昇があった場合、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)取引先の信用リスクについて

建設業においては、一取引における請負代金が大きく、多くの場合には工事目的物の引渡時に工事代金が支払われる条件で契約が締結されます。このため、工事代金受領前に取引先が信用不安に陥った場合、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)資産保有リスクについて

営業活動上の必要性から、有価証券・事業用不動産等の資産を保有しているため、有価証券については時価が著しく低下した場合等に、また、事業用不動産については時価及び収益性が著しく低下した場合に、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)工事施工に関するリスクについて

工事施工において人的・物的事故や災害が発生した場合、業績等に影響を及ぼす場合があります。また、工事施工段階での想定外の追加原価発生等により不採算工事が発生した場合、過失により大規模な補修工事が発生した場合等に、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)電子部品製造事業について

電子部品製造事業は、循環的な市況変化が大きい半導体市場の影響を強く受けます。半導体市場はこれまでにも深刻な低迷期を繰り返してきましたが、市場の低迷は製品需要の縮小、過剰在庫、販売価格の急落、過剰生産をもたらします。このような不安定な市場性質から、将来においても繰り返し低迷する可能性があり、その結果、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)海外事業に伴うリスクについて

当社グループが進出した国または地域に於いて、法規制の改正、政治・経済・社会の変動などの事象が生じた場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、連結財務諸表作成にあたっては在外連結子会社の財務諸表を日本円に換算するため、為替レートの変動が業績に影響を及ぼす可能性があります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりです。

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における日本経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善等により緩やかな回復基調が継続したものの、新興国の景気減速懸念や地政学的リスクの高まりなど、先行き不透明感が払拭されない中で推移致しました。

当社グループの主力事業の属する国内建設市場におきましては、民間設備投資を中心に堅調に推移する一方、労務費の上昇や受注競争の激化により依然として厳しい環境が続いております。

このような状況のもと、当社グループは中期経営計画「Integrity(誠実) & Initiative(主導権)」に基づき、新たな成長に向けての基盤づくりを進めてまいりました。

 

a.財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ12億81百万円増加し、225億15百万円となりました。

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ85百万円増加し、113億83百万円となりました。

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ11億96百万円増加し、111億32百万円となりました。

 

b.経営成績

当連結会計年度における当社グループの連結売上高は、前連結会計年度より34億52百万円増加し297億39百万円(前連結会計年度比13.1%の増加)、営業利益は、前連結会計年度より6億77百万円増加し21億5百万円(前連結会計年度比47.4%の増加)、経常利益は、前連結会計年度より6億83百万円増加し22億5百万円(前連結会計年度比44.9%の増加)、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度より3億21百万円増加し13億31百万円(前連結会計年度比31.8%の増加)となりました。

セグメントの業績は次のとおりであります。

[建設事業]

当社グループの主力事業である当事業におきましては、受注高は177億57百万円(前連結会計年度比5.9%の増加)となりました。部門別では、産業設備工事が54億34百万円(前連結会計年度比35.4%の減少)、ビル設備工事が67億42百万円(前連結会計年度比53.1%の増加)、環境設備工事が55億81百万円(前連結会計年度比40.8%の増加)となりました。

売上高は、前期からの繰越工事に加え、当期の受注が堅調であったこと、更に施工も順調であったこと等により、168億66百万円(前連結会計年度比18.3%の増加)となりました。部門別では、産業設備工事が85億66百万円(前連結会計年度比61.1%の増加)、ビル設備工事が44億52百万円(前連結会計年度比12.0%の減少)、環境設備工事が38億47百万円(前連結会計年度比0.8%の減少)となりました。

[機器販売及び情報システム事業]

当事業におきましては、製造業向けの機器販売や情報システム開発の受注がともに堅調であったこと等により、売上高は71億84百万円(前連結会計年度比9.3%の増加)となりました。

[機器のメンテナンス事業]

当事業におきましては、工場設備の改修や施設の保守管理が堅調であったこと等により、売上高は60億円(前連結会計年度比9.7%の増加)となりました。

[電子部品製造事業]

当事業におきましては、半導体関連部品の受注が堅調であったものの、製造工程省力化装置の受注が低調であったこと等により、売上高は14億74百万円(前連結会計年度比3.5%の減少)となりました。

[その他]

その他の事業におきましては、売上高は3億31百万円(前連結会計年度比24.0%の増加)となりました。

[不正行為による損益への影響]

平成29年11月の税務調査において、過去約7年間にわたり、当社元従業員1名が横領または詐欺をしていた事実が判明致しました。

本件に伴い、税務当局から2億89百万円の原価否認を受け、当連結会計年度において、当該否認額を主因として、追徴税に地方税を加えた過年度法人税等1億14百万円及び加算税等32百万円(租税公課に含む)を計上しております。

 

 

 (注) 1.上記売上高はセグメント間取引消去前の金額によっております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ12億16百万円減少し43億57百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

[営業活動によるキャッシュ・フロー]

当連結会計年度において営業活動の結果使用した資金は、6億93百万円(前連結会計年度は19億97百万円の資金の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期利益の22億5百万円(前連結会計年度比44.9%の増加)、売上債権の増加額22億49百万円(前連結会計年度は72百万円の売上債権の減少)、法人税等の支払額5億97百万円(前連結会計年度比8.5%の増加)を調整したこと等によるものであります。

[投資活動によるキャッシュ・フロー]

当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ37百万円増加し3億35百万円(前連結会計年度比12.6%の増加)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出が1億80百万円あったこと、投資有価証券の取得による支出が1億16百万円あったこと等によるものであります。

[財務活動によるキャッシュ・フロー]

当連結会計年度において財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ54百万円減少し1億85百万円(前連結会計年度比22.8%の減少)となりました。これは主に配当金を1億82百万円支払ったこと等によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

生産、受注、販売の実績については、当社グループが営んでいる事業の大半を占める建設事業では生産実績を定義することが困難であり、また、請負形態をとっているため販売実績という定義は実態にそぐいません。

よって、生産、受注及び販売の実績については、「①財政状態及び経営成績の状況」におけるセグメントの業績に関連付けて記載しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。本項に記載した将来に関する記述は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであり、実際の結果と大きく異なる可能性があります。

 

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に従って作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、会計上見積りが必要な事項については、合理的な基準に基づき見積りをしておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

[当社グループの経営成績等について]

「3 (1)①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。

 

[当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因について]

「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」「2 事業等のリスク」に記載しているとおりであります。

 

[資本の財源及び資金の流動性について]

・キャッシュ・フロー

キャッシュ・フローの分析については、「3 (1)②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

平成28年3月期

平成29年3月期

平成30年3月期

自己資本比率(%)

46.7

46.8

49.4

時価ベースの自己資本比率(%)

21.2

24.1

33.4

(注)自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

・財政状態の分析

(資産)

当連結会計年度末における流動資産の残高は、175億28百万円(前連結会計年度末は164億98百万円)となり、10億29百万円増加致しました。これは主に完成工事未収入金が18億11百万円増加し61億21百万円(前連結会計年度末は43億10百万円)、売掛金が2億51百万円増加し25億61百万円(前連結会計年度末は23億9百万円)、受取手形が1億89百万円増加し11億44百万円(前連結会計年度末は9億54百万円)、現金預金が12億16百万円減少し46億62百万円(前連結会計年度末は58億78百万円)となったことによります。完成工事未収入金、売掛金及び受取手形の増減については、営業循環過程での結果であり、特記すべき条件の変更等はありません。なお、現金預金の増減については「3 (1)②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

当連結会計年度末における固定資産の残高は、49億87百万円(前連結会計年度末は47億35百万円)となり、2億52百万円増加致しました。これは主に投資有価証券が1億73百万円増加し11億42百万円(前連結会計年度末は9億69百万円)となったことによります。

 

(負債)

当連結会計年度末における流動負債の残高は、102億1百万円(前連結会計年度末は101億75百万円)となり、26百万円増加致しました。これは主に支払手形が7億77百万円増加し32億60百万円(前連結会計年度末は24億83百万円)、未払法人税等が3億28百万円増加し7億65百万円(前連結会計年度末は4億36百万円)、買掛金が4億52百万円減少し16億78百万円(前連結会計年度末は21億30百万円)、未成工事受入金が2億87百万円減少し1億52百万円(前連結会計年度末は4億39百万円)、工事未払金が2億58百万円減少し23億2百万円(前連結会計年度末は25億61百万円)となったことによります。支払手形、買掛金、未成工事受入金及び工事未払金の増減については、営業循環過程での結果であり、特記すべき契約上の変更事項等はありません。

当連結会計年度末における固定負債の残高は、11億82百万円(前連結会計年度末は11億23百万円)となり、58百万円増加致しました。これは主に退職給付に係る負債が22百万円増加し10億54百万円(前連結会計年度末は10億31百万円)、リース債務が19百万円増加し23百万円(前連結会計年度末は4百万円)となったことによります。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産の残高は、111億32百万円(前連結会計年度末は99億35百万円)となり、11億96百万円増加致しました。これは主に配当金の支払を1億81百万円行ったこと、親会社株主に帰属する当期純利益を13億31百万円計上したこと等によるものであります。

 

4【経営上の重要な契約等】

当社グループにおいては、当連結会計年度における経営上の重要な契約等にかかる特記事項はありません。

 

5【研究開発活動】

当社グループにおいては、当連結会計年度における研究開発活動は特段行っておりませんので特記事項はありません。