本項に記載した将来に関する記述は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営の基本方針及び経営戦略
当社グループは創業以来、「信用・社会貢献・豊かな生活環境づくり」を経営理念に掲げ、地域社会とともに歩んでまいりました。
国内市場は成熟期を迎え、さらに取引自由化の拡大や情報通信技術の飛躍的な発展により経済活動がボーダレス化する中、新たなステージでの価値創造が求められています。また、世界的な環境問題への関心の高まりとともに企業に対する社会的要請は変化し、サステナブルな事業構造の実現に向けた組織改革も必至となってきています。
当社グループは、このように多様化する社会的ニーズに対して、「建設」「機器販売及び情報システム」「機器のメンテナンス」「電子部品製造」等の各事業により、設備の企画から施工、保守メンテナンス、受託管理までワンストップでサービスを顧客に提供できる体制を整えております。また、提供する設備機器や装置、そして、これらとシステムとの融合により、顧客の製造工程や保守メンテナンス業務の合理化、効率化を可能としており、グループ内の情報と技術を結集することによる継続的なビジネスの創造を推進してまいります。
また、企業に対して高まる、環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)の要請についても取り組みを強化し、持続可能な社会の実現に向けた社会的責任を果たしてまいります。
(2)対処すべき課題
当社グループの主力事業が属する国内建設業界は、民間設備投資及び公共投資に大きく影響される構造です。足元の事業環境では、技能労働者不足やこれに伴う労務費の上昇、並びに建設資材の価格上昇などにより厳しい状況が続いております。このような中、当社グループは人材基盤の強化や外部ソースとの連携により各事業における独自技術を強化・発展させ、また、資金を効率的に調達、運用することにより、社会や顧客のニーズにトータル・ソリューションで応えていく強い事業基盤をつくることを継続的な課題としております。目指すべき基本数値は営業利益15億円とし、ROE8%を評価の目安としております。
新型コロナウイルスの感染拡大については沈静化の兆しが見られ、今後はさらなる経済活動の持ち直しが期待されますが、一方で需要回復に伴う資材の供給不足や価格上昇に加え、ロシアによるウクライナ侵攻や為替の動向による経済情勢への影響等、国内経済の先行きは非常に不透明であります。景気の先行き懸念等により企業が生産調整や設備投資の抑制へと向かった場合、受注に影響を受けることとなりますが、顧客の省力化や合理化の需要は、サステナビリティ等の社会的要請も背景として設備の更新を伴い、建設をはじめ機器販売及び情報システム、機器のメンテナンスや電子部品製造の各セグメントの事業拡大を期待させます。当社グループは従業員をはじめ関係者すべての安全に配慮しつつ業務の効率化とサービスの多様化に努め、経営環境の変化に柔軟に対応すべく取り組んでまいります。
なお、中期経営計画につきましては、(1)事業基盤の強化 (2)人材基盤の強化 (3)ESG経営の推進を基本方針としてさらなる企業価値向上に向けて取り組んでまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。当社グループは、これらの発生可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の適切な対応に努めております。
なお、本項に記載した将来に関する記述は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)建設事業の市場環境について
当社グループの事業に大きな影響を与える建設業界は、公共投資及び民間設備投資に大きく影響されます。景気の後退等により、これらの投資が縮小した場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、公共・民間工事の施工バランスを注視しつつ、継続的に新規顧客の開拓を行っております。
(2)資材の調達リスクについて
当社グループは管材等の資材を調達しておりますが、原材料の価格高騰や品薄等により資材価格の上昇や納品の遅延があった場合、業績等に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、調達先を適度に分散させております。
(3)取引先の信用リスクについて
建設業においては、一取引における請負代金が大きく、多くの場合には工事目的物の引渡時に工事代金が支払われる条件で契約が締結されます。このため、工事代金受領前に取引先が信用不安に陥った場合、引当金の計上等により当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、債権保全のための情報収集と分析を継続的に行っております。
(4)大規模な自然災害によるリスクについて
地震、台風等の大規模な自然災害が発生し、当社グループまたは取引先に人的・物的被害が生じた場合、製品・資材調達の遅延、一時的な操業の停止や工期の大幅な延長、工事現場の復旧に係る支出等により、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、事業継続計画(BCP)を構築し、災害発生に備えております。
(5)資産保有リスクについて
営業活動上の必要性から、有価証券・事業用不動産等の資産を保有しているため、有価証券については発行体に継続性の疑義が生じた場合や時価が著しく下落した場合に、また、事業用不動産については時価及び収益性が著しく低下した場合に、減損処理等により当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、取締役会等において投資の適正性を判定しております。
(6)工事施工に関するリスクについて
工事施工において人的・物的事故や災害が発生した場合、業績等に影響を及ぼす場合があります。また、工事施工段階での想定外の追加原価発生等により不採算工事が発生した場合、過失により大規模な補修工事が発生した場合等に、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、施工の安全、工程、品質そして環境を管理する部門を設置しております。
(7)電子部品製造事業について
電子部品製造事業は、循環的な市況変化が大きい半導体市場の影響を強く受けます。半導体市場はこれまでにも深刻な低迷期を繰り返してきましたが、市場の低迷は製品需要の縮小、過剰在庫、販売価格の急落、過剰生産をもたらします。このような不安定な市場性質から、将来においても繰り返し低迷する可能性があり、その結果、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、同事業に係る経営資源を柔軟に再配分できるよう体制を構築しております。
(8)海外事業に伴うリスクについて
当社グループが進出した国または地域において、法規制の改正、政治・経済・社会の変動などの事象が生じた場合、業績等に影響を及ぼす可能性があります。また、連結財務諸表作成にあたっては在外連結子会社の財務諸表を日本円に換算するため、為替レートの変動が業績等に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、海外への進出にあたっては紛争等の発生リスクを調査しております。
(9)新型コロナウイルス等の感染症に関するリスクについて
当社グループの従業員や取引先に新型コロナウイルス等の感染者が発生した場合、または営業活動や事業活動に関して一時的な制限または停止の要請等があった場合、工事の中断や延期、製品・資材調達の遅延が生じる等、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、在宅勤務等の予防措置を講じた上、従業員に感染症への対処方針を示し、また事業継続計画(BCP)を定める等により影響を最小限とするよう取り組んでおります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における日本経済は、新型コロナウイルス感染症の防止対策の進展等から経済活動の持ち直しが見られましたが、原材料の価格上昇や世界的な半導体不足等による景気の下振れ懸念に加え、新たな変異株による感染症の再拡大、さらにはロシアによるウクライナ侵攻に伴う国際情勢への影響等、先行きの不透明感が強まる状況となりました。
当社グループの主力事業が属する国内建設業界におきましては、民間設備投資が回復基調にある一方、技能労働者不足に加え、建設資材等の不足や価格上昇など、厳しい状況が続いております。
このような中、当社グループは状況変化への柔軟な対応を考慮し、中期経営計画「Integrity(誠実)&Initiative(主導権)」の期間をさらに1年間延長し、重点的な基本方針及び目標値を定め、新たな成長に向けての基盤づくりを進めてまいりました。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。なお、新型コロナウイルス感染症の財政状態及び経営成績への影響は軽微であります。
①財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,141百万円増加し、27,190百万円となりました。
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ13百万円減少し、11,671百万円となりました。
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,155百万円増加し、15,519百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度における当社グループの連結売上高は27,708百万円、営業利益は1,901百万円、経常利益は2,047百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は1,372百万円となりました。
なお、当連結会計年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。この結果、前連結会計年度と収益の会計処理が異なることから、増減額及び前年同期比(%)を記載せずに説明しております。
収益認識会計基準等の適用が財政状態及び経営成績に与える影響の詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」をご参照ください。
セグメントの業績は次のとおりであります。
[建設事業]
当社グループの主力事業である当事業におきましては、受注高は16,299百万円(前連結会計年度比2.5%の減少)となりました。部門別では、産業設備工事が6,351百万円(前連結会計年度比1.6%の減少)、ビル設備工事が3,344百万円(前連結会計年度比30.7%の減少)、環境設備工事が6,602百万円(前連結会計年度比21.5%の増加)となりました。
売上高は、工事の引渡し時期や進捗等の影響により、15,839百万円となりました。部門別では、産業設備工事が6,478百万円、ビル設備工事が4,778百万円、環境設備工事が4,582百万円となりました。
[機器販売及び情報システム事業]
当事業におきましては、空調機や圧縮機などの産業用機器の販売が堅調に推移したこと等により、売上高は5,719百万円となりました。
[機器のメンテナンス事業]
当事業におきましては、設備の修理や保守管理の受注が堅調に推移したこと等により、売上高は5,660百万円となりました。
[電子部品製造事業]
当事業におきましては、半導体の受託加工及び装置開発の受注がともに増加したこと等により、売上高は1,977百万円となりました。
[その他]
その他の事業におきましては、売上高は337百万円となりました。
(注) 上記売上高はセグメント間取引消去前の金額によっております。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ367百万円減少し7,911百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
当連結会計年度において営業活動の結果獲得した資金は、前連結会計年度に比べ614百万円減少し965百万円(前連結会計年度比38.9%の減少)となりました。これは主に、売上債権の増加額344百万円(前連結会計年度は617百万円の売上債権の減少)、棚卸資産の増加額104百万円(前連結会計年度比5,086.8%の増加)、仕入債務の増加額94百万円(前連結会計年度は1,244百万円の仕入債務の減少)を調整したこと等によるものです。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ362百万円増加し1,098百万円(前連結会計年度比49.3%の増加)となりました。これは投資有価証券の取得による支出が1,017百万円、有形固定資産の取得による支出が288百万円あったこと等によるものであります。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
当連結会計年度において財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ65百万円増加し263百万円(前連結会計年度比33.1%の増加)となりました。これは主に配当金を274百万円支払ったこと等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
生産、受注、販売の実績については、当社グループが営んでいる事業の大半を占める建設事業では生産実績を定義することが困難であり、また、請負形態をとっているため販売実績という定義は実態にそぐいません。
よって、生産、受注及び販売の実績については、「①財政状態及び経営成績の状況」におけるセグメントの業績に関連付けて記載しております。
なお、主要な販売先については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等) 関連情報」に記載のとおりであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。本項に記載した将来に関する記述は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであり、実際の結果と大きく異なる可能性があります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に従って作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、会計上見積りが必要な事項については、合理的な基準に基づき見積りをしておりますが、新型コロナウイルス感染症の今後の業績への影響は非常に不透明でもあり、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、当社及び連結子会社の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
[当社グループの経営成績等について]
「3 (1)①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。また、セグメントの財政状態等につきましては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。
[当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因について]
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」「2 事業等のリスク」に記載しているとおりであります。
[資本の財源及び資金の流動性について]
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、当社グループでは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、運転資金及び設備資金については、内部資金または金融機関からの借入等によっております。
キャッシュ・フローの分析については、「3 (1)②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
|
|
2020年3月期 |
2021年3月期 |
2022年3月期 |
|
自己資本比率(%) |
52.6 |
55.1 |
57.1 |
|
時価ベースの自己資本比率(%) |
23.3 |
34.6 |
29.7 |
(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
・財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、19,595百万円となり、171百万円増加致しました。これは主に電子記録債権が417百万円増加し、現金預金が367百万円減少したことによります。電子記録債権の増加については、営業循環過程での結果であり、特記すべき条件の変更等はありません。なお、現金預金の減少については「3 (1)②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
当連結会計年度末における固定資産の残高は、7,595百万円となり、970百万円増加致しました。これは主に投資有価証券が874百万円増加したことによります。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、10,201百万円となり、1百万円増加致しました。これは主に買掛金が366百万円減少し、支払手形が180百万円、電子記録債務が152百万円、工事未払金が131百万円それぞれ増加したことによります。これらの増減については、営業循環過程での結果であり、特記すべき契約上の変更事項等はありません。
当連結会計年度末における固定負債の残高は、1,470百万円となり、15百万円減少致しました。これは主にリース債務が23百万円、役員退職慰労引当金が13百万円それぞれ減少し、退職給付に係る負債が21百万円増加したことによります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、15,519百万円となり、1,155百万円増加致しました。これは主に配当金の支払を273百万円行ったこと、親会社株主に帰属する当期純利益を1,372百万円計上したこと等によるものであります。
当社グループにおいては、当連結会計年度における経営上の重要な契約等にかかる特記事項はありません。
当社グループにおいては、当連結会計年度における研究開発活動は特段行っておりませんので特記事項はありません。