(1) 会社の経営の基本方針
当社は創業以来、神奈川・東京を収益基盤とし、土木工事、建築工事、マンション分譲事業、住宅事業、建物管理事業、介護事業と、時代の変化に柔軟に対応しながら事業領域を変化させてまいりました。従来からのコアビジネスである「建設・住宅」の収益基盤の強化を図りつつ、神奈川・東京に住まわれる「地域の人々に対して全ライフステージにわたって居住し続けられる“住まい”を提案する生活舞台創造業」として事業展開を図ってまいります。
(2) 目標とする経営指標
建設業をとりまく厳しい経営環境のなか、株主価値を実現することが重要な課題であります。建設部門中心の現状を踏まえつつ、「生活舞台創造業」として事業展開を図りながら、そのビジネスモデルを確立することを視野に入れ、収益力と資本力につきましては、次の指標を目標に置いております。
・売上高経常利益率 ・・・・ 5%
・自己資本比率 ・・・・・・ 30%
(3) 中長期的な会社の経営戦略
① 建設部門におきましては、環境配慮・長寿命化といった資産価値の維持・向上に資する土地有効活用の提案を積極的に行ってまいります。
② 住宅部門におきましては、社員多能工の施工による大型地下室付き住宅を主力商品として、「フローレンスガーデン」ブランドで、「住まい」を造るだけではなく「住みがい」を提供し、顧客感動の実現に取り組んでまいります。
③ 建物管理部門におきましては、既存管理物件による安定的な収益の確保と、管理物件の新規獲得を強化してまいります。
④ 介護部門におきましては、高齢者施設の原点である要介護高齢者の「住まい」と「介護サービス」の両面から商品性を高めてまいります。
⑤ 本社管理部門におきましては、人材育成の強化とキャッシュ・フローを重視した経営を行ってまいります。
(4) 会社の対処すべき課題
当社は、各事業部門が熾烈な競争を勝ち抜き、安定的に利益を確保すべく、以下のとおり事業展開を図ってまいります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
建設部門につきましては、社会インフラや集合住宅等の老朽化に伴う維持更新の需要が長期的に高まる見込みであり、公共、民間ともに建設投資は底堅く推移するものと推測されます。一方、慢性的な建設技術者および技能労働者不足は深刻であり、これらを解決するための生産性向上施策や働き方改革への取り組みが喫緊の課題となっております。
住宅部門につきましては、低水準で推移する住宅ローン金利や政府による住宅取得推進策等の後押しはあるものの、人口及び世帯数の減少や消費税増税、空き家対策など住宅市場を取り巻く環境は大きく変化していくものと思われます。こうした環境変化の中で、地域密着型の営業体制を強化し、安定した受注確保と収益力の向上に取り組みます。
不動産販売部門につきましては、土地仕入れを厳選して、事業サイクルを短縮化することが求められます。
建物管理部門につきましては、保守ならびに修繕工事部門の収益力向上、適正な家賃管理手数料の確保及び空室対策が重要な課題となっております。
また、介護部門につきましては、2018年度に実施された介護報酬改定が6年ぶりのプラス改定となりました。しかしながら、介護サービス需要の拡大に伴う労働力不足への対応は重要な経営課題と認識しており、新卒採用の強化や従業員の処遇改善など職場環境整備にも取り組んでまいります。
全体としては事業競争力・収益力の強化と経営効率化を図るとともに、コンプライアンスの徹底を最重点課題と認識し、内部統制システムの整備を継続して推進してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
景気変動による国内建設市場の縮小、資材・労務価格等の急激な変動が発生した場合、当社の建設事業の業績が影響を受ける可能性があります。
(2) 介護保険制度
当社が行っている介護事業は、介護保険制度の改正により介護報酬の引き下げや介護サービスの運営基準が変更された場合等に、業績が影響を受ける可能性があります。
(3) 法的規制
当社は、建設事業においては建設業法、建築基準法、住宅品質確保促進法等、不動産事業においては宅地建物取引業法等、介護事業においては介護保険法、老人福祉法等の法的規制を受けております。今後、これらの規制の改廃や、新たな法的規制が設けられる場合、さらには、監督官庁から行政処分を受けることとなった場合、当社の業績が影響を受ける可能性があります。
当社の建物管理及び介護事業におけるサービス提供者等に関する大量の個人情報を取り扱っており、その取扱いには管理体制の充実と細心の注意を払っておりますが、万一個人情報の漏えいが発生した場合、社会的信用の失墜等により当社の業績が影響を受ける可能性があります。
第三者や多数の死傷者を伴う労働災害や重大な事故、法令違反等が発生した場合、当社の業績が影響を受ける可能性があります。
(6) 自然災害のリスク
地震、台風、津波、火山噴火等が発生した場合には、直接的な被害のほか、間接的な被害を受ける可能性があり、業績や財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当事業年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善が続くなかで、個人消費の持ち直しや設備投資の増加により、緩やかな回復傾向が続きました。一方、通商問題の動向が世界経済に与える影響や、海外経済の動向と政策に関する不確実性、金融資本市場の変動の影響などにより、先行きに留意が必要な状況が続いております。
建設業界におきましては、公共建設投資・民間建設投資ともに堅調に推移しており、受注環境は好調な状況が続いております。しかしながら、建設技能労働者不足や建設資材価格の高止まりが続き、決して楽観できない経営環境が続いております。
住宅業界におきましては、賃貸住宅の建築においては金融機関の融資姿勢の変化等に伴う減少傾向が続き、新設住宅着工戸数は前年比で減少しました。
介護業界におきましては、2018年度に実施された介護報酬改定が6年ぶりのプラス改定となり、当社の主たる事業である「介護付き有料老人ホーム(特定施設入居者生活介護)」においても、基本単位の引き上げ及び各種加算の創設等が決定されました。一方、サービス業を中心とした人手不足が続いており、介護職員の安定確保が経営上の最重要課題となっております。
このような情勢のなか、当社は、神奈川・東京を中心とした営業エリアにおいて、お客様の感動を創造し、人生のさまざまなステージを支える生活舞台創造企業を目指して事業展開を図ってまいりました。
この結果、当事業年度における業績は、売上高197億2百万円(前年同期比16.7%増)、営業利益11億9百万円(前年同期比74.5%増)、経常利益10億50百万円(前年同期比80.7%増)、当期純利益6億97百万円(前年同期比60.4%増)となりました。
事業の種類別セグメントの業績は次のとおりです。
< 建設事業 >
建設部門において、大型の引き渡し物件があったことから、完成工事高・完成工事利益ともに前年同期実績を大幅に上回りました。また、リノベーション事業が好調で、部門の牽引役として確立させることができました。さらに、戸建住宅部門では、受注競争の激化から引渡し物件数は減少したものの、顧客価値を増大させ現場精度の強化に取り組んだ結果、完成工事利益は計画を上回りました。
以上の結果、住宅部門を合わせた当事業の売上高は116億28百万円(前年同期比20.6%増)、営業利益は9億
41百万円(前年同期比48.9%増)となりました。
< 不動産販売事業 >
当事業年度においては新規の用地取得は行わず、宮城県仙台市の事業用固定資産を売却しました。
以上の結果、当事業の売上高は2億64百万円(前年同期比15,928.8%増)、営業利益は2億22百万円(前年同期比13,762.3%増)となりました。
< 建物管理事業 >
建物管理部門では、大規模修繕工事を含めた工事全般の進捗が順調でした。また、賃貸事業における空室率改善もあり、売上高、営業利益ともに計画を上回りました。
以上の結果、当事業の売上高は37億62百万円(前年同期比1.9%増)、営業利益は2億62百万円(前年同期比13.4%増)となりました。
< 介護事業 >
介護部門では、有料老人ホーム10施設の入居者数が年度計画に比較して順調に推移しました。また、本年3月に事業譲受により増加した6施設についても入居者が順調に増加しました。
以上の結果、当事業の売上高は40億46百万円(前年同期比14.0%増)、営業利益は2億90百万円(前年同期比5.5%増)となりました。
(流動資産)
当事業年度末における流動資産の残高は51億58百万円(前事業年度末残高53億12百万円)となり、1億54百万円減少しました。その主な要因は、現金預金が8億73百万円増加し、完成工事未収入金が4億34百万円、未成工事支出金が4億67百万円、立替金が1億73百万円減少したことにあります。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産の残高は79億26百万円(前事業年度末残高65億40百万円)となり、13億86百万円増加しました。その主な要因は、リース資産が6億82百万円、差入保証金が3億91百万円、のれんが1億80百万円増加したことにあります。
(流動負債)
当事業年度末における流動負債の残高は52億46百万円(前事業年度末残高53億21百万円)となり、74百万円減少しました。その主な要因は、未払法人税等が2億40百万円が増加し、工事未払金が2億21百万円、短期借入金が1億68百万円減少したことにあります。
(固定負債)
当事業年度末における固定負債の残高は38億85百万円(前事業年度末残高27億8百万円)となり、11億76百万円増加しました。その主な要因は、リース債務が7億29百万円、預り保証金が4億42百万円増加したことにあります。
(純資産)
当事業年度末における純資産の部の残高は39億53百万円(前事業年度末純資産残高38億23百万円)となり、1億30百万円増加しました。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を当事業年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準を遡って適用した後の数値で前事業年度との比較・分析を行っております。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動におけるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、22億51百万円(前事業年度は5億6百万円獲得)となりました。主な増加要因は税引前当期純利益10億50百万円、未成工事支出金の減少額4億67百万円であります。
(投資活動におけるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、7億44百万円(前事業年度は4億29百万円使用)となりました。主な減少要因は定期預金の預入による支出4億80百万円、差入保証金の差入による支出2億91百万円であります。
(財務活動におけるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、7億17百万円(前事業年度は2億57百万円使用)となりました。主な増加要因は長期借入による収入8億円、主な減少要因は長期借入金の返済による支出8億69百万円、自己株式の取得による支出4億7百万円であります。
この結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前事業年度末残高と比べて7億89百万円増加して、16億10百万円となりました。
また、当事業年度末残高における有利子負債の総額は、前事業年度末残高に比べて、6億35百万円増加して、36億28百万円となりました。
(注) 受注金額には、消費税等は含まれておりません。
(注) 1 売上高には、消費税等は含まれておりません。
2 不動産販売事業の売上実績が著しく増加している要因は、「(1)経営成績等の状況の概要①経営成績の状況」に記載したとおりであります。
a.受注工事高、完成工事高、繰越工事高及び施工高
(注) 1 前期以前に受注した工事で、契約の更改により請負金額に変更があるものについては、当期受注高にその増減額を含んでおります。従って、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれております。
2 次期繰越工事高の施工高は、支出金により手持工事高の施工高を推定したものであります。
3 当期施工高は(当期完成工事高+次期繰越施工高-前期繰越施工高)に一致します。
なお、施工高には、不動産事業等に係る分譲建物の施工高は含まれておりません。
b.受注工事高の受注方法別比率
工事の受注方法は特命と競争に大別されます。
(注) 百分比は請負金額比であります。
c.完成工事高
(注) 1 前事業年度完成工事のうち、主なものは次のとおりであります。
当事業年度完成工事のうち、主なものは次のとおりであります。
2 完成工事高に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合
前事業年度(自 2017年7月1日 至 2018年6月30日)
当事業年度(自 2018年7月1日 至 2019年6月30日)
d.手持工事高(2019年6月30日現在)
(注) 手持工事高のうち、主なものは次のとおりであります。
不動産販売事業の売上実績は次のとおりであります。
(注) 1 不動産販売事業の内訳は以下のとおりであります。
2 不動産販売事業売上高に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合
前事業年度(自 2017年7月1日 至 2018年6月30日)
当事業年度(自 2018年7月1日 至 2019年6月30日)
建物管理事業の売上実績は次のとおりであります。
(注) 1 建物管理事業の内訳は以下のとおりであります。
2 建物管理事業売上高に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合
前事業年度(自 2017年7月1日 至 2018年6月30日)
建物管理事業売上高に対する割合が100分の10以上の相手先は該当がない為、記載しておりません。
当事業年度(自 2018年7月1日 至 2019年6月30日)
建物管理事業売上高に対する割合が100分の10以上の相手先は該当がない為、記載しておりません。
介護事業の売上実績は次のとおりであります。
(注) 1 通所介護(デイサービス)には、居宅介護支援事業が含まれております。
2 介護事業売上高に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されておりますが、この財務諸表の作成にあたっては、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しをおこなっておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらと異なることがあります。
②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社の当事業年度の経営成績等は、建設部門では、大型の引き渡し物件があったことから、完成工事高・完成工事利益ともに前年同期実績を大幅に上回りました。建物管理部門では、大規模修繕工事を中心とした工事の受注が順調に推移しました。介護部門では、有料老人ホーム10施設の施設稼働率が順調に推移したことに加え、本年3月に事業譲受により増加した6施設も入居者が順調に推移しました。
その結果、当事業年度の業績につきましては、売上高は197億2百万円となり、前年同期と比べ28億19百万円の増収となりました。利益面では現場精度の強化を図るとともに原価低減に努めた効果もあり、営業利益は11億9百万円と前年同期と比べ4億73百万円の増加、経常利益は10億50百万円と前年同期と比べ4億69百万円の増加となりました。この結果、当期純利益は6億97百万円と前年同期と比べ2億62百万円の増加となりました。
当社の経営成績に重要な影響を与える要因として、建設部門につきましては、国内建設投資は当面は順調に推移すると思われますが、中長期的には人口減少等による国内建設市場の縮小は避けられず、建設投資の中身についても、新設工事から維持補修工事への質的変化が予想されます。また、受注競争の激化、施工管理者及び建設労働者不足や資材調達の不安定化などにより、施工体制の維持が先行き懸念されており、建設業界として、政府の掲げる「働き方改革」に取り組むためには、業務改革と生産性向上対策は不可欠であると考えます。
介護部門につきましては、2018年度に実施された介護報酬改定が6年ぶりのプラス改定となり、当社の主たる事業である「介護付き有料老人ホーム」においても、基本単位の引き上げ及び各種加算の創設等が決定されました。また、介護サービス需要の拡大に伴う労働力不足への対応は重要な経営課題と認識しており、新卒採用の強化や従業員の処遇改善など職場環境整備に取り組みます。
当社の資本の財源及び資金の流動性について、主要な資金需要は、新規事業所の開設に伴う設備投資や運転資金、借入金の返済及び法人税の支払い等であります。これらの資金需要につきましては営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金のほか、金融機関からの借入により資金調達を図っております。
これら営業活動及び財務活動により調達した資金については、機動的かつ効率的に使うことで金融負債の圧縮を図ることで、財務体質の向上に努めてまいります。
経営指標につきましては、「生活舞台創造業」として事業展開を図りながら、そのビジネスモデルを確立することを視野に入れ、収益力の指標として売上高経常利益率5%を目標に置いております。また、資本力の指標として自己資本比率30%を目標に置いております。当期は上場以来初めて、この二つの指標を同時に達成することが出来ました。今後とも、各事業の収益力強化に取り組むとともに、更なる資本増強を図る所存です。そのうえで、株主をはじめとした関係者の皆様の期待に応えていくことを基本方針としながら、健全性、収益性、効率性、成長性などを総合的に勘案し、持続的かつ安定的な企業価値の向上を重視し、経営を行ってまいります。
当社は、2018年11月27日開催の取締役会において、株式会社ロケアホームが運営する介護付き有料老人ホーム・介護施設の運営他の事業を譲り受けることに関し、同社と基本合意契約を締結することを決議し、同日付で基本合意契約を、2018年12月10日付で事業譲渡契約を締結しました。
詳細は、「第5 経理の状況 1.財務諸表等 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。
特記すべき事項はありません。