第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

 当社グループは、建築物の自動制御システム及び放射冷暖房システムの設計・施工・メンテナンス(保守)並びに建設設備関連の管工機材及び環境関連機器の販売を通じて建物環境の快適性、利便性を図り、持続可能な社会に貢献することを基本理念とし、次の3つの経営理念を掲げております。

①信頼 ~未来を支える共感~

取引先、従業員、地域社会などあらゆる関係先との誠実なコミュニケーションを通じて、ステークホルダーとの信頼関係を築きます。

「信頼」は、私たちの事業の基盤であり、未来を支える共感の源泉です。

②進取 ~革新的な未来への挑戦~

新たなアイデアや革新的なアプローチを常に追求します。高い技術力と優れたサービスを提供することで、お客様の課題を解決し、価値を創造します。

「進取」は、私たちの事業の原動力であり、革新的な未来への挑戦の姿勢です。

③創意 ~個々の成長と社会の豊かさの提供~

従業員の新たな創造力を発揮させることで、会社の成長を実現します。また、会社の成果を社会に還元することで、ゆとりある生活の実現に貢献します。

「創意」は、私たちの事業の目的であり、個々の成長と社会の豊かさの提供の手段です。

 この経営理念のもとに、「株主」、「取引先」、「従業員」等あらゆるステークホルダーの期待に応えるべく最善の経営努力を続けております。

 そのために、当社は、顧客が要求する製品の品質を確実に実現するため、引き続き技術力の向上と販売体制の継続的改善を図ることで社会に貢献していく所存であります。

 

(2) 長期ビジョンV100の概要

 当社は、2024年5月26日に創業90年を迎え、またこの節目の時をもって10年後の創業100年となるネクストステージに向けた未来を描くものとして、2024年4月から2034年3月までの10年間を対象にした長期ビジョン「長期ビジョンV100」を策定いたしました。

①ミッションステートメント

『建物を快適に、未来をサステナブルに。』

②基本方針

・サステナブル建築に貢献する事業の推進

・専門商社としての機能充実と高い収益構造への改革

・事業拡大に向けた人材確保・エンゲージメント向上

・適切な株主還元の実施と経営資源の配分

・ESGに関するマテリアリティ

③財務目標

・連結売上高 450億円

・連結営業利益 45億円

・ROE     10%以上

・持続的・安定的な増配を実施

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

 当社グループでは、2025年度から2027年度にわたる第4次中期経営計画を策定しており、第3次中期経営計画の成果を踏まえつつ、経営基盤のさらなる強化と事業成長に向けた取り組みを推進してまいります。特に、持続的な企業価値向上を図るため、各種施策の実行力を高め、競争力の強化に努めていく方針です。

①エンゲージメント強化(人的資本経営)

②DX推進による生産性向上

③コーポレートガバナンスの強化

 

 また、セグメントごとの中期経営戦略は、以下のとおりであります。

環境システム事業

①ソリューションの提供による建物環境の最適化

②カーボンニュートラルに貢献する製品・サービスの提供とZEB推進への取り組み

③特殊プロジェクトへの取り組み

管工機材事業

①提案営業による事業領域の拡大と深耕

②多様な商品供給による持続可能で安定的な社会の実現

③ワンストップサービス体制の推進と成長

 

(4) 経営上の目標達成状況を判断するための戦略的な指標等

 当社グループは、株主利益重視の観点から収益性と資本効率を高めるために、連結売上高、連結営業利益及び連結自己資本利益率について、第4次中期経営計画の経営数値目標を設定しております。

 第4次中期経営計画の最終年度である2027年度の計画値は、連結売上高340億円、連結営業利益37億円及び連結自己資本利益率10.0%以上であります。

 

(5) 経営環境

 当社グループの事業につきましては、自動制御システム及び放射冷暖房システムの設計・施工・メンテナンス(保守)及び自動制御機器の販売を行う環境システム事業と管・継手類、特機類及びその他商品の販売を行う管工機材事業により構成されております。

 両事業は、得意先が共通することから営業活動において相乗効果を発揮しており、競合他社に対する競争優位性を確保しております。

 当社グループをめぐる経営環境につきましては、雇用・所得環境の改善に支えられ、緩やかな回復基調が続きました。一方で、物価上昇の継続や米国の政策動向による影響も懸念され、先行きの不透明な状況で推移いたしました。

 当社グループの事業に関連する建設業界につきましては、企業収益の改善を背景に省力化・デジタル化に向けた設備投資などが維持される一方、建設資材価格や労務単価の上昇、労働力不足に課題がみられる状況です。

 当社グループのセグメントごとの経営環境の認識は、以下のとおりであります。

環境システム事業

 当連結会計年度は、都市再開発プロジェクトや工場設備投資の獲得、建物のCO2排出量削減に貢献する省エネルギー提案とメンテナンスの提供に努めてまいりました。この結果、新設工事及び既設工事の完成工事高が増加したことから、売上高は199億92百万円(前連結会計年度比20.5%増)となり、営業利益は47億89百万円(同53.8%増)となりました。

 環境システム事業における完成工事高は195億92百万円(前連結会計年度比23.3%増)となり、新設工事が97億42百万円(同24.8%増)、既設工事が75億41百万円(同27.9%増)、保守工事が23億8百万円(同5.8%増)となりました。

 また、環境システム事業における受注工事高は188億96百万円(同5.9%増)となり、新設工事が82億92百万円(同12.5%減)、既設工事が82億77百万円(同34.1%増)、保守工事が23億25百万円(同5.8%増)となりました。

管工機材事業

 当連結会計年度は、商品販売サイト『O/tegaru(おてがる)』の機能充実による卸販売の拡大と、効率配送による物流コストの低減に努めてまいりました。この結果、売上高は114億31百万円(前連結会計年度比10.5%減)となり、営業利益は64百万円(前連結会計年度は4億81百万円の営業損失)となりました。

 

(6) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 上記(1)から(3)に記載の、会社の経営の基本方針及び第4次中期経営計画を実行していく上で、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は次のとおりであります。

 次期の見通しにつきましては、引続き緩やかな回復基調で推移することが期待されますが、米国関税の引き上げに伴う企業収益の悪化等、景気の下押し懸念が残る状況です。

 当社グループの事業に関連する建設業界では、大型再開発案件の継続や製造業における省力化・能力増強投資な

ど、設備投資需要は底堅い推移が期待されます。しかしながら、建設資材価格の高止まりや慢性的な技能労働者不足は依然として深刻であり、厳しい経営環境は続くものと思われます。

 当連結会計年度における報告セグメントの売上高及び利益の構成につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりでありますが、売上高の63.6%を環境システム事業、同36.4%を管工機材事業が構成しております。また、セグメント利益につきましては、環境システム事業が47億89百万円の営業利益、管工機材事業が64百万円の営業利益を計上しております。

 このため、第4次中期経営計画の経営数値目標を達成するためには、成長分野である環境システム事業の課題に優先的に取り組むことにより売上高と利益を確保し、続いて、管工機材事業の収益性向上の課題に取り組み進める必要があると判断しております。

(特に優先度の高い対処すべき事業上及び財務上の課題)

 環境システム事業におきましては、施工物件データの活用による提案力の強化、現場技術者を支援する体制の整備、DX推進による業務効率化を通じて、競争力のある体制の構築に努めてまいります。

(その他の優先度の高い対処すべき事業上及び財務上の課題)

 管工機材事業におきましては、販売基幹システム及び商品販売サイト『O/tegaru(おてがる)』の機能充実を通じて、受発注管理・在庫管理・顧客対応の業務効率化を図り、より付加価値の高いサービスを提供できる体制の整備を進め、販売力の強化に努めてまいります。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社のサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)サステナビリティの基本方針

 当社は、経営理念、役職員行動規範のもと、すべてのステークホルダーに配慮した事業活動を行うことにより、持続的な成長の実現を目指し、SDGsの達成に貢献します。

 

 <重要課題(マテリアリティ)>

 持続可能な成長を実現するには「環境(Environment)」「社会(Social)」「ガバナンス(Governance)」の視点から当社の課題を把握する必要があります。社会から見た重要性と当社から見た重要性を基軸に取り、ESGの社会的課題が網羅されているSDGsと関連付けを行いつつ、今後の取り組むべき重要課題(マテリアリティ)を以下のとおり抽出しております。

環境

・省エネ、省資源、GHG排出量削減に配慮した事業推進

・快適で安全安心な建物環境の確保

社会

・多様な人材がいきいきと働ける職場環境づくり

ガバナンス

・企業倫理、ガバナンス体制の強化

 

(2)サステナビリティ全般に関する取組

 ① ガバナンス

 当社は気候変動リスクを含むサステナビリティの課題に対応しつつ、お客様へのソリューション提案を実現し、快適な建物環境づくりを推進していくことが、経営理念である「信頼」「進取」「創意」に一致する当社の役割であると考えており、2022年4月より取締役会の直下にサステナビリティ委員会を設置しております。

 当委員会は四半期に1回開催するほか、必要に応じて随時開催しており、代表取締役社長を委員長とし、取締役(監査等委員である取締役を除く)、執行役員、事業部長を委員、その他を事務局メンバーとして構成されております。

 サステナビリティ委員会では、当社グループにおけるサステナビリティに関するリスク・機会の特定や、サステナビリティ目標(KPI)に対する活動の進捗管理や評価、個別施策の審議を行います。

 委員会の議題としては、環境面ではエネルギー関連目標の見直し、GHG排出量、廃棄物の算定結果の報告、排出量削減目標の検討、TCFD対応方針の検討、気候変動リスク・機会への対応方針の検討があり、社会面ではマテリアリティを踏まえたSocial(社会)分野の取組目標及びKPIの検討、育児休業取得率、女性管理職比率、WellBeingスコアの目標の見直し、将来的な人権方針への対応検討を取り扱っております。

 上記サステナビリティ委員会にて検討した内容については、年に1回の頻度で取締役会に直接報告しており、取締役会では報告内容について委員会に諮問のうえ、委員会で検討したサステナビリティに関するリスク・機会についての審議・決定、KPI(GHG排出量、廃棄物)のモニタリングを行います。

 

 ② リスク管理

[全社のリスク管理への統合プロセス]

 当社は、全社的なリスクを取締役会にて管理しており、労働災害、対人・対物事故など、事業運営上発生しうるさまざまなリスクに対し、予防、発見、是正及び再発防止のための議論・検討を行っております。加えて、環境、社会、従業員、人権の尊重、腐敗・贈収賄防止、ガバナンス、サイバーセキュリティ、データセキュリティなどに関するリスクについても、適切な把握と評価を行っております。特に気候変動リスクについては、サステナビリティ委員会と取締役会が連携することで統合的なリスク管理体制を構築しております。また、国際的なサステナビリティ評価機関であるEcovadis社による調査を年1回受審し、サステナビリティに関するリスク及び機会を識別・評価する仕組みを整えております。

 

[気候関連リスクを識別・評価・管理するプロセス]

 当社は、気候変動に伴うリスクについては短期的なリスクのみならず、中長期的なリスクに関しても考慮しており、各事業部で洗い出しを実施した後、サステナビリティ委員会にて識別・評価を実施し、特に重要であるリスクについては年に1回取締役会に報告される体制となっております。

 識別・評価された気候変動リスクに関しては、サステナビリティ委員会にて対応方針と予防策を検討し、取締役会で審議・決定され、取締役会にて決定された対応方針と予防策については、取締役会からサステナビリティ委員会を経て各事業部にて実行されます。また、リスクレベルについては「影響度」と「緊急度」をそれぞれ3段階で評価し、総合評価として9段階に分類することで対処すべきリスクの重要性と優先度の決定を行います。

(3)重要なサステナビリティ項目

 ① 気候変動への対応(TCFD提言に基づく情報開示)

(イ)戦略

 当社は経営理念に「信頼・進取・創意」を掲げ、サステナビリティ課題への対応を企業活動の重要な柱と位置づけています。とりわけ、気候変動への対応は、持続可能な社会の実現に向けた不可欠な取り組みであると認識しております。

 当社は建物に関する空調自動制御設備の設計・施工・メンテナンスや管工機材の販売を通じて、お客様の快適な建物環境づくりを支援するとともに、省エネ提案や環境負荷低減への取り組みを積極的に進めてまいりました。また、グリーン調達の実施や、グリーンボンドによる資金運用など、環境に配慮した経営の実践にも努めており、2023年には、気候変動を含む外部環境の変化への対応を強化すべく、サステナビリティ基本方針と重要課題を策定いたしました。

 現在は、代表取締役社長を委員長とするサステナビリティ委員会のもと、気候変動がもたらすリスクと機会の把握や、経営への影響分析を行っております。今後も気候変動に関する情報の適切な開示を通じ、脱炭素社会への貢献と企業価値の向上を目指してまいります。

 

[分析のプロセス]

 TCFD提言で示された各リスク・機会の項目を参考に、気候変動問題が当社の事業に及ぼすリスク・機会に関して、以下のステップで検討いたしました。

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[リスク・機会のインパクト評価と対応策の選定]

 1.5℃シナリオでは脱炭素化への外圧が強まることで、業界の低炭素化や脱炭素資材への転換が進むことが予想されます。また、2050年ネットゼロ実現に向けて脱炭素投資のコストが増加することも予想されます。一方、4℃シナリオでは、低炭素化・脱炭素化は推進されずCO2排出量は増加傾向となり、異常気象や災害リスクが高まるため、現場作業員の熱中症対策の促進や災害リスクの特定、BCP策定などの対応が考えられます。

 

リスク

分類

ドライバー

時間軸

収益/

費用

具体的なリスク

影響度

対応策

移行

法規制

・政策

カーボンプライシングの導入

中期

費用

サプライヤーに対して炭素税が課税されることによって、購入する製品や施工コストへの価格転嫁が想定され、調達コストが増加する

・Scope3排出量算定の取り組みと削減策の検討

・排出量の少ないサプライヤーの選定

カーボンプライシングの導入

中期

費用

配送業者に対して炭素税が課税されることによって、物流(配送)コストが増加する

・Scope3排出量算定の取り組みと削減策の検討

・EV・FCVなどの低炭素車両を使用する物流パートナーとの連携強化

・配送ルートの最適化

カーボンプライシングの導入

中期

費用

炭素税の導入により事業活動にて排出される自社のCO2に対して課税され、省エネルギー活動が停滞するとコストが増加する

・自社ビルにおけるZEB化及び省エネ化の推進

・電力の再生可能エネルギーの活用

・物流プロセスの見直しを行い、CO2削減効果の大きい直接配送や共同配送に転換

・自社の排出量をオフセットするためのJクレジットやカーボンクレジットの活用

GHG排出に関する規制の強化

短期

~中期

費用

GHG排出削減義務等が発生した際にGHG目標値達成のためのJクレジットの購入、再生可能エネルギーの導入などの削減コストの発生により費用負担が増加する

・自社ビルにおけるZEB化及び省エネ化の推進

・各事業所におけるGHG排出量の可視化と2030年までの目標と対策の策定

・物流プロセスの見直しを行い、CO2削減効果の大きい直接配送や共同配送に転換

技術

再生可能エネルギー価格の高騰

中期

費用

GHG目標値達成のための電源構成において再生可能エネルギーの割合が高まった場合、電力コストが増加する

・事業所の再生可能エネルギー導入とオンサイトPPAの設置可能な事業所の抽出と導入推進

・省エネルギー設備の導入や運用改善を通じたエネルギー効率の向上

サービスの低炭素技術への入替

中期

費用

低炭素車両の導入、EV用インフラ整備に伴う費用が増加する

・EV導入補助金の活用による投資コストの抑制

・時間軸:短期:1~3年、中期:3〜10年、長期:10〜30年

・影響度:大:30億円以上の影響があるもの、中:10億円~30億円の影響があるもの、小:10億円未満の影響があるもの

 

 

 

リスク

分類

ドライバー

時間軸

収益/

費用

具体的なリスク

影響度

対応策

移行

市場

顧客行動の変化

短期

~長期

収益

脱炭素社会に向けた設備需要の変化や省エネ・再エネ関連ニーズへの対応不足により、受注機会が減少する

・省エネ提案の強化、ソリューション事業の推進

・全事業所における施工物件の一元管理ツールの確立

・研修カリキュラムにメーカー研修を組み入れ環境配慮型商品の提案力を向上

顧客行動の変化

短期

~長期

収益

循環型経済が進むことで、新築建物の建築が減り、改修やメンテナンスの工事需要が高まることで、売上が減少する

・竣工物件に対するメンテナンス契約の抽出とデータベース化した一元管理

・自社によるリモートメンテナンス体制構築の検討

新製品の

開発

中期

~長期

収益

環境配慮型製品への対応が不足することで、消費者志向経営への取組状況を重視する企業からの評価が低下し、売上が減少する

・研修カリキュラムにメーカー研修を組み入れ環境配慮型商品の提案力を向上

評判

ステークホルダーからの懸念の増加

中期

収益

気候変動による認識の低さや環境対策への遅れによって株主様や顧客からの評価が低下し、売上が減少する

・気候関連イニシアチブ(TCFD, CDP, SBT)への対応強化

・統合報告書による開示への取り組み

・環境・気候リスクに関する定期的な株主・投資家向け説明会の開催

・時間軸:短期:1~3年、中期:3〜10年、長期:10〜30年

・影響度:大:30億円以上の影響があるもの、中:10億円~30億円の影響があるもの、小:10億円未満の影響があるもの

 

 

 

リスク

分類

ドライバー

時間軸

収益/

費用

具体的なリスク

影響度

対応策

物理

急性

サイクロン・洪水のような異常気象の深刻化・増加

中期~長期

費用

サプライヤーの被災により、販売製品や施工資材や機械、労務等の調達が困難になる

・重要部品のサプライチェーン多様化と調達先の分散化

・事業継続計画(BCP)の強化と災害リスク対応の見直し

サイクロン・洪水のような異常気象の深刻化・増加

中期~長期

収益

異常気象の影響により、設備投資計画の中断、延期等により収益が減少する

・事業拠点の気候リスク評価

・事業継続計画(BCP)の強化と災害リスク対応の見直し

慢性

平均気温の上昇

中期~長期

費用

気温上昇に伴い現場作業員の熱中症等の健康被害が増加し、作業時間の短縮や作業効率の低下で労務費用が増加する

・熱中症対策備品(冷却服、塩飴)の導入拡大

・熱中症予防管理者安全衛生教育の強化

・作業時間のシフト変更や労働環境の改善

平均気温の上昇

中期~長期

収益

気温上昇に伴い現場作業員の作業効率が低下し、労務コストの増加により収益が減少する

・熱中症対策備品(冷却服、塩飴)の導入拡大

・熱中症予防管理者安全衛生教育の強化

・作業時間のシフト変更や労働環境の改善

平均気温の上昇

中期~長期

費用

事業拠点において、猛暑や冷房期間の長期化による空調負荷増加に伴い電気料金が高騰する

・自社ビルにおけるZEB化及び省エネ化の推進

・電力の再生可能エネルギーの活用

・時間軸:短期:1~3年、中期:3〜10年、長期:10〜30年

・影響度:大:30億円以上の影響があるもの、中:10億円~30億円の影響があるもの、小:10億円未満の影響があるもの

 

 

 

機会

分類

ドライバー

時間軸

収益/

費用

具体的なリスク

影響度

対応策

資源の

効率性

省エネ製品の導入促進

短期

~中期

費用

事業所での省エネ機器導入、低炭素車両の導入により運用コストが減少する

・高効率照明(LED)や省エネ型空調設備などへの設備更新による省エネ化

・ハイブリッド車や電気自動車(EV)の導入

エネルギー源

再生可能エネルギー電源の導入

短期

~中期

費用

太陽光発電や蓄電技術の導入・拡大・省エネ対策により電力購入コストが減少する

・自社ビルにおけるZEB化及び省エネ化の推進

・事業所の再生可能エネルギー導入とオンサイトPPA設置可能な事業所の抽出と活用

製品及びサービス

空調設備市場の規模拡大

短期

~中期

収益

ZEBなどの空調設備の省エネ・再エネの導入規制による需要拡大により、受注機会、関連製品の売上が増加する

・カーボンニュートラルに貢献する製品及びサービスの提供とZEB推進への取り組み

・エネルギー高効率化に傾注した自動制御システム事業の推進

空調設備市場の規模拡大

中期

~長期

収益

環境配慮技術の習得より、新規市場の開拓、顧客への提案営業を行うことで売上が増加する

・省エネ提案の強化、ソリューション事業の推進と全事業所における施工物件の一元管理ツールの確立

・研修カリキュラムにメーカー研修を組み入れ環境配慮型商品の提案力を向上

市場

顧客行動の変化

短期

~長期

収益

脱炭素社会に向けた設備需要の変化への積極対応によりソリューション事業の受注機会が増加する

・カーボンニュートラルに貢献する製品及びサービスによる建物環境の最適化の提供

・研修カリキュラムにメーカー研修を組み入れ環境配慮型商品の提案力を向上

レジリエンス

情報開示対応の強化

短期

~中期

収益

気候変動リスク・機会に関する情報開示の促進によりステークホルダーからの評価が向上し、株価が上昇する

・気候関連財務情報開示(TCFD, CDP)を強化し透明性を向上

・環境・気候リスクに関する定期的な株主・投資家向け説明会の開催

情報開示対応の強化

中期

費用

気候変動リスク・機会に関する情報開示の促進により融資を受ける際の金利が低減する

・気候関連財務情報開示(TCFD, CDP)を強化し透明性を向上

・サステナビリティ・リンク・ローン等の資金調達活用

・時間軸:短期:1~3年、中期:3〜10年、長期:10〜30年

・影響度:大:30億円以上の影響があるもの、中:10億円~30億円の影響があるもの、小:10億円未満の影響があるもの

 

(ロ)指標及び目標

 当社のマテリアリティに「省エネ・省資源・GHG排出削減に配慮した事業推進」を特定しています。気候関連問題が事業運営に及ぼす影響を評価し、管理するために、GHGプロトコルに基づき、温室効果ガス(GHG)排出量の算定を実施しております。具体的には、Scope1及びScope2に関する排出量の算定を行っており、これらの数値を基に削減目標を定めています。

 GHG排出量の削減に向けた目標として、Scope1及びScope2において、2030年度までに2013年度比で46%の削減を目指すことを設定しております。また、Scope3に関しては、今後GHG排出量の算定の取り組みを進め、削減策の検討を進めてまいります。

 

[当社における温室効果ガス排出量実績(Scope1+2)]

(単位:t-CO2)

Scope1,2

2013年度

(実績値)

2021年度

(実績値)

2022年度

(実績値)

2023年度

(実績値)

2030年度

(目標)

Scope1

862

532

513

548

466

Scope2

544

443

440

404

294

Scope1+2

1,406

976

953

952

760

削減率

31%

32%

32%

46%

 

0102010_002.png

対象となる排出源

・Scope1:事業活動からの直接排出

・Scope2:事業活動での電力使用に伴う間接排出

 

 ② 人的資本経営に関する取り組み

(イ)戦略

 当社は、サステナビリティ基本方針の重要課題に掲げる「多様な人材がいきいきと働ける職場環境づくり」を人的資本経営の基本的な考え方と認識しております。

 この考え方を実現する上で、人材の育成と確保は、会社の持続的な発展に必要不可欠なものであると認識し、以下のとおり方針を定めます。

 

a.人材の育成に関する方針

 当社は、空調自動制御システムの設計施工・メンテナンス、管工機材の販売・設置を通じて、「快適な建物環境の創造に貢献する」社会的な責任を果たしてまいります。

 お客様に価値のあるサービスを提供するために、意欲と能力を十分に伸ばす機会を提供し、高い技術力と倫理観・チャレンジ精神を発揮する自律した人材を育成してまいります。

 

b.各種研修制度

(a)ヒューマンスキル研修

 当社は、事業部門、職種、性別を問わず、社会に貢献できる新たな価値を創造する若手を育成するため、「ヒューマンスキル研修」を体系立てて実施していきます。

〈研修の特徴〉

 入社10年目までに、体系的に一貫した「ヒューマンスキル」を「積み重ね」学ぶことで、オーテックの社員としての共通認識を持たせ、従業員エンゲージメントの向上にもつなげます。

〈到達目標〉

オーテックの未来を担う人材に成長する

ⓐ信頼を得る誠実なマインドとコミュニケーションスキル

ⓑ自発的に未来を創造するマインドの醸成

ⓒ積極的に未来に向けて行動するリーダーシップの発揮

(b)技術研修

 自動制御工事を営む当社において、優れた技術者を育成することは、会社成長の要でもあります。

 当社は、優れた技術者の育成を図るため技術者教育を段階的に実施し、技術者の早期戦力化、習熟化により、お客様に満足いただける品質の施工物件を提供し、オーテックの企業価値を高めてまいります。

〈新入社員技術研修〉

 新入社員は、1年間の技術研修に取り組みます。技術講習の受講と支店の現場実践を繰り返すことにより、基礎的な技術を身に付けます。

〈実務者研修(初級・中級・上級)〉

 社員の成長段階に応じて、初級、中級、上級の各実務者研修を実施し、研修参加者が各々の立場、役割を理解するとともに、実務能力の向上を図ります。

(c)管理者・管理職向け研修

〈管理者研修〉

 管理者を対象に実施します。対人関係にポイントを置き、人間関係を通じたリーダーシップ・プログラムとして実施します。

〈管理職研修〉

 課長職を対象にマネジメントを学ぶ機会とし、動機づけ、チームづくり、ダイバーシティ、ハラスメント等の指導育成に必要なスキルと知識を学ぶものとします。

〈上級管理職研修〉

 支店長、統括部長など組織を束ねる部門長を対象に、外部の研修機関が実施する公開講座に参加します。エグゼクティブに求められるリーダーシップやリーダーに必要な考え方、理論を習得し、組織を導くための力を形成します。

(d)その他の研修

〈キャリアデザイン研修〉

 女性社員を対象に実施する研修とし、キャリアを通じての自己実現、自身の将来像を考える機会とすることにより、さらなる成長を促しキャリアアップにつなげます。

 また、会社のダイバーシティ推進を理解する機会とします。

 

c.人材の確保

 当社の人材確保は、新規学卒者の採用を基本としています。技術者の採用においては、理工系学部にとどまらず、文科系学部の採用も実施しております。また、自動制御工事を行う当社では、業種の性質上、男性の応募比率が高いことから、女性の採用比率が低い傾向にありますが、女性技術者の採用を積極的に実施してまいります。

 文科系学部の出身者や女性採用者の入社後の不安を解消するために、入社後に実施する「新入社員技術研修」において、1年間の技術的講習や現場実践を繰り返し実施して、技術習得に努めます。

 このほか、人材を確保するため、経験者採用を積極的に実施します。社内の人的資源の不足や役割に見合う中核人材が不足する場合には、経験者採用による人員補強を実施してまいります。

 

d.社内環境整備に関する方針

 当社は、性別・年齢・国籍・経験・障がい等の有無を問わず、多様な人材がその能力を発揮し、活躍できる機会を提供するとともに、社員一人ひとりが健康で、安心して働ける社内環境の整備を進めてまいります。

・いきいきと働ける職場環境の整備

・仕事と育児・介護の両立支援

・女性活躍の推進

・ワークライフバランスの向上

・高齢化社会に向けた取り組み

 

(ロ)指標及び目標

 当社では、上記「②人的資本経営に関する取り組み(イ)戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。

 なお、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取り組みが行われているものの、連結グループに属するすべての会社では行われていないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、次の指標に関する目標及び実績は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。

 

指標

目標

実績(当事業年度)

女性従業員の育児休業取得率

2030年度 取得率100

100

男性従業員の育児休業取得率

2030年度 取得率85

80

(注)当社の連結子会社につきましては、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家庭介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないことから、記載を省略しております。

 

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(自然災害リスク)

(1) 自然災害の発生によるリスク

 予期しない大地震等の自然災害が発生した場合、当社グループの資産の棄損・滅失や、人的・物的被害により正常な事業活動の継続が困難になる等、その発生する被害に応じて業績に影響を与える可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期について予測することは困難でありますが、各拠点において防災計画を整備することにより、影響を低減することに努めております。

 

(2) 感染症に関するリスク

 新型コロナウイルス、インフルエンザ等の感染症が拡大した場合、建設現場が一時的に停止することにより正常な事業活動の継続が困難となり、業績に影響を与える可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期について予測することは困難でありますが、衛生管理の徹底や時差出勤及びテレワーク等の施策を実施することにより、影響を低減することに努めております。

 

(外部環境リスク)

(1) 当社グループが係わる市場の急激な変動(経済動向)

 当社グループの事業に関連する国内建設市場は、景気の動向に左右されやすいため、民間設備投資や公共投資が想定以上に低迷する場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期について予測することは困難でありますが、既設工事や保守工事などの派生工事の受注を積み増すことにより、景気の後退期における急激な業績低下の回避に努めております。

 

(2) 原材料価格の高騰

 当社グループが取り扱う商品及び資材の原材料価格が相場変動等により高騰した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期について予測することは困難でありますが、複数の購買先を確保することで急激な価格変動を抑制し、仕入価格の安定化に努めております。

 

(3) 業績の季節的変動

 当社グループの環境システム事業における売上高は、通常の営業形態として下半期に完成する工事の割合が高く、連結会計期間の上半期の売上高に比べて下半期に業績の偏重する季節的変動があります。

 

(4) のれんの減損に係るリスク

 当社グループは、さらなる成長の実現に向けた競争力強化のため、他社の買収や他社との資本業務提携を行うことがあります。対象会社の事業計画が買収時の想定を下回る場合、又は事業環境の変化や競合状況等により期待する成果を得られないと判断された場合にはのれんの減損損失が発生し、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期について予測することは困難でありますが、事業計画の進捗を適切に把握することでリスク回避に努めてまいります。

 

(品質リスク)

(1) 施工中の事故、災害リスク

 当社グループの環境システム事業は、工事施工現場で作業及び管理を行いますので、人的・物的事故、あるいは災害の発生する可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性は極めて限定されますが、万一の事故等に備えて各種保険に加入しております。なお、保険で補償される範囲を超えた損害賠償義務を負う可能性があります。

 

 

(2) 不採算工事発生によるリスク

 当社グループが施工する工事において、工事途中の設計変更、建設資材及び労務費の高騰等が発生した場合には不採算工事として業績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性は極めて限定されますが、景気の後退期など受注競争の環境の厳しい時期に発生することがあります。物件の完工時期や予算金額の情報を選別した受注活動を行い、リスク回避に努めてまいります。

 

(3) 工事契約における工事原価総額の見積りに係るリスク

 当社グループは、期間がごく短い工事契約を除き、履行義務を充足するにつれて、一定の期間にわたり収益を認識しております。履行義務の充足に係る進捗度の見積りにつきましては、工事原価総額に対する発生原価の割合に基づいて算出しております。

 工事は一般に長期にわたるため、施工条件の変更、資機材価格の高騰、作業効率の悪化等、工事原価総額の見積りには不確実性を伴い、想定していなかった事象により工事原価総額が変動した場合は、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期について予測することは困難でありますが、適時に工事案件ごとの見積原価や予定工事期間の見直しを実施する等、リスク回避に努めてまいります。

 

(4) メンテナンス業務における営業補償リスク

 メンテナンス業務において、当社グループが提供するサービスに瑕疵等が発生し、営業補償等の損害賠償義務を負う可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性は極めて低く業績への影響額も極めて限定的ですが、技術研修を充実することや保守作業要領書を整備することによりリスク回避に努めております。

 

(5) 製造物責任に係るリスク

 当社グループが提供する製品には、高い信頼性が求められておりますが、欠陥が生じるリスクがあります。製造物に係る賠償責任については、製造物賠償責任保険に加入しておりますが、保険でカバーされないリスクや社会的評価の低下により、当社グループへの信頼が損なわれ、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(信用リスク)

(1) 取引先の信用リスク

 当社グループの取引先の経営状態悪化等により、売上債権の貸倒れが発生した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。当該リスクの顕在化と影響額は極めて限定されたものではありますが、与信管理の徹底によりリスク回避に努めてまいります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度における我が国経済は、雇用・所得環境の改善に支えられ、緩やかな回復基調が続きました。一方で、物価上昇の継続や米国の政策動向による影響も懸念され、先行きの不透明な状況で推移いたしました。

 当社グループの事業に関連する建設業界は、企業収益の改善を背景に省力化・デジタル化に向けた設備投資などが維持される一方、建設資材価格や労務単価の上昇、労働力不足に課題がみられる状況です。

 このような経済環境下にありまして、当社グループは、2023年3月期から2025年3月期にわたる第3次中期経営計画の経営数値目標を達成するため、「経営基盤の充実」「事業基盤の成長」「エンゲージメントの向上」を基本戦略とし、実行に努めてまいりました。

 この結果、当連結会計年度の売上高は314億24百万円(前連結会計年度比7.0%増)となりました。また、利益につきましては、売上総利益率の改善に伴い、営業利益は40億24百万円(同98.6%増)、経常利益は42億22百万円(同94.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は28億74百万円(同107.3%増)となりました。

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

 環境システム事業につきましては、都市再開発プロジェクトや工場設備投資の獲得、建物のCO2排出量削減に貢献する省エネルギー提案とメンテナンスの提供に努めてまいりました。この結果、新設工事及び既設工事の完成工事高が増加したことから、売上高は199億92百万円(前連結会計年度比20.5%増)となり、営業利益は47億89百万円(同53.8%増)となりました。

 環境システム事業における完成工事高は195億92百万円(前連結会計年度比23.3%増)となり、新設工事が97億42百万円(同24.8%増)、既設工事が75億41百万円(同27.9%増)、保守工事が23億8百万円(同5.8%増)となりました。

 また、環境システム事業における受注工事高は188億96百万円(同5.9%増)となり、新設工事が82億92百万円(同12.5%減)、既設工事が82億77百万円(同34.1%増)、保守工事が23億25百万円(同5.8%増)となりました。

 管工機材事業につきましては、商品販売サイト『O/tegaru(おてがる)』の機能充実による卸販売の拡大と、効率配送による物流コストの低減に努めてまいりました。この結果、売上高は114億31百万円(前連結会計年度比10.5%減)となり、営業利益は64百万円(前連結会計年度は4億81百万円の営業損失)となりました。

 

財政状態につきましては次のとおりであります。

(資産)

 資産の部につきましては、前連結会計年度末に比べて28億73百万円増加し、資産合計は346億71百万円となりました。この主な増減要因のうち、増加要因といたしましては、現金及び預金が18億56百万円、商品及び製品が1億3百万円、建物及び構築物が1億44百万円、建設仮勘定が2億94百万円、投資有価証券が7億50百万円増加したことによるものであり、減少要因といたしましては、売上債権であります受取手形・完成工事未収入金等、電子記録債権及び売掛金の合計額が1億90百万円、有価証券が1億円、のれんが1億59百万円減少したことによるものであります。

(負債)

 負債の部につきましては、前連結会計年度末に比べて2億26百万円増加し、負債合計は117億68百万円となりました。この主な増減要因のうち、増加要因といたしましては、未払法人税等が3億2百万円、長期借入金が2億45百万円、繰延税金負債が1億37百万円増加したことによるものであり、減少要因といたしましては、仕入債務であります支払手形・工事未払金等、電子記録債務及び買掛金の合計額が4億6百万円、短期借入金が1億17百万円、未成工事受入金が1億11百万円減少したことによるものであります。

(純資産)

 純資産の部につきましては、前連結会計年度末に比べて26億46百万円増加し、純資産合計は229億2百万円となりました。この主な増加要因といたしましては、利益剰余金が22億22百万円、その他有価証券評価差額金が3億5百万円増加及び自己株式が1億20百万円減少したことによるものであります。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、83億41百万円となり、前連結会計年度末より20億42百万円(32.4%)増加いたしました。各キャッシュ・フローの状況と、それらの要因は次のとおりであります。

(営業活動におけるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は35億42百万円(前連結会計年度比27.4%増)となりました。収入の主な要因といたしましては、税金等調整前当期純利益41億52百万円、減価償却費3億2百万円、のれん償却額1億59百万円、売上債権の減少額3億11百万円、その他の流動負債の増加額2億46百万円、利息及び配当金の受取額1億25百万円等であり、支出の主な要因といたしましては、受取利息及び受取配当金1億23百万円、棚卸資産の増加額1億71百万円、仕入債務の減少額4億6百万円、未成工事受入金の減少額1億11百万円、法人税等の支払額9億52百万円等によるものであります。

(投資活動におけるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は9億22百万円(前連結会計年度比9.5%増)となりました。収入の主な要因といたしましては、有価証券の償還による収入5億円、定期預金の払戻による収入7億71百万円等であり、支出の主な要因といたしましては、定期預金の預入による支出7億77百万円、有形固定資産の取得による支出7億34百万円、投資有価証券の取得による支出6億21百万円等によるものであります。

(財務活動におけるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は5億76百万円(前連結会計年度比207.7%増)となりました。収入の主な要因といたしましては、短期借入れによる収入22億32百万円、長期借入れによる収入4億円等であり、支出の主な要因といたしましては、短期借入金の返済による支出22億50百万円、長期借入金の返済による支出2億54百万円、配当金の支払額6億51百万円等によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.商品販売の状況

(a) 商品仕入実績

品目

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

前年同期比(%)

管工機材事業

 

 

特機類(千円)

3,815,299

88.6

管・継手類(千円)

3,287,128

92.3

弁類(千円)

1,308,605

97.8

その他商品(千円)

1,174,050

86.7

小計(千円)

9,585,083

90.8

環境システム事業

 

 

自動制御機器(千円)

247,472

46.1

合計(千円)

9,832,556

88.6

(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2.金額は仕入価格であります。

 

(b) 商品販売方法

当社グループは、設備工事業者向けと二次卸売業者向けの2つの販売経路をもち、その売上高構成比率は下記のとおりであります。

品目

販売経路

売上高構成比率(%)

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

特機類

管・継手類

弁類

その他

0102010_003.png

57.7

42.3

合計

 

100

 

 

(c) 商品販売実績

品目

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

前年同期比(%)

管工機材事業

 

 

特機類(千円)

4,753,334

87.4

管・継手類(千円)

3,707,337

92.1

弁類(千円)

1,490,807

96.5

その他商品(千円)

1,480,416

83.7

小計(千円)

11,431,896

89.5

環境システム事業

 

 

自動制御機器(千円)

399,712

56.1

合計(千円)

11,831,609

87.7

(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2.前連結会計年度及び当連結会計年度は、商品売上高及び完成工事高の合計に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。

 

b.工事の状況

(a) 受注工事高及び施工高の実績

ⓐ 受注工事高、完成工事高、繰越工事高及び施工高

前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

区分

期首繰越

工事高

(千円)

当期受注

工事高

(千円)

(千円)

当期完成

工事高

(千円)

期末繰越工事高

当期施工高

(千円)

手持工事高

(千円)

うち施工高

(千円)

 

 

 

 

 

 

(%)

 

 

新設工事

7,057,821

9,474,478

16,532,300

7,804,795

8,727,504

1.4

118,597

7,657,137

既設工事

2,220,780

6,173,322

8,394,103

5,897,899

2,496,204

4.0

98,793

5,881,031

保守工事

163,781

2,197,658

2,361,439

2,180,930

180,509

2.4

4,344

2,180,066

工事合計

9,442,383

17,845,459

27,287,843

15,883,625

11,404,218

1.9

221,735

15,718,235

 

当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

区分

期首繰越

工事高

(千円)

当期受注

工事高

(千円)

(千円)

当期完成

工事高

(千円)

期末繰越工事高

当期施工高

(千円)

手持工事高

(千円)

うち施工高

(千円)

 

 

 

 

 

 

(%)

 

 

新設工事

8,727,504

8,292,919

17,020,423

9,742,540

7,277,883

1.1

82,164

9,706,107

既設工事

2,496,204

8,277,788

10,773,992

7,541,742

3,232,250

3.2

104,142

7,547,091

保守工事

180,509

2,325,772

2,506,281

2,308,166

198,114

1.4

2,685

2,306,508

工事合計

11,404,218

18,896,479

30,300,698

19,592,449

10,708,248

1.8

188,993

19,559,707

 (注)1.前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額に増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額が含まれております。従いまして、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれております。

2.期末繰越工事高の施工高は、未成工事支出金により手持工事高の施工高を推定したものであります。

3.当期施工高は、(当期完成工事高+期末繰越施工高-期首繰越施工高)に一致しております。

 

ⓑ 受注の方法

 工事等の受注の方法は、特命と競争に大別されます。

期別

区分

特命(%)

競争(%)

計(%)

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

新設工事

100.0

0.0

100.0

既設工事

98.8

1.2

100.0

保守工事

50.3

49.7

100.0

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

新設工事

100.0

0.0

100.0

既設工事

99.8

0.2

100.0

保守工事

49.3

50.7

100.0

 (注)百分比は、請負金額比であります。

 

(b) 完成工事高

期別

区分

官公庁(千円)

民間(千円)

合計(千円)

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

新設工事

1,564,500

6,240,294

7,804,795

既設工事

2,557,084

3,340,814

5,897,899

保守工事

1,091,950

1,088,980

2,180,930

5,213,535

10,670,089

15,883,625

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

新設工事

2,348,020

7,394,520

9,742,540

既設工事

3,179,979

4,361,763

7,541,742

保守工事

1,179,872

1,128,294

2,308,166

6,707,871

12,884,578

19,592,449

 (注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2.完成工事のうち、主なものは次のとおりであります。

前連結会計年度のうち、請負金額3千万円以上の主なもの

株式会社朝日工業社

弘前大学新病棟建設計装工事

株式会社朝日工業社

Kアリーナホテル棟空調計画計装工事

三建設備工業株式会社

虎ノ門・麻布台地区第一種市街地再開発事業施設建築物等新築C-2街区計装工事

日比谷総合設備株式会社

西濃厚生病院施設整備事業計装工事

株式会社工成舎

教育文化会館改修空調設備計装工事その2

当連結会計年度のうち、請負金額3千万円以上の主なもの

ダイダン株式会社

(仮称)NISEKO H PROPERTIES PROJECT 新築計装工事

東洋熱工業株式会社

筑波大学附属病院病棟B改修計装工事

新菱冷熱工業株式会社

協和キリン㈱HB7棟建設計装工事

株式会社日立プラントサービス

ファナック㈱新中央テクニカルセンタ建設計装工事

東洋熱工業株式会社

愛知県新体育館整備・運営等事業計装工事

3.前連結会計年度及び当連結会計年度は、商品売上高及び完成工事高の合計に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。

 

(c) 手持工事高(2025年3月31日現在)

区分

官公庁(千円)

民間(千円)

合計(千円)

新設工事

2,094,257

5,183,626

7,277,883

既設工事

1,655,314

1,576,935

3,232,250

保守工事

28,588

169,526

198,114

3,778,159

6,930,088

10,708,248

 (注)手持工事のうち、請負金額5千万円以上の主なものは、次のとおりであります。

東洋熱工業株式会社

東京エレクトロン宮城第3開発棟新築計装工事

2025年4月完成予定

株式会社精研

協和キリン㈱C地区倉庫棟建設計装工事(高崎)

2025年5月完成予定

大成温調株式会社

東京辰巳国際水泳場(5)計装工事

2025年5月完成予定

株式会社朝日工業社

(仮称)朝日工業社つくば新技術研究所新築計装工事

2025年9月完成予定

株式会社テクノ菱和

Rapidus㈱クリーンルーム実装及び分析解析室設置計装工事

2026年3月完成予定

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの事業に関連する建設業界は、企業収益の改善を背景に省力化・デジタル化に向けた設備投資などが維持される一方、建設資材価格や労務単価の上昇、労働力不足に課題がみられる状況です。

 このような環境下にありまして、売上高につきましては、環境システム事業における新設工事及び既設工事の完成工事高が増加したこと等により、前連結会計年度に比べ20億49百万円増収の314億24百万円(前連結会計年度比7.0%増)となりました。

 売上総利益につきましては、売上高総利益率が改善したことにより、前連結会計年度に比べ17億63百万円増益の91億78百万円(前連結会計年度比23.8%増)となりました。また、売上高総利益率は4.0ポイント上昇いたしました。

 販売費及び一般管理費につきましては、ベースアップの実施を含む処遇改善等により人件費は増加しましたが、貸倒引当金繰入額の減少などにより、前連結会計年度に比べ2億34百万円減少の51億53百万円(前連結会計年度比4.3%減)となりました。

 営業利益につきましては前連結会計年度に比べ19億97百万円増益の40億24百万円(前連結会計年度比98.6%増)となりました。

 営業外損益につきましては、営業外収益に受取配当金1億4百万円、持分法による投資利益62百万円等、営業外費用に支払利息29百万円等を計上した結果、1億97百万円の収益(純額)となりました。

 経常利益につきましては、前連結会計年度に比べ20億48百万円増益の42億22百万円(前連結会計年度比94.2%増)となりました。

 特別損益につきましては、減損損失等の計上により69百万円の損失(純額)となり、以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、前連結会計年度に比べ14億87百万円増益の28億74百万円(前連結会計年度比107.3%増)となりました。

 なお、環境システム事業における受注工事高につきましては、前連結会計年度に比べ10億51百万円増加の188億96百万円(前連結会計年度比5.9%増)となりました。

 当連結会計年度の財政状態につきましては、次のとおりであります。

 資産の部につきましては、前連結会計年度末に比べて28億73百万円増加し、資産合計は346億71百万円となりました。この主な増減要因のうち、増加要因といたしましては、現金及び預金が18億56百万円、商品及び製品が1億3百万円、建物及び構築物が1億44百万円、建設仮勘定が2億94百万円、投資有価証券が7億50百万円増加したことによるものであり、減少要因といたしましては、売上債権であります受取手形・完成工事未収入金等、電子記録債権及び売掛金の合計額が1億90百万円、有価証券が1億円、のれんが1億59百万円減少したことによるものであります。

 負債の部につきましては、前連結会計年度末に比べて2億26百万円増加し、負債合計は117億68百万円となりました。この主な増減要因のうち、増加要因といたしましては、未払法人税等が3億2百万円、長期借入金が2億45百万円、繰延税金負債が1億37百万円増加したことによるものであり、減少要因といたしましては、仕入債務であります支払手形・工事未払金等、電子記録債務及び買掛金の合計額が4億6百万円、短期借入金が1億17百万円、未成工事受入金が1億11百万円減少したことによるものであります。

 純資産の部につきましては、前連結会計年度末に比べて26億46百万円増加し、純資産合計は229億2百万円となりました。この主な増加要因といたしましては、利益剰余金が22億22百万円、その他有価証券評価差額金が3億5百万円増加及び自己株式が1億20百万円減少したことによるものであります。

 セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 環境システム事業につきましては、都市再開発プロジェクトや工場設備投資の獲得、建物のCO2排出量削減に貢献する省エネルギー提案とメンテナンスの提供に努めてまいりました。この結果、新設工事及び既設工事の完成工事高が増加したことから、売上高は199億92百万円(前連結会計年度比20.5%増)となり、営業利益は47億89百万円(同53.8%増)となりました。

 環境システム事業における完成工事高は195億92百万円(前連結会計年度比23.3%増)となり、新設工事が97億42百万円(同24.8%増)、既設工事が75億41百万円(同27.9%増)、保守工事が23億8百万円(同5.8%増)となりました。

 また、環境システム事業における受注工事高は188億96百万円(同5.9%増)となり、新設工事が82億92百万円(同12.5%減)、既設工事が82億77百万円(同34.1%増)、保守工事が23億25百万円(同5.8%増)となりました。

 

 セグメント資産は、現金及び預金、売上債権であります受取手形・完成工事未収入金等、電子記録債権及び売掛金の合計額並びに建設仮勘定等が増加したことにより前連結会計年度末に比べ9億24百万円増加の113億56百万円となりました。

 管工機材事業につきましては、商品販売サイト『O/tegaru(おてがる)』の機能充実による卸販売の拡大と、効率配送による物流コストの低減に努めてまいりました。この結果、売上高は114億31百万円(前連結会計年度比10.5%減)となりましたが、販売費及び一般管理費の減少による影響から、営業利益は64百万円(前連結会計年度は4億81百万円の営業損失)となりました。

 セグメント資産は、商品及び製品、原材料等が増加し、売上債権であります受取手形・完成工事未収入金等、電子記録債権及び売掛金の合計額等が減少したことにより前連結会計年度末に比べ2億32百万円減少の91億16百万円となりました。

 各報告セグメントに配分していない全社資産につきましては、現金及び預金、投資有価証券等が増加し、有価証券等が減少したことにより前連結会計年度末に比べ21億81百万円増加の141億98百万円となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析  (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 当社グループの事業に関連する建設業界では、大型再開発案件の継続と製造業の省力化に向けた設備投資需要の増加が期待されるものの、建設業就業者数の減少や建設資材価格の高騰が深刻化しており、厳しい経営環境は続くものと思われます。また、「第2事業の状況 3事業等のリスク」に記載する要因が考えられます。

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性について

a.キャッシュ・フロー

  当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析  (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

b.契約債務

  2025年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。

 

年度別要支払額(千円)

契約債務

合計

1年以内

1年超3年以内

3年超5年以内

5年超

短期借入金

1,152,700

1,152,700

長期借入金

483,684

154,008

329,676

リース債務

414,060

55,762

107,590

68,337

182,369

  上記の表において、連結貸借対照表の短期借入金に含まれている1年内返済予定の長期借入金は長期借入金に含めております。

c.財務政策

  当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金または借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、運転資金については短期借入金で、設備資金や長期運転資金については長期借入金及びリース債務で調達しております。

 2025年3月31日現在、借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は20億50百万円であります。また、当連結会計年度末において、複数の金融機関との間で合計49億30百万円の当座貸越契約を締結しております(借入実行残高11億52百万円、借入未実行残高37億77百万円)。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

④経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、第3次中期経営計画(2022年度~2024年度)に沿って事業を推進しており、第3次中期経営計画の最終年度である2024年度の達成・進捗状況は以下のとおりであります。

 売上高は、当連結会計年度に計画しました300億円に対して314億24百万円となりました。主な要因といたしましては、環境システム事業の新設工事及び既設工事の完成工事高が増加したためであります。営業利益は、同30億円に対して40億24百万円となりました。主な要因といたしましては、原価管理の徹底により売上総利益が増加したためであります。なお、自己資本利益率は計画比5.6ポイント増の13.6%となりました。

 なお、当社グループは、2025年度を初年度とする第4次中期経営計画(2025年度~2027年度)を策定し、2025年3月31日に公表いたしました。2027年度目標では売上高340億円、営業利益37億円、自己資本利益率10%以上を達成することを経営数値目標としております。

指標

2024年度

(計画)

2024年度

(実績)

2024年度

(計画比)

2027年度

(計画)

売上高

30,000百万円

31,424百万円

1,424百万円増

(4.7%増)

34,000百万円

営業利益

3,000百万円

4,024百万円

1,024百万円増

(34.2%増)

3,700百万円

自己資本利益率

8.0%

13.6%

5.6ポイント増

10%以上

 

5【重要な契約等】

特約店契約

契約会社名

相手方の名称

契約の内容

契約の種類

契約期間

株式会社オーテック(当社)

アズビル株式会社

空調自動制御機器等の

供給に関する契約

特約店契約

2025年4月1日から

2026年3月31日まで

 

6【研究開発活動】

 当社グループは、従来より複雑化、多様化する顧客ニーズに対応するため、製品の研究開発に取り組んでおります。研究開発は主に連結子会社の株式会社インターセントラルで行われており、当連結会計年度における当社グループの研究開発費の総額は、52百万円であります。

 なお、セグメント毎の研究開発費を区分することが困難であることから、研究開発費を総額で記載しております。