第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

 

経営理念

時代の変化に適応し、社会に愛され必要とされる企業を目指す

長期ビジョン

目指す姿

お客様・地域・社会に寄り添い、

あらゆる不動産ニーズを解決する企業集団となる

ミッション

お客様に喜びと感動を生む不動産商品・サービスの提供

 

当社グループは、企業として永続的に存続し、発展していくための普遍的な考え方である「経営理念」を頂点とし、「長期ビジョン」と「ミッション」を加えた、理念体系の構築を行いました。

長期ビジョンには、不動産を生業とする我々が、お客様や地域・社会に提供したい価値創造の姿を掲げ、ミッションには、我々自身の喜びと成長の源泉となる、グループ社員がはたすべき使命を掲げています。

この理念体系に基づき、さらなる成長と持続的な企業価値向上を目指しております。

 

(2) 中長期的な経営戦略等

当社グループは、「時代の変化に適応し、社会に愛され必要とされる企業を目指す」という経営理念に基づき、長期ビジョンを「お客様・地域・社会に寄り添い、あらゆる不動産ニーズを解決する企業集団となる」と定め、「VISION2030」(目標水準:売上高1,000億円、経常利益60億円、ROE8%以上)を策定しております。「VISION2030」の第2ステップである「中期経営計画2025」が終了し、現在2028年を最終年度とする「中期経営計画2028」(目標水準:売上高850億円、経常利益32億円)を始動しております。

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

当社グループが経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標としましては、売上高、経常利益及び自己資本利益率(ROE)を重視しております。

 

(4) 経営環境及び対処すべき課題

当社グループの主要事業である住宅分野におきましては、少子高齢化や人口・世帯数の減少により、将来的に新築住宅の需要が縮小していくことが見込まれております。また、人口減少及び偏在等による地域社会構造の変化、デジタル革命の加速、激甚化・頻発化する自然災害やグリーン社会の実現に向けた動きなどを背景に、持続可能な社会課題の解決に対する企業の役割は、今後ますます重要になるものと認識しております。

一方、当社グループにおきましては、実需の住宅事業低迷が想定以上に深刻化、長期化したことを受け、主力の戸建住宅事業の業績が低下し、当初の計画を下回る結果となりました。この結果を踏まえ、改めて明確化した課題の解決を図り、長期ビジョン策定時に描いた成長軌道への回復を目指すべく、2028年8月期を最終年度とする「中期経営計画2028」を策定し、「収益性の改善」と「売上・利益の成長回帰」を図る事業戦略と「PBR及びROEの改善」を図る財務戦略により、長期ビジョン実現のマイルストーンとした「VISION2030」の目標達成に向け、成長の加速と企業価値向上を目指してまいります。

①収益性の改善

当社グループにおきましては、依然として実需向けの戸建住宅事業が大きなウエイトを占めており、なかでも建売住宅を中心とする分譲部門への依存度が高い状態が続いております。当期においては、実需向け住宅販売の苦戦を受け、売上高・利益ともに大きく低迷いたしました。こうした事業特性を踏まえ、在庫の量的・質的な適正化に取り組むとともに、組織面・ガバナンス面での体制強化を進めてまいりました。

これらを背景として、まずは戸建住宅事業における利益水準の回復に努めてまいります。また、建売住宅を最終商品としつつ、宅地や規格型注文住宅等を組み合わせたプロダクトミックスの改善により提案力を強化し、在庫回転期間の短縮を図ってまいります。さらに、現在当社が展開している国内4商圏(首都圏・中部圏・関西圏・九州圏)における事業拡大に向けて、グループや組織の再編に取り組み、成長加速に向けた体制整備を進めてまいります。

②売上・利益の成長回帰

現在、中部圏・首都圏に提供が限定されている規格型注文住宅や、BizFillSystem™が提供する木造集合住宅などの請負型事業を、関西圏・九州圏に展開することにより、収益力の拡大を図ってまいります。同様に、不動産流通事業についても同エリアにおける事業規模を拡大し、国内4商圏で総合不動産サービスを展開することで、深耕を図り、成長力の拡大を目指してまいります。

また、国内4商圏で総合不動産サービスを提供していくために、現存する経営リソースを適正に配置し、グループ経営の効率化を追求しながら、人財の獲得と育成によって人財基盤の拡充を図りつつ、必要に応じてM&Aを視野に入れながら経営基盤の強化にも努めてまいります。

③PBR及びROEの改善

当社のPBRは1.0倍を大きく下回る水準で推移しており、その要因は、資本コストを上回る収益性(ROE)を十分に実現できていないことにあると分析しております。

このため、財務健全性を担保する自己資本水準の維持を前提としつつ、事業戦略の推進によって実現する利益の拡大や利益率の改善を通じて、資本コストを安定的に上回る水準のROE実現を目指してまいります。合わせて連結資産・経営リソースの効率化、コーポレート・ガバナンスの強化に加え、積極的なIR活動や収益性改善を背景とした株主還元の充実等の施策を通じて、資本コストの抑制を図り、PBR及び企業価値の向上に努めてまいります。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

(1)ガバナンス

当社グループは、あらゆるステークホルダーに対して公明・公正かつ迅速で適切な意思決定を行い、事業の継続と持続的な企業価値向上を図っていくために、コーポレート・ガバナンスの強化・充実に努めております。

「マテリアリティ」においては、KPI(指標と目標)を設定しており、今後、取締役会への定期的な進捗報告を行うことによって、当社グループのサステナビリティへの取組み状況に関する評価・管理を行うとともに、経営計画や事業活動に反映させていく方針です。また、経営環境等の変化を見据えながら、「マテリアリティ」の定期的な見直しを図り、サステナビリティ経営を常に的確な方向へと導く取組みに努めてまいります。

 

(2)戦略

当社グループは、事業活動を通じたサステナビリティへの貢献を基本姿勢とし、重要な課題である「マテリアリティ」を設定し、追求することで、ESG活動を推進しております。これにより、気候変動への対応や人的資本・多様性への取組みなど、喫緊の課題に対処してまいります。

 

①気候変動への対応

「AVANTIA 01」を中心とした住宅づくりを通じて、「低炭素の推進」「環境住宅の展開」「温室効果ガス排出の削減」など、気候変動への対応を重要視し取り組んでおります。

また、当社のScope1及びScope2における二酸化炭素排出量については、定期的なモニタリングと削減に資する取り組みを続けております。

 

②人的資本・多様性への取組み

「従業員の能力向上」「女性活躍推進」「働き方改革」など、人的資本と多様性に焦点を当て、取り組んでおります。

また、当社グループは、長期ビジョン(社会性ビジョン)である「お客様・地域・社会に寄り添いあらゆる不動産ニーズを解決する企業集団となる」を実現するために、その原動力となる多様な人財の採用・育成を重視し、人的資本の強化を図ります。このために「人財育成方針」「社内環境整備方針」「健康経営方針」を策定し、その追求を推し進めてまいります。

 

(人財育成方針)

当社グループは、「時代の変化に適応し、社会に愛され必要とされる企業を目指す」という経営理念の実現に向け、社員一人ひとりがお客さま・地域・社会に寄り添い、それぞれが抱える課題の解決やニーズにお応えする提案力を身につけた人財を育成します。そのために、全社員が働きがいを感じながら多様な活躍機会を捉え、それぞれが持つ能力を十分に発揮できるよう、スキルに応じた階層別研修、OJTプログラム、自己啓発的研修などを複合的に組み合わせた、当社独自の人財育成体制の持続的強化を図ります。

 

(社内環境整備方針)

当社グループは、社員一人ひとりが能力を十分に発揮でき、性別や年齢などに関係なく様々な人財が活躍できる環境や仕組みを整備し、多様な人財が意欲をもって活躍する活力ある組織の構築を目指して、ダイバーシティと働き方改革を継続的に推進していきます。また、「働き方改革」の中で、健康増進への取り組み、メンタルヘルスケアの推進、長時間労働の抑止や仕事と家庭の両立を支援する仕組み等のワーク・ライフ・バランスを推進しております。今後も様々な施策を実践し、より働きがいのある職場を作っていくことで、社員の更なる定着化も進めていきます。

 

(健康経営方針)

・基本理念

AVANTIAグループは、社員一人ひとりの健康こそが会社の重要な基盤であるという認識のもと、社員が心身ともに健康で、安心して働くことができる環境を提供し、経営理念である「時代の変化に適応し、社会に愛され必要とされる企業」の実現を目指します。

・行動指針

イ.健康増進への取り組み

定期健康診断の受診を徹底し、健康診断の再検査など健康指導が必要な社員には産業医と連携し、不調の早期発見や生活習慣の改善などにつなげます。

ロ.メンタルヘルスケアの推進

同僚、先輩、上司に相談しやすい活気のある職場環境を作り、また、メンタルヘルスケアのフォロー体制を充実し、メンタルヘルス不調者の発生を防ぎます。

ハ.長時間労働の抑止

業務効率化を推進し、ノー残業デーの定着、長時間労働の縮減を推進します。

ニ.ワーク・ライフ・バランスの推進

有給休暇の取得の促進、育児・介護の支援など仕事と家庭の両立への取り組みを推進します。

 

(3)リスク管理

当社グループでは、全社的なリスク管理に係る体制等の整備・強化のため、「コンプライアンス・リスク管理室」を設置するとともに、代表取締役社長を委員長とする「コンプライアンス・リスク管理委員会」を定期開催しております。両組織は、コンプライアンス(法令遵守)の徹底や、先を見越したリスク管理等について、課題の調査、分析・対応を行っており、今後は、サステナビリティ経営の本格化に伴い、サステナビリティ関連リスクについても、管理の評価・分析、対応策の審議を行い、必要に応じて対応方針等を取締役会へ報告することで、的確なリスクの把握と管理を進めてまいります。

 

(4)指標及び目標

当社グループでは、3つのテーマ(E・S・G)ごとに計8つのマテリアリティを特定し、各マテリアリティにはそれぞれ1~3つのKPI(指標と目標)を設定し、取り組みを進めております。

 

<当社グループのマテリアリティ(サステナビリティ重要課題)と主なKPI>

テーマ

マテリアリティ

主なKPI

E

「AVANTIA 01」を核

とした住宅づくりによる「環境」への

取組み

低酸素への貢献

■「AVANTIA 01」で供給100%を目指す基準

・2025年の低炭素住宅の認定基準の省エネ基準と同等以上の断熱性能確保

・省エネ基準に比べて一次エネルギー消費量がマイナス20%以上

環境住宅の展開

■2030年における節水節湯設備の設置率

(対住宅供給数)100%

■2030年におけるエネルギー高効率設備の設置率

(対住宅供給数)100%

■地表面被覆の環境舗装化(ヒートアイランド対策)

温室効果ガス

排出削減

■2030年における売上高あたりのScope1、Scope2

排出量を25%削減(2021年比)

■SBT目標を設定している企業をサプライヤーとして

選定することにより、Scope3削減に取り組む

■2030年における太陽光パネル等を搭載した住宅の供給率 50%

S

「社会」への取組み

従業員の能力発揮

管理者向け研修実施率 100

※毎年実施率を維持

女性活躍推進に

向けた取組み

2025年における女性管理職比率 20以上

働き方改革

重大労災発生件数毎年 0

G

「ガバナンス」への取組み

コーポレートガバ

ナンス体制の強化

■取締役会の実効性向上に向けた課題の抽出と対応方針の明確化

■「グループ経営会議」の定例化によるグループガバナンス体制の強化

コンプライアンス

(法令遵守)の徹底

腐敗に関連した罰金・課徴金・和解金等の発生件数

毎年 0

 

 

これらのうち、当事業年度において報告可能なKPIは、次のとおりです。

 

<当事業年度において報告可能なKPIと進捗(単体)>

テーマ

マテリアリティ

主なKPI

実績

(当事業年度)

E

「環境」への

取組み

低酸素への貢献

以下の基準を充たす住宅(AVANTIA 01)の供給率

100%

・低炭素住宅認定基準の省エネ基準と同等以上の断熱性能確保

・省エネ基準に比べて一次エネルギー消費量がマイナス20%以上

2025年度目標:100%

環境住宅の展開

節水節湯設備の設置率(対住宅供給数)

100%

2025年度目標:100%

エネルギー高効率設備の設置率(対住宅供給数)

100%

2025年度目標:100%

「ZEH基準UA値0.6以下」を充たした住宅の供給率

100%

2025年度目標:100%

温室効果ガス

排出削減

2030年における売上高あたりのScope1、Scope2

排出量削減率(2021年度比)  目標:25%削減

37.3%削減

太陽光パネル等を搭載した住宅の供給率

78.0%

2030年目標:50%以上

S

「社会」への

取組み

従業員の能力発揮

管理者向け研修実施率 ※毎年実施率を維持

100%

目標:毎年100%

女性活躍推進に

向けた取組み

女性管理職比率

7.3%

2025年度目標:20%以上

働き方改革

重大労災発生件数

0件

目標:毎年0件

G

「ガバナンス」

への取組み

コーポレートガバナンス体制の強化

取締役会の実効性向上に向けた課題の抽出と対応方針の明確化

「グループ経営会議」の定例化によるグループガバナンス体制の強化

コンプライアンス

(法令遵守)の徹底

腐敗に関連した罰金・課徴金・和解金等の発生

0件

目標:毎年0件

 

なお、これらのKPIについては、今後の活動状況や結果を踏まえ、また、経営環境の変化に柔軟に対応し、必要に応じて指標の内容や目標の見直しを行ってまいります。

 

その他、「多様性」に関する重要な指標(単体)につきましては、「第1企業の概況 5従業員の状況 (4) 当社の管理職に占める女性社員の割合、男性の育児休業取得率及び男女の賃金差異」に記載のとおりであります。

 

3【事業等のリスク】

当社グループの事業及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。当社グループは、これらのリスクを充分認識し、発生を回避するとともにリスクの最小化に向けて努力していく所存であります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 販売用不動産の仕入について

土地仕入については、社内調査・検討・選別を行なった上で、当社基準に合致した物件を取得しておりますが、常に円滑な土地仕入が行なわれる保証はなく、土地仕入に支障が生じた場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。

(2) 金利動向等について

当社グループの住宅事業については不動産市況や金融機関の貸出金利水準の変動による消費者の購買意欲の動向、市中金利の変動、住宅税制等の変化や消費税等の税率の変更による影響を受ける可能性があります。

また、土地仕入資金は主に金融機関からの借入によって調達しており、総資産に占める有利子負債の割合は2025年8月期末において52.5%となっております。資金調達は金利情勢など外部要因に左右されるため、これにより当社の財政状態などに影響を受ける可能性があります。

(3) 新規出店について

店舗の出店については総合的な見地から時期・場所・規模等を適宜検討してまいりますが、出店条件・採算性などから、当社の出店条件に合わない場合には出店地域や時期を変更することもあります。新規出店が計画どおりに行えない場合には、業績見通しに影響を与える可能性があります。

(4) 法的規制について

当社グループの属する不動産業界は、国土利用計画法、宅地建物取引業法、都市計画法、建築基準法、建設業法、住宅品質確保促進法等により法的規制を受けております。今後これらの規制の改正や新設が行なわれた場合には業績に影響を与える可能性があります。

(5) 個人情報について

当社グループは多くの個人情報を扱っており、個人情報保護法に対応して個人情報の保護のための体制整備を図っておりますが、個人情報が漏洩した場合には業績に影響を与える可能性があります。

(6) 訴訟等について

当社グループが開発・建設又は販売する不動産については、当該不動産の瑕疵などに起因して訴訟を提起される可能性があり、これらの訴訟等の内容及び結果によっては業績に影響を与える可能性があります。

(7) 販売地域の集中について

当社グループの販売地域は、中部圏・首都圏・関西圏・九州圏の4商圏でありますが、各事業や商品によっては、地域に偏りがある状況となっており、地域の景気や経済の動向等によっては、業績に影響を及ぼす可能性があります。

(8) 業績の季節変動について

当社グループの住宅購入者においては、家庭の就学者等の都合により、夏休みなどの長期休暇や年末に引渡を希望する傾向があるため、当社グループの売上高・利益は第2四半期及び第4四半期に偏る傾向にあります。

(9) 感染症の影響について(新型コロナウイルス感染症)

当社グループの役員・従業員等に感染者が発生した場合に、感染拡大の規模や範囲によっては事業活動を停止もしくは休止せざるを得なくなる可能性があります。また、受注活動の制限や顧客の購買意欲の低下、建築資材や住宅設備機器の欠品や納期遅延による工事の完成時期や引渡の遅延などにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(10)自然災害等について

大規模地震や台風などの自然災害、その他予測し得ない要因等の不測の事態が発生した場合に、不動産価値の棄損や引渡時期の遅延など当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、物価上昇等の影響を受け個人消費などに足踏みが残るものの、堅調な企業収益やインバウンド需要を背景に総じて緩やかな回復基調で推移しました。一方で、先行きについては雇用・所得環境の改善が見込まれつつも、物価高の長期化による消費者マインドの下振れが個人消費に及ぼす影響や、国内外の政策動向や通商政策等による影響が国内景気を下押しするリスクとして懸念され、金融市場の動向を含めて引き続き注視する必要があります。

当住宅・不動産業界においては、地価や建築コスト上昇に伴う住宅価格の高止まりや消費者物価の上昇等を背景に実需層の住宅取得マインドは都市部を中心に依然として慎重な動きとなっており、住宅ローン金利の動向や所得環境の見通しにも不透明感が続いております。一方で、都心部を中心に富裕層や不動産投資家向けの市場や都市部近郊の中古住宅市場においては引き続き堅調に推移する見通しです。

 

このような状況の下、当社グループは長期ビジョンで目指す「総合不動産サービス」の提供に向け、コア事業である戸建住宅事業を中心に、様々な商品・サービスの開発を推し進め、中長期的な成長を実現するための基盤整備を推進してまいりました。とりわけ、当社グループのコア事業である戸建住宅事業においては、主たる顧客層である住宅の第一次取得者層の住宅取得マインドが低迷する中、量的・質的な在庫の適正化に努めるとともに、販売用地の取得から建売住宅の販売に至るまでの期間において、切れ目なく提案可能な商品群の充実を図ることで、販売機会の増大に向けた施策を展開してまいりました。また、当社が蓄積、保有する多様な不動産商品、サービス、ノウハウを活用し、地域の不動産会社との協働による新たなサービスの提供を開始し、顧客接点の拡大に取り組んでまいりました。

 

当社グループの各セグメントの状況は次のとおりです。

 

(戸建住宅事業)

当社グループにおけるコア事業として、新築の戸建住宅、分譲用地の販売に加え、注文住宅の請負等を行っております。

当連結会計年度におきましては、物件価格の上昇・高止まりが続く中、実需の中心である第一次取得者層の住宅取得マインドには消極さが目立ち、当社の想定を上回る戸建住宅市場の需要低迷が長期化しておりました。

このような厳しい市場環境下において、当社は販売用地取得後の販売機会拡大を目指し、商品構成の充実や販売チャネルの多様化に取り組んでまいりました。また、需要低迷による在庫滞留を防ぐため、物件の入れ替えを進め、在庫の量的・質的な適正化を図ることで、安定的な収益確保に向けた体制整備に注力してまいりました。このような取り組みの下、顧客からの反響を含む販売状況は、下期以降に徐々に回復し、獲得利益についても改善傾向を確認するに至りましたが、上期までの受注の低迷の影響が大きく、当連結会計年度の売上高は455億64百万円(前年同期比16.3%減)、営業損失は1億53百万円(前年同期は2億35百万円の営業利益)となりました。

 

(マンション事業)

名古屋市を中心とする利便性の高いエリアに限定した新築の分譲マンションの企画、販売を行い、好立地物件に対する顧客の反響には底堅さが続いておりましたが、物価高や建築コストの上昇に伴う物件価格の高騰を背景として、販売状況の濃淡が激しくなりました。

当連結会計年度においては、計画物件の販売に対して需要の動きに慎重さが見られる中、受注・引渡ともに若干計画を下回る水準となりました。しかしながら、戸当たり利益については計画水準を維持し、加えて販売コストの削減にも努めた結果、当連結会計年度の売上高は23億14百万円(前年同期比22.7%減)、営業利益は1億41百万円(前年同期比1,145.4%増)となりました。

 

(一般請負工事事業)

当社連結子会社である、ジェイテクノ株式会社、株式会社巨勢工務店、株式会社宇戸平工務店の3社がそれぞれの地域の老舗工務店として、高い技術力と豊富な建築実績を活かし、建築工事や土木工事等を展開しております。また、これらの会社は当社グループの戸建住宅事業に関する造成工事や建築工事の内製化を進めることでグループ間のシナジー創出にも貢献しております。

当連結会計年度におきましては、民間工事を中心として受注獲得に努め、適切な工事監理のもと概ね前期並みの業績を確保し、当連結会計年度の売上高は70億82百万円(前年同期比26.8%増)、営業利益は2億26百万円(前年同期比12.0%増)となりました。

 

(不動産流通事業)

不動産流通事業は、主に実需向けの中古戸建住宅、中古区分マンション及び富裕層や投資家を対象とした希少性の高い中古区分マンション等を扱い、リフォームやリノベーションを行うことにより付加価値を高めた物件として販売しております。また、投資や事業活動を目的とした事業用物件として、収益物件やオフィスビル、事業用地等の売買をしております。不動産流通事業は、今後当社グループにおける重要な収益基盤と認識しており、現在積極的な経営資源の投下と育成に努めております。

当連結会計年度におきましては、新築戸建住宅、新築分譲マンションの物件価格の上昇、高止まりを背景として、比較的割安な中古住宅に対する実需層の関心が高まり、首都圏を中心に展開する中古区分マンションの販売は堅調に推移しました。また、富裕層、投資家向け物件として東京23区中心部で展開する高額物件の売買もおおよそ想定規模の実績となり、当連結会計年度の売上高は125億37百万円(前年同期比95.9%増)、営業利益は7億70百万円(前年同期比101.1%増)となりました。

 

(その他の事業)

その他の事業では、当社が長期ビジョンで目指す「総合不動産サービス」の展開に向け、主にリフォーム工事や不動産仲介等、戸建住宅事業等の周辺分野の開拓、育成を進めております。当連結会計年度の売上高は17億71百万円(前年同期比11.3%増)、営業利益は3億80百万円(前年同期比115.3%増)となりました。

 

以上の結果、売上高は692億70百万円(前年同期比2.5%減)、営業利益は13億13百万円(前年同期比38.7%増)、経常利益は11億46百万円(前年同期比24.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は6億39百万円(前年同期比8.5%増)となりました。

 

当期の財政状態は次のとおりであります。

(資産)

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ37億6百万円増加し710億81百万円となりました。主な要因は、現金預金の増加41億47百万円、土地の増加16億11百万円、棚卸資産の減少21億33百万円、建物・構築物の減少4億92百万円、のれんの減少1億39百万円等によるものであります。

(負債)

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ34億34百万円増加し430億59百万円となりました。主な要因は、短期借入金の増加25億86百万円、長期借入金(1年内返済予定を含む)の増加10億54百万円、社債(1年内償還予定を含む)の増加60百万円、契約負債の減少4億89百万円、支払手形・工事未払金等の減少1億1百万円等によるものであります。

(純資産)

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ2億71百万円増加し280億22百万円となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益6億39百万円の計上、配当金の支払5億46百万円、自己株式の処分87百万円等によるものであります。

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」と言う。)は、前連結会計年度末に比べ40億92百万円増加し、181億30百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動による資金は43億25百万円の増加(前年同期は38億69百万円の資金の増加)となりました。主な増加要因は、固定資産から棚卸資産への振替24億3百万円、棚卸資産の減少額17億35百万円、税金等調整前当期純利益11億17百万円、減価償却費2億8百万円であり、主な減少要因は、売上債権の増加額6億54百万円、契約負債の減少額4億89百万円であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動による資金は33億88百万円の減少(前年同期は2億86百万円の資金の増加)となりました。主な減少要因は、有形固定資産の取得による支出33億35百万円であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動による資金は31億56百万円の増加(前年同期は31億60百万円の資金の減少)となりました。主な増加要因は、借入金の純増加額36億41百万円、主な減少要因は、配当金の支払額5億45百万円であります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a 生産実績(建設実績)

当連結会計年度における生産実績を建設実績として、セグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年9月1日

至 2025年8月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

戸建住宅事業

36,319,478

110.8

マンション事業

2,890,741

97.2

一般請負工事事業

7,020,843

108.9

不動産流通事業

11,101,604

86.1

その他の事業

690,969

102.1

合計

58,023,637

104.0

(注)1 上記金額はすべて原価により表示しております。

2 上記金額には土地仕入高を含めて表示しております。

 

b 受注実績

当連結会計年度における受注高及び受注残高をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

受注高

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年9月1日

至 2025年8月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

戸建住宅事業

44,105,096

79.5

マンション事業

2,682,831

117.8

一般請負工事事業

7,575,552

100.6

不動産流通事業

11,248,176

162.2

その他の事業

1,811,412

116.0

合計

67,423,068

91.4

 

受注残

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年9月1日

至 2025年8月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

戸建住宅事業

9,031,874

86.1

マンション事業

395,770

1,427.5

一般請負工事事業

4,891,337

111.2

不動産流通事業

179,252

12.2

その他の事業

230,921

120.6

合計

14,729,156

88.9

 

c 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年9月1日

至 2025年8月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

戸建住宅事業

45,564,660

83.7

マンション事業

2,314,786

77.3

一般請負工事事業

7,082,340

126.8

不動産流通事業

12,537,047

195.9

その他の事業

1,771,982

111.3

合計

69,270,817

97.5

(注) 相手先別の総売上実績に対する割合で、10%以上を占める相手先はありません。

 

 

 

d 支店及び子会社の販売実績

当連結会計年度における支店(商圏)別及び子会社の販売実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

中部圏

首都圏

関西圏

九州圏

㈱AVANTIA

合計

金額

(千円)

前年同期比

(%)

金額

(千円)

前年同期比

(%)

金額

(千円)

前年同期比

(%)

金額

(千円)

前年同期比

(%)

金額

(千円)

前年同期比

(%)

戸建住宅事業

18,126,484

78.4

4,628,292

104.3

989,929

33.8

2,467,396

85.8

26,212,103

78.6

マンション事業

-

-

-

-

-

-

-

-

-

-

一般請負工事事業

-

-

-

-

-

-

-

-

-

-

不動産流通事業

837,024

58.6

7,881,330

607.9

44,846

-

-

-

8,763,201

321.5

その他の事業

817,233

117.3

52,080

-

17,151

-

-

-

886,465

126.6

合計

19,780,742

78.4

12,561,703

219.0

1,051,928

36.0

2,467,396

85.7

35,861,770

97.5

 

セグメントの名称

ドリームホーム

グループ

五朋建設㈱

㈱アバンティア

不動産

㈱プラスワン

サンヨーベストホーム㈱

金額

(千円)

前年同期比

(%)

金額

(千円)

前年同期比

(%)

金額

(千円)

前年同期比

(%)

金額

(千円)

前年同期比

(%)

金額

(千円)

前年同期比

(%)

戸建住宅事業

10,669,182

105.5

2,435,144

105.8

331,867

21.2

430,626

72.7

-

-

マンション事業

-

-

-

-

-

-

-

-

2,314,786

77.3

一般請負工事事業

-

-

-

-

-

-

-

-

-

-

不動産流通事業

1,078,138

54.9

27,845

-

1,100,556

214.1

-

-

-

-

その他の事業

411,829

119.5

45,272

81.3

414,166

116.2

480,919

112.3

12,191

121.5

合計

12,159,150

97.9

2,508,261

106.4

1,846,590

75.9

911,545

89.3

2,326,978

77.4

 

セグメントの名称

㈱巨勢工務店

ジェイテクノ㈱

㈱宇戸平工務店

㈱ネクスト-ライフ-デザイン

㈱プロバンク

ホーム

金額

(千円)

前年同期比

(%)

金額

(千円)

前年同期比

(%)

金額

(千円)

前年同期比

(%)

金額

(千円)

前年同期比

(%)

金額

(千円)

前年同期比

(%)

戸建住宅事業

76,402

599.4

-

-

-

-

3,589,388

108.2

2,462,006

71.1

マンション事業

-

-

-

-

-

-

-

-

-

-

一般請負工事事業

1,429,965

115.5

5,026,161

106.3

1,239,707

114.2

-

-

-

-

不動産流通事業

-

-

-

-

-

-

-

-

1,612,151

134.6

その他の事業

15,463

79.5

9,312

134.3

-

-

3,422

538.2

5,549

19.8

合計

1,521,832

119.8

5,035,473

106.4

1,239,707

114.2

3,592,811

108.3

4,079,707

87.0

 

セグメントの名称

子会社合計

消去

連結合計

金額

(千円)

前年同期比

(%)

金額

(千円)

金額

(千円)

前年同期比

(%)

戸建住宅事業

19,994,618

93.6

△ 642,061

45,564,660

83.7

マンション事業

2,314,786

77.3

-

2,314,786

77.3

一般請負工事事業

7,695,834

109.2

△ 613,493

7,082,340

126.8

不動産流通事業

3,818,692

103.9

△ 44,846

12,537,047

195.9

その他の事業

1,398,127

111.9

△ 512,610

1,771,982

111.3

合計

35,222,059

96.9

△ 1,813,012

69,270,817

97.5

(注)2025年6月に㈱サンヨー不動産を存続会社として、㈱アバンティア不動産を吸収合併し、社名を㈱アバンティア不動産に変更しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、当社グループは重要な判断と見積りや計画の策定に対し、過去の実績や現状を勘案し合理的に判断しておりますが、これらは不確実性を伴うため、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性があります。重要な会計方針は「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであり、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a 財政状態の分析

当連結会計年度の財政状態の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の

状況」に記載のとおりであります。

b 経営成績の分析

当連結会計年度の経営成績の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の

状況」に記載のとおりであります。

c キャッシュ・フロ-の状況の分析

当連結会計年度のキャッシュ・フロ-の状況の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フロ-の状況」に記載のとおりであります。

③資本の財源及び資金の流動性

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、戸建住宅及びマンション用地の仕入資金、建設資金、土木工事や公共工事などの請負工事資金であります。運転資金につきましては、自己資金や金融機関からの借入を基本としております。

④経営方針等、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現するために、自己資本利益率(ROE)を重視した経営を行ってまいります。

そのために積極的な投資により、さらなる事業の拡大を図るとともに、地域に応じた商品の投入や店舗展開・人員配置の最適化を進め、より効率的な運営を指向することで収益性を高めていきたいと考えております。また、自己資本を適切な水準に維持しつつ、資産と負債のバランスの最適化を図ってまいります。

当連結会計年度におけるROEは2.3%となり、前連結会計年度より0.2ポイント上昇しました。

 

5【重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

該当事項はありません。