当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは、「高い目標に挑戦する」「お客様に満足を提供する」「広く社会に貢献する」を経営理念とし、1959年の創業以来、オフィスビル、工場、病院、研究所、学校、商業施設等の空調自動制御の設計から施工、メンテナンスに至るまで、一貫したサービスを提供する「空調計装エンジニアリング会社」のパイオニアとして、当分野において確固たる技術力、そして顧客基盤を築いてまいりました。
また空調計装で培った技術をファクトリーオートメーションの分野にも展開し、一社単独であらゆる計装分野への対応が可能な他社にない特徴を持つ「総合計装エンジニアリング企業」として、お客様の様々なニーズにお応えしてまいりました。さらに2020年2月にはグループ会社ジュピターアドバンスシステムズ株式会社を設立し、食品工場の生産管理システム分野に進出するなど、事業領域の拡大を進めております。
当社グループは、長い歴史で培ってきた計装の総合力を以って、省エネ化、省力化、快適化された社会の実現に貢献し、ステークホルダーの皆様と共に栄え、成長することを目指し、株主や投資家の皆様のご期待に応えてまいる所存でございます。
(2) 経営戦略等
当社グループは、長期的な経営指針として経営ビジョン「New Design For The Next 「計装」の総合力で、未来を拓く」を制定しております。
当経営ビジョンの骨子は「『New Design(新しい構想、新しい企画、新しい設計)』でお客様にバリュー(価値)を提供し(for the Customer)、企業として成長し(for the Success)、永続的な企業を目指す(for the Future)」というものであります。
具体的には、以下の3つのパートに分解されます。
①New Design for the Customer
・「計装」の総合力でお客様のニーズを拓く
②New Design for the Success
・「計装」の総合力で事業を拓く
③New Design for the Future
・「計装」の総合力で新たな領域を拓く
そしてその結果として、「The Next(よりよい社会の到来、よりよい企業グループの構築)」を目指そうというものです。
さらに、当社グループは2021年4月を起点とする中期経営計画を策定するとともに、10年後の当社グループのありたい姿を定めた長期経営指針「ND For The Next 2030 「計装」の総合力で未来を拓く」を策定し、当社のミッションとして「確かな計装力で、想いをカタチに」を掲げ、取り組みを開始しております。
この長期経営指針は、当社がこれまでに取り組んできた技術と資産をベースに、3つの成長戦略課題として「既存事業の強化」「拡大戦略の実行」「ND企業文化の成長」を掲げ、「総合計装エンジニアリングを追求し、社会、顧客、社員の期待に応える企業」として成長を目指すものです。
この中で2022年3月期から2024年3月期までの中期経営計画期間は、その第1フェーズとして「成長基盤の構築」期と位置づけ、事業基盤を強化し、高い収益性を確保できうる事業体制の構築等に取り組んでまいりました。
また2025年3月期から2028年3月期までの中期経営計画期間は、第2フェーズとして「成長基盤の拡大と生産性の向上」期と位置づけております。その具体的な内容については、「(5)事業上及び財務上の対処すべき課題」に記載のとおりであります。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、中長期的な企業価値向上と長期経営指針実現のため、「総合計装エンジニアリング企業」として、空調計装関連事業、産業システム関連事業においてバランスのとれた成長と資本効率性への取り組みが重要であると認識しております。
連結ROE(自己資本利益率)を全社の目標経営指標と定め、CAPMベースの株主資本コスト6%程度に対し、推定する投資家の期待収益率8~9%程度と認識しており、これを上回る12.5%を目標としております。
なお、事業における2026年3月期の業績目標は、売上高43,500百万円、営業利益9,200百万円、当期純利益6,450百万円、連結ROE15.5%としております。
(4) 経営環境
2026年3月期において想定される経営環境につきましては、空調計装関連事業においては、資材価格や外注費の高騰は懸念されるものの、引き続き首都圏を中心とした再開発案件や工場など、新設を中心とした大規模案件が完成及び出件される見通しとなっております。既設工事においては、ビルの環境負荷低減のための省エネニーズなど事業領域拡大も期待できるため、基本的には旺盛な受注環境が見込まれます。一方で繰越高が高い水準で推移しており、2024年度より建設業の残業上限規制が適用になる中、施工余力を勘案した受注活動を続けなければならない状況となっております。また、米国の関税政策による金融市場の混乱が実体経済に影響を及ぼす場合、受注環境が悪化するリスクも否定できません。
産業システム関連事業においては、売上高・営業利益ともに増加傾向となることを想定しておりますが、空調計装関連事業の新設工事市場の引き合いが想定以上に強く、全社の施工余力が逼迫する可能性を考慮し、施工要員の一部を空調計装関連事業の支援に充てる必要性があるため、受注高の伸びが想定より鈍化する可能性があるものと認識しております。
また、残業上限規制への対応、少子高齢化に伴う人手不足の問題、DX推進、資本コストや株価を意識した経営、非財務的価値の追求等についても、継続的に取り組まなければならない課題と認識しております。
(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題
こうした経営環境に鑑み、当社グループは、事業別戦略としては、事業基盤である空調計装関連事業においては、特に新設工事において「中長期的な全社最適」をキーワードに、短期的ではなく数年先まで見据えた中長期的な経営資源の有効活用並びに各エリアでの戦略をさらに明確にして事業の強化に取り組んでまいります。既設工事においては、新設工事部門との連携を強化し、継続して収益を確保できるよう事業基盤の更なる強化を目指すと同時に、サステナビリティの流れを受けた環境ソリューションビジネスの推進を図ってまいります。
また、第2フェーズより当社グループの事業強化に向けて関係会社及び協力会社との体制強化を図り、将来に向けて当社とより強固なパートナーシップを築けるように取り組んでまいります。
さらに、重点施策の一つとしてDXの推進を計画しており、各種データ活用やAIによる制御性評価など生産性向上やお客様へ向けた新たな価値創出を目指してまいります。
産業システム関連事業においては、プラントエンジニアリング会社向けの営業力を高め、システム・工事一括受注の推進により事業基盤の強化を行いつつ、エンドユーザー向けに生産管理システムと制御システムのデータ連携等によるスマート工場領域の確立・拡大を目指してまいります。
また、当社のエンジニアリング部門やグループ会社のジュピターアドバンスシステムズ株式会社と連携して食品工場を中心として各種生産設備の生産性・品質向上を目指したソリューション技術開発を行ってまいります。
さらに、業務面では設計・積算業務の集約化により業務効率向上を目指してまいります。
こうした戦略を通じて、空調計装関連事業に次ぐ事業として収益基盤の強化・確立を図ってまいります。
総じて、当社グループの対処すべき課題を事業別にまとめますと、次のとおりとなります。
①空調計装関連事業(既存事業強化戦略)
・施工余力を勘案した受注と安定収益確保の両立
・中長期的な視点での全社最適及び既設工事に繋がる物件の受注(新設工事)
・新規メンテナンスの増進及び環境ソリューションビジネスの推進(既設工事)
・将来へ向けた関係会社・協力会社との体制強化
・DX推進による生産性向上と新たな価値創出
②産業システム関連事業(事業領域拡大戦略)
・システム・工事一括受注の推進
・生産管理システムと制御システムのデータ連携等によるスマート工場領域の確立・拡大
・設計・積算業務の集約化による業務効率向上
③経営全般(企業文化成長戦略)
・人的資本経営・ウェルビーイング経営の推進
・資本コストや株価を意識した経営
・DXへの投資、M&Aなどの成長投資の推進
・サステナビリティ経営の推進
・ガバナンスの徹底
・広報・ブランディングへの取り組み
これらの事業別戦略をもとに、成長基盤の拡大と生産性の向上を図りつつ、2024年度より適用となった残業上限規制にも対処していく所存です。具体的には、人員については「2030年度単体1,100名体制」を目標とした新卒・中途人材の大幅な採用強化を図り、人材教育については、2024年度に新設した「電技アカデミー」で本社一括・通年の集合技術研修を行い、人材の早期育成と資格取得を図ります。また人材活用の面でも、新人事制度の導入や社員の健康施策・エンゲージメント向上施策を通じ、活力ある組織づくりを実現すべく、ウェルビーイング経営を引き続き推進してまいります。
さらに資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応として、次のとおり取り組みを開始しております。
①資本コスト
当社は、連結ROE(自己資本利益率)を全社の目標経営指標、ROICを事業別の目標経営指標として設定しております。
イ.ROE(自己資本利益率)を全社の目標経営指標として設定
CAPMベースの株主資本コスト6%程度に対し、推定する投資家の期待収益率を8~9%程度と認識してお
り、これを上回る12.5%を連結ROE目標とする
ロ.ROICを事業別の目標経営指標として設定
・事業別のWACCとROICを定期的にモニタリング
・ROICに基づく経営管理の浸透(事業別の経営資源分配、投資の可否判断等)を図る
②株価
当社は、持続的な企業価値向上と市場での適正な評価を経営課題として認識しており、成長戦略の実践や資本
収益性の向上などにより株価やPBR向上を目指しております。
イ.実施した施策
・資本コストの把握とROE目標の設定(上記)
・株主還元の強化
累進配当DOE目標4%から5%に見直し
・インセンティブ型の報酬改定
役員報酬の改定:業績報酬指標にROEを追加、株式報酬比率を全体の5%から10%に引き上げ
従業員報酬の改定:管理職に対する中長期インセンティブとして株式給付信託(J-ESOP)を導入
ロ.今後の方向性
・事業成長を通じた収益性向上
・サステナビリティへの一層の取り組み
・開示、IRの充実(資本コスト低減)
等について中期経営計画(2024~2027年度)の中で取り組んでまいります。
③開示について
上記①、②の取り組みにつきましては、決算説明会等で公表しております。
なお、決算説明会の動画ならびに資料(英訳版を含む)については、当社ウェブサイト-投資家の皆様へ-IR
資料室-決算説明会資料(URL:https://www.nihondengi.co.jp/ir/data/presentation.html)に掲載しており
ます。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティの基本方針
当社グループは、地球環境や社会課題への対応が重要な経営課題であると認識し、以下のサステナビリティの基本方針に基づき、持続可能な社会の実現への貢献と企業価値向上に取組んでおります。
①地球環境保全への貢献
当社グループの事業活動そのものが、地球環境保全に直接貢献するものであるとの認識のもと、積極的な事業展開を図り、計装エンジニアリングを通じて、気候変動に影響を及ぼすCO2排出量の削減や省エネルギー化、省資源化に取組み、脱炭素社会と循環型社会の実現に貢献します。
②社会への貢献
持続可能な産業化の促進、経済成長といった社会課題に対応、貢献できるよう技術・サービスを磨き、計装エ
ンジニアリングの可能性への挑戦を続けていきます。
③サステナビリティ経営の実現
事業を取り巻く環境の変化、経営リスクを的確に把握して、安全・健康に働ける働きがいのある環境を整備し、人的資本および事業領域拡大の投資などと整合した経営計画を策定して取組みます。また、ガバナンスの強化、コンプライアンスの徹底、適切な情報開示を図ることで全てのステークホルダーと公平性・透明性の高い関係を構築します。
(2)サステナビリティ全般に関する取組
(a)ガバナンス
当社グループは、取締役会の諮問機関として、取締役会の下に社長を委員長とするサステナビリティ委員会を設置し、優先的に取り組むべきマテリアリティ(重要課題)の特定や、目標とすべき指標等の設定および対応策の検討、そのほかサステナビリティに関連する重要事項を審議・決定し、定期的に活動状況を取締役会に報告することとしております。
サステナビリティ委員会は、原則として半期に1回開催するほか、必要に応じて随時開催することとしておりますが、当連結会計年度においては5回開催しており、委員である取締役の出席状況については、次のとおりであります。
|
氏名 |
開催回数 |
出席回数 |
|
島田 良介 |
5回 |
5回 |
|
眞明 良信 |
5回 |
5回 |
|
小林 義明(注1) |
3回 |
3回 |
|
河村 一二(監査等委員)(注1) |
3回 |
3回 |
|
高見 裕一(注2) |
2回 |
2回 |
|
宇崎 利彦(監査等委員)(注3) |
2回 |
2回 |
(注)1.小林義明、河村一二(監査等委員)は、2024年6月26日開催の第65回定時株主総会において新たに取
締役に選任されたため、同日以降のサステナビリティ委員会の出席状況を記載しております。
2.高見裕一は、2024年6月26日開催の第65回定時株主総会終結の時をもって退任したため、同日までの
サステナビリティ委員会の出席状況を記載しております。
3.宇崎利彦(監査等委員)は、2024年6月26日開催の第65回定時株主総会終結の時をもって辞任したた
め、同日までのサステナビリティ委員会の出席状況を記載しております。
サステナビリティ委員会における具体的な検討内容としては、次のとおりであります。
・年度活動計画および前年度活動報告
・気候関連財務情報開示(TCFD開示)
・SBT認証取得
・CDPスコアリング回答
・GHG排出量第三者検証機関
また、サステナビリティ委員会の下に、3つのワーキンググループ「E:環境ワーキンググループ」、「S:社会ワーキンググループ」、「G:ガバナンスワーキンググループ」を設置しており、気候変動に対する取組は、環境ワーキンググループ、人的資本に対する取組は、社会ワーキンググループ、コーポレート・ガバナンスに対する取組は、ガバナンスワーキンググループがそれぞれ主管し、それぞれのマテリアリティに対応した具体的な目標の達成に向け、活動計画の立案、全社への浸透・周知、進捗管理等を推進していく体制としております。
なお、当社グループのガバナンス体制については、
(b)戦略
当社グループでは、2030年度に向けて長期経営指針「ND For The Next 2030「計装」の総合力で未来を拓く」を策定し、2021年度より継続した取組を実施しております。
サステナビリティを巡る課題については、事業リスクであると同時に当社グループの成長機会として捉え、成長戦略課題として掲げる「既存事業強化戦略」、「事業領域拡大戦略」、「企業文化成長戦略」のそれぞれに対応する最重要課題(マテリアリティ)をESGの観点で分類して設定しております。
これら重要課題(マテリアリティ)の具体的な取組については、中期経営計画および年度経営計画の事業戦略等に目標や管理指標等として落とし込まれ、全社浸透が図られ、進捗管理されております。
(c)リスク管理
当社グループでは、リスク管理規程を定め社長を委員長とするリスク管理委員会を設置しており、半期に1回開催する同委員会において、気候変動リスクや人事関連リスクを含む経営リスク全般の洗い出しとその財務インパクト評価および対応策の審議・決定等を行っております。
なお、リスク管理委員会の審議結果については、定期的に取締役会に報告しているほか、サステナビリティ委員会とも情報共有する体制となっております。
(d)指標及び目標
各ワーキンググループは、サステナビリティ委員会で特定されたマテリアリティに対応した、計測可能な具体的な目標(KPI)を設定し、取組方針・計画を策定するとともに、各目標の達成状況をサステナビリティ委員会に報告することとしております。
(3)重要なサステナビリティ項目に関する取組
①気候変動に対する取組
当社グループが掲げるサステナビリティ基本方針の一つ「地球環境保全への貢献」において、気候変動対策は最重要課題であると認識しており、企業価値や業績に及ぼす影響を認識し、取組を進めてまいります。
(a)ガバナンス
気候変動に対する取組のガバナンス体制につきましては「
なお、当連結会計年度において、部門間を横断した気候変動対応プロジェクトチームを中心に、気候変動に関するリスクと機会の特定、温室効果ガス排出量の算定、第三者検証機関の活用、SBT認定取得に向けた削減目標策定の検討など、気候変動対策の取組を進めております。プロジェクトチームの活動状況等は、適時サステナビリティ委員会に報告されるほか、気候変動に関する事項は必要に応じて同委員会で審議・決定されております。
(b)戦略
当社グループでは、各事業セグメントのバリューチェーンにおける気候変動に関するリスクと機会の特定、事業インパクトの評価・対応策について、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に沿ったシナリオ分析を実施いたしました。なお、シナリオ分析においては、当社グループの事業セグメントである「空調計装関連事業」と「産業システム関連事業」それぞれにおいて、次のステップで検討いたしました。
≪シナリオ分析について≫
パリ協定の取組に準じて、世界の平均気温上昇を産業革命以前の水準から1.5℃までに抑制するシナリオと成り行きで温暖化が進む4℃のシナリオを採用し、各シナリオにおいて政策や市場動向の移行に関する分析と自然災害などによる物理的変化に関する分析を実施いたしました。
|
|
シナリオ |
世界観の描写 |
|
移行リスク |
1.5℃ (IEA-NZE、IPCC-SSP1-1.9など) |
政策規制:GHG排出に関する規制強化 市場:エネルギー需給の変化/低炭素製品の需要変化 技術:次世代技術の進展・普及 |
|
物理リスク |
4℃ (IEA-STEPS、IPCC-SSP5-8.5など) |
慢性:地球温暖化による環境変化 急性:自然災害の激甚化 |
≪シナリオ分析結果≫
当社グループのシナリオ分析結果は以下のとおりであります。なお、財務へのインパクトの定量化も行いましたが、不確実性が高いため影響度を「大・中・小」の区分で記載しております。
なお、後述のScope排出量から当社グループは省エネ法に該当するエネルギー消費(原油換算1,500Kl)レベルはなく、Scope1及びScope2の排出量は大きくないため、気候変動に関するリスクは相対的に低いと認識できました。
また、シナリオ分析を通じて、「空調計装関連事業」については、顧客のエネルギー消費に影響を与える事業であり、省エネ提案を軸とする当事業セグメントの拡大が大きな事業機会であることが明確になりました。
■リスク分析結果
|
大分類 |
中分類 |
当社への影響 (重要なリスク) |
影響度 |
対応策 |
|
移行リスク (1.5℃シナリオ) |
政策規制 |
カーボンプライシング導入によるコスト増加に伴う利益率の低下 |
中 |
・Scope1、Scope2の削減目標 の設定及び削減策の実行(使 用量又は原単位低減) ・調達コスト削減の推進 ・炭素税の影響を受けない再エ ネ電力の戦略的かつ段階的な 切替 |
|
市場 |
エネルギーコスト、運営コストの増加に伴う全社コストの増加 |
小~中 |
・エネルギーコストの削減(使 用量又は単価低減ほか) ・業務効率性向上への取組など 運営コスト削減施策の推進 |
|
|
技術 |
脱炭素を目的としたDX(AI・IoT等)関連投資の増加に伴うコストの増加 |
小 |
・費用対効果を踏まえたDX関連 投資効率の向上 |
|
|
物理リスク (4℃シナリオ) |
慢性 |
気温上昇による熱中症等の労働災害の増加、現場作業の制約に伴う生産性低下、工期の長期化、夜間作業に伴うコストの増加 |
中 |
・気温上昇に伴う熱中症等の労 働災害防止のための作業環境 等の改善促進 ・気温上昇に伴う現場作業の制 約(日中作業回避の時間制約 等)への対応(技術、人員確 保、施工計画等含む) |
|
急性 |
災害対策の加速に伴うレジリエンス対応及びソリューション対応の増加による売上・受注機会の増加 |
大 |
・災害復旧事業の対応検討 |
■機会分析結果
|
大分類 |
中分類 |
当社への影響 (重要なリスク) |
影響度 |
対応策 |
|
移行リスク (1.5℃シナリオ) |
政策規制 |
政策・法規制強化による脱炭素関連製品(製品、サービス等)や環境対応工事の需要増加による売上・受注機会の増加 |
大 |
・価値ある環境ソリューション 提案の実現に向けた技術開発 と品質向上(施工、製品、サ ービス等) ・価値ある環境ソリューション 提案の売上、受注拡大に向け た戦略の立案・実行 ・投資家を含むステークホルダ ーに向けた情報開示の充実化 |
|
市場 |
脱炭素関連ニーズ(製品・サービス等)の需要増加による売上・受注機会拡大 |
大 |
||
|
市場 |
ZEB・脱炭素技術導入等の顧客ニーズへの適切な対応による企業価値の向上と売上・受注機会の拡大 |
大 |
||
|
技術 |
ZEB等の価値のある環境ソリューション事業の需要増加及びソリューション提供機会拡大に伴う売上・受注機会の拡大 |
大 |
||
|
評判 |
脱炭素効果の高い技術・サービス等を持つことによる企業価値向上と売上・受注機会の拡大 |
大 |
(c)リスク管理
気候変動リスクを含むリスク管理については、「
(d)指標及び目標
当社グループの温室効果ガス排出量(Scope1・2・3)は以下のとおりであります。今後は、SBT認定取得を目指した温室効果ガス排出量の削減目標を設定してまいります。
〈Scope1・2・3の排出量〉
(単位:t-CO2)
|
|
2024年3月期 |
2025年3月期 |
||
|
Scope1 |
|
|
||
|
Scope2(ロケーション基準) |
|
|
||
|
Scope2(マーケット基準) |
|
|
||
|
Scope3 |
カテゴリ1 |
購入した製品・サービス |
25,292 |
28,248 |
|
カテゴリ2 |
資本財 |
1,008 |
1,735 |
|
|
カテゴリ3 |
Scope1,2に含まれない燃料及びエネルギー活動 |
237 |
242 |
|
|
カテゴリ4 |
輸送、配送(上流) |
1,553 |
1,782 |
|
|
カテゴリ5 |
事業活動から出る廃棄物 |
126 |
96 |
|
|
カテゴリ6 |
出張 |
554 |
539 |
|
|
カテゴリ7 |
雇用者の通勤 |
325 |
396 |
|
|
カテゴリ9 |
輸送、配送(下流) |
132 |
208 |
|
|
カテゴリ11 |
販売した製品の使用 |
150,815 |
111,159 |
|
|
カテゴリ12 |
販売した製品の廃棄 |
24 |
28 |
|
|
Scope3 計 |
|
|
||
|
総合計(ロケーション基準) |
|
|
||
|
総合計(マーケット基準) |
181,288 |
145,683 |
||
(注)1.Scope1・2・3の算定対象範囲は、当社及び連結子会社であるジュピターアドバンスシステムズ株
式会社となります。
2.2024年3月期の温室効果ガス排出量に関しては、第三者保証を受けております。2025年3月期に関し
ては、第三者保証を受けていない概算値であり、今後、第三者保証を取得する予定であります。
②人的資本に対する取組
(a)戦略
当社では、中長期的な戦略として人的資本の充実・人材力の最大化に向け、人権方針のもと、女性・非正規社員・若手・シニア層・中途採用者・障がい者等多様な人材が成長し活躍できる職場づくりを目指しております。また、中期経営計画においても、2024年度より適用された残業上限規制及び人手不足への対応策として人的資本の強化を課題として掲げ、取り組んでおります。当社の人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は以下のとおりです。なお、人材育成等については、連結子会社において行われていない事項があるため、当社について記載しております。
イ.人材の確保
新卒者にこだわらない多様な人材の採用を通年で実施し、女性採用の推進、非正規社員の活用、若手人材の採用拡充、定年延長等によるシニア層の確保等を進めるとともに、入社後のスキル向上やモチベーション向上を支援・推進することにより定着率向上を目指しております。
ロ.人材の育成
論理的思考力・課題解決力・マネジメント力等の向上を図る各階層別の研修、「電技アカデミー」や「テクニカルセンター」等での専門技術研修、トレーナー制によるOJT制度、eラーニングによる自己啓発制度、各種資格の取得支援制度、定期的なキャリア自己申告と管理者・本社人事セクションとのキャリア面談等により、人材の育成に取り組んでおります。なお、2024年4月に新設した「電技アカデミー」により、若手社員の早期戦力化や技術教育の更なる強化を図っております。
ハ.働きやすい職場づくり
働きやすい職場環境の実現に向けてウェルビーイング経営の推進を掲げ、社長を委員長とするウェルビーイング委員会を月次で開催してダイバーシティの推進、従業員の安全衛生の確保、長時間労働対策や両立支援等によるワークライフバランスの向上、エンゲージメント・モチベーション重視の諸制度・職場環境の整備、健康経営の推進等に取り組んでおります。
ニ.健康経営の推進
2018年9月に「健康宣言」を制定し、従業員一人一人が心身ともに健康でいきいきと働くことができる環境づくりをするという方針のもと、社長を責任者とする健康管理体制を構築し、健康保険組合や産業医と連携した健康管理活動等により、従業員の健康増進を企業価値向上につなげる健康経営を推進しております。
また、健康経営優良法人(大企業部門)に6期連続で認定されるなど、健康経営の「見える化」にも積極的に取り組んでおります。
ホ. 人権尊重
2023年11月に「日本電技グループ 人権方針」を制定し、当社グループの事業活動において影響を受ける当社グループすべての役員・従業員及びサプライヤーを含めた当社事業に関係するすべてのビジネスパートナーの人権を尊重するための行動指針として定め、その実践に向け取り組んでおります。
(b)指標及び目標
当社では、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、主に次の指標を用いております。当該指標に関する当社の目標及び実績は、次のとおりです。なお、指標等については、連結子会社において行われていない事項があるため、当社について記載しております。
|
指標 |
目標 |
実績(当事業年度) |
|
|
|
(直近5年間平均) |
|
|
毎年 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
前年度比向上( |
|
|
|
|
|
|
健康経営優良法人認定 |
認定継続 |
6期連続認定 (2020年3月~2025年3月) |
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。当社グループは、リスク管理の基本方針及び管理体制を「リスク管理規程」において定め、その基本方針及び管理体制に基づき、代表取締役社長を委員長とするリスク管理委員会で、事業を取り巻く様々なリスクに対して適切な管理を行い、リスクの未然防止を図っております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 建設工事の安全衛生・品質管理について
当社グループは、主にオフィスビル、商業ビル等の建築現場で計装工事の設計、監理及び施工を行っておりますが、事業の特性から人的、物的事故や労働災害、竣工後のクレームに伴う多額の補修費の負担請求が発生する可能性があり、また、これに伴う相応の損害賠償義務を負う可能性があります。この場合、直接的には多額のコストが発生し、間接的には当社に対するお客様の品質評価に重大な影響を与えることとなります。
これに対応するため、施工作業に関しましては「施工業務標準」等に則って行うよう工事管理部(2025年4月1日付で品質管理部に組織変更)が指導を徹底しており、また安全パトロールを実施する等工事の安全衛生や品質の管理の充実を図るとともに賠償責任保険に加入する等、万全を期しております。
(2) メンテナンスの品質管理について
当社グループは、主に既設市場において空調設備等のメンテナンスを行っており、作業現場は工場、病院、ショッピングセンター、研究所等多岐に亘ることで、作業現場に応じた広範な保守・点検技術を必要としますが、サービスの瑕疵等により不測の事故等が発生した場合は多額の補修費の負担請求が発生し、またこれ以外にも相応の損害賠償義務を負う可能性があります。この場合、直接的には多額のコストが発生し、間接的には当社に対するお客様の品質評価に重大な影響を与えることとなります。
これに対応するため、メンテナンス作業に関しましては「メンテナンス業務標準」に則って行うよう工事管理部(2025年4月1日付で品質管理部に組織変更)が指導を徹底しており、また賠償責任保険に加入する等十分に配慮しております。
(3) 特定の仕入先への依存度が高いことについて
当社は、アズビル㈱と空調自動制御機器等の仕入れに関する特約店契約を結んでおります。
この契約に基づく取引は、当社創業時(1959年)以来、長年に亘り継続して行われてまいりましたことから高い依存度となっており、この仕入れが滞る事態となった場合は、当社業績に多大な影響を及ぼすこととなります。
アズビル㈱に対する仕入高が当社総仕入高に占める割合は次のとおりであります。
|
項目 |
前事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
アズビル㈱ |
4,575 |
62.7 |
4,788 |
61.4 |
|
総仕入高 |
7,299 |
100.0 |
7,801 |
100.0 |
これに対応するため、今後もアズビル㈱と安定的な営業取引を含めて良好な関係維持に努めるとともに、事業領域拡大により事業全体での影響度の軽減を図っております。
(4) 不採算工事等の発生
工事等の各種プロジェクトは、内容の打ち合わせ及び見積りに基づき取り交わした請負契約に従って作業し、完了後にお客様による検査等を受けて引渡しが完了しますが、途中での設計変更や手直しによる予測が困難な追加原価等が生じた場合、不採算工事等が発生する可能性があり、これにより業績に影響を及ぼす可能性があります。
これに対応するため、「施工業務標準」等に則って関連部門による着手前の採算検討を実施するとともに、工程管理表に基づいて計画の精度を検証することで、不採算工事等の発生を未然に防ぐように努めております。
(5) 建設資材価格の変動リスク
当社グループが取り扱う電設資材等の価格が素材の相場の変動等により高騰し、それを請負金額に反映させることが困難な場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループにおいては、各種資材の特性に応じて在庫管理や代替品を含めた調達力の強化を図っており、リスクの軽減に努めております。
(6) 取引先に関するリスク
当社グループのお客様の信用状況に悪化が生じた場合、売上債権の貸倒れが生じることとなり、業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
これに対応するため、「売上債権管理規程」に従い、取引先別の与信枠を設定する等与信管理・債権管理を徹底するとともに、可能な限り請負代金を先行して受領する等回収遅延が発生しないように対処しております。
(7) 業績の季節的変動について
当社グループの売上高は、通常の営業の形態として、工事の完成引渡しが第4四半期連結会計期間に集中し、これに伴う稼働率が高まるため、第1四半期連結会計期間から第3四半期連結会計期間における売上高及び利益に比べ、第4四半期連結会計期間に売上高及び利益が偏重する季節的変動があります。
(8) 技術者や協力会社の確保及び育成について
当社グループでは、主にエンジニアリング等の技術を実践的に適用できる技術者や協力会社の確保及び育成が極めて重要でありますが、必要とする人材の確保及び育成ができなかった場合、受注機会の減少等当社グループの業績に多大な影響を及ぼす可能性があります。
そのため、新卒・中途人材の大幅な採用強化を図るとともに教育制度を見直し、新入社員の早期育成と資格取得を目的に設立した「電技アカデミー」で本社一括・通年の集合技術研修を2024年度より開始しております。また、現場における業務の実務能力育成を目的として、協力会社社員の受入出向を実施する等高い技術を持った技術者や協力会社の確保及び育成に努めております。
(9) 自然災害等について
当社グループが事業を展開する地域において、地震等の大規模自然災害の発生に伴い、工事等の各種プロジェクトの中断・大幅な遅延等の事態が生じた場合や事業所において営業の継続に支障をきたす重大な損害が生じた場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループにおいては、災害等発生時に危機管理チームまたは対策本部を設置し迅速に対応する体制をとるほかに「災害対策マニュアル」の整備、安否確認システムの導入、定期的な訓練などの対策を実施しております。
また、当社グループでは、気候変動が当社グループの企業価値や業績に及ぼすリスクの重要性を認識しております。詳細については、「2サステナビリティに関する考え方及び取組(3)重要なサステナビリティ項目に関する取組①気候変動に対する取組」に記載しております。
(10) 情報セキュリティについて
当社グループは、情報システムに様々なセキュリティ対策を講じていますが、外部からのサイバー攻撃、不正アクセス、コンピューターウイルスの侵入等により、情報システム等に障害が生じた場合や、企業情報及び個人情報等が社外に流失した場合は、事業活動の停滞や社会的信用の低下等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、年々多様化、巧妙化するサイバーセキュリティ上の脅威への対策として、情報システム部門が中心となり、情報セキュリティレベル向上の取り組みを進めております。サイバーセキュリティの脅威に対する技術的な対策に加え、定期的な教育・訓練を通じ、従業員の情報セキュリティに対する意識レベルの向上に努めております。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、物価上昇や米国の政策動向の影響など不透明な状況が続いているものの、雇用・所得環境が改善するなか、各種政策の効果もあり、緩やかな回復基調で推移しました。
建設業界におきましては、公共投資は関連予算の執行もあり底堅い推移が続き、民間設備投資は、堅調な企業収益等を背景に持ち直しの動きがみられました。
このような状況の下、当連結会計年度における当社グループ業績は、受注高は43,777百万円(前年同期比6.6%増)となりました。
売上高につきましては、空調計装関連事業における工場関連や首都圏再開発の大型新設物件の計上を主因に、43,061百万円(同10.7%増)となりました。
利益面につきましては、空調計装関連事業の売上高増加と選別受注の効果による収益性向上等により、営業利益は9,120百万円(同46.0%増)、経常利益は9,307百万円(同47.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は6,414百万円(同37.3%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
〔空調計装関連事業〕
空調計装関連事業につきましては、受注高は38,883百万円(前年同期比4.3%増)、売上高は39,367百万円(同
12.9%増)、セグメント利益は13,540百万円(同40.2%増)となりました。
受注高につきましては、新設において、工場及び医療施設向け物件等の新設工事が減少したものの、既設におい
ては、研究施設及び工場向け物件等の既設工事が増加しました。内訳は、新設が14,003百万円(同10.7%減)、既設が24,880百万円(同15.2%増)でした。
売上高につきましては、新設において、工場及び教育施設向け物件等の新設工事が増加し、既設においては、研究施設及び工場向け物件等の既設工事が増加しました。内訳は、新設が16,606百万円(同23.3%増)、既設が22,761百万円(同6.4%増)でした。
次期繰越工事高は、新設は減少し、既設は増加したものの、22,887百万円(同2.1%減)となりました。
〔産業システム関連事業〕
主に工場や各種搬送ライン向けの計装工事、各種自動制御工事及び食品工場向けの生産管理システムの構築等を行う産業システム関連事業につきましては、受注高は4,893百万円(前年同期比28.9%増)、売上高は3,694百万円(同8.3%減)、セグメント利益は428百万円(同67.0%増)となりました。
受注高につきましては、電気工事及び生産設備附帯工事等が増加しました。
売上高につきましては、電気工事及び産業用ロボット関連工事等が減少しました。
次期繰越工事高は、電気工事等が増加し、2,967百万円(同67.8%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2,215百万円増加し10,746百万円(前期比26.0%増)となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果得られた資金は8,135百万円(同90.4%増)となりました。
これは、主に法人税等の支払額1,889百万円に対して、税金等調整前当期純利益の計上9,139百万円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は4,280百万円(同102.1%増)となりました。
これは、主に投資有価証券の償還による収入1,500百万円に対して、投資有価証券の取得による支出3,463百万円及び有価証券の取得による支出2,547百万円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果使用した資金は1,640百万円(同22.3%減)となりました。
これは、主に配当金の支払額1,529百万円によるものであります。
③生産、受注及び販売の状況
イ.受注実績
|
区分 |
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前連結会計年度比(%) |
|
空調計装関連事業(百万円) |
37,276 |
38,883 |
(4.3%増) |
|
産業システム関連事業(百万円) |
3,795 |
4,893 |
(28.9%増) |
|
合計(百万円) |
41,071 |
43,777 |
(6.6%増) |
ロ.売上実績
|
区分 |
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前連結会計年度比(%) |
|
空調計装関連事業(百万円) |
34,864 |
39,367 |
(12.9%増) |
|
産業システム関連事業(百万円) |
4,029 |
3,694 |
(8.3%減) |
|
合計(百万円) |
38,894 |
43,061 |
(10.7%増) |
(注)1.当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載しておりません。
2.最近2連結会計年度の売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合は次のとおりであります。
(前連結会計年度)
|
該当する相手先はありません。 |
(当連結会計年度)
|
該当する相手先はありません。 |
なお、参考のため提出会社個別の事業の実績は次のとおりであります。
当社が営んでおります空調計装関連事業及び産業システム関連事業では、生産実績を定義することが困難であります。また、請負形態をとっているため販売実績という定義は実態に即しておりません。
よって、「受注工事高及び完成工事高等の状況」として次に記載しております。
受注工事高及び完成工事高等の状況
イ.受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高
|
期別 |
セグメントの名称 |
前期繰越工事高 (百万円) |
当期受注工事高 (百万円) |
計 (百万円) |
当期完成工事高 (百万円) |
次期繰越工事高 (百万円) |
|
前事業年度 (自2023年4月1日 至2024年3月31日) |
空調計装関連事業 |
20,959 |
36,897 |
57,856 |
34,485 |
23,370 |
|
産業システム関連事業 |
1,938 |
3,136 |
5,075 |
3,368 |
1,706 |
|
|
合計 |
22,898 |
40,033 |
62,932 |
37,854 |
25,077 |
|
|
当事業年度 (自2024年4月1日 至2025年3月31日) |
空調計装関連事業 |
23,370 |
38,450 |
61,821 |
38,933 |
22,887 |
|
産業システム関連事業 |
1,706 |
4,091 |
5,798 |
2,912 |
2,885 |
|
|
合計 |
25,077 |
42,541 |
67,619 |
41,846 |
25,773 |
(注)1.前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額に変更のあるものについては、当期受注工事
高にその増減高が含まれております。したがって、当期完成工事高にも同様の増減高が含まれております。
2.次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)に一致しております。
3.当期受注高及び当期売上高としては、上記当期受注工事高及び当期完成工事高のほかに、制御機器類の販売に係る当期受注高及び当期売上高が以下のとおりであります。
(前事業年度)
空調計装関連事業379百万円、産業システム関連事業293百万円
(当事業年度)
空調計装関連事業433百万円、産業システム関連事業457百万円
ロ.受注の方法
当社の工事の受注方法は、そのほとんどが特命によっております。
ハ.販売実績
(a)完成工事高
|
期別 |
セグメントの名称 |
官公庁(百万円) |
民間(百万円) |
合計(百万円) |
|
前事業年度 (自2023年4月1日 至2024年3月31日) |
空調計装関連事業 |
8,015 |
26,470 |
34,485 |
|
産業システム関連事業 |
73 |
3,295 |
3,368 |
|
|
合計 |
8,089 |
29,765 |
37,854 |
|
|
当事業年度 (自2024年4月1日 至2025年3月31日) |
空調計装関連事業 |
9,628 |
29,305 |
38,933 |
|
産業システム関連事業 |
94 |
2,818 |
2,912 |
|
|
合計 |
9,722 |
32,123 |
41,846 |
(注)1.完成工事高のうち、請負金額が1億円以上の主なものは次のとおりであります。
(前事業年度)
|
三建設備工業㈱ |
・虎ノ門ステーションタワー(1・2丁目再開発A-1街区) 計装工事 |
|
ダイダン㈱ |
・プライムアースEVエナジー㈱新居第2工場新築工事 自動制御工事 |
|
新菱冷熱工業㈱ |
・みなとみらい21地区53街区開発(WEST棟) 自動制御工事 |
|
高砂熱学工業㈱ |
・虎ノ門・麻布台地区再開発(B-2街区西・東) 自動制御工事 |
|
第一工業㈱ |
・田辺市新庁舎新築に伴う機械設備工事 自動制御工事 |
(当事業年度)
|
高砂熱学工業㈱ |
・東京理科大学葛飾キャンパス新校舎整備計画 計装工事 |
|
オーク設備工業㈱ |
・うめきた2期南街区西棟オフィス(6F~28F) 自動制御工事 |
|
㈱テクノ菱和 |
・日本ガイシ㈱熱田新研究開発棟(CR工事) 自動制御工事 |
|
ダイダン㈱ |
・プライムアースEVエナジー㈱新居第3工場新築工事 自動制御工事 |
|
㈱中電工 |
・美作市新庁舎整備工事 自動制御工事 |
2.最近2事業年度の完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであります。
(前事業年度)
|
該当する相手先はありません。 |
(当事業年度)
|
該当する相手先はありません。 |
(b)商品売上高
|
期別 |
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
|
前事業年度 (自2023年4月1日 至2024年3月31日) |
空調計装関連事業 |
379 |
|
産業システム関連事業 |
293 |
|
|
合計 |
672 |
|
|
当事業年度 (自2024年4月1日 至2025年3月31日) |
空調計装関連事業 |
433 |
|
産業システム関連事業 |
457 |
|
|
合計 |
890 |
ニ.繰越工事高(2025年3月31日現在)
|
セグメントの名称 |
官公庁(百万円) |
民間(百万円) |
合計(百万円) |
|
空調計装関連事業 |
5,846 |
17,040 |
22,887 |
|
産業システム関連事業 |
53 |
2,832 |
2,885 |
|
合計 |
5,900 |
19,872 |
25,773 |
(注)繰越工事高のうち、請負金額が1億円以上の主なものは次のとおりであります。
|
東洋熱工業㈱ |
・名城大学天白キャンパス全学共用棟新築他工事 自動制御設備工事 |
2025年11月完成予定 |
|
新菱冷熱工業㈱ |
・㈱コーセー 南アルプス工場 新築工事 自動制御工事 |
2026年2月完成予定 |
|
㈱大気社 |
・㈱出雲村田製作所 N2棟他建設設備工事 計装工事 |
2026年3月完成予定 |
|
ダイダン㈱ |
・名古屋第4地方合同庁舎(PFI) 自動制御工事 |
2026年3月完成予定 |
|
高砂熱学工業㈱ |
・信越化学工業㈱ 伊勢崎工場S棟(1期) 自動制御工事 |
2026年3月完成予定 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ.受注高
当連結会計年度の受注高は、前連結会計年度に比べ2,705百万円増加し、43,777百万円となりました。
空調計装関連事業における新設工事の受注高は、工場及び医療施設向け物件等が減少したことにより1,718
百万円減少しました。既設工事の受注高は、研究施設及び工場向け物件等が増加したことにより3,271百万円増加しました。
産業システム関連事業における産業計装工事等の受注高は、電気工事及び生産設備附帯工事等が増加したことにより951百万円増加しました。
また、当社グループは受注高を重要な経営指標の一つとしておりますが、当連結会計年度の達成状況は以下のとおりであります。
|
報告セグメント |
区分 |
2024年度計画(百万円) |
2024年度実績(百万円) |
計画比(百万円) |
||
|
空調計装 関連事業 |
空調計装工事 |
新設工事 |
14,100 |
13,813 |
△286 |
(2.0%減) |
|
既設工事 |
20,700 |
24,636 |
3,936 |
(19.0%増) |
||
|
計 |
34,800 |
38,450 |
3,650 |
(10.5%増) |
||
|
制御機器類販売 |
300 |
433 |
133 |
(44.4%増) |
||
|
計 |
35,100 |
38,883 |
3,783 |
(10.8%増) |
||
|
産業システム関連事業 |
産業計装工事等 |
4,100 |
4,419 |
319 |
(7.8%増) |
|
|
制御機器類販売 |
300 |
474 |
174 |
(58.2%増) |
||
|
計 |
4,400 |
4,893 |
493 |
(11.2%増) |
||
|
合計 |
39,500 |
43,777 |
4,277 |
(10.8%増) |
||
空調計装関連事業の新設工事においては、「中長期的な視点での全社最適および既設工事に繋がる物件の受注」を対処すべき課題として掲げておりましたが、実績は計画値を下回ったものの、各地の大型案件に対応した施工体制を構築したこと等により、将来的に既設工事に繋がる物件を相当数確保できたものと認識しております。既設工事においては、「新規メンテナンスの増進および環境ソリューションビジネスの推進」を対処すべき課題として掲げておりましたが、実績は計画値を上回っており新規メンテナンスの増進および環境ソリューションビジネスの推進に着実に取り組んだ結果であると認識しております。
産業システム関連事業においては、「既存事業の営業力強化および新たな事業領域の確立」等を対処すべき課題として取り組んでおりましたが、既存事業の営業力強化の成果により電気工事等の受注増に繋がり、実績は計画値を上回る結果となりました。
なお、空調計装関連事業における新設工事の次期繰越工事高は、13,088百万円となり、既設工事の次期繰越工事高は、9,798百万円となりました。産業システム関連事業における産業計装工事等の次期繰越工事高は、2,967百万円となりました。
ロ.売上高
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ4,167百万円増加し、43,061百万円となりました。
空調計装関連事業における新設工事の完成工事高は、工場及び教育施設向け物件等が増加したことにより3,098百万円増加しました。既設工事の完成工事高は、研究施設及び工場向け物件等が増加したことにより1,350百万円増加しました。
産業システム関連事業における完成工事高は、電気工事及び産業用ロボット関連工事等が減少したことにより482百万円減少しました。
なお、計画比較に関しましては計画値41,500百万円に対し1,561百万円増加しました。
ハ.売上総利益
当連結会計年度の売上総利益は、前連結会計年度に比べ4,119百万円増加し、18,656百万円となりました。売上総利益率については、主に新設工事における工事採算の改善により全体で5.9ポイント上昇し43.3%となりました。
ニ.販売費及び一般管理費
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、主に従業員給料手当及び広告宣伝費の増加により前連結会計年度に比べ1,247百万円増加し、9,536百万円となりました。
ホ.営業利益
当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ2,871百万円増加し、9,120百万円となりました。
売上高営業利益率については、5.1ポイント上昇し21.2%となりました。セグメント別では空調計装関連事業においては、6.7ポイント上昇し34.4%、産業システム関連事業においては、5.2ポイント上昇し11.6%となりました。
なお、計画比較に関しましては計画値6,200百万円に対し2,920百万円増加しました。
ヘ.営業外収益及び営業外費用、特別利益及び特別損失
営業外収益及び営業外費用は、主に保険解約損の減少により前連結会計年度の76百万円の収益(純額)に対し、187百万円の収益(純額)となりました。
特別利益及び特別損失は、投資有価証券評価損の増加により前連結会計年度の13百万円の損失(純額)に対し、167百万円の損失(純額)となりました。
ト.税金等調整前当期純利益
当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べ2,828百万円増加し、9,139百万円となりました。
チ.法人税等
法人税等は、税金等調整前当期純利益の増加に伴う課税所得の増加等により、前連結会計年度に比べ1,086百万円増加し、2,725百万円となりました。税効果会計適用後の法人税等の負担率は、法人税額の特別控除の減少により、前連結会計年度の26.0%から29.8%に上昇しました。
リ.親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ1,741百万円増加し、6,414百万円となりました。これにより1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の292.91円から402.83円になりました。
なお、計画比較に関しましては計画値4,300百万円に対し2,114百万円増加しました。
(注)2025年1月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っております。前連結会計年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定して、1株当たり当期純利益を算定しております。
ヌ.自己資本当期純利益率(ROE)
当社グループは、自己資本当期純利益率(ROE)を重要な指標として位置づけております。当連結会計年度の自己資本当期純利益率(ROE)は、前連結会計年度に比べ3.0ポイント上昇し17.3%となりました。今後も、引き続き資本効率の向上及び株主資本の有効利用等の施策を検討し、12.5%以上の達成の継続に取り組んでまいります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
イ.キャッシュ・フロー
「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
ロ.資金調達
当社グループは、転リース取引等個別の条件によるもの以外については、内部資金により資金調達しております。
ハ.資金需要
当社グループの資金需要のうち主なものは運転資金であります。その主たる内容は各種工事のための原材料購入及び外注工事費の支払、販売費及び一般管理費等の営業費用であり、営業費用の主なものは人件費であります。また、その他の資金需要として、成長投資や株主還元があります。
運転資金については、営業活動より得られるキャッシュ・フローを基本とした流動性資金(預金及び取得日から3か月以内に償還期限が到来する短期投資)にて十分に補完できているものと考えております。また、急激な環境変化にも備え流動性を維持するための流動性補完資金については、流通市場が形成されている公社債等の中期投資で確保しております。
成長投資については、原則的に流動性資金を充当しており、研究開発や近年のデジタル化促進による設備投資及び採用・研修等の人的投資を行っております。また、成長投資の一環として業務上関係を有する企業の株式や社債等の金融商品に投資することで、投資先企業との円滑かつ良好な関係維持、取引及び事業領域拡大を図っております。
株主還元については、業績に多大な影響を及ぼす事象が無い限り、DOE(連結株主資本配当率)5%を基準に累進的な配当を基本とするとともに、機動的な自己株式取得を実施してまいります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成に当たりまして、期末時点の資産・負債及び期中の収益・費用の適正な計上を行うため、見積りや仮定が必要とされます。当社グループは、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行い、その結果は資産・負債の簿価及び収益・費用の計上についての判断の基礎となります。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループは、次の重要な会計方針の適用における見積りや仮定は連結財務諸表に重要な影響を与えると考えております。
イ.収益の認識
収益の認識に用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
ロ.完成工事補償引当金
当社グループは完成工事に係る瑕疵担保、アフターサービス等の費用の支出に備え、完成工事補償引当金を計上しております。
完成工事補償引当金の計上にあたっては、過去の補修費支出の実績を基準にした金額及び特定の物件については補償工事費用の個別見積額を計上しております。そのため、実際の結果が、見積りの前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合において、完成工事補償引当金が増減し業績に影響を及ぼす可能性があります。
ハ.投資の減損
当社グループは、特定のお客様や金融機関等の取引先に対する株式を所有しております。これら株式には価格変動性が高い上場株式と、株価の決定が困難である非上場株式が含まれております。
上場株式については、期末時点で市場価格が取得価額に対して著しく下落している場合、非上場株式及び関係会社株式については、投資先の純資産価額の当社グループ持分が当社の帳簿価額に対して著しく下落している場合につき、将来の回復の可能性を検討し、評価損を計上することとしております。
ニ.固定資産の減損
当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準(企業会計審議会 平成14年8月9日)」及び企業会計基準適用指針第6号「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針(企業会計基準委員会 平成15年10月31日)」を適用しております。
経済環境の著しい悪化等により営業収益が大幅に低下する場合等には、減損損失が発生する可能性があります。
ホ.繰延税金資産
当社グループは、連結財務諸表と税務上の資産・負債との間に生じる一時的な差異に係る税効果については、当該差異の解消時に適用される法定実効税率を使用して、繰延税金資産・負債を計上しております。
繰延税金資産の計上にあたっては、将来の課税所得と実現可能なタックス・プランニングを考慮して一時差異の解消に係るスケジューリングを行い、回収可能と判断される繰延税金資産を計上しております。回収可能性の判断には、実績情報とともに将来に関するあらゆる入手可能な情報が考慮されており、合理的なものと考えております。
(特約店契約)
|
相手先 |
契約の内容 |
契約期間 |
|
アズビル株式会社 (ビルシステムカンパニー) |
同社より製品の提供を受け、これを販売すること 並びに同社のソフトウェアを使用する契約。 |
自 2024年4月1日 至 2025年3月31日 |
|
アズビル株式会社 (アドバンスオートメーションカンパニー) |
同社より製品の提供を受け、これを販売すること 並びに同社のソフトウェアを使用する契約。 |
自 2024年4月1日 至 2025年3月31日 |
(注)アズビル株式会社 ビルシステムカンパニー及びアドバンスオートメーションカンパニーの契約期間については、それぞれ2025年4月1日から2026年3月31日まで更新されております。
当社グループ(当社及び連結子会社)は、将来ビジョンである「New Design For The Next 「計装」の総合力で、未来を拓く」の精神の下、計装を中心とした様々な研究開発活動を行っております。
当連結会計年度の研究開発活動は主に、本社事業本部(2025年4月1日付で本社技術本部に組織変更)並びに連結子会社のジュピターアドバンスシステムズ株式会社にて行ってまいりました。その結果、当連結会計年度における研究開発費の総額は、
主要な研究開発活動及び成果は、次のとおりであります。
(1) 空調計装関連事業
・自動制御システムへのAI技術の応用研究
ビル市場、工場市場におけるAI制御の動向調査を行い、「eneRSmart®」のブラッシュアップ(AI制御適用
等)の検討を実施しました。
・DHC向け中央監視装置構築技術の強化開発
標準機能・ソフトの共有管理の仕組みを構築しました。
・各種業務ツール等の機能強化
エネルギー分析レポート等の作成をサポートする業務ツール「eneRView®」の継続開発を実施し、機能拡張開発
やデータベースのクラウド化の対応準備等を行いました。
(2) 産業システム関連事業
・食品工場の生産性向上・品質向上を目指したソリューション技術開発
食品工場のDXを実現すべく、データ分析技法の調査・研究を実施し、検査工程において品質自動判定を可能
とするモデル構築の検討を行いました。また、AI技術を活用した画像診断技術による良否(銘柄)判定技術の
調査・研究を実施し、FAシステム(ロボット等)との連携技術確立やワークテストを行いました。さらに、デ
ジタルツイン(※)技術の調査・研究を実施し各社のデジタルツインツールの調査・比較検討や、工場市場にお
けるデジタルツイン技術の活用事例調査を行いました。
・統合型生産管理システム「Misuzu8」の機能の集約及び強化
連結子会社のジュピターアドバンスシステムズ株式会社において、食品製造業界のDX化ニーズに対応するため、過去の導入事例より機能の集約及び強化や、他システム、機器との連携を容易にするなどバージョンアップに取り組んだ結果、β版をリリースしております。
※ デジタルツイン:IoTなどを活用して工場設備や製品等の現実空間の情報を取得し、デジタル空間に現実
空間の環境を再現してシミュレーション等を可能にすること。