「第2 事業の状況」における各事項の記載については、消費税等抜きの金額で表示しております。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、建設事業を主要な事業内容としており、東急グループの一員として同事業の分野を担っており、東急グループ各社と連携し、安心で快適な生活環境を提供する東急ブランドをより強固にしつつ、その価値を競争力の一つとしております。
東京オリンピック・パラリンピック後の2025年頃に顕在化が予想される建設業界における様々な環境変化に負けない企業体質を構築するため、2026年を到達時期として、ありたい姿「活力ある風土のもとで真価を発揮する環境変化に負けない企業グループ」を策定するとともに、そのありたい姿に向けた最初のステップとして、「中期経営計画2018-2020『Shinka2020』」を策定し、2018年4月より推進しております。
※目標指標(2020年度)は中期経営計画策定時点の数値を記載
「(1) 経営方針」に記載の経営方針及び「中期経営計画2018-2020『Shinka2020』」を実行していくうえで、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下の通りであります。
今後の国内建設市場につきましては、建設市場固有の課題として、新設等を主体とした「フロー」型から維持・修繕等の「ストック」型への需要の質的変化や、高齢の建設就労者の大量退職による人材不足が深刻化することが予想され、長時間労働の解消や働き方改革の実現等への対応が求められるなど、構造変革が迫られております。また、新型コロナウイルス感染症の影響により経済の今後の見通しは当面極めて厳しい状況が続くと見込まれ、今後の状況によってはさらに下振れすることが予想されます。
このような情勢下におきまして当社グループは、新型コロナウイルス感染症の影響を見極め適切な対応を図りつつ、最終年度を迎える「中期経営計画2018-2020『Shinka2020』」に基づき、顧客に寄り添う営業及び施工体制の確保やICTの活用による働き方改革等の施策を着実に実行する一方、SDGsや今後の社会環境の変化等を見据えた新たな長期企業ビジョンを策定し、当社グループの持続的な企業価値向上を目指してまいります。
なお当社グループにおきましては、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う政府の緊急事態宣言に対し、感染拡大抑止と関係者並びに従業員の健康に最大限配慮する観点から、稼働中の工事について、発注者との協議のうえで理解が得られたものについては原則中断するなどの対応をとっておりましたが、5月25日全国において緊急事態宣言が解除されたことを受けまして再開しており、工事進捗への重要な影響はありませんでした。今後も引き続き感染拡大の抑止と関係者並びに従業員の健康に配慮し、状況に応じ柔軟に対応いたします。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下の通りであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
景気変動による国内建設市場の縮小、資材・労務価格等の急激な変動が発生した場合、売上高の減少、工事採算の悪化等、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当該リスクには、市場の縮小に対しては新たな事業領域の拡大、資材・労務価格等の急激な変動に対しては先行調達や代替工法の提案等により対応しております。
技能労働者が減少傾向にあるなか、技能労働者を十分に確保できず供給力が低下した場合、売上高の減少等、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当該リスクには、協力会社との連携を強化しつつ、建設現場におけるICTの活用や、生産性向上に向けた工法の採用等により対応しております。
労働人口が減少するなか、人材獲得の停滞や離職者の増加により従業員が確保できず人員不足に陥った場合、売上高の減少等、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当該リスクには、人材育成を強化することにより、従業員一人ひとりの能力をさらに高めるとともに、人事制度改革や働き方改革等を進め職場としての当社の魅力を高めることにより対応しております。
長時間労働の解消が進まず、生産性の低下や重大な事故の発生、従業員の健康不良、企業イメージの悪化による人材の流出等が発生した場合、受注機会の減少、売上高の減少等、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当該リスクには、「(2) 技能労働者の減少に関するリスク」及び「(3) 従業員の確保に関するリスク」の対策と同様に、ICTの活用等による働き方改革等により対応しております。
設計、施工における不具合等によりその補修等に多大な費用を要するような重大な瑕疵、品質不良が発生した場合、顧客からの信頼を喪失し受注機会の減少等、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当該リスクには、土木・建築各事業本部との組織連携や、活動の強化を図り、品質管理のPDCAサイクルを実践する等、当社が定める品質方針に基づき対応しております。
第三者や多数の死傷者を伴う重大な事故・災害の発生及び社会的に影響の大きい工事等における事故が発生した場合、社会からの信頼を喪失し受注機会の減少等、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当該リスクには、経営トップの関与をより高めた安全管理体制等、当社が定める安全方針に基づき対応しております。
(7) 国際事業の展開に伴うリスク
国際事業を展開する上で、海外諸国の政治・経済情勢、為替や法的規制等、事業環境に著しい変化が生じた場合、売上高の減少等、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当該リスクには、本社機能を充実させリスクマネジメントを強化することにより対応しております。
地震、津波、風水害等の大規模自然災害や感染症の大流行が発生し、当社グループの従業員や保有資産への被災の他、受注環境の変化、建設資機材や燃料等の価格高騰及び電力供給不足等が生じた場合、売上高の減少、工事採算の悪化等、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当該リスクには、BCP(事業継続計画)に基づいた訓練計画等を行う等、BCM(事業継続マネジメント)に取り組むことで対応しております。
(9) 新型コロナウイルス感染症の影響長期化リスク
新型コロナウイルス感染症が流行している状況が長期化することにより、建設市場の縮小、顧客による事業計画の見直し、施工中案件の工事中断等が生じた場合、受注機会の減少、工事採算の悪化等、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当該リスクには、受注活動等への影響については、提案、見積、工事計画等は対面ではなくリモートでの打合せを行うこと等により、施工中案件の工事経費増幅については、顧客と継続して協議を行うこと等により対応しております。
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益が高水準で推移し、雇用や所得環境も継続的に改善するなど、緩やかな回復基調が続きましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により、景気は大変厳しい状況になりました。
建設業界におきましては、企業収益の改善等を背景とした民間建設投資に加え公共投資が底堅く推移し、市場環境は好調を維持しておりましたが、新型コロナウイルス感染症の影響を危惧する民間企業では、事業計画の見直し等の動きがあらわれてまいりました。
このような情勢下におきまして当社グループは、「中期経営計画2018-2020『Shinka2020』」の基本方針に則り、国内建設事業では顧客起点による優良顧客との関係強化や現場力の強化を図るとともに、戦略事業の不動産事業では将来の安定収益確保に向けた不動産の取得を推進するほか、ICTの積極活用による新たな価値の提供に取り組んでまいりました。
この結果、当連結会計年度の経営成績は、完成工事高の減少により売上高は322,170百万円(前期比2.8%減)となりました。損益面では、営業利益は20,315百万円(前期比7.6%減)となりました。また、経常利益は持分法による投資利益1,547百万円を計上したことなどにより21,969百万円(前期比4.2%減)となりました。これに、税金費用等を加味した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は14,903百万円(前期比3.9%減)となりました。
当連結会計年度における新型コロナウイルス感染症については、各セグメントにおいて重要な影響はありませんでした。なお、新型コロナウイルス感染症は不確実性が高く、長期化した場合は建設市場の縮小、顧客による事業計画の見直し、施工中案件の工事中断等により翌連結会計年度以降の財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
完成工事高については、国内官公庁工事が増加したものの、国内民間工事及び海外工事の減少により、231,572百万円(前期比10.6%減)となりました。一方、セグメント利益については、工事の採算向上に伴い20,511百万円(前期比1.5%増)となりました。
完成工事高については、国内民間工事が減少したものの、国内官公庁工事及び海外工事の増加により、88,511百万円(前期比25.3%増)となりました。一方、セグメント利益については、6,914百万円(前期比13.5%減)となりました。
不動産事業等売上高については、2,086百万円(前期比10.5%増)となりました。損益面については、賃貸事業等で利益を計上したものの、長期大型開発事業の収支見直しに伴い不動産事業等損失引当金を計上したことなどにより、152百万円のセグメント損失(前連結会計年度は304百万円のセグメント損失)となりました。
当連結会計年度末の資産の部につきましては、土地が3,627百万円、建物及び構築物が2,510百万円それぞれ増加した一方、現金預金が19,595百万円、未成工事支出金が3,334百万円減少したことなどにより、資産合計は前連結会計年度末と比較して29,098百万円減少(11.0%減)し、235,897百万円となりました。
負債の部につきましては、短期借入金が25,000百万円、完成工事補償引当金が2,099百万円それぞれ増加した一方、電子記録債務が35,767百万円、支払手形・工事未払金等が34,246百万円それぞれ減少したことなどにより、負債合計は前連結会計年度末と比較して37,821百万円減少(22.0%減)し、134,193百万円となりました。
純資産の部につきましては、配当を3,201百万円実施したものの、親会社株主に帰属する当期純利益を14,903百万円計上したことにより利益剰余金が増加した結果、株主資本は11,700百万円増加しました。また、退職給付制度の改定等により退職給付に係る調整累計額が1,764百万円減少したことなどにより、その他の包括利益累計額は3,118百万円減少しました。この結果、純資産合計は前連結会計年度末と比較して8,722百万円増加(9.4%増)し、101,703百万円となりました。
なお、自己資本は101,215百万円となり、自己資本比率は前連結会計年度末と比較して7.9ポイント増加し、42.9%となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローにつきましては、税金等調整前当期純利益21,831百万円の計上や立替金の減少等の資金増加があったものの、仕入債務の減少や法人税等の支払額の支出等の資金減少により、33,439百万円の資金減少(前連結会計年度は29,694百万円の資金増加)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローにつきましては、有形及び無形固定資産の取得による支出や投資有価証券の取得による支出等により、7,488百万円の資金減少(前連結会計年度は5,786百万円の資金減少)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローにつきましては、配当金の支払額の支出等の資金減少があったものの、短期借入金の純増により、21,604百万円の資金増加(前連結会計年度は3,575百万円の資金減少)となりました。
この結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末から19,595百万円減少し、29,549百万円(前連結会計年度末は49,145百万円)となりました。
(注) 当社グループでは「建設事業(建築)」及び「建設事業(土木)」以外では受注生産を行っておりません。
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産の実績」は記載しておりません。
3 売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合は、次のとおりであります。
該当する相手先はありません。
なお、参考のため提出会社個別の事業の実績は次のとおりであります。
(注) 1 前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にそ
の増減額を含みます。従って、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれます。また、前事業年度以前に
外貨建で受注したもので、当事業年度中の為替相場の変動により請負金額の増減がある場合についても同
様の処理をしております。
2 次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)であります。
工事の受注方法は、特命と競争に大別されます。
(注) 百分比は請負金額比であります。
(注) 1 完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。
前事業年度
当事業年度
2 完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであります。
前事業年度
東京急行電鉄㈱ 59,827百万円 19.4%
ファナック㈱ 40,469百万円 13.1%
当事業年度
該当する相手先はありません。
d.次期繰越工事高(2020年3月31日現在)
(注) 次期繰越工事のうち主なものは、次のとおりであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
当社グループの当連結会計年度の経営成績等について、完成工事高の減少により当連結会計年度の連結売上高は、322,170百万円(前連結会計年度比2.8%減)となりました。損益面では、営業利益は長期的な成長に向けた積極的な人材採用や人材育成、ICT投資等の販売費及び一般管理費の増加により減少して20,315百万円(前連結会計年度比7.6%減)、経常利益は持分法による投資利益を計上したこと等により21,969百万円(前連結会計年度比4.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は14,903百万円(前連結会計年度比3.9%減)となりました。
財政状態については、現金預金や未成工事支出金が減少したこと等により資産合計は235,897百万円(前連結会計年度末比11.0%減)となりました。また、電子記録債務や支払手形・工事未払金等が減少したこと等により負債合計は134,193百万円(前連結会計年度末比22.0%減)、利益剰余金の積み上げ等により純資産は101,703百万円(前連結会計年度末比9.4%増)となりました。自己資本比率は42.9%(前連結会計年度から7.9ポイント増加)となりました。
b.経営成績に重要な影響を与える要因
国内建設市場につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響が懸念されるとともに、建設市場固有の課題として、新設等を主体とした「フロー」型から維持・修繕等の「ストック」型への需要の質的変化や、高齢の建設就労者の大量退職による人材不足が深刻化することが予想され、長時間労働の解消や働き方改革の実現等への対応が求められるなど、構造変革が迫られています。
また、新型コロナウイルス感染症の影響により経済の今後の見通しは当面極めて厳しい状況が続くと見込まれ、建設市場の縮小、顧客による事業計画の見直し、施工中案件の工事中断等により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、新型コロナウイルス感染症の影響を見極め適切な対応を図りつつ、最終年度を迎える「中期経営計画2018-2020『Shinka2020』」に基づき、顧客に寄り添う営業及び施工体制の確保やICTの活用による働き方改革等の施策を着実に実行する一方、SDGsや今後の社会環境の変化等を見据えた新たな長期企業ビジョンを策定し、当社グループの持続的な企業価値向上を目指すこととしております。
c.目標とする経営指標の達成状況
当社グループが「中期経営計画2018-2020『Shinka2020』」で掲げた目標及び当連結会計年度の実績は以下のとおりです。2020年度の到達目標に対し、2019年度は「連結営業利益率」「連結売上高」「連結ROE」において達成することができました。また連結自己資本額は未達成の状況ですが、前連結会計年度から85億円増と目標額の達成に向けて進捗しております。
d.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりでありますが、当社グループの運転資金需要のうち主なものは、工事の完成に要する外注費等の工事費の支払や人件費等の販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また、当社グループは提出日現在、事業運転資金の安定的且つ機動的な調達を目的として、取引金融機関5行及び22行との間でそれぞれ締結しております、シンジケーション方式によるコミットメントライン契約等からの借入により資金調達を行っております。
e.セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
(建設事業(建築))
当連結会計年度における受注高は150,254百万円(前連結会計年度は207,294百万円)、完成工事高は231,572百万円(前連結会計年度は258,896百万円)、セグメント利益は20,511百万円(前連結会計年度は20,200百万円)となりました。
(ⅰ) 完成工事高(個別)
当事業年度における当社個別の完成工事高は、前事業年度比31,285百万円(13.1%)減少の206,956百万円となりました。
工事分類別では、前事業年度に比べ「鉄道・埠頭・空港」が増加し、「工場」、「庁舎」、「事務所」が減少しました。また、発注者別では、官公庁工事は増加、民間工事は減少となりました。
(単位:百万円)
(ⅱ) 完成工事総利益率(個別)
利益率は、大型工事の利益改善により前事業年度比2.1ポイント改善し、11.9%となりました。
(ⅲ) 受注高(個別)
受注高は128,709百万円で、前事業年度比56,577百万円(30.5%)の減少となりました。
(発注者別)
中央官庁からの受注は前事業年度比55.2%減少、地方自治体からの受注は同54.9%減少し、官公庁工事の受注額合計では同55.0%減少しました。東急グループを除く民間の受注は前事業年度比27.3%減少、東急グループからの受注は同26.4%の減少となり、民間の受注額合計では同27.2%の減少となりました。なお、受注高全体に占める東急グループ発注工事の割合は、当事業年度11.5%となりました。官公庁工事と民間工事では、官公庁工事7.8%、民間工事92.2%の構成比となりました。
(工事分類別)
「住宅」は前事業年度比2.1%増加し、構成比では20.7%となりました。また、「事務所・庁舎」は前事業年度比1.5%減少し、構成比は18.5%となり、「倉庫・流通施設」は前事業年度比34.8%増加し、構成比は15.5%となりました。
(エリア別)
国内において、首都圏と地方の比較でみると、首都圏の割合が前事業年度比2.8ポイント増加し、国内全体に占める割合は78.4%となりました。
(建設事業(土木))
当連結会計年度における受注高は64,855百万円(前連結会計年度は78,182百万円)、完成工事高は88,511百万円(前連結会計年度は70,652百万円)、セグメント利益は6,914百万円(前連結会計年度は7,993百万円)となりました。
(ⅰ) 完成工事高(個別)
当事業年度における当社個別の完成工事高は、前事業年度比17,696百万円(25.1%)増加の88,078百万円となりました。
工事分類別では、前事業年度に比べ「道路」、「上・下水道」が増加し、「土地造成」が減少しました。また、発注者別では、官公庁工事は増加、民間工事は減少となりました。
(単位:百万円)
(ⅱ) 完成工事総利益率(個別)
利益率は、前年度の好採算大型官公庁工事完成の反動等により、前事業年度比4.8ポイント悪化し、9.3%となりました。
(ⅲ) 受注高(個別)
受注高は64,605百万円で、前事業年度比13,160百万円(16.9%)の減少となりました。
(発注者別)
中央官庁からの受注は前事業年度比57.3%減少、地方自治体からの受注は同129.7%増加し、官公庁工事の受注額合計では同39.0%減少しました。東急グループを除く民間の受注は前事業年度比91.8%増加、東急グループからの受注は同36.9%の減少となり、民間の受注額合計では同23.7%の増加となりました。なお、受注高全体に占める東急グループ発注工事の割合は、当事業年度14.2%となりました。官公庁工事と民間工事では、官公庁工事47.5%、民間工事52.5%の構成比となりました。
(工事分類別)
「鉄道」は前事業年度比24.5%減少し、構成比では55.8%となりました。また、「上・下水道」は前事業年度比107.3%増加し、構成比では15.3%となり、「道路」は前事業年度比35.9%減少し、構成比では10.2%となりました。
(エリア別)
国内において、首都圏と地方の比較でみると、首都圏の割合が前事業年度比6.0ポイント増加し、国内全体に占める割合は68.1%となりました。
(不動産事業等(連結))
不動産事業等売上高は2,086百万円(前連結会計年度は1,888百万円)となりました。この主な内容は、賃貸収入等に係るものであります。また、損益面では、長期大型開発事業の収支見直しに伴い不動産事業等損失引当金を計上したことなどにより、152百万円のセグメント損失(前連結会計年度は304百万円のゼグメント損失)となりました。
②重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項 4会計方針に関する事項」に記載しております。
新型コロナウイルス感染症の影響の考え方については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項 追加情報」に記載しております。なお、繰延税金資産については、将来の事業計画に基づき課税所得を見積り、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について計上しております。当該課税所得を見積るにあたって、前提とした条件や仮定に変更が生じ、課税所得の見積りが減少した場合、繰延税金資産が取崩され、税金費用が増加する可能性があります。新型コロナウイルス感染症については、上記にあたえる影響は軽微であると仮定しておりますが、今後の感染拡大状況によっては、課税所得の見積りに影響を与える可能性があります。
該当事項はありません。
セグメントごとの研究開発は次のとおりであります。なお、「建設事業(建築)」及び「建設事業(土木)」の研究開発費は、建設事業共通でかかる費用のため、「建設事業」として記載しております。
[建設事業]
研究開発活動については、社会課題の把握と抽出を行い、SDGs(持続可能な開発目標)において当社が優先して取り組む重要な社会課題のうち、安全で安心・快適なまちづくりへの貢献、技術革新による生産プロセスの効率性向上、省資源・省エネルギーの推進につながる技術の開発を目指します。また、施工品質向上技術、環境技術等受注確保につながる技術の実用化も目指しております。当連結会計年度においては、以下の技術分野に関して、研究開発を進めました。
1.安心安全 ・維持管理技術・災害対策技術(地震、洪水等)・施工自動化システム
2.生産性向上 ・建築構造・省力化技術・通信技術・土壌浄化促進技術・検査支援システム
・ICTロボット技術・シミュレーション技術
3.環境負荷低減 ・資源再利用・ZEB(Zero Energy Building)・グリーンインフラ
・木材の積極利用技術
更に、大学、公共研究機関及び関連企業との共同研究をはじめとする社外連携を進め、競争的資金の活用等により研究開発の効率を高めております。特に、東京都市大学とは産学連携に関する包括契約を締結しており、2019年度は7テーマの共同研究を実施しました。
当連結会計年度における研究開発費は、1,014百万円であります。
主な研究開発成果は次のとおりであります。
(1)災害対策・事業継続ソリューション「Dr.BC・プッシュ」のサービス提供開始
当社と富士電機㈱が開発し、東急リニューアル㈱がサービス提供する構造見守りサービス「4D-Doctor」、イッツ・コミュニケーションズ㈱が提供する防災・生活情報サービス「テレビ・プッシュ」、東急ファシリティサービス㈱が提供する「BCビルマネジメント」の3サービスを組み合わせた、災害対策から発災後の事業継続を一括サポートするサービス「Dr.BC・プッシュ」の提供を2019年9月より開始いたしました。本サービスは、新築の建物のみならず、既存の建物に対しても導入可能で、「平常時」、「地震等発生時」、「復旧時」の3つの時間軸でサポートを行い、施設の安心・安全を高めることができます。
(2)「トンネル全断面点検・診断システム」の活用を開始
「トンネル全断面点検・診断システム」は、2014年から2018年度にかけて実施された内閣府「SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)インフラ維持管理・更新・マネジメント技術」において、東京大学、湘南工科大学、東京理科大学、㈱小川優機製作所及び㈱菊池製作所と共同開発したシステムです。本システムは、道路を跨ぐ形でトンネル内を走行することにより、自動車等の通行を妨げることなく点検を行うことができ、点検から帳票作成までの作業効率を向上させることができます。
2019年4月にはIAM(インフラアセットマネジメント)を推進する組織を立ち上げており、社会インフラの効率的維持管理技術の実用化を推進するため、本システムの活用を開始しております。
(3)建設現場用搬送ロボットの実証実験を開始
当社とTHK㈱は、建設現場の資機材搬送を自動化するロボットを共同開発中であり、商用化を目指して実証実験を進めております。建設現場では、人手不足に加えて、狭い通路や段差等が資機材搬送の生産性を阻害しています。そこで当社とTHK㈱は、作業効率を約30%向上させることを目指して、段差や粉じんのある環境での資機材搬送作業を自動化し、作業環境に合わせて即座に経路変更が可能な建設現場用搬送ロボットの共同開発を進めております。
本ロボットは、プログラミングの知識がない現場作業者でも、搬送経路の設定が素早く簡単にできるTHK㈱独自の自立移動制御システム「SIGNAS」を搭載しています。既に実際の建設現場で、本ロボットが台車に載せた1トンの資機材を牽引しながら鉄板の段差を乗り越え、物の配置等が変化しても安定して走行できることを実証実験で確認しております。当社とTHK㈱は本ロボットの改善を進め、建設現場の生産性向上へ貢献してまいります。
(4)人工知能画像解析を応用した「配筋検査システム」の共同研究開発を開始
当社を含む総合建設会社20社(文末参照)は、AI及び画像解析を応用した「配筋検査システム」の共同研究開発契約を締結し、2019年4月より約2年間にわたる研究開発を進めています。本研究開発では、施工管理者の習熟度によらない効率的かつ正確な配筋検査と、建設現場での適切な配筋施工を支援するシステムの開発を目指しています。
本研究開発では、配筋施工支援を目的とするタブレット端末を用いた「配筋チェック機能」、及び検査効率改善を目的とする特殊カメラ等を用いた「配筋検査機能」の2つの機能を統合したシステム開発を目指します。2020年度には「配筋チェック機能」の現場試行を開始いたします。
当社以外の共同研究参画会社は次の通りです。
青木あすなろ建設㈱、㈱淺沼組、㈱安藤・間、㈱奥村組、北野建設㈱、㈱熊谷組、五洋建設㈱、佐藤工業㈱、大末建設㈱、髙松建設㈱、鉄建建設㈱、戸田建設㈱、飛島建設㈱、西松建設㈱、日本国土開発㈱、㈱長谷工コーポレーション、㈱ピーエス三菱、㈱松村組、矢作建設工業㈱
(5)グリーンインフラ実証施設において雨水貯留・流出抑制効果と環境保全効果を確認
当社は、2018年3月に技術研究所内に設置したグリーンインフラ実証施設(約120㎡)において約2年間のデータ計測を行い、自然環境が有する多様な機能と、雨水を活用したビオトープ(水辺の生息空間)でのホタルの生息を確認しました。
本施設では、雨水の貯留量と施設で消費する水収支や生物生息空間としての基礎実験データ等を収集し、グリーンインフラ施設としての効果を検証しています。検証の結果、集中豪雨時に雨水の浸透を促進させるとともに、雨水を貯留して流出を抑制する効果があること、また貯留した雨水を有効活用したビオトープを創出し、暑熱緩和対策としても有効であることを確認しました。今後、都市部でのグリーンインフラ施設の設置提案や開発案件における環境保全への活用を進めてまいります。
(6)「運搬最適化シミュレーター」の開発
当社は、土砂運搬作業の最適化を支援する「運搬最適化シミュレーター」を開発しました。本システムは、当社独自のICTとして全国の現場に展開している「KenkiNavi」(GPS搭載型の建設機械ナビシステム)の稼働データと連携することで、現場や捨場付近の渋滞緩和、1日の運搬回数増加による生産性向上等に関わる最適な運搬車両の台数、間隔、運搬ルートを決定する際の支援ツールです。
2019年度は、本システムの有効性を確認するために首都圏の2現場で検証した結果、現場と捨場の到達時間が、シミュレーションと実際の時刻差で数分内に収まっていることを確認しました。今後は、様々な現場に適用し、土砂運搬作業で渋滞を回避するルートを見つけ出したり、現場や捨場付近での待機台数を低減したりするなど、スムーズな運搬作業の意思決定支援ツールとして展開していきます。
(7)「Teshub X(テシュブ エックス)」(都市河川監視システム)の適用範囲拡大
当社は、中央大学と共同で、異常気象に伴う安全・安心技術として「Teshub X」(都市河川監視システム)を開発し、適用範囲拡大を図っています。
本システムは、気象レーダーの情報から得られた降雨予測値を入力値として数時間後までの河川水位を予測するクラウドシステムです。2017年に本システムを開発し、既に、渋谷ストリームにおける渋谷川の河川監視システムに導入されています。2019年度からは、渋谷川と比較して流域が広く、かつ潮汐や高潮等の影響を受けやすい臨海部の都市河川への適用を目指して技術改良を進めています。技術改良したシステムが実用化できれば、近年増加傾向にある都市型水害の被害軽減ツールとして適用範囲が拡大できます。
(8)外装施工の生産性向上を図る「外装下地ユニット工法」を確立
当社は、大型物流倉庫等の外装に多く採用されるサンドイッチパネルの下地胴縁の施工方法において、施工効率を向上させた「外装下地ユニット工法」を確立しました(特許出願済)。
本工法は、サンドイッチパネルの下地となる胴縁を精度管理した状態で数本まとめてユニット組みした上で、その精度を維持したまま取り付けることが可能となります。2019年3月及び11月に試験施工を行い、従来の精度維持しない地組方法と比較して、生産性向上と品質確保を実現しました。
また、本工法では外装のサンドイッチパネル表面のばたつきが低減され、意匠だけでなく漏水事象等も低減されます。2020年度には本工法を大型物流倉庫の建築工事において採用予定です。
なお、子会社においては、研究開発活動は特段行われておりません。
[不動産事業等]
研究開発活動は、特段行われておりません。