当連結会計年度におけるわが国経済は、政府・日銀による各種財政政策及び金融政策を背景に企業収益や雇用環境の改善が続いており、緩やかな回復基調で推移いたしました。しかしながら、中国やその他のアジア新興国における景気減速への警戒感や原油価格の動向、さらには英国の欧州連合(EU)離脱問題等の海外要因も加わることにより、その先行きに関しては不透明感が残る状況が続いております。
建設業界におきましては、引き続き公共投資を中心として堅調に推移し、民間設備投資についても回復傾向がみられました。しかしその一方で、人件費・建設資材の高騰をはじめとする建設コストの上昇により厳しい受注・価格競争が続くなど、依然として予断を許さない経営環境にあります。
このような状況下で、当社グループ全体の売上高は12,857百万円(前年同期比8.5%増)となり、営業利益は1,733百万円(前年同期比27.7%増)、経常利益は1,780百万円(前年同期比26.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,115百万円(前年同期比35.6%増)となりました。
セグメント別の状況は、次のとおりであります。なお、売上高はセグメント間の売上高を含んでおり、セグメント利益は連結損益計算書の営業利益と調整をしております。
(切断・穿孔工事事業)
切断・穿孔工事事業につきましては、高速道路補修関連工事、橋梁補修関連工事の強化・市場拡大に努めました。その結果、切断・穿孔工事事業の完成工事高は11,432百万円(前年同期比7.6%増)、セグメント利益は2,243百万円(前年同期比16.9%増)となりました。
(ビルメンテナンス事業)
ビルメンテナンス事業につきましては、前期に引き続き首都圏を中心にデベロッパー系管理会社への市場拡大や高層マンション等新規案件受託の開拓及び業務サービスの向上に努めてまいりました。その結果、完成工事高は251百万円(前年同期比13.4%増)、セグメント損失は9百万円(前年同期は2百万円のセグメント損失)となりました。
(リユース・リサイクル事業)
リユース・リサイクル事業につきましては、引き続き新規の顧客開拓に努めてまいりました。その結果、売上高は1,174百万円(前年同期比17.2%増)、セグメント利益は34百万円(前年同期比42.7%増)となりました。
当連結会計年度末における当社グループの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動で1,354百万円の増加、投資活動で825百万円の減少、財務活動で90百万円の減少となった結果、3,628百万円となりました。主な要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動による資金の増加は1,354百万円(前年同期は977百万円の増加)となりました。主な要因としては、税金等調整前当期純利益が1,785百万円、法人税等の支払額が558百万円あったこと等によります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動による資金の減少は825百万円(前年同期は239百万円の減少)となりました。主な要因としては、有形固定資産の取得による支出が818百万円あったこと等によります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動による資金の減少は90百万円(前年同期は65百万円の減少)となりました。主な要因としては、配当金の支払による支出が45百万円、長期借入金の返済による支出が41百万円あったこと等によります。
当社グループでは、生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載しておりません。
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:千円、%)
|
セグメントの名称 |
商品仕入高 |
前年同期比 |
|
リユース・リサイクル事業 |
615,184 |
140.46 |
|
合計 |
615,184 |
140.46 |
(注) 1.金額は、仕入価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.切断・穿孔工事事業及びビルメンテナンス事業については、商品仕入高がないため記載しておりません。
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:千円、%)
|
セグメントの名称 |
受注高 |
前年同期比 |
受注残高 |
前年同期比 |
|
切断・穿孔工事事業 |
11,512,495 |
108.0 |
297,652 |
136.65 |
|
ビルメンテナンス事業 |
251,507 |
113.4 |
- |
- |
|
合計 |
11,764,003 |
108.1 |
297,652 |
136.65 |
(注) 1.金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント間取引は相殺消去しておりません。
3.リユース・リサイクル事業の一部については、受注販売活動を行っておりますが、金額的重要性が低く、また受注状況の記載が営業の状況に関する実態を表さないため、記載を省略しております。
当連結会計年度の売上実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:千円)
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (平成27年7月1日から 平成28年6月30日まで) |
|
|
金額 |
前年同期比(%) |
|
|
切断・穿孔工事事業 |
11,432,657 |
107.6 |
|
ビルメンテナンス事業 |
251,507 |
113.4 |
|
リユース・リサイクル事業 |
1,173,039 |
117.4 |
|
合計 |
12,857,204 |
108.5 |
(注) 1.金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント間取引は相殺消去しております。
3.当社グループの事業は主として請負形態を取っており、販売実績という定義は実態にそぐわないため、売上実績を記載しております。
4.前連結会計年度及び当連結会計年度ともに、売上実績に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。
今後の経営環境につきましては、景気が緩やかに上向きつつあるものの、依然として厳しい状況が続くと予想されます。当社グループでは、業績が順調に推移しておりますが、引き続き厳しい経営環境に対処すべく、各事業において以下のような取り組みを進めてまいります。
切断・穿孔工事事業につきましては、社会資本の補強・改修工事の増加にいち早く対応し、既に都市再生・環境・IT・耐震・免震・バリアフリー及び東京オリンピック、パラリンピック関連工事の大型プロジェクトにそれぞれ専門の営業担当者を配置し、設計段階より積極的な営業展開を図っております。また、工事の多くは公共事業関連のため季節変動型の受注から、民間設備投資関連工事の営業展開により平準化した受注体制の確立を図り、一連の専門技術を結集し安全と環境に配慮した工事の増加を図ってまいります。
ビルメンテナンス事業につきましては、引き続きエリアの拡大及び作業員の増員を行うことで施工体制の強化・新規顧客の獲得に努めてまいります。
リユース・リサイクル事業につきましては、引き続き顧客の開拓に努めてまいります。
上記の事業の拡充に加え、市場調査を行い営業所の開設とM&Aによる営業展開により、顧客の拡大を図ってまいります。
収益面では、施工の効率化、技術レベルのアップ及び原価管理の促進を図り、収益の向上に努めてまいります。
また、管理部門につきましては、全営業所のオンラインシステムの構築により情報集中管理の効率化・合理化を図り、総合的な経費削減に取り組んでまいります。
有価証券報告書に記載した経営成績に関する事項のうち、投資者の投資判断の上で、重要な影響を及ぼす可能性のある事項は以下のとおりであります。当社グループは、これらリスクの発生の可能性を確認した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。なお、本書中の将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)建設業界への依存について
当社グループの切断・穿孔工事事業の事業形態は、「第1 企業の概況 3 事業の内容」に記載のとおり、主として専門工事業者としての下請契約であり、主要な得意先は総合建設業者、道路建設業者及び設備業者等の民間企業であります。これらの企業は公共事業関連工事を中心に事業展開しており、当社グループの施工する工事も大半が公共事業関連工事であります。従って、公共事業の削減が当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは引き続き、ウォータージェット工法に注力し、化学工場・石油プラント・発電所等のメンテナンスや洗浄等、建設工事以外の受注の確保により、建設業界への依存度を低下させていく方針でありますが、かかる施策が奏功する保証はありません。
また、建設業界の状況は依然として厳しいものがあり、当社グループの予想を上回る得意先の倒産が発生する可能性があります。当社グループは多数の得意先と取引しているため、得意先一件当たりの売上債権は少額であり、一顧客の倒産が当社グループの損益に与える影響については僅少でありますが、建設業界の倒産件数の動向によっては当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2)経営成績の変動
(業績の季節変動について)
当社グループの業績は、売上高については上期、下期に大きな偏りはありませんが、営業利益及び経常利益ベースで見た場合では、上期への偏重が予想されます。
これは、公共工事が4月を年度始めとしているため当社グループの第4四半期の工事量が減少し、工事原価・販売費及び一般管理費の人件費等の固定費により利益率が悪化するためであります。
当社グループでは引き続き、第4四半期及び第1四半期に施工が多い化学工場、石油プラント、発電所、自動車工場等のメンテナンスや洗浄等のウォータージェット工法を積極的に営業展開することにより、建設工事以外の分野を伸ばし、このような業績の季節変動を平準化して行く方針でありますが、当面、業績は上半期に偏重する傾向にあるものと考えられます。
(3)特定の取引先で依存度の高い取引について
(仕入先について)
当社グループの原材料は、その半数近くを旭ダイヤモンド工業株式会社から仕入れており、原材料仕入高に占める同社への依存度は当連結会計年度末において48.7%であります。これは旭ダイヤモンド工業株式会社の研究開発力、安定した品質、特殊現場への対応及び納期の遵守等の理由により、結果的に同社への依存度が高まったものであります。
同社との関係は良好で、今後も安定的な取引が継続できるものと考えておりますが、たとえ同社との取引が継続できなくなったとしても、他社からの原材料の確保は可能であります。しかしながら、同社との取引が何らかの事情で継続できなくなった場合、一時的な混乱が生じ、事業の効率的な運営に悪影響が生ずる可能性があります。
(4)法的規制について
当社グループが行っている切断・穿孔工事事業は、建設業法に基づく「とび・土工工事業」、「土木工事業」に属しており、「とび・土工工事業」、「土木工事業」は建設業法による規制を受けております。5百万円以上の工事を受注するにあたっては「とび・土工工事業」又は「土木工事業」の許可が必要であり、必要に応じて許可が取得できなかった場合、また更新時に更新できなかった場合には5百万円以上の工事は受注できないこととなります。
(5)事業上のリスクについて
当社グループの切断・穿孔工事事業の施工は、主に建築現場、土木工事現場において行われます。このような作業場は、高所からの落下、重機の転倒、構造物の倒壊等、事故の危険性が高いと考えられます。また、切断・穿孔工事事業で使用する機械はコンクリート等の切断、穿孔等を行う機械であり、使用方法を誤った場合や機械が故障した場合等には人身事故につながる可能性があります。
当社グループでは作業員に対して安全パトロールを実施し、現場での不安全行為・注意事項を徹底して指導しております。また、定期的に機械等のメンテナンスを行い、機械等の使用方法について作業員を教育しております。しかしながら、このような当社グループの予防策にもかかわらず、事故等が発生する可能性を完全に排除することは困難であります。万一の事態に備え、当社グループでは損害賠償保険にも加入しておりますが、当社グループに起因する事故等が発生した場合、顧客からの信頼が失われる等により業績に悪影響を与える可能性があります。
該当事項はありません。
現在運用中の施工方法の生産性と安全性の向上のために、当社整備開発課により機械設備の改良・開発、個々の現場に対応した治具の製作を行いました。またグループ会社と連携し、外部の専門機関協力の下、新しい工法の研究を行いました。特に、建設汚泥の少量化や閉所作業、遠隔作業等、あらゆる作業環境を考慮したカッターマシンの改良、ワイヤーソーの改良、ウォータージェット工具の改良、コアマシンの改良等を行いました。
なお、当連結会計年度の切断・穿孔工事事業における研究開発費は26,470千円でありました。
当連結会計年度のビルメンテナンス事業における研究開発費はありませんでした。またリユース・リサイクル事業においても研究開発費はありませんでした。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
この連結財務諸表の作成に当たりまして、決算日における資産、負債及び損益に関して報告数値に影響を与える見積りを行っております。しかしながら、多様化する社会のニーズ、市況の変化等により見積り及び判断が実際の結果と異なる場合があります。
(2)財政状態
当連結会計年度末における当社グループの総資産は9,737百万円(前年同期比13.2%増)となりました。流動資産は、現金及び預金、未成工事支出金の増加等により6,259百万円(前年同期比9.4%増)となりました。また、固定資産は機械及び装置、土地の増加等により3,478百万円(前年同期比20.9%増)となりました。
負債は2,340百万円(前年同期比0.7%増)となりました。流動負債は、買掛金、未払法人税等の増加及び工事未払金の減少等により1,699百万円(前年同期比1.6%増)となりました。また、固定負債は、長期借入金の減少及び役員慰労退職引当金の増加等により641百万円(前年同期比1.6%減)となりました。
純資産は、利益剰余金の増加等により7,396百万円(前年同期比17.9%増)となりました。以上の結果、自己資本比率は73.2%となり、1株当たり純資産額は1,252円98銭となりました。
(3)経営成績
①売上高
売上高につきましては、12,857百万円(前年同期比8.5%増)となりました。主な要因は、切断・穿孔工事事業において、橋や水門、給水所、工場等の公共設備の維持修繕、耐震補強工事や、東京オリンピックに向けた都市開発に関連する工事が伸長した点、また、民間工事につきましても高速道路、発電所等における補修、耐震補強等工事が好調に推移したことが挙げられます。また、リユース・リサイクル事業につきましても営業強化に努めた結果、顧客が拡大し好調に推移したことが挙げられます。
なお、売上高のセグメント別の実績につきましては、切断・穿孔工事事業が11,432百万円(前年同期比7.6%増)、ビルメンテナンス事業が251百万円(前年同期比13.4%増)、リユース・リサイクル事業が1,173百万円(前年同期比17.4%増)であります。
②営業利益
売上原価につきましては、売上高の増加により8,619百万円(前年同期比7.0%増)となりました。
また、販売費及び一般管理費につきましては、2,504百万円(前年同期比2.8%増)となりました。主な内容は、従業員給料手当が1,071百万円、法定福利費が184百万円、支払手数料が203百万円等であります。
この結果、営業利益は、1,733百万円(前年同期比27.7%増)となりました。
③営業外損益及び経常利益
営業外損益は47百万円の利益(前年同期比10.6%減)となりました。主な内容は、受取家賃19百万円、受取保険金4百万円、持分法による投資利益16百万円等であります。
この結果、経常利益は1,780百万円(前年同期比26.3%増)となりました。
④特別損益及び税金等調整前当期純利益
特別損益は、4百万円の利益(前年同期は49百万円の損失)となりました。主な内容は、固定資産売却益が9百万円、固定資産除却損が3百万円等であります。
この結果、税金等調整前当期純利益は、1,785百万円(前年同期比31.2%増)となりました。
⑤親会社株主に帰属する当期純利益
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、1,115百万円(前年同期比35.6%増)となりました。また、1株当たり当期純利益は196円01銭となりました。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因について
4 事業等のリスクの項をご参照下さい。
(5)キャッシュ・フローの状況
「1 業績等の概要(2)キャッシュ・フローの状況」の項をご参照下さい。