第2【事業の状況】

 

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)経営方針・経営戦略等

当社グループは、切断・穿孔工事事業、ビルメンテナンス事業等を全世界を対象に行い、これによって最良の企業となることを基本方針としております。施工に於けるより高いレベルの品質管理、安全管理、工程管理及び研究開発により差別化と市場競争力の強化をはかり、安定した健全な企業の発展を目指しております。環境変化に伴うお客様のニーズの多様化に対応できることが社会への貢献であり株主の皆様に報いることと考えております。

法令遵守はもとより内部統制を確立し、事業の拡大と経営基盤及び財務体質の強化により、業界ナンバーワン企業としてのゆるぎない地位を堅持し、さらなる成長を推し進めてまいります。

当社グループが属している建設市場は今までの「モノづくり」から「モノ壊し+モノづくり」の両産業が融合した「モノを造りかえる」リニューアル・補強する時代へと、変化しております。「モノ壊し」に伴う騒音・粉塵・振動は社会問題化しており、それに対応した環境にやさしい「ダイヤモンド工法」及び「ウォータージェット工法」による耐震・免震の改修工事・老朽化したコンクリート構造物のリニューアル化が着実に増加しております。当社グループは数年前よりリニューアル市場への営業強化を図っており、今後も成長が見込まれる同分野の拡大を図ってまいります。具体的な経営戦略は以下のとおりです。

① 営業部門・工事部門・管理部門のマニュアルの作成とシステムの確立により内部体質の強化を図り、顧客ニーズに対応できる質の高い営業と技術力により、さらなる受注の拡大を図る。

② 当社グループで確立した各部門のマニュアルとシステムを、増設する営業所(M&A先の企業も含む)に適用し、全国展開を図る。

③ 研究開発部門、営業部門の一体化を図り、多様化するお客様のニーズに対応するため、迅速な研究開発を促進し新技術の開発、提案営業の拡大、安全性と効率性の向上と環境にやさしい施工技術の改良を図る。

(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 今後の経営環境につきましては、コロナ禍による社会活動の制約がほぼ解消されたことにより、内需は緩やかに回復するものと見込まれますが、一方で世界情勢が資源価格等の更なる上昇をもたらす可能性もあり、わが国全体の景気動向も影響を受けることが想定されます。当社グループが主力事業を展開しております建設業界におきましても、今後は建設資材やエネルギー価格の高騰により企業収益の下押しが懸念され、受注環境は厳しくなることが見込まれます。当社グループはこのような厳しい経営環境に対処すべく、グループ全体として、①人材採用・育成の強化・拡充、②営業展開の強化、③協力会社ネットワークの強化、④研究開発の強化を基本戦略とし、この基本戦略を念頭に、各事業ごとに以下の取り組みを行ってまいります。
 まず、切断・穿孔工事事業につきましては、公共、民間ともに老朽化対策が推進されるなか、市況の影響を受けにくい高速道路・鉄道などの輸送インフラ、及び長寿命化計画や修繕・改修が不可欠となる産業インフラをターゲットとした営業展開を図ることで、計画的な売上確保・案件獲得を進めてまいります。

次に、ビルメンテナンス事業につきましては、今後もエリアの拡大及び作業員の増員を行うことで施工体制の強化・新規顧客の獲得に努めてまいります。
 最後に、リユース・リサイクル事業につきましては、引き続き新規顧客の開拓及び付加サービスの拡充に努めてまいります。

全事業に共通する取り組みとして、施工の効率化、技術レベルのアップ及び原価管理の促進を図り、収益の向上に努めてまいります。

当社は、2021年8月6日付「第三者委員会設置に関するお知らせ」で公表いたしましたとおり、当社連結子会社である㈱光明工事で発覚した不正資金流用疑惑について、外部の専門家から構成される第三者委員会を設置して実態の解明に努め、2021年10月8日付で調査結果報告書を受領いたしました。調査の結果、㈱光明工事において、一部の役職員が内部書類の偽造等による旅費の過剰計上により「旅費交通費」の名目で資金を引き出し、接待等に費消していたこと、及び㈱光明工事と㈱バランスコントロール(本社:愛媛県松山市)との間において、物品の発注や外注工事の発注が行われており、その一部に利益相反取引に該当する取引や不適切な取引が含まれていたことが判明いたしました。

 

当社は、上記の調査結果報告書の提言を踏まえ、関係者の処分の実施や、以下のような再発防止策に取り組みました。今後も継続して取り組むことで、同様の事象の再発を防止するとともに、より一層強固なガバナンス及びコンプライアンス体制の構築、維持を図ってまいります 。

 

1)コンプライアンスを真ん中に置く企業文化を創る

① 第一カッターグループにおけるコンプライアンス基本理念及び行動指針を策定・公開し、グループ全体で、リベート文化等、旧態依然とした建設業界の悪しき慣習と決別する決意の下、特化した技術と高いサービスの提供で選ばれる会社になるべく、社内外にその決意を表明する。

② 上命下服的な風通しの良くない企業風土を改善し、全社員特に若い人達が自分らしさ、創意工夫を発揮できる企業風土を創るため、グループ全体で、1on1ミーティングやエンゲージメント評価など、心理的安全性を高めるあらゆる施策を講じる。

 

2)役員・従業員のガバナンス・コンプライアンスに対する意識改革のための教育

① グループ全体の役員・従業員に対して、外部講師による役職別・階層別の講義スタイルの研修のほか、役員から従業員への縦の教育、ケーススタディ、ディスカッションなど、多種多様な「自分事化する」取り組みを定期的に実施する。

② 定期以外にも、グループ全体の役員を含め、管理監督者には、役付のタイミングで、各階層にあったコンプライアンス研修を義務付け実施する。

③ 定期以外にも、グループ会社の全従業員には、コンプライアンス基本理念の浸透を図ってゆき、グループ全体の意識改革を推進する。

④ 教育効果を確認するため、グループ全体の役員・従業員に対して、コンプライアンスの理解度テストを定期的に実施する。

⑤ 幹部育成研修の一環として、ガバナンス・コンプライアンス教育を定期的に実施する。

 

3) 取締役会のあり方の見直し

a. 当社の取締役会のあり方を見直すため、
① 社外取締役を過半数とした構成とし、社外取締役による取締役会の監督機能の実効性を確保する。
② 取締役規程における付議、報告事項をコンプライアンスを重視し、見直しを行う。
③ 取締役会の下位の業務執行機関である経営会議に、管理系の執行役員を参加させ、取締役会への議

   案、報告の適法性と妥当性のチェック、社内と社外取締役の情報の非対称の解消に努める。
 

b. グループ子会社の取締役会のあり方を見直すため、

① 当社からグループ子会社への派遣取締役・監査役には、管理系の執行業務兼任者を派遣する。

② グループ子会社取締役会の議案、報告の適法性と妥当性の監督機能向上を図る。

 

4) コンプライアンス体制の強化

  ① 業務執行部門の支援に加え、牽制機能としての経理・財務・法務等の管理部門の充実化
② 内部監査室の体制及び権限強化
③ 内部監査室から代表取締役のみならず社外取締役や監査役会へのダブルレポートラインの実施。

④ コンプライアンス委員会の実効性向上の為に、従来の部署長・グループ子会社社長の参加メンバーに加

  え、監査役、法務部、内部監査室が参加するよう、メンバーの見直しを行う。

⑤ コンプライアンス委員会から取締役会、監査役会へのレポートラインの見直しを行う。

 

 

5) グループ全体のガバナンスシステムの構築

① 外部コンサルタント起用による、当社の内部監査規程・要綱の見直しを行う。

② 外部コンサルタント起用による、グループ子会社の現行業務フロー評価および管理規程のチェックと見直しを行う。

③ グループ子会社マネジメントに関するグループ全体のプラットホームを整備する。
 1. グループ会社統括業務を管理本部長が行う。
 2. 親会社内部監査室による適法性の監査の充実。
 3. 親会社からの派遣取締役・監査役による適法性と妥当性の監督の充実。
 4. 親会社監査役、内部監査室、派遣取締役、派遣監査役による最新の監査状況の共有や教育に

    関して情報交換会を実施し、グループ全体で、重層的に、不正の見落としの防止を行う体制を整備す

    る。

     5. グループ全体の監査・監督に係る役職員の力量を担保するため、ガバナンス・コンプライアンスに関

          する最新情報の入手の為の講習会等受講の統制を、管理本部長が行う。

 

6) 内部通報制度の充実化

① 内部通報制度を社内、社外の2系統とし、社外の通報窓口(法律事務所等)を新設する。

② 内部通報窓口を現在の目安箱制度と統合して従業員の利用しやすさを改善する。また、グループ全体へ、

  定期的に、制度の周知徹底を行う。

③ 従業員の利便性改善、確かなフィードバック、確実に通報を管理できるよう、管理本部において調査体制

  を改善する。

④ 役員の法令等違反に関する専用通報窓口を創設する。

⑤ 通報者保護の為、グループ全体へ、定期的に、公益通報者保護制度の周知徹底を行う。

 

7) グループ全体の内部監査、監査役監査、監査人による会計監査の連携強化及び実効性確保への再発防止策

① 内部監査室は執行だけでなく監査役にも報告を行うダブルレポートラインを実施する。

② 親会社の内部監査室は、グループ会社の派遣取締役や派遣監査役とも連携して監査計画を策定する。

③ 会計監査人・監査役・内部監査室長は、メーリングリスト等を利用して、最新の監査状況の情報が共有で

  きるよう連携する。

 

8) コンプライアンス重視の人事

① 人事考課にあたっては、法令遵守の意識、社内規程の習熟度や理解度テスト結果等を重要な評価項目とする。

② 役員の選定においては、候補者のコンプライアンス意識を確認する場として、指名・報酬諮問委員会がインタビューし、取締役会が最終的に判断できるシステムを構築する。

 

9) 社内コミュニケーションの改善

① 情報統制は必要最低限として、可能な限りの情報公開と新しい情報共有の手段を実現していく。

② チームビルディングによって、対話・よく聞く文化・心理的安全性(議論できる)を高めていくために、ワークショップの手法をグループ全体に展開していく。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)ガバナンス

当社はグループ横断的にサステナビリティの課題に対応するため、代表取締役社長を委員長とするサステナビリティ委員会を設置しております。サステナビリティ委員会を中心に、リスク管理委員会とも連携しながら、サステナビリティの課題解決に向けた取り組みを一層強化してまいります。

サステナビリティ委員会では、サステナビリティに関する基本方針の策定や重要な社会課題の解決に向けた目標の設定及び、目標に対する進捗管理や評価、個別施策の審議などを行い、定期的に取締役会及び経営会議に報告・提言を行います。当社グループのサステナビリティ推進のための方針を策定し、グループ内の連携・調整を行います。

 

(2)戦略

当社グループは気候変動を含む環境問題を取り組むべき重要な経営課題であると認識しており、温室効果ガス(CO2)排出量の少ない施工方法の模索、電動車の導入及び太陽光発電設備の設置を検討するなど環境への負荷を考慮した取り組みを推進いたします。

人的資本については、優秀なインフラエンジニアを育成・輩出すべく、人材採用及び育成の強化、ワークライフバランスの推進を進めてまいります。具体的には、以下の施策に取り組んでおります。

(ブランド価値向上)

創業以来、下請専門企業として、表に出ることの少ない目立たない存在として活動してきましたが、将来的な老朽化構造物の改修需要増と、人口減による職人不足という需給ギャップが拡大していく業界において、社会インフラを支える重要なプレイヤーである自分たちの魅力を発信し、目立つ存在になる必要がある、という考えのもと、ブランディング戦略を推進しています。
当社では、職人の働く姿は「カッコいい」と表現できると考えており、そのカッコ良さを社内外に発信する取り組みを進めています。

2022年3月にはサムライをモチーフにした採用専用サイトをリニューアルしたほか、2023年4月には建設現場で働く職人のリアルを伝えるオウンドメディア「DIC ストーリーズ」をHP上で公開しています。

(安全・技術研修)

現場ごと異なった条件下で施工を行うため、職人には様々な施工技術に加え、広い周辺知識や高いコミュニケーション能力など、求められるスキルは多岐にわたります。

これに対応するため、当社では安全・施工技術・資格取得・周辺知識の習得・人間性の高揚といった様々なカテゴリーに分けた研修を、集合形式で行っています。

職人を現場から外して教育機会を与えることは、短期的には生産性の低下に繋がることから、同業他社などでは、いわゆるOJT と称した「見て覚える」教育が一般的ですが、高いスキルを備えた職人集団を形成することが結果的には持続的な成果向上に繋がるとの長期的な視野から、このような研修形式をとっております。

「技術力向上→資格取得→技術領域拡張→人間力向上→教育指導人材への成長」という人材育成ロードマップに基づいた教育制度は、業界内での差別化・優位性を確保するとともに技術者集団の層の厚みを形成し、更なる競争優位性の強化と成長へと繋がるものと考えています。

(安心して働ける職場環境)

建設業界においては、労働時間の上限が特例によって緩和されていますが、2024 年に向けて労働時間の抑制が求められています。

当社では、業界の段階的な規制強化に先んじて、自社基準での労働時間抑制に取り組んでいます。特に注力してきた残業時間抑制に関しては、「1年840 時間以内(月平均70時間)」、
「複数月平均4‐6か月それぞれ平均80時間以内(休日労働含む)」という2023 年までの目標を前倒しで達成しました。

2024 年までに原則「月残業時間 45 時間未満(休日労働含む)」という目標の達成を目指し、全社的な大型プロジェクトとして「ワークライフバランスプロジェクト」を推進しています。残業時間抑制に加え、有給休暇制度の柔軟化、完全週休二日制の採用、定期的なベースアップの実施(2023年4月に実施)、退職金制度の拡充など、全方向からの労働条件の改善を進め、魅力ある職場づくりを進めています。

 

(3)リスク管理

当社グループにおいて、全社的なリスク管理は、リスク管理委員会において行っておりますが、サステナビリティに係るリスクの識別、優先的に対応すべきリスクの絞り込みについて、サステナビリティ委員会の中でより詳細な検討を行い、共有しております。

優先的に対応すべきリスクの絞り込みについては、当社グループに与える財務的影響、当社グループの活動が環境・社会に与える影響、発生可能性を踏まえ行われます。

重要なリスクは、経営会議の協議を経て戦略、計画に反映され、取締役会へ報告、監督されます。

サステナビリティに関するリスクへの対応状況は、サステナビリティ委員会においてモニタリングされ、その内容は取締役会及び経営会議へ報告されます。

サステナビリティ関連の機会の識別、評価や優先順位付けは、サステナビリティ委員会において行われ、重要と認識された機会については、経営会議の協議を経て戦略、計画に反映され、取締役会へ報告、監督されます。

(4)指標及び目標

人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標

人的資本・多様性確保の方針といたしましては、当社は中核人材の登用等における多様性を確保するように努めております。その結果、女性役員の選任及び女性管理職の登用、中途採用者の管理職登用の実績があります。人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標につきまして測定可能な目標は示しておりません。今後中長期的な人材育成方針において測定可能な目標の設定の検討を進めてまいります。

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した経営成績に関する事項のうち、投資者の投資判断の上で、重要な影響を及ぼす可能性のある事項は以下のとおりであります。当社グループは、これらリスクの発生の可能性を確認した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。なお、文中の将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)建設業界への依存について

当社グループの切断・穿孔工事事業の事業形態は、「第1 企業の概況 3 事業の内容」に記載のとおり、主として専門工事業者としての下請契約であり、主要な得意先は総合建設業者、道路建設業者及び設備業者等の民間企業であります。これらの企業は公共事業関連工事を中心に事業展開しており、当社グループの施工する工事も大半が公共事業関連工事であります。従って、公共事業の削減が当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは引き続き、ウォータージェット工法に注力し、化学工場・石油プラント・発電所等のメンテナンスや洗浄等、建設工事以外の受注の確保により、建設業界への依存度を低下させていく方針でありますが、かかる施策が奏功する保証はありません。

また、建設業界の状況は依然として厳しいものがあり、当社グループの予想を上回る得意先の倒産が発生する可能性があります。当社グループは多数の得意先と取引しているため、得意先一件当たりの売上債権は少額であり、一顧客の倒産が当社グループの損益に与える影響については僅少でありますが、建設業界の倒産件数の動向によっては当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(2)経営成績の変動

(業績の季節変動について)

当社グループの事業は公共事業関連工事が多いため、特に第3四半期(1月~3月)に売上及び利益が増加する一方で、第4四半期(4月~6月)に落ち込む傾向にあります。

これは、公共工事が4月を年度始めとしていることなどに伴って当社グループの第4四半期(4月~6月)の工事量が減少し、工事原価・販売費及び一般管理費等の固定費に伴い利益率が悪化することによるものです。

当社グループでは、第4四半期(4月~6月)に施工が多い化学工場、石油プラント、発電所、自動車工場等のメンテナンスや洗浄等のウォータージェット工法を積極的に営業展開し、建設工事以外の分野を伸ばすことで、四半期毎の業績の平準化に取り組む方針であります。

 

(3)特定の取引先で依存度の高い取引について

(仕入先について)

当社グループの原材料は、その半数近くを旭ダイヤモンド工業株式会社から仕入れており、原材料仕入高に占める同社への依存度は当連結会計年度末において41.3%であります。これは旭ダイヤモンド工業株式会社の研究開発力、安定した品質、特殊現場への対応及び納期の遵守等の理由により、結果的に同社への依存度が高まったものであります。

同社との関係は良好で、今後も安定的な取引が継続できるものと考えておりますが、たとえ同社との取引が継続できなくなったとしても、他社からの原材料の確保は可能であります。しかしながら、同社との取引が何らかの事情で継続できなくなった場合、一時的な混乱が生じ、事業の効率的な運営に悪影響が生ずる可能性があります。

(4)法的規制について

当社グループが行っている切断・穿孔工事事業は、建設業法に基づく「とび・土工工事業」、「土木工事業」に属しており、「とび・土工工事業」、「土木工事業」は建設業法による規制を受けております。5百万円以上の工事を受注するにあたっては「とび・土工工事業」又は「土木工事業」の許可が必要であり、必要に応じて許可が取得できなかった場合、また更新時に更新できなかった場合には5百万円以上の工事は受注できないこととなります。

(許認可の状況)

許認可等の名称

会社名

許認可番号/有効期間

規制法令

法令違反の要件及び主な許認可取消事由

一般建設業(許可)

とび・土工工事業

第一カッター興業㈱

(般-2)第5475号

 

2020年11月5日から2025年11月4日まで
以後5年ごとに更新

建設業法

不正な手段による許可の取得や役員等の欠格条項違反等に該当した場合は許可の取消(建設業法第29条)

 

不正入札等不誠実な行為があった場合は業務停止等の処分(同法第28条)

㈱ウォールカッティング工業

(般-2)第26082号

 

2020年10月14日から2025年10月13日まで
以後5年ごとに更新

㈱光明工事

(般-29)第22134号

 

2022年4月24日から2027年4月23日まで
以後5年ごとに更新

㈱新伸興業

(般-2)第11846号

 

2020年10月21日から2025年10月20日まで
以後5年ごとに更新

㈱アシレ

(般-28)第24360号

 

2022年2月21日から2027年2月20日まで
以後5年ごとに更新

㈱ユニペック

(般-29)第109529号

 

2021年12月20日から2026年12月19日まで
以後5年ごとに更新

特定建設業(許可)

土木工事業

第一カッター興業㈱

(特-2)第5475号

 

2020年11月5日から2025年11月4日まで
以後5年ごとに更新

 

 

(5)事業上のリスクについて

当社グループの切断・穿孔工事事業の施工は、主に建築現場、土木工事現場において行われます。このような作業場は、高所からの落下、重機の転倒、構造物の倒壊等、事故の危険性が高いと考えられます。また、切断・穿孔工事事業で使用する機械はコンクリート等の切断、穿孔等を行う機械であり、使用方法を誤った場合や機械が故障した場合等には人身事故につながる可能性があります。

当社グループでは作業員に対して安全パトロールを実施し、現場での不安全行為・注意事項を徹底して指導しております。また、定期的に機械等のメンテナンスを行い、機械等の使用方法について作業員を教育しております。しかしながら、このような当社グループの予防策にもかかわらず、事故等が発生する可能性を完全に排除することは困難であります。万一の事態に備え、当社グループでは損害賠償保険にも加入しておりますが、当社グループに起因する事故等が発生した場合、顧客からの信頼が失われる等により業績に悪影響を与える可能性があります。

(6)協力業者について

建設工事は季節的な繁忙、閑散の差が大きいものであります。閑散期に損益が悪化するのを避けるため、当社グループでは協力業者(外注先)を積極的に活用し、効率的な事業運営を行うようにしており、事業運営における協力業者への依存度が高くなっております。

建設業界内には代替業者は多数存在しており、協力業者の確保に困難を生じている事実はありませんが、建設業界において慢性的な人材不足が懸念されるなかで、今後、必要に応じた外注業者の確保が出来なかった場合、機会損失が発生することにより、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、定期的に協力業者を集めての技術指導等、協力業者の施工レベルの維持、向上を図っておりますが、かかる当社グループの施策にもかかわらず、施工ミスや事故等が発生し、業績に悪影響を与える可能性については否定できません。

(7)人材の確保及び育成について

建設業界において慢性的な人材不足が懸念されるなか、当社グループを継続的に成長させるためには、技術者の確保や教育、技術の伝承は非常に重要な要素となっております。

当社グループは、積極的な採用活動を行うことにより、技術者を含め優秀な人材の確保に努めるとともに、社内研修制度の充実を図り、人材の育成に注力してまいります。しかしながら、人材の確保及び育成が計画どおりに行えなかった場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(経営成績等の状況の概要)

(1)経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症が5類へ移行されたことに伴い、経済活動の正常化が一層進み、景気は持ち直しつつあります。しかし、ウクライナ情勢に端を発した資源価格及び穀物価格の高騰や各国の金融引き締め政策等が国内経済に及ぼす影響に対しては、引き続き注視が必要になるものと思われます。国内建設市場におきましては、国土強靭化計画等を背景とする公共投資は底堅く推移し、民間設備投資にも持ち直しの動きがみられる一方で、建設資材の価格高騰等による企業収益の悪化が懸念されており、先行き不透明な状況が続いております。

このような状況下で、当社グループは、全事業セグメントにおいて積極的な事業活動を展開してまいりました。その結果、特に当社グループの主要事業である切断・穿孔工事事業において完成工事高が増加したため、当連結会計年度の当社グループ全体の売上高は22,164百万円前年同期比5.8%増)となりました。また、完成工事高の増加に伴い、営業利益は2,631百万円前年同期比5.2%増)、経常利益は2,865百万円前年同期比5.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,946百万円前年同期比23.2%増)となりました。

 

セグメント別の状況は、次のとおりであります。

(切断・穿孔工事事業)

主に高速リニューアル工事の受注が増加したため、完成工事高は19,552百万円前年同期比6.9%増)となりました。また、完成工事高の増加に伴い、セグメント利益は3,469百万円前年同期比8.7%増)となりました。

 (ビルメンテナンス事業)

ビルメンテナンス事業につきましては、首都圏を中心に大手デベロッパーの新規案件開拓に努めてまいりました。その結果、完成工事高は475百万円前年同期比1.3%増)となりました。一方、外注加工費の増加等により、セグメント利益は42百万円前年同期比26.0%減)となりました。

 (リユース・リサイクル事業)

リユース・リサイクル事業につきましては、中古スマートフォン等の販売に係る新規の顧客開拓に努めてまいりましたが、商品売上高は2,135百万円前年同期比2.2%減)となりました。一方、利益率の高い商品が売上の中心を占めたことにより、セグメント利益は181百万円前年同期比34.9%増)となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における当社グループの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動で2,740百万円の増加、投資活動で561百万円の減少、財務活動で506百万円の減少となった結果、9,422百万円となりました。

 

各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の営業活動による資金の増加は2,740百万円前年同期は2,239百万円の増加)となりました。主に、売上債権の増加が451百万円、法人税等の支払額が733百万円あったものの、税金等調整前当期純利益が2,996百万円、減価償却費が644百万円あったこと等によります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の投資活動による資金の減少は561百万円前年同期は847百万円の減少)となりました。主に、有形固定資産の売却による収入が119百万円あったものの、有形固定資産の取得による支出が807百万円あったこと等によります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の財務活動による資金の減少は506百万円前年同期は289百万円の減少)となりました。主に、長期借入による収入が200百万円あったものの、配当金の支払による支出が321百万円、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出が300百万円あったこと等によります。

 

 

(生産、受注及び販売の状況)

(1)生産実績

当社グループでは、生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載しておりません。

 

(2)商品仕入実績

当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

商品仕入高(千円)

前年同期比(%)

リユース・リサイクル事業

1,083,972

95.5

合計

1,083,972

95.5

 

(注) 1.上記の金額は、仕入価格によっております。

2.切断・穿孔工事事業及びビルメンテナンス事業については、商品仕入高がないため記載しておりません。

 

(3)受注実績

  当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

切断・穿孔工事事業

19,770,316

107.6

584,467

159.4

ビルメンテナンス事業

475,990

101.3

合計

20,246,307

107.5

584,467

159.4

 

(注)リユース・リサイクル事業の一部については、受注販売活動を行っておりますが、金額的重要性が低く、また受注状況の記載が営業の状況に関する実態を表さないため、記載を省略しております。

 

(4)売上実績

  当連結会計年度の売上実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(2022年7月1日から

2023年6月30日まで)

金額(千円)

前年同期比(%)

切断・穿孔工事事業

19,552,494

106.9

ビルメンテナンス事業

475,990

101.3

リユース・リサイクル事業

2,135,909

97.8

合計

22,164,394

105.8

 

(注)1.当社グループの事業は主として請負形態を取っており、販売実績という定義は実態にそぐわないため、売上実績を記載しております。

2.前連結会計年度及び当連結会計年度ともに、売上実績に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。

 

 

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

この連結財務諸表の作成にあたりまして、連結決算日における資産、負債及び損益に関して報告数値に影響を与える見積りを行っております。しかしながら、多様化する社会のニーズ、市況の変化等により見積り及び判断が実際の結果と異なる場合があります。

 

(2)財政状態

当連結会計年度末の総資産は、現金及び預金が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ2,157百万円増加し、21,565百万円となりました。

負債につきましては、未払法人税等及び長期借入金が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ777百万円増加し、4,332百万円となりました。

また、純資産は前連結会計年度末に比べ1,379百万円増加し、17,233百万円となりました。この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は77.1%となりました。

 

(3)経営成績

①売上高

売上高につきましては、22,164百万円(前年同期比5.8%増)となりました。主な要因としては、高速リニューアル工事の受注が増加したためであります。

なお、売上高のセグメント別の実績につきましては、切断・穿孔工事事業が19,552百万円前年同期比6.9%増)、ビルメンテナンス事業が475百万円前年同期比1.3%増)、リユース・リサイクル事業が2,135百万円前年同期比2.2%減)であります。

②営業利益

売上原価につきましては、主に切断・穿孔工事事業に関して完成工事高の増加に伴って外注費も増加したため、15,113百万円前年同期比5.8%増)となりました。

また、販売費及び一般管理費につきましては、4,419百万円前年同期比6.2%増)となりました。主な内容は、従業員給料手当が1,719百万円、支払手数料が364百万円等であります。

この結果、営業利益は、2,631百万円前年同期比5.2%増)となりました。

③営業外損益及び経常利益

営業外損益は234百万円の利益(前年同期比15.8%増)となりました。主な内容は、持分法による投資利益77百万円、匿名組合投資利益111百万円等であります。

この結果、経常利益は2,865百万円前年同期比5.9%増)となりました。

④特別損益及び税金等調整前当期純利益

特別損益は、131百万円の利益(前年同期は126百万円の損失)となりました。主な内容は、受取損害賠償金70百万円等であります。

この結果、税金等調整前当期純利益は、2,996百万円前年同期比16.2%増)となりました。

⑤親会社株主に帰属する当期純利益

以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、1,946百万円前年同期比23.2%増)となりました。また、1株当たり当期純利益は171円97銭となりました。

 

(4)経営成績に重要な影響を与える要因について

「3 事業等のリスク」の項をご参照下さい。

 

(5)キャッシュ・フローの状況

「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の状況の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」の項をご参照下さい。

 

(6)資本の財源及び資金の流動性について

当社グループは、運転資金や設備投資に必要となる資金を、主に自己資金により調達することを基本方針としております。また、将来の経営環境への対応や業務拡大に備えるため、必要な資金を内部留保しております。

当社グループの資金需要のうち主なものは、切断・穿孔工事事業に必要な運転資金であり、材料の購入費、従業員への人件費及び協力業者への外注費の支払いに係るものです。

 

5 【経営上の重要な契約等】

(連結子会社の吸収合併)  

当社は、2023年5月15日開催の取締役会において、当社連結子会社である株式会社光明工事(以下、「光明工事」)を吸収合併することを決議し、同日付で吸収合併契約を締結し、2023年7月1日付で光明工事を合併いたしました。

詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。

 

(子会社株式の譲渡)

当社は、2023年9月25日の取締役会で、連結子会社(特定子会社)である株式会社ムーバブルトレードネットワークスの株式の一部を譲渡することを決議し、株式譲渡契約書を締結いたしました。 

詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。

 

 

6 【研究開発活動】

 (切断・穿孔工事事業)

現在運用中の施工方法の生産性と安全性の向上のために、当社整備開発課により機械設備の改良・開発、個々の現場に対応した治具の製作を行いました。またグループ会社と連携し、外部の専門機関協力の下、新しい工法の研究を行いました。特に、建設汚泥の少量化や閉所作業、遠隔作業等、あらゆる作業環境を考慮したカッターマシンの改良、ワイヤーソーの改良、ウォータージェット工具の改良、コアマシンの改良等を行いました。

なお、当連結会計年度の切断・穿孔工事事業における研究開発費は79,475千円でありました。

 (ビルメンテナンス事業及びリユース・リサイクル事業) 

当連結会計年度のビルメンテナンス事業及びリユース・リサイクル事業における研究開発費はありませんでした。