第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてコムシスグループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針・経営戦略等

コムシスグループは創立以来、社会・経済活動を根底から支え、次世代へと発展させていく様々なインフラ建設に取り組んでまいりました。
 具体的には、時代のニーズに合わせて、パートナーともビジネス連携を図り、情報通信インフラ建設をはじめ都市環境整備やICT関連工事、太陽光発電等の再生エネルギー事業に至るまで積極的な事業拡大を続けてきております。
 今後の市場環境は大きく変わってまいりますが、当社グループは、中長期的な展望に立ち、生産性の向上やコスト競争力の強化によって、厳しい競争環境に打ち勝つ「構造改革」の取り組みを継続していく考えであります。その上で、社会の基盤となる重要な公共インフラを先進の技術で構築し、経済の成長や生活の豊かさの実現のみならず、防災事業などによる安心・安全で持続可能な社会づくりに貢献してまいります。

 

(2) 目標とする経営指標

コムシスグループは、2014年度に10年後におけるビジネス環境を見据えた経営と各事業の目指すべき指標を策定しておりましたが、当連結事業会計年度に早期達成したことから、2023年度を最終年度とする新たな中期目標として「コムシスビジョン NEXT STAGE 2023」を策定いたしました。

 ① 売上高6,000億円以上

 ② 営業利益500億円以上

 ③ 総還元性向70%目安を継続

上記指標の達成に向け、これまで培ってきた通信系インフラ建設に加え、社会生活を支える多様なインフラ建設等により、これまで以上の社会貢献と企業価値の向上を目指します。

 

(3) 経営環境及び対処すべき課題

コムシスグループを取り巻く環境は、情報通信分野におきましては、スマートフォンやタブレット端末の多様化・高機能化に向けた技術革新や大容量トラフィックに対応するため移動通信システムの高度化が進められているなど、サービス内容やマーケット状況の変化に伴う需要喚起はあるものの、通信事業者の投資構造につきましては、インフラ整備からコンテンツ等のサービスへ転換したことによる設備投資の減少が見込まれるなど、厳しい経営環境が想定されます。

一方、公共・民間分野におきましては、ICTを活用したIoT、AI(人工知能)や国土強靭化施策、再生可能エネルギー事業、東京オリンピック・パラリンピック開催に向けた社会インフラ投資の増加が期待されております。

このような状況のもと、コムシスグループといたしましては、成長戦略である「コムシスビジョン2020」の実現に向けて、構造改革への取り組みや民需系事業の拡大及びM&A等のトップライン拡大に努めた結果、当連結会計年度に早期実現したことから、今後は、次なるステージに向けて2023年度を最終年度とする「コムシスビジョン NEXT STAGE 2023」を新たに策定し推進を図ってまいります。

具体的には以下を主要施策として取り組んでまいります。

 

<主要施策>

① 事業カンパニー制の推進

② ワークスタイルイノベーションの推進

③ 新たな再生可能エネルギー事業の推進

④ M&A戦略の推進 

⑤ グループ要員流動の活性化

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてコムシスグループが判断したものであります。

 

(1) 特定取引先への依存に伴うリスク

コムシスグループの主たる事業はNTTグループ各社を主要取引先とした電気通信設備工事事業でありますが、その依存度が50%程度あるため、NTTグループ各社の設備投資の規模や構造等の動向により、コムシスグループの業績に影響を及ぼすリスクを有しております。

 

(2) 安全品質に関するリスク

コムシスグループは「安全・品質と信頼の確保」を最優先に、人身事故はもとより設備事故を含めた「事故の撲滅」を目標に、協力会社を含めた社員研修等の実施により、工事の安全品質管理の徹底に取り組んでおります。しかしながら、万が一、事故を発生させた場合、各取引先からの信頼を失うとともに、一定期間指名停止等による受注機会の喪失や瑕疵担保責任及び製造物責任の履行等により、グループの業績に影響を及ぼすリスクを有しております。

また、コムシスグループは、個人情報を含む取引先から委託された情報等の管理については、統括事業会社のISO/IEC27001(情報セキュリティマネジメントシステム)やプライバシーマークの認証取得の実績を活かし、グループ全体として情報セキュリティ管理に万全を期しております。しかしながら、万が一、預かった情報の処理・保管等の再委託先による情報流出や外部からの不正アクセス等の犯罪行為による情報漏洩が発生した場合、各取引先に対する信頼を失うとともに、管理責任を問われる損害賠償責任の履行等により、グループの業績に影響を及ぼすリスクを有しております。

 

(3) 業績の季節変動に伴うリスク

コムシスグループの主たる事業である電気通信設備工事事業においては、受注及び売上の計上が第4四半期に偏重する傾向があるため、連結会計期間の上半期と下半期のグループ業績に著しい相違が生じるリスクを有しております。

 

(4) 保有資産に関するリスク

コムシスグループは、事業運営上の必要性から、不動産や有価証券等の資産や年金資産を保有しておりますが、時価の変動等により、グループの業績に影響を及ぼすリスクを有しております。

 

(5) 取引先の信用リスク

コムシスグループは、取引先に関して外部調査機関等の利用によるリアルタイムな与信管理を厳格に行うとともに、法務部門による契約書審査を行うなど、信用リスク回避に向けて万全の体制を構築しております。しかしながら、万が一、取引先の信用不安が発生した場合、当該取引先が顧客であれば工事代金の回収不能の発生、または、外注先であれば工事の施工遅延等により、グループの業績に影響を及ぼすリスクを有しております。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度におけるコムシスグループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

   

① 財政状態及び経営成績の状況
<コムシスグループの業績>

当連結会計年度におけるわが国経済は、政府や日銀による各種政策のもと、企業収益や雇用環境の改善などを背景に、緩やかな回復が続くことが期待されております。ただし、米中間の貿易摩擦の拡大や海外経済の不確実性、金融資本市場の変動の影響等に留意する必要があります。

コムシスグループを取り巻く情報通信分野におきましては、通信事業者間のサービス競争が激化する中、コンテンツ等の付加価値サービスが拡大しており、急増する大容量のトラフィックに対応するためモバイルネットワークの高度化が進められています。また、公共・民間分野におきましては、激甚化する自然災害に備えた防災・減災対策等の国土強靭化施策、再生可能エネルギー政策、東京オリンピック・パラリンピック開催等による社会インフラ投資や、クラウド技術、IoT、AI(人工知能)など新たなイノベーションを活用したICT投資の拡大が期待されております。

コムシスグループといたしましては、太陽光発電設備工事やバイオマス発電設備工事をはじめとした再生可能エネルギー事業や、スマート社会に向けた公共投資・ICT投資の増加に対応した新たな事業領域へのチャレンジ及び通信建設業界の同業3社(NDS株式会社、株式会社SYSKEN、北陸電話工事株式会社)との経営統合を行う等トップラインの拡大に取り組んでまいりました。

また、統合シナジーの早期創出を目指すとともに、成長事業分野への要員流動や、働き方改革の推進により施工効率の向上及び経費削減等の利益改善にも努めてまいりました。なお、経営統合に伴う負ののれん発生益を特別利益に計上しております。

この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

イ 財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、4,399億2千万円(前期比35.3%増)となりました。

当連結会計年度末の負債合計は、1,384億6千万円(前期比48.5%増)となりました。

当連結会計年度末の純資産合計は、3,014億5千万円(前期比30.1%増)となりました。

 

ロ 経営成績

当連結会計年度の経営成績は、受注高5,055億5千万円(前期比25.7%増)、売上高4,817億8千万円(前期比26.8%増)となりました。

また、損益については、経常利益360億7千万円(前期比17.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益280億1千万円(前期比37.4%増)となりました。

 

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

 

 グループ別の受注高・売上高・セグメント利益[営業利益]                    (単位:百万円)

セグメントの名称

受注高

売上高

セグメント利益
[営業利益]

金 額

増減率

金 額

増減率

金 額

増減率

日本コムシスグループ

270,033

2.8%

272,780

11.2%

21,384

3.7%

サンワコムシスエンジニアリンググループ

58,081

△0.1%

55,605

4.8%

4,929

17.3%

TOSYSグループ

23,386

4.9%

23,839

2.8%

1,425

2.6%

つうけんグループ

49,269

2.1%

50,133

4.7%

3,168

13.1%

NDSグループ

58,677

43,536

2,028

SYSKENグループ

25,444

16,723

604

北陸電話工事グループ

8,493

7,076

424

コムシス情報システムグループ

10,581

14.3%

10,497

17.0%

1,272

35.2%

 

(注) 1 「受注高」及び「売上高」は外部顧客への取引高を記載しております。なお、「セグメント利益」は当社及びセグメント間取引により生じた利益を含んでおります。

2 2018年10月1日付で、NDS株式会社、株式会社SYSKEN、北陸電話工事株式会社の3社を株式交換により当社の完全子会社としております。この結果、セグメント情報において、第3四半期連結会計期間より同3社及び同3社の子会社を「NDSグループ」「SYSKENグループ」「北陸電話工事グループ」とし、報告セグメントに加えております。なお、同3社グループは前期実績との比較は行っておりません。

 

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ11億7千万円減少し、277億7千万円(前期比4.1%減)となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。

 

<営業活動によるキャッシュ・フロー>

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益396億円、減価償却費74億4千万円などの増加要因に対し、売上債権の増減226億円、法人税等の支払額147億9千万円などの減少要因を差し引いた結果、89億6千万円の収入(前連結会計年度は288億3千万円の収入)となりました。

 

<投資活動によるキャッシュ・フロー>

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出94億6千万円、投資有価証券の取得による支出16億円などにより、115億5千万円の支出(前連結会計年度は138億9千万円の支出)となりました。

 

<財務活動によるキャッシュ・フロー>

財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得による支出80億2千万円、配当金の支払額62億6千万円などにより、153億8千万円の支出(前連結会計年度は124億9千万円の支出)となりました。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

コムシスグループが営んでいる事業の大部分を占める電気通信設備工事事業では生産実績を定義することが困難であり、また請負形態をとっているため販売実績という定義は実態にそぐいません。

よって「生産、受注及び販売の状況」については、当社の連結での受注、売上及び手持高の状況をセグメント別に記載しております。

 

イ 受注実績

セグメントの名称

前連結会計年度

 (自  2017年4月1日

  至  2018年3月31日)

(百万円)

当連結会計年度

 (自  2018年4月1日

  至  2019年3月31日)

(百万円)

増減率
(%)

日本コムシスグループ

262,661

270,033

2.8

サンワコムシスエンジニアリンググループ

58,150

58,081

△0.1

TOSYSグループ

22,300

23,386

4.9

つうけんグループ

48,263

49,269

2.1

NDSグループ

58,677

SYSKENグループ

25,444

北陸電話工事グループ

8,493

コムシス情報システムグループ

9,258

10,581

14.3

その他

1,593

1,589

△0.2

合    計

402,229

505,558

25.7

 

(注) 1  受注実績は外部顧客への取引高を記載しております。

2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

ロ 売上実績

セグメントの名称

前連結会計年度

 (自  2017年4月1日

   至  2018年3月31日)

(百万円)

当連結会計年度

 (自 2018年4月1日

   至 2019年3月31日)

(百万円)

増減率
(%)

日本コムシスグループ

245,302

272,780

11.2

サンワコムシスエンジニアリンググループ

53,084

55,605

4.8

TOSYSグループ

23,195

23,839

2.8

つうけんグループ

47,873

50,133

4.7

NDSグループ

43,536

SYSKENグループ

16,723

北陸電話工事グループ

7,076

コムシス情報システムグループ

8,976

10,497

17.0

その他

1,593

1,589

△0.2

合    計

380,024

481,783

26.8

 

(注) 1  売上実績は外部顧客への取引高を記載しております。

2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

3  主な相手先別の売上及びその割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

 (自  2017年4月1日

   至  2018年3月31日)

当連結会計年度

 (自  2018年4月1日

  至  2019年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

NTTグループ

185,937

48.9

226,880

47.1

 

(注) 1  NTTグループは、東日本電信電話株式会社、西日本電信電話株式会社、エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社、株式会社NTTドコモ等であります。

2  上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

ハ 手持高

セグメントの名称

前連結会計年度

 (自  2017年4月1日 

  至  2018年3月31日)

(百万円)

当連結会計年度

 (自  2018年4月1日

  至  2019年3月31日)

(百万円)

増減率
(%)

日本コムシスグループ

126,879

124,133

△2.2

サンワコムシスエンジニアリンググループ

18,003

20,479

13.8

TOSYSグループ

5,700

5,247

△7.9

つうけんグループ

7,200

6,336

△12.0

NDSグループ

14,912

SYSKENグループ

8,720

北陸電話工事グループ

1,415

コムシス情報システムグループ

1,777

1,861

4.7

その他

合    計

159,561

183,105

14.8

 

(注) 1  手持高は外部顧客への取引高を記載しております。

2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてコムシスグループが判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

コムシスグループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積り及び判断は合理的な基準に基づき実施しておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらの見積りとは異なる場合があります。なお、詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ 経営成績等

a. 財政状態

(資産の部)

当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ647億6千万円増加し、2,470億1千万円となりました。これは受取手形・完成工事未収入金等が473億5千万円増加したことなどによるものであります。固定資産は、前連結会計年度末に比べ501億1千万円増加し、1,929億1千万円となりました。これは有形固定資産が329億9千万円、投資その他の資産が175億7千万円増加したことなどによるものであります。

この結果、資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,148億8千万円増加し、4,399億2千万円となりました。

(負債の部)

当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ332億9千万円増加し、1,161億2千万円となりました。これは支払手形・工事未払金等が179億3千万円、短期借入金が84億3千万円増加したことなどによるものであります。固定負債は、前連結会計年度末に比べ118億9千万円増加し、223億4千万円となりました。これは退職給付に係る負債が62億円4千万円、長期借入金が32億円増加したことなどによるものであります。

この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べ451億9千万円増加し、1,384億6千万円となりました

(純資産の部)

当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ696億9千万円増加し、3,014億5千万円となりました。これは主に、連結子会社取得における株式交換により資本剰余金が306億6千万円増加し、自己株式が174億7千万円減少したこと及び利益剰余金が1,017億5千万円増加したことなどによるものであります。 

この結果、自己資本比率は67.8%(前連結会計年度末は70.8%)となりました。

 

b. 経営成績

(売上高)

新たな事業領域へのチャレンジ及びM&Aの実施等トップラインの拡大により、当連結会計年度の売上高は4,817億8千万円となり、前連結会計年度に比べ1,017億円5千万円の増収となりました。

 

(営業利益)

成長分野への要員流動や、働き方改革の推進により施工効率の向上及び経費削減等の利益改善に努め、当連結会計年度の営業利益は352億6千万円となり、前連結会計年度に比べ49億円2千万円の増益となりました。

 

(経常利益)

当連結会計年度の営業外収益は10億7千万円となりました。これは受取配当金4億4千万円などによるものであります。また、営業外費用は2億6千万円となりました。これは、賃貸費用1億2千万円などによるものであります。この結果、当連結会計年度の経常利益は360億7千万円となり、前連結会計年度に比べ53億6千万円の増益となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度の特別利益は53億7千万円となりました。これは負ののれん発生益51億5千万円などによるものであります。また、特別損失は18億4千万円となりました。これは、事業整理損4億3千万円などによるものであります。この結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は280億1千万円となり、前連結会計年度に比べ76億2千万円の増益となりました。

 

c. キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

ロ 事業等のリスクについての分析・検討内容及び対応策

コムシスグループの経営に影響を与える大きな要因としては、取引先への依存、施工における事故、個人情報の流出、保有資産の時価変動、取引先の信用不安等があります。

 

a. 取引先への依存について

コムシスグループの主たる事業におけるNTTグループ各社への依存度が50%程度あるため、NTTグループ各社の設備投資の減少がコムシスグループの経営成績に対し重要な影響を与えると認識しております。こうした中、新たな事業領域へのチャレンジや成長事業(ITソリューション事業、社会システム関連事業)の拡大に取り組んでおります。

 

b. 施工における事故について

万が一、事故を発生させた場合、各取引先からの信頼を失うとともに、一定期間指名停止等による受注機会の喪失や瑕疵担保責任及び製造物責任の履行等により、コムシスグループの経営成績に対し重要な影響を与えると認識しております。コムシスグループは「安全・品質と信頼の確保」を最優先に、人身事故はもとより設備事故を含めた「事故の撲滅」を目標に、協力会社を含めた社員研修等の実施により、工事の安全品質管理の徹底に取り組んでおります。

 

c. 個人情報の流出について

万が一、預かった情報の処理・保管等の再委託先による情報流出や外部からの不正アクセス等の犯罪行為による情報漏洩が発生した場合、各取引先に対する信頼を失うとともに、管理責任を問われる損害賠償責任の履行等により、コムシスグループの経営成績に対し重要な影響を与えると認識しております。個人情報を含む取引先から委託された情報等の管理については、統括事業会社のISO/IEC27001(情報セキュリティマネジメントシステム)やプライバシーマークの認証取得の実績を活かし、グループ全体として情報セキュリティ管理に万全を期しております。

 

d. 保有資産の時価変動について

コムシスグループが事業運営上の必要性から保有している不動産や有価証券等の資産や年金資産が、時価の変動等によりコムシスグループの経営成績に対し重要な影響を与えると認識しております。こうした中、事業運営上不要となった不動産及び有価証券等の売却、専門家もメンバーに加え定期的に開催している資産運用委員会における年金資産のリスクを分散する運用方針の決定等、時価変動の影響抑制に取り組んでおります。

 

 

e. 取引先の信用不安について

万が一、取引先の信用不安が発生した場合、当該取引先が顧客であれば工事代金の回収不能の発生、または、外注先であれば工事の施工遅延等により、コムシスグループの経営成績に対し重要な影響を与えると認識しております。コムシスグループは、取引先に関して外部調査機関等の利用によるリアルタイムな与信管理を厳格に行うとともに、法務部門による契約書審査を行うなど、信用リスク回避に向けて万全の体制を構築しております。
 

ハ 資本の財源及び資金の流動性

(資金需要)

コムシスグループの資金需要は、営業活動については、生産に必要な運転資金(材料・外注費及び人件費等)、従業員給与等の販売費及び一般管理費が主な内容であります。投資活動については、事業伸長・生産性向上及び新規事業立上げを目的とした設備投資が主な内容であります。

(財政政策)

コムシスグループでは、有利子負債を圧縮し、連結ベースでの資金管理の強化を図るため、キャッシュマネジメントシステム(CMS)を導入しております。

 

ニ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 目標とする経営指標」につきまして、当連結会計年度の達成状況は次のとおりであり、目標を達成しております。

当連結会計年度における売上高につきましては、4,817億8千万円(前期比26.8%増)となり、2014年度に策定した中期目標であった4,000億円を達成いたしました。

また、営業利益につきましては、前連結会計年度に目標であった300億円を達成したことから当連結会計年度においては320億円到達を目指しておりましたが、352億6千万円(前期比16.2%増)となり、目標を達成いたしました。

 

ホ セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
<日本コムシスグループの業績>

日本コムシスグループは、通信事業者の設備投資が減少したものの、国土強靭化施策やインフラの老朽化対策などの公共事業及び太陽光発電設備工事をはじめとする再生可能エネルギー事業の受注拡大及びM&Aの実施等に取り組んでまいりました。

この結果、受注高2,700億3千万円(前期比2.8%増)、売上高2,727億8千万円(前期比11.2%増)となり、営業利益も、構造改革や働き方改革の推進による生産性向上等により213億8千万円(前期比3.7%増)となりました。

セグメント資産は、受取手形・完成工事未収入金等が増加したことなどにより、2,518億6千万円(前期比5.1%増)となりました。

 

<サンワコムシスエンジニアリンググループの業績>

サンワコムシスエンジニアリンググループは、NCC事業ではトップシェアの継続維持、NCC事業以外では営業本部と連携した施工営業活動による受注拡大及び有資格者の有効活用による生産性の向上に積極的に取り組んでまいりました。

この結果、受注高580億8千万円(前期比0.1%減)、売上高556億円(前期比4.8%増)となり、営業利益も、継続的な経費削減施策、利益重視施策等により49億2千万円(前期比17.3%増)となりました。

セグメント資産は、受取手形・完成工事未収入金等が増加したことなどにより、343億7千万円(前期比7.6%増)となりました。

 

 

<TOSYSグループの業績>

TOSYSグループは、通信事業者における減収が見込まれる中、M&Aによる売上拡大、IT・AI技術を活用した商材の展開及びグループ連携による基盤事業の拡大に取り組むとともに、RPA利用による業務の改善や働き方改革に取り組み、経費削減にも努めてまいりました。

この結果、受注高233億8千万円(前期比4.9%増)、売上高238億3千万円(前期比2.8%増)となり、営業利益も、継続的な経費削減施策により14億2千万円(前期比2.6%増)となりました。

セグメント資産は、受取手形・完成工事未収入金等が増加したことなどにより、234億3千万円(前期比3.5%増)となりました。

 

<つうけんグループの業績>

つうけんグループは、通信事業者及び官公庁からの受注が減少したものの、高速道路照明設備整備工事や電線共同溝工事など社会インフラ関連及びITソリューション関連の受注拡大やM&A等に取り組んでまいりました。

この結果、受注高492億6千万円(前期比2.1%増)、売上高501億3千万円(前期比4.7%増)となり、営業利益も、「筋肉質な経営基盤の構築」をテーマに直接工事費をはじめとした各種費用削減及び拠点集約などグループ全体の取り組みにより31億6千万円(前期比13.1%増)となりました。

セグメント資産は、受取手形・完成工事未収入金等が増加したことなどにより、397億4千万円(前期比3.9%増)となりました。

 

<NDSグループの業績>

NDSグループは、通信事業者からの設備建設工事等の受注確保・拡大に加え、東海圏をはじめ首都圏・関西圏においても道路関連通信設備工事、建物内電気・通信設備工事、土木工事及びICT関連事業等の受注拡大に取り組んでまいりました。

この結果、受注高586億7千万円(前期比―)、売上高435億3千万円(前期比―)、営業利益20億2千万円(前期比―)となりました。

セグメント資産は、751億6千万円(前期比―)となりました。

 

<SYSKENグループの業績>

SYSKENグループは、熊本地震による通信基盤系工事の増加、公共事業での新規開拓及びM&A等に取り組んでまいりました。

この結果、受注高254億4千万円(前期比―)、売上高167億2千万円(前期比―)、営業利益6億円(前期比―)となりました。

セグメント資産は、228億1千万円(前期比―)となりました。

 

<北陸電話工事グループの業績>

北陸電話工事グループは、通信事業者からの設備保全工事、社会システム関連での高速道路CCTV工事、電線共同溝工事及び防災工事を中心に受注拡大に取り組んでまいりました。

この結果、受注高84億9千万円(前期比―)、売上高70億7千万円(前期比―)、営業利益4億2千万円(前期比―)となりました。

セグメント資産は、108億9千万円(前期比―)となりました。

 

 

<コムシス情報システムグループの業績>

コムシス情報システムグループは、東京オリンピック・パラリンピック効果による特需案件、通信事業、官公庁及び金融系事業分野の受注拡大等に取り組んでまいりました。

この結果、受注高105億8千万円(前期比14.3%増)、売上高104億9千万円(前期比17.0%増)となり、営業利益も、プロジェクトマネジメントの徹底や現場改善活動等により12億7千万円(前期比35.2%増)増益となりました。

セグメント資産は、受取手形・完成工事未収入金等が増加したことなどにより、75億6千万円(前期比15.9%増)となりました。

 

(参考)<当社(持株会社)の状況>

当社は、日本コムシス株式会社等統括事業会社から経営管理料として12億4千万円、配当金として92億2千万円を収受いたしました。この結果、営業収益104億7千万円(前期比33.1%増)、営業利益92億1千万円(前期比35.7%増)及び当期純利益91億7千万円(前期比35.8%減)となりました。

 

4 【経営上の重要な契約等】

2018年5月8日に開催された取締役会において、当社は、(Ⅰ)当社を株式交換完全親会社、NDS株式会社を株式交換完全子会社とする株式交換、(Ⅱ)当社を株式交換完全親会社、株式会社SYSKENを株式交換完全子会社とする株式交換、(Ⅲ)当社を株式交換完全親会社、北陸電話工事株式会社を株式交換完全子会社とする株式交換を実施することを各々決議するとともに、同日付で各々株式交換契約を締結しました。

なお、詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(企業結合等関係)」に記載しております。

 

5 【研究開発活動】

日本コムシスグループは、新規事業分野に係る技術開発と、施工効率及び安全・品質の向上に関する各事業の技術支援活動に取り組んでおり、当連結会計年度の研究開発費の金額は、90百万円であります。

TOSYSグループは、新製品の試作品の設計・制作及び実験に取り組んでおり、当連結会計年度の研究開発費の金額は、13百万円であります。

NDSグループは、ネットワーク技術及び通信設備工事に関連する技術開発と、ICTソリューションに関連する新サービス等の研究開発に取り組んでおり、当連結会計年度の研究開発費の金額は、44百万円であります。

SYSKENグループは、通信設備部門の機械化、省力化、また電子情報化によるコストダウンと安全・品質の向上及びドローンを活用した新規事業分野の開発に取り組んでおり、当連結会計年度の研究開発費の金額は、26百万円であります。

北陸電話工事グループは、新規事業分野に係る技術開発と、施工効率及び安全・品質の向上に関する各事業の技術支援活動に取り組んでおり、当連結会計年度の研究開発費の金額は、11百万円であります。

当連結会計年度におけるコムシスグループが支出した研究開発費の総額は186百万円であります。