第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてコムシスグループが判断したものであります。

 

(1)経営方針・経営戦略等

 私たちコムシスグループは、グループ一体となり、外部の様々なプレイヤーとも強力な協業・連携を図りつつ経営理念を実現します。

 

 <コムシスグループ経営理念>

 「時代をになう多様なインフラ建設」でお客様に選ばれ続ける企業を創ります

 「豊かな生活を支える社会基盤づくり」で国と地域に貢献します

  たゆまない改革を続けさらなる企業価値の向上を目指します

 

 コムシスグループの事業分野はキャリア系事業である電気通信設備工事にとどまらず、非キャリア系事業である都市の環境整備やICT関連工事、太陽光発電などの再生エネルギー事業に至るまで社会・経済活動を根底から支えるさまざまなインフラ工事を網羅しています。

 この経営理念では「お客様」「社会」「株主およびグループ従業員」の三つのステークホルダーに対してさらに一層の貢献をお約束し、グループが一体となり「コムシスビジョン NEXT STAGE 2023」の実現へ向け、まい進してまいります。

 

 お客様

~時代をになう多様なインフラ建設~

さらなる事業拡大を志向しながら品質・納期・価格などのサービス面でお客様より最大の評価をいただける企業グループを目指します。

 

 社会

~豊かな生活を支える社会基盤づくり~

さまざまなインフラ構築・建設を通して国や地域社会に貢献していくことが使命であると考えています。

 

 株主およびグループ従業員

~たゆまない改革を続けさらなる企業価値の向上~

人材のマルチスキル化、施工ITプラットフォームの構築など、生産性の向上や

コスト競争力の強化を図り、厳しい競争環境に打ち勝つ構造改革の取り組みを継続してまいります。

 

 

(2)目標とする経営指標

 コムシスグループは、2023年度を最終年度とする中期目標として「コムシスビジョン NEXT STAGE 2023」を進めております。

 

・売上高6,000億円以上

・営業利益500億円以上

・総還元性向70%目安を継続

 

「コムシスビジョン NEXT STAGE 2023」を達成するために

-キャリア事業の取り組み-

構造改革とITシステム統合によるコスト削減と生産性向上

 ・統合シナジーの創出 ・事業機会の確実な捕捉

-成長事業の取り組み-

売上拡大と利益拡大の両立

 ・既存、新領域拡大 ・M&A ・バーチャルカンパニー推進

 

(3)経営環境及び対処すべき課題

 コムシスグループを取り巻く事業環境におきましては、情報通信分野は、デジタル技術、ビックデータ活用に対応した大容量トラフィックのネットワークインフラ構築、5Gサービス拡大に向けた基地局設置及びネットワーク高度化などが進められております。また、公共・民間分野は、防災・減災、インフラ老朽化対策等の国土強靭化施策、再生可能エネルギー政策などの社会インフラ投資や、テレワーク、GIGAスクール構想などリモート・サービスへの需要高まりによるICT関連投資が期待されております。

 新型コロナウイルス感染症の内外経済への影響により、先行きが不透明ではありますが、コムシスグループといたしましては、協力会社を含めた従業員の安全・健康に十分留意しつつ、事業活動を継続し社会の要請に応えてまいります。

 このような状況のもと、昨年度策定した中長期ビジョン「コムシスビジョン NEXT STAGE 2023」の達成に向け、構造改革を図ってまいります。

 具体的には以下を主要施策として取り組んでまいります。

 

<主要施策>

① バーチャルカンパニーの推進

② ITプラットフォーム統合による業務改革

③ エリア内重複機能の統廃合

④ バックオフィス機能の集約

⑤ ICT活用による生産性向上

⑥ M&Aによる成長基盤強化

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてコムシスグループが判断したものであります。

 

(1)特定取引先への依存に伴うリスク

 コムシスグループの主たる事業はNTTグループ各社を主要取引先とした電気通信設備工事事業でありますが、その依存度が50%程度あるため、NTTグループ各社の設備投資の規模や構造等の動向により、コムシスグループの業績に影響を及ぼすリスクを有しております。

 こうした中、新たな事業領域へのチャレンジや成長事業(ITソリューション事業、社会システム関連事業)の拡大に取り組んでおります。

 

(2)安全品質に関するリスク

 コムシスグループは、事故を発生させた場合、各取引先からの信頼を失うとともに、一定期間指名停止等による受注機会の喪失や暇庇担保責任及び製造物責任の履行等により、グループの業績に影響を及ぼすリスクを有しております。

 こうした中、「安全・品質と信頼の確保」を最優先に、人身事故はもとより設備事故を含めた「事故の撲滅」を目標に、協力会社を含めた社員研修等の実施により、工事の安全品質管理の徹底に取り組んでおります。

 

(3)個人情報の流出に関するリスク

 コムシスグループは、個人情報を含む取引先から委託された情報等の管理については、万が一、預かった情報の処理・保管等の再委託先による情報流出や外部からの不正アクセス等の犯罪行為による情報漏洩が発生した場合、各取引先に対する信頼を失うとともに、管理責任を問われる損害賠償責任の履行等により、グループの業績に影響を及ぼすリスクを有しております。

 こうした中、統括事業会社のISO/ IEC27001 (情報セキュリテイマネジメントシステム)やプライバシーマークの認証取得の実績を活かし、グループ全体として情報セキュリティ管理に万全を期しております。

 

(4)業績の季節変動に伴うリスク

 コムシスグループの主たる事業である電気通信設備工事事業においては、受注及び売上の計上が第4四半期に偏重する傾向があるため、連結会計期間の上半期と下半期のグループ業績に著しい相違が生じるリスクを有しております。

 

(5)保有資産に関するリスク

 コムシスグループは、事業運営上の必要性から、不動産や有価証券等の資産や年金資産を保有しておりますが、時価の変動等により、グループの業績に影響を及ぼすリスクを有しております。

 こうした中、事業運営上不要となった不動産及び有価証券等の売却、専門家もメンバーに加え定期的に開催している資産運用委員会における年金資産のリスクを分散する運用方針の決定等、時価変動の影響抑制に取り組んでおります。

 

(6)取引先の信用リスク

 コムシスグループは、取引先の信用不安が発生した場合、当該取引先が顧客であれば工事代金の回収不能の発生、または、外注先であれば工事の施工遅延等により、グループの業績に影響を及ぼすリスクを有しております。

 こうした中、取引先に関して外部調査機関等の利用によるリアルタイムな与信管理を厳格に行うとともに、法務部門による契約書審査を行うなど、信用リスク回避に向けて万全の体制を構築しております。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度におけるコムシスグループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

<コムシスグループの業績>

 当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用・所得環境が改善傾向にあるなど、景気は緩やかな回復基調を継続してきたものの、年度終盤には、新型コロナウイルス感染症の拡大が、国内外の経済に甚大な影響を与え始め、極めて厳しい状況が続くと見込まれております。

 コムシスグループを取り巻く事業環境におきましては、情報通信分野は、コンテンツ等付加価値サービスの拡大及びデジタル技術やビックデータの活用進展など急増する大容量トラフィックに対応するため、モバイルネットワークの高度化が進められております。また、公共・民間分野は、激甚化する自然災害に備えた防災・減災対策等の国土強靭化及び再生可能エネルギ一政策などの社会インフラ投資や、クラウド技術、IoT、AI(人工知能)などを活用したICT関連の投資拡大が期待されております。

 コムシスグループといたしましては、太陽光発電設備工事やバイオマス発電設備工事など再生可能エネルギー分野及びスマート社会に向けたICT関連の公共・民間投資への対応など、当グループが成長事業と捉える社会システム・ITソリューション分野へ事業注力してまいりました。

 また、2018年10月に経営統合した通信建設業界の同業3社による統合シナジーの早期創出を目指すとともに、ICTを活用した働き方改革の推進などによる施工効率の向上及び経費削減等の利益改善にも努めてまいりました。

 この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

イ 財政状態

 当連結会計年度末の資産合計は、4,500億4千万円(前期比2.3%増)となりました。

 当連結会計年度末の負債合計は、1,393億4千万円(前期比0.6%増)となりました。

 当連結会計年度末の純資産合計は、3,106億9千万円(前期比3.1%増)となりました。

 

ロ 経営成績

 当連結会計年度の経営成績は、受注高5,907億1千万円(前期比16.8%増)、売上高5,608億8千万円(前期比16.4%増)となりました。

 また、損益につきましては、営業利益389億5千万円(前期比10.5%増)、経常利益400億6千万円(前期比11.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益259億9千万円(前期比7.2%減)となりました。

 なお、親会社株主に帰属する当期純利益の減少は、前期に特別利益として計上した経営統合に伴う負ののれん発生益の影響などによるものであります。

 

 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

 

グループ別の受注高・売上高・セグメント利益[営業利益]                                      (単位:百万円)

 

セグメントの名称

受注高

売上高

セグメント利益

[営業利益]

金額

増減率

金額

増減率

金額

増減率

日本コムシスグループ

306,317

13.4%

281,132

3.1%

20,549

△3.9%

サンワコムシスエンジニアリンググループ

57,604

△0.8%

57,855

4.0%

5,688

15.4%

TOSYSグループ

29,372

25.6%

28,895

21.2%

1,501

5.3%

つうけんグループ

52,072

5.7%

50,799

1.3%

3,548

12.0%

NDSグループ

83,636

42.5%

83,522

91.8%

4,141

104.2%

SYSKENグループ

34,334

34.9%

31,832

90.3%

1,283

112.3%

北陸電話工事グループ

14,277

68.1%

13,633

92.7%

349

△17.7%

コムシス情報システムグループ

11,438

8.1%

11,545

10.0%

1,338

5.2%

(注)1 「受注高」及び「売上高」は外部顧客への取引高を記載しております。なお、「セグメント利益」は当社及びセグメント間取引により生じた利益を含んでおります。

2 2018年10月1日付で、NDS株式会社、株式会社SYSKEN、北陸電話工事株式会社の3社を株式交換により当社の完全子会社としております。この結果、セグメント情報において、前第3四半期連結会計期間より同3社及び同3社の子会社を「NDSグループ」「SYSKENグループ」「北陸電話工事グループ」とし、報告セグメントに加えております。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ77億2千万円増加し、355億円(前期比27.8%増)となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。

 

(単位:百万円)

 

営業活動による

キャッシュ・フロー

投資活動による

キャッシュ・フロー

財務活動による

キャッシュ・フロー

現金及び現金同等物

期末残高

当連結会計年度

37,496

△9,919

△19,819

35,503

前連結会計年度

8,964

△11,550

△15,382

27,778

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

 コムシスグループが営んでいる事業の大部分を占める電気通信設備工事事業では生産実績を定義することが困難であり、また請負形態をとっているため販売実績という定義は実態にそぐいません。

 よって「生産、受注及び販売の状況」については、当社の連結での受注、売上及び手持高の状況をセグメント別に記載しております。

 

イ 受注実績

セグメントの名称

前連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

(百万円)

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

(百万円)

増減率

(%)

日本コムシスグループ

270,033

306,317

13.4

サンワコムシスエンジニアリンググループ

58,081

57,604

△0.8

TOSYSグループ

23,386

29,372

25.6

つうけんグループ

49,269

52,072

5.7

NDSグループ

58,677

83,636

42.5

SYSKENグループ

25,444

34,334

34.9

北陸電話工事グループ

8,493

14,277

68.1

コムシス情報システムグループ

10,581

11,438

8.1

その他

1,589

1,664

4.7

合計

505,558

590,718

16.8

(注)1 受注実績は外部顧客への取引高を記載しております。

2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

ロ 売上実績

セグメントの名称

前連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

(百万円)

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

(百万円)

増減率

(%)

日本コムシスグループ

272,780

281,132

3.1

サンワコムシスエンジニアリンググループ

55,605

57,855

4.0

TOSYSグループ

23,839

28,895

21.2

つうけんグループ

50,133

50,799

1.3

NDSグループ

43,536

83,522

91.8

SYSKENグループ

16,723

31,832

90.3

北陸電話工事グループ

7,076

13,633

92.7

コムシス情報システムグループ

10,497

11,545

10.0

その他

1,589

1,664

4.7

合計

481,783

560,882

16.4

(注)1 売上実績は外部顧客への取引高を記載しております。

2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

3 主な相手先別の売上及びその割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

NTTグループ

226,880

47.1

250,484

44.7

(注)1 NTTグループは、東日本電信電話株式会社、西日本電信電話株式会社、エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社、株式会社NTTドコモ等であります。

2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

ハ 手持高

セグメントの名称

前連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

(百万円)

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

(百万円)

増減率

(%)

日本コムシスグループ

124,133

149,318

20.3

サンワコムシスエンジニアリンググループ

20,479

20,228

△1.2

TOSYSグループ

5,247

5,724

9.1

つうけんグループ

6,336

7,609

20.1

NDSグループ

14,912

15,025

0.8

SYSKENグループ

8,720

11,221

28.7

北陸電話工事グループ

1,415

2,059

45.5

コムシス情報システムグループ

1,861

1,753

△5.8

その他

合計

183,105

212,941

16.3

(注)1 手持高は外部顧客への取引高を記載しております。

2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてコムシスグループが判断したものであります。

 

① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

イ 経営成績等

a.財政状態

(資産の部)

 当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ100億6千万円増加し、2,570億8千万円となりました。主な要因は以下のとおりであります。

流動資産

増減額(△は減少)

主な要因

現金預金

73億7千万円

NDSグループにおける増加

受取手形・完成工事未収入金等

80億8千万円

日本コムシスグループにおける増加

未成工事支出金等

△29億1千万円

日本コムシスグループにおける減少

 

 固定資産は、前連結会計年度末に比べ4千万円増加し、1,929億6千万円となりました。主な要因は以下のとおりであります。

固定資産

増減額(△は減少)

主な要因

有形固定資産

28億6千万円

日本コムシスグループにおける工事車両用駐車場の建設等による増加

無形固定資産

△17億6千万円

のれんの償却による減少

投資その他の資産

△10億5千万円

株式等の投資有価証券の売却及び時価評価による減少

 

 この結果、資産合計は、前連結会計年度末に比べ101億1千万円増加し、4,500億4千万円となりました。

 

(負債の部)

 当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ19億1千万円増加し、1,180億4千万円となりました。主な要因は以下のとおりであります。

流動負債

増減額(△は減少)

主な要因

支払手形・工事未払金等

26億円

NDSグループにおける増加

短期借入金

△15億円

NDSグループにおける借入金の返済による減少

未成工事受入金

10億5千万円

日本コムシスグループにおける増加

 

固定負債は、前連結会計年度末に比べ10億3千万円減少し、213億円となりました。主な要因は以下のとおりであります。

固定負債

増減額(△は減少)

主な要因

長期借入金

△21億円

NDSグループにおける借入金の返済による減少

退職給付に係る負債

6億1千万円

日本コムシスグループにおける増加

その他

4億7千万円

NDSグループにおけるリース債務の増加による増加

 

 この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べ8億8千万円増加し、1,393億4千万円となりました。

 

 

(純資産の部)

 当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ92億3千万円増加し、3,106億9千万円となりました。主な要因は以下のとおりであります。

純資産

増減額(△は減少)

主な要因

利益剰余金

177億7千万円

親会社株主に帰属する当期純利益の計上による増加

自己株式

65億8千万円

自己株式の取得等による増加

 この結果、自己資本比率は68.3%(前連結会計年度末は67.8%)となりました。

 

b.経営成績

(売上高)

 新たな事業領域へのチャレンジ及びM&Aの実施等トップラインの拡大により、当連結会計年度の売上高は5,608億8千万円となり、前連結会計年度に比べ790億円9千万円の増収となりました。

 

(営業利益)

 成長分野への要員流動や、働き方改革の推進により施工効率の向上及び経費削減等の利益改善に努め、当連結会計年度の営業利益は389億5千万円となり、前連結会計年度に比べ36億円8千万円の増益となりました。

 

(経常利益)

 当連結会計年度の営業外収益は15億4千万円となりました。これは受取配当金7億2千万円などによるものであります。また、営業外費用は4億3千万円となりました。これは、賃貸費用1億7千万円などによるものであります。この結果、当連結会計年度の経常利益は400億6千万円となり、前連結会計年度に比べ39億9千万円の増益となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 当連結会計年度の特別利益は6億5千万円となりました。これは投資有価証券売却益5億2千万円などによるものであります。また、特別損失は12億4千万円となりました。これは、減損損失4億9千万円などによるものであります。この結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は259億9千万円となり、前連結会計年度に比べ20億2千万円の減益となりました。

 

c.キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

ロ 資本の財源及び資金の流動性

(資金需要)

 コムシスグループの資金需要は、営業活動については、生産に必要な運転資金(材料・外注費及び人件費等)、従業員給与等の販売費及び一般管理費が主な内容であります。投資活動については、事業伸長・生産性向上及び新規事業立上げを目的とした設備投資が主な内容であります。

 

(財政政策)

 コムシスグループでは、有利子負債を圧縮し、連結ベースでの資金管理の強化を図るため、キャッシュマネジメントシステム(CMS)を導入しております。

 

ハ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)目標とする経営指標」につきまして、当連結会計年度の達成状況は次のとおりであり、目標を達成しております。

 当連結会計年度における売上高につきましては、5,608億8千万円(前期比16.4%増)となり、2018年度に策定した中期目標であった5,400億円を達成いたしました。

 また、営業利益につきましては、389億5千万円(前期比10.5%増)となり、こちらも中期目標であった380億円を達成いたしました。

 

ニ セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

<日本コムシスグループの業績>

 日本コムシスグループは、通信事業者の設備投資が減少したものの、サーバ・ストレージ構築などのITソリューション事業や公共事業及び太陽光発電設備工事をはじめとする再生可能エネルギー事業の受注拡大等に取り組んでまいりました。

 この結果、受注高3,063億1千万円(前期比13.4%増)、売上高2,811億3千万円(前期比3.1%増)となり、営業利益は、キャリア系事業の物品納入遅延・進捗遅れ等の影響により、205億4千万円(前期比3.9%減)となりました。

 セグメント資産は、投資有価証券等が減少したことなどにより、2,505億円(前期比0.5%減)となりました。

<サンワコムシスエンジニアリンググループの業績>

 サンワコムシスエンジニアリンググループは、NCC事業は、グループ内技術者の流動化促進などにより、トップシェアを維持継続、NCC事業以外は、営業本部と連携した施工営業活動による受注拡大及び有資格者の有効活用による生産性向上に取り組んでまいりました。

 この結果、受注高576億円(前期比0.8%減)、売上高578億5千万円(前期比4.0%増)となり、営業利益も、継続的な経費削減施策、利益重視施策等により56億8千万円(前期比15.4%増)となりました。

 セグメント資産は、受取手形・完成工事未収入金等が増加したことなどにより、369億6千万円(対前期比7.5%増)となりました。

 

<TOSYSグループの業績>

 TOSYSグループは、通信事業者からの減収が見込まれる中、日本コムシスから移管された松本・長岡エリアの業務拡大及びグループ連携による事業拡大に取り組むとともに、RPA活用等による業務改善や働き方改革など生産性向上に努めてまいりました。

 この結果、受注高293億7千万円(前期比25.6%増)、売上高288億9千万円(前期比21.2%増)となり、営業利益も売上高増加や継続的な経費削減に努め15億円(前期比5.3%増)となりました。

 セグメント資産は、完成工事未収入金や有形固定資産等が増加したことなどにより、253億8千万円(前期比8.3%増)となりました。

 

<つうけんグループの業績>

 つうけんグループは、通信事業者からの受注増に加え、大型太陽光発電設備工事及びITソリューション事業の受注拡大やM&A等による業容拡大に取り組んでまいりました。

 この結果、受注高520億7千万円(前期比5.7%増)、売上高507億9千万円(前期比1.3%増)となり、営業利益も、「筋肉質な経営基盤の構築」をテーマに直接工事費をはじめとした各種費用削減策の取り組みにより35億4千万円(前期比12.0%増)となりました。

 セグメント資産は、完成工事未収入金・関係会社株式等が増加したことなどにより、424億4千万円(前期比6.8%増)となりました。

 

<NDSグループの業績>

 NDSグループは、通信事業者からの設備建設工事等の受注確保・拡大に加え、東海圏をはじめ首都圏・関西圏においても、道路関連通信設備工事、建物内電気・通信設備工事、土木工事及びICT関連事業等の受注拡大に取り組んでまいりました。

 この結果、受注高836億3千万円(前期比42.5%増)、売上高835億2千万円(前期比91.8%増)、営業利益41億4千万円(前期比104.2%増)となりました。

 セグメント資産は、807億6千万円(前期比7.4%増)となりました。

 

<SYSKENグループの業績>

 SYSKENグループは、通信事業者からの通信設備工事等の受注確保に加え、九州エリア管内において、大型太陽光発電設備工事を中心とした民需工事の受注拡大及び工事管理の効率化等による生産性向上に取り組んでまいりました。

 この結果、受注高343億3千万円(前期比34.9%増)、売上高318億3千万円(前期比90.3%増)、営業利益12億8千万円(前期比112.3%増)となりました。

 セグメント資産は、236億4千万円(前期比3.6%増)となりました。

 

 

<北陸電話工事グループの業績>

 北陸電話工事グループは、通信事業者からの設備保全工事、社会システム関連では高速道路付帯設備工事や電線共同溝工事など社会インフラ関連及びITソリューション関連の受注拡大に取り組んでまいりました。

 この結果、受注高142億7千万円(前期比68.1%増)、売上高136億3千万円(前期比92.7%増)、営業利益3億4千万円(前期比17.7%減)となりました。

 セグメント資産は、111億9千万円(前期比2.7%増)となりました。

 

<コムシス情報システムグループの業績>

 コムシス情報システムグループは、通信事業者や官公庁発注及び金融系事業分野への受注拡大に取り組んでまいりました。

 この結果、今期は公共系大型更改案件の受注もあり、受注高114億3千万円(前期比8.1%増)、売上高115億4千万円(前期比10.0%増)となり、営業利益も、プロジェクトマネジメントの徹底や現場改善活動等により13億3千万円(前期比5.2%増)増益となりました。

 セグメント資産は、受取手形・完成工事未収入金等が増加したことなどにより、81億6千万円(前期比7.9%増)となりました。

 

(参考)<当社(持株会社)の状況>

 当社は、日本コムシス株式会社等統括事業会社から経営管理料として13億9千万円、配当金として115億円を収受いたしました。この結果、営業収益128億9千万円(前期比23.1%増)、営業利益115億3千万円(前期比25.3%増)及び当期純利益114億5千万円(前期比24.8%増)となりました。

 

② 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 コムシスグループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって、工事進行基準の進捗度、工事損失引当金の計上、固定資産の減損、たな卸資産の評価、退職給付債務及び年金資産の認識、繰延税金資産の計上等の重要な会計方針に関して、必要と思われる見積り及び判断を合理的な基準に基づき実施しておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらの見積りとは異なる場合があります。

 なお、コムシスグループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 コムシスグループにおいて、連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる重要な見積りは以下の通りであります。

工事進行基準

 一部の連結子会社は、当連結会計年度末までの進捗部分について成果の確実性が認められる工事契約については、工事進行基準を適用しております。工事の進捗度の見積りは原価比例法を採用しており、工事進行基準の適用にあたっては、工事収益総額、工事原価総額及び決算日における進捗度を合理的に見積る必要があります。工事進行基準による収益の計上の基礎となる工事原価総額は、工事契約ごとの実行予算を使用して見積りを行っておりますが、実行予算の策定にあたっては、必要となる施工内容に応じた外注費及び材料等の調達価格の見積りに不確実性を伴うため、当社グループの業績を変動させる可能性があります。

 なお、新型コロナウイルス感染症の影響等不確実性が大きく、将来の業績予測等に反映させることが難しい要素もありますが、現時点において入手可能な情報を基に検証等を行っております。

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 当連結会計年度におけるコムシスグループが支出した研究開発費の総額は、200百万円であります。なお、各セグメントごとの研究開発費は次のとおりであります。

 日本コムシスグループは、新規事業分野に係る技術開発と、施工効率及び安全・品質の向上に関する各事業の技術支援活動に取り組んでおり、当連結会計年度の研究開発費の金額は、32百万円であります。

 サンワコムシスエンジニアリンググループは、ITソリューションに関連する新サービスモデルの確立に取り組んでおり、当連結会計年度の研究開発費の金額は、5百万円であります。

 つうけんグループは、ITソリューションに関連する新サービスモデルの確立に取り組んでおり、当連結会計年度の研究開発費の金額は、21百万円であります。

 NDSグループは、ネットワーク技術及び通信設備工事に関連する技術開発と、新規事業分野に関する新商品及び新サービスの研究開発に取り組んでおり、当連結会計年度の研究開発費の金額は、83百万円であります。

 SYSKENグループは、通信設備部門の機械化、省力化、また電子情報化によるコストダウンと安全・品質の向上及びドローンを活用した新規事業分野の開発に取り組んでおり、当連結会計年度の研究開発費の金額は、46百万円であります。

 北陸電話工事グループは、新規事業分野に係る技術開発と、施工効率及び安全・品質の向上に関する各事業の技術支援活動に取り組んでおり、当連結会計年度の研究開発費の金額は、11百万円であります。