第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてコムシスグループが判断したものであります。

 

(1)経営方針・経営戦略等

 私たちコムシスグループは、グループ一体となり、外部の様々なプレイヤーとも強力な協業・連携を図りつつ経営理念を実現します。

 

 <コムシスグループ経営理念>

 「時代をになう多様なインフラ建設」でお客様に選ばれ続ける企業を創ります

 「豊かな生活を支える社会基盤づくり」で国と地域に貢献します

  たゆまない改革を続けさらなる企業価値の向上を目指します

 

 コムシスグループの事業分野はキャリア系事業である電気通信設備工事にとどまらず、非キャリア系事業である都市の環境整備やICT関連工事、太陽光発電などの再生エネルギー事業に至るまで社会・経済活動を根底から支えるさまざまなインフラ工事を網羅しています。

 この経営理念では「お客様」「社会」「株主およびグループ従業員」の三つのステークホルダーに対してさらに一層の貢献をお約束し、グループが一体となり「コムシスビジョン NEXT STAGE 2023」の実現へ向け、まい進してまいります。

 

 お客様

~時代をになう多様なインフラ建設~

さらなる事業拡大を志向しながら品質・納期・価格などのサービス面でお客様より最大の評価をいただける企業グループを目指します。

 

 社会

~豊かな生活を支える社会基盤づくり~

さまざまなインフラ構築・建設を通して国や地域社会に貢献していくことが使命であると考えています。

 

 株主およびグループ従業員

~たゆまない改革を続けさらなる企業価値の向上~

人材のマルチスキル化、施工ITプラットフォームの構築など、生産性の向上や

コスト競争力の強化を図り、厳しい競争環境に打ち勝つ構造改革の取り組みを継続してまいります。

 

 

(2)目標とする経営指標

 コムシスグループは、2023年度を最終年度とする中期目標として「コムシスビジョン NEXT STAGE 2023」を進めております。

 

・売上高6,000億円以上

・営業利益500億円以上

・総還元性向70%目安を継続

 

「コムシスビジョン NEXT STAGE 2023」を達成するために

-キャリア事業の取り組み-

構造改革とITシステム統合によるコスト削減と生産性向上

 ・統合シナジーの創出 ・事業機会の確実な捕捉

-成長事業の取り組み-

売上拡大と利益拡大の両立

 ・既存、新領域拡大 ・M&A ・バーチャルカンパニー推進

 

(3)経営環境及び対処すべき課題

 コムシスグループを取り巻く事業環境におきましては、5Gサービスの本格稼働に向けたデジタル通信基盤の拡充、防災・減災、国土強靭化施策など公共インフラ投資の継続、地方自治体のデジタル実装をはじめとする社会全体のDX化促進、2050年カーボンニュートラル実現に向けた再生可能エネルギー分野への注力など投資拡大などが期待されております。

 長期化する新型コロナウイルス感染症の社会経済活動への影響は当面継続すると推測されますが、コムシスグループといたしましては、ウィズコロナを前提に、感染症対策の徹底に努め事業活動を継続してまいります。加えて、半導体不足・納入遅延などのサプライチェーンリスク、ウクライナ情勢を含む地政学リスクからの原材料価格高騰など、経済の先行きは不透明な状況が続きますが、中長期ビジョン「コムシスビジョン NEXT STAGE 2023」達成に向け、事業環境に応じたフォーメーションの最適化、DXを要とした生産性向上、働き方改革の深化など引き続き経営基盤強化に取り組んでまいります。また、「サステナビリティ基本方針」に則りSDGsの目指す社会の実現に貢献するとともに、コムシスグループの持続的成長を図ってまいります。

 具体的には以下を主要施策として取り組んでまいります。

 

<主要施策>

① バーチャルカンパニーによる受注力・施工力の最大化

② 最適なリソースシフトによる事業運営体制構築

③ ITプラットフォーム統合によるワークフロー最適化

④ DX推進による生産性向上

⑤ 技術者のマルチスキル化及びデジタル技術者の育成

⑥ M&Aによる成長基盤強化

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてコムシスグループが判断したものであります。

 

(1)特定取引先への依存に伴うリスク

 コムシスグループの主たる事業はNTTグループ各社を主要取引先とした電気通信設備工事事業でありますが、その依存度が50%程度あるため、NTTグループ各社の設備投資の規模や構造等の動向により、コムシスグループの業績に影響を及ぼすリスクを有しております。

 こうした中、新たな事業領域へのチャレンジや成長事業(ITソリューション事業、社会システム関連事業)の拡大に取り組んでおります。

 

(2)安全品質に関するリスク

 コムシスグループは、事故を発生させた場合、各取引先からの信頼を失うとともに、一定期間指名停止等による受注機会の喪失や暇庇担保責任及び製造物責任の履行等により、グループの業績に影響を及ぼすリスクを有しております。

 こうした中、「安全・品質と信頼の確保」を最優先に、人身事故はもとより設備事故を含めた「事故の撲滅」を目標に、協力会社を含めた社員研修等の実施により、工事の安全品質管理の徹底に取り組んでおります。

 

(3)個人情報の流出に関するリスク

 コムシスグループは、個人情報を含む取引先から委託された情報等の管理については、万が一、預かった情報の処理・保管等の再委託先による情報流出や外部からの不正アクセス等の犯罪行為による情報漏洩が発生した場合、各取引先に対する信頼を失うとともに、管理責任を問われる損害賠償責任の履行等により、グループの業績に影響を及ぼすリスクを有しております。

 こうした中、統括事業会社のISO/ IEC27001 (情報セキュリテイマネジメントシステム)やプライバシーマークの認証取得の実績を活かし、グループ全体として情報セキュリティ管理に万全を期しております。

 

(4)業績の季節変動に伴うリスク

 コムシスグループの主たる事業である電気通信設備工事事業においては、受注及び売上の計上が第4四半期に偏重する傾向があるため、連結会計期間の上半期と下半期のグループ業績に著しい相違が生じるリスクを有しております。

 

(5)保有資産に関するリスク

 コムシスグループは、事業運営上の必要性から、不動産や有価証券等の資産や年金資産を保有しておりますが、時価の変動等により、グループの業績に影響を及ぼすリスクを有しております。

 こうした中、事業運営上不要となった不動産及び有価証券等の売却、専門家もメンバーに加え定期的に開催している資産運用委員会における年金資産のリスクを分散する運用方針の決定等、時価変動の影響抑制に取り組んでおります。

 

(6)取引先の信用リスク

 コムシスグループは、取引先の信用不安が発生した場合、当該取引先が顧客であれば工事代金の回収不能の発生、または、外注先であれば工事の施工遅延等により、グループの業績に影響を及ぼすリスクを有しております。

 こうした中、取引先に関して外部調査機関等の利用によるリアルタイムな与信管理を厳格に行うとともに、法務部門による契約書審査を行うなど、信用リスク回避に向けて万全の体制を構築しております。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度におけるコムシスグループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

<コムシスグループの業績>

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にあります。ワクチン接種の促進など感染対策を講じ、社会経済活動が正常化に向かう中、景気の持ち直しが期待されておりますが、変異株による感染拡大の影響、半導体をはじめとする各種部材不足など供給面での制約、原材料価格高騰の影響及び金融資本市場の変動等に引き続き注視する必要があります。

 コムシスグループを取り巻く事業環境につきましては、通信インフラ分野においては、社会全体のデジタル化の加速により、高速・大容量のデジタルサービスの実現が早急に求められ、5G無線基地局の設置、高度無線環境整備推進事業の促進などデジタル通信基盤の構築が進められております。社会システム分野においては、カーボンニュートラルの実現に向けた再生可能エネルギーの主力電源化などエネルギー・環境政策の推進、激甚化・頻発化する大規模自然災害に対応した防災・減災、国土強靭化施策、インフラ老朽化対策など社会インフラ整備が進められております。また、ITソリューション分野においては、医療・教育・行政・金融等の各分野においてDX化が促進され、デジタル化・データ共有等を実現するためのデータプラットフォームの構築、AI・IoT・クラウド等ICT関連への投資拡大が期待されております。

 コムシスグループといたしましては、新型コロナウイルス感染症対策の徹底及びテレワークの活用などにより事業活動を継続してまいりました。通信インフラ分野においては、加速するデジタル通信基盤構築における全国プロジェクトに対応するため、グループリソースの最適な活用と施工管理の徹底により生産性向上を図ってまいりました。ITソリューション・社会システムの成長分野においては、バーチャルカンパニーを活用したグループ全体での営業連携強化による受注拡大、M&Aによる事業領域拡大(2021年11月 藤木鉄工株式会社を子会社化)、エリア最適化による生産性向上などに取り組んでまいりました。今後とも、事業環境に応じた最適なリソースシフトによる体制構築、DXを活用した構造改革、多様な働き方に対応した働き方改革の深化など経営基盤強化に取り組んでまいります。

 この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

イ 財政状態

 当連結会計年度末の資産合計は、524,062百万円(前期比9.3%増)となりました。

 当連結会計年度末の負債合計は、180,573百万円(前期比21.5%増)となりました。

 当連結会計年度末の純資産合計は、343,489百万円(前期比3.8%増)となりました。

 

ロ 経営成績

 当連結会計年度の経営成績は、受注高557,085百万円(前期比5.0%減)、売上高589,028百万円(前期比4.6%増)となりました。

 また、損益につきましては、営業利益42,963百万円(前期比3.3%増)、経常利益44,036百万円(前期比2.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益29,208百万円(前期比0.5%減)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

 

グループ別の受注高・売上高・セグメント利益[営業利益]

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

セグメントの名称

受注高

売上高

セグメント利益

[営業利益]

金額

増減率

金額

増減率

金額

増減率

日本コムシスグループ

265,648

△9.0%

292,433

4.7%

19,297

△8.9%

サンワコムシスエンジニアリンググループ

66,158

9.8%

65,702

11.9%

7,000

15.6%

TOSYSグループ

29,088

△11.2%

30,136

0.8%

1,708

5.8%

つうけんグループ

56,573

0.7%

59,844

14.2%

6,297

47.1%

NDSグループ

80,915

0.2%

77,763

△1.8%

4,069

6.4%

SYSKENグループ

27,853

△17.8%

32,481

△3.0%

1,826

△7.9%

北陸電話工事グループ

16,814

0.3%

16,909

4.5%

627

22.8%

コムシス情報システムグループ

12,096

△0.3%

11,820

△1.9%

1,675

9.3%

(注) 「受注高」及び「売上高」は外部顧客への取引高を記載しております。なお、「セグメント利益」は当社及びセグメント間取引により生じた利益を含んでおります。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ1,097百万円増加し、34,033百万円(前期比3.3%増)となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。

 

(単位:百万円)

 

営業活動による

キャッシュ・フロー

投資活動による

キャッシュ・フロー

財務活動による

キャッシュ・フロー

現金及び現金同等物

期末残高

当連結会計年度

5,244

△11,109

6,171

34,033

前連結会計年度

25,469

△8,861

△20,258

32,936

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

 コムシスグループが営んでいる事業の大部分を占める電気通信設備工事事業では生産実績を定義することが困難であり、また請負形態をとっているため販売実績という定義は実態にそぐいません。

 よって「生産、受注及び販売の状況」については、当社の連結での受注、売上及び手持高の状況をセグメント別に記載しております。

 

イ 受注実績

 セグメントの名称

 前連結会計年度

(自 2020年4月1日

  至 2021年3月31日)

 (百万円)

 当連結会計年度

(自 2021年4月1日

  至 2022年3月31日)

 (百万円)

 増減率

 (%)

日本コムシスグループ

291,945

265,648

△9.0

サンワコムシスエンジニアリンググループ

60,235

66,158

9.8

TOSYSグループ

32,743

29,088

△11.2

つうけんグループ

56,170

56,573

0.7

NDSグループ

80,745

80,915

0.2

SYSKENグループ

33,897

27,853

△17.8

北陸電話工事グループ

16,758

16,814

0.3

コムシス情報システムグループ

12,131

12,096

△0.3

その他

1,885

1,935

2.7

合計

586,512

557,085

△5.0

(注)  受注実績は外部顧客への取引高を記載しております。

 

ロ 売上実績

 セグメントの名称

 前連結会計年度

(自 2020年4月1日

  至 2021年3月31日)

 (百万円)

 当連結会計年度

(自 2021年4月1日

  至 2022年3月31日)

 (百万円)

 増減率

 (%)

日本コムシスグループ

279,431

292,433

4.7

サンワコムシスエンジニアリンググループ

58,722

65,702

11.9

TOSYSグループ

29,890

30,136

0.8

つうけんグループ

52,395

59,844

14.2

NDSグループ

79,213

77,763

△1.8

SYSKENグループ

33,473

32,481

△3.0

北陸電話工事グループ

16,186

16,909

4.5

コムシス情報システムグループ

12,052

11,820

△1.9

その他

1,885

1,935

2.7

合計

563,252

589,028

4.6

(注)1 売上実績は外部顧客への取引高を記載しております。

2 主な相手先別の売上及びその割合は次のとおりであります。

 相手先

 前連結会計年度

(自 2020年4月1日

  至 2021年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2021年4月1日

  至 2022年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

NTTグループ

242,182

43.0

249,981

42.4

 

 

ハ 手持高

 セグメントの名称

 前連結会計年度

(自 2020年4月1日

  至 2021年3月31日)

 (百万円)

 当連結会計年度

(自 2021年4月1日

  至 2022年3月31日)

 (百万円)

 増減率

 (%)

日本コムシスグループ

161,832

135,047

△16.6

サンワコムシスエンジニアリンググループ

21,740

22,196

2.1

TOSYSグループ

8,577

7,529

△12.2

つうけんグループ

11,384

8,112

△28.7

NDSグループ

16,557

19,710

19.0

SYSKENグループ

11,645

7,016

△39.7

北陸電話工事グループ

2,630

2,536

△3.6

コムシス情報システムグループ

1,832

2,108

15.1

その他

合計

236,201

204,258

△13.5

(注)  手持高は外部顧客への取引高を記載しております。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてコムシスグループが判断したものであります。

 

① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

イ 経営成績等

a.財政状態

(資産の部)

 当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ43,356百万円増加し、322,216百万円となりました。主な要因は以下のとおりであります。

流動資産

増減額(△は減少)

主な要因

受取手形・完成工事未収入金等

28,283百万円

日本コムシスグループにおける増加

未成工事支出金等

17,848百万円

日本コムシスグループにおける増加

 

 固定資産は、前連結会計年度末に比べ1,287百万円増加し、201,846百万円となりました。主な要因は以下のとおりであります。

固定資産

増減額(△は減少)

主な要因

有形固定資産

4,687百万円

連結範囲の変更による増加

無形固定資産

371百万円

ソフトウェアの取得による増加、

のれんの償却による減少

投資その他の資産

△3,772百万円

投資有価証券の売却による減少

 

 この結果、資産合計は、前連結会計年度末に比べ44,643百万円増加し、524,062百万円となりました。

 

(負債の部)

 当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ30,534百万円増加し、158,764百万円となりました。主な要因は以下のとおりであります。

流動負債

増減額(△は減少)

主な要因

支払手形・工事未払金等

△297百万円

日本コムシスグループにおける減少

未払法人税等

△4,283百万円

当社における減少

短期借入金

26,704百万円

当社における増加

 

 固定負債は、前連結会計年度末に比べ1,426百万円増加し、21,809百万円となりました。主な要因は以下のとおりであります。

固定負債

増減額(△は減少)

主な要因

長期借入金

22百万円

連結範囲の変更による増加、NDSグループにおける借入金の返済による減少

退職給付に係る負債

664百万円

連結範囲の変更による増加

環境対策引当金

400百万円

連結範囲の変更による増加

 

 この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べ31,961百万円増加し、180,573百万円となりました。

 

 

(純資産の部)

 当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ12,681百万円増加し、343,489百万円となりました。主な要因は以下のとおりであります。

純資産

増減額(△は減少)

主な要因

利益剰余金

18,311百万円

親会社株主に帰属する当期純利益の計上による増加

 この結果、自己資本比率は64.5%(前連結会計年度末は68.3%)となりました。

 

b.経営成績

(売上高)

 通信インフラ分野におけるデジタル通信基盤の構築、M&Aによる事業領域拡大などにより、当連結会計年度の売上高は589,028百万円となり、前連結会計年度に比べ25,775百万円の増収となりました。

 

(営業利益)

 M&Aなどにより販管費が増加したものの、施工管理の徹底、DXを活用した働き改革の推進など生産性向上及び経費削減等の利益改善に努め、当連結会計年度の営業利益は42,963百万円となり、前連結会計年度に比べ1,391百万円の増益となりました。

 

(経常利益)

 当連結会計年度の営業外収益は1,651百万円となりました。これは受取配当金848百万円、固定資産賃貸料285百万円などによるものであります。また、営業外費用は579百万円となりました。これは、新型コロナウイルス感染症関連費用158百万円、賃貸費用157百万円などによるものであります。この結果、当連結会計年度の経常利益は44,036百万円となり、前連結会計年度に比べ1,094百万円の増益となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 当連結会計年度の特別利益は1,346百万円となりました。これは固定資産売却益473百万円、投資有価証券売却益223百万円、事業譲渡益210百万円などによるものであります。また、特別損失は1,897百万円となりました。これは、損害賠償金487百万円、損害補償損失引当金繰入額463百万円などによるものであります。この結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益29,208百万円となり、前連結会計年度に比べ160百万円減益となりました。

 

c.キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

ロ 資本の財源及び資金の流動性

(資金需要)

 コムシスグループの資金需要は、営業活動については、生産に必要な運転資金(材料・外注費及び人件費等)、従業員給与等の販売費及び一般管理費が主な内容であります。投資活動については、事業伸長・生産性向上及び新規事業立上げを目的とした設備投資が主な内容であります。

 

(財政政策)

 コムシスグループでは、有利子負債を圧縮し、連結ベースでの資金管理の強化を図るため、キャッシュマネジメントシステム(CMS)を導入しております。

 

ハ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)目標とする経営指標」における当連結会計年度の達成状況は次のとおりであります。

 当連結会計年度における売上高につきましては、589,028百万円(前期比4.6%増)となり、通期目標であった580,000百万円を達成いたしました。

 また、営業利益につきましては、42,963百万円(前期比3.3%増)となり、通期目標であった43,000百万円に対し未達となりました。

 

ニ セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

<日本コムシスグループの業績>

 日本コムシスグループは、通信事業者の設備投資が減少する中、ITソリューション事業、大型太陽光発電設備工事をはじめとする再生可能エネルギー事業及び公共関連事業などの受注拡大、M&Aによる事業領域拡大に取り組んでまいりました。

 当期の業績は、受注高265,648百万円(前期比9.0%減)、売上高292,433百万円(前期比4.7%増)となりました。営業利益は、経費削減等に継続的に努めてまいりましたが、19,297百万円(前期比8.9%減)となりました。

 セグメント資産は、完成工事未収入金等が増加したことなどにより、308,733百万円(前期比13.0%増)となりました。

 

<サンワコムシスエンジニアリンググループの業績>

 サンワコムシスエンジニアリンググループは、NCC設備事業において、グループリソースの活用により技術者を確保し、シェア拡大に取り組んでまいりました。また、ICT活用によるコスト削減にも努めてまいりました。その他事業においては、グループ間連携による受注拡大及びマルチスキル化による生産性向上に取り組んでまいりました。

 当期の業績は、受注高66,158百万円(前期比9.8%増)、売上高65,702百万円(前期比11.9%増)となり、営業利益も継続的な利益率改善の効果もあって7,000百万円(前期比15.6%増)となりました。

 セグメント資産は、完成工事未収入金等が増加したことなどにより、45,247百万円(対前期比15.8%増)となりました。

 

<TOSYSグループの業績>

 TOSYSグループは、通信事業者の設備投資が減少する中、電気設備事業や国土強靭化対策に向けた社会基盤事業などの受注拡大に取り組んでまいりました。

 当期の業績は、受注高29,088百万円(前期比11.2%減)となりましたが、売上高は施工体制強化により、工事進捗が堅調に推移し30,136百万円(前期比0.8%増)となりました。また、営業利益も経費削減に努め1,708百万円(前期比5.8%増)となりました。

 セグメント資産は、棚卸資産等の増加により、24,843百万円(前期比0.5%増)となりました。

 

<つうけんグループの業績>

 つうけんグループは、高度無線環境整備工事等の通信設備建設工事に加え、ITソリューション事業の受注拡大及びM&A等による事業領域拡大に取り組んでまいりました。

 当期の業績は、受注高56,573百万円(前期比0.7%増)、売上高59,844百万円(前期比14.2%増)となり、営業利益も、直接工事費をはじめとする各種コスト削減施策の取り組みにより6,297百万円(前期比47.1%増)となりました。

 セグメント資産は、完成工事未収入金等が増加したことなどにより、53,600百万円(前期比13.3%増)となりました。

 

<NDSグループの業績>

 NDSグループは、通信事業者からの設備建設工事、社会システム関連事業及びITソリューション事業の受注拡大に加え、M&Aによる事業領域拡大に取り組んでまいりました。

 当期の業績は、受注高は80,915百万円(前期比0.2%増)、売上高は77,763百万円(前期比1.8%減)となりました。営業利益は継続的な経費削減等に努め4,069百万円(前期比6.4%増)となりました。

 セグメント資産は、79,359百万円(前期比0.6%増)となりました。

 

<SYSKENグループの業績>

 SYSKENグループは、通信事業者の設備投資が減少する中、高度無線環境整備工事、5G基地局工事、大型太陽光発電設備工事等の受注・売上拡大に取り組んでまいりました。

 当期の業績は、前期好業績の反動減もあり、受注高27,853百万円(前期比17.8%減)、売上高32,481百万円(前期比3.0%減)となり、営業利益も工事管理の効率化による生産性向上に努めてまいりましたが、1,826百万円(前期比7.9%減)となりました。

 セグメント資産は、25,266百万円(前期比1.0%増)となりました。

<北陸電話工事グループの業績>

 北陸電話工事グループは、通信事業者からの設備建設工事・設備保守及び5G基地局工事・ネットワーク工事の他、高度無線環境整備工事、ITソリューション事業におけるシステム開発等の受注拡大にも取り組んでまいりました。

 当期の業績は、受注高16,814百万円(前期比0.3%増)、売上高16,909百万円(前期比4.5%増)となり、営業利益も627百万円(前期比22.8%増)となりました。

 セグメント資産は、14,100百万円(前期比2.6%減)となりました。

 

<コムシス情報システムグループの業績>

 コムシス情報システムグループは、通信事業者、官公庁及び金融機関等に向けたシステム開発及び構築等の受注拡大に取り組んでまいりました。

 当期の業績は、各事業者の投資抑制及び納期延伸等の影響を受け、受注高12,096百万円(前期比0.3%減)、売上高11,820百万円(前期比1.9%減)となりました。営業利益はプロジェクトマネジメントの徹底による利益改善効果もあり、1,675百万円(前期比9.3%増)となりました。

 セグメント資産は、受取手形・完成工事未収入金等が増加したことなどにより、9,985百万円(前期比8.1%増)となりました。

 

(参考)<当社(持株会社)の状況>

 当社は、日本コムシス株式会社等統括事業会社から経営管理料として1,375百万円、配当金として12,900百万円を収受いたしました。この結果、営業収益14,275百万円(前期比8.4%増)、営業利益12,931百万円(前期比9.3%増)及び当期純利益12,863百万円(前期比9.4%増)となりました。

 

② 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 コムシスグループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって、工事進行基準の進捗度、工事損失引当金の計上、固定資産の減損、棚卸資産の評価、退職給付債務及び年金資産の認識、繰延税金資産の計上等の重要な会計方針に関して、必要と思われる見積り及び判断を合理的な基準に基づき実施しておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらの見積りとは異なる場合があります。

 コムシスグループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 コムシスグループにおいて、連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる重要な見積りは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。

 なお、新型コロナウイルス感染症の影響等不確実性が大きく、将来の業績予測等に反映させることが難しい要素もありますが、現時点において入手可能な情報を基に検証等を行っております。

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 当連結会計年度におけるコムシスグループが支出した研究開発費の総額は、149百万円であります。なお、各セグメントごとの研究開発費は次のとおりであります。

 日本コムシスグループは、建設工事のDX推進に資する新技術の調査研究等に取り組んでおり、当連結会計年度の研究開発費の金額は、33百万円であります。

 NDSグループは、ネットワーク技術に関する研究開発及び通信設備工事に関連する技術開発と、新規事業分野に関する新商品及び新サービスの研究開発に取り組んでおり、当連結会計年度の研究開発費の金額は、69百万円であります。

 SYSKENグループは、通信設備部門の機械化、省力化、また電子情報化によるコストダウンと安全・品質の向上及びドローンを活用した新規事業分野の開発に取り組んでおり、当連結会計年度の研究開発費の金額は、33百万円であります。

 北陸電話工事グループは、安全・品質の向上に関する各事業の技術開発活動に取り組んでおり、当連結会計年度の研究開発費の金額は、13百万円であります。