当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針・経営戦略等
<コムシスグループ経営理念>
「豊かな生活を支えるインフラづくり」で社会の発展に貢献します
「未来をになうエンジニアリング」でお客様に選ばれ続ける企業を創ります
たゆまない改革を続けさらなる企業価値の向上を目指します
当社グループの事業分野は、通信キャリア事業における電気通信設備の構築・運営から、ITソリューション事業におけるITインフラ構築・ソフトウェア開発、社会システム関連事業における社会インフラ構築及び再生可能エネルギー設備構築に至るまで、社会・経済活動を根底から支える様々な分野のエンジニアリング事業を網羅しております。
この経営理念のもと、「通信基盤づくり×ITシステムづくり×社会システムづくり=無限の可能性」で新たな価値を届けるリーディングカンパニーを目指して、「社会」と「お客様」と「株主及びグループ従業員」に対して更に一層の貢献を図りつつ、コムシスグループ一体となり、様々な社会課題の解決に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献するとともに、さらなる企業価値の向上に取り組んでまいります。
|
社会 ~豊かな生活を支えるインフラづくり~ さまざまなインフラづくりを通して社会の発展に貢献していくことが使命であると考えております。 |
|
お客様 ~未来をになうエンジニアリング~ さらなる事業拡大を志向しながら品質・納期・価格などのサービス面でお客様より最大の評価をいただける 企業グループを目指します。 |
|
株主及びグループ従業員 ~たゆまない改革を続けさらなる企業価値の向上~ 人材のマルチスキル化、DXの推進など、生産性の向上やコスト競争力の強化を図り、厳しい競争環境に 打ち勝つ構造改革の取り組みを継続してまいります。 |
(2)目標とする経営指標
当社グループは、2030年度を最終年度とする「コムシスグループ2030ビジョン」を策定し、最終年度に次の数値目標の達成を目指しております。
|
最終年度(2030年度)の数値目標 |
|
|
売上高 |
8,000億円以上 |
|
営業利益 |
600億円以上 |
|
ROE |
10%を目指す |
|
株主還元 |
総還元性向70%目安
毎年5円以上増配 |
「コムシスグループ2030ビジョン」の達成に向け、次のような取り組みを展開してまいります。
1.日本の情報通信基盤の構築と運営を担っていくことは変わらぬ使命
|
・次世代通信網の面的展開は膨大な量であり、近い将来の急拡大に備え、新技術を展開できる力、体制を 作っていく。 ・変化に対する感度を高くし、技術を磨きながら情報通信インフラの変化に対応していく。 ・既存技術領域にも、エンジニアリング上の課題が残っているため、引き続き対応する。 |
2.豊かでサステナブルな社会づくりに向けて、高度で高品質なICTプラットフォーム、社会インフラ基盤を
構築し続ける
|
・クラウドベースのDX推進基盤の導入・運用をグループ内製化で実現する。 ・クラウド導入支援、ハイブリッド環境を構築していく。 ・AI/IoT、ローカル5G等を活用したDXソリューションを拡大していく。 ・持続可能で高品質な社会インフラを構築していく。 |
3.キャリア、デベロッパー、地方自治体等は様々な社会課題解決を前面に打ち出しており、必ずICT・DXを
求められることから、社会実装するために我々が持つエンジニアリング力を発揮する
|
・今のお客様とさらに強固な関係を築くとともに、新たなお客様から信用を得て、今後の受注拡大につなげる。 ・技術やノウハウの蓄積・アライアンスパートナー・グループ内連携、M&Aを含め、実行体制を強化する。 |
(3)経営環境及び対処すべき課題
当社を取り巻く経営環境につきましては、インバウンド需要等による個人消費の回復や雇用・所得環境の改善により、景気の緩やかな回復が続いておりましたが、地政学的リスクの高まり、エネルギー価格及び原材料価格の高騰、金融資本市場の変動等の影響に注意が必要な状況が続いております。
当社グループを取り巻く事業環境につきましては、通信インフラ分野においては、デジタルインフラの強靭化等に対応したデータセンター間相互接続の需要の拡大、首都圏過密地域でのモバイルトラヒックの増加に伴う通信品質問題への対応等、電気通信工事は引き続き十分な工事量が見込まれております。
ITソリューション分野においては、市場全体が継続的に拡大しており、近年はデジタル技術による社会の課題解決に向けて行政・教育・医療・防災等の分野においてデータ連携基盤の整備が進められております。
社会インフラ分野においては、データセンターや半導体工場の建設、都市部における大規模再開発プロジェクト、自然災害等に対応した防災・減災、国土強靭化等が進められております。国土形成計画においては、インフラのハード面の機能とICT技術を活用したソフト施策を組み合わせたインフラの高度化を図ることが求められております。更に、2050年カーボンニュートラルの実現に向けたGX成長投資も期待されております。
通信インフラ分野、ITソリューション分野、社会インフラ分野については、今後も成長が見込まれる市場であると見込んでおります。
また、DXを活用した生産性の向上、新卒・中途採用による多様な人材の確保、社員エンゲージメントの向上、多様で柔軟な働き方改革の深化等により、当社グループの経営基盤強化を図ってまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティ全般
① ガバナンス
当社グループでは、SDGsへの貢献と持続的な企業価値向上を目的とし、サステナビリティの推進に向けたマネジメント体制を構築しており、代表取締役社長を委員長とした「サステナビリティ委員会」を設置し、リスクと機会の分析からサステナビリティの推進に向けたマテリアリティ(重要課題)を設定し、取り組みを行っております。
本委員会は年2回開催し、課題の見直しと取り組みの方向性を決定しております。委員会での検討内容は監査等委員会及び取締役会に報告しており、経営に関する重要テーマについては、経営会議及び取締役会にて審議を経たうえで決定しております。
サステナビリティに関する会議体
|
会議名 |
内容 |
メンバー |
開催頻度 |
|
サステナビリティ 委員会 |
サステナビリティ推進の具体的な方針・戦略や実施計画の議論・審議及び実施状況のモニタリングを行う |
取締役(社外取締役除く)、理事、関連組織長 |
2回/年 |
|
経営会議 |
業務執行の効率化を高めるため、重要な意思決定事項について審議及び決議を行う |
取締役(社外取締役除く)、理事、関連組織長 |
1回/1ヶ月 |
|
取締役会 |
法令で定められた事項及び経営に関する重要事項について意思決定を行う |
取締役 |
1回/2ヶ月 |
|
サステナビリティ委員会討議内容 |
|
サステナビリティ推進体制図 |
|
|
開催日 |
主な討議内容 |
|
|
|
2024年9月 |
重要課題の取り組み状況、 GHG排出量算出結果及び削減施策進捗状況、 資源循環の取り組み検討、外部評価機関の対応強化 |
|
|
|
2025年3月 |
2025年度及び中期経営計画に向けた取り組み |
|
|
|
|
|
|
|
|
経営会議討議内容 |
|
|
|
|
開催日 |
主な討議内容 |
|
|
|
2024年6月 |
非化石証書の代理購入会社選定及び購入方法、 GHG排出量可視化ツールの導入 |
|
|
|
2024年12月 |
コムシスグループ各種方針制定 (人権方針、環境方針、コンプライアンス方針、調達基本方針、サプライチェーンサステナビリティ推進ガイドライン) |
|
|
|
2025年2月 |
コムシスグループ各種方針制定 (情報セキュリティ方針、安全衛生方針、品質管理方針) |
|
|
|
2025年3月 |
マルチステークホルダー方針改定 |
|
|
② 戦略
当社グループでは、事業活動を通じて社会課題を解決し、持続可能な成長を実現するために、特に重要な「5つのマテリアリティ(重要課題)」を設定しております。これらの課題は、事業環境や社会情勢の変化を考慮しながら定期的に見直しを行い、社会貢献と企業価値の向上を両立させる取り組みを推進しております。
「5つのマテリアリティ(重要課題)」
|
マテリアリティ |
リスク/機会 |
施策 |
|
エンジニアリング力とイノベーションによる社会への貢献 |
・ニーズ変化による技術の陳腐化 ・規制対応不足による信頼の低下 |
・技術革新と規制対応強化による信頼性の向上 ・多様なニーズへの対応による事業成長 |
|
・インフラ支援を通じた信頼向上 ・ニーズ多様化による事業拡大と成長 |
||
|
地球環境保全への対応 |
・省エネ政策による短期費用上昇 ・環境対応遅れによる信頼低下 |
・カーボンニュートラルの実現 ・資源循環の実現 ・自然との共生 |
|
・再エネ需要増による需要向上 ・脱炭素推進による効率化とコスト削減 |
||
|
人材力強化と柔軟な働き方の推進 |
・エンゲージメント低下による離職率上昇 ・人材確保困難による競争力低下 |
・組織文化の醸成 ・働きやすさの追求 ・人材マネジメントの最適化 |
|
・優秀人材確保で競争力強化 ・多様な働き方でイノベーション促進 |
||
|
安全・安心と品質の追求 |
・安全管理不足による信頼低下 ・品質基準の未達による信頼低下 |
・安全管理の徹底 ・品質の追求 |
|
・安全意識向上による労働環境の改善 ・信頼向上と持続可能性強化 |
||
|
ガバナンスの深化 |
・透明性欠如による信頼低下 ・リスク管理不足による課題増加 |
・コンプライアンスの強化 ・サイバーセキュリティの強化 ・人権尊重の推進 ・リスク管理と情報開示の強化 |
|
・ガバナンス強化による信頼向上 ・ESG経営で外部評価と企業価値向上 |
③ リスク管理
当社グループでは、リスクマネジメントを推進するために「リスク管理基本方針」に基づき策定した「リスク管理規程」において、リスクマネジメントに関する基本的事項を定めております。また、代表取締役社長を委員長、当社取締役及び統括事業会社社長を委員とする「リスク・コンプライアンス委員会」を定期的に開催し、グループ全体における事業リスクを特定し、リスクの影響度に応じた対応を行っております。さらに、グループ各社においても同様に適切な会議体においてリスクに応じた対応を行っております。
④ 指標及び目標
当社グループは、マテリアリティの解決に向けた指標及び目標を設定しております。
|
マテリアリティ |
2030年度 目標/KPI |
|
エンジニアリング力とイノベーションによる社会への貢献 |
当社経営理念に基づく事業活動を通じた社会課題への解決 |
|
地球環境保全への対応 |
・Scope1・2 削減率:42% ・Scope3 削減率:25% ・産業廃棄物最終処分率:1.5% ・グリーン調達率:90% ・自然に配慮した設計施工の推進 |
|
人材力強化と柔軟な働き方の推進 |
・エンゲージメントスコア:改善の継続 ・付与有休休暇消化率:90% ・男性社員育児休業取得率:100% ・資格者数:取得者数の増加 |
|
安全・安心と品質の追求 |
・重大な人身事故発生件数:0件 ・重大な品質トラブル発生件数:0件 ・顧客満足度の向上 |
|
ガバナンスの深化 |
・重大なコンプライアンス事案:0件 ・重大なセキュリティインシデント:0件 ・人権尊重文化の醸成と実践 ・サプライチェーンを含む各種ステークホルダーとの対話の推進 |
マテリアリティの詳細については、以下のURLよりご覧ください。
https://www.comsys-hd.co.jp/sustainability/materiality.html
(2)気候変動
① ガバナンス
気候変動への対応は、マテリアリティの一つである「地球環境保全への対応」の中の重要な取り組みと位置づけており、課題への取り組みについては、サステナビリティ委員会において、気候関連リスクと機会に対する戦略を決定し、毎年の事業計画に反映するとともに、進捗状況、達成度等のモニタリングを行います。このうち、経営に関する重要テーマについては、経営会議及び取締役会にて審議を経たうえで決定します。
② 戦略
気候変動への対応については、脱炭素社会へ移行していくために発生する影響や気象変動による物理的な影響の面から将来的に発生し得る気候変動関連のリスクと機会を分析・評価しました。脱炭素社会への移行により今後想定される事業による影響及び気候変動による物理的影響をリスクとして特定し、炭素税の導入及び再生可能エネルギー由来電力への転換によるコスト増加について、財務への影響を定量的に算出しました。また、当社グループ事業の関わりとして、再生可能エネルギー事業の需要拡大並びに頻発・激甚化する自然災害に備えるための無電柱化ニーズや社会インフラの改修・耐震化を今後の見込まれる機会として特定いたしました。これらのリスク・機会に対して対応の検討を進め、事業戦略へ組み込んでまいります。
③ リスク管理
気候変動関連のリスクと機会については、サステナビリティ委員会が中心となり、気候変動に伴う外部・内部環境の変化が事業に影響を与えるリスクと機会を分析・評価し、その結果を気候変動戦略として事業戦略に反映することにより、気候関連リスクへの対応と機会実現を図ります。
④ 指標及び目標
当社グループでは、上記「(2)気候変動 ②戦略」において記載した気候変動に関する対応について、2031年3月期と2051年3月期に向けた温室効果ガス削減目標を2022年5月に設定しております。
|
項目 |
削減目標(2031年3月期の目標について、SBTイニシアチブの認定を取得) |
|
Scope1+Scope2 |
2031年3月期までに2021年3月期を基準として42%削減 2051年3月期カーボンニュートラル |
|
Scope3 |
2031年3月期までに2021年3月期を基準として25%削減 |
気候変動関連の詳細については、統合報告書(環境経営)をご覧ください。
当社統合報告書2024 https://www.comsys-hd.co.jp/ir/library/report.html
(3)人的資本
① ガバナンス
人的資本・多様性への対応は、マテリアリティの一つである「人材力強化と柔軟な働き方の推進」の中の重要な取り組みと位置づけており、課題への取り組みについては、サステナビリティ委員会において、人的資本関連リスクと機会に対する戦略を決定し、毎年の事業計画に反映するとともに、進捗状況、達成度等のモニタリングを行います。このうち、経営に関する重要テーマについては、経営会議及び取締役会にて審議を経たうえで決定します。
② 戦略
当社では、企業価値の向上、豊かな社会の実現、社員のエンゲージメント向上はいずれも欠くことのできない、そして、相互に依存しあう重要なテーマであると認識しております。社員のエンゲージメント向上に向けては、当社グループ各社が実施している優良事例の展開など、当社グループ一丸となって継続的に取り組んでまいります。
イ 組織文化の醸成
当社では、社員一人ひとりが理念やビジョンに共感し、「コムシスグループのありたい姿」に向けて組織や職場での連帯感を生み出す活動や働きがいを実感できる制度や施策を推進しており、具体的な施策として以下の取り組みを行ってまいります。
■目指す未来への共感が生む連帯感
・「現場が主役」の職場改善活動
・安全コミュニケーション活動
・職場の声を聞き取る仕組みづくり
■働きがいの実感
・社内公募・社内FAの導入
・事業の成長を社員が喜ぶ仕組み
(持株会奨励金の引き上げ、自社株付与制度の導入・推進)
ロ 働きやすさの追求
ICTを活用したDXを推進して業務の効率化や省力化を図り、柔軟な働き方やワークライフバランスを実現することにより、社員が働きやすい環境の構築に取り組み、健康経営を推進しております。また、多様な人材の活躍が持続的な成長に必須であり、ダイバーシティを推進し、多様なバックグラウンドや価値観を尊重する環境づくりにも取り組んでおります。さらに、女性社員を積極的に採用し、女性の活躍にフォーカスした各種取り組みを進め、女性管理職比率の向上にも取り組んでおります。具体的な施策として以下の取り組みを行ってまいります。
■健康経営
・時間外労働削減
・計画年休・ブリッジ休暇・プラスワン休暇の取得推進
・ワークエンゲージメントオフィスの導入、拡大
・熱中症対策、作業性を考慮したユニフォーム・ツール等の導入
■ダイバーシティ
・女性社員のキャリア形成支援
・女性社員同士が対話する場の設置
・男性の育児休暇取得推進と休業支援金制度の拡充
ハ 人材マネジメントの最適化
マネジメント能力開発に重点を置いた階層別研修や、複合技術者の育成、資格取得への各種支援制度の推進など、新たな事業環境に対応した人材育成・採用を進めております。当社グループの事業領域拡大に伴い、建設元請けとしてのプロジェクトマネジメントだけではなく、プロジェクトの企画立案から体制構築、社内外との連携、ファイナンス面でのスキーム検討などの総合的なマネジメント能力がますます求められております。他方で現場レベルにおいては、通信キャリアの設備投資の漸減と保守運営も含めたアウトソースが本格化しており、従来の枠組みにとらわれないマルチスキル化が生産性向上のポイントとなっております。当社グループの事業に不可欠な施工関連やIT関連の技術者層・有資格者の拡大も今後の事業基盤強化には必須の取り組みであり、計画的な育成・採用も行ってまいります。
また、当社グループ各社が備えてきた研修アイテムなどの相互利活用により多様な人材を育成するとともに、次世代の事業運営を担う人材の育成を目的にグループを横断した運営体制で人材育成を行っております。
さらに、事業領域拡大により多様なインフラ建設を求められる当社グループの環境を鑑み、グループの垣根を超えてワンストップで社会課題や事業機会に応えるため、幹部社員並びに幹部候補者のグループ内人事交流等を実施し、経営幹部の育成も行っており、具体的な施策として以下の取り組みを行ってまいります。
■採用
・中途・リファラル採用の強化
・初期配属コミットコースの推進
・インターンシップ強化
■人材育成
・資格取得制度の充実
・各種研修の充実
・研修設備の整備
■配置・登用
・グループ連携の要員流動推進
・タレントマネジメントの深化、拡充
③ リスク管理
人的資本・多様性関連のリスクと機会については、サステナビリティ委員会が中心となり、人的資本・多様性に関連する変化が事業に影響を与えるリスクと機会を分析・評価し、その結果を人材戦略として事業戦略に反映することで、人的資本・多様性関連リスクへの対応と機会実現を図ります。
④ 指標及び目標
当社グループでは上記「(3)人的資本 ②戦略」において記載した人的資本・多様性に関する対応については、次のとおりであります。
なお、当社グループの主要な連結子会社において、関連する指標のデータ管理とともに具体的な取り組みを行っておりますが、現時点では必ずしも当社グループに属するすべての連結子会社で同様には行われていないため、当社グループとしての記載が困難であります。このため、以下に示します人数及びその比率につきましては、当社及び主要な連結子会社9社における数値となります。
イ 「コムシスグループ2030ビジョン」における「人材力強化と柔軟な働き方の推進」の2030年度目標
|
項目 |
指標及び目標(2031年3月期の目標) |
|
エンゲージメントスコア |
改善の継続 |
|
付与有給休暇消化率 |
90% |
|
男性社員育児休業取得率 |
100% |
|
資格者数(会社が指定する資格) |
取得者数の増加 |
ロ 女性社員
当社では連結子会社の規模や事業構成が異なることから、各社にて目標を立て対応をしております。
2025年3月時点の女性管理職は60名であり、2021年4月から12名増加しております。また、2025年4月の女性新卒採用者数は52名であり、新卒採用者に占める女性比率は21%です。なお、連結子会社各社における管理職に占める女性労働者の割合は、連結子会社のうち主要な連結子会社のものについては「
ハ 外国人社員
当社グループ事業が国内中心という特性に鑑み、測定可能な目標は設定しておりません。2025年3月時点では、管理職ではありませんが13名の外国人社員が活躍しております。
ニ 中途採用社員
即戦力として毎年中途採用社員が経営幹部として入社しております。2025年3月時点で、2,079名の中途採用社員が活躍しており、うち733名が管理職です。管理職に占める中途採用社員比率は31.8%であり、今後も30%を下回らないことを目標に取り組んでまいります。
ホ 男性の育児休業取得推進
当社グループでは、多様性を尊重し充実した生活を送るためのワークライフバランスを実現する「働き方改革」の一つとして、男性の育児休業取得推進に取り組んでおります。グループ一律の目標は示しておりませんが、各グループ会社において独自の制度を導入するなど、積極的に取り組みを行っております。なお、連結子会社各社における男性の育児休業取得率は、連結子会社のうち主要な連結子会社のものについては「
ヘ 障がい者の雇用
障がい者がごく普通に地域で暮らし、地域の一員として共に生活できる共生社会実現の理念のもと、当社グループでは各々の障がいの状況に配慮し、活き活きと働ける職場環境の整備にあたっています。2025年3月時点で社員全体の2.5%にあたる障がい者の社員が働いています。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成
績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおり
であります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)特定取引先への依存に伴うリスク
当社グループの主たる事業はNTTグループやNCC各社を主要取引先とした通信キャリア事業であり、通信キャリア各社との取引比率が高く、この傾向は当面継続することが見込まれることから、NTTグループを始め通信キャリアの設備投資動向や技術革新等により、当社グループの業績に影響を及ぼすリスクを有しております。
このため、通信キャリア事業は維持しつつ、ITソリューション事業や社会システム関連事業の拡大に取り組むとともに、新たな事業領域の拡大にも取り組んでおります。
(2)安全品質に関するリスク
重大な設備事故や人身事故及び品質に重大な問題を発生させた場合、各取引先からの信頼を失うとともに、一定期間指名停止等による受注機会の喪失や暇庇担保責任等を負うことにより、当社グループの業績に影響を及ぼすリスクを有しております。
このため、「安全・品質と信頼の確保」を最優先に、人身事故はもとより設備事故を含めた「事故の撲滅」を目標として、協力会社を含めた社員研修等の実施により、工事の安全品質管理の徹底に取り組んでおります。
(3)個人情報を含む重要な情報の流出に関するリスク
個人情報を含む取引先から提供された重要な情報等の管理に関して、万が一、預かった重要な情報の流出や外部からの不正アクセス等の犯罪行為による情報漏洩が発生した場合、各取引先からの信頼を失うとともに、管理に関わる損害賠償責任を負うこと等により、当社グループの業績に影響を及ぼすリスクを有しております。
このため、統括事業会社においては各々認証を受けているISMS (情報セキュリテイマネジメントシステム)やプライバシーマークに基づき情報セキュリティの適切な運営・管理を行うとともに、当社グループ一体となり情報漏洩防止等の取り組みを徹底しております。
(4)自然災害等に伴うリスク
大規模な地震や台風等の自然災害、パンデミックが発生した場合、社員や協力会社及び建物設備等に直接被害を受けるほか、ライフラインの停止や燃料の不足、工事用資材や人員の不足等により、工事が中断または遅延するなど当社グループの業績に影響を及ぼすリスクを有しております。
このため、各統括事業会社において、BCP(事業継続計画)の策定や社員安否確認システムの整備、定期的な防災訓練、リモートワーク環境の整備等を行っております。
(5)保有資産に関するリスク
事業運営上の必要性から、不動産や有価証券等の資産や年金資産を保有しているため、時価の変動等により資産が毀損し、当社グループの業績に影響を及ぼすリスクを有しております。
このため、事業運営上不要となった不動産については売却を進めるとともに、保有している有価証券が資本コストに見合っているかを毎年検証し、妥当性が認められなくなったものについては順次売却・縮減を行っております。また、年金資産については、専門家をメンバーに加えて定期的に開催している資産運用委員会における年金資産のリスクを分散する運用方針の決定等、時価変動による影響の抑制に取り組んでおります。
(6)取引先の信用リスク
顧客や外注先等の取引先の信用不安が発生した場合、顧客からの工事代金の回収不能や外注先の工事の施工遅延等により、当社グループの業績に影響を及ぼすリスクを有しております。
このため、取引先に関して外部調査機関等を利用して与信管理を厳格に行うとともに、法務部門が契約書審査を直接行うなど、信用リスク回避に取り組んでおります。
(7)資材調達に関するリスク
自然災害や地政学リスクによるサプライチェーンへの影響で、資材の調達難または納入遅延により、工事が中断・遅延する場合があります。また、上記影響による資材・エネルギー価格の高騰により、採算性が悪化する場合があります。
このため、調達先の多様化や工事価格への転嫁、資材価格が高騰した場合の条項を契約に盛り込むなど、リスク低減に取り組んでおります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績
等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
通信キャリア事業においては、10Gインターネット光回線の需要に向けた開通工事、都市部を中心とした通信品質対応工事等の既存事業に加え、インフラシェアリング事業等の新規顧客獲得に向けた営業力強化、アクセス・モバイル事業一体運営等の事業基盤強化に取り組んでまいりました。
ITソリューション事業においては、アライアンスパートナーとの協業による大型案件の獲得、通信キャリア事業との連携によるリソースマネジメント及びプロジェクトマネジメント等の体制強化、首都圏での一体運営強化及びフルレイヤソリューションの提供に取り組んでまいりました。
社会システム関連事業においては、トップラインの拡大に向けてデータセンター案件、大型高速道路案件、無電柱化案件、大規模建物電気設備案件、首都圏大型再開発案件等について、グループ連携による体制強化を図り取り組んでまいりました。また、需要が高まっているデータセンター間相互接続のために伝送路工事も実施してまいりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
イ 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、539,730百万円(前期比4.9%増)となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、158,747百万円(前期比8.3%増)となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、380,983百万円(前期比3.5%増)となりました。
ロ 経営成績
当連結会計年度の経営成績は、受注高638,824百万円(前期比3.4%増)、売上高614,631百万円(前期比7.6%増)となりました。
また、損益につきましては、営業利益45,998百万円(前期比17.3%増)、経常利益46,650百万円(前期比15.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益30,076百万円(前期比9.6%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
|
グループ別の受注高・売上高・セグメント利益[営業利益] |
|
|
|
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
セグメントの名称 |
受注高 |
売上高 |
セグメント利益 [営業利益] |
|||
|
金額 |
増減率 |
金額 |
増減率 |
金額 |
増減率 |
|
|
日本コムシスグループ |
332,117 |
10.0% |
310,138 |
18.1% |
23,672 |
35.9% |
|
サンワコムシスエンジニアリンググループ |
27,673 |
△56.3% |
40,021 |
△34.6% |
1,642 |
△58.1% |
|
TOSYSグループ |
36,210 |
△4.6% |
36,218 |
8.1% |
2,634 |
21.6% |
|
つうけんグループ |
77,198 |
14.9% |
69,642 |
3.4% |
7,275 |
10.5% |
|
NDSグループ |
92,761 |
11.6% |
87,011 |
3.8% |
5,607 |
14.9% |
|
SYSKENグループ |
32,658 |
3.4% |
33,684 |
7.0% |
1,597 |
15.2% |
|
北陸電話工事グループ |
19,667 |
12.7% |
18,262 |
11.3% |
1,450 |
91.2% |
|
コムシス情報システムグループ |
18,688 |
40.1% |
17,802 |
37.1% |
1,738 |
7.3% |
(注) 「受注高」及び「売上高」は外部顧客への取引高を記載しております。なお、「セグメント利益」は当社及びセグメント間取引により生じた利益を含んでおります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ13,785百万円減少し、38,146百万円(前期比26.5%減)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(単位:百万円)
|
|
営業活動による キャッシュ・フロー |
投資活動による キャッシュ・フロー |
財務活動による キャッシュ・フロー |
現金及び現金同等物 期末残高 |
|
当連結会計年度 |
16,625 |
△10,215 |
△20,217 |
38,146 |
|
前連結会計年度 |
44,275 |
△15,941 |
△17,214 |
51,932 |
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループが営んでいる事業の大部分を占める通信キャリア事業では生産実績を定義することが困難であり、また請負形態をとっているため販売実績という定義は実態にそぐいません。
よって「生産、受注及び販売の状況」については、当社の連結での受注、売上及び手持高の状況をセグメント別に記載しております。
イ 受注実績
|
セグメントの名称 |
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) (百万円) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) (百万円) |
増減率 (%) |
|
日本コムシスグループ |
302,025 |
332,117 |
10.0 |
|
サンワコムシスエンジニアリンググループ |
63,345 |
27,673 |
△56.3 |
|
TOSYSグループ |
37,960 |
36,210 |
△4.6 |
|
つうけんグループ |
67,208 |
77,198 |
14.9 |
|
NDSグループ |
83,141 |
92,761 |
11.6 |
|
SYSKENグループ |
31,573 |
32,658 |
3.4 |
|
北陸電話工事グループ |
17,445 |
19,667 |
12.7 |
|
コムシス情報システムグループ |
13,339 |
18,688 |
40.1 |
|
その他 |
1,878 |
1,848 |
△1.6 |
|
合計 |
617,917 |
638,824 |
3.4 |
(注) 受注実績は外部顧客への取引高を記載しております。
ロ 売上実績
|
セグメントの名称 |
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) (百万円) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) (百万円) |
増減率 (%) |
|
日本コムシスグループ |
262,570 |
310,138 |
18.1 |
|
サンワコムシスエンジニアリンググループ |
61,202 |
40,021 |
△34.6 |
|
TOSYSグループ |
33,503 |
36,218 |
8.1 |
|
つうけんグループ |
67,355 |
69,642 |
3.4 |
|
NDSグループ |
83,799 |
87,011 |
3.8 |
|
SYSKENグループ |
31,477 |
33,684 |
7.0 |
|
北陸電話工事グループ |
16,412 |
18,262 |
11.3 |
|
コムシス情報システムグループ |
12,986 |
17,802 |
37.1 |
|
その他 |
1,878 |
1,848 |
△1.6 |
|
合計 |
571,186 |
614,631 |
7.6 |
(注)1 売上実績は外部顧客への取引高を記載しております。
2 主な相手先別の売上及びその割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
東日本電信電話株式会社 |
102,400 |
17.9 |
97,963 |
15.9 |
|
西日本電信電話株式会社 |
56,484 |
9.9 |
62,014 |
10.1 |
ハ 手持高
|
セグメントの名称 |
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) (百万円) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) (百万円) |
増減率 (%) |
|
日本コムシスグループ |
155,897 |
177,877 |
14.1 |
|
サンワコムシスエンジニアリンググループ |
23,791 |
11,442 |
△51.9 |
|
TOSYSグループ |
13,053 |
13,045 |
△0.1 |
|
つうけんグループ |
11,110 |
18,667 |
68.0 |
|
NDSグループ |
22,070 |
27,820 |
26.1 |
|
SYSKENグループ |
9,141 |
8,115 |
△11.2 |
|
北陸電話工事グループ |
3,219 |
4,624 |
43.6 |
|
コムシス情報システムグループ |
2,474 |
3,359 |
35.8 |
|
その他 |
- |
- |
- |
|
合計 |
240,759 |
264,953 |
10.0 |
(注) 手持高は外部顧客への取引高を記載しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ 経営成績等
a.財政状態
(資産の部)
当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ25,400百万円増加し、327,747百万円となりました。主な要因は以下のとおりであります。
|
流動資産 |
増減額(△は減少) |
主な要因 |
|
現金預金 |
△13,712百万円 |
日本コムシスグループにおける減少 |
|
受取手形・完成工事未収入金等 |
30,503百万円 |
日本コムシスグループにおける増加 |
|
未成工事支出金等 |
5,124百万円 |
日本コムシスグループにおける増加 |
|
リース投資資産 |
2,279百万円 |
つうけんグループにおける増加 |
固定資産は、前連結会計年度末に比べ317百万円減少し、211,983百万円となりました。主な要因は以下のとおりであります。
|
固定資産 |
増減額(△は減少) |
主な要因 |
|
有形固定資産 |
△351百万円 |
建物・構築物の減価償却による減少 |
|
無形固定資産 |
△707百万円 |
のれんの償却による減少 |
|
投資その他の資産 |
741百万円 |
退職給付に係る資産の増加 |
この結果、資産合計は、前連結会計年度末に比べ25,083百万円増加し、539,730百万円となりました。
(負債の部)
当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ13,604百万円増加し、137,932百万円となりました。主な要因は以下のとおりであります。
|
流動負債 |
増減額(△は減少) |
主な要因 |
|
支払手形・工事未払金等 |
11,225百万円 |
日本コムシスグループにおける増加 |
|
未払法人税等 |
4,187百万円 |
日本コムシスグループにおける増加 |
固定負債は、前連結会計年度末に比べ1,448百万円減少し、20,815百万円となりました。主な要因は以下のとおりであります。
|
固定負債 |
増減額(△は減少) |
主な要因 |
|
繰延税金負債 |
△572百万円 |
日本コムシスグループにおける減少 |
|
退職給付に係る負債 |
△493百万円 |
NDSグループにおける減少 |
|
その他 |
△341百万円 |
NDSグループにおける長期リース債務の減少等による減少 |
この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べ12,156百万円増加し、158,747百万円となりました。
(純資産の部)
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ12,927百万円増加し、380,983百万円となりました。主な要因は以下のとおりであります。
|
純資産 |
増減額(△は減少) |
主な要因 |
|
利益剰余金 |
16,990百万円 |
親会社株主に帰属する当期純利益の計上による増加 |
この結果、自己資本比率は69.3%(前連結会計年度末は70.3%)となりました。
b.経営成績
(売上高)
通信キャリア事業における固定系の光回線開通工事や都市部を中心としたモバイル系の通信品質対応工事の受注拡大、ITソリューション事業におけるアライアンスパートナーとの協業による大型案件の獲得、社会システム関連事業におけるデータセンター及び高速道路関連設備等の受注拡大により、当連結会計年度の売上高は614,631百万円となり、前連結会計年度に比べ43,445百万円の増収となりました。
(営業利益)
売上高の増加に加え、当社グループ全体最適化に向けた通信キャリア事業における事業体制の刷新、子会社間の事業再編など事業基盤強化及びDXを活用した生産性向上などの取り組みにより、当連結会計年度の営業利益は45,998百万円となり、前連結会計年度に比べ6,776百万円の増益となりました。
(経常利益)
当連結会計年度の営業外収益は1,663百万円となりました。これは受取配当金858百万円、固定資産賃貸料285百万円などによるものであります。また、営業外費用は1,011百万円となりました。これは、貸倒引当金繰入額673百万円、賃貸費用140百万円などによるものであります。この結果、当連結会計年度の経常利益は46,650百万円となり、前連結会計年度に比べ6,253百万円の増益となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の特別利益は343百万円となりました。これは固定資産売却益58百万円、投資有価証券売却益267百万円などによるものであります。また、特別損失は1,825百万円となりました。これは、固定資産除却損463百万円、事業構造改革費用205百万円、減損損失515百万円などによるものであります。この結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は30,076百万円となり、前連結会計年度に比べ2,623百万円の増益となりました。
c.キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
ロ 資本の財源及び資金の流動性
(資金需要)
当社グループの資金需要は、営業活動については、生産に必要な運転資金(材料・外注費及び人件費等)、従業員給与等の販売費及び一般管理費が主な内容であります。投資活動については、事業伸長・生産性向上及び新規事業立上げを目的とした設備投資が主な内容であります。
(財政政策)
当社グループでは、有利子負債を圧縮し、連結ベースでの資金管理の強化を図るため、キャッシュマネジメントシステム(CMS)を導入しております。
ハ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
2025年3月期を最終年度とする「コムシスビジョン NEXT STAGE 2023+1」における当連結会計年度の達成状況は次のとおりであります。
当連結会計年度における売上高につきましては、614,631百万円(前期比7.6%増)となり、通期目標であった600,000百万円を達成いたしました。
また、営業利益につきましては、45,998百万円(前期比17.3%増)となり、通期目標であった40,000百万円を達成いたしました。
ニ セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
<日本コムシスグループの業績>
日本コムシスグループの当期業績につきましては、売上高においては、ITソリューション事業での営業力強化による大型システム基盤更改案件の受注獲得、通信事業者からの通信品質対応工事や、社会システム関連事業の大型データセンター工事・高速道路関連工事・大規模建物電気設備工事の大幅な進捗、コムシスグループ内組織改編によるサンワコムシスエンジニアリング株式会社のITソリューション事業、社会システム関連事業の事業移管及び子会社の移管等の影響で増収となりました。損益面においては、売上高増加により増益となりました。
<サンワコムシスエンジニアリンググループの業績>
サンワコムシスエンジニアリンググループの当期業績につきましては、売上高においては、通信事業者の設備投資抑制による影響の他、コムシスグループ内組織改編において、ITソリューション事業、社会システム関連事業を日本コムシス株式会社へ事業移管し、子会社を日本コムシス株式会社及びコムシス情報システム株式会社へ移管したことにより減収となりました。損益面においては、業務集約による内製化及び効率化により生産性向上を図ってまいりましたが、売上連動による利益の減少をカバーできず減益となりました。
<TOSYSグループの業績>
TOSYSグループの当期業績につきましては、売上高においては、通信事業者からの通信品質対応工事の他、ITソリューション事業における自治体基盤システムの構築及びクラウドマネージドサービス提供による企業DX支援、また社会システム関連事業におけるPFI事業や大型施設の電気設備工事等の受注拡大が大きく業績を引き上げ、増収となりました。損益面においては、売上高増加に加え、これまで進めてきた社内プラットフォーム整備による業務DXの各種取り組みにより増益となりました。
<つうけんグループの業績>
つうけんグループの当期業績につきましては、売上高においては、通信事業者の設備投資抑制はあるものの、既存技術を活用した民間案件(電力、鉄道)の領域拡大、防衛・自治体通信工事への進出、NCC電気通信事業のアライアンス拡大、ITソリューション事業における行政DX案件、既存ソフトウェア開発案件の掘り起しにより増収となりました。損益面においては、売上高増加に加え、既存通信事業とNCC事業の融合による徹底したコストコントロールの成果と事業部/事業グループ間連携による生産性向上に取り組み増益となりました。
<NDSグループの業績>
NDSグループの当期業績につきましては、売上高においては、通信事業者からの電磁誘導対策工事や通信品質対応工事、社会システム関連事業における電力配電設備工事の拡大や高速道路関連工事が順調に拡大した他、ITソリューション事業での大手ホテルチェーンからのVOD端末設置案件が大きく拡大し増収となりました。損益面においては、売上高増加に加え、RPA等を活用したDXの推進及び人材リソースの最適化により生産性向上を図り増益となりました。
<SYSKENグループの業績>
SYSKENグループの当期業績につきましては、売上高においては、民需・公共事業における大型案件の受注拡大に取り組み、社会システム関連事業における電気通信設備工事や太陽光発電工事等の受注、通信キャリア事業におけるNTT事業及びモバイル事業が好調に推移し増収となりました。損益面においては、売上高増加に加え、通信費、業務委託費等の経費削減に取り組み、増益となりました。
<北陸電話工事グループの業績>
北陸電話工事グループの当期業績につきましては、売上高においては、通信事業者からの電力工事やモバイル工事、ITソリューション事業における通信事業者間システムの開発、社会システム関連事業における道路付帯工事の受注、電気通信設備工事の拡大、また令和6年能登半島地震及び令和6年奥能登豪雨の復旧・復興工事により増収となりました。損益面においては、売上高増加に加え、建設・保守の一体運営や組織運営体制の見直しによるリソースの融通、業務効率化施策の展開と拠点集約等の生産性向上を図り増益となりました。
今後も引き続き令和6年能登半島地震及び令和6年奥能登豪雨による災害で被災した通信設備の復旧・復興に取り組んでまいります。
<コムシス情報システムグループの業績>
コムシス情報システムグループの当期業績につきましては、売上高においては、通信事業者、官公庁及び金融機関等のシステム開発・構築等の受注拡大、情報通信のDXや官公庁システムのモダナイズ等の事業の拡大に加え、コムシスグループ内組織改編による子会社の移管により増収となりました。損益面においては、売上高増加に加え、プロジェクトのリスクマネジメントの徹底により増益となりました。
(参考)<当社(持株会社)の状況>
当社は、日本コムシス株式会社、サンワコムシスエンジニアリング株式会社等の統括事業会社から経営管理料として1,570百万円、配当金として13,000百万円を収受いたしました。この結果、営業収益14,570百万円、営業利益13,042百万円及び当期純利益12,985百万円となりました。
② 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって、一定期間にわたり収益を認識する売上高、工事損失引当金の計上、貸倒引当金の計上、固定資産の減損、棚卸資産の評価、退職給付債務及び年金資産の認識、繰延税金資産の計上等の重要な会計方針に関して、必要と思われる見積り及び判断を合理的な基準に基づき実施しておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらの見積りとは異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
当社グループにおいて、連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる重要な見積りは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。
該当事項はありません。
当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は、
日本コムシスグループは、建設工事のDX推進に資する新技術の調査研究等に取り組んでおり、当連結会計年度の研究開発費の金額は、
NDSグループは、ネットワーク技術に関する研究開発及び通信設備工事に関連する技術開発と、新規事業分野に関する新商品及び新サービスの研究開発に取り組んでおり、当連結会計年度の研究開発費の金額は、
SYSKENグループは、通信設備部門の機械化、省力化、また電子情報化によるコストダウンと安全・品質の向上及びドローンを活用した新規事業分野の開発に取り組んでおり、当連結会計年度の研究開発費の金額は、
北陸電話工事グループは、安全・品質の向上に関する各事業の技術開発活動に取り組んでおり、当連結会計年度の研究開発費の金額は、