第2 【事業の状況】

 

「第2 事業の状況」における各事項の記載については、消費税等抜きの金額で記載しています。

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度(平成27年7月1日~平成28年6月30日)の民間建設市場については、住宅投資、設備投資が堅調に推移するとともに、首都圏を中心とした大規模再開発が活況となり好調な受注環境となりました。しかしながら公共投資については景気対策による効果はあったものの、地方においては前年を下回る地域が多く弱含みの受注環境となりました。

このような環境のなか、当社グループは老朽化した社会インフラの補修・補強や長寿命化対策の様々なニーズに対して製品や工法の開発を行うとともに積極的な受注活動を展開いたしました。受注高につきましては、国および地方自治体の受注が低調となったものの、高速道路会社の受注が好調であったため535億9百万円と当初会社計画の530億円を上回ることが出来ましたが、前年同期比では2.4%の減となりました。売上高につきましては前年同期比0.4%増の523億34百万円となりました。

損益につきましては、高速道路会社等の工事の大型化によって施工の平準化が進んだことに加え、原価管理の徹底などにより粗利益率が改善し営業利益は前年同期比1.7%増の93億3百万円、経常利益は前年同期比1.8%増の96億48百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比5.7%増の62億67百万円となりました。

各セグメントにおける、受注実績、売上実績、及び受注残高は次の通りです。(各実績は外部顧客に対するものを記載しています。)

 

 

 

受注実績

 

(単位:百万円)

区 分

前連結会計年度
(自 平成26年7月1日
  至 平成27年6月30日)

当連結会計年度
(自 平成27年7月1日
  至 平成28年6月30日)

国内建設

52,746

51,330( △2.7%)

その他

2,064

2,179(   5.6%)

合 計

54,811

53,509( △2.4%)

(注)表中の百分率は、対前年増減率

売上実績

 

(単位:百万円)

区 分

前連結会計年度
(自 平成26年7月1日
  至 平成27年6月30日)

当連結会計年度
(自 平成27年7月1日
  至 平成28年6月30日)

国内建設

50,059

50,154(  0.2%)

その他

2,064

2,179(  5.6%)

合 計

52,124

52,334(  0.4%)

(注)1.表中の百分率は、対前年増減率

 2.主要な相手先別の売上実績及び当該売上実績の総売上実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

売上高(百万円)

割合(%)

売上高(百万円)

割合(%)

国土交通省

10,843

20.8

6,542

12.5

中日本高速道路株式会社

2,410

4.6

5,768

11.0

 

 

受注残高

 

(単位:百万円)

区 分

前連結会計年度末
(自 平成26年7月1日
  至 平成27年6月30日)

当連結会計年度末
(自 平成27年7月1日
  至 平成28年6月30日)

国内建設

23,906

25,081(   4.9%)

その他

合 計

23,906

25,081(   4.9%)

(注)表中の百分率は、対前年増減率

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

 

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ145百万円減少し、16,981百万円となりました。

① 営業活動によるキャッシュ・フロー
 当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローについては、主に税金等調整前当期純利益の増加により、4,386百万円の資金の増加となりました。前期比では418百万円の資金の減少となり、これは主に法人税等の支払額によるもの△721百万円です。

② 投資活動によるキャッシュ・フロー
 当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローについては、主に有価証券・投資有価証券の取得等により、2,365百万円の資金の減少となりました。前期比では1,675百万円の資金の減少となり、これは主に有価証券・投資有価証券の取得によるもの+5,257百万円、同償還によるもの△8,895百万円、及び定期預金の預入によるもの△8,000百万円、同払戻によるもの+10,000百万円です。

 ③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
 当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローについては、配当金の支払い及び自己株式の取得により、2,152百万円の資金の減少となりました。前期比では351百万円の資金の減少となり、これは主に、配当金の支払いによるもの△351百万円です。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

当社グループが営んでいる事業の大部分を占める国内建設事業では生産実績を定義することが困難であり、「国内建設」及び「その他」の一部においては請負形態をとっているため販売実績という定義は実態にそぐわないため受注及び販売の状況については、「1 業績等の概要」における各セグメントの業績に関連付けて記載しています。

 

3 【対処すべき課題】

東日本大震災以降も、各地で地震が頻発し、今後起こり得る巨大地震への備えがますます重要になっています。また、橋梁やトンネルなどの老朽化が問題になり始めてから、かなりの年数が経過しましたが、耐震対策や老朽化対策の進捗は、国、高速道路会社、地方自治体それぞれで異なっているのが実情です。
 大きく分ければ、耐震対策が比較的進んでいる国や高速道路会社および三大都市圏の自治体については、予防保全型維持管理のニーズが今後、高まってくることが予想され、三大都市圏以外の自治体については通行が規制されている橋梁が今なお、数多くあることなどから耐震対策、老朽化対策の課題が山積している状況と思われます。このような状況のなか、当社は今まで以上に、各客先のニーズを把握し、当社の製品や工法でお応えできるようしっかりとした準備をしていくことが大事であると考えます。

地方公共団体は、発注形態も様々であり、案件の規模も比較的小さくなりがちなため、きめ細かく対応する必要があります。全国主要都市に本拠を置く地域子会社を活用して、幅広いニーズを取り込んでいくとともに、国や高速道路会社からの受注については、需要の多い地域に人員を集中配置して、限られた人員のなかで効率的な受注と施工を目指すとともに、工事用材料・製品の販売による売り上げ拡大も図ります。

既存の構造物を対象とする工事は、サービスを供用しながら施工する必要がある場合が非常に多く、また、設計通り施工できることのほうが少ないなど、品質、コスト、安全、環境への配慮などの相反する条件を満たしながら、工期内に竣工することが求められます。このような、困難な条件を克服するためにも、長年培った技術力やノウハウを施工に活かすとともに、現場からのフィードバックや発注者からのニーズに応えるべく研究開発にも注力して、新しい工法や製品、材料を生み出し、また既にある技術に改良を加えながら、「社会資本を良好な状態で次世代に引き継ぐ」との使命感のもと、公共インフラの総合メンテナンスを通じて、豊かで安全な社会の実現に貢献してまいります。

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものです。

 

① 公共工事への依存

当社グループは、売上高に占める公共工事の割合が非常に高いので、国および地方自治体が発注する公共事業が予想以上に削減された場合には、業績に影響を与える可能性があります。

② 法的規制

当社グループの主たる事業である土木建築工事業は、建設業法等の規制を受けており、法律の改正や法的規制の新設により、業績に影響を与える可能性があります。

③ 取引先の与信

民間から工事を請負った時、発注者である取引先が工事代金受領前に信用不安に陥った場合、貸倒れが発生し業績に影響を与える可能性があります。

④ 保有資産の価格変動

当社グループは、株式等及び事業用不動産を保有しているので、今後時価が著しく下落した場合には、減損の対象となり、業績に影響を与える可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社グループは,多様化する社会及び客先からのニーズに迅速に対応し、市場に密着した研究開発を行っています。当連結会計年度の研究活動費として335百万円を投入しました。
 なお、当企業集団における研究開発活動は、おもに「国内建設」に係るものであり、セグメントに区分して記載していません。
 
1. 透明な支承封止材料の開発
道路橋は,支承と呼ばれる支持材により支えられており、温度伸縮による橋梁の動きにもこの支承が追従します。非常に重要な部材ですが、水の影響により腐食等の損傷が発生している事例が見られます。そこで、支承そのものを柔軟性の高い樹脂で覆い包んで水の影響を防ぐ工法を考案しました。非常に耐候性に優れたシリコーン樹脂を使用しており、また透明なので定期点検時の観察が容易になります。
 
2. 樹脂工事の省力化施工方法の検討
 近い将来の技能労働者の減少を念頭に、樹脂工事の省力化施工の検討を行っています。維持管理分野において接着剤は不可欠の材料です。この接着剤は主剤と硬化材を現場で混ぜ合わせて使用しますが、この作業には熟練度を要します。そこで、誰が施工しても適切な品質管理ができるように、カートリッジ化したものを自動撹拌するシステムを考案し、実験室において一定の評価を得ました。今後、実際の現場で施工を行いながら、更に改良を行いたいと考えています。
 
3. 鋼橋塗替え塗装時に使用する塩分吸着剤の開発
 重要な社会資産である鋼橋を長く使うために、塗装の塗替えが頻繁に行われています。塗替え塗装時は鋼材面に残留する塩化物を除去する必要がありますが、鋼材面が腐食して凹凸になっていると塩化物が残留して再劣化を起こすことがあります。そこで、残留する塩化物を吸着して除去してしまう材料を開発しました。今後の需要が見込まれる工法であると考えています。
 
4. 高耐候性めっき鋼板用接着剤の開発
 構造物を補強する場合、維持管理コストを抑えるために高耐候性めっき鋼板を補強材として使用することがありますが、この補強材と良好に接着する接着剤がありませんでした。そこで、高耐候性めっき鋼板専用の接着剤を新たに開発することにしました。本製品を使用することで、維持管理に適用できる工法の選択肢を広げることができました。
 
5. 緩衝チェーン(落橋防止工法)の防食対策
 耐震工事に使用される緩衝チェーンは当社の主力商品のひとつです。多くの施工実績を持っていますが、一部において製品取付け部の腐食に対する懸念がありました。そこで、製品の価値を高めるために防食性を強化し、改良品の耐震性および防食性に関する評価試験を実施しました。
 
なお、研究開発活動は主に連結子会社のショーボンド建設株式会社で行われており、その他の子会社では研究開発活動は特段行っていません。
 

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものです。

(1) 重要な会計方針及び見積もり

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成していますが、この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積もりが行われており、資産・負債や収益・費用の金額に反映されています。これらの見積もりについては、過去の実績等を踏まえながら判断していますが、見積もりには不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積もりとは異なる場合があります。

 

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

 ①受注高及び受注残高

受注高は前年同期比2.4%減の53,509百万円、受注残高は前年同期比4.9%増の25,081百万円となりました。詳細については、「1 業績等の概要」に記載のとおりです。

 ②売上高及び売上総利益

売上高は前期からの繰越工事の施工が順調に進んだため、前年同期比0.4%増の52,334百万円となり、売上総利益は前年同期比0.5%増の12,709百万円となりました。その結果、売上総利益率は前年同期と同じく24.3%となりました。売上高の内訳等については、「1 業績等の概要」に記載のとおりです。

 ③販売費及び一般管理費

販売費及び一般管理費は、人件費の減少により前年同期比2.7%減の3,406百万円となりました。

 ④営業利益、営業外損益及び経常利益

営業利益は販売費及び一般管理費が減少したことにより、前年同期比1.7%増の9,303百万円となりました。営業外損益はほぼ前期並みとなり、経常利益は前年同期比1.8%増の9,648百万円となりました。

 ⑤特別損益及び親会社株主に帰属する当期純利益

特別損失は、当期に発生した完成工事修補費用により、前年同期比956.0%増の140百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は法人税等の減少により、前年同期比5.7%増の6,267百万円となりました。

 

(3) 財政状態の分析

当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末より1,543百万円増加し、77,327百万円となりました。主な要因は、投資有価証券の増加によるものです。
 当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末より688百万円減少し、13,626百万円となりました。主な要因は、未払法人税等及び繰延税金負債の減少、及び退職給付に係る負債の増加によるものです。
 当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末より2,231百万円増加し、63,701百万円となりました。主な要因は、利益剰余金の増加及びその他有価証券評価差額金、退職給付に係る調整累計額の減少によるものです。

 

(4) 経営戦略の現状と見通し

当社グループ内の有機的連携を図り、グループ全体で総合力を発揮できる経営を目指しています。
 具体的には、当社がグループの企業価値の最大化を目的として、経営戦略を策定するとともに、グループ経営資源の最適配分および子会社の業務執行に関する管理機能を担います。
 国内建設については、中核子会社であるショーボンド建設㈱が、補修・補強・予防保全の工法開発及び材料開発を行うと共に全国規模で工事施工を行います。また、その他の子会社を各地区(北日本・首都圏・中部・近畿圏・西日本)に配置し、ショーボンド建設㈱と連携を図ることにより、グループ全体で社会インフラ全てをカバーする体制を整備しています。その他、製品製造事業を担当する子会社及び関連会社は、補修・補強・予防保全用材料の生産、販売を行っています。
 このように当社グループは、補修・補強・予防保全の工法開発及び材料開発から工事施工までを一貫して行える体制を構築しています。

 

 

(5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当連結会計年度末の手許資金(現金及び現金同等物)の残高は、前連結会計年度末に比べ145百万円減少し、16,981百万円となりました。
 営業活動によるキャッシュ・フローについては、主に税金等調整前当期純利益の増加により、4,386百万円の資金の増加となりました。
 投資活動によるキャッシュ・フローについては、主に有価証券・投資有価証券の取得等により、2,365百万円の資金の減少となりました。
 財務活動によるキャッシュ・フローについては、配当金の支払い及び自己株式の取得により、2,152百万円の資金の減少となりました。
 なお、当社は営業活動によるキャッシュ・フローが当連結会計年度において4,386百万円あり、また、資金運用(有価証券及び投資有価証券の取得)についても一時的な余資運用と位置付け、計画的に資金を確保する体制をとっており、事業活動に必要な資金の流動性を確保しています。