第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、当社グループの経営成績および財政状態などに影響をおよぼす可能性のあるリスクについて、重要な変更および新たに発生したものはありません。

 

2 【経営者による財政状態及び経営成績の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

1.経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間のわが国の経済は、雇用・所得環境の改善が続くなかで緩やかに回復しているものの、通商問題の影響や海外経済の不確実性、金融資本市場の変動の影響、消費税率引上げ後の消費者マインドの動向等により、不透明感も残る状況が続いています。
 食品業界におきましては、健康志向の高まりによる機能性食品のニーズは引き続き高い一方で、嗜好の多様性や商品ライフサイクルの短縮化、原材料等のコスト上昇等、厳しい環境が続いています。
 このような環境のもとで、当社グループは、「森永乳業グループ10年ビジョン」のもと、2022年3月期までの3年間を確固たる事業基盤づくりの期間と位置付け、「4本の事業の柱横断取り組み強化による持続的成長」「経営理念実現に向けたESGを重視した経営の実践」「企業活動の根幹を支える経営基盤の更なる強化」の3つを基本方針に定め、売上高6,300億円、営業利益300億円の数値目標とする中期経営計画を策定し、取り組んでいます。当期を新たなステージに向かうための重要なスタートの1年と位置付け、最高益の更新を目指しています。
 お客さまのニーズに応える商品の提供とその価値訴求に努め、健康に貢献する機能性素材の積極的な販売促進活動や海外事業の拡大も進めております。また、原材料、オペレーションコスト等あらゆるコストアップに対応するため、低採算商品の見直し等によるプロダクトミックスの改善、ローコストオペレーションの推進、価格改定の取り組みなどを実施いたしました。

これらの結果、当社グループの連結売上高は牛乳類、乳飲料等、プリン等の他、夏場の天候不順の影響によりアイスクリーム等が前年同期実績を下回った一方、ヨーグルトや連結子会社の一部が増収となった結果、前年同期比0.7%増4,596億1千4百万円となりました。

連結の利益面では、原材料、オペレーションコスト等の上昇に対して、価格改定やプロダクトミックスの改善等の取り組みにより、営業利益は前年同期比9.5%増228億8千5百万円、経常利益は同7.1%増233億6千6百万円となりました。また、親会社株主に帰属する四半期純利益は、同8.9%増148億3千7百万円となりました。

 

セグメントの状況(セグメント間取引消去前)は次のとおりです。

(1) 食品事業(市乳、乳製品、アイスクリーム、飲料など)

当第3四半期連結累計期間の売上高は4,436億4千4百万円(前年同期比0.4%増)となり、また、営業利益は281億6百万円(前年同期比4.4%増)となりました。

(2) その他の事業(飼料、プラント設備の設計施工など)

その他の事業につきましては、売上高は229億4千2百万円(前年同期比4.1%増)となり、また、営業利益は22億7千万円(前年同期比23.9%増)となりました。

なお、提出会社の管理部門にかかる費用など事業セグメントに配賦していない全社費用が66億5千1百万円あります。

 

2.経営方針・経営戦略等

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

3.事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

なお、会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針は以下のとおりです。

 

会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

(1) 基本方針の内容

当社は、株式会社の支配権の移転を伴う買収提案についての判断は、最終的には株主全体の意思に基づき行われるべきものであり、株式の大量買付等であっても、企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであれば、これを一概に否定するものではありません。

しかしながら、株式の大量買付等の中には、その目的などから見て企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、対象会社の取締役会や株主が株式の大量買付等の行為について検討しあるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないものなど、対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さないもの等も想定されます。

とりわけ、当社の企業価値の源泉は、「乳」で培った技術にもとづく研究力と商品開発力、食品の提供という事業を通じた社会的責任を長年にわたり果たしてきたことにより蓄積した信用とブランドにあります。当社は、乳製品に加え、長年の研究によって得られたビフィズス菌をはじめとした機能性素材を、BtoCとBtoB、国内と海外といったチャネルと適切に組み合わせた独自の事業ポートフォリオを構築しております。したがって、当社の企業価値の中長期的な向上にはそれぞれの事業への高度な専門知識と豊富な経験が必要であると考えております。

また、当社は、粉ミルクや流動食といった命を支える製品を含む多様な製品を、高い安全性と品質保証、安定的な供給によってみなさまにお届けしています。これらを通じて築いてきたステークホルダーとの信頼関係とブランドも、当社の企業価値の源泉であります。これらが、株式の大量買付等を行う者により中長期的に確保・向上させられなければ、当社の企業価値ひいては株主共同の利益は毀損されることになります。

こうした事情に鑑み、当社株式に対する大量買付等が行われる際には、株主のみなさまがかかる大量買付等に応じるべきか否かを判断し、あるいは当社取締役会が株主のみなさまに代替案を提案するために必要な情報や時間を確保したり、株主のみなさまのために交渉を行うことなどを通じて、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保する必要があると考えております。

 

(2) 基本方針の実現に資する特別な取組み

当社の企業価値・株主共同の利益を確保し、向上させるための特別な取組みは以下のとおりです。

①「森永乳業グループ10年ビジョン」の実現

当社は、2020年3月期より2022年3月期までの3年間の中期経営計画をスタートいたしました。この新たな計画に先立ち、当社は、10年先を見据えた「森永乳業グループ10年ビジョン」を制定いたしました。当ビジョンでは、「食のおいしさ・楽しさと健康・栄養を両立した企業へ」「世界で独自の存在感を発揮できるグローバル企業へ」「サステナブルな社会の実現に貢献し続ける企業へ」を10年後の当社グループのありたい姿として定めました。

かかるビジョンのもと、2022年3月期までの3年間を確固たる事業基盤づくりの期間と位置付け、「4本の事業の柱横断取組み強化による持続的成長」「経営理念実現に向けたESGを重視した経営の実践」「企業活動の根幹を支える経営基盤の更なる強化」の3つを基本方針に定め、それぞれの取組みを通じて事業基盤の強化を推進してまいります。また、業務の適正を確保するための内部統制体制の充実や、お客さまに安全・安心を提供する品質保証体制の一層の強化にも引き続き取り組んでまいります。

②コーポレート・ガバナンス強化への取組み

当社は、コーポレート・ガバナンスを強化するための体制として執行役員制度を採用し、経営の意思決定を行う取締役と業務執行を行う執行役員が、その役割分担を明確にしつつ、経営会議における意見交換等を通じて、当社にとって最も効率的な事業運営を追求するように努めてまいりました。2019年4月からは経営会議の体制を見直し、従来の業務執行上の協議・連絡・諮問機関に加え、業務執行上の決議機関としての機能を担う体制とし、意思決定の迅速化を図っております。また、取締役会は、経営の最高意思決定機関として独立した機能を担い、引き続き、コーポレート・ガバナンスの強化を図る体制を確保していきます。

 

当社は、中長期的視点に立ち、これらの取組みを遂行・実施していくことで、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を向上してまいります。

 

(3) 基本方針に照らして不適切な者によって会社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

当社は、2007年6月28日開催の当社第84期定時株主総会における株主のみなさまのご承認に基づき、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させることを目的として、当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)(以下「本プラン」といいます。)を導入し、継続してきました。

本プランの有効期間は、2019年6月27日開催の当社第96期定時株主総会(以下「本総会」といいます。)の終結の時までとされておりましたが、当社は、2019年5月13日開催の取締役会において、本プランを継続せず、その有効期間が満了する本総会の終結の時をもって廃止することを決議し、本総会終結の時をもって本プランは廃止されました。

なお、当社は、本プランの廃止後も当社の企業価値ひいては株主共同の利益の向上に取組むとともに、当社株式に対する大量買付等を行おうとする者に対しては、その是非を株主のみなさまが適切に判断するために必要・十分な情報の提供を求め、あわせて当社取締役会の意見等を開示し、株主のみなさまの検討等のために必要な情報と時間の確保に努める等、企業価値ひいては株主共同の利益の向上の観点から、金融商品取引法、会社法その他関係法令に基づき、その時々において適切な措置を講じてまいります。

 

(4) 上記各取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由

上記(2)記載の各取組みは、当社の企業価値・株主共同の利益を継続的かつ持続的に確保、向上させるための具体的方策として策定されたものであり、まさに上記(1)記載の基本方針の実現に資するものです。また、上記(3)記載の取組みは、当社株式に対する大量買付等がなされる際に、当該買付に応じるべきか否かを株主のみなさまが判断するために必要な情報や時間を確保すること、株主のみなさまのために買付者と交渉を行うこと等の措置を講じることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保、向上させるためのものであり、上記(1)記載の基本方針に沿うものです。

したがって、当社取締役会は、上記各取組みは当社の株主共同の利益を損なうものではなく、また、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。

 

4.研究開発活動

当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の総額は、34億3千3百万円であります。

なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

5.財政状態

(1) 貸借対照表の状況

当第3四半期連結会計期間末の資産の部は、主に季節的要因による「受取手形及び売掛金」の増加や、設備投資による「有形固定資産」の増加などにより、合計では前連結会計年度末に比べ、251億1千4百万円増4,573億7千万円となりました。

負債の部は、「社債」、借入金の合計は減少しましたが、季節的要因により営業債務が増加したほか、流動負債の「その他」が増加したことなどにより、合計では前連結会計年度末に比べ、135億3千6百万円増2,766億2千5百万円となりました。

純資産の部は、「利益剰余金」の増加などにより、合計では前連結会計年度末に比べ115億7千8百万円増1,807億4千5百万円となりました。

この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の38.7%から39.1%となりました。

 

(2) 財務政策

当社グループは、運転資金および設備投資資金の調達に際しては、内部資金を基本としながら、金融機関からの借入、コマーシャル・ペーパーの発行、社債の発行などの外部からの資金も利用しております。外部からの資金調達につきましては、安定的かつ低利を前提としながら、将来の金融情勢の変化等も勘案してバランスのとれた調達を実施しております。なお、当社(提出会社)は機動的な資金調達および当社グループ全体の資金効率アップのため、金融機関12行と総額200億円のコミットメントライン契約を締結しております。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。