第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、経営者が当社グループの経営成績および財政状態などに影響をおよぼす可能性があると認識しているリスクについて、重要な変更および新たに発生したものはありません。

 

2 【経営者による財政状態及び経営成績の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

1.経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間においては、新型コロナウイルス感染症の世界的拡大が深刻なものとなり、世界各国において外出・移動規制が行われ、感染拡大防止の観点から事業活動にも大きな制限を受けました。また、個人消費も大きく落ち込み、世界経済は急速に悪化、停滞しました。

この間、日本国内では4月に緊急事態宣言が発出され、企業や個人の活動が大きく制限されたことで景気が急速に悪化して極めて厳しい状況になりました。その後、5月末に緊急事態宣言が解除され、国内景気に回復の兆しが見られたものの、11月以降感染の再拡大が顕著となっており、先行きについても、大都市などで再度緊急事態宣言が発出されるなど、新型コロナウイルス感染症から生じたさまざまな問題の収束の目途が立っておらず、その影響は今後も長期間に及ぶことが予想されています。

そのような中、森永乳業グループは生活必需品である食品を製造する企業としての使命を果たせるよう、従業員の安全と健康に引き続き最大限の配慮をし、出来る限り商品の供給を継続すべく取り組んでまいりました。この間における大きな需要の変化として、外食産業、ホテル、観光業、お土産等向け業務用乳製品が大幅な需要減少となった一方、健康に貢献する機能性素材やヨーグルト、アイスクリーム、チーズをはじめとする家庭内需要は堅調に推移しました。また、海外では、世界的な健康ニーズの高まりを背景に機能性素材への需要が拡大し、事業拡大に向けた継続的な取り組みが成果として現れています。

 

<中期経営計画の概要>

2019年4月より「森永乳業グループ10年ビジョン」のもと、2022年3月期までの3年間を確固たる事業基盤づくりの期間と位置付け、

・「4本の事業※1の柱横断取り組み強化による持続的成長」

・「経営理念実現に向けたESGを重視した経営の実践」

・「企業活動の根幹を支える経営基盤の更なる強化」

の3つを基本方針に定め、売上高6,300億円、営業利益300億円を数値目標とする中期経営計画を策定し、取り組んでいます。

 

<当期の主な取り組み事項>

当期は中期計画達成に向けた最重要の1年と位置付け、激変する環境に対応しながら、さらなる企業体質ならびに事業の強化に努めてまいります。

・ウィズコロナ、アフターコロナ、足元の対策と中長期視点での対応の両立。

-リスク低減に向けた対応の強化(BCP、効率的な働き方の推進)。

-生活者意識の変化に対応した取り組み(衛生、健康ニーズへの対応)。

-原材料調達、物流、財務など事業を支える機能の確立。

・お客さまのニーズに応える商品の提供とその価値訴求に努め、健康に貢献する機能性素材の積極的な販売促進活動、海外事業の拡大。

・オペレーションコストの上昇に対応するため、低採算商品の見直し等によるプロダクトミックスの改善、ローコストオペレーションの推進、価格改定等実施。

・サステナブルな社会づくりに貢献するため、CO2排出量、用水使用量・排水量、プラスチック使用量、食品ロス削減取り組みへの注力。

・経営基盤の更なる強化に向け、グループ全体の生産拠点再編推進(2020年5月東洋醗酵乳株式会社生産中止、2021年3月東京工場生産中止予定)。

 

これらの結果、当社グループの連結売上高は、BtoC事業では家庭内需要の高まりにより、ヨーグルト、アイスクリーム、チーズなどが増収となりました。加えて、健康機能性素材への注目の高まりや、海外事業の売上伸長もありましたが、BtoB事業における業務用乳製品が大きく減少したことや夏季の天候不順の影響などを受け、全体では減収となりました。

連結の利益面では、業務用乳製品の大幅減少による売上利益の大きな減少があったものの、利益率の高い事業や商品の拡大によるプロダクトミックスの改善、海外事業の伸長、コロナ禍におけるグループ全体でのコストの見直し等により前年を上回りました。

※1 ①BtoC事業、②ウェルネス事業、③BtoB事業、④海外事業の4事業

 

連結売上高

453,599百万円

(前年比

1.3%減)

連結営業利益

24,465百万円

(前年比

6.9%増)

連結経常利益

25,476百万円

(前年比

9.0%増)

親会社株主に帰属する四半期純利益

16,826百万円

(前年比

13.4%増)

 

   (その他重要経営指標)

売上高営業利益率                     5.4%

  ROE(自己資本利益率)                8.9%

  海外売上高比率                       6.5%

セグメント別の状況は、次のとおりです。

                                     (単位:百万円)

 

売上高

前年比

営業利益

前年比

食品事業

435,937

△1.7%

29,643

+5.5%

その他の事業

24,415

+6.4%

2,256

△0.6%

消去または全社

△6,753

 

△7,433

 

合計

453,599

△1.3%

24,465

+6.9%

 

 

食品事業:市乳、乳製品、アイスクリーム、飲料など

その他の事業:飼料、プラント設備の設計施工など

 

  (参考)中期経営計画における事業分野別(4本の事業の柱)業績概況

  ①BtoC事業:売上高は主にビバレッジにおいて、オフィス、施設等向け需要減少の影響を大きく受けましたが、ヨーグルト、アイスクリーム、チーズをはじめとする家庭内需要は堅調に推移し増収となりました。また、健康ニーズの高まりを受け「トリプルヨーグルト」「ビヒダスヨーグルト 便通改善」などの機能性表示食品が計画を上回り、プロダクトミックス改善にも大きく貢献いたしました。

利益面では、プロダクトミックスの改善に加え、販売活動のコントロールなど、経費の抑制を進めたこともあり増益となりました。

BtoC事業売上高

240,137百万円

(前年比

1.2%増)

BtoC事業営業利益

13,971百万円

(前年差

1,896百万円増)

 

 

②ウェルネス事業:健康栄養補助食品としての大人向け粉ミルク「ミルク生活」などは好調に推移しましたが、育児用ミルクが前期末における仮需要の反動から減少し、事業全体では前年並みとなりました。なお、6月には日本初の常温保存可能なヨーグルトをECチャネルで発売するなど、新たな取り組みも開始しました。

利益面では、育児用ミルクの減収影響およびEC事業の立ち上げにかかる費用発生などにより減益となりました。

ウェルネス事業売上高

42,866百万円

(前年比

0.1%増)

ウェルネス事業営業利益

3,043百万円

(前年差

655百万円減)

 

 

  ③BtoB事業:構成比の高い業務用乳製品は外食産業、ホテル、観光業、お土産等向けが大幅な需要減少となりました。一方、健康ニーズの高まりからビフィズス菌など、当社の保有する機能性素材への引き合いが強まりました。また、衛生ニーズの高まりから微酸性電解水生成装置「ピュアスター」の販売が増加しましたが、事業全体では業務用乳製品の大幅減収の影響を受け、大きく減収となりました。

利益面では、売上利益が大幅減少となったことから減益となりました。

BtoB事業売上高

59,678百万円

(前年比

21.1%減)

BtoB事業営業利益

2,401百万円

(前年差

2,359百万円減)

 

 

  ④海外事業:乳原料を製造販売するミライ社は、粉ミルク向け需要の増加などにより増収となりました。また、育児用ミルクなどの輸出は前期から大きく反動増となりました。加えて、機能性素材(菌体、ラクトフェリンなど)の販売が増加しました。

利益面では、増収効果に加え、利益率の高い機能性素材が拡大したことでプロダクトミックスの改善が進み増益となりました。

海外事業売上高

29,461百万円

(前年比

23.8%増)

海外事業営業利益

4,100百万円

(前年差

2,389百万円増)

 

 

2.経営方針・経営戦略等

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

3.優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき課題について重要な変更はありません。

また、会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。

 

4.研究開発活動

当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の総額は、34億6千1百万円であります。

なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

5.財政状態

(1) 貸借対照表の状況

当第3四半期連結会計期間末の資産の部は、「現金及び預金」や季節的要因により「受取手形及び売掛金」が増加したことなどから、合計では前連結会計年度末に比べ、164億2千2百万円増4,524億8千3百万円となりました。

負債の部は、「短期借入金」は減少した一方、「コマーシャル・ペーパー」や「長期借入金」が増加したことなどから、合計では前連結会計年度末に比べ、28億8百万円増2,557億2千7百万円となりました。

純資産の部は、「利益剰余金」の増加などにより、合計では前連結会計年度末に比べ136億1千3百万円増1,967億5千6百万円となりました。

この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の41.6%から43.0%となりました。

 

(2) 財務政策

当社グループは、運転資金および設備投資資金の調達に際しては、内部資金を基本としながら、金融機関からの借入、コマーシャル・ペーパーの発行、社債の発行などの外部からの資金も利用しております。外部からの資金調達につきましては、安定的かつ低利を前提としながら、将来の金融情勢の変化等も勘案してバランスのとれた調達を実施しております。なお、当社(提出会社)は機動的な資金調達および当社グループ全体の資金効率アップのため、金融機関11行と総額額300億円のコミットメントライン契約を締結しております。調達した資金につきましては、経常設備投資および成長投資への支出と、財務安定性を維持(有利子負債コントロール)することにより基盤確保した上で、株主還元へ振り分けております。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。