当第3四半期連結累計期間において、経営者が当社グループの経営成績および財政状態などに影響をおよぼす可能性があると認識しているリスクについて、重要な変更および新たに発生したものはありません。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
当第3四半期連結累計期間においては、ウクライナ情勢の長期化など、多様化した地政学リスクによるさまざまな影響が生じております。また、世界的な金融引き締め政策の影響もあり、世界経済の下振れリスクも生じております。一方、国内においては、ウィズコロナのもとで景気が持ち直していくことが期待されていますが、物価上昇による家計や企業への影響が発現するなど今後も国内外の情勢の動向を注視する必要があります。
そのような中、森永乳業グループは生活必需品である食品を製造する企業としての使命を果たせるよう、従業員の安全と健康に引き続き最大限の配慮をし、できる限り商品の供給を継続すべく取り組んでまいりました。また、当期から開始した新たな「中期経営計画2022-24」のもと、当社グループならではの「健康価値」と「おいしさ・楽しさ価値」の提供に努め、特に、国内外での健康ニーズの高まりを背景に、ヨーグルトや機能性素材をはじめさまざまな健康課題に配慮した「健康5領域」商品の拡大に取り組みました。
一方で、世界的な需要の高まりや円安の影響、およびウクライナ情勢の不透明感が加わり、原材料・エネルギー価格および物流コストにおいては、従前の環境とは大きく異なる水準で上昇しました。また、2022年11月から飲用・発酵乳用途向けの生乳取引価格の引き上げが行われ、一段とコストアップが進行しました。これに対し、チーズ、アイス、牛乳、ヨーグルト、育児用ミルクなどの価格改定や、利益率の高い事業や商品の拡大によるプロダクトミックスの改善、グループ全体でのコストの見直しなどに努め、また、海外事業は大きく伸張しましたが、コスト構造の急激な変化および消費動向の変化による大変厳しい環境は続いております。
<森永乳業グループ10年ビジョンと「中期経営計画 2022-24」について>
当社グループは10年先を見据えた「森永乳業グループ10年ビジョン」を、2019年4月に制定しております。当ビジョンでは、
・「『食のおいしさ・楽しさ』と『健康・栄養』を両立した企業へ」
・「世界で独自の存在感を発揮できるグローバル企業へ」
・「サステナブルな社会の実現に貢献し続ける企業へ」
を10年後の当社グループのありたい姿と定め、
・「営業利益率7%以上」「ROE10%以上」「海外売上高比率15%以上」
を2029年3月期の数値目標に設定いたしました。
この考えのもと、2025年3月期までの3年間の「中期経営計画 2022-24」では、社会課題の解決と収益力向上の両立を目指し、
・「事業の高付加価値化を通じた持続的成長の実現」
・「将来を見据えた経営基盤のさらなる強化」
・「効率性を重視した財務戦略」
の3つを基本方針に定め、取り組んでいます。また、合わせて「サステナビリティ中長期計画2030」を制定し、「食と健康」「資源と環境」「人と社会」の3つのテーマにより2030年の目標、KPIを定め、経営の根幹に据えるとともに、中期経営計画と相互に連動させながら取り組みを進めております。
中期経営計画の最終年度(2025年3月期)の数値目標については、売上高5,400億円、営業利益250億円、親会社株主に帰属する当期純利益160億円、売上高営業利益率4.6%、ROE(自己資本利益率)6%、海外売上高比率13%としています。
(資料1)「中期経営計画 2022-24」全体像

(資料2)「サステナビリティ中長期計画2030」

<当期の主な取り組み事項>
当期は、当社グループが新たなステージに向かうための重要なスタートの1年と位置付けております。激変する環境に対応しながら、さらなる企業体質および事業の強化に努めてまいります。
・原材料・エネルギーコスト上昇への対応
- 価格改定、プロダクトミックス改善、合理化などあらゆる対応によりコスト上昇の影響を最小限に抑制
・「中期経営計画 2022-24」「サステナビリティ中長期計画2030」に沿った取り組みの推進
- 当社グループならではの「健康価値」と「おいしさ・楽しさ価値」を追求した、お客さまのニーズに応える商品・高付加価値商品の提供とその価値訴求
- ヨーグルトや機能性素材を始めとするさまざまな健康課題に配慮した「健康5領域」商品の拡大
- 海外事業の拡大(既存事業の拡大、NutriCo Morinaga (Private) Limited の株式譲渡契約締結など)
- 主にBtoB事業(業務用乳製品)を中心とする、感染症による環境変化に対応した販売活動の促進
- 経営基盤のさらなる強化に向けた成長分野への投資
(2022年5月稼働:利根工場ドリンクヨーグルト設備増設、2024年4月稼働予定:神戸工場製造棟増築)
- サステナビリティ経営の推進に向けた取り組み
(本業を通じた健康への貢献、気候変動・プラスチック問題など環境課題への対応、人権・多様性への配慮、グループ全体のサステナビリティ意識の浸透、当社グループ初となるグリーンボンド発行など)
これらの結果、当社グループの連結売上高は増収となりました。栄養・機能性食品事業および主力食品事業においては、チーズ、アイス、牛乳、育児用ミルクなどの価格改定や、機能性ヨーグルト、「マウントレーニア」などの高付加価値商品の提供に努めました。特に主力食品事業は価格改定後の数量減、国内における消費動向の変化の影響を大きく受けたものの、業務用乳製品などの拡販によるBtoB事業の拡大、MILEI GmbH(ミライ社)を中心とした海外事業の伸長などもあり、全体では増収となりました。
連結の利益面では、世界的な需要の高まりや円安の影響、飲用・発酵乳用途向けの生乳取引価格の引き上げなどによる、原材料・エネルギー価格の上昇の影響を大きく受けました。これに対し、価格改定やプロダクトミックスの改善、グループ全体でのコストの見直しなどを推進し、また、海外事業の貢献もありましたが、大きなコストアップを吸収することができず、全体では前年を下回りました。
(その他重要経営指標)
売上高営業利益率 5.0%
ROE(自己資本利益率) 5.7%
海外売上高比率 11.2%
セグメント別の状況は、次のとおりです。
(単位:百万円)
食品事業:市乳、乳製品、アイスクリーム、飲料など
その他の事業:飼料、プラント設備の設計施工など
(参考)「中期経営計画 2022-24」における事業分野別(4本の事業の柱)業績概況
① 栄養・機能性食品事業:原材料・エネルギー価格の上昇の影響を大きく受け、価格改定の取り組みを進めました。また、健康ニーズの高まりを背景に、引き続き機能性ヨーグルトの取り組みを進め、「ビヒダス ヨーグルト 便通改善」などが堅調に推移しヨーグルトは増収となりました。流動食などを扱うクリニコ社の増収もあり、事業全体としても増収となりました。
利益面では、原材料・エネルギー価格の上昇の影響を受け、ヨーグルト、育児用ミルク、宅配専用商品などの価格改定やプロダクトミックスの改善やコスト削減に努めましたが、事業全体では減益となりました。
② 主力食品事業:原材料・エネルギー価格の上昇の影響を大きく受け、チーズ、アイス、「森永の焼プリン」、飲料などの価格改定や、「マウントレーニア」などの高付加価値商品の拡大に努めましたが、価格改定後の数量減や、国内における消費動向の変化の影響もあり、事業全体では減収減益となりました。
③ BtoB事業:構成比の高い業務用乳製品において、感染症による環境変化への対応や価格改定を進めたことなどから、事業全体では増収となりました。また、健康ニーズの高まりから、当社の保有する菌体をはじめとする機能性素材への高い関心も継続しております。
利益面においては、増収効果はありましたが、原材料・エネルギー価格の上昇の影響などにより前年を下回りました。
④ 海外事業:育児用ミルクや菌体の輸出などが堅調に推移し、乳原料を製造販売するMILEI GmbH(ミライ社)では原料市況の上昇に対応し価格転嫁を進めました。円安の進行もあり事業全体でも増収となりました。
利益面では、増収効果の一方で、グローバル規模での原材料・エネルギー価格の上昇の影響や、成長のための費用投下などがありましたが、MILEI社の寄与や育児用ミルクや菌体などの増収効果や円安の進行もあり事業全体では増益となりました。
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき課題について重要な変更はありません。
また、会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。
当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の総額は、38億9千万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当第3四半期連結会計期間末の資産の部は、「商品及び製品」は減少した一方、「受取手形、売掛金及び契約資産」が増加したことなどから、合計では前連結会計年度末に比べ、189億9千4百万円増の4,777億8千2百万円となりました。
負債の部は、「未払法人税等」は減少した一方、「支払手形及び買掛金」や「預り金」が増加したことなどから、合計では前連結会計年度末に比べ、57億8千1百万円増の2,565億4千3百万円となりました。
純資産の部は、「為替換算調整勘定」の増加などにより、合計では前連結会計年度末に比べ132億1千2百万円増の2,212億3千8百万円となりました。
この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の44.9%から45.9%となりました。
当社グループは、資金調達に際しては、内部資金を基本としながら、金融機関からの借入、コマーシャル・ペーパーの発行、社債の発行などの外部からの資金も利用しております。外部からの資金調達につきましては、安定的かつ低利を前提としながら、将来の金融情勢の変化等も勘案してバランスのとれた調達を実施しております。なお、当社(提出会社)は機動的な資金調達および当社グループ全体の資金効率アップのため、金融機関10行と総額300億円のコミットメントライン契約を締結しております。調達した資金につきましては、経常設備投資および成長投資への支出と、財務安定性を維持(有利子負債コントロール)することにより基盤確保した上で、株主還元へ振り分けております。
当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。