文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当社グループが判断したものであります。
なお、当連結会計年度より、受取返戻金等の計上基準の変更を行っており、遡及処理の内容を反映させた数値で前連結会計年度との比較を行っております。
◆当期の概況について
当連結会計年度のわが国経済は、政府の経済政策による雇用環境の改善や11月以降の円安・株高から、緩やかながら景気の回復基調は見られるものの、ここに来て人手不足による人件費の上昇や営業縮小への懸念等が、企業心理に影を落としている状況にあります。さらに原油高、円安の影響により食料品や日用品の値上が想定され、家計の節約志向は強く、厳しい状況が続いています。
また、世界経済の先行き不透明な部分が多く、企業にとっては不確実性への警戒感から経営環境の激変などに直面しながらの難しい舵取りを迫られる、予断を許さない状況が続いています。
当業界におきましては、11月中旬までの円高により輸入原材料や輸入商品等の調達に関しては安定していたものの、景気動向から消費者の低価格志向が再燃、あわせて将来不安から必要以外のものは購入しない節約志向の傾向が強くなるとともに、企業間の競争も激化し、事業環境は厳しいものとなりました。
このような状況のなか、当社グループは「健康で豊かな食生活を創造するために安全・安心な商品を提供し、社会と食文化の発展に貢献していく」という基本的な考えのもと、中期経営計画の目標の達成に向けて、「事業領域の拡大と収益基盤の更なる強化」と「成長市場に向けた事業創造とグローバル展開」を基本方針と位置づけ、諸施策を講じてまいりました。
◆業 績
結果、売上高は3,633億36百万円(前期比0.6%増)となりました。利益面におきましては、営業利益は155億65百万円(前期比88.7%増)、経常利益は161億2百万円(前期比83.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は100億9百万円(前期比55.7%増)となりました。
◆セグメント別概況
当社グループは当連結会計年度より、第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)の「1 報告セグメントの概要 (3)報告セグメントの変更等に関する事項」及び「2 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法」に記載の通り、(組織再編に伴うセグメント区分の変更)及び(セグメント利益又は損失の測定方法の変更)を行っております。また、前期比および前期差は、前期を新事業区分に組み替えて計算しております。
<加工食品事業本部>
① ハム・ソーセージ部門
「香薫あらびきポークウインナー」をはじめとする重点商品を中心とした販売活動や東京ディズニーランド®貸切プレシャスナイトへのご招待キャンペーンやハッピーハロウィーンキャンペーンなどの数々のキャンペーンの展開は、販売数量拡大に大きく貢献しました。生産面においては、改革・改善を継続実施し、人時生産性向上やユーティリティーコスト削減などを推進し、コスト競争力も着実に高めてまいりました。
また、昨年6月より稼動を開始した茨城工場新ウインナープラントは、計画通り秋の最需要期の数量を取り込み、好調に推移しました。さらに、環境面においては大幅な省エネルギー化等により、環境に配慮したクリーンな生産環境の実現に貢献しました。
ハム・ソーセージ部門においては、業務用商品は企業間競争の激化から昨年を捉えることが出来ませんでしたが、コンシューマー商品は好調に推移し、全体としては、売上高、販売数量ともに昨年を上回りシェアを伸ばすことができました。
② 加工食品部門
コンシューマー商品では「サラダチキン」や「スパイシースティック」、「絶品点心春巻」などの商品を拡販するとともに、コンビニエンスストアを中心にPB商品についても積極的販売に取り組みました。
コンビニエンスストア向けのベンダー事業については、得意先様の出店増を背景に売上が拡大するとともに、利益面においても原材料価格の安定や生産性の向上により、収益が拡大しました。
結果、売上高は2,451億4百万円(前期比2.3%増)となり、セグメント利益は144億93百万円(前期比38.9%増)となりました。
<食肉事業本部>
国際的な仕入れ競争激化により、食肉の仕入れ環境は極めて厳しいものとなりましたが、「オレガノビーフ」や「ハーブ三元豚」などのオリジナルブランド商品の拡販や得意先の新規・深耕開拓を積極的に行い、販路の拡大に努めました。また、昨年度に評価損を発生させた輸入冷凍牛肉の在庫消化問題も解消したことから、収益面は大きく改善し、販売数量も昨年を捉えることができましたが、販売単価の下落から、売上高は昨年を大きく下回る厳しい状況となりました。
結果、売上高は1,179億36百万円(前期比2.8%減)となり、セグメント利益は8億74百万円(前期はセグメント損失22億89百万円)となりました。
<その他>
その他事業(情報処理等)の売上高は2億94百万円(前期比2.3%増)となり、セグメント利益は1億98百万円(前期より99百万円の増加)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ125億41百万円増加(前連結会計年度末は19億39百万円の増加)し194億68百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは260億3百万円のネット入金(前連結会計年度は52億9百万円のネット入金)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益153億37百万円、減価償却費70億1百万円の計上、たな卸資産64億29百万円の減少、仕入債務21億75百万円の増加、売上債権16億32百万円の増加、法人税等の支払33億73百万円です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは147億90百万円のネット支払(前連結会計年度は126億17百万円のネット支払)となりました。主な要因は、新工場設備投資、生産設備更新、生産性向上および品質安定を目的とした有形固定資産の取得による支出133億5百万円です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは13億35百万円のネット入金(前連結会計年度は93億47百万円のネット入金)となりました。主な要因は、長期借入れによる収入90億円、短期借入金35億50百万円の減少、長期借入金の返済による支出22億93百万円、配当金の支払10億4百万円です。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前期比(%) |
|
加工食品事業本部 |
143,402 |
101.5 |
|
食肉事業本部 |
13,976 |
91.9 |
|
その他 |
49 |
103.7 |
|
合計 |
157,428 |
100.6 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、製造原価によっております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社の子会社プライムデリカ㈱は受注生産を行っておりますが、受注当日ないし翌日に製造、出荷しており、また、当社の子会社プライムテック㈱は受注生産を行っておりますが、金額が些少なため、受注高ならびに受注残高の記載を省略しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前期比(%) |
|
加工食品事業本部 |
245,104 |
102.3 |
|
食肉事業本部 |
117,936 |
97.2 |
|
その他 |
294 |
102.3 |
|
合計 |
363,336 |
100.6 |
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
|
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
販売高(百万円) |
割合(%) |
販売高(百万円) |
割合(%) |
|
|
㈱セブン-イレブン・ジャパン |
97,007 |
26.9 |
101,405 |
27.9 |
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社ならびにグループ各社は、「健康で豊かな食生活を創造するために安全・安心な商品を提供し、社会と食文化に貢献していく」という基本的な考えのもと、コンプライアンス体制の充実、品質保証体制の強化、情報セキュリティ管理の強化、環境保全等を通してお客様から信頼を得られる企業体質を引き続き構築してまいります。
併せて、「業務改革」「構造改革」「意識改革」を継続するとともに、グループ企業のリストラクチャリングを進め、事業領域の選択と集中を図りながら経営効率化を具現化し、グループとしての利益最大化を実現してまいります。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、株主資本純利益率(ROE)を最も重要な経営指標と位置づけております。2017年度を初年度とする3ヵ年中期経営計画(ローリングプラン)の着実な実行により、自己資本比率40%以上を維持しつつ、株主資本純利益率(ROE)10%以上を目指してまいります。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、中期経営計画を策定し、収益目標の達成とグループ規模の拡大に向けて「売上拡大」「低コスト体質の推進」を柱に事業運営を推進するとともに、「成長戦略」を中期経営計画におけるもう一つの柱とし、将来に向けた設備投資、研究開発、人材育成などを通して経営基盤の強化を図っております。
(4)経営環境及び対処すべき課題
景気は緩やかに拡大していますが、個人消費は勢いを欠く状況が続いています。さらに世界経済の先行き不透明感はますます強まり、為替や株の不安定さが増しているなか、日本経済は通商政策や為替問題、金融政策の出口戦略等の解決を迫られる局面を迎えます。当社を取巻く環境は、消費動向に不透明さが残るなか、エネルギー価格や人件費をはじめとする製造コストの上昇と価格競争の激化など厳しい状況が継続することが想定されます。
このような状況のなか、当社グループは「健康で豊かな食生活を創造するために安全・安心な商品を提供し、社会と食文化の発展に貢献していく」という基本的な考えのもと、中期経営計画の収益目標達成に向けた「営業力強化」と「コスト構造改革」を具現化するとともに、「成長市場に向けた事業創造とグローバル展開」を通して永続的なグループの発展に努めてまいります。
「中期経営計画の達成」に向けては、食肉事業本部の収益改善が必要不可欠となります。商品別採算管理とグループを含めたトータル管理を徹底し、さらに関係箇所との連携を密にすることにより、収益の改善を推進してまいります。
「営業力強化」においては食肉事業本部、加工食品事業本部の営業部門が一体となった取り組みを引き続き強化し、加工食品事業本部の営業部門も食肉製品の販売を手がけてまいります。また、販売促進策としては、東京ディズニーリゾート®の貸切イベントキャンペーンやプライベートキャンペーン、テレビCMの全国放映やLINEを継続するとともに、新たにスポンサーとなったレゴランド・ジャパンの展開も加え、幅広い層への認知度アップに繋げてまいります。商品開発においては、新たな価値創造、消費シーンの変化に対応すべく、コンシューマー商品と業務用商品ごとに開発機能を集中させ、商品の優位性を確かなものとしてまいります。
「コスト構造改革」においては、昨年6月に稼動を開始した茨城工場の新ウインナープラントが順調に始動し、新たな成長戦略の要となっています。また、製造コスト削減を目指す「革新的生産技術開発(ものづくり)」を継続し、省人化・生産性向上に対応する最新鋭設備の投入、新技術開発と工程改革を強力に推し進めるとともに、商品規格数の適正管理、原材料の有効活用、物流コスト削減などを図り、商品の競争力を高めることに注力してまいります。
今後の展開では食肉事業本部において、国産豚肉インテグレーションの強化・拡大を武器として積極的に営業展開していくことが重要な施策となります。関連牧場との連携による㈱かみふらの工房、鹿児島工場併設の食肉加工センターの安定稼動と販売の一貫性を武器に業容の拡大を行ってまいります。
加工食品事業本部においては、コンビニエンスストア向けベンダー事業における相模原第二工場が本年2月に稼動を開始し、旧工場からの製品移管も無事完了し、今後関東圏での拡大を図り、収益基盤の拡大を図ってまいります。
「成長市場に向けた事業創造とグローバル展開」においては、健康に配慮した独自ブランド商品「プリマヘルシー」として糖質ゼロのハム・ベーコンやサラダチキンを投入し、新たな市場拡大を図ってまいります。また、当社の「その他の関係会社」である伊藤忠商事㈱およびそのグループ会社とのコラボレーションを主体とした事業の拡大にも取り組んでまいります。
お客様に安全・安心な商品をお届けするために、厳格な原材料調達のもと、生産現場においてはHACCP、ISO22000、AIB、FSSC22000などの管理手法を基軸に、日々の品質管理の徹底・強化を図っております。環境保全の面ではグループ全体でのリスク管理や環境への配慮を強化するために環境方針に沿って、取り組んでまいります。これからも省エネルギーや廃棄物の発生抑制などに対し、取り組む努力を重ねてまいります。
また、内部統制機能とコンプライアンス体制のより一層の充実に努め、コーポレートガバナンス体制の強化を図るととともに、CSRの更なる推進として社会貢献活動、食育活動、地域との共生に配慮した事業活動にも積極的に取り組み、企業としての継続的な経営革新を実行してまいります。
当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。
なお、各項目における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 市況変動のリスク
当社グループは食肉及び食肉加工食品を扱っており、販売用食肉はもとよりハム・ソーセージ、加工食品などの原材料となる畜産物の相場変動によるリスクがあります。
特にPED(豚流行性下痢)や鶏インフルエンザなどの家畜疾病問題やセーフガードの発動による輸入原料肉の価格高騰を招く懸念があるほか、食肉の消費環境を超えた需給逼迫による食肉相場の高騰など市況変動の影響を受けております。
また、包装資材や、重油も原油価格などの変動の影響を受けております。
これらの市況が高騰した場合には当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2) 為替変動のリスク
当社グループは海外から原材料および商品を輸入しており、これらの国の現地通貨に対する為替レートの変動が業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3) 食の安全・安心のリスク
当業界におきましては、消費者から品質に関する厳しい目をむけられております。
当社グループは、お客様に安全・安心な商品をお届けするために、厳格な原料調達のもと、生産現場においてはHACCP、ISO22000、FSSC22000などの管理手法を基軸に、日々品質管理の徹底を図っておりますが、万が一不測の事態により商品の問題が発生した場合には速やかな情報の伝達と再発防止策を構築し、お客様第一の対応を行います。しかしながら上記取り組みを超えた問題が発生した場合には、当社グループに悪影響を及ぼす可能性があります。
(4) 資産減損のリスク
同業他社との競争激化により市場環境が悪化し、当社グループが目指している事業展開が想定を超えて遅延した結果、当社グループが保有する固定資産が期待通りのキャッシュ・フローを生み出さないか、もしくは遊休化してしまうような場合、あるいは当社グループが保有する土地の時価が大幅に下落する場合には減損損失を計上する可能性があります。
その場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5) 法的規制のリスク
当社グループは、事業活動を行う上で食品衛生法、食品表示法などに関する法規制や環境・リサイクル関連法規など、各種法的規制を受けております。また海外各国で事業を展開していく上で事業・投資の認可、国家安全保障等による輸出制限などの政府規制の適用を受けると共に、通商、独占禁止、環境・リサイクル関連の法的規制を受けております。
規制を遵守出来なかった場合は、当社グループの事業活動が制限される可能性があります。
(6) 災害等のリスク
当社グループは地震や台風等の大規模な自然災害により生産および物流拠点や事業所が被害を被る可能性があります。その場合には、事業活動の停止や拠点の設備に甚大な損害を受けることとなり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
当連結会計年度では、当社の研究開発部門を基礎研究所、生産技術開発部及びものづくり部の3部門を中心とした開発本部として機能を強化し、グループ会社であるプライムテック株式会社とともに、食肉加工あるいは食肉生産に関する先端的な基礎研究から、それらを活用した商品開発、生産技術開発に至るまで、精力的な研究開発活動を行っております。
基礎研究所では、安全・安心、おいしさ、環境保全などに係わる研究開発や知財管理の強化を図りながら、開発技術の外販活動を推進してまいりました。
安全・安心に係わる研究開発では、独自に開発した食物アレルギー物質検査用の「簡易キット」や2010年に公定法として消費者庁より認められた「定量ELISA法」などを継続して拡販してまいりました。また新しい検査キットの開発を進め、ふきとり検査が容易にできる検査キットが完成し、2016年11月より販売を開始致しました。これらにより食品工場などでのアレルゲン検査への利用拡大が見込まれております。有害化学物質検査法の研究では、グループ会社である株式会社つくば食品評価センターで行われる農薬・動物薬の検査精度の維持管理を行うとともに異物検査を充実いたしました。おいしさの研究では、食肉加工品の品質に係わる新評価法や新たな風味解析手法などの研究を推進し、科学的解析に基づいたおいしさなどの品質に係わる情報の提供を行い、関連部門とともに商品開発、品質改善や販促活動の一翼を担ってまいりました。環境保全に係わる研究では、独自に発見した動物性残渣を効果的に処理できる有用菌を生ごみ処理に活用したり、また同じく油脂分解菌に排水処理に活用する拡販活動を推進してまいりました。本年度はとくに他部門と技術に関する調査・分析機能を共用して、得られた情報を全社的に発信することにより、研究開発部門、事業部門と一体となって具体的施策を推進し、利益の最大化、企業価値向上に貢献することを目標とした活動を実施してまいりました。
生産技術開発部では、生産工程の省人省力化および生産性向上を目指した生産設備の開発を中心とした取組みに加え、昨年度発足した「ものづくり部」と連動し、革新的製造技術や差別化商品の開発を目指した取り組みも行っております。ハム・ソーセージにおきましては主力商品であるコンシューマパック包装ラインにおいて当社独自の技術により生産性向上を図り、またロボット技術を応用した自動化ラインの展開により省人省力化を推進するなど、製造コスト削減に寄与してまいりました。最近では雇用の確保が困難な状況の中、加工食品やデリカ等グループ会社から要望に応えるべく自動化・合理化課題の取り組みを始めました。また、安全・安心をより高めるべく自社開発の各種検査機器の開発導入や工程内のマテハンおよびサニテーションに係わる改善も細部にわたり実施し、効果を上げております。
ものづくり部では、中・長期的な視点からの革新的ものづくりを追求することにより、独創的で斬新な商品および製法・工程の開発を目的として、素材(生肉)の探究、製造工程の追究、美味しさ・楽しさの追求を行っております。素材(生肉)の探究では、生産技術開発部と連動し、原料肉特性(硬度など)の迅速測定法の開発やマッサージ中の塩漬肉の挙動を解析するための装置開発を行い、原料選別や塩漬工程短縮への応用について取り組んでまいりました。製造工程の追究では、関連部門と連携しながら、硬度測定技術と連動した次世代インジェクターの開発、多重充填システム技術を用いたドライ商品の開発、新規乾燥技術を用いた生ハム、サラミの工程時間短縮および新商品の開発を推進してまいりました。美味しさ・楽しさの追求では、簡便性、利便性、健康などをキーワードとした新カテゴリーの商品開発を行ってまいりました。特に、今後の市場環境や市場動向を見据え、家庭でのレンジ加熱調理・オーブン加熱調理などに対応するため、新規包装技術や加熱調理技術を応用したロングライフチルド商品の市場投入を目指しております。
プライムテック株式会社は、“マイクロマニピュレーションおよび授精・発生のプロ集団”として活動しており、ユニークな精密駆動技術を利用し独自に開発したマイクロマニピュレータの専門メーカーとして、装置開発、製造および販売、研究開発活動を行っております。
主要機器ピエゾマイクロマニピュレータ(PMM)を用いた顕微授精「Piezo-icsi」は、卵子に優しく、培養士の技術格差を軽減する手技として生殖医療分野で評価を高めております。2017年2月には、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)成育疾患克服等総合研究事業において、顕微授精技術の標準化を目指した「第1回Piezo-icsiフォーラム」を東京医科歯科大学および亀田IVFクリニック幕張と開催しました。またタイのKullapat Polyclinic & IVF Centerにおいて「WORKSHOP ON PIEZO TECHNIQUES」を開催し、海外へのPMM手法の普及を推進しております。一方、保有する高度なマイクロマニピュレーション技術と遺伝子組み換え技術を活用し、産官学の共同研究により高度な医学・医療分野や受精発生に関わる基礎的なバイオテクノロジーの研究開発も推進しております。既に開発済みの医用モデル豚は実用化に向けての評価に取り組んでおります。
なお、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、3億99百万円です。
当連結会計年度の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの分析は、以下のとおりです。
なお、本項に記載した将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)経営成績の分析
①売上高
当連結会計年度の売上高は3,633億36百万円であり前連結会計年度と比較しますと21億13百万円の増収となっております。
加工食品事業本部の中でハム・ソーセージ部門は、主力ブランドを中心とした販売活動やキャンペーンの展開は、販売数拡大に大きく貢献しました。さらに加工食品部門でも積極的販売に努め、原材料価格の安定や生産性の向上により、売上高が昨年を上回る結果となりました。また食肉事業本部はオリジナルブランド商品の拡販や得意先の新規・深耕開拓を積極的に行い、販路拡大に努めました。
加工食品事業本部売上高の前連結会計年度からの増加額 54億75百万円
食肉事業本部売上高の前連結会計年度からの減少額 33億69百万円
②営業利益
当連結会計年度の営業利益は、昨年6月より茨城工場新ウインナープラントが稼動を開始し、コスト競争力も着実に高まり、加工食品事業が好調に推移したことで、155億65百万円となり、前連結会計年度と比較しますと73億18百万円の増益となりました。
③経常利益
当連結会計年度の経常利益は161億2百万円であり、前連結会計年度と比較しますと73億26百万円の増益となりました。
④親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は100億9百万円であり、前連結会計年度と比較しますと35億80百万円の増益となりました。
(2)財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ174億8百万円増加し1,709億19百万円となりました。これは主に、現金及び預金が130億62百万円、受取手形及び売掛金が13億58百万円、有形固定資産が76億21百万円増加し、たな卸資産が64億92百万円減少したことによるものです。
(負債)
負債については、前連結会計年度末に比べ82億39百万円増加し917億21百万円となりました。これは主に、長期借入金(1年内返済予定を含む)が67億13百万円、支払手形及び買掛金が20億86百万円、未払法人税等が10億41百万円増加し、短期借入金が35億45百万円減少したことによるものです。
(純資産)
純資産については、前連結会計年度末に比べ91億68百万円増加し791億98百万円となりました。これは主に、利益剰余金が90億7百万円増加したことによるものです。
(3)キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ125億41百万円増加(前連結会計年度末は19億39百万円の増加)し194億68百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは260億3百万円のネット入金(前連結会計年度は52億9百万円のネット入金)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益153億37百万円、減価償却費70億1百万円の計上、たな卸資産64億29百万円の減少、仕入債務21億75百万円の増加、売上債権16億32百万円の増加、法人税等の支払33億73百万円です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは147億90百万円のネット支払(前連結会計年度は126億17百万円のネット支払)となりました。主な要因は、新工場設備投資、生産設備更新、生産性向上および品質安定を目的とした有形固定資産の取得による支出133億5百万円です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは13億35百万円のネット入金(前連結会計年度は93億47百万円のネット入金)となりました。主な要因は、長期借入れによる収入90億円、短期借入金35億50百万円の減少、長期借入金の返済による支出22億93百万円、配当金の支払10億4百万円です。