第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

当社ならびにグループ各社は、「健康で豊かな食生活を創造するために安全・安心な商品を提供し、社会と食文化に貢献していく」という基本的な考えのもと、コンプライアンス体制の充実、品質保証体制の強化、情報セキュリティ管理の強化、環境保全等を通してお客様から信頼を得られる企業体質を引き続き構築してまいります。

併せて、「業務改革」「構造改革」「意識改革」を継続するとともに、グループ企業のリストラクチャリングを進め、事業領域の選択と集中を図りながら経営効率化を具現化し、グループとしての利益最大化を実現してまいります。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループは、株主資本純利益率(ROE)を最も重要な経営指標と位置づけております。2018年度を初年度とする3ヵ年中期経営計画(ローリングプラン)の着実な実行により、自己資本比率40%以上を維持しつつ、株主資本純利益率(ROE)10%以上を目指してまいります。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、中期経営計画を策定し、収益目標の達成とグループ規模の拡大に向けて「売上拡大」「低コスト体質の推進」を柱に事業運営を推進するとともに、「成長戦略」を中期経営計画におけるもう一つの柱とし、将来に向けた設備投資、研究開発、人材育成などを通して経営基盤の強化を図っております。

 

(4)経営環境及び対処すべき課題

景気は緩やかに拡大していますが、個人消費は好調ながらも先行きの不透明さから勢いを欠く状況が続いています。さらに保護主義の台頭等、世界経済の先行き不透明感はますます強まり、為替や株の不安定さが増しているなか、日本経済は通商政策や為替問題、金融政策の出口戦略等の解決を迫られる局面を迎えます。当社を取巻く環境は、消費動向に不透明さが残るなか、原料価格やエネルギー価格の高騰、人手不足を背景とした人件費をはじめとする製造コストの上昇と価格競争の激化など厳しい状況が継続することが想定されます。

このような状況のなか、当社グループは「健康で豊かな食生活を創造するために安全・安心な商品を提供し、社会と食文化の発展に貢献していく」という基本的な考えのもと、中期経営計画の収益目標達成に向けた「営業力強化」と「コスト構造改革」を具現化するとともに、「成長市場に向けた事業創造とグローバル展開」を通して永続的なグループの発展に努めてまいります。

「中期経営計画の達成」に向けては、食肉事業本部の収益改善が必要不可欠となります。商品別採算管理とグループを含めたトータル管理を徹底するとともに、食肉事業における川上(肉豚生産事業)、川中(食肉処理・加工事業)、川下(食肉販売事業)のトータル事業強化を推進してまいります。特に川上・川中事業においては、持分法適用会社である(有)かみふらの牧場と(有)肉質研究牧場を子会社化し、さらに協力牧場との関係を深めることにより、規模の拡大を図るとともに、プリマハムグループとしての一貫した方針による国産豚肉の生産販売体制を確立し、収益の改善・拡大を推進してまいります。

「営業力強化」においては食肉事業本部、加工食品事業本部の営業部門が一体となった取り組みを引き続き強化し、加工食品事業本部の営業部門も食肉製品の販売を手がけてまいります。また、販売促進策としては、東京ディズニーリゾート®の貸切イベントキャンペーンやプライベートキャンペーン、テレビCMの全国放映やLINEを継続するとともに、新たにホテル・水族館を加えたレゴランド®・ジャパンの展開も加え、幅広い層への認知度アップに繋げてまいります。商品開発においては、新たな価値創造、消費シーンの変化に対応すべく、コンシューマー商品と業務用商品ごとに開発機能を集中させ、商品の優位性を確かなものとしてまいります。

「コスト構造改革」においては、「香薫®あらびきポークウインナー」を中心に茨城工場の新ウインナープラントが順調に生産数量を拡大し、その好調な稼動は環境にも配慮した新たな成長戦略の要となっています。また、製造コスト削減を目指す「革新的生産技術開発(ものづくり)」を継続し、省人化・生産性向上に対応する最新鋭設備の投入、新技術開発と工程改革を強力に推し進めるとともに、商品規格数の適正管理、原材料の有効活用、物流コスト削減などを図り、商品の競争力を高めることに注力してまいります。

加工食品事業本部においての今後の展開では、現在建設中の、茨城工場新ハム・ベーコンプラント稼動に向けて、環境負荷の軽減とあわせて更なる数量の確保に邁進してまいります。

「成長市場に向けた事業創造とグローバル展開」においては、健康に配慮した独自ブランド商品「プリマヘルシー」として糖質ゼロのサラダチキンを投入するとともに、サラダチキンのバリエーションを増やすことで新たな市場拡大を図ってまいります。また、当社の「その他の関係会社」である伊藤忠商事㈱およびそのグループ会社とのコラボレーションを主体とした事業の拡大にも取り組んでまいります。

お客様に安全・安心な商品をお届けするために、厳格な原材料調達のもと、生産現場においてはHACCP、ISO22000、AIB、FSSC22000などの管理手法を基軸に、日々の品質管理の徹底・強化を図っております。環境保全の面ではグループ全体でのリスク管理や環境への配慮を強化するために環境方針に沿って、取り組んでまいります。これからも省エネルギーや廃棄物の発生抑制などに対し、取り組む努力を重ねてまいります。

また、内部統制機能とコンプライアンス体制のより一層の充実に努め、コーポレートガバナンス体制の強化を図るとともに、CSRの更なる推進として社会貢献活動、食育活動、地域との共生に配慮した事業活動にも積極的に取組み「なくてはならない会社」を目指し、企業としての継続的な経営革新を実行してまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。

なお、各項目における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1) 市況変動のリスク

当社グループは食肉及び食肉加工食品を扱っており、販売用食肉はもとよりハム・ソーセージ、加工食品などの原材料となる畜産物の相場変動によるリスクがあります。

特にPED(豚流行性下痢)や鶏インフルエンザなどの家畜疾病問題やセーフガードの発動による輸入原料肉の価格高騰を招く懸念があるほか、食肉の消費環境を超えた需給逼迫による食肉相場の高騰など市況変動の影響を受けております。

また、包装資材や、重油も原油価格などの変動の影響を受けております。

これらの市況が高騰した場合には当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 為替変動のリスク

当社グループは海外から原材料および商品を輸入しており、これらの国の現地通貨に対する為替レートの変動が業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 食の安全・安心のリスク

当業界におきましては、消費者から品質に関する厳しい目をむけられております。

当社グループは、お客様に安全・安心な商品をお届けするために、厳格な原料調達のもと、生産現場においてはHACCP、ISO22000、FSSC22000などの管理手法を基軸に、日々品質管理の徹底を図っておりますが、万が一不測の事態により商品の問題が発生した場合には速やかな情報の伝達と再発防止策を構築し、お客様第一の対応を行います。しかしながら上記取り組みを超えた問題が発生した場合には、当社グループに悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 資産減損のリスク

同業他社との競争激化により市場環境が悪化し、当社グループが目指している事業展開が想定を超えて遅延した結果、当社グループが保有する固定資産が期待通りのキャッシュ・フローを生み出さないか、もしくは遊休化してしまうような場合、あるいは当社グループが保有する土地の時価が大幅に下落する場合には減損損失を計上する可能性があります。

その場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 法的規制のリスク

当社グループは、事業活動を行う上で食品衛生法、食品表示法などに関する法規制や環境・リサイクル関連法規など、各種法的規制を受けております。また海外各国で事業を展開していく上で事業・投資の認可、国家安全保障等による輸出制限などの政府規制の適用を受けると共に、通商、独占禁止、環境・リサイクル関連の法的規制を受けております。

規制を遵守出来なかった場合は、当社グループの事業活動が制限される可能性があります。

 

(6) 災害等のリスク

当社グループは地震や台風等の大規模な自然災害により生産および物流拠点や事業所が被害を被る可能性があります。その場合には、事業活動の停止や拠点の設備に甚大な損害を受けることとなり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(業績等の概要)

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社、持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、経営成績等)の状況の概要は次の通りです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 財政状態及び経営成績の概要

◆当期の概況について

当連結会計年度のわが国経済は、世界経済の回復と堅調な輸出の拡大や積極的な設備投資の伸びを反映し、緩やかな回復基調を続け、景況感は改善してきました。しかし、終盤は原油高や円高・株安が響いたほか、米政権の保護主義的な通商政策など先行きの不透明感が企業心理を冷やし始めるとともに、米中の貿易摩擦が世界経済にどう影響を及ぼすかの不安を生じさせています。また個人消費はある程度堅調に推移している一方、企業が人手不足からの人件費や資材、原材料等の費用増を販売価格に転嫁しきれていない厳しい状況が続いています。

当業界におきましては、加工食品の輸入原材料等に関しては、現地豚肉生産が順調に推移したことから、数量的には安定した調達をすることができました。しかしながら為替は前期より円安傾向となり、国内外需要の旺盛さから市場価格も上昇し、原材料コストは前期と比較すると高値となる厳しい状況となりました。一方、国内食肉相場においては、年明け以降は安定してきましたが、牛肉・豚肉・鶏肉の相場の高止まりが販売コストに反映しきれない状況となり、特に豚肉においては疾病(PED)の影響が残ったことや夏場の暑さによる発育不良から出荷頭数が大きく回復するには至らず、高値相場が継続する厳しい状況が続きました。また、景気に明るさの兆しはでてきているものの、消費者の低価格志向は強く、企業間の競争も激化し、事業環境は厳しいものとなりました。

このような状況のなか、当社グループは「健康で豊かな食生活を創造するために安全・安心な商品を提供し、社会と食文化の発展に貢献していく」という基本的な考えのもと、中期経営計画の目標の達成に向けて、「事業領域の拡大と収益基盤の更なる強化」と「成長市場に向けた事業創造とグローバル展開」を基本方針と位置づけ、諸施策を講じてまいりました。

 

◆業 績

結果、売上高は3,945億34百万円前期比8.6%増)となりました。利益面におきましては、営業利益は131億29百万円前期比15.6%減)、経常利益は136億46百万円前期比15.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は104億13百万円前期比4.0%増)となりました。

 

◆セグメント別概況

当社グループは当連結会計年度より、第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)の「1.報告セグメントの概要 (3)報告セグメントの変更等に関する事項」に記載のとおり、(組織再編に伴うセグメント区分の変更)を行っております。また、前期比は、前期を新事業区分に組み替えて計算しております。

 

<加工食品事業本部>

① ハム・ソーセージ部門

「香薫®あらびきポークウインナー」をはじめとする重点商品を中心とした販売活動や同時に推進しているLINEやハッピーハロウィーンキャンペーン、期間限定増量等の販売促進政策は、販売数量拡大に大きく貢献しました。また、数量拡大は工場の生産性向上にも寄与するとともに、生産工場においても改革・改善を継続実施し、人時生産性向上やユーティリティーコスト削減などを推進し、コスト競争力を着実に高めてまいりました。

ハム・ソーセージ部門においては、売上高、販売数量はともに前期を上回りシェアを伸ばすことができましたが、お歳暮ギフトについては、宅配料金の値上げも加わり、昨年を下回る結果になりました。

② 加工食品部門

コンシューマー商品では「サラダチキン」や「スパイシースティック」、「絶品点心春巻」などの商品を拡販するとともに、コンビニエンスストアを中心にPB商品についても積極的販売に取り組み、売上高、販売数量はともに前期を上回りシェアを伸ばすことができました。

コンビニエンスストア向けのベンダー事業については、得意先様の出店増を背景に売上は拡大しましたが、利益面においては相模原第二工場の減価償却費等の負担が大きかったことに加え、野菜の高騰や人手不足による製造労務費の増加により、前期を大きく下回る結果になりました。

 

結果、売上高は2,693億80百万円前期比10.1%増)となり、セグメント利益は116億87百万円前期比19.5%減)となりました。

 

<食肉事業本部>

国際的な仕入れ競争激化により、食肉の仕入れ環境は極めて厳しいものとなりましたが、「オレガノビーフ」や「ハーブ三元豚」「米どり」などのオリジナルブランド商品の拡販や得意先の新規・深耕開拓を積極的に行い、売上の拡大に努めました。しかし、利益面においては、国産各畜種の高値相場が続くなか、特に国産豚肉の高値継続の異常相場により、利益の取りづらい環境が続きましたが、終盤は相場も安定し、在庫のコントロールも含め、業績は好調に推移しました。

結果、売上高は1,246億63百万円前期比5.4%増)となり、セグメント利益は12億7百万円前期比53.0%増)となりました。

 

 

<その他>

その他事業(情報処理等)の売上高は4億91百万円前期比18.0%増)となり、セグメント利益は2億36百万円前期比10.8%減)となりました。

 

◆当期の財政状態について

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ192億51百万円増加し1,901億71百万円となりました。これは主に、受取手形及び売掛金が68億4百万円有形固定資産が158億71百万円、たな卸資産が43億52百万円増加し、現金及び預金が66億31百万円減少したことによるものです。

負債については、前連結会計年度末に比べ91億76百万円増加し1,008億97百万円となりました。これは主に、長期借入金(1年内返済予定を含む)が71億33百万円、未払費用が17億62百万円、繰延税金負債が5億72百万円未払法人税等が4億86百万円増加したことによるものです。

純資産については、前連結会計年度末に比べ100億75百万円増加し892億74百万円となりました。これは主に、利益剰余金が83億89百万円増加したことによるものです。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて72億99百万円減少前連結会計年度末は125億41百万円の増加)し121億68百万円となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは108億66百万円のネット入金前連結会計年度は260億3百万円のネット入金)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益147億90百万円減価償却費85億78百万円の計上、売上債権69億2百万円の増加、たな卸資産21億8百万円の増加、法人税等の支払45億60百万円です。

投資活動によるキャッシュ・フローは213億73百万円のネット支払前連結会計年度は147億90百万円のネット支払)となりました。主な要因は、新工場設備投資、生産設備更新、生産性向上および品質安定を目的とした有形固定資産の取得による支出221億29百万円です。

財務活動によるキャッシュ・フローは31億87百万円のネット入金前連結会計年度は13億35百万円のネット入金)となりました。主な要因は、長期借入れによる収入90億円、長期借入金の返済による支出27億40百万円、配当金の支払20億9百万円です。

 

 

(生産、受注及び販売の状況)

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前期比(%)

加工食品事業本部

172,207

112.3

食肉事業本部

12,825

95.6

その他

57

114.7

合計

185,090

110.9

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 金額は、製造原価によっております。

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2) 受注実績

当社の子会社プライムデリカ㈱は受注生産を行っておりますが、受注当日ないし翌日に製造、出荷しており、また、当社の子会社プライムテック㈱は受注生産を行っておりますが、金額が些少なため、受注高ならびに受注残高の記載を省略しております。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前期比(%)

加工食品事業本部

269,380

110.1

食肉事業本部

124,663

105.4

その他

491

118.0

合計

394,534

108.6

 

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

㈱セブン-イレブン・ジャパン

101,405

27.9

109,067

27.6

 

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)

経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容は以下のとおりです。

なお、本項に記載した将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

Ⅰ、重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。

詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。

 

 

Ⅱ、当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

①概要

当連結会計年度の売上高は3,945億34百万円前期比8.6%増)となりました。利益面におきましては、営業利益は131億29百万円前期比15.6%減)、経常利益は136億46百万円前期比15.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は104億13百万円前期比4.0%増)となりました。

なお、当社グループは、株主資本純利益率(ROE)を最も重要な経営指標として位置づけております。2018年度を初年度とする3ヵ年中期経営計画(ローリングプラン)の着実な実行により、自己資本比率40%以上を維持しつつ、株主資本純利益率(ROE)10%以上を目指してまいります。

 

②売上高

当連結会計年度の売上高は3,945億34百万円であり前連結会計年度と比較しますと311億98百万円の増収となっております。

加工食品事業本部は、主力ブランドを中心とした販売活動やキャンペーンの展開は、販売数拡大に大きく貢献しました。また食肉事業本部はオリジナルブランド商品の拡販や得意先の新規・深耕開拓を積極的に行い、販路拡大に努めました。

加工食品事業本部売上高の前連結会計年度からの増加額       247億13百万円

食肉事業本部売上高の前連結会計年度からの増加額         64億9百万円

 

③営業利益

食肉事業本部、加工食品事業本部のハム・ソーセージ部門の業績は好調に推移しましたが、コンビニエンスストア向けのベンダー事業について、減価償却費の増加、野菜の高騰や人手不足による製造労務費の増加により、前期を大きく下回る結果になりました。結果、当連結会計年度の営業利益は、131億29百万円となり、前連結会計年度と比較しますと24億35百万円の減益となりました。

 

④経常利益

当連結会計年度の経常利益は136億46百万円であり、前連結会計年度と比較しますと24億56百万円の減益となりました。

 

⑤親会社株主に帰属する当期純利益

当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は104億13百万円であり、前連結会計年度と比較しますと4億4百万円の増益となりました。

 

⑥経営成績に重要な影響を与える要因

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については「第2 事業の状況  2 事業等のリスク」に記載しております。

 

⑦資本の財源及び資金の流動性

当社グループの運転資金は、主に製品製造のための材料費、労務費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用並びに当社グループの設備投資及び改修等に支出しております。これらの必要資金につきましては営業キャッシュ・フローを源泉とする自己資金のほか、金融機関からの借入等による資金調達にて対応していくこととしております。

また、当社及び国内子会社においてCMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)を導入することにより、各社における余剰資金を当社へ集中し、一元管理を行うことで資金効率の向上を図っております。

 

⑧セグメントごとの財政状態

加工食品事業本部

加工食品事業本部につきましては、当社茨城工場新プラントの建設、プライムデリカ㈱相模原第二工場の建設、生産性向上を目的とした最新鋭設備導入等の設備投資を行っております。これらの投資により生産数量の拡大、省人化、環境負荷の軽減、新技術開発や工程改革を推し進め、商品規格数の適正管理、原材料の有効活用、物流コスト削減などを図り、事業競争力を高めることに注力してまいります。

 

食肉事業本部

食肉事業本部につきましては、(有)かみふらの牧場及び(有)肉質研究牧場の株式を追加取得し、連結子会社としました。これは食肉事業における川上(肉豚生産事業)及び川中(食肉処理・加工事業)の強化を目的としたものであり、規模の拡大を図るとともに当社グループとしての一貫した方針による国産肉豚の生産体制を確立し、収益力の拡大を推進してまいります。

 

その他事業

その他事業につきましては、グループの人事・総務、情報システム等のサービス業務の充実を図ることでグループ経営基盤を強化する方針にて事業を推進してまいります。

 

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

当連結会計年度では、当社の研究開発部門を基礎研究所、生産技術開発部及びものづくり部の3部門を中心とした開発本部として機能を強化し、グループ会社であるプライムテック株式会社とともに、食肉加工あるいは食肉生産に関する先端的な基礎研究から、それらを活用した商品開発、生産技術開発に至るまで、精力的な研究開発活動を行っております。 

 基礎研究所では、安全・安心、おいしさ、健康、環境保全などに係わる研究開発を行ってきました。また、開発技術の外販活動を推進してまいりました。

安全・安心に係わる研究開発では、独自に開発した食物アレルギー物質検査用の「簡易キット」や2010年に公定法として消費者庁より認められた「定量ELISA法」などを継続して拡販してまいりました。また新しい検査キットの開発を進め、ふきとり検査が容易にできる検査キットが完成し、2016年より販売を開始しました。簡単に検査できることから、販売も徐々に拡大基調になってきています。有害化学物質検査、異物検査は、グループ会社である株式会社つくば食品評価センターで行い検査精度の改良や維持管理を集約し充実いたしました。おいしさの研究では、食肉加工品の品質に係わる新評価法や新たな風味解析手法などの研究を推進し、科学的解析に基づいたおいしさなどの品質に係わる情報の提供を行い、関連部門とともに商品開発、品質改善や販促活動の一翼を担ってまいりました。健康に係わる研究では、食肉本来のもっている機能を健康維持に活かす研究を進めています。環境保全に係わる研究では、独自に発見した動物性残渣を効果的に処理できる有用菌を生ごみ処理に活用したり、また同じく油脂分解菌に排水処理に活用する拡販活動を推進してまいりました。本年度はとくに他部門と技術に関する調査・分析機能を共用して、得られた情報を全社的に発信することにより、研究開発部門、事業部門と一体となって具体的施策を推進し、利益の最大化、企業価値向上に貢献することを目標とした活動を実施してまいりました。

生産技術開発部では、生産工程の省人省力化および生産性向上を目指した生産設備の開発を中心とした取組みに加え、基礎研究所やものづくり部と連動し革新的製造技術開発や差別化商品の開発を目指した取り組みも行っております。ハム・ソーにおきましては主力商品であるコンシューマパック包装ラインにおいて、当社独自の自動化技術により業界でもトップクラスを誇る生産性を達成し、製造コスト削減に貢献してまいりました。また早期から産業用ロボットを活用した自動化を積極的に推進し生産性向上に寄与してまいりましたが、最近では情報システム部とも連携を取りながらAI、IoT関連技術の動向を睨みつつ、合理化や検査技術開発、工程管理へ応用化への取組みを開始しました。昨今の雇用難の状況において、1日の約3分の1の時間を占める工場内のサニテーション作業についてもメス入れを行い、ハード・ソフトの両面から作業負荷の軽減を目指す取り組みを行っております。

ものづくり部は、中・長期的な視点からの革新的ものづくりを追求することにより、独創的で斬新な商品および製法・工程の開発を目的とする1・2課に加え、2017年度より市販用および業務用商品の開発を行う3・4課を加えた4課体制で活動を実施してまいりました。中・長期課題では、製造工程の追究として、新規の塩漬方法や乾燥技術を用いた生ハム、サラミの工程時間短縮および新商品の開発を推進し、乾燥期間短縮・歩留向上の効果を確認しております。美味しさ・楽しさの追求では、包装技術や加熱調理技術を応用し、簡便性、利便性、健康などをキーワードとした新カテゴリーの商品開発を進め、トレイ含気商品や包装後加熱商品の市場投入を目指しております。また、9月から、ハム・ソーセージ製造技術を体系的に習得した技術者の育成を目的として、社員1名をドイツ食肉加工メーカーに派遣し、マイスター資格の取得を目指しております。市販用および業務用商品の開発では、関連部署と連携しながら新商品あるいはリニューアル商品の商品設計・工場導入を行なってまいりました。特に業務用商品の開発は、取扱件数・取扱数量ともに多く、全社の生産数量および利益の拡大に貢献することを目標として活動を実施しております。

プライムテック株式会社は、“マイクロマニピュレーションのプロフェッショナル”の自負をもって、ユニークな精密駆動技術を利用し独自に開発したピエゾマイクロマニピュレータ「PMM」の専門メーカーとして、装置の開発と製造・販売、また装置を活用した研究を行っております。PMMを用いた顕微授精「Piezo-ICSI」は生殖医療分野で、卵子への負担を減らし、さらに培養士の技術格差を軽減する技術として高い評価をいただいております。2018年2月には、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)成育疾患克服等総合研究事業において、Piezo-ICSIの標準化を目指した「第2回Piezo-ICSIフォーラム」を東京医科歯科大学および亀田IVFクリニック幕張と共同開催いたしました。またタイでは、当社も協賛する「Kullapat Polyclinic & IVF Center」の開設とそこでの「WORKSHOP ON PIEZO TECHNIQUES」を開催し、海外へのPiezo-ICSIの普及を推進しております。一方、自社のマイクロマニピュレーション技術と遺伝子組み換え技術を活用した産官学の共同研究により、医学・医療分野や受精発生に関わる基礎的なバイオテクノロジーの研究を推進しており、既に開発済みの医用モデル豚は実用化に向けた評価に取り組んでおります。

なお、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、3億81百万円です。