文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社並びにグループ各社は、「健康で豊かな食生活を創造するために安全・安心な商品を提供し、社会と食文化に貢献していく」という基本的な考えのもと、コンプライアンス体制の充実、品質保証体制の強化、情報セキュリティ管理の強化、環境保全等を通してお客様から信頼を得られる企業体質を引き続き構築してまいります。
併せて、「業務改革」「構造改革」「意識改革」を継続するとともに、グループ企業のリストラクチャリングを進め、事業領域の選択と集中を図りながら経営効率化を具現化し、グループとしての利益最大化を実現してまいります。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、自己資本利益率(ROE)を最も重要な経営指標と位置づけております。2019年度を初年度とする3ヵ年中期経営計画(ローリングプラン)の着実な実行により、自己資本比率40%以上を維持しつつ、自己資本利益率(ROE)10%以上を目指してまいります。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、中期経営計画を策定し、収益目標の達成とグループ規模の拡大に向けて「売上拡大」「低コスト体質の推進」を柱に事業運営を推進するとともに、「成長戦略」を中期経営計画におけるもう一つの柱とし、将来に向けた設備投資、研究開発、人材育成などを通して経営基盤の強化を図っております。
(4)経営環境及び対処すべき課題
景気は緩やかに回復していますが、個人消費は好調な面はあるものの先行きの不透明さから勢いを欠き、賃金の伸び悩みや株価の下落で消費の足取りは鈍い状況が続いています。さらに保護主義の台頭等、世界経済の先行き不透明感から世界経済見通しで、成長率予測が引き下げられるなか、日本経済は通商政策や為替問題、金融政策の出口戦略等の解決を迫られる局面を迎えます。当社を取巻く環境は、消費動向に不透明さが残るなか、原料価格やエネルギー価格の高騰、人手不足を背景とした人件費をはじめとする製造コストの上昇と価格競争の激化など厳しい状況が継続することが想定されます。特に畜肉の疾病問題については、中国でアフリカ豚コレラが蔓延する中、中国の購買動向が世界豚肉市場に大きな影響を及ぼす可能性もあり、注視していく必要があります。
このような状況のなか、当社グループは「健康で豊かな食生活を創造するために安全・安心な商品を提供し、社会と食文化に貢献していく」という基本的な考えのもと、中期経営計画の収益目標達成に向けた「営業力強化」と「コスト構造改革」を具現化するとともに、「成長市場に向けた事業創造とグローバル展開」を通して永続的なグループの発展に努めてまいります。
「中期経営計画の達成」に向けては、食肉事業本部の収益改善が必要不可欠となります。商品別採算管理とともに、川上(肉豚生産事業)、川中(食肉処理・加工事業)、川下(食肉販売事業)の食肉事業全体を強化してまいります。特に川上・川中事業においては、子会社化した有限会社かみふらの牧場と有限会社肉質研究牧場、ジャパンミート株式会社、株式会社ユキザワの4牧場会社により規模の拡大を図ると共に、プリマハムグループとしての一貫した方針による国産豚肉の生産販売体制を確立し、収益の改善・拡大を推進してまいります。
「営業力強化」においては食肉事業、加工食品事業の営業部門が一体となり得意先との関係強化を推進してまいります。また、販売促進策としては、東京ディズニーリゾート®の貸切イベントキャンペーンやプライベートキャンペーン、テレビCMの全国放映やLINEを継続するとともに、新たにホテル・水族館を加えたレゴランド・ジャパンの展開も加え、幅広い層への認知度アップに繋げてまいります。商品開発においては、新たな価値創造、消費シーンの変化に対応すべく開発本部に商品開発機能を集中させ、商品の優位性を確かなものとしてまいります。
「コスト構造改革」においては、本年7月より稼働を開始する茨城工場の新ハム・ベーコンプラントの安定稼動が課題となります。このプラントは環境にも配慮した設計となっており、新たな成長戦略の要ともなっています。また、製造コスト削減を目指す「革新的生産技術開発(ものづくり)」を継続し、省人化・生産性向上に対応する最新鋭設備の投入、新技術開発と工程改革を強力に推し進めるとともに、商品規格数の適正管理、原材料の有効活用、物流コスト削減などを図り、商品の競争力を高めることに注力してまいります。
「成長市場に向けた事業創造とグローバル展開」においては、健康に配慮した独自ブランド商品「プリマヘルシー」として糖質ゼロのサラダチキンを投入するとともに、サラダチキンのバリエーションを増やすことで新たな市場拡大を図ってまいります。また、当社の「その他の関係会社」である伊藤忠商事株式会社及びそのグループ会社とのコラボレーションを主体とした事業の拡大にも取り組んでまいります。
お客様に安全・安心な商品をお届けするために、厳格な管理のもとで原材料を調達し、生産現場においてはHACCP、ISO22000、FSSC22000などの管理手法を基軸に、日々の品質管理の徹底・強化を図っております。環境保全の面ではグループ全体でのリスク管理や環境への配慮を強化するために環境方針に沿って取り組んでまいります。これからも省エネルギーや廃棄物の発生抑制などに対し、取り組む努力を重ねてまいります。
また、内部統制機能とコンプライアンス体制のより一層の充実に努め、コーポレート・ガバナンス体制の強化を図るとともに、CSRの更なる推進として社会貢献活動、食育活動、地域との共生に配慮した事業活動にも積極的に取り組み、企業としての継続的な経営革新を実行してまいります。
当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。
なお、各項目における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 市況変動のリスク
当社グループは食肉及び食肉加工食品を扱っており、販売用食肉はもとよりハム・ソーセージ、加工食品などの原材料となる畜産物の相場変動によるリスクがあります。
特にPED(豚流行性下痢)や豚コレラ、鶏インフルエンザなどの家畜疾病問題やセーフガードの発動による輸入原料肉の価格高騰を招く懸念があるほか、食肉の消費環境を超えた需給逼迫による食肉相場の高騰など市況変動の影響を受けております。
また、包装資材や重油も原油価格などの変動の影響を受けております。
これらの市況が高騰した場合には当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2) 為替変動のリスク
当社グループは海外から原材料及び商品を輸入しており、これらの国の現地通貨に対する為替レートの変動が業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3) 食の安全・安心のリスク
当業界におきましては、消費者から品質に関する厳しい目をむけられております。
当社グループは、お客様に安全・安心な商品をお届けするために、厳格な管理のもとで原材料を調達し、生産現場においてはHACCP、ISO22000、FSSC22000などの管理手法を基軸に、日々品質管理の徹底を図っておりますが、万が一不測の事態により商品の問題が発生した場合には速やかな情報の伝達と再発防止策を構築し、お客様第一の対応を行います。しかしながら上記取り組みを超えた問題が発生した場合には、当社グループに悪影響を及ぼす可能性があります。
(4) 資産減損のリスク
同業他社との競争激化により市場環境が悪化し、当社グループが目指している事業展開が想定を超えて遅延した結果、当社グループが保有する固定資産が期待通りのキャッシュ・フローを生み出さないか、もしくは遊休化してしまうような場合、あるいは当社グループが保有する土地の時価が大幅に下落する場合には減損損失を計上する可能性があります。
その場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5) 法的規制のリスク
当社グループは、事業活動を行う上で食品衛生法、食品表示法などに関する法規制や環境・リサイクル関連法規など、各種法的規制を受けております。また海外各国で事業を展開していく上で事業・投資の認可、国家安全保障等による輸出制限などの政府規制の適用を受けると共に、通商、独占禁止、環境・リサイクル関連の法的規制を受けております。
規制を遵守出来なかった場合は、当社グループの事業活動が制限される可能性があります。
(6) 災害等のリスク
当社グループは地震や台風等の大規模な自然災害により生産及び物流拠点や事業所が被害を被る可能性があります。その場合には、事業活動の停止や拠点の設備に甚大な損害を受けることとなり、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社、持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、経営成績等)の状況の概要は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当社グループが判断したものであります。
また、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
◆当期の概況について
当連結会計年度のわが国経済は、緩やかな回復基調を続けているものの、原材料費の高騰や人手不足からの人件費の上昇を販売価格に転嫁できないこと、冬場でも暖かい日が多く、冬物衣料や季節商材の売れ行きが不振だったこともあり、足元の景況感は下方への変化局面に向かっています。消費者は値ごろ感を意識して商品を選ぶ節約傾向が根強く、一部商品で原材料不足や人件費・物流費増加要因から値上げが実施されているものの、付加価値を乗せなければ価格転嫁は難しい状況が続いています。また、企業動向も米中貿易摩擦の激化による中国経済の先行きの不透明感が反映され株安となり、世界経済を下押しする情勢が、日本にも影響するという見方が広がっています。
当業界におきましては、豚肉の国内販売については、全国出荷頭数が昨年を上回るなか、輸入品との競合や、暖冬の影響から鍋物需要の動きが悪く、国産豚肉の相場が昨年を大きく下回る厳しい状況となりましたが、加工食品の輸入原材料等については、現地豚肉生産が順調に推移したことから、比較的安定した調達をすることができました。国産鶏肉については、特に年度後半において一部産地での増体悪化等があり、相場は上向きの傾向になりましたが、全体的には昨年を下回る状況で推移しました。しかし輸入鶏肉についてはブラジル産先物に不透明感が強く、玉薄感が強まっている状況となりました。牛肉については、国産価格の高止まりは継続しており、輸入品との競合もあり、利益の取りづらい状況が続いていました。全体的には景気の明るさはうかがえるものの、慢性的な人手不足や消費者の低価格志向は強く、企業間の競争も激化し、事業環境は厳しいものとなりました。
このような状況のなか、当社グループは「健康で豊かな食生活を創造するために安全・安心な商品を提供し、社会と食文化に貢献していく」という基本的な考えのもと、中期経営計画の目標の達成に向けて、「事業領域の拡大と収益基盤の更なる強化」と「成長市場に向けた事業創造とグローバル展開」を基本方針と位置づけ、諸施策を講じてまいりました。
目標とする経営指標につきましては、自己資本比率42.2%と目標水準の40%以上を維持しておりますが、自己資本利益率につきましては9.9%にとどまり、目標の10%を下回る結果となりました。次年度においては中期経営計画(ローリングプラン)に基づき、食肉事業の収益改善に注力することにより、目標とする経営指標の達成を目指してまいります。
◆業 績
結果、売上高は4,130億23百万円(前期比4.7%増)となりました。利益面におきましては、営業利益は131億68百万円(前期比0.3%増)、経常利益は138億29百万円(前期比1.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は82億87百万円(前期比20.4%減)となりました。
◆セグメント別概況
<加工食品事業本部>
① ハム・ソーセージ部門
「香薫®あらびきポークウインナー」はバンドルタイプに加え、大袋も順調に推移し、重点商品を中心とした販売活動や同時に推進しているLINEや東京ディズニーシー®貸切プレシャスナイトへのご招待キャンペーン、合格祈願キャンペーン等の販売促進政策は、販売数量拡大に大きく貢献しました。また数量拡大は工場の生産性向上にも寄与するとともに、生産工場においても改革・改善を継続実施し、人時生産性向上やユーティリティーコスト削減などを推進し、コスト競争力を着実に高めてまいりました。
ハム・ソーセージ部門においては、売上高、販売数量はともに前期を上回りシェアを伸ばすことができ、利益面においても前期を上回ることができました。
② 加工食品部門
コンシューマ商品ではプリマヘルシーの「サラダチキン」や「スパイシースティック」、簡便性を志向した「レンジ鍋」などの商品を拡販するとともに、コンビニエンスストアを中心にプライベート商品についても積極的販売に取り組みましたが、販売競争の激化から、利益面においては厳しい状況が続きました。
コンビニエンスストア向けのベンダー事業については、長鮮度サラダや長鮮度惣菜等の新しい技術を用いた新商品の貢献により売上は大きく拡大し、利益面においても生産性の改善が大きく寄与し、前期を上回る結果になりました。
結果、売上高は2,787億14百万円(前期比3.5%増)となり、セグメント利益は122億円(前期比4.4%増)となりました。
<食肉事業本部>
国際的な仕入れ競争激化により、食肉の仕入れ環境は極めて厳しいものとなりましたが、「オレガノビーフ」や「ハーブ三元豚」「米どり」などのオリジナルブランド商品の拡販や得意先の新規・深耕開拓を積極的に行い、食肉の売上拡大に努めたこと、及び生産事業の拡大を目指したM&Aを実施したことが売上の増加に貢献しました。しかし利益面においては、年度後半以降の国産豚肉相場や鶏肉相場の低迷が、販売事業及び生産事業に大きく影響し、前期を下回る結果になりました。
結果、売上高は1,338億20百万円(前期比7.3%増)となり、セグメント利益は7億55百万円(前期比37.4%減)となりました。
<その他>
その他事業(理化学機器の開発・製造・販売等)の売上高は4億87百万円(前期比0.7%減)となり、セグメント利益は2億12百万円(前期比10.2%減)となりました。
◆当期の財政状態について
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ141億10百万円増加し2,038億62百万円となりました。これは主に、現金及び預金が18億19百万円、受取手形及び売掛金が19億2百万円、有形固定資産が105億51百万円増加したことによるものです。
負債については、前連結会計年度末に比べ87億49百万円増加し1,092億26百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が83億32百万円増加し、長期借入金(1年内返済予定を含む)が22億33百万円減少したことによるものです。
純資産については、前連結会計年度末に比べ53億61百万円増加し946億35百万円となりました。これは主に、利益剰余金が57億13百万円増加したことによるものです。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ15億63百万円増加(前連結会計年度は72億99百万円の減少)し137億32百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは237億86百万円のネット入金(前連結会計年度は108億66百万円のネット入金)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益139億44百万円、減価償却費84億59百万円の計上、仕入債務78億66百万円の増加、たな卸資産7億4百万円の減少、売上債権12億65百万円の増加、法人税等の支払50億12百万円です。
投資活動によるキャッシュ・フローは148億87百万円のネット支払(前連結会計年度は213億73百万円のネット支払)となりました。主な要因は、新工場設備投資、生産設備更新、生産性向上及び品質安定を目的とした有形固定資産の取得による支出129億24百万円、事業譲受による支出11億99百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出10億84百万円です。
財務活動によるキャッシュ・フローは73億47百万円のネット支払(前連結会計年度は31億87百万円のネット入金)となりました。主な要因は、長期借入金の返済による支出58億47百万円、配当金の支払25億12百万円です。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、製造原価によっております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社の子会社プライムデリカ株式会社は受注生産を行っておりますが、受注当日ないし翌日に製造、出荷しており、また、当社の子会社プライムテック株式会社は受注生産を行っておりますが、金額が些少なため、受注高並びに受注残高の記載を省略しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容は以下のとおりです。
なお、本項に記載した将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
Ⅰ、重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
Ⅱ、当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
①概要
当連結会計年度の売上高は4,130億23百万円(前期比4.7%増)となりました。利益面におきましては、営業利益は131億68百万円(前期比0.3%増)、経常利益は138億29百万円(前期比1.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は82億87百万円(前期比20.4%減)となりました。
なお、当社グループは、自己資本利益率(ROE)を最も重要な経営指標として位置づけております。2019年度を初年度とする3ヵ年中期経営計画(ローリングプラン)の着実な実行により、自己資本比率40%以上を維持しつつ、自己資本利益率(ROE)10%以上を目指してまいります。
②売上高
当連結会計年度の売上高は4,130億23百万円であり前連結会計年度と比較しますと184億88百万円の増収となっております。
加工食品事業本部は、主力ブランドを中心とした販売活動やキャンペーンを展開し、販売数量拡大に大きく貢献しました。また食肉事業本部はオリジナルブランド商品の拡販や得意先の新規・深耕開拓を積極的に行い、販路拡大に努めました。さらに、肉豚生産事業の拡大を目指したM&Aを実施したことが売上の増加に貢献しました。
加工食品事業本部売上高の前連結会計年度からの増加額 93億34百万円
食肉事業本部売上高の前連結会計年度からの増加額 91億57百万円
③営業利益
加工食品事業本部の業績は好調に推移しましたが、食肉事業本部において、年度後半以降の国産豚肉相場や鶏肉相場の低迷が、販売事業及び生産事業に大きく影響し、前期を下回る結果となりました。
結果、当連結会計年度の営業利益は、131億68百万円となり、前連結会計年度と比較しますと38百万円の増益となりました。
④経常利益
当連結会計年度の経常利益は138億29百万円であり、前連結会計年度と比較しますと1億82百万円の増益となりました。
⑤親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は82億87百万円であり、前連結会計年度と比較しますと21億26百万円の減益となりました。
⑥経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。
⑦資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金は、主に製品製造のための材料費、労務費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用並びに当社グループの設備投資及び改修等に支出しております。これらの必要資金につきましては営業キャッシュ・フローを源泉とする自己資金のほか、金融機関からの借入等による資金調達にて対応していくこととしております。
また、当社及び国内子会社においてCMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)を導入することにより、各社における余剰資金を当社へ集中し、一元管理を行うことで資金効率の向上を図っております。
⑧セグメントごとの財政状態
加工食品事業本部
加工食品事業本部につきましては、当社茨城工場新プラントの建設、プライムデリカ株式会社相模原ベジタブルプラント建設、生産性向上を目的とした最新鋭設備導入等の設備投資を行っております。これらの投資により生産数量の拡大、省人化、環境負荷の軽減、新技術開発や工程改革を推し進め、商品規格数の適正管理、原材料の有効活用、物流コスト削減などを図り、事業競争力を高めることに注力してまいります。
食肉事業本部
食肉事業本部につきましては、江夏商事株式会社から肉豚処理加工販売事業の事業を譲り受けるとともに、ジャパンミート株式会社及び株式会社ユキザワの株式を取得し、連結子会社としました。これは肉豚生産事業及び販売事業における調達力の強化、並びに養豚事業一元化及び増頭による子会社加工場への肉豚供給の安定化を目的としたものであり、規模の拡大を図るとともに当社グループとしての一貫した方針による国産肉豚の生産体制を確立し、収益力の拡大を推進してまいります。
その他事業
その他事業につきましては、グループの人事・総務、情報システム等のサービス業務の充実を図ることでグループ経営基盤を強化する方針にて事業を推進してまいります。
該当事項はありません。
当連結会計年度では、当社の研究開発部門を基礎研究所、生産技術開発部及びものづくり部の3部門を中心とした開発本部として機能を強化し、当社子会社であるプライムテック株式会社とともに、食肉加工あるいは食肉生産に関する先端的な基礎研究から、それらを活用した商品開発、生産技術開発に至るまで、精力的な研究開発活動を行っております。
基礎研究所では、安全・安心、おいしさ、健康、環境保全などに係わる研究開発を行うとともに、基礎研究から生まれた開発商品の拡販活動を推進するため、社外セミナーや大学での講義、専門誌への投稿などを行なってまいりました。また、各研究機関との連携による研究のレベルアップと効率化を目的とし、研究員を大学院博士課程に派遣しております。安全・安心に係わる研究開発では、独自に開発した食物アレルギー物質検査用の「簡易キット」や公定法である「定量ELISA法」などの販売を継続してまいりました。また、現在販売しているキットよりも、より簡易で精度の高いアレルゲン検査キットの開発及び検査項目の拡充を行い、更なる売上拡大を目指しております。衛生向上技術の開発では、製造環境・ラインの改善、新規微生物検査手法の導入、異物検査手法の開発を行ってまいりました。おいしさの研究では、「美味しさの見える化」を具現化するため、食肉加工品の品質を適正に捕らえる新評価手法に関する研究を推進し、科学的解析に基づいたおいしさの数値化と情報提供を行い、関連部門とともに商品開発、品質改善や販促活動の一翼を担ってまいりました。健康に係わる研究では、食肉本来のもっている機能を健康維持に活かす研究を進めています。環境保全に係わる研究では、動物性残渣や油脂を効果的に処理できる「環境浄化微生物」の拡販活動を推進してまいりました。本年度は、特に関連する他部門との連携を強化し、研究活動の中から得られた情報を全社的に発信することにより、研究開発部門、事業部門と一体となって具体的施策を推進し、利益の最大化、企業価値向上に貢献することを目標に活動を実施してまいりました。
生産技術開発部では、従来から生産工程の省人省力化及び生産性向上を目指した生産設備の開発を中心とした取り組みに加え、最近では基礎研究所やものづくり部と連動し革新的製造技術開発や差別化商品の開発を目指した取り組みも始めています。ハム・ソーセージにおきましては主力商品であるコンシューマパック包装ラインにおいて、当社独自の自動化技術により業界でもトップクラスを誇る生産性を達成し、製造コスト削減に貢献してまいりました。最近では情報システム部とも連携を取りながらAI、IoT関連技術の動向を睨みつつ、合理化や検査技術開発、工程管理等の応用化への取り組みを行っています。昨今の雇用難による人手不足を鑑みて、業務時間の多くを占める工場内のサニテーション作業についてもメス入れを行い、ハード・ソフトの両面から作業負荷の軽減を目指す取り組みを行っております。
ものづくり部は、中・長期的な視点からの革新的ものづくりを追求することにより、独創的で斬新な商品及び製法・工程の開発に加え、2018年度より主に業務用商品の開発を進めてまいりました。中・長期課題では、新規の塩漬方法や乾燥技術を用いた生ハム、サラミの工程時間短縮及び新商品の開発を推進し、乾燥期間短縮・歩留向上の効果を確認しております。美味しさ・楽しさの追求では、包装技術や真空フライなどの加熱調理技術を応用し、簡便性、利便性、健康などをキーワードとした新カテゴリーの商品開発を進め、トレイ含気商品や常温販売商品の市場投入を目指しております。
また、2017年から継続して、ハム・ソーセージ製造技術を体系的に習得した技術者の育成を目的として、社員1名をドイツ食肉加工メーカーに派遣し、マイスター資格の取得を目指しております。
業務用商品の開発では、関連部署と連携しながら新商品あるいはリニューアル商品の設計から工場導入までを行い、数量及び利益の拡大に貢献することを目標として活動を実施しております。
プライムテック株式会社は“マイクロマニピュレーションのプロフェッショナル”の自負をもって、高度な精密駆動技術を利用し独自に開発したピエゾマイクロマニピュレータ「PMM」の専門メーカーとして、装置の開発と製造・販売、また装置を活用した研究を行っております。
近年、日本では、少子高齢化が大きな問題となるなか、社会環境、価値観、意識の変化に起因する結婚年齢の高齢化により不妊治療技術の進歩とその普及が進んでいます。PMMを用いた顕微授精「Piezo-ICSI」は不妊治療を行う医療の現場から、その効果と操作性に高い評価をいただいており、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)成育疾患克服等総合研究事業において東京医科歯科大学及び亀田IVFクリニック幕張とともに国内でのPiezo-ICSIの標準化と普及への取り組み、また、この日本発の技術の全世界への展開に向けた準備を推進しています。
なお、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、