文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
(2)目標とする経営指標
当社グループは、中期経営計画において財務目標を定めております。財務目標のなかでも、事業の効率性を重視し、自己資本利益率(ROE)を最も重要な経営指標と位置づけております。2020年度を初年度とする3ヵ年中期経営計画(ローリングプラン)の着実な実行により、自己資本比率40%以上を維持しつつ、自己資本利益率(ROE)10%以上と配当性向30%程度を安定して達成し、持続的な成長と企業の永続性の確立、並びに事業を通じたステークホルダーへの貢献を目指してまいります。
(3)中長期的な会社の経営戦略
①基本方針
当社グループ中期経営計画の基本方針は、営業力・開発力・商品力の強化により、売上と利益の規模と質を高め、ESGを重視した経営を推進し、「いつも、ずっと、お客様に愛され、支持される会社」になる、を掲げています。経営目標としては、2020年度売上高4,414億円、営業利益145億円を目指してまいります。
②重点施策
方針1 コーポレート・ガバナンス強化とCSR推進による継続的な経営革新
コンプライアンス意識の醸成とガバナンスレベルの向上を実践し、新型コロナウイルスに対応した在宅勤務等の経験も踏まえて、心身ともに健康で、働きがいのある職場づくりを目指した活動を展開し、健全な企業体質を構築します。積極的な情報発信とともに、事業を通じた社会・環境への貢献について、当社グループの課題と役割を再定義します。
方針2 既存事業の領域拡大及び収益基盤の更なる強化
食肉事業部門は、国産豚肉インテグレーションの強化と販売利益管理の徹底を推進します。
加工食品事業部門は、茨城工場を中心としたコスト競争力、供給能力の向上を基盤として、強みのある商品の市場定着と拡大を図ります。更に、超高圧低温処理装置等の活用や当社グループの知見を結集して、価値ある商品の提供を目指します。
また、業務の標準化と自動化を進めて、デジタル技術を活用した、効率的な業務プロセスの構築と戦略的な情報管理の実現に向けた活動を進めてまいります。
方針3 成長市場に向けた事業創造とグローバル展開
伊藤忠商事株式会社とのコラボレーションを主体として、日本国内及び海外の事業領域拡大を進めます。カナダの養豚企業であるハイライフ社とのオリジナルブランドの共同開発及び販売や同社の養豚管理手法の導入を進めます。
海外事業は、グループ会社の所在国及び周辺国への販売を進めておりますが、東南アジア市場を中心とした市場参入を見据えて、検討を進めてまいります。
(4)経営環境及び対処すべき課題
新型コロナウイルスの感染拡大は、世界各国で収まる気配が見えない厳しい状況が続いています。世界的な感染拡大によるサプライチェーンの寸断や需要の落ち込みは、政府の景気判断においても下降局面に入っている厳しい状況にある、とされています。まずは、感染の抑え込みが不可欠となります。そのうえで、感染収束後の経済活性化により日常を取り戻すことが国としての大きな課題となります。
業界としては、特に畜肉の疾病問題において中国でアフリカ豚熱が蔓延する中、中国の購買動向が世界豚肉市場に大きな影響を及ぼす可能性もあり、注視していく必要があります。
このような状況のなか、当社グループは「健康で豊かな食生活を創造するために安全・安心な商品を提供し、社会と食文化に貢献していく」という基本的な考えのもと、中期経営計画の収益目標達成に向けた「営業力強化」と「コスト構造改革」を具現化するとともに、「成長市場に向けた事業創造とグローバル展開」を通して永続的なグループの発展に努めてまいります。
「中期経営計画の達成」に向けては、食肉事業部門の収益改善が必要不可欠となります。商品別採算管理とグループを含めたトータル管理を徹底するとともに、食肉事業における川上(肉豚生産事業)、川中(食肉処理・加工事業)、川下(食肉販売事業)のトータル事業強化を推進してまいります。特に川上・川中事業においては、現行の牧場会社から更なる拡大を図るとともに、プリマハムグループとしての一貫した方針による国産豚肉の生産販売体制を確立し、収益の改善・拡大を推進してまいります。
「営業力強化」においては食肉事業、加工食品事業の営業部門が一体となった取り組みを引き続き強化し、連携による得意先との関係強化を推進してまいります。また、販売促進策としては、東京ディズニーリゾート®の貸切イベントキャンペーンやプライベートキャンペーン、テレビCMの全国放映やLINEを継続するとともに、レゴランド・ジャパンや新たにスポンサーとなったSMALL WORLDS TOKYOの展開も加え、幅広い層への認知度アップに繋げてまいります。商品開発においては、新たな価値創造、消費シーンの変化に対応すべく開発本部に商品開発機能を集中させ、商品の優位性を確かなものとし、更にフードロス削減に向けた付加価値の高い商品を開発してまいります。
「コスト構造改革」においては、完成した茨城工場を中心とし、PI(プリマ・イノベーション)プロジェクトの更なる推進・徹底を図ってまいります。また、製造コスト削減を目指す「革新的生産技術開発(ものづくり)」を継続し、省人化・生産性向上に対応する最新鋭設備の投入、新技術開発と工程改革を強力に推し進めるとともに、商品規格数の適正管理、原材料の有効活用、物流コスト削減などを図り、商品の競争力を高めることに注力してまいります。
「成長市場に向けた事業創造とグローバル展開」においては、健康に配慮した独自ブランド商品「プリマヘルシー」として糖質ゼロで九州産鶏肉使用のサラダチキンを投入するとともに、サラダチキンのバリエーションを増やすことや、家飲み需要を見越したおつまみシリーズ等で新たな市場拡大を図ってまいります。また、当社の親会社である伊藤忠商事㈱及びそのグループ会社とのコラボレーションを主体とした国内外事業の拡大にも取り組んでまいります。
お客様に安全・安心な商品をお届けするために、厳格な原材料調達のもと、生産現場においてはHACCP、ISO22000、AIB、FSSC22000などの管理手法を基軸に、日々の品質管理の徹底・強化を図っております。環境保全の面ではグループ全体でのリスク管理や環境への配慮を強化するために、環境方針に沿って取り組んでまいります。これからも省エネルギーや廃棄物の発生抑制などに対し、取り組む努力を重ねてまいります。
また、内部統制機能とコンプライアンス体制のより一層の充実に努め、コーポレート・ガバナンス体制の強化を図るとともに、CSRの更なる推進として社会貢献活動、食育活動、地域との共生に配慮した事業活動にも積極的に取り組み、「いつも、ずっと、お客様に愛され、支持される会社」を目指し、企業としての継続的な経営革新を実行してまいります。
新型コロナウイルス感染症の拡大により、生活様式の変化が求められ、感染が収まったのちも、従前の環境に完全に復することはないと考えられますが、当社及びグループ各社の経営方針・経営戦略につきましては、現時点の市況及び業績を鑑み見直す必要はないと判断しております。食品製造販売業者として安全・安心な商品をお客様にお届けする使命を果たし、社会と食文化に貢献していく方針は不変と考えております。
当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のある主なリスクは、以下のようなものがあります。当社グループは、リスクを要因毎に分類し、リスク発生の未然防止方法とリスク発生時の対応方法を定めています。また、当社グループのリスク情報は、当社の主管部署が情報や対策を進捗管理しており、取締役会等へリスク懸念事項として報告しています。なお、各項目における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(注)1 「項目」欄に記載されております「●重点リスク」は、リスク発生時に懸念される特に重要なリスク項目となります。
2 「中期計画影響」欄に記載されております「方針1~3」は、『1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)中長期的な会社の経営戦略②重点施策』に記載しております施策のうち、リスク発生時に影響を受ける施策となります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社、持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、経営成績等)の状況の概要は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当社グループが判断したものであります。
◆当期の概況について
当連結会計年度における我が国経済は、政府が緩やかに回復しているとの表現を続けていましたが、景気動向指数は悪化の数値を示しており、特に消費増税と大型台風による自然災害が重なった時期から急落していました。個人消費は政府の軽減税率やキャッシュレス決済によるポイント還元策等により落ち込みは小さく抑えられているものの、人手不足からの人件費や物流費の上昇は、企業業績を継続して圧迫し、更に米中貿易摩擦は、中国の景気減速を招き、日本の製造業や世界経済にも大きな影響を与え、景気に落とす影は色濃いもので解決の糸口が見えない状況が続いていました。そのような状況下、中国で新型コロナウイルスが発生・拡大し、世界の製造業のサプライチェーンが寸断され、更なる景気の下落を招く中、新型コロナウイルスが世界に拡散し、世界各国がロックダウン(都市封鎖)を実施せざるを得ない状況となりました。我が国においても新型コロナウイルスの感染拡大とそれによる世界景気の悪化から、工場の操業停止や人の集まるテーマパーク等が休園に追い込まれ、資金繰りに苦しむ企業の多数発生とともに雇用環境も悪化し、企業も人も経済的に厳しい状況が続いています。
当業界におきましては、食を提供する企業として、国の指導に基づきウイルス感染防止に努めるとともに、健康管理に努め、安全・安心な製造環境を維持することに努めてまいりました。
このような状況のなか、当社グループは「健康で豊かな食生活を創造するために安全・安心な商品を提供し、社会と食文化に貢献していく」という基本的な考えのもと、中期経営計画の目標の達成に向けて、「コーポレート・ガバナンス強化とCSR推進による継続的な経営革新」、「事業領域の拡大と収益基盤の更なる強化」、「成長市場に向けた事業創造とグローバル展開」を基本方針と位置づけ、諸施策を講じてまいりました。
◆業 績
結果、売上高は4,180億60百万円(前期比1.2%増)となりました。利益面におきましては、営業利益は156億36百万円(前期比18.7%増)、経常利益は159億59百万円(前期比15.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は88億23百万円(前期比6.5%増)となりました。
目標とする経営指標につきましては自己資本利益率(ROE)10%、自己資本比率45.6%となり、両指標とも目標を達成することができました。
新型コロナウイルス感染症が業績に与える影響につきましては、巣ごもり需要によるコンシューマ商品・テーブルミートの販売増加、外食向け業務用商品の販売不振の業績良化悪化両面の要因がございました。当該影響が感染症終結後、どの程度継続するか現時点で見極めは困難です。今後の販売推移を分析し、アフターコロナの新状態マーケットに即した販売戦略を立案していく所存です。
◆セグメント別概況
当連結会計年度より、組織再編を契機に報告セグメント名称の見直しを行い、従来の「加工食品事業本部」を「加工食品事業部門」に、「食肉事業本部」を「食肉事業部門」へ変更しております。この変更はセグメント名称の変更であり、セグメント情報に与える影響はありません。
<加工食品事業部門>
① ハム・ソーセージ部門
「香薫®あらびきポークウインナー」は好調な販売が継続し、重点商品を中心とした販売活動や同時に推進しているLINEや東京ディズニーシー®貸切プレシャスナイトへのご招待キャンペーン、茨城新工場竣工記念増量セール等の販売促進政策は、販売数量拡大に貢献しました。また、工場においては、生産性向上のための改革・改善を継続実施し、人時生産性向上やユーティリティーコスト削減などを推進し、コスト競争力を着実に高めてまいりました。更に茨城新工場が7月から本格的に稼働を開始し、生産体制の構築等を順調に進めてまいりました結果、ハム・ソーセージ部門においては、市場環境の厳しさを跳ね返し、売上高、販売数量ともに前期を上回る結果となりました。
② 加工食品部門
コンシューマ商品ではプリマヘルシーの「サラダチキン」を中心にバリエーションの増加や簡便性を志向した「一皿のごちそう」、「スパイシースティック」、「旨星キッチン」などの商品を拡販するとともに、コンビニエンスストアを中心にプライベートブランド商品についても積極的販売に取り組んでまいりました結果、売上高、販売数量ともに前期を上回る結果となりました。
コンビニエンスストア向けのベンダー事業についても、新商品開発と長鮮度商品によるエリア拡大により売上高は前期を上回り、利益面においても生産性の改善や原材料の安定確保も寄与したことから前期を上回る結果になりました。
結果、売上高は2,857億95百万円(前期比2.5%増)となり、セグメント利益は138億57百万円(前期比13.6%増)となりました。
<食肉事業部門>
国際的な仕入れ競争激化により、食肉の仕入れ環境は極めて厳しいものとなりましたが、オリジナルブランド商品の拡販や得意先の新規・深耕開拓を積極的に行い、食肉の売上拡大に努めてまいりました。また、利益面におきましては、営業事業は得意先別の収益管理を徹底する中で無理な販売を抑制し、さらに在庫を適正に管理する利益重視の販売政策に変更してまいりました。また、国産豚生産事業を中核事業として成長拡大を図る生産事業におきましても、農場成績向上と加工生産性向上の推進により、安定した利益を確保することができました。その結果、売上高は前期を下回りましたが、利益は前期を上回る結果になりました。
結果、売上高は1,317億19百万円(前期比1.6%減)となり、セグメント利益は15億28百万円(前期比102.2%増)となりました。
<その他>
その他事業(理化学機器の開発・製造・販売等)の売上高は5億45百万円(前期比11.8%増)となり、セグメント利益は2億65百万円(前期比25.3%増)となりました。
◆当期の財政状態について
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ53億31百万円減少し、1,985億30百万円となりました。これは主に、預け金が100億6百万円増加し、現金及び預金が12億95百万円、受取手形及び売掛金が34億45百万円、有形固定資産が110億15百万円減少したことによるものです。
負債については、前連結会計年度末に比べ108億29百万円減少し、983億96百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が30億49百万円、長期借入金(1年内返済予定を含む)が37億78百万円、未払金等を含むその他流動負債が40億4百万円減少したことによるものです。
純資産については、前連結会計年度末に比べ54億98百万円増加し、1,001億34百万円となりました。これは主に、利益剰余金が58億2百万円増加したことによるものです。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ84億82百万円増加(前連結会計年度は15億63百万円増加)し、222億14百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは223億4百万円のネット入金(前連結会計年度は237億86百万円のネット入金)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益153億38百万円、減価償却費97億29百万円の計上、減損損失26億円の計上、売上債権34億27百万円の減少、たな卸資産5億25百万円の減少、仕入債務30億25百万円の減少、有形固定資産売却益22億39百万円、法人税等の支払42億20百万円です。
投資活動によるキャッシュ・フローは58億75百万円のネット支払(前連結会計年度は148億87百万円のネット支払)となりました。主な要因は、有形固定資産の売却による収入116億85百万円、新工場設備投資、生産設備更新、生産性向上及び品質安定を目的とした有形固定資産の取得による支出140億91百万円、長期前払費用の取得による支出28億5百万円です。
財務活動によるキャッシュ・フローは79億24百万円のネット支払(前連結会計年度は73億47百万円のネット支払)となりました。主な要因は、長期借入金の返済による支出37億74百万円、配当金の支払30億15百万円です。
配当性向は34.2%となり、目安である30%以上の水準を維持しております。着実な営業キャッシュ・フローの創出を原資に財務規律を守りながら成長投資を着実に実行しつつ、安定した配当を継続するバランス経営を実施してまいります。
(生産、受注・販売の状況)
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、製造原価によっております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社の子会社プライムデリカ株式会社は受注生産を行っておりますが、受注当日ないし翌日に製造、出荷しており、また、当社の子会社プライムテック株式会社は受注生産を行っておりますが、金額が些少なため、受注高並びに受注残高の記載を省略しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合になります。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、本項に記載した将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
Ⅰ.重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められた会計基準に基づき作成されております。これらの財務諸表の作成にあたっては、当社グループは重要な見積りや仮定を行う必要があります。会計方針の適用にあたり、特に重要な判断を要する項目は以下のとおりであります。なお、新型コロナウイルス感染症の影響に関する会計上の見積りへの反映につきましては当社グループの現時点での市場環境及び業績推移を踏まえて、特段の考慮は不要と判断しております。
a.たな卸資産の評価損
当社グループは、主として移動平均法による原価法でたな卸資産を評価しておりますが、収益性の低下したたな卸資産につきましては正味売却価額まで帳簿価額を切り下げております。
たな卸資産の実現可能価額は、通常の事業活動による見積り販売価額から見積り直接販売経費を控除して算出されます。たな卸資産の評価は、たな卸資産が先の方法で正しく評価されているかどうかを確認するため、定期的に実施されております。当社グループは、必要と判断された場合、たな卸資産の帳簿価額と正味売却価額との差額をたな卸資産の評価損として計上しております。見積販売価額や見積直接販売経費は過去の状況や将来の消化予想、その他の要素を加味して算出しております。また、将来破棄するたな卸資産についても考慮しております。当社グループのたな卸資産の評価は適正であると判断しておりますが、市況や消費者ニーズが当社グループの計画と大きく乖離する場合、評価損の金額は増加し、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を与える可能性があります。
b.繰延税金資産
当社グループは、現在、一定期間における回収可能性に基づき相当額の繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の計上は、予測される将来における課税所得により影響を受けます。将来の課税所得の見積りにあたっては、過去の業績やタックス・プランニング等も考慮しております。当社グループの将来の収益性に係る判断は、将来における市場の動向その他の要因により影響を受けます。これらの状況に変化があった場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
c.投資有価証券の評価損
投資有価証券については、時価が取得価額を下回り、かつ、時価の下落または実質価額の低下が一時的でないと判断される場合は、評価損が計上されます。当社グループは、投資有価証券の時価の下落が一時的であるかどうかを、下落の期間や程度、発行体の財政状態や業績の見通し、又は時価の回復が予想される十分な期間にわたって保有する意思、などを含めた基準により四半期毎に判断しております。
当社グループは、評価損を判断する基準は合理的なものであると考えておりますが、市場の変化や、予測できない経済及びビジネス上の前提条件の変化によって個々の投資に関する状況の変化があった場合には、投資有価証券の評価額に影響を受ける可能性があります。
なお、2020年3月31日現在、当社グループが保有する投資有価証券のいくつかの銘柄については時価が簿価を下回っております。これらの銘柄については、下落期間や入手可能な発行体の業績等をもとに一時的な下落であると判断し、評価損は計上しておりません。
2020年3月31日現在、重要な影響を与える含み損は発生しておりません。
d.固定資産の減損
当社グループが保有する有形固定資産については、帳簿価額の回収ができないという兆候を示す事象が発生した場合には、将来の見積キャッシュ・フローに基づき減損の判定を実施し、減損が生じたと判断した場合、当該資産の帳簿価額が回収可能価額を超える金額を減損損失として計上しております。
2020年3月期において、固定資産の減損の判定をした結果、回収可能価額が帳簿価額を下回っていると判断されたため、プライムデリカ株式会社新居浜工場の建物、構築物、器具備品他を減損しております。また、プリマハム株式会社茨城工場の旧プラントの取り壊しを決定したため減損しております。この結果生じた減損損失2,600百万円については、特別損失に計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。
e.退職金及び退職年金
当社および国内連結子会社は、確定給付型の制度として企業年金基金制度、退職一時金制度および確定拠出年金制度を採用しております。また、一部の連結子会社は、中小企業退職金共済制度(中退共)を採用しております。退職給付に係る資産、退職給付に係る負債および退職給付費用は、数理計算上の仮定に基づいて算出されております。これらの仮定には、割引率、年金資産の長期期待運用収益率、退職率、死亡率等が含まれております。これらの前提条件は年に一度見直しております。当社グループは、使用した仮定は妥当なものと判断しておりますが、仮定自体の変更により、退職給付に係る資産、退職給付に係る負債及び退職給付費用に影響を与える可能性があります。
Ⅱ.当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
①概要
当連結会計年度の売上高は4,180億60百万円(前期比1.2%増)となりました。利益面におきましては、営業利益は156億36百万円(前期比18.7%増)、経常利益は159億59百万円(前期比15.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は88億23百万円(前期比6.5%増)となりました。
なお、当社グループは、自己資本利益率(ROE)を最も重要な経営指標として位置づけております。2020年度を初年度とする3ヵ年中期経営計画(ローリングプラン)の着実な実行により、自己資本比率40%以上を維持しつつ、自己資本利益率(ROE)10%以上を目指してまいります。
②売上高
当連結会計年度の売上高は4,180億60百万円であり、前連結会計年度と比較しますと50億36百万円の増収となっております。
加工食品事業部門は、主力ブランドを中心とした販売活動やキャンペーンを展開し、販売数量拡大に大きく貢献しました。また、食肉事業部門はオリジナルブランド商品の拡販や得意先の新規・深耕開拓を積極的に行い、売上拡大に努めましたが、得意先別の収益管理を徹底し、利益重視の販売政策に変更した結果、売上は減少しております。
加工食品事業部門売上高の前連結会計年度からの増加額 70億80百万円
食肉事業部門売上高の前連結会計年度からの減少額 21億1百万円
③営業利益
加工食品事業部門の業績は好調に推移し、食肉事業部門においても国産豚生産事業の生産性が向上した結果、前期を上回る結果となり、当連結会計年度の営業利益は、156億36百万円となり、前連結会計年度と比較しますと24億68百万円の増益となりました。
④経常利益
当連結会計年度の経常利益は159億59百万円であり、前連結会計年度と比較しますと21億29百万円の増益となりました。
⑤親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は88億23百万円であり、前連結会計年度と比較しますと5億35百万円の増益となりました。
⑥経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については『第2 事業の状況 2 事業等のリスク』に記載しております。
⑦資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金は、主に製品製造のための材料費、労務費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用並びに当社グループの設備投資及び改修等に支出しております。これらの必要資金につきましては営業キャッシュ・フローを源泉とする自己資金のほか、金融機関からの借入等による資金調達にて対応していくこととしております。
また、各社における余剰資金を当社へ集中し、一元管理を行うとともに、当社グループの余剰資金を伊藤忠商事株式会社のグループ金融制度に預け入れ、資金の効率的運用を図っております
⑧セグメントごとの財政状態
<加工食品事業部門>
加工食品事業部門につきましては、当社茨城工場ハム・ベーコンプラントへの製造設備導入等、生産性向上を目的とした最新鋭設備導入等の設備投資を行っております。これらの投資により生産数量の拡大、省人化、環境負荷の軽減、新技術開発や工程改革を推し進め、商品規格数の適正管理、原材料の有効活用、物流コスト削減などを図り、事業競争力を高めることに注力してまいります。
<食肉事業部門>
食肉事業部門につきましては、肉豚生産事業のインテグレーション強化に向けた投資に注力しております。具体的には肥育舎の増設による生産規模の拡大、農場近代化による生産効率の向上を目的とした投資を行い、子会社加工場へ肉豚を安定供給し、品質の高い国産肉豚の生産体制を確立し、販売競争力を高め、収益力の拡大を推進してまいります。
<その他事業>
その他事業につきましては、グループの人事・総務、情報システム等のサービス業務の充実を図ることでグループ経営基盤を強化する方針にて事業を推進してまいります。
該当事項はありません。
当連結会計年度の当社研究開発部門は、開発本部(基礎研究所、ものづくり部)、生産本部(製造・技術部)の各部を中心に機能強化しました。当社子会社であるプライムテック株式会社とともに、食肉加工あるいは食肉生産に関する先端的な基礎研究から、それらを活用した商品開発、生産技術開発に至るまで、精力的な研究開発活動を行っております。
基礎研究所では、安全・安心、おいしさ、健康、環境保全などに係わる研究開発を行うとともに、基礎研究から生まれた開発商品の拡販活動を推進するため、社外セミナーや大学での講義、専門誌への投稿などを行なってまいりました。また、各研究機関との連携による研究のレベルアップと効率化を目的とし、研究員を大学院博士課程に派遣しております。「安全・安心に係わる研究開発」では、独自に開発した食物アレルギー物質検査用の「簡易キット」や公定法である「定量ELISA法」などの販売を継続してまいりました。また、現在販売しているキットよりも、より簡易で精度の高いアレルゲン検査キットの開発及び検査項目の拡充を行い、更なる売上拡大を目指しております。「衛生向上技術の開発」では、製造環境・ラインの改善、新規微生物検査手法の導入、異物検査手法の開発を行ってまいりました。「おいしさの研究」では、『美味しさの見える化』を具現化するため、食肉加工品の品質を適正に捕らえる新評価手法に関する研究を推進し、科学的解析に基づいたおいしさの数値化と情報提供を行い、関連部門とともに商品開発、品質改善や販促活動の一翼を担ってまいりました。「健康に係わる研究」では、食肉本来のもっている機能を健康維持に活かす研究を進めています。「環境保全に係わる研究」では、動物性残渣や油脂を効果的に処理できる「環境浄化微生物」の拡販活動を推進してまいりました。本年度は、特に関連する他部門との連携を強化し、研究活動の中から得られた情報を全社的に発信することにより、研究開発部門、事業部門と一体となって具体的施策を推進し、利益の最大化、企業価値向上に貢献することを目標に活動を実施してまいりました。
製造・技術部では、従来から生産工程の省人省力化及び生産性向上を目指した生産設備の開発を中心とした取り組みに加え、最近では基礎研究所やものづくり部と連動し革新的製造技術開発や差別化商品の開発を目指した取り組みも始めています。ハム・ソーセージにおきましては主力商品であるコンシューマパック包装ラインにおいて、当社独自の自動化技術により業界でもトップクラスを誇る生産性を達成し、製造コスト削減に貢献してまいりました。最近ではIT推進部とも連携を取りながらAI、IoT関連技術の動向を睨みつつ、合理化や検査技術開発、工程管理等の応用化への取り組みを行っています。昨今の雇用難による人手不足を鑑みて、業務時間の多くを占める工場内のサニテーション作業についてもメス入れを行い、ハード・ソフトの両面から作業負荷の軽減を目指す取り組みを行っております。
ものづくり部は、中・長期的な視点からの革新的ものづくりを追求することにより、独創的で斬新な商品及び製法・工程の開発に加え、2018年度より主に業務用商品の開発を進めてまいりました。中・長期課題では、新規の塩漬方法や乾燥技術を用いた生ハム、サラミの工程時間短縮及び新商品の開発を推進し、乾燥期間短縮・歩留向上の効果を確認しております。美味しさ・楽しさの追求では、包装技術や真空フライなどの加熱調理技術を応用し、簡便性、利便性、健康などをキーワードとした新カテゴリーの商品開発を進め、トレイ含気包装商品や常温販売商品の市場投入を目指しております。
また、ハム・ソーセージ製造技術を体系的に習得した技術者の育成を目的として、2017年から継続して、社員1名をドイツ食肉加工メーカーに派遣し、マイスター資格の取得を目指しております。
業務用商品の開発では、関連部署と連携しながら新商品あるいはリニューアル商品の設計から工場導入までを行い、数量及び利益の拡大に貢献することを目標として活動を実施しております。
プライムテック株式会社は“マイクロマニピュレーションのプロフェッショナル”の自負をもって、高度な精密駆動技術を利用し独自に開発したピエゾマイクロマニピュレータ「PMM」の専門メーカーとして、装置の開発と製造・販売、また装置を活用した研究を行っております。
近年、日本では、少子高齢化が大きな問題となるなか、社会環境、価値観、意識の変化に起因する結婚年齢の高齢化により不妊治療技術の進歩とその普及が進んでいます。PMMを用いた顕微授精「Piezo-ICSI」は不妊治療を行う医療の現場から、その効果と操作性に高い評価をいただいており、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)成育疾患克服等総合研究事業において東京医科歯科大学及び亀田IVFクリニック幕張とともに国内でのPiezo-ICSIの標準化と普及への取り組み、また、この日本発の技術の全世界への展開に向けた準備を推進しています。
なお、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、