文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、中期経営計画において財務目標を定めております。2021年度を初年度とする3ヵ年中期経営計画(ローリングプラン)の着実な実行により、自己資本比率40%以上を維持しつつ、自己資本利益率(ROE)10%以上と配当性向30%程度を安定して達成し、持続的な成長と企業の永続性の確立、並びに事業を通じたステークホルダーへの貢献を目指してまいります。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
① 基本方針
当社グループは「おいしさと感動で、食文化と社会に貢献」の実現に向けて、中期経営計画の基本方針として、『営業力・開発力・商品力の強化により、売上と利益の規模と質を高め、ESGを重視した経営を推進し、「いつも、ずっと、お客様に愛され、支持される会社」になる』を掲げています。経営目標としては、2021年度売上高4,377億円、営業利益166億円を目指してまいります。
② 重点施策
方針1 ESGへの取り組みと持続可能な経営基盤の強化
新型コロナウイルス感染症の感染防止にあたり、従業員、取引先等の安全、健康を最優先として企業活動に取り組んでいます。当社グループは2020年度に重要課題(マテリアリティ)を特定しました。今後、重要課題の解決に向けた目標設定と活動計画を、策定・推進してまいります。従業員は企業の礎であり、成長の柱です。従業員が心身ともに健康で、働きがいのある職場づくりを目指した活動を継続展開し、変革意識の醸成と健全な企業体質を構築します。さらにコンプライアンス意識とガバナンスレベルの向上を実践し、情報開示の充実に努めます。
方針2 既存事業の領域拡大及び収益基盤の更なる強化
食肉事業部門は、宮城県に養豚新農場を建設するとともに、既存農場のリニューアルと生産性向上を進めて国産豚肉インテグレーションを強化し、収益力の向上と安定供給体制を構築します。また、食肉事業の販売利益管理を徹底し、収益力の向上を図ります。
加工食品事業部門は、茨城工場を基盤としてコスト競争力、供給能力を高めております。加えて新工場の建築が鹿児島県で始まり、供給能力の拡大と強みのある商品の市場定着を図ります。さらに、超高圧低温処理装置等の活用や当社グループの知見を結集して、価値ある商品の提供を目指します。
また、業務の標準化と自動化を進めて、デジタル技術を活用した効率的な業務プロセスの構築と、戦略的な情報管理の実現に向けた活動を進めてまいります。
方針3 成長市場に向けた事業創造とグローバル展開
伊藤忠商事㈱及びグループ会社とのコラボレーションや業務提携等を主体として、日本国内及び海外の事業領域拡大を進めます。海外事業は、グループ会社の所在国及び周辺国への販売を進めておりますが、東南アジア市場を中心とした市場参入を見据え、企業買収や提携を視野に入れて、検討を進めてまいります。
(4) 経営環境及び対処すべき課題
新型コロナウイルス感染症は、ワクチン接種が日本でもスタートしたものの、収束に至るまでの期間は流動的で、当面は経済活動とバランスを取った社会活動にならざるを得ないと考えられます。収束しても以前と全く同じような日常生活に戻るとは考えにくく、新たな生活スタイルに沿った購買や消費行動が展開されると見込まれます。
業界としては、沈静化していないアフリカ豚熱(ASF)、豚熱(CSF)の疾病問題や中国の購買動向、さらに世界的な飼料高が予測されることから、豚肉市場が大きく影響を受ける可能性があり、注視していく必要があります。
このような状況のなか、当社グループは「おいしさと感動で、食文化と社会に貢献」という目指す姿の実現に向けて、営業力・開発力・商品力の強化により売上規模と利益の質を高めるため、ESGを重視した経営を推進します。そのため、どのようなリスクや機会があるのかを中長期的な視点で把握し、施策を講じるために重要課題(マテリアリティ)を特定しております。今後目標を設定し、活動することで、当社グループの持続的な成長と社会課題の解決の両立に注力していきます。
「いつも、ずっと、お客様に愛され、支持される会社になる」を基本方針として、中期経営計画の目標達成に向けて「ESGへの取り組みと持続可能な基盤の強化」と「既存事業の領域拡大及び収益基盤の更なる強化」を具体化するとともに「成長市場に向けた事業創造とグローバル展開」を通して永続的なグループの発展に努めてまいります。
「ESGへの取り組みと持続可能な基盤の強化」
安全・安心な商品をお届けするために、食品安全のマネジメントシステムの充実した運用と、設備や人材における品質向上活動を積極的に取り組み、品質保証体制の強化を推進するとともに環境保全・法令遵守・内部統制・情報開示を充実させ、コンプライアンスの推進とガバナンスレベルの向上を推進してまいります。また、人材育成と働きがいのある環境づくりを整え、変革意識の醸成にも努めてまいります。
「既存事業の領域拡大及び収益基盤の更なる強化」
<食肉事業部門>
商品別採算管理とグループを含めたトータル管理の徹底を継続するとともに、豚肉生産事業を中核事業と位置づけ、更なる拡大と生産性向上、また品質向上に取り組み、川上(肉豚生産事業)、川中(食肉処理・加工事業)、川下(食肉販売事業)の連携強化による収益拡大を推進してまいります。プリマハムグループとしての一貫した国産豚肉生産・販売体制を確立し、自社生産豚肉の販売へシフトしながら、消費者スタイルの変化に対応し、加工食品事業部門とも連携し、収益の改善・拡大を推進してまいります。
<加工食品事業部門>
営業部門において得意先との関係強化の推進を継続してまいります。また、販売促進策としては東京ディズニーリゾート®の貸切イベントキャンペーンやプライベートキャンペーン、テレビCMの全国放映を継続するとともに、レゴランド®・ジャパンやスモールワールズTOKYOの展開も行い、さらにはLINEに加えて公式Twitterも新たにスタートし、幅広い層への認知度アップに繋げてまいります。
商品開発においては、新たな価値創造、消費シーンの変化に対応すべく開発本部に商品開発機能を集中させ、商品の優位性を確かなものとし、付加価値の高い商品を開発してまいります。
生産部門においては、PI(プリマ・イノベーション)活動をグループ全体で推進・徹底を図ってまいります。また、製造コスト削減を目指す「革新的生産技術開発(ものづくり)」を継続し、省人化・生産性向上に対応する最新設備の投入、新技術開発と工程改革を強力に推し進めるとともに、商品規格数の適正管理、原材料の有効活用等を図ります。さらに、内食需要に対応できる生産能力増強も行って、商品の競争力を高めることに注力してまいります。
「成長市場に向けた事業創造とグローバル展開」
当社の親会社である伊藤忠商事㈱及びそのグループ企業とのコラボレーションを主体とした国内外事業展開にも取り組み、また、AI、RPA、IT技術の積極的な活用を行い、革新的技術の開発・導入を進めてまいります。
お客様に安全・安心な商品をお届けするために、厳格な原材料調達のもと、生産現場においてはHACCP、ISO22000、FSSC22000等の管理手法を基軸に、日々の品質管理の徹底・強化を図っております。環境保全の面ではグループ全体でのリスク管理や環境への配慮を強化するために環境方針に沿って、取り組んでまいります。これからも温室効果ガス排出量の抑制や廃棄物の発生削減等に対し、取り組む努力を重ねてまいります。
これからも、内部統制機能とコンプライアンス体制のより一層の充実に努め、コーポレート・ガバナンス体制の強化を図るとともに、CSRの更なる推進として社会貢献活動、食育活動、地域との共生に配慮した事業活動にも積極的に取り組むとともに、「いつも、ずっと、お客様に愛され、支持される会社」を目指し、企業としての継続的な経営革新を実行してまいります。
当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のある主なリスクは、以下のようなものがあります。当社グループは、リスクを要因ごとに分類し、リスク発生の未然防止方法とリスク発生時の対応方法を定めています。また、当社グループのリスク情報は、当社の主管部署が情報や対策を進捗管理しており、取締役会等へリスク懸念事項として報告しています。なお、各項目における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(注) 1 「項目」欄に記載されております「●重点リスク」は、リスク発生時に懸念される特に重要なリスク項目となります。
2 「中期計画影響」欄に記載されております「方針1~3」は、『1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)中長期的な会社の経営戦略 ② 重点施策』に記載しております施策のうち、リスク発生時に影響を受ける施策となります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社、持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、経営成績等)の状況の概要は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当社グループが判断したものであります。
◆当期の概況について
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、国内総生産(GDP)や景気動向指数等の経済指標が示しているように、特に第1四半期は大きな落ち込みを記録しています。その後、徐々に回復傾向にあるものの、緊急事態宣言の再発出等影響が長引く状況が継続し、業界、業種によって回復の明暗がはっきり分かれた景気動向となっています。個人消費は家計消費金額全体での前年割れが続く一方、家庭内で消費する食料品の購入は高い水準で推移しております。さらにネット購入や宅配、テイクアウト等の需要が拡大して消費行動や生活様式の変化が急速に進みました。
当業界におきましては、加工原料の輸入先である海外において新型コロナウイルス感染症拡大、アフリカ豚熱(ASF)の疾病懸念等、供給面での不安材料を抱えた市場環境となる一方、国内の豚肉市場、鶏肉市場においては、消費者の旺盛な家庭内需要も重なり、年間を通して相場高が続きました。
当社グループは目指す姿である「健康で豊かな食生活を創造するために安全・安心な商品を提供し、社会と食文化に貢献していく」という基本的な考えのもと、中期経営計画の目標の達成に向けて、「コーポレ―ト・ガバナンス強化とCSR推進による継続的な経営革新」、「事業領域の拡大と収益基盤の更なる強化」及び「成長市場に向けた事業創造とグローバル展開」を基本方針と位置づけ、諸施策を講じてまいりました。
特に食品企業として、得意先、消費者の皆様の要望にお応えするため、感染予防を徹底して、安全・安心な商品提供の継続に注力してまいりました。
◆業 績
結果、売上高4,335億72百万円(前期比3.7%増)となりました。利益面におきましては、営業利益214億75百万円(前期比37.3%増)、経常利益224億11百万円(前期比40.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益141億65百万円(前期比60.5%増)となりました。
目標とする経営指標につきましては自己資本利益率(ROE)14.6%、自己資本比率48.3%となり、両指標とも目標を達成することができました。
新型コロナウイルス感染症が業績に与える影響につきましては、巣ごもり需要によるコンシューマー商品・テーブルミートの販売増加、外食向け業務用商品の販売不振の業績良化悪化両面の要因がございました。当該影響が感染症終結後、どの程度継続するか現時点で見極めは困難です。今後の販売推移を分析し、アフターコロナの新常態マーケットに即した販売戦略を立案していく所存です。
<加工食品事業部門>
① ハム・ソーセージ部門
家庭内調理需要が旺盛な市場動向のなか、シェアアップの取り組みも行い、「香薫®あらびきポークウインナー」は定番の巾着商品に加え大袋ジッパー付き商品も高い評価を頂いております。美味しさが評価され、世代を問わず幅広く支持されており、認知率も高まり、主力ブランドとして支持されております。さらにベーコン群やおつまみ需要としてのドライ品、生ハム品等も引き続き順調に推移し、市場の伸び以上に当社商品は伸長し、結果シェアを高めることができました。
販売促進政策では、東京ディズニーリゾート®等のイベント関連は、完全再開とはならず、貸切プレシャスナイト®へのご招待キャンペーンも一部変更、一部中止をせざるを得ない状況ではありましたが、LINEを活用したキャンペーンや当社公式Twitterの開始等新たな取り組みを行ってまいりました。また、工場においては、感染予防を徹底した中での生産活動でも生産性向上のための改革・改善を継続実施し、人時生産性向上やユーティリティコスト削減等を推進し、コスト競争力を着実に高めてまいりました。茨城新工場も順調に生産拡大が進捗した結果、ハム・ソーセージ部門においては、売上高、販売数量ともに前期を上回りました。
② 加工食品部門
加工食品部門でもハム・ソーセージ部門同様、「直火焼ハンバーグ」等のハンバーグ群やスティックタイプ等バリエーションを増加した「サラダチキン」や、「絶品点心春巻トレー」等の家庭用商品が好調に推移しました。しかし、外食向け等の業務用商品については、市場が回復しきれない中、厳しい状況が継続し、加工食品全体としては、売上高、販売数量ともに前期を下回る結果となりました。
コンビニエンスストア向けのベンダー事業については、新商品開発とエリア拡大により売上高は前期を上回り、利益面においても生産性の改善や原材料の安定も寄与したことから前期を上回りました。
結果、売上高2,933億34百万円(前期比2.6%増)となり、セグメント利益177億11百万円(前期比27.8%増)となりました。
<食肉事業部門>
国際的な仕入れ競争激化や新型コロナウイルス感染症の拡大により、仕入れ環境は極めて厳しいものとなりましたが、オリジナルブランド商品の確保や得意先とオンライン商談等を積極的に行い、食肉事業部門の売上拡大に努めてまいりました。また、利益面におきましては、営業事業は得意先別の収益管理を徹底しつつ、在庫を適正に管理する利益重視の販売政策を展開してまいりました。さらに、国産豚生産事業を中核事業として成長拡大を図る生産事業におきましても、国産豚肉相場が高値で推移したこと及び農場成績向上と加工生産性向上の推進により、安定した利益を確保することができました。その結果、売上高、利益面ともに前期を上回りました。
結果、売上高1,397億19百万円(前期比6.1%増)となり、セグメント利益36億13百万円(前期比136.4%増)となりました。
<その他>
その他事業(理化学機器の開発・製造・販売等)の売上高5億18百万円(前期比5.0%減)となり、セグメント利益1億48百万円(前期比43.9%減)となりました。
◆当期の財政状態について
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ160億11百万円増加し、2,145億42百万円となりました。これは主に、預け金が100億10百万円増加し、機械装置及び運搬具が26億45百万円、退職給付に係る資産が19億91百万円、受取手形及び売掛金が11億29百万円、投資有価証券が9億49百万円増加したことによるものです。
負債については、前連結会計年度末に比べ13億84百万円増加し、997億81百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が29億69百万円、短期借入金が4億99百万円、未払費用が4億円増加し、長期借入金(1年内返済予定を含む)が33億5百万円減少したことによるものです。
純資産については、前連結会計年度末に比べ146億26百万円増加し、1,147億61百万円となりました。これは主に、利益剰余金が111億44百万円増加したことによるものです。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ75億58百万円増加(前連結会計年度は84億82百万円増加)し、297億73百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは272億48百万円のネット入金(前連結会計年度は223億4百万円のネット入金)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益219億16百万円、減価償却費99億23百万円の計上、仕入債務23億円の増加、売上債権5億22百万円の減少、法人税等の支払63億39百万円です。
投資活動によるキャッシュ・フローは122億5百万円のネット支払(前連結会計年度は58億75百万円のネット支払)となりました。主な要因は、生産設備更新、生産性向上及び品質安定を目的とした有形固定資産の取得による支出98億43百万円です。
財務活動によるキャッシュ・フローは75億9百万円のネット支払(前連結会計年度は79億24百万円のネット支払)となりました。主な要因は、長期借入金の返済による支出34億75百万円、配当金の支払30億16百万円です。
配当性向は30.2%となり、目安である30%以上の水準を維持しております。着実な営業キャッシュ・フローの創出を原資に財務規律を守りながら成長投資を着実に実行しつつ、安定した配当を継続するバランス経営を実施してまいります。
○生産、受注・販売の状況
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、製造原価によっております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社の子会社プライムデリカ㈱は受注生産を行っておりますが、受注当日ないし翌日に製造、出荷しており、また、当社の子会社プライムテック㈱は受注生産を行っておりますが、金額が些少なため、受注高並びに受注残高の記載を省略しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 以下は、主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合になります。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、本項に記載した将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められた会計基準に基づき作成されております。これらの財務諸表の作成にあたっては、当社グループは重要な見積りや仮定を行う必要があります。会計方針の適用にあたり、特に重要な判断を要する項目は以下のとおりであります。なお、新型コロナウイルス感染症の影響に関する会計上の見積りへの反映につきましては、当社グループの現時点での市場環境及び業績推移を踏まえて、特段の考慮は不要と判断しております。
① たな卸資産の評価損
当社グループは、主として移動平均法による原価法でたな卸資産を評価しておりますが、収益性の低下したたな卸資産につきましては正味売却価額まで帳簿価額を切り下げております。
たな卸資産の実現可能価額は、通常の事業活動による見積り販売価額から見積り直接販売経費を控除して算出されます。たな卸資産の評価は、たな卸資産が先の方法で正しく評価されているかどうかを確認するため、定期的に実施されております。当社グループは、必要と判断された場合、たな卸資産の帳簿価額と正味売却価額との差額をたな卸資産の評価損として計上しております。見積り販売価額や見積り直接販売経費は過去の状況や将来の消化予想、その他の要素を加味して算出しております。また、将来破棄するたな卸資産についても考慮しております。当社グループのたな卸資産の評価は適正であると判断しておりますが、市況や消費者ニーズが当社グループの計画と大きく乖離する場合、評価損の金額は増加し、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を与える可能性があります。
② 繰延税金資産
当社グループは、現在、一定期間における回収可能性に基づき相当額の繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の計上は、予測される将来における課税所得により影響を受けます。将来の課税所得の見積りにあたっては、過去の業績やタックス・プランニング等も考慮しております。当社グループの将来の収益性に係る判断は、将来における市場の動向その他の要因により影響を受けます。これらの状況に変化があった場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
③ 投資有価証券の評価損
投資有価証券については、時価が取得価額を下回り、かつ時価の下落または実質価額の低下が一時的でないと判断される場合は、評価損が計上されます。当社グループは、投資有価証券の時価の下落が一時的であるかどうかを、下落の期間や程度、発行体の財政状態や業績の見通し、または時価の回復が予想される十分な期間にわたって保有する意思、等を含めた基準により四半期ごとに判断しております。
当社グループは、評価損を判断する基準は合理的なものであると考えておりますが、市場の変化や、予測できない経済及びビジネス上の前提条件の変化によって個々の投資に関する状況の変化があった場合には、投資有価証券の評価額に影響を受ける可能性があります。
なお、2021年3月31日現在、当社グループが保有する投資有価証券のいくつかの銘柄については時価が簿価を下回っております。これらの銘柄については、下落期間や入手可能な発行体の業績等をもとに一時的な下落であると判断し、評価損は計上しておりません。
2021年3月31日現在、重要な影響を与える含み損は発生しておりません。
④ 固定資産の減損
当社グループが保有する有形固定資産については、帳簿価額の回収ができないという兆候を示す事象が発生した場合には、将来の見積キャッシュ・フローに基づき減損の判定を実施し、減損が生じたと判断した場合、当該資産の帳簿価額が回収可能価額を超える金額を減損損失として計上しております。
2021年3月期において、㈱ユキザワの玉川農場における建屋につきまして、収益性の低下により、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として特別損失に計上しております。タッキーフーズ㈱の株式を取得した事により発生したのれんについては、買収時点で想定した事業計画の達成が困難な状況になり、投資回収期間が見通せなくなったことを事由として、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として特別損失に計上しております。
減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。
⑤ 退職金及び退職年金
当社及び国内連結子会社は、確定給付型の制度として企業年金基金制度、退職一時金制度及び確定拠出年金制度を採用しております。また、一部の連結子会社は、中小企業退職金共済制度(中退共)を採用しております。退職給付に係る資産、退職給付に係る負債及び退職給付費用は、数理計算上の仮定に基づいて算出されております。これらの仮定には、割引率、年金資産の長期期待運用収益率、退職率、死亡率等が含まれております。これらの前提条件は年に一度見直しております。当社グループは、使用した仮定は妥当なものと判断しておりますが、仮定自体の変更により、退職給付に係る資産、退職給付に係る負債及び退職給付費用に影響を与える可能性があります。
(2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 概要
当連結会計年度の売上高4,335億72百万円(前期比3.7%増)となりました。利益面におきましては、営業利益214億75百万円(前期比37.3%増)、経常利益224億11百万円(前期比40.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益141億65百万円(前期比60.5%増)となりました。
なお、当社グループは、自己資本利益率(ROE)を最も重要な経営指標として位置づけております。2021年度を初年度とする3ヵ年中期経営計画(ローリングプラン)の着実な実行により、自己資本比率40%以上を維持しつつ、自己資本利益率(ROE)10%以上を目指してまいります。
② 売上高
当連結会計年度の売上高4,335億72百万円であり、前連結会計年度と比較しますと155億12百万円の増収となっております。
加工食品事業部門は、新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言を受けて家庭内調理需要が増えたとともに主力ブランドを中心に大袋商品やおつまみ系商品の販売拡大に取り組みました。LINEや公式Twitterを活用したキャンペーン、ブランド認知向上にも取り組んだ結果、販売数量拡大及びシェアアップに大きく貢献しました。また、食肉事業部門は2020年7月に連結子会社となったタッキーフーズ㈱による売上高の増加の他、家庭内調理需要にあわせてオリジナルブランド商品の拡販や得意先のオンライン商談を積極的に行い、売上拡大に取り組みました。
加工食品事業部門売上高の前連結会計年度からの増加額 75億38百万円
食肉事業部門売上高の前連結会計年度からの増加額 80億円
③ 営業利益
加工食品事業部門の業績は好調に推移し、食肉事業部門においても、国産豚肉相場が高値で推移したとともに、国産豚生産事業で農場成績向上に取り組んだことで前期を上回る結果となり、当連結会計年度の営業利益は、214億75百万円となり、前連結会計年度と比較しますと58億38百万円の増益となりました。
④ 経常利益
当連結会計年度の経常利益は224億11百万円であり、前連結会計年度と比較しますと64億52百万円の増益となりました。
⑤ 親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は141億65百万円であり、前連結会計年度と比較しますと53億42百万円の増益となりました。
⑥ 経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。
⑦ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金は、主に製品製造のための材料費、労務費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用並びに当社グループの設備投資及び改修等に支出しております。これらの必要資金につきましては営業キャッシュ・フローを源泉とする自己資金のほか、金融機関からの借入等による資金調達にて対応していくこととしております。
当社及び国内子会社においてCMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)を導入することにより、各社における余剰資金を当社へ集中し、一元管理を行うとともに、当社グループの余剰資金を、伊藤忠商事㈱のグループ金融制度に預け入れ、資金の効率的な運用を図っております。
また、複数の金融機関との間でコミットメントライン契約を締結しており、当社及び当社グループの十分な手元流動性の確保をしております。
⑧ セグメントごとの財政状態
<加工食品事業部門>
加工食品事業部門につきましては、当社茨城新工場に続いて、2021年度より鹿児島工場の新工場建設に着手します。鹿児島新工場は地産商品の拡充やライン自動化を目的とした、最新鋭設備導入等の設備投資を行ってまいります。これらの投資により生産数量の拡大、省人化、環境負荷の軽減、新技術開発や工程改革を推し進め、商品規格数の適正管理、原材料の有効活用、物流コスト削減等を図り、事業競争力を高めることに注力してまいります。
<食肉事業部門>
食肉事業部門につきましては、肉豚生産事業のインテグレーション強化に向けた投資に注力しております。具体的には肥育舎の増設による生産規模の拡大、農場近代化による生産効率の向上を目的とした投資を行い、子会社加工場へ肉豚を安定供給し、品質の高い国産肉豚の生産体制を確立し、販売競争力を高め、収益力の拡大を推進してまいります。
<その他事業>
その他事業につきましては、グループの人事・総務、情報システム等のサービス業務の充実を図ることでグループ経営基盤を強化する方針にて事業を推進してまいります。
該当事項はありません。
当連結会計年度では、当社の研究開発部門を基礎研究所及び商品開発部の2部門を中心とした開発本部として機能を強化し、連結子会社であるプライムテック㈱とともに、食肉加工あるいは食肉生産に関する先端的な基礎研究から、それらを活用した商品開発、一部の生産技術開発に至るまで、精力的な研究開発活動を行っております。
基礎研究所は、『おいしさ、安全・安心、健康、簡便、環境保全』に係わる研究開発を行うとともに、社内への独自技術の導入及び研究結果を基とした社外セミナーや大学での講義、専門誌への投稿等を積極的に行なってまいりました。また、研究開発のレベルアップ及び効率化を目的とし、各研究機関との共同研究の推進、大学院博士課程への研究員の派遣を行っております。
・おいしさの研究では、「おいしさの見える化」を具現化するため、商品品質を適正に捉らえる新評価手法に関する研究を推進し、科学的解析に基づいたおいしさの数値化と情報提供、独自技術を利用した商品開発、品質改善、販促活動を行ってまいりました。
・安全・安心に係わる研究開発では、基礎研究所で開発した食物アレルギー物質検査用「簡易キット」を中心にアレルゲン検査項目の拡充や操作性・簡便性の向上を目的とした検査キットの開発を行い、2020年8月に国内製としては初となる「アーモンド用簡易検査キット」を発売いたしました。また、2021年4月にはふき取り部と検査部を組み合わせた一体型キットの販売を開始いたしました。
・自社製品の安全・安心を担保する衛生向上技術の開発では、生産工場の製造環境・ラインの改善及び新規微生物検査手法の導入、異物検査手法の開発を行ってまいりました。
・健康に係わる研究では、食肉本来のもっている機能を健康維持に活かす研究や食品添加物の削減に繋がる研究を進めています。
・環境保全に係わる研究では、動物性残渣や油脂を効果的に処理できる「環境浄化微生物」の拡販活動を行ってまいりました。
本年度は関連部門との連携を強化し、研究活動の中から得られた情報を全社的に発信し、研究開発部門、他事業部門が一体となり具体的施策の推進・利益の最大化・企業価値向上に貢献することを目標に活動を実施してまいりました。
商品開発部は、コンシューマー商品に向けて、『おいしさ・健康の訴求』と『常温販売が可能な商品の開発』を中心に開発活動を行ってまいりました。業務用商品の開発においては、関連部署・生産工場と連携しながら、コンビニエンスチャネル向けを中心に新商品あるいはリニューアル商品の設計から工場導入までを行い、全社の数量・利益の拡大に貢献することを目標に活動してまいりました。また、2017年秋から継続したドイツ留学において、派遣していた社員1名がマイスターの資格を取得いたしました。(2020年12月取得)帰国後は、ハム・ソーセージの製造技術を体系的に習得したことで、後進の技術者の育成と習得した製造技術をいかした商品の開発に携わっています。
・おいしさの訴求では、味の他に食感もおいしさに係わる要素として、「香りの物語」のリニューアルを進めてまいりました。また、健康の訴求では、亜硝酸ナトリウムを使用しない「無塩せきのハム,ベーコン,ソーセージ」、食塩と糖質を抑えた「減塩・糖質ゼロのハム,ベーコン」の開発を行っております。大豆を使用したベジタブルミート「Try Veggie」では、新規の素材を利用して工場のライン構成にあわせた商品設計と生産工場への落とし込みを実施いたしました。
・常温販売が可能な商品としては、「ドライおつまみ商品」の開発を進めてまいりました。「ミートスナック」として“鶏皮チップ”は、保存期間の延長ができるような対策と検証を進め、賞味期限を180日まで延長させることが可能となりました。「ひと口タイプのサラミ群」では、新しく子供をターゲットにした商品の取り組みと、既存品の販売強化に向けて配合見直しを進めてまいりました。
・業務用商品では、コンビニエンスストアのレジ横カウンター商品(揚げ物・焼鳥)とおにぎり・お弁当・サンドイッチ・お惣菜向けの商材開発に加え、冷蔵(10℃以下)又は冷凍(-18℃以下)販売できるパック済商品(コンシューマー商品)の開発にも取り組み、導入に繋げました。
プライムテック㈱は、“マイクロマニピュレーションのプロフェッショナル”の自負をもって、ユニークな精密駆動技術を利用し独自に開発したピエゾマイクロマニピュレータ「PMM」の専門メーカーとして、装置の開発・製造・販売、また、装置を活用した研究を行っております。
国内ではPMMを用いた顕微授精「Piezo-ICSI」は、安全な操作性とスキル習得が容易であることで高い評価を得ています。この日本発の技術の標準化と世界展開を目指しISO13485医療機器品質マネジメントシステム認証を取得運営し、欧州医療機器規制に対応した医療機器モデルPMMの開発を推進しています。
一方、自社のマイクロマニピュレーション技術と従来の遺伝子組み換え技術に加えゲノム編集技術も活用した産官学の共同研究により、医学・医療分野や受精発生に関わる基礎的なバイオテクノロジーの研究を推進しております。既に開発済みの医用モデル豚は、実用化に向けた評価等に取り組んでおります。
なお、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、