第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当事業年度におけるわが国経済は、政府や日銀による経済・金融政策を背景に企業収益が好転し投資や雇用環境は改善したものの、個人消費の回復は期待したほどではありませんでした。

 食品業界におきましては、穀物や乳製品などの原料相場が安定していたことと為替が概ね円高で推移したことにより多くの企業が業績を伸ばしました。また消費者の健康志向が強く、健康を訴求した商品の好調が目立ちました。

 このような市場環境のもと、当社の主力分野であるチーズ業界におきましては、国際的な乳製品市場の需給バランスが緩んだ状態が続き、輸入原料チーズ価格は比較的安価な状況となり、また為替が円高で推移したこともあり、調達環境としては恵まれたものがありました。販売におきましては、「家飲み」の浸透によるおつまみ需要の拡大で販売量、販売金額が伸長しました。

 このような情勢のなか、当社といたしましては、食の安全・安心の確保を最重点とし、品質管理体制のさらなる強化、販売の促進、新製品の開発、コストの低減等に引き続き努めました。

 その結果、家庭用チーズ製品とチョコレートの売上が順調に推移したことから、売上高につきましては、47,115百万円(前年同期比104.7%)、営業利益は5,197百万円(前年同期比173.6%)、経常利益は5,205百万円(前年同期比171.3%)、当期純利益は3,431百万円(前年同期比176.4%)となりました。

 部門別の営業内容については次のとおりであります。

 チーズ部門におきましては、主力のベビーチーズ4個入りシリーズの販売が引き続き好調に推移し、スライスチーズ、6Pチーズも伸張しました。その結果、売上高は44,675百万円(前年同期比104.5%)となりました。同部門では、新製品として「ビールに合うベビーチーズ ゆず胡椒入り」、「フロマジュエル 抹茶ショコラ」、「チーズデザートベジ6P キャロット&ゴールデンパイン」などを発売いたしました。

 ナッツ部門におきましては、新製品として「チーズバル30g」、「ナッツバル ビールに合うミックス55g」などを発売いたしました。その一方で中元・歳暮といったギフトなどが振るわず、売上高は891百万円(前年同期比102.2%)となりました。

 チョコレート部門におきましては、リンドールやハイカカオシリーズが好調であったことから、売上高は1,402百万円(前年同期比116.4%)となりました。

 その他部門におきましては、売上高は146百万円(前年同期比85.2%)となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは3,636百万円の収入(前事業年度は3,265百万円の収入)となりました。主な要因は税引前当期純利益、減価償却費の計上による収入であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは5,070百万円の収入(前事業年度は1,926百万円の支出)となりました。主な要因は短期貸付金の減少による収入であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは2,250百万円の支出(前事業年度は307百万円の支出)となりました。主な要因は自己株式の取得による支出であります。

 以上の結果、当事業年度末の現金及び現金同等物の残高は、10,718百万円(前事業年度末は4,288百万円)となりました。

2【生産、受注及び販売の状況】

 当社の事業は、食料品の製造・販売業であり、単一セグメントであるため、生産、受注及び販売の状況につきましては、部門別に記載しております。

 

(1)生産実績

 当事業年度における部門別の生産実績は次のとおりであります。

部門

金額(千円)

前年同期比(%)

チーズ

43,445,149

103.4

 (注)1.金額は販売価格によっております。

2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

(2)商品仕入実績

 当事業年度における部門別の商品仕入実績は次のとおりであります。

部門

金額(千円)

前年同期比(%)

チーズ

2,048,455

86.1

ナッツ

595,802

104.2

チョコレート

1,006,318

104.8

その他

179,210

97.9

合計

3,829,787

93.5

 (注)1.金額は仕入価格によっております。

2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

(3)受注状況

 当社は市場動向の予測に基づく見込生産を行っており、受注生産は行っておりません。

 

(4)販売実績

 当事業年度における部門別の販売実績は次のとおりであります。

部門

金額(千円)

前年同期比(%)

チーズ

44,675,256

104.5

ナッツ

891,429

102.2

チョコレート

1,402,162

116.4

その他

146,388

85.2

合計

47,115,238

104.7

 (注)1.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前事業年度

(自 平成27年1月1日

至 平成27年12月31日)

当事業年度

(自 平成28年1月1日

至 平成28年12月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

三菱商事㈱

39,893,897

88.7

41,667,745

88.4

    2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【対処すべき課題】

 当社は、「健康で、明るく、楽しい食文化の提供によって社会に貢献する」という経営理念の実践のため、「開発先導型活力企業」ならびに「高収益安定企業」を目指して活動しております。

 「開発先導型活力企業」としては、「チーズデザート 熊本県産和栗6P」、「大人のくちどけチーズ」、「プレミアムベビーチーズ 熟成ゴーダ」、「フロマジュエル 抹茶ショコラ」といった魅力ある商品を発売しました。また、チーズと食のシーンとの融合による新しい需要の創出を狙った「チーズデザートベジ6P トマトベリー&オレンジ」、「同キャロット&ゴールデンパイン」を発売しております。

 「高収益安定企業」としては、当社ではアメーバ経営を推進しており、細分化した社内のアメーバ組織をそれぞれのアメーバリーダーに“経営”させることで経営感覚を持つ人材を育成しております。また、六甲バターフィロソフィを全社員が実践・深耕することで意識のベクトルを合わせて全員参加による経営を目指しております。

 国内に目を転じますと、いわゆるトランプショックによる余波が日本の市場にも混乱をもたらすことが予想され、インバウンド需要も一服し、先行きの不透明感が漂っております。

 乳製品業界におきましては、世界的に生乳の供給過多であった状態が反転し、輸入原料チーズ価格が上昇しましたが、今後は中長期でどのように価格が推移するのかを見極め対処してまいります。また、TPPや日欧EPAなど輸入関税については、今後の動向を注視しながら有利な原料調達に努めてまいります。

 さらに、原料原産地表示やHACCPの義務化など食品をめぐる法令・制度変更などにも適切な対応が迫られております。このような状況下ではありますが、当社といたしましては、新しい市場、事業領域を探索するための活動を展開してまいります。

 また、食品メーカーとして最も重要な食の安全・安心の確保を最優先し、「開発先導型活力企業」ならびに「高収益安定企業」の実現に向けて引き続き取り組んでまいります。

 

4【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)主要原材料の市況変動について

 当社が生産する製品の主原料でありますナチュラルチーズはその大半を海外から調達していることから、海外生産地における気候や国際的な乳製品需給等の条件によって、価格が変動することがあります。当社では、購入契約の方法、時期等を十分検討して対処しておりますが、その価格動向が当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)為替相場の変動について

 当社が生産する製品の主原料でありますナチュラルチーズはその大半を海外から調達していることから、為替相場の変動の影響を受けます。当社は為替相場の変動によるリスクをヘッジするため、外貨建債務の一部について為替先物予約取引を行っておりますが、すべてのリスクを回避するものではなく、為替相場の変動は当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)市場競合について

 当社は、事業を展開する多くの市場において厳しい競争に直面しております。そのため、当社では競争優位を得るべく新製品の開発、発売に努めておりますが、厳しい価格競争に晒されております。価格競争は当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)食品の安全性について

 昨今、消費者の食の安全・安心に対する関心は一層高まっております。当社では、食の安全性については最重要課題と位置づけ、「品質マネジメントISO 9001:2000規格」を認証取得し、原材料・製品の自主検査体制や原材料の調達から製造工程に至る履歴確認等を行い、品質管理の強化に努めております。しかしながら、当社固有の品質問題のみならず、社会全般にわたる一般的な品質問題が発生した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)自然災害について

 地震等の大規模な自然災害の発生で当社の生産拠点が損害を被り長期間操業を停止する等商品供給に支障をきたした場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)年金債務について

 当社が採用する退職給付制度は、退職金規定に基づく退職一時金制度、確定給付型の企業年金制度及び確定拠出型の企業年金制度であります。これらにつきまして、その年金資産の運用成績、資産の評価あるいは制度の帰趨等により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)情報システムについて

 当社は、社内情報システムのセキュリティ強化のために、情報管理体制の徹底、システム障害等に対する保守、保全、ウイルス対策等セキュリティ対策を講じておりますが、不測の事態によりシステム障害が発生した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 製造委託契約

相手方の名称

国名

契約品目

契約締結日

契約内容

契約期間

㈱福岡ミツヤ

日本

ナッツ

平成23年5月1日

製造委託契約

平成23年5月1日~平成24年4月30日(但し期間満了6ヶ月前までに申し出のない場合は1年間延長される。以後も同様。)

 

6【研究開発活動】

 当社は「健康で明るく楽しい食文化の提供によって社会に貢献する」を基本方針として、お客様の満足に応えるべく顧客志向に徹した価値ある商品を提供できるよう研究開発に取り組んでおります。この中で目標達成のために、おいしさの追求、新技術への挑戦、安全の確保、健康への対応、コストの低減、環境保全への対応に留意して活動しております。技術開発部門は適確且つ迅速な顧客ニーズ、ウォンツの発掘から生み出される商品開発並びに斬新且つ創造的な技術シーズに基づいた素材開発の両面から業務に取り組んでおります。また、営業、技術開発、生産の各部門が一体となって新製品開発、技術開発に取り組んでおります。当事業年度の主な新製品として「ビールに合うベビーチーズ ゆず胡椒入り」、「プレミアムベビーチーズ 熟成ゴーダ」、「大人のくちどけチーズ」、「フロマジュエル 抹茶ショコラ」、「チーズデザート 熊本県産和栗6P」、「チーズデザートベジ6P トマトベリー&オレンジ」、「チーズデザートベジ6P キャロット&ゴールデンパイン」などのチーズ製品に加え、「チーズバル30g」、「キノミーわかめ入り8個入」などのナッツ製品を発売いたしました。

 当事業年度の研究開発費の総額は178百万円であります。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たりましては、有価証券の減損、たな卸資産の評価、貸倒引当金の計上、退職給付債務の認識、繰延税金資産の計上等の重要な会計方針に関する見積り及び判断を行っております。当社の経営者は、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行い、それらに対して継続して評価を行っております。しかし、実際の結果は、見積りによる不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

(2)当事業年度の財政状態の分析

(資産)

 当事業年度末における「資産の部」の残高33,523百万円となり、前事業年度末と比べ770百万円増加いたしました。主要な要因は、現金及び預金、売掛金、投資有価証券、破産更生債権等の増加と短期貸付金、有形固定資産、原材料、関係会社株式の減少であります。

(負債)

 当事業年度末における「負債の部」の残高は12,384百万円となり、前事業年度末と比べ473百万円減少いたしました。主要な要因は未払法人税等、未払費用、未払消費税等の増加と買掛金、厚生年金基金解散損失引当金、未払金の減少であります。

(純資産)

 当事業年度末における「純資産の部」の残高は21,139百万円となり、前事業年度末と比べ1,244百万円増加いたしました。主要な要因は利益剰余金の増加であります。

(3)当事業年度の経営成績の分析

 当社の当事業年度の売上高は47,115百万円となり、前事業年度と比べ2,113百万円増加いたしました。これは、家庭用チーズ製品とチョコレートの売上が順調に推移したことによるものであります。

 経常利益につきましては、5,205百万円となり、前事業年度と比べ2,167百万円増加いたしました。これは、売上高の増加に加え原価率が下がったことによるものであります。

 当期純利益につきましては、3,431百万円となり、前事業年度と比べ1,485百万円増加いたしました。経常利益の増益幅より小さくなりましたのは、法人税等合計が増加したことによるものであります。

 

(4)経営成績に重要な影響を与える要因について

 「4.事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析

 ① 資金需要

       設備投資、運転資金及び利息の支払い並びに配当金の支払いに資金を充当しております。

 ② 資金の源泉

   主として営業活動によるキャッシュ・フローにより、必要とする資金を調達しております。

 ③ キャッシュ・フロー

      キャッシュ・フローについては、「1.業績等の概要(2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。