当連結会計年度におけるわが国経済は、政府による経済政策を背景に、企業収益の改善や雇用情勢の改善など、景気は緩やかな回復基調が続いております。しかし、依然として個人消費の弱さが残るとともに、新興国の景気減速等による影響も懸念され、先行き不透明な状況で推移いたしました。
当業界におきましては、主原料及び包装資材の高止まりから製造コスト等が上昇し、更には、消費税増税後の物価の上昇に伴う消費者の低価格・節約志向が根強く、依然として厳しい環境で推移いたしました。
このような状況のなか、当社グループは、「お客様第一にあふれる味覚をお届けします」をモットーに「安心・安全・美味しさ」を追求し、経営理念のさらなる浸透を図るとともに、コンプライアンスを重視した社員教育を実施いたしました。また、作業効率の改善や仕入の見直しを重視し、さらなるコスト削減努力を継続してまいりました。
販売に関しましては、「花ソーセージ」シリーズのテレビCM放映や、コンビニエンスストア・ドラッグストアへの一部商品の参入、そして「ロマンティック街道」シリーズに加え、マイスターこだわりの「広島港町ハム工房」シリーズやローストビーフ・ローストポーク・ローストチキンなどの高付加価値商品の販売強化を進めるとともに、ギフトにおきましても「宮島・弥山(みせん)ギフト」ブランドやローストシリーズの充実を図ってまいりました。更には、確かな品質・確かな味わいのJAS上級あらびきポークウインナー「宮島物語」・「阿蘇便り」を新発売し、売上の拡大を図ってまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は、283億9百万円(前年同期比0.5%減)となりました。営業利益は6億7百万円(前年同期比62.0%増)、経常利益は6億49百万円(前年同期比83.5%増)、連結子会社での減損損失にともなう一部税効果の取崩等もあり、親会社株主に帰属する当期純利益は1億20百万円(前年同期比41.4%減)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
加工食品事業
加工食品事業につきましては、消費者の低価格・節約志向は引き続き強く推移しているなか、「ポークボロニアステーキ」は引き続き好調に推移しましたが、10月のWHO(世界保健機関)の研究機関であるIARCの報道の影響もあり、売上高は前年同期を下回りました。セグメント利益におきましては、生産原価の下降やコスト削減努力を継続してきたことにより増益となりました。
その結果、売上高は126億35百万円(前年同期比3.7%減)、セグメント利益(営業利益)は8億90百万円(前年同期比45.8%増)となりました。
食肉事業
食肉事業につきましては、国産牛肉において、全国的な出荷頭数の減少による価格高騰により販売数量は減少しましたが、単価の上昇もあり売上高は増加しました。国産豚肉においては、相場の下落により、販売数量は増加したものの、単価が下落したため売上高は減少いたしました。輸入ミートにおいては、売上の拡大にともない売上高、販売量ともに増加いたしました。
その結果、売上高は156億74百万円(前年同期比2.3%増)、セグメント利益(営業利益)は2億32百万円(前年同期比17.5%増)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度に比べ4億81百万円増加の31億77百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、12億37百万円となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益6億69百万円、減価償却費4億67百万円及びたな卸資産の減少1億40百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、2億26百万円となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出3億42百万円及び投資有価証券の売却による収入1億14百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、5億30百万円となりました。主な要因は、長期借入金の返済による支出3億57百万円及びリース債務の返済による支出1億22百万円等によるものであります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
加工食品事業 | 7,660 | 94.6 |
食肉事業 | 5,441 | 102.5 |
合計 | 13,101 | 97.7 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、製造原価によっております。
3 上表の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループは、受注生産ではなく見込生産を行っております。
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 商品仕入高(百万円) | 前年同期比(%) |
加工食品事業 | 1,495 | 82.6 |
食肉事業 | 8,293 | 101.9 |
合計 | 9,788 | 98.4 |
(注) 1 金額は、仕入価格によっております。
2 上表の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
加工食品事業 | 12,635 | 96.3 |
食肉事業 | 15,674 | 102.3 |
合計 | 28,309 | 99.5 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 総販売実績の100分の10以上を占める相手先はありません。
3 上表の金額には、消費税等は含まれておりません。
食品業界全体を取り巻く環境は、少子高齢化や消費者の皆様の「食の安全」への対応に加え、経済対策や金融政策等により景気は回復基調にあるものの、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)、消費税増税や社会保障制度の見直しなどによる個人消費の低迷など、先行き不透明な状況が続くものと予想されます。
当社グループといたしましては、加工食品事業における新商品開発や生産性の向上を柱とした様々なコストの見直しを実施するほか、業務の効率化を進め、コストダウンによる競争力の強化をはじめとして、資産の有効活用により経営体質を強化し、キャッシュ・フローの増大と収益確保による経営安定が重要課題であると考えております。また、食品企業の最重要課題である「食の安全」についても、より一層、品質管理体制の強化を図ってまいります。
当社グループの経営成績及び財政状態等に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクは以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経済状況に係るもの
① 当社グループの主要製品であるハム・ソーセージの国内製造量は、平成7年(1995年)をピークとして僅かながら減少傾向になっております。
少子高齢化により、今後このような趨勢は継続するものと予想されます。
② 当社グループで取り扱っている主要製品、仕入商品のほとんどについて包装材料を使用しておりますが、その主なものは石油化学製品であり、石油の価格変動の影響を受ける可能性があります。
(2) 財務状態及び会計基準適用の影響について
① 有利子負債への依存度について
当社グループは、過年度において、本社・工場及び一部の事業所を自社で取得しており、当該資金を金融機関からの借入により調達しているため、総資産に占める有利子負債の比率が高い水準にあります。今後、資金調達手段の多様化に積極的に取り組み、自己資本の充実に注力する方針でありますが、現行の金利水準が変動した場合には当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 減損会計導入の影響について
当社グループの事業所開設の際には、敷地を取得するケースと賃借で使用するケースがあります。固定資産の減損に係る会計基準の適用により保有する固定資産について減損処理が必要となった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 取引の継続性について
① 当社グループは、納入先との納入数量、価格等に関する長期納入契約を締結しておりません。
② 当社グループは、主要製品に使用される原材料の大半を海外市場に依存しており、取引先との買入数量、価格等に関する長期仕入契約を締結しておりません。
(4) 特有の法的規制に係るもの
① 当社グループの取扱い品目の大半は、「食品衛生法」、「農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律」、「不当景品類及び不当表示防止法」を始めとした諸法令の適用を受けております。
自社製造の製品に限らず他社製造の仕入商品等において誤りが発生し市場に流出した場合に、これらの事実を公開し商品を速やかに回収する必要があり、信頼失墜及び経済的損失等を被る可能性があります。
② 当社グループの取扱い品目である輸入豚肉は、セーフガード(緊急輸入制限措置)の対象品目であり、年度初めから各四半期の終了までの累計輸入量が、過去3年度同期の平均輸入量の119%を超えた場合、年度の残りの期間について基準輸入価格を引き上げる関税緊急措置がとられ、仕入価格に上乗せされることにより業績が圧迫される可能性があります。
③ 当社グループの取扱い品目である輸入牛肉は、セーフガード(緊急輸入制限措置)の対象品目であり、年度初めから各四半期の終了までの累計輸入量が、過去3年度同期の平均輸入量の117%を超えた場合、年度の残りの期間について関税を50%に引き上げる関税緊急措置がとられ、仕入価格に上乗せされることにより業績が圧迫される可能性があります。
④ 当社グループの取扱い品目である国産牛肉は、「牛の個体識別のための情報管理及び伝達に関する特別措置法」(いわゆる牛トレーサビリティ法)が適用されております。
システムの運用、保守等において過誤が生じた場合、消費者に誤解を招く可能性があります。
(5) 家畜の疫病に係るもの
① 当社グループの取扱い品目である畜肉には、様々な予測困難な家畜の疫病が発生する可能性があります。該当畜肉はもとより未該当の畜肉においても、需要・供給の問題及び相場の急激な変動等により経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
② 当社グループの取扱い品目である牛肉は、牛類の伝染病であるBSE(牛海綿状脳症)や口蹄疫等が発生した場合、発生地域からの供給が停止され仕入が困難となるのみならず、消費者の健康への不安感から未発生地域で生産された牛肉までも消費不振となるいわゆる風評被害が発生する等、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
③ 当社グループの取扱い品目である鶏肉は、鳥類の伝染病である鳥インフルエンザ等が発生した場合、発生地域からの供給が停止され仕入が困難となるのみならず、消費者の健康への不安感から未発生地域で生産された鶏肉までも消費不振となるいわゆる風評被害が発生する等、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
④ 当社グループの取扱い品目である豚肉は、豚類の伝染病である新型インフルエンザや口蹄疫等が発生した場合、発生地域からの供給が停止され仕入が困難となるのみならず、消費者の健康への不安感から未発生地域で生産された豚肉までも消費不振となるいわゆる風評被害が発生する等、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループにおける研究開発活動は、開発本部を中心に行っており「食品の特性と安心・安全・美味しさを追求し、健康と感動と笑顔のある楽しい食生活を演出するとともに人に対する優しさ」を経営方針としております。
当連結会計年度におきましては、ハム・ソーセージの分野におきまして、今後の少子高齢化をにらみ、質の追求としてJAS上級クラスの商品のラインナップを増やし、昨年発売し好評をえております、ウインナーに加え、ロースハム・ベーコンを開発いたしました。また、昨年のIARCの発表以降加工品の安心・安全への意識が高まるなか、無塩せき商品としてチキンを原料としたウインナーを開発いたしました。チキンという原料を使用することで消費者にヘルシー感を抱いていただける商品となっております。これからも無塩せき商品については、ラインナップを増やしてまいります。業務用商品としては、素材の味付けにこだわった餃子風ソーセージを開発いたしました。和洋中など様々な料理があるなか、中華の味付けにこだわり、外食産業でも使用していただける仕上がりにしております。食シーンとして朝食にこだわった、モーニングヴルストも開発いたしました。そのままサンドウィッチにしても、また焼いても美味しい仕上がりにしております。
デリカの分野におきましては、当社の強みであるコロッケの分野で牛肉原料の質と量にこだわったお肉屋さんのコロッケを開発いたしました。これからも本物を目指し、コロッケ・メンチカツの開発を行ってまいります。また、タレの開発に重点をおき、野菜、お肉、タレのキット商品開発を行っておりますが、野菜のバリエーションとして白ネギを追加し、野菜にあう塩ダレを開発いたしました。当年度は豚タンネギ塩キットとして商品化しております。今後も当社の強みであるタレの開発に重点をおいて、さまざまな食材開発を行い、簡単調理キット商品の開発に努めてまいります。
コンプライアンス、トレーサビリティ等、食の安全追及を含め、素材の特性や美味しさの追求、食シーン等、多岐にわたり研究開発を行っております。
今後もマーケティングを軸に、市場ニーズをつかみ、仕入・加工・販売部門と連携を取り、常に迅速なる商品開発活動を行ってまいります。
当連結会計年度における研究開発費は2億46百万円であります。
当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析結果は、以下のとおりであります。
1 財政状態の分析
(資産の部)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ4億54百万円減少の165億61百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ2億54百万円増加の74億67百万円となりました。主な要因は、現金及び預金4億81百万円の増加及び原材料及び貯蔵品1億24百万円の減少によるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ7億8百万円減少の90億94百万円となりました。主な要因は、投資有価証券3億1百万円及び繰延税金資産2億62百万円の減少によるものであります。
(負債の部)
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ3億36百万円減少の107億5百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ1億58百万円減少の78億87百万円となりました。主な要因は、未払法人税等1億45百万円の増加及び短期借入金1億55百万円、未払金1億61百万円の減少によるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ1億78百万円減少の28億18百万円となりました。主な要因は、長期借入金2億1百万円の減少によるものであります。
(純資産の部)
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1億17百円減少の58億56百万円となりました。主な要因は、その他有価証券評価差額金1億96百万円の減少によるものであります。
2 経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、283億9百万円(前年同期比0.5%減)となりました。
消費者の低価格・節約志向が強く推移するなか、10月のWHO(世界保健機構)の研究機関であるIARCの報道もあり売上高は微減で推移いたしました。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
当連結会計年度における売上原価は、主原料及び包装資材の高止まりのなかコスト削減努力により、前連結会計年度に比べ2億83百万円の減少の229億7百万円となりました。
販管費及び一般管理費は、経費の効果的な活用と削減に注力した結果、前連結会計年度に比べ88百万円減少の47億95百万円となりました。
(営業外損益)
当連結会計年度において営業外収益は、1億27百万円計上しております。これは、受取配当金34百万円、不動産賃貸料55百万円等によるものであります。
営業外費用は、85百万円計上しております。これは、支払利息81百万円等によるものであります。
(特別損益)
当連結会計年度において特別利益は、39百万円計上しております。これは、投資有価証券売却益39百万円等によるものであります。
特別損失は、19百万円計上しております。これは、環境対策費19百万円等によるものであります。
(親会社株主に帰属する当期純損益)
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ86百万円減少し1億20百万円となりました。
3 キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度に比べ4億81百万円増加の31億77百万円となりました。
営業活動の結果得られた資金は、12億37百万円となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益6億69百万円、減価償却費4億67百万円及びたな卸資産の減少1億40百万円等によるものであります。
投資活動の結果使用した資金は、2億26百万円となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出3億42百万円及び投資有価証券の売却による収入1億14百万円等によるものであります。
財務活動の結果使用した資金は、5億30百万円となりました。主な要因は、長期借入金の返済による支出3億57百万円及びリース債務の返済による支出1億22百万円等によるものであります。