当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループが1970年代から先駆的に取り組んだ食の安心・安全はほとんどの消費者が認める共通の価値観となりました。一方、地球温暖化などの環境問題の顕在化、原発事故と再生可能エネルギーへのシフト、減少を始めた日本の人口と待ったなしの地方創生など、今ほど真の賢さと変革の実行力が必要とされている時代はありません。
当社グループは、①私たちは持続可能で真に豊かな社会への変革に貢献します、②私たちは理想の農業を追求します、③私たちは一人一人の主体性を起点として、活力溢れる会社をつくります、の3つの企業理念(私たちの目指すもの)を掲げ、食の健康と安全を大切にする消費者にとってのNO.1ブランドを目指し、価値創造に積極的に取り組むことを経営の基本方針としております。
(2)経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
深刻化する人手不足を大きな背景とした様々なコストの上昇、ますます不安定化する世界情勢など、事業環境は今後さらに厳しいものになっていくと想定されます。
当社グループではその中でも持続的な成長に向けて、人財力、ブランド力、事業競争力をさらに高めるため、今年2年目となる中期計画の7つの基本戦略を柱に様々な課題に取り組んでまいります。
(中期経営計画 7つの基本戦略)
①人財戦略
持続的な成長に向けて一番の鍵となる人財力を高めるため、社員が安心してチャレンジできる環境づくり、人財マネジメントの強化、社員満足度の向上、人事部門の強化など、様々な課題に取り組んでまいります。
②ファン化戦略
秋川牧園の食をより多くの方に食べていただき、また食の安心・安全の大切さや秋川牧園の様々な取り組みの情報発信を強化することで、秋川牧園ファンを増やし、ブランド力をさらに高めてまいります。
③鶏肉・冷食事業の変革
日本の人口減少と人手不足の深刻化が進む中でも、鶏肉・冷食事業をさらに成長させるため、冷食の商品構成の成型品シフト、機械化及びIT化、商品開発の強化、販売・製造計画の精緻化など、様々な変革を進めてまいります。
④直販事業の強化
直販事業の成長力を高めていくために、ベースとなるブランド力の向上、会員様限定商品の開発、ユーザビリティの改善、顧客との関係づくりの高度化など、事業の独自性と競争力の強化に取り組んでまいります。
⑤中国鶏肉事業の基盤の確立
2024年3月より当社グループの連結子会社となった秋川牧園(常州)農業有限公司ですが、販路の拡大、鶏の無投薬飼育技術のさらなる安定化、加工における品質管理の強化などにより、事業基盤の確立に取り組んでまいります。
⑥サステナビリティ戦略
サステナビリティ推進委員会を設置し、脱炭素、脱プラ、地域連携の強化など、総合的な取り組みを全社的に進めます。また、野菜や穀類の生産を起点にした「土の分野」の事業化にチャレンジし、深刻化する中山間地の農業問題への貢献を目指します。
⑦食の信頼
秋川牧園の「食の信頼」を引き続き守っていくため、品質管理及び生産管理をさらに強化していきます。また、消費者からの期待に応えるためにも、商品力の強化や各現場での改善活動による生産性の向上にも継続的に取り組んでまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、2033年3月期に売上高120億円、売上高経常利益率4%以上を達成することを、数値目標として設定しております。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社は企業理念である「①持続可能で真に豊かな社会への変革に貢献します ②理想の農業を追求します ③一人一人の主体性を起点として活力あふれる会社をつくります」の3つの価値観のもと、創業以来、農薬など化学物質に依存しない食づくりや、地域循環型で自然と共生する農業のモデルづくりなど、サステナブルな社会への変革に貢献すべく、積極的に取り組んでまいりました。今後も世界の価値観がサステナビリティ重視にシフトする変化を事業の追い風にすべく、様々な課題に積極的に取り組んでまいります。
(1)ガバナンス
サステナビリティを含む全般的なリスク及び機会の管理・実行につきましては、代表取締役社長を中心として立案した中期経営計画、年度の事業計画並びにリスク管理方針を取締役会(監査役を含む)で協議・検討の上、決定しております。そして、その方針に基づき、代表取締役社長をトップとして各部門が具体的な取り組みを進めており、取締役会及び監査役会は執行状況を適宜監督しております。
サステナビリティに関する取組みを全社で横断する組織「サステナビリティ推進委員会」を2024年7月に設置しております。委員会のメンバーは、代表取締役社長を委員長とし、常勤取締役、常勤監査役及び各部門長、事務局で構成されております。サステナビリティ推進委員会では、リスク及び機会の現状把握、課題の抽出、目標設定、具体的なアクション、進捗状況の確認等をメインの活動としております。
サステナビリティ推進委員会の活動状況は取締役会等に定期的に報告され、適宜監督・助言等を受けるようガバナンス体制を構築していきたいと考えております。
(2)戦略
当社グループは温室効果ガスの削減と地域循環システムの構築による飼料原料の自給率の向上の2点を重点課題に位置付け、取り組みを強化しております。
①気候変動への対応に関する戦略
当連結会計年度における具体的な取り組みは以下になります。
・直販事業の物流センターで使用する電気を再生可能エネルギー電力に切り替え(約155トン/年のCO2削減)
・廃プラスチック用の洗浄機を新たに導入し、工場から出るプラスチック・ビニール袋などのリサイクル化を実現
・地域の農家との飼料米プロジェクトによる飼料米作付け面積の拡大(前年比1.8%増加)
②人的資本に関する戦略
当社グループは、多様な人財の個性と主体性を尊重し、その特徴を活かし、一人一人が活き活きと働くことのできる会社をつくっていくことが、持続的な成長に向けての原動力であると考えております。人財の多様性については、女性社員の活用の強化をはじめ、外国人や知的障がい者等の採用を積極的に行っており、その方たちが働きやすい環境づくりや人財育成を実施しております。
人財戦略について、代表取締役社長及び経営管理部(人事課)を中心に検討を進め、新たな中期経営計画に掲げられている以下の基本方針をもとに様々な取り組みを行ってまいります。
(基本方針)
・成長環境・モチベーション環境の優れた会社
・事業が成長するための人財豊富な会社
・その人財がしっかりと活きる会社を目指す
(具体的な取り組み)
・エンゲージメント及び社員満足度の向上(給与・休日などの待遇改善、福利厚生の充実、職場環境の改善など)
・チャレンジしやすい環境づくり(組織整備、情報共有、権限委譲、仕事の進め方の見直しなど)
・採用力の強化(人事課の強化と予算の増額、働く人にとって魅力ある職場づくり、リファラル採用制度など)
・人財マネジメントの強化(キャリアデザインシート・目標管理制度(MBO)の導入、上司・部下のコミュニケーションの充実、人事制度の適切な見直しなど)
(3)リスク管理
当社グループでは、サステナビリティに関する情報収集や自社のデータの分析を実施するなどして、リスク及び機会の把握と対策の検討・実行を行っております。
・温室効果ガスの排出量の算出は、サステナビリティ推進委員会事務局で行っており、年間の排出量が出た時点で、サステナビリティ推進委員会で共有・検討を行っております。また取締役会等においても情報の共有を図っております。
・飼料原料の自給化における栽培面積及び収量の分析等は生産部を中心に行っております。また、飼料米の専門家を含むメンバーで構成される協議会を開催し、飼料米の収量拡大や飼料原料におけるサステナビリティの向上のための情報の収集と検討を行っております。
サステナビリティに関するリスク及び機会として認識している主なものは以下になります。
(リスク)
・温室効果ガスの削減については、自社での太陽光発電の拡大や外部からの再生エネルギーの調達が重要な手段になると考えております。しかし、自社での太陽光発電の拡大は設置スペースの制約があること、外部からの再生エネルギーの調達の拡大はコストアップ要因になることが、阻害要因(リスク)となるものと認識しております。
・飼料原料の自給化については、品種改良や生産技術の向上等の機会がありますが、一方で生産者の高齢化や、異常気象等による生産量への影響がリスクとして挙げられます。
・地球温暖化に伴う気候変動の深刻化により、海外からの輸入飼料の安定的な調達や、当社グループにおける生産(鶏肉、鶏卵、青果など)がリスクにさらされる可能性があります。また昨今の大規模な水害に関しても当社グループの生産・製造・管理設備、及び仕入・販売における流通面などへの影響も懸念されます。
(機会)
・日本においてもSDGsをはじめとするサステナビリティ重視の価値観が徐々に浸透してきております。そのことは、有機農業、地域循環、農業の活性化などに創業以来取り組んできた当社グループにとっては、今後のブランディング及び事業展開においてプラス要因になるものと考えております。
・日本の農業の立地としては中山間地は条件が悪く、今後も農業が持続できるかについては、引き続き危機的な状況にあると認識しております。一方で、そのことは新たな農地を確保しやすくなることを意味します。また、社会的な課題としての重要性が増すことも、中山間地での農業の事業拡大のプラス要因になるものと考えております。
(4)指標及び目標
①気候変動への対応に関する指標及び目標
当社グループは温室効果ガスの削減と地域循環システムの構築による飼料原料の自給率の向上の2点を重点課題に位置付け、取り組みを強化しております。
当連結会計年度においてScope1、Scope2の排出量の算定を行っております。今後については算定結果を踏まえて具体的な削減に向けて、目標設定及びモニタリング方法などの検討を行ってまいります。
(2025年3月期のCO2排出量)
|
区分 |
算出値(t-CO2) |
|
当社(単体) |
2,711 |
|
連結子会社 |
2,682 |
|
合計 |
5,393 |
|
区分 |
算出値(t-CO2) |
|
Scope1 |
|
|
Scope2 |
|
|
合計 |
|
Scope1:事業者自らの燃料消費などによる直接排出(畜糞から発生するCO2排出量は算出値に含んでおりますが、畜糞利用によるCO2削減量は除外しております。)
Scope2:他社から供給された電気等の使用による間接排出
②人的資本に関する指標及び目標
当社グループでは、女性、障がい者、外国人、中途採用者など、多様な個性、特徴、経験をもつ人材が既に活躍しております。今後につきましては、さらに重要性が増していく人財育成や人財確保に向けて、人的資本への投資をさらに強化してまいります。
(女性管理職比率、男女間賃金格差 ※連結)
|
|
2025年3月期 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
※女性管理職比率は課長職相当以上を対象として算出しております。
当社の経営成績、株価及び財務状況に影響を及ぼす可能性のある主な事項を下記に記載いたしました。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
① 飼料原料価格の変動
飼料原料価格は、作況や船運賃、為替変動や世界的な需要動向、さらには投機的な資金の動きにより大きく変動します。この変動に対し、国からの拠出金と飼料業界・生産者の積み立てにより運営される飼料安定基金制度があり、価格の高騰時には、この基金からの補填により生産段階の負担増が大きく軽減される仕組みとなっております。しかしながら、飼料価格の高騰が長期化する場合には、飼料コストの上昇は避けられず、製品価格への転嫁が必要となります。
② 鶏病の発症及び防疫対策として実施される、行政による生産物の移動制限措置
近年、高病原性鳥インフルエンザが世界各地で継続的に発生しており、世界的な問題となっております。当社グループでは、鳥インフルエンザ対策には万全を期しておりますが、当社グループの農場で発症した場合には、生産及び販売の減少等の影響を受ける可能性があります。また、当社グループの農場での発症はなくても、近隣の別の農場で発症した場合には、行政による生産物の移動制限措置、さらには風評被害により、生産及び売上の減少等の影響を受ける可能性があります。しかしながら、この行政による移動制限の範囲や期間は、経済的影響を配慮して小規模なものになってきておりますし、風評被害につきましても、消費者の冷静な行動が定着しつつありますので、総合的にはリスクは縮小傾向にあるものと考えております。
③ 特定取引先に対する売上構成比の高さについて
当社グループの生活協同組合に対する売上構成比は高い状況にあります。これは、食の安心・安全の面で当社グループの方針と生活協同組合の安全な食品を消費者に届ける目的が共通することによるものです。また、当社グループは、安全な食べ物を、高い信頼性の中で総合的に生産する能力を有しており、一方、生活協同組合は、多くの消費者を組織化し、学習会等の開催で、安全な食べ物の必要性について啓蒙活動を行いながら、食品を供給する事業を行っており、良い形で双方の機能分担と互恵的な関係が長期的に保持されております。しかしながら、生活協同組合の中でも主取引先であるグリーンコープ生活協同組合連合会及び生活クラブ事業連合生活協同組合連合会の売上構成比は高く、その業績の影響を受ける可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2024年4月1日~2025年3月31日)におけるわが国の経済は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の拡大などを背景に、緩やかな回復基調が持続しました。その一方で、物価上昇や中国経済の減速、為替相場の急激な変動などにより、先行きは依然として不透明な状況が続きました。食品業界につきましては、原材料や人件費など様々なコストが上昇する中で、実質所得の伸び悩みを背景に消費者の節約意識は高まっており、厳しい事業環境となっております。
当社グループにつきましては、上期はコロナ禍の終息に伴う宅配特需からの反動減の影響が残りましたが、下期からは鶏肉及び冷凍加工食品を中心に販売が好調に推移しました。また、2024年3月に連結子会社化した秋川牧園(常州)農業有限公司が加わったことも寄与し、売上高は増加しました。利益面につきましては、販売増及び値上げの効果があった一方で、人財確保に向けた人件費の増加や、2023年11月に建設した新直販物流センターの償却負担といった、今後の成長を見据えた戦略的投資が減益要因となりました。さらに、円安による飼料価格の高止まりなど様々な仕入コストの上昇も加わり、減益となりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は、79億57百万円(前年同期比7.6%増)、営業損失は3百万円(前年同期は11百万円の営業利益)、経常利益は51百万円(前年同期比66.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は28百万円(前年同期比71.3%減)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
(生産卸売事業)
生産卸売事業につきましては、製品の値上げに加えて、鶏肉及び冷凍加工食品の販売増の効果や、中国において鶏肉の生産と販売を展開する秋川牧園(常州)農業有限公司が連結子会社に加わったこと等により、売上高は増加しました。利益面につきましては、人件費の上昇や2024年2月に行った冷凍設備の更新投資に伴う減価償却費の増加といったコストアップ要因がありましたが、製品値上げ及び販売増の効果により増益となりました。
この結果、生産卸売事業の売上高は、62億65百万円(前年同期比9.2%増)、営業利益は4億12百万円(前年同期比8.7%増)となりました。
(直販事業)
当社の食を中心とした安心・安全な食品を全国の個人の消費者に直接お届けする直販事業につきましては、会員数の増加と注文率の改善により8月以降は販売が前年を上回る流れが継続し、売上高は増加しました。利益面につきましては、値上げ及び販売増の効果があったものの、2023年11月に建設した新物流センターの償却負担や人件費の増加、会員募集費の積極的な投入などのコストアップ要因により減益となりました。
この結果、直販事業の売上高は、16億91百万円(前年同期比2.1%増)、営業利益は29百万円(前年同期比59.3%減)となりました。
財政状態については次のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末の総資産は、前年同期に比べ75百万円増加して71億26百万円となりました。これは主に現金及び預金の増加(2億71百万円)、原材料及び貯蔵品の減少(71百万円)、仕掛品の減少(47百万円)及び商品及び製品の減少(38百万円)等によるものです。
(負債)
負債につきましては、前年同期に比べ75百万円増加して49億39百万円となりました。これは主に短期借入金の増加(1億98百万円)及び長期借入金の減少(1億44百万円)等によるものです。
(純資産)
純資産につきましては、前年同期に比べ0百万円減少して21億86百万円となりました。これは主に剰余金の配当による減少(41百万円)及び親会社株主に帰属する当期純利益による増加(28百万円)によるものです。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純利益が47百万円(前連結会計年度は1億49百万円の純利益)となり、減価償却費(4億88百万円)、棚卸資産の減少(1億65百万円)、長期借入れによる収入(4億円)、短期借入金の純増(2億39百万円)等から、有形固定資産の取得による支出(4億58百万円)、長期借入金の返済による支出(5億85百万円)等を控除した結果、前連結会計年度末に比べ2億71百万円増加し、9億68百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は7億25百万円(前連結会計年度は3億93百万円の獲得)となりました。
これは主として、税金等調整前当期純利益(47百万円)、減価償却費(4億88百万円)、棚卸資産の減少(1億65百万円)によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は4億51百万円(前連結会計年度は11億14百万円の使用)となりました。
これは主として、有形固定資産の取得による支出(4億58百万円)によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は4百万円(前連結会計年度は6億37百万円の獲得)となりました。
これは主として、長期借入れによる収入(4億円)、短期借入金の純増(2億39百万円)等から、長期借入金の返済による支出(5億85百万円)等を控除した結果によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
1)生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
生産卸売事業(千円) |
7,020,477 |
102.6 |
|
直販事業(千円) |
- |
- |
|
合計(千円) |
7,020,477 |
102.6 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.直販事業は、商品及び生産卸売事業等で生産した製品の販売を行っておりますので、生産実績はありません。
2)商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
生産卸売事業(千円) |
63,011 |
70.2 |
|
直販事業(千円) |
556,969 |
107.8 |
|
合計(千円) |
619,980 |
102.2 |
(注)金額は仕入価格で表示しております。
b.受注実績
当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前年同期比(%)
|
|
生産卸売事業(千円) |
6,265,504 |
109.2 |
|
直販事業(千円) |
1,691,952 |
102.1 |
|
合計(千円) |
7,957,457 |
107.6 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
グリーンコープ生活協同組合連合会 |
1,692,817 |
22.9 |
1,778,320 |
22.3 |
|
生活クラブ事業連合生活協同組合連合会 |
1,241,501 |
16.8 |
1,315,895 |
16.5 |
|
合計 |
2,934,318 |
39.7 |
3,094,215 |
38.9 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績及び財政状態等は、以下のとおりであります。
経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ5億64百万円増加し、79億57百万円(前年同期比7.6%増)となりました。上期はコロナ禍の終息に伴う宅配特需からの反動減の影響が残りましたが、下期からは鶏肉及び冷凍加工食品を中心に販売が好調に推移しました。また、2024年3月に連結子会社化した秋川牧園(常州)農業有限公司が加わったことも寄与し増加しました。
(売上総利益)
当連結会計年度における売上総利益は、前連結会計年度に比べ1億65百万円増加し、19億8百万円(前年同期比9.5%増)となりました。売上総利益率は、原材料や人件費などのコストアップ要因がありましたが、製品の値上げ効果や販売増により前連結会計年度に比べ0.4ポイント増加し、24.0%となりました。
(営業利益)
当連結会計年度における営業利益は、前連結会計年度に比べ14百万円減少し、3百万円の営業損失(前年同期は11百万円の営業利益)となりました。営業利益率は、上記の売上総利益率の増加がありましたが、間接部門における今後の成長を見据えた戦略的投資の増加等により前連結会計年度に比べ0.24ポイント減少し、マイナス0.04%となりました。
(経常利益)
当連結会計年度における経常利益は、前連結会計年度に比べ1億1百万円減少し、51百万円(前年同期比66.4%減)となりました。経常利益率は、上記の営業利益率の減少に加えて、飼料価格高騰に伴う飼料価格安定基金からの補填金収入の減少の影響等により前連結会計年度に比べ1.5ポイント減少し、0.6%となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ70百万円減少し、28百万円(前年同期比71.3%減)となりました。当期純利益率は上記の経常利益率の減少の影響により前連結会計年度に比べ0.9ポイント減少し、0.4%となりました。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、29億33百万円(前連結会計年度末は28億61百万円)となり、前連結会計年度末と比べ72百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金の増加(2億71百万円)、原材料及び貯蔵品の減少(71百万円)、仕掛品の減少(47百万円)及び商品及び製品の減少(38百万円)等によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、41億92百万円(前連結会計年度末は41億89百万円)となり、前連結会計年度末と比べ2百万円増加いたしました。主な要因は、有形固定資産の増加(7百万円)によるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、26億88百万円(前連結会計年度末は24億91百万円)となり、前連結会計年度末と比べ1億97百万円増加いたしました。主な要因は、短期借入金の増加(1億98百万円)によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、22億50百万円(前連結会計年度末は23億72百万円)となり、前連結会計年度末と比べ1億21百万円減少いたしました。主な要因は、長期借入金の減少(1億44百万円)によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、21億86百万円(前連結会計年度末は21億87百万円)となり、前連結会計年度末と比べ0百万円減少いたしました。主な要因は、為替換算調整勘定の増加(13百万円)及び利益剰余金の減少(13百万円)によるものであります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、次のとおりであります。
当社グループでは、目標とする経営指標を、売上高経常利益率4%以上を達成することを、数値目標として設定しておりますが、当連結会計年度につきましては0.6%となっております。
②キャッシュ・フローの分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関する情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料や商品の仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関等からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関等からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は34億22百万円となっております。
また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は9億68百万円となっております。
③重要な会計方針及び見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
技術提携契約
当社グループが締結している主な技術提携契約は次のとおりであります。
|
相手先 |
契約の内容 |
契約期間 |
|
伊藤忠飼料株式会社 |
健康な畜産物の生産及び飼料の製造に関する技術契約 |
1988年4月1日から1993年3月31日まで 以降1年ごとの自動更新 |
当社グループは、1972年に健康・安全な食づくりをスタートして以来、若鶏の無投薬飼育、全植物性飼料の開発、有機塩素系化学物質の畜産物への残留の改善、ポストハーベスト無農薬コーンの開発輸入、飼料原料の非遺伝子組み換え化、野菜の無農薬栽培技術の開発など、一般には非常に困難とされていた食の安全性上の課題を技術開発を進めることによってクリアし、消費者から大きな評価をいただいてきました。
当社グループでは、今まで培った食の安心・安全に対するノウハウを強みとしつつ、さらに消費者の健康に向けて、よりトータルに提案できる会社を目指し、研究開発を推進していきたいと考えております。
また、世界的に食糧不足のリスクが高まる中、飼料原料の多くを輸入に依存する日本の畜産業界にあって、飼料の自給率を高めるための研究開発を進めることは、長期的な安定生産のためにも重要なテーマであると認識しております。
当連結会計年度の主要な研究テーマと活動状況は次のとおりで、研究開発費の総額は
(1)生産卸売事業
(若鶏等の飼育技術の開発)
若鶏、採卵鶏、乳牛等の家畜の飼育における生産性と品質の向上を目指し、研究開発を進めております。その中でも主力の若鶏につきましては、鶏の腸内細菌叢の改善に向けての技術開発や、大腸菌症の種類や感染経路の特定、より効果的な防疫対策についての研究をしております。
(飼料栽培と活用に関する開発)
飼料の原材料の国産自給率向上を目指して、飼料米の専用品種を採用しての多収穫試験栽培や、飼料米を実際に飼料に配合しての家畜の飼育実験などの研究開発を進めております。
(新商品の開発)
自らが生産を行うことの強みを活かして、動物性の飼料原料を使用しない「全植たまご」のように、飼料の中身や飼育・栽培方法から差別化できる商品の開発を行っております。
また、当社グループが生産する素材(鶏肉、鶏卵、牛乳など)を活かした加工品の開発を積極的に進めていき、ブランド力を向上させていきたいと考えております。
(2)直販事業
該当事項はありません。