文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは創業以来の製粉事業に食品事業を加えて基盤事業とし、冷凍食品や中食など事業の多角化を進めてまいりましたが、今後はヘルスケアや大豆・野菜事業などへも注力し、さらに新規事業も加えて事業領域を拡げ持続的成長を図っていくため、「人々のウェルビーイング(幸せ・健康・笑顔)を追求し、持続可能な社会の実現に貢献します」を経営理念としております。
当社を取り巻く環境は目まぐるしく変化しておりますが、創業以来の技術力と新しいデジタルトランスフォーメーション(DX)の融合を図り、イノベーションを起こすことで、変化を先取りした新しい時代の「食」を創造していきたいと考えております。
社内においては、社員一人ひとりが創業以来のパイオニア精神を忘れず、創造性・多様性を育み、何事にも積極的に取り組めるような職場環境を構築し、新たな事業領域にチャレンジしてまいります。
このような企業活動を通じて、気候変動等の環境問題、食資源の有効活用、生物多様性の保全、人口問題、健康寿命の延伸等の社会的課題に対して真摯に向き合い、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。ESG経営を実践するレジリエント企業として、日本と世界の現実に目を向け、国内外のパートナーとともに「より良い社会」「より良い地球」の実現に力を注ぎます。
当社グループは、経営理念を実現するためにお客様、社員、株主、社会をはじめとするステークホルダーとともに、未来につながる価値を創出してまいります。
様々な場面で当社製品が愛用され、世の中の全ての人々に幸せ、心身の健康、そして笑顔をお届けする企業を目指します。
(2) 会社を取り巻く経営環境
当連結会計年度における我が国経済は、雇用・所得環境の改善による内需の拡大やインバウンド需要の拡大により、緩やかに回復しました。一方で、円安基調で推移した為替相場の影響を受けた原材料価格及びエネルギー価格の高止まりや、物価上昇による消費者の節約志向の強まり、通商政策などアメリカの政策動向等、当社グループの経営環境に及ぼす影響について、注意を払う状況が続きました。
当社グループは持続的な成長を実現するため、ブランド力の強化や差別化した商品の展開に注力するほか、生産拠点の整備・拡充や事業の取得・提携を推進することにより、売上・収益の向上に努めておりますが、国内外での消費行動の変化等が当社グループの業績に大きな影響を及ぼすことが懸念されます。
(3) 会社の対処すべき課題と中長期的な会社の経営戦略及び目標とする経営指標
① 長期ビジョン2030について
当社グループは、経営理念の達成に向けて、2024年5月に長期ビジョン2030「ニップングループは、総合食品企業として、食による社会課題の解決に挑み続けます」を策定しました。売上高5,000億円・営業利益250億円規模までの成長を目指す経済的価値の追求に加え、社会的価値の創造にも注力するため、当社のありたい姿と取り組みの方向性を整理し、2030年度までに達成することとしました。
<長期ビジョン達成に向けた施策>
■人財ビジョンの策定
経営戦略と人財戦略の連動を図るため「人財ビジョン」を策定しました。人財ビジョンを主軸として、求める人財像につながる人財育成・人事制度改定・組織風土づくりなどに取り組むことで、従業員の創造性と多様性を育み、何事にも積極的に取り組める職場環境の構築を進めながら個人と組織双方の持続的な成長を目指します。
(人財ビジョンの概要)
<重点取り組みの設定>
■冷凍食品事業において、2030年までに売上高900億円/年を目指します。
家庭用冷凍食品において、市場の拡大が進む米飯・ワンプレート商品及び個食パスタの売上拡大を図ります。
業務用冷凍食品において、好調な外食需要やインバウンド需要に対応するため、冷凍パスタ・パスタソース等の売上拡大を図ります。
売上拡大を実現する手段として、自社設備への投資や製造委託先との取り組み強化等を検討し、供給能力の増強に取り組んでまいります。
■海外事業において、2030年までに売上高600億円/年を目指します。
既存進出国における事業拡大を図る他、新規需要地域への販売拡大に取り組んでまいります。
また、クロスボーダーM&Aを含む積極的な投資を検討する他、日本製品の輸出拡大を図ります。
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②中期目標
当社は、長期ビジョン2030で設定した売上高5,000億円・営業利益250億円を達成するためのマイルストーンとして、2026年度までに売上高4,500億円・営業利益210億円、ROE8%以上、ROIC5%以上の達成を目指す中期目標を策定しております。
基盤領域の収益力強化、成長領域及び新規事業領域への戦略投資、M&Aや事業提携の機会追求、DX推進による企業競争力の強靭化、サステナビリティ経営の推進の5つを戦略の基本方針とし、基本方針に沿った戦略を着実に実行することによって、2026年度中期目標の達成に努めてまいります。
<各事業の戦略と施策>
製粉事業では、最新鋭の生産技術を導入した知多新工場の建設を着実に進めております。また、全粒粉や国産小麦など、当社ならではの付加価値商品の開発・拡売、DXを駆使した生産性の高い営業活動の実践と無駄の排除、物流改善、各工場における生産効率向上を図り、安定的なキャッシュの創出に努めてまいります。
食品事業では、プレミックスやシーズニングにおいて、当社ノウハウを活用した商品の差別化やDXを通じた採算管理の徹底により、更なる収益性の向上を図ってまいります。家庭用分野においては、マーケティング戦略に基づくブランドの育成やTVCMをはじめとする効果的な広告宣伝活動により、マスターブランドの構築を図ると同時に、成長領域である冷凍食品の供給体制増強を進めてまいります。
海外事業では、拠点内外における市場開拓と海外事業拡大へ向けた設備投資を加速させてまいります。各国拠点の近隣諸国の市場開拓に向けた活動を強化し、またユタ新工場稼働を踏まえた米国既存2拠点とのシナジー効果創出、ニップンベトナム新工場稼働に向けた体制整備に取り組んでまいります。
<中期目標達成へ向けた成長戦略>
当社は、中期目標達成をより確実なものとする具体的施策として、「マーケティング戦略の推進」及び「生産拠点の新設・再配置」に取り組んでおります。
■マーケティング戦略の推進
当社は、株式会社刀との協業を「人的投資」と位置づけ、組織改革を進めるとともに、2023年10月の施策開始以降、オーマイプレミアムブランドを継続して成長させてまいりました。
今後は、徹底した「消費者起点のマーケティング」の業務用領域への展開を図り、同社のマーケティングノウハウを当社組織全体に移植することで、組織力を高め、ブランド認知の更なる向上と収益拡大につなげてまいります。
■生産拠点の新設・再配置
国内では、2026年2月に知多新工場の稼働を予定しております。大型穀物船が接岸できる立地から原材料調達コストの削減が可能となることに加え、最新の自動化技術やDXの活用によるスマートファクトリー化の推進により、収益基盤を強化してまいります。
2026年度末には、2025年4月に連結子会社化した株式会社畑中食品の新工場が竣工予定となっております。当社グループの冷凍食品工場では最大規模となり、オーマイプレミアムをはじめとする個食パスタや1食完結型のワンプレート商品など、冷凍食品市場における今後の需要拡大を見据えた供給体制の増強を図ってまいります。
また、2026年10月には、「ニップンR&Dセンター」への研究開発拠点移転を予定しております。社内外の方々とのコミュニケーションを活性化し、オープンイノベーションを推進することで、新しい価値の創造を図ります。
海外では、2025年2月にUtah Flour Milling, LLCの新工場が稼働いたしました。当社グループにおける製粉事業の総合力を高め、当社の既存米国2拠点とのシナジー創出により、海外事業の更なる拡大を目指してまいります。
さらに、当社は、高いGDP成長率が続き、中長期的な経済成長・市場拡大が期待されるベトナムにおいて、2024 年7月に現地法人であるNIPPN Vietnam Company Limitedを設立し、2027年にプレミックス新工場の稼働を予定しております。ベトナム市場での拡売・事業拡大を推進し、ASEAN域内での供給体制の強化と、より一層の安定供給を実現してまいります。
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<政策保有株式の縮減>
当社グループは、政策保有株式の保有にあたり、資本コストを意識したうえで銘柄ごとに保有意義を検証し、保有合理性が薄れたと判断した株式の縮減を進めることにより、資本効率の向上を目指しております。2024年度においては、保有先との対話を進め、49億円相当の政策保有株式を売却いたしました。引き続き2025年度以降も縮減に注力し、中期目標の最終年度(2026年度)までに、保有額を連結純資産比20%未満とすることを目指してまいります。
当社グループの経営理念である「人々のウェルビーイング(幸せ・健康・笑顔)を追求し、持続可能な社会の実現に貢献」するため、経済的価値を追求する事業成長戦略と社会価値創造戦略に経営資源を投入し、長期ビジョン及び中期目標の達成を目指してまいります。
③サステナビリティ経営の取り組み
当社グループは、穀物や野菜、魚介類等、多くの地球の恵みの恩恵を受け、事業を展開しています。これらの素材の調達から製造・物流・加工等のサプライチェーン全体の事業活動が環境に大きな影響を与えていることを認識しています。サステナブルな食料システムの維持のため、「気候変動対応」「生物多様性の保全」「循環型社会の実現」を通じ、食の持続可能性に対する負のインパクトを軽減することは、当社グループの事業継続において、喫緊の課題であることを認識しています。また、サステナビリティ経営を推進するうえにおいて、それらを支える人的資本への取り組みが不可欠です。人財ビジョンに掲げた人財創出に向け、重点テーマを設定し総合食品企業としての持続的成長を目指します。
<気候変動>
当社グループは、気候変動への対応を企業理念の実現における重要な課題と捉えています。GHG排出量削減の重要性を認識し、2030年度までにスコープ1+2のGHG排出量を2021年度比で42%削減する目標を設定しました。2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、具体的な取り組みを進めております。
今後は省エネ設備の導入、再生可能エネルギー設備の導入、再エネ電力の調達等に関するロードマップを策定し、的確なGHG排出削減に努めていきます。
<持続可能な調達>
当社グループは、小麦、米、大豆、そば、トウモロコシ、サトウキビ、野菜など、様々な素材を原材料として使用し、それらを高い加工技術によって商品化しています。
事業の拡大とともに、サプライチェーンは広がりを見せており、その過程で「人権」や「生物多様性」、「気候変動」といった社会・環境面への影響が大きくなることを認識しています。とりわけ、生物多様性の喪失は、私たちの事業を支える農水産物の安定供給を脅かすリスクとなることから、その保全は極めて重要なテーマです。
私たちは、事業活動による生物多様性への負の影響を最小限に抑え、持続可能なサプライチェーンを構築することが、企業としての責任であり、事業の持続的成長に不可欠であると考えています。
当社グループは「人権方針」「調達基本方針の改訂と「生物多様性方針」の制定を行い、その重要性を認識するとともに、今後は各方針に従い、人権デュー・ディリジェンスの実行、LEAPアプローチを通じた自然資本へのリスクと機会の特定を実施していきます。
<人的資本>
従業員とその家族が心身ともに健康であることが全ての基盤になるという考えのもと、職場の健康づくりを推進しています。その基盤に基づき、従業員一人ひとりが自身の能力を最大限に発揮し、社会や生活者のウェルビーイングを目指して総合食品企業としての持続的な成長を実現すべく、人財ビジョンに基づいた次の重点テーマに沿った施策を推進しております。
(重点テーマ)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、2024年5月に「長期ビジョン2030」を公表しました。グループの経営理念を実現するため、2030年に目指す姿を「ニップングループは、総合食品企業として、食による社会課題の解決に挑み続けます」としました。このビジョンは、事業の成長による経済価値の創出と、価値創出の源泉となる社会的価値である、「従業員」「社会」「生活者」のウェルビーイングを同時に実現する、総合食品企業としての成長戦略を示したものです。「長期ビジョン2030」が役員、従業員に浸透することで、サステナビリティに対する意識も高まり新たな事業機会の獲得や、ニップングループの価値向上につながっていくものと考えています。
当社グループは総合食品企業として、企業の持続的な成長と社会の持続的な発展のための、サステナビリティ課題全般に対し、以下のように整理し具体的な取り組みを進めています。
(1)ガバナンス
当社グループは経営における最高責任者である当社代表取締役社長を委員長とした「サステナビリティ委員会」にて、「長期ビジョン2030」の実現に向けた、事業の成長による経済価値の創出と、社会的価値である、「従業員」「社会」「生活者」のウェルビーイングの同時に実現に向けた、多様なサステナビリティ課題に関する審議を行うための体制を構築しています。
「サステナビリティ委員会」は年に2回開催され、当社グループのサステナビリティに関する方向性、マテリアリティ戦略のあり方について議論し、取締役会に答申します。特に重要な案件については取締役会で審議・決議されます。
(2)戦略
当社グループは、1896年の創立以来、多くのお客様、お取引先様をはじめとしたステークホルダーの皆様とともに歩み、小麦製粉から始まり総合食品企業へと成長し続ける中で、様々なシナジーを発揮してきました。
当社グループの総合力は、ステークホルダーの皆様が抱える様々な課題を解決する、ニップン独自のビジネスモデルです。特徴的で特殊な原材料を安定して調達する「調達力」、お客様の要望に柔軟かつ多彩に対応する高い「研究・開発力」と長年の知見と経験から培った「生産・製造力」に裏打ちされた「高い加工技術」、お客様の様々な要望に対応するグループシナジーを活かした「営業・マーケティング力」、確実にお客様のもとに製品をお届けする「物流力」、高水準な品質管理ノウハウとトレーサビリティ体制のもとの「品質保証・顧客対応力」です。
今後も長い信頼関係で培った知見と実行力で、ステークホルダーの皆様とともに総合食品企業として、食による社会課題の解決に挑み続けることで、持続可能な社会の実現に貢献していきます。
(3)リスク管理
気候変動関連を含め、様々なリスクが事業に及ぼす影響について対応するため、「リスクマネジメント委員会」を設置しています。変化のスピードが従来以上に加速され、また未知のリスクに対する対応も求められる中で、可能性を含め当社グループが直面するリスクについて洗い出し、重要リスクの優先順位付けとその対策を立案します。本委員会は、事業遂行部会、災害対策部会、コンプライアンス部会、情報セキュリティ部会の4部会で構成しており、各部会においてそれぞれ担当の事案を検証し、必要に応じて対応します。同委員会は年2回開催し、その内容を取締役会に報告します。
(4)気候変動への対応
当社グループは、穀物や野菜、魚介類など、多くの地球の恵みの恩恵を受け、事業を展開しています。これらの素材の調達から製造、物流、加工等のサプライチェーン全体の事業活動が環境に大きな影響を与えていることを認識しています。サステナブルな食料システムの維持のため、「気候変動対応」「生物多様性の保全」「循環型社会の実現」を通じ、食の持続可能性に対する負のインパクトを軽減することは、当社グループの事業継続において、喫緊の課題です。
経営理念「人々のウェルビーイング(幸せ・健康・笑顔)を追求し、持続可能な社会の実現に貢献します」の実現のため、事業全体を通じて、環境保護への取り組みを推進していきます。
<GHG排出量>
①指標および目標
当社グループは気候変動への対応は企業理念を実現するための重要な課題のひとつと捉えています。食の持続可能性に対する負のインパクトを軽減するため、GHG排出量の削減に取り組むことの重要性を認識し、2030年度までに、Scope 1、2のGHG排出量を総量で2021年度比42%削減する目標を策定しました。2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、具体的な取り組みを実行に移していきます。
(参考)GHG排出量推移 (千t-CO2)
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2018年度 |
2019年度 |
2020年度 |
2021年度 |
2022年度 |
2023年度 |
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Scope1 |
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Scope2 |
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Scope3 |
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(注)
Scope1、2:当社及び連結子会社
Scope3:2022年度は当社製粉事業のみ 2023年度は当社製粉事業及び食品事業
②具体的活動
国内工場に続いて、海外工場に太陽光発電設備を導入し稼働を開始しました。2025年は千葉工場への設置・稼働を予定しています。また、千葉工場は「千葉市脱炭素パートナーシップ」に登録し、脱炭素社会実現に向け更なる機運醸成への貢献が期待できます。
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年度 |
2022年 |
2023年 |
2024年 |
2025年予定 |
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設置拠点数(累計) |
2 |
4 |
5 |
6 |
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発電量(MWh) |
253 |
1,870 |
2,811 |
3,253 |
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CO₂排出削減量(t-CO₂) |
110 |
920 |
1,509 |
1,737 |
<TCFDシナリオ分析>
当社グループは、2023年にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への賛同を表明しました。TCFDの提言に沿って、「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」の4項目について、情報開示を推進していきます。
(戦略)
持続可能な事業の継続により、価値を創造し続け、持続可能な社会を実現するためには、気候変動によるリスクと機会に関連する事業インパクトを評価し、対応策を立案、実行していくことが重要と認識しています。2023年より基幹事業である製粉事業でシナリオ分析を開始し、2024年から分析範囲を食品事業に拡げ、 気候変動のシナリオ分析を1.5℃上昇、4℃上昇の世界観を想定し、2030年、及び2050年における気候変動リスクと機会の抽出を行いました。重要度評価、対応策の策定を進め、気候変動のリスク・機会に対してより具体的な対応策を経営戦略に反映し、2030年のGHG削減目標達成のための削減対策を推進します。
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4℃ |
1.5℃ |
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使用した主なシナリオ |
移行シナリオ IEA World Energy Outlook(WEO)2022 |
STEPS |
NZE |
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物理シナリオ IPCC 第5次評価報告書 |
RCP8.5 RCP6.0 |
RCP1.9 |
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世界観を想定した時間軸 |
2030年及び2050年 |
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分析対象 |
日本国内の製粉事業・食品事業(冷凍食品、食品素材、加工食品) |
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(リスク)
<1.5℃シナリオの世界観>
■ 脱炭素社会への移行に伴うリスク:大 ■ 異常気象などの物理的なリスク:小
・気候変動対策が強化され、温室効果ガス排出量の削減目標設定が厳しくなる
・炭素社会への移行に伴い、カーボンプライシングの導入や再生可能エネルギーへの転換により操業コストが増加する
・2030年には全ての新築はZEB化、2050年には既築の85%以上がZEB化するためインフラ整備の費用が増加する
・炭素社会への移行に伴い、カーボンプライシングの導入や再生可能エネルギーへの転換により操業コストが増加する
・発電量に占める再エネ比率が2030年61%、2050年88%に達する
・人々の消費行動が変化し、環境負荷の低い製品やサービス、リサイクルやリユースの需要が増加する
・低炭素技術や省エネへの関心がさらに高まり、環境に配慮した事業活動が企業価値向上につながる
・ESG投資、グリーンボンド、カーボンクレジットを活用し、クレジット創出・販売等による資金調達が活発になる
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分類 |
想定される事象 |
具体的な内容 |
財務的影響 |
対応策 |
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移行リスク |
政策/法規制 |
炭素税・炭素価格 |
・炭素価格の上昇により、サプライチェーン全体(原料調達、製造、物流、エネルギー、廃棄等)のコストが幅広く上昇 |
大 |
・太陽光発電設備の導入 ・再生可能エネルギーへの切替 ・高効率設備への切替 ・共同配送、モーダルシフトの活用 ・インターナルカーボンプライシング導入による財務的影響の見える化 |
|
脱炭素促進の新規制 |
・食品ロス削減に対する政策強化や、生活者の削減志向に対応するための、原材料や容器包材の切替コストが増加 |
中 |
・環境配慮型の製法開発 ・素材メーカー、容器包材メーカーとの積極的な協働 ・代替素材の検討 |
||
|
技術 |
低炭素技術への移行 |
・環境配慮商品、サービスの低炭素型への移行に伴い、開発コストや設備投資コストが増加 |
中 |
・環境配慮型の製法開発 ・素材メーカー、容器包材メーカーとの積極的な協働 ・代替素材の検討 |
|
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市場 |
脱炭素社会への対応 |
・環境意識の高まりによる低炭素商品への需要増加による当社シェアの低下 ・調達に関する環境配慮が高まり、対応の遅れによるビジネス機会の損失 |
大 |
・低炭素商品の開発 ・環境に配慮した調達の推進 ・認証材の調達推進 |
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評判 |
ステークホルダーからの評価 |
・気候変動対応が不十分な場合、ステークホルダーからの評判が低下 |
大 |
・気候変動対応と適切な情報開示 |
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<4℃シナリオの世界観>
■ 脱炭素社会への移行に伴うリスク:小 ■ 異常気象などの物理的なリスク:大
・気候変動対策は現状以上に求められず、移行リスクは一定水準に抑えられる
・化石燃料由来のエネルギーの使用は継続され、再生可能エネルギーの使用は限定的に推移する
ただし、省エネルギー技術はコスト面から需要が増加する
・地球温暖化が進み異常気象(台風・豪雨など)が激甚化し、自社拠点及び従業員への物理的被害が増加する
・取引先の物理的被害やサプライチェーンの寸断による業務の停滞等のリスクが拡大する
・気温上昇や水リスクなどによる原材料の生育環境が変化し、原材料調達コストが増加する
・気候変動による災害に備えた社会インフラの整備が加速する
・気温上昇により労働環境の変化や感染症が増加し、取引先等の業績が悪化する可能性が高まる
・災害対策・災害復興商材などの需要が増加する(賞味期限延長技術や包装技術の開発が進む)
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分類 |
想定される事象 |
具体的な内容 |
財務的影響 |
対応策 |
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物理リスク |
急性 |
異常気象の激甚化 |
・風水害被害による工場の操業停止による収益減少 ・穀物産地での深刻な水不足による生産効率の低下 |
大 |
・風水害被害に対応する設備投資 ・複数購買先の確保 ・干ばつに強い品種の育種 ・風水被害エリアの特定と対応 |
|
慢性 |
平均気温の上昇 |
・気温上昇や降水不順等の慢性化により、栽培適地の変化、農作物の収量低下、品質劣化が発生し、原材料価格や製造コストが上昇 ・調達ルート変更による原材料調達コストの増加 ・購買先の事業活動の一時的中断による調達リスクの増加 |
大 |
・複数購買先の確保 ・干ばつに強い品種の育種 ・風水被害エリアの特定と対応 ・購買先エンゲージメントの強化 |
|
|
・病害虫被害の拡大による農作物の収穫減や品質悪化に伴う、原材料調達コストの上昇 |
大 |
・複数購買先の確保 ・病虫害に強い品種の育種 |
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(機会)
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分類 |
想定される事象 |
具体的な内容 |
財務的 影響 |
対応策 |
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機会 |
資源の効率 |
・効果的な輸送手段の利用 ・効率的な生産・流通プロセス |
・効率的な輸送手段への切替や、車載積載効率を向上させることによる輸送コストの削減 |
大 |
・モーダルシフトへの転換 ・製品荷姿の標準化推進 |
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・再生材の利用 |
・リサイクル材の使用による環境負荷低減及び調達コスト低減 |
中 |
・物流パレットのリサイクルスキーム構築 |
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製品・ サービス |
・新技術の利用 |
・環境負荷の低い製品や、フードロス削減への需要に対応した製品の売上増加 |
中 |
・環境配慮型商品の開発や技術開発 |
|
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市場 |
・生活者の行動・嗜好の変化 |
・健康ニーズが高まりやエシカル志向の拡大による、代替タンパク(PBF)製品の需要拡大 ・気温上昇による冷凍食品などの簡便調理や、調理時間の短い商品の需要拡大 |
中 |
・代替タンパク製品の開発 ・持続可能な原材料活用商品使用 ・環境配慮型製法や製品の開発 |
|
|
・新規市場へのアクセス |
・新興国での人口増加に伴う、代替タンパク質(PBF)の需要拡大 |
中 |
・代替タンパク製品の開発 ・持続可能な原材料活用商品使用 ・グローバルでのニーズ調査 ・グローバルでのコミュニケーション強化 |
||
|
レジリエンス |
・資源の代替/多様化 |
・原材料調達先の多様化によりコストを削減し、調達不能リスクを減少させる |
小 |
・調達リスクの特定 ・サプライヤーコミュニケーション強化 |
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(5)生物多様性への対応
当社グループは、自然資本に依存し事業活動を行っていることから、自然資本関連リスクや機会と自社事業との関連性について深度ある分析を行い、事業戦略の基礎となる「生物多様性方針」に沿った事業活動を行い、様々な場面で生物多様性の保全に努めることが必要であることを認識しています。そのため生産拠点と原材料調達国単位での脆弱性の評価、バリューチェーン上の依存と影響について評価を行い、依存と影響に基づく、リスクと機会の整理を実施しました。今後は指標と目標を設定し、ネイチャーポジティブ対応推進に向けた体制構築を進めていきます。
また、北海道深川市の当社所有地を「ニップン四季の森」として整備・解放し、市民の皆様と当社従業員がともに生物多様性保全の大切さを学ぶ動取り組みを進めています。
(6)人的資本に関する指標及び目標
人的資本に関する指標及び目標を明確にすることで、より良い組織風土の醸成、従業員の能力開発、健康維持、そして多様性の促進を図ります。指標及び目標の達成に向けて、取り組み状況を適宜確認し、企業価値の向上を目指します。
指標及び目標
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2024年度実績 |
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2026年度目標 |
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12.0% |
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育児休業取得率 |
男性 |
88.2% |
100.0% |
100.0% |
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女性 |
100.0% |
100.0% |
100.0% |
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(注)1.当社のみの実績。
2.育児休業取得者には、年度内に産後休業を開始した者も含む。
人的資本に関する情報開示
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2022年度実績 |
2023年度実績 |
2024年度実績 |
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- |
70.4 (他社平均比+2.1) |
(他社平均比+2.8) |
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12人 |
30人 |
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51,394千円 |
71,932千円 |
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|
12.7日 |
13.3日 |
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育児休業 平均取得日数 |
男性 |
12.4日 |
20.1日 |
18.2日 |
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女性 |
304.5日 |
311.1日 |
373.3日 |
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適正体重維持者割合 (BMI値) |
64.8% |
63.3% |
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|
|
9.7% |
8.5% |
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(注)1.当社のみの実績。
2.育児休業は、年度内に育児休業を終了した者の平均取得日数。
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2022年度実績 |
2023年度実績 |
2024年度実績 |
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全労働者 |
74.9% |
73.3% |
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うち正規雇用労働者 |
80.9% |
80.3% |
79.7% |
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うちパート・有期労働者 |
74.5% |
65.4% |
66.9% |
(注)1.当社のみの実績。
2.パート労働者については、正規雇用労働者の所定労働時間(1日7.7時間)で換算した人数を基に算出。2023年度の算定見直しに合わせ、2022年度実績も見直した。
当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
また、◎を付したリスクは、顕在化した場合の経営成績への影響が大きい特に重要なリスクと認識しています。
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リスク |
対応策 |
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1 . 事 業 |
1-1 貿易自由化の変動と麦政策の変更(◎) |
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当社グループの基幹事業(製粉、プレミックス、パスタ事業)の分野において、CPTPP(TPP11)や日EUEPA、日米貿易協定等の発効・拡大に見られる貿易自由化の進展や、麦政策及び国家貿易のあり方等の見直し状況等により、小麦・小麦粉・小麦二次加工品等に関する制度の大幅な変更、小麦調達方式の変更、関連業界再編等が考えられ、当社グループの事業が大きな影響を受ける可能性があります。 |
輸入関税等の国境措置の低下による小麦粉関連製品の輸入増加や関連制度変更等に対応するため、国内小規模工場の閉鎖と臨海大型工場へ生産集約によるコスト競争力の強化、競争力があり差別化が可能な製品の開発、海外事業の拡大等により、リスクの低減を図っております。 |
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1-2 為替の変動 |
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当社グループは一部の原材料・商品を海外から調達しており、為替相場の変動によってその調達コストに影響を受ける可能性があります。また、在外子会社の損益・財務状況等が円貨換算による影響を受ける可能性があります。 |
為替予約ルールの設定等によりリスクの低減を図るとともに、原材料・商品の調達価格に見合った適正な製品価格への転嫁により、業績の大幅な変動の抑制に努めております。 |
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1-3 製品市況の変動 |
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当社グループの国内事業は、人口減少、少子高齢化が進むなか競争が激化しており、製品市況の変動が顕在化した場合、当社グループの業績の不安定要因となる可能性があります。また、製粉事業における副産物のふすまは需給バランス、競合する飼料原料の市況等により価格が変動するため、業績に悪影響を与える可能性があります。 |
当社グループでは、製品市況の変動に応じて、コスト等に見合う適正な価格で製品を販売しており、市場ニーズの変化に対応した製品の開発、高付加価値品の開発による差別化を図っております。また、副産物のふすまについては、需給状況及び市況に応じた価格の販売に努めるとともに、製品製造に連動した適正な在庫水準を維持することで当該リスクの低減に取り組んでおります。 |
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1-4 物流の委託(◎) |
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ドライバーの不足や高齢化、2024年問題で懸念されている物流諸問題の発生により取引先への製品の納入が滞り、業績に悪影響を与える可能性があります。 |
2024年4月の物流法改正により顕著となる輸配送能力縮小への対応として、難作業・トラックの長時間待機・荷役時間の状況を把握し改善に向けた取り組みを実施しております。また共同物流の拡大、積載重量の増加などの物流効率向上策を進めております。 |
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1-5 海外事業に潜在するリスク |
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当社グループは米国やアジア地域において事業を展開しておりますが、海外市場においては、予期しない政治・経済状況の変動や法令・規制の改正、テロ・クーデター・紛争等の発生による政情不安等により、事業活動に支障が生じる可能性があります。 |
海外情勢の情報収集に努めるとともに、海外関連会社に対する当社による適切な管理や運営サポートを施すことにより、リスクの低減を図っております。 |
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リスク |
対応策 |
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2 . サ ス テ ナ ビ リ テ ィ |
2-1 製品の安全性 |
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食品の安全性に対する消費者の意識は日々高まっており、法令・規制等も厳格さを増しております。当社グループでは、新技術の導入や品質管理に関する社内研修の実施等、品質保証体制の強化に取り組んでおりますが、想定外の要因により、販売停止や製品回収を行う可能性があります。 |
当社グループではJFS-C等の品質管理システム及び食品安全マネジメントシステムの認証取得、食品防御(フードディフェンス)への取り組みの強化、製造委託先を含む製造拠点における品質管理の徹底、トレーサビリティシステムの維持等、品質保証体制の強化を推進することにより、リスクの低減を図っております。 |
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2-2 気候変動(◎) |
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気候変動により、原材料の調達からお客様への販売まで、サプライチェーン上の様々な場面で影響が及び、また、低炭素経済への移行により、コストが上昇するなど、当社グループの事業活動に支障が生じる可能性があります。 |
当社はサステナビリティ委員会及びサステナビリティ実行委員会を設置しており、気候変動に関する当社グループのリスクに包括的かつ具体的に対応する体制を整えております。また、2023年2月には、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)に賛同を表明し、「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」における提言に沿って取り組み、リスクの低減を図ってまいります。 |
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2-3 原材料の調達(◎) |
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地球温暖化・自然災害によって動植物の収穫量が減少したり、エネルギーコストや人件費の高騰、為替の変動等によって調達コストが上昇したり、紛争、政治情勢の不安定化、疫病の蔓延等による物流障害によって、原材料の調達が難しくなる可能性があります。また、原材料の変動コストを適切に商品原価に転嫁しないと、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。調達に際して環境・人権問題等の社会的課題に適切に対応しなかった場合、当社グループのブランド毀損や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループでは、環境・人権等に配慮しながら、安全で価格競争力のある原材料を探し出し、様々な変化やリスクを踏まえて、複線化した調達体制を確保し、原材料の変動コストを適切に商品原価に転嫁して、リスクの低減を図っております。 |
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2-4 資金調達 |
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当社グループは、銀行等からの借入により必要資金の調達をしておりますが、急激な金利上昇や事業計画未達等により格付けが低下し、資金調達環境の悪化や金利負担が増加するなど、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
財務体質の維持及び強化に努めるとともに、資金調達先及び方法、期間を分散させることにより、リスクの低減を図っております。 |
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3 . ガ バ ナ ン ス |
3-1 サイバー攻撃及びコンピュータシステムのトラブル・データ漏洩(◎) |
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当社グループでは、システムにトラブルが起こった場合、業務に支障をきたすことが考えられます。また、個人情報を含むデータの漏洩やデータ暗号化の被害等があった場合、対応費用が発生します。 |
情報セキュリティ基本方針、情報セキュリティ管理規程等を制定し、従業員教育や訓練を実施しております。外部からの攻撃に対するハード面、ソフト面の強化を図るとともに、情報機器についてはデータへのアクセス制御やパスワードの厳重管理を徹底し、取締役会が定期的に情報セキュリティの管理状況をモニタリングしており、リスク低減を図っております。 |
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3-2 法的規制の影響 |
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当社グループでは、食品衛生法、食品表示法、環境法等、国内外の法的規制等の適用を受けています。規制強化や想定を超えた新たな法的規制により、事業活動の制限や対応費用が発生し、業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
関連法規の改正動向の把握に努め、外部研修会への参加、社内研修会の開催、内部監査などを実施し、コンプライアンス体制を強化し、リスクの低減を図っております。 |
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リスク |
対応策 |
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3 . ガ バ ナ ン ス |
3-3 知的財産権 |
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当社グループの知的財産権やノウハウが侵害される可能性、また、当社グループが第三者の知的財産権を意図せず侵害した場合、当該第三者から損害賠償請求等の権利行使を受ける可能性があり、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
法務部門、知的財産部門による知的財産権の取得、関連部門によるノウハウ化、知的財産権の調査、知的財産権を尊重した製品開発及び営業活動を行い、リスクの低減を図っております。 |
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3-4 災害による影響(◎) |
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当社グループでは、大規模災害等が発生した場合、大きな損害を被ったり、製品の製造・出荷に支障をきたしたりすることが考えられます。 |
リスクマネジメント委員会の下部組織である災害対策部会が、全社的な体制の検討を行います。設備・機器の安全性チェックや防災訓練などを実施し、安全な操業や事故防止体制の確立を図るとともに、従業員の安否確認システムの導入や初動対応計画の作成、事業継続計画の見直し、通信手段、情報ツールの導入、防災用品の拡充、食料の備蓄、損害保険の付保等によりリスクの低減を図っております。 |
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3-5 人材の確保 |
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当社グループでは、人材の確保及び育成が順調に進まない場合、適切な人材の配置に支障をきたすおそれがあり、特に製造現場での人材が不足することは事業継続に影響を与える可能性があります。 |
当社グループでは、製造要員他必要な人材を確保するとともに、職場における教育(OJT)や研修(OFF-JT)等により、その育成に努め、ワークライフバランスの促進や育児休業・育児勤務制度の導入等、働きやすい制度設計に取り組み健康経営を推進しております。さらにIоTやAIを活用して作業の効率化、省力化することで生産性の向上に取り組み、リスクの低減を図っております。 |
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3-6 提携及び買収 |
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当社グループでは、事業展開の手段として他社との提携や買収を実施することがありますが、事業環境の変化等の様々な不確実性により、当初期待した成果を実現できない場合、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
提携や買収にあたっては、詳細なデューデリジェンスを実施し、買収等の後、当社は運営のサポート、及び管理の徹底に努め、リスクの低減を図っております。 |
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3-7 資産の運用 |
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当社グループの従業員に係る年金資産は、外部金融機関を通じて運用されておりますが、市況の悪化等により期待運用収益率を実現できない場合や、数理計算上で設定される割引率等の前提条件が変動した場合、将来期間において認識される退職給付債務が増減し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは政策保有株式を保有しておりますが、経済環境や企業収益の動向に付随する時価下落や発行会社の業績不振等により、自己資本が毀損するなど当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
年金資産については、運用の詳細情報を定期的に収集して運用状況のモニタリングを実施しております。政策保有株式の保有については、個別の銘柄ごとに保有目的やメリットなど経済合理性の検証を行い取締役会に報告するとともに、保有の妥当性が認められない場合は縮減に取り組んでおります。検証にあたっては便益やリスクが資本コストに見合っているか否かを精査したうえで、事業戦略の観点など定性的な評価を含め総合的な判断をしております。 |
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リスク |
対応策 |
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3 . ガ バ ナ ン ス |
3-8 固定資産・のれんの減損 |
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当社グループでは、国内外に様々な固定資産を保有しており、事業拡大や新規事業の展開に伴う出資等でのれんや投資有価証券を保有する場合があります。生産設備については販売不振等によって将来の収益性が低下し、のれんや投資有価証券については、意思決定時に想定していた収益や効果が実現できない場合には、減損処理が必要となり、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
一定金額以上の設備投資やM&A等の計画については、投融資委員会を設置し、委員会において社内基準に基づき経済合理性を十分吟味したうえで、取締役会において投資効果等を審議のうえ決議しており、 また、投資後の業績進捗状況等のモニタリングを継続的に実施することでリスクの低減を図っております。 |
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3-9 感染症等 |
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感染症の流行により従業員の感染、原材料の確保に支障が生じる等により、製品の安定供給に支障が生じ、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
感染症の流行時の事業継続計画を策定し、業績への影響を低減するよう備えております。 |
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(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
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(単位:百万円) |
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前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減額 |
前期比 |
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売 上 高 |
400,514 |
410,878 |
10,364 |
102.6% |
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営業利益 |
20,340 |
21,486 |
1,145 |
105.6% |
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経常利益 |
23,280 |
24,393 |
1,112 |
104.8% |
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親会社株主に 帰属する 当期純利益 |
26,367 |
24,757 |
△1,610 |
93.9% |
当連結会計年度における我が国経済は、雇用・所得環境の改善による内需の拡大やインバウンド需要の拡大により、緩やかに回復しました。一方で、円安基調で推移した為替相場の影響を受けた原材料価格及びエネルギー価格の高止まりや、物価上昇による消費者の節約志向の強まり、通商政策などアメリカの政策動向等、当社グループの経営環境に及ぼす影響について、注意を払う状況が続きました。このような状況下、当社グループは経営理念「人々のウェルビーイング(幸せ・健康・笑顔)を追求し、持続可能な社会の実現に貢献します」のもと、企業価値の持続的な向上に努めております。
当連結会計年度においては、収益力強化を図る取り組みとして、株式会社刀との協業により強化したマーケティング戦略のもと、引き続きオーマイプレミアムブランド(乾燥パスタ・冷凍パスタ)の販売拡大に取り組みました。また、2023年に着工した愛知県知多市の新工場建設は、2026年2月の稼働に向けて順調に推移し、2023年に出資したUtah Flour Milling,LLCは、2025年2月より稼働を開始しました。
加えて、成長領域の拡大に向けた取り組みとして、ベトナム社会主義共和国にNIPPN Vietnam Company Limitedを設立し、2027年の工場稼働に向けた準備を開始するとともに、株式会社畑中食品を連結子会社化することを決定し、冷凍食品新工場建設に向けた準備を進めております。また、研究開発機能の強化と利便性向上のため、2026年10月に新たな研究開発拠点「ニップンR&Dセンター」を神奈川県横浜市都筑区に開設することを決定いたしました。
2025年4月には、食品事業における機構改革を実施、温度帯で分かれていた事業本部を「家庭用食品事業本部」と「業務用食品事業本部」に整理・統合することで、プロダクト起点の組織を脱却し、お客様起点による迅速な意思決定を図ります。同時に、マーケティング本部を新設し、商品開発と営業支援活動を統合的に運用いたします。
当社グループの当連結会計年度の業績につきましては、外食需要やインバウンド需要の拡大、昨年度及び今年度に実施した価格改定、並びにマーケティング戦略の強化によるオーマイプレミアムブランドの販売数量伸長等により、売上高は4,108億7千8百万円(前期比102.6%)となりました。利益面では、各事業において人件費及び物流費を始めとした諸コストの増加があったものの、製粉事業・食品事業ともに販売数量の増加があったことにより、営業利益は214億8千6百万円(同105.6%)、経常利益は243億9千3百万円(同104.8%)、親会社株主に帰属する当期純利益は247億5千7百万円(同93.9%)となりました。
事業別の状況は次のとおりです。
<製粉事業>
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(単位:百万円) |
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前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減額 |
前期比 |
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売 上 高 |
125,316 |
121,663 |
△3,652 |
97.1% |
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営業利益 |
9,186 |
9,203 |
16 |
100.2% |
製粉事業については、お客様のニーズや食の多様化に対応した課題解決型営業の推進に引き続き注力したことにより、出荷は前年を上回りました。
また、昨年4月及び10月に外国産小麦の政府売渡価格が引き下げられたことに伴い、昨年7月及び本年1月に業務用小麦粉の価格改定を実施しました。
以上により、製粉事業の売上高は1,216億6千3百万円(前期比97.1%)、営業利益は92億3百万円(同100.2%)となりました。
<食品事業>
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(単位:百万円) |
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前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減額 |
前期比 |
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売 上 高 |
226,661 |
238,353 |
11,691 |
105.2% |
|
営業利益 |
8,354 |
9,283 |
928 |
111.1% |
業務用食品については、外食需要の増加やインバウンド需要の拡大等により、プレミックス等の販売が好調に推移したことから、売上高は前年を上回りました。
家庭用食品については、マーケティング戦略の強化による「オーマイプレミアム」シリーズをはじめとした乾燥パスタ及び冷凍パスタの販売数量伸長、並びに冷凍食品では1食完結型のトレー入り「よくばり」シリーズ、「いまどきごはん」シリーズ等の販売数量が堅調に推移したことに加え、各種コストの上昇に伴い価格改定を実施したことから、売上高は前年を上回りました。
なお、2025年2月には「極上アルデンテがおいしいスパゲッティ」を発売したほか、「オーマイ」ブランドが誕生70周年を迎え、家庭用商品の更なる販売強化に取り組んでいます。
中食事業については、売上高は前年並みで推移しました。
以上により、食品事業の売上高は2,383億5千3百万円(前期比105.2%)、営業利益は92億8千3百万円(同111.1%)となりました。
<その他事業>
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(単位:百万円) |
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前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減額 |
前期比 |
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売 上 高 |
48,536 |
50,861 |
2,324 |
104.8% |
|
営業利益 |
2,799 |
3,171 |
371 |
113.3% |
ペットフード事業については、高単価商品の販売数量伸長等により、売上高は前年を上回りました。
外食事業については、来客数増加により販売が好調に推移したこと、及び価格改定を実施したことから、売上高は前年を上回りました。
以上により、その他事業の売上高は508億6千1百万円(前期比104.8%)、営業利益は31億7千1百万円(同113.3%)となりました。
②資産、負債及び純資産の状況
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(単位:百万円) |
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前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減額 |
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流動資産 |
157,759 |
159,014 |
1,254 |
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固定資産 |
228,919 |
240,210 |
11,291 |
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繰延資産 |
13 |
1 |
△12 |
|
資産 合計 |
386,692 |
399,226 |
12,534 |
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流動負債 |
84,403 |
104,407 |
20,003 |
|
固定負債 |
74,002 |
48,334 |
△25,667 |
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負債 合計 |
158,406 |
152,742 |
△5,664 |
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純資産 |
228,285 |
246,484 |
18,198 |
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負債・純資産 合計 |
386,692 |
399,226 |
12,534 |
当連結会計年度末の総資産残高は、前連結会計年度末に比べ125億3千4百万円増加し、3,992億2千6百万円となりました。この主な要因は、有形固定資産が100億4百万円、長期貸付金が42億8千万円、商品及び製品が34億4千万円、退職給付に係る資産が25億3千8百万円増加したこと、及び投資有価証券が50億8千8百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が24億2千7百万円減少したことによるものであります。
負債の残高は、前連結会計年度末に比べ56億6千4百万円減少し、1,527億4千2百万円となりました。この主な要因は、繰延税金負債が22億7千6百万円増加したこと、及び未払法人税等が35億1千5百万円、長期借入金が25億2千1百万円、短期借入金が15億3千1百万円減少したことによるものであります。
純資産の残高は、前連結会計年度末に比べ181億9千8百万円増加し、2,464億8千4百万円となりました。この主な要因は、利益剰余金が191億9千万円、為替換算調整勘定が20億1千6百万円、退職給付に係る調整累計額が15億3千5百万円増加したこと、及びその他有価証券評価差額金が48億5百万円減少したことによるものであります。
③キャッシュ・フローの状況
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(単位:百万円) |
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前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減額 |
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営業活動によるキャッシュ・フロー |
24,022 |
18,768 |
△5,253 |
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投資活動によるキャッシュ・フロー |
△9,489 |
△7,807 |
1,682 |
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財務活動によるキャッシュ・フロー |
△7,241 |
△10,533 |
△3,291 |
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現金及び現金同等物に係る換算差額 |
293 |
315 |
22 |
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現金及び現金同等物の増減額 |
7,584 |
743 |
△6,840 |
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連結除外に伴う現金及び現金同等物の減少額 |
△13 |
- |
13 |
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現金及び現金同等物の期末残高 |
40,728 |
41,471 |
743 |
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ7億4千3百万円増加し、414億7千1百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、187億6千8百万円の収入となりました。この主な要因は、税金等調整前当期純利益が368億7千9百万円、減価償却費が108億9千4百万円、売上債権の減少額が26億9千8百万円となったこと、並びに法人税等の支払額が122億9千1百万円、固定資産売却益が86億8千2百万円、棚卸資産の増加額が51億9千2百万円、投資有価証券売却益が47億3千5百万円となったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、78億7百万円の支出となりました。この主な要因は、固定資産の取得により201億5千4百万円、貸付けにより44億4千7百万円、有価証券の取得により40億3千万円の支出があったこと、並びに固定資産の売却により85億6百万円、有価証券の売却・償還により63億4千2百万円、投資有価証券の売却・償還により51億8千3百万円の収入があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、105億3千3百万円の支出となりました。この主な要因は、配当金の支払により55億6千6百万円、長期借入金の返済により34億9千5百万円の支出があったことによるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
ⅰ) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前年同期比(%) |
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製粉事業(百万円) |
125,899 |
97.5 |
|
食品事業(百万円) |
186,628 |
107.4 |
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その他(百万円) |
25,371 |
92.0 |
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合計(百万円) |
337,899 |
102.3 |
(注)1.金額は期間中の平均販売価格によっております。
2.セグメント間の取引については相殺消去しております。
ⅱ) 受注実績
当社グループ(当社及び連結子会社)の生産は受注によるものではなく、この項目の記載事項はありません。
ⅲ) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前年同期比(%) |
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製粉事業(百万円) |
121,663 |
97.1 |
|
食品事業(百万円) |
238,353 |
105.2 |
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その他(百万円) |
50,861 |
104.8 |
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合計(百万円) |
410,878 |
102.6 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
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相手先 |
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
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金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
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伊藤忠商事株式会社 |
58,351 |
14.6 |
57,838 |
14.1 |
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株式会社ファミリーマート |
48,823 |
12.2 |
49,452 |
12.0 |
⑤重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」並びに「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
⑥資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループは、経営方針として、有利子負債圧縮の考えのもと、事業活動に必要な資金の安定的な確保と、事業環境の変化に耐えうる流動性の維持を基本としております。
当社グループの短期資金需要のうち主要な内容は、製造・販売活動に必要な運転資金、研究開発費、借入の返済、配当金の支払い、法人税の支払いであり、これらについては営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入のほか、必要に応じてコマーシャル・ペーパーを発行することでまかなう方針であります。
長期資金需要は、長期運転資金及び設備投資資金であり、設備投資のうち主要な内容は、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載しております大規模投資のほか、生産合理化に向けた設備投資等であります。これらの投資資金については営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入のほか、必要に応じて主として社債を発行することで資金需要をまかなう方針であります。
資金流動性を維持するにあたり、当社及び主要な連結子会社は、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入しており、各社の余剰資金を当社へ集中させ一元管理することにより、資金効率の向上と金融費用の低減を図っております。また、設備投資を行うにあたっては投資計画の妥当性を考慮して資金の使用時期と金額を判断しております。さらに、主要取引銀行とのコミットメントライン契約及び当座貸越契約により、十分な流動性を確保しております。
なお、当連結会計年度末における社債、転換社債型新株予約権付社債及び借入金並びにリース債務を含む有利子負債の残高は587億6千9百万円、現金及び現金同等物の残高は414億7千1百万円となり、ネット有利子負債は172億9千8百万円(前期比77.8%)となりました。
該当事項はありません。
当社グループ(当社及び連結子会社)は当社の中央研究所(フードリサーチセンター、イノベーションセンター、研究企画センター)及び開発本部(企画開発部、食品開発部、事業開発部)が中心となって、顧客のニーズにマッチした差別化された新製品、新技術の開発を目標に、顧客及び関連部門との連携を密にして研究開発を行っております。
当連結会計年度における各セグメント別の研究、主要課題、研究成果は次のとおりであります。なお、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は
(1) 製粉事業
小麦粉をはじめとする穀粉類について、それぞれの原料の品質特性に関する研究、物理的あるいは化学的な性状に関する研究を行い、小麦粉関連製品の品質向上に努めております。また、小麦粉等のパン、ケーキ、めん等への加工性に関する総合的研究を行い、風味に特徴のある小麦粉関連製品や新たな性状・機能性をもつ製品等の開発を行っております。
分析関係では、安全・安心に関わる分析技術の開発を進めるとともに、試験所に関する国際規格ISO17025の認定を取得するなど、分析の信頼性向上に努めております。
製粉事業に係る研究開発費は
(2) 食品事業
家庭用商品(グロサリー、冷凍食品)の開発をはじめ、業務用として、プレミックス類、冷凍生地、冷凍食品、めん類、パスタ、パスタソース、レトルト食品、ホイップクリーム、コーン、米粉の開発及び調理メニューの開発を、各種業態向けに取り組んでおります。
家庭用グロサリー商品においては、「ニップン」ブランドとして、用途に合わせた包装容量の小麦粉、簡便性等の消費者ニーズに合わせた各種プレミックス類、各種乾麺、「オーマイ」「オーマイプレミアム」「REGALO」ブランドのパスタ及びパスタ関連商品(ソース、ラザニエッテ他)、健康・機能性を訴求するアマニ関連商品類(アマニ油、ドレッシング他)について、ブランド強化と連動した新商品開発を進めています。家庭用冷凍食品では、「オーマイプレミアム」「Big」シリーズを代表とする調理済個食パスタ、トップシェアの「お弁当パスタ」に加え、「いまどきごはん」「よくばり御膳」「よくばりプレート」「よくばりメシ」といった個食米飯・プレート商品群の強化、さらに、パイシート、プラントベースフード商品等、拡大する冷凍食品市場に向け、新商品の投入を図っています。
また、穀物、大豆、野菜等を原料とした素材開発、商品開発を積極的に取り組み、植物性たんぱく新素材として投入した「ソイルプロ」を顧客からの声を踏まえて改良を進め、新しい事業展開に向けた取り組みを試みています。
食品事業に係る研究開発費は
(3) その他事業
①ペットフード事業
当社及びエヌピーエフジャパン㈱が中心となって、嗜好性や健康に配慮した、主食用ペットフード及び副食用ペットフードの研究開発を行っております。
②エンジニアリング事業
粉粒体関係、小麦粉二次加工関係の機械装置及びこれに付帯する制御装置、情報処理の研究、開発を行っております。
③機能性関連事業
植物に含まれる機能性成分の基礎並びに応用研究を行っており、大学や公的研究機関等とも共同研究を行っております。また、これらの成分を利用した機能性食品素材、健康食品、機能性表示食品、機能性野菜等の開発にも取り組んでおります。
④その他
生命工学の手法を応用した研究開発に取り組んでおり、小麦新品種の育成を公的研究機関等と共同で行っております。また、微生物の利用技術の開発、新規な分析技術の研究開発等も行っております。
その他事業に係る研究開発費は