文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針及び経営戦略
当社グループは、「小麦製粉事業及び、その関連事業を通じて、食糧供給の一翼を担い、社会や人々に貢献」することを企業理念としております。企業としてあるべき姿であるビジョンには「製粉事業のプロフェッショナルとして、お客様とともに成長し、社会にとってなくてはならない存在となります」を掲げており、安全で安心な製品の安定供給と、美味しさと健康を基軸とした商品提案により、お客様からもご評価いただけるよう取り組んで参ります。
『中期経営計画(Next Future 2020)』の事業戦略である「新しい市場へ」「新しい商品へ」「新しい分野へ」に基づき、㈱増田製粉所を100%子会社化し西日本市場での商圏の拡大に努めるとともに、タイにミックス粉の製造・販売子会社を設立するなど、事業拡大も積極的に進めております。また、マーケットニーズを起点とした新製品開発や新規生産設備の導入にも注力して参ります。
社内ガバナンス体制の強化については、コンプライアンスの徹底、食品安全方針・環境方針に基づいた生産管理システムの構築により、社員が誇りをもって仕事に臨めるよう取り組んで参ります。
(2)経営環境及び対処すべき課題
製粉及び食品事業は、人口減少や少子高齢化等の社会構造の変化にともない、小麦粉の国内需要の今後の拡大に期待することは難しく、消費者の節約志向も続いております。また、海外との経済連携協定の発効により小麦粉製品の関税も撤廃・削減されており、コスト競争力の強化が求められております。一方、アジア諸国は加工食品の生産基地化が進むとともに、食生活の多様化によりミックス粉の需要は拡大しております。
気候変動や米中貿易摩擦をはじめとする国際情勢の変化により、穀物相場や為替相場は変動しており、小麦等の原材料調達価格も影響を受けております。新型コロナウイルス感染症の拡大は世界で大きな影響を及ぼしていますが、食品業界においては、家庭内消費が増加する一方、外食・中食向け需要の多くが減少しております。当社は全従業員が健康管理に最善を尽くし、製品の安定供給という社会的使命を果たして参ります。
① 中核事業のシェアーアップ
当社グループの中核事業である、小麦粉及びミックス粉のシェアーアップを図って参ります。従来より展開している「組織の壁を越えて営業基盤の拡大を図れ」を基本方針として、製造・販売・研究開発が一体となった新製品開発や提案型営業に全社員のベクトルを揃えるとともに、積極的な営業活動を図り新規顧客開拓を促進して参ります。
② 環境問題への取り組みと安全・安心に係わる体制の強化
当社は、国内全工場において取得した食品安全マネジメントシステムの国際規格「FSSC22000」と環境マネジメントシステム「ISO14001」を効率的に運用し、食品安全と品質管理の徹底及び、環境負荷の低減に努めて参ります。
③ ローコストオペレーションの推進
製造、販売、物流等あらゆる分野で業務を見直すことによりローコストオペレーションを推進するとともに、生産設備、管理システムでの自動化技術やIT技術の活用等、事業インフラ基盤を強化するための投資を積極的に行って参ります。
④ 内部統制の強化及びコンプライアンスの徹底
内部統制システムを通して財務報告の信頼性を確保するとともに、コンプライアンスの徹底によりリスクや環境変化に強い組織を構築して参ります。
⑤ 企業グループのシナジー極大化
三菱商事㈱の国内外のバリューチェーンの活用や㈱増田製粉所とのシナジーの極大化を図って参ります。
外食事業を展開している㈱さわやかにつきましては、製粉・食品事業とのシナジー効果が期待できる「KFC」店において、店舗運営の効率化をさらに推進し業容の拡大に努めるとともに、不採算店の整理、新店舗の出店をバランス良く展開して参ります。
運送事業を行っている日東富士運輸㈱につきましては、環境問題や乗務員教育への取り組みを通して物流企業としての品質向上に努めて参ります。また、神戸市に新しい拠点を設置し、㈱増田製粉所からの配送網を整備する等、グループ一体となった運営により経営の効率化を図って参ります。
⑥ 海外の事業展開
三菱商事㈱と共同で設立したミックス粉の製造・販売会社NITTO-FUJI INTERNATIONAL VIETNAM CO., Ltd.は、2007年5月に生産を開始しましたが、順調に販売量が増加したことから2012年には設備の増強を図り、製品の安定供給体制を整えております。また、2018年11月にはタイにおいてもミックス粉の製造・販売会社Nitto Fuji International (Thailand) Co., Ltd.を設立し、本年より生産を開始しました。アジア地域へ製造拠点移転が進む日系冷凍食品メーカー等へ、高品質で競争力のあるミックス粉を安定的に供給することにより、アジア市場における事業の拡大にも努めて参ります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループでは、発生する可能性のあるリスクの発生防止に係る管理体制の整備、並びに発生したリスクへの対応等を行うことにより、会社業務の円滑な運営に資することができるよう「リスク管理委員会」を設置しております。また、「リスク管理規程」に基づきコンプライアンス、環境、災害、品質、情報セキュリティ等に係るリスクについては、それぞれの担当部署において、規則・ガイドラインの制定、研修の実施、マニュアルの作成・配付等を行うものとしており、実際の行動・シミュレーションを実施するため、リスクに応じた分科会を設置しております。
緊急事態の発生、あるいは緊急事態につながるおそれのある事実が判明した際は、グループ各社の危機管理組織等と連携・協議し、迅速かつ適正な対応を行い、リスクの低減に努めるものとしております。
① 景気・業界動向
食品業界におきましては、国内の人口減少による需要減少や今後さらに進展する少子高齢化の影響により、中長期的には大きな成長を見込みにくい状況であります。製粉業界におきましても、国内市場は伸び悩んでおり、厳しい経営環境が予想されます。また、諸外国との国際貿易協定の発効により輸入食品の関税の撤廃・削減が進んでおり、国産から輸入品へ需要が大きくシフトした場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループは、これらの市場環境の変化に対応できるよう新市場開拓を目指し、積極的な海外展開により事業拡大に取り組み、また、安全・安心・美味しさを追求した商品の安定的な生産と、収益の確保に注力してまいります。
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識しております。
② 小麦粉原料調達リスク
当社グループ製品の主原料である輸入小麦は、その殆どを国家貿易により政府が一元的に管理しております。そのため、小麦輸出国との貿易交渉や政府による麦政策の動向により、小麦の調達方法が大幅に見直される可能性があります。また、世界的な食料需給構造の変化や気候変動による小麦相場の急騰及び、為替変動の影響等により調達コストが上昇し、製品価格の改定が適正に行われなかった場合、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、需要に応じた主要原料の安定的な調達や、資材の一括大量購入・歩留まり向上等によるコストダウン、並びにコストの変動に応じた販売価格の改定によりリスクの低減を図っております。
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識しております。
③ 事故災害リスク
大規模な地震・台風・豪雨等の自然災害や火災・爆発等の事故発生により、製造設備の破損、電気・ガス・水道の遮断による製造停止、倉庫損壊及び保管製品破損による出荷停止、物流機能麻痺、事務所施設の損壊、交通機関麻痺による従業員の通勤不能等、事業活動が停止する可能性があります。生産拠点の操業に支障が生じた際は、他の生産拠点からの供給等を行う対応をいたしますが、主要拠点である関東地区において想定を超える災害・事故が発生し、事業活動の復旧に長期を要した場合や、施設等の改修に多額の費用が発生した場合などは、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
なお、大規模な災害・事故が発生した際は、早急に被害状況を把握するため、衛星携帯電話や従業員に対する安否確認システムを導入するなど、緊急時の連絡体制強化を進めております。また、定期的な訓練実施により、対応力強化と災害対応意識の啓発に努めております。
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識しております。
④ 金融・為替リスク
当社グループは海外連結子会社を有して事業展開しているため、為替リスクを負っております。海外連結子会社における資産・負債については、円高が進行すると換算差額を通じ自己資本が減少するリスクがあります。また、海外連結子会社の連結純利益に占める比率も上がってきていますが、これらの収益は外貨建てであり、外国通貨(ベトナム・タイ)に対して円高が進むと、連結純利益にマイナスインパクトを与えます。一方、本国で行う輸出入取引から発生する、外貨建債権及び債務等は為替レートの変動によるリスクを有しておりますが、このリスクは為替予約等によってヘッジしており影響は限定されます。
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識しております。
⑤ 投資リスク・カントリーリスク
当社グループは海外戦略としてアジア市場における事業の拡大に努めておりますが、海外における事業展開には、各国の法令・制度、政治・経済・社会情勢、文化・宗教・商習慣の違いなど様々なリスクが存在します。これらのリスクが顕在化し、事業継続が困難となった場合には、減損損失や事業撤退損失等が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
なお、これらのリスクの低減を図るため、海外子会社との連携を密にして海外戦略の見直しを行う一方で、監査体制の強化など経営管理・リスク管理体制の整備にも努めております。
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識しております。
⑥ コンプライアンスリスク
当社グループは不当景品類及び不当表示防止法・食品衛生法・製造物責任(PL)法など、各種法的規制の遵守を求められており、社内規定の整備や、各所管部門と法務部門との緊密な連携により全ての法的要請に応える体制を構築しております。しかしながら、想定外の法的規制強化や新たな規制の発生、異物混入及び品質・表示不良品の流通による回収費用や訴訟・損害賠償、商品の品質や安全性を確保するためのトレーサビリティーの強化・システム構築などの費用が発生した場合、当社の経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、安全・安心な製品の提供を確保するため、国内外の生産工場では、食品安全マネジメントシステム規格の「ISO22000」「FSSC 22000」、環境マネジメントシステム規格の「ISO14001」の認証を取得し、品質管理の徹底と品質向上に向けた取組みを実施しております。
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識しております。
⑦ その他
当社グループでは、新型コロナウィルス感染症に対する更なる感染拡大を防ぐため、また、得意先・取引先及び従業員の安全第一を考え、感染防止策の徹底や、時差出勤・在宅勤務の推進等、政府や各自治体の方針や行動計画に基づき、感染拡大を抑止するために必要な取り組みを実施しております。
今後、事態が長期化又は更なる感染拡大が進行すれば、製粉及び食品事業においては景気悪化による小麦粉消費量の減少や、原材料の価格高騰・調達の困難、また得意先の財政状態悪化による売上消失や、売上債権回収の困難等が生じ、外食事業においては店舗の休業や営業時間の短縮による売上減少等、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がありますが、生産性向上・コスト低減等の対策を継続し、収益悪化を最小限に止めるよう努めてまいります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
当社グループは、「小麦製粉事業及び、その関連事業を通じて、食糧供給の一翼を担い、社会や人々に貢献してゆく企業を目指します」を企業理念とした『中期経営計画(Next Future 2020)』を2017年5月に策定し、『「原料調達・製造・販売・開発・物流」全部門の連携を強化し全社一丸となって、食の安全・安心・美味しさをお届けしてゆきます。』の基本方針に則り、下記の<事業戦略>を柱とした事業基盤の強化による持続的な成長と企業価値向上を目指すとともに、計画を達成すべく取り組んでおります。
<事業戦略>
(ⅰ)新しい市場へ(国内・国外) ・既存市場の拡大 ・販売エリアの拡大 ・特色ある市場の開拓
(ⅱ)新しい商品へ ・特色ある商品の開発 ・特色ある用途の開発
(ⅲ)新しい分野へ ・未染手分野の開拓
このような経営指針のもと、当社グループの主力事業である「製粉及び食品事業」につきましては、お客様のニーズに合わせた新商品の開発や少量多品種の生産体制の強化を図り、積極的な提案営業に注力いたしました。
食品業界における2019年度の国内経済は、消費税増税・軽減税率導入による消費意欲の低下懸念、米中通商問題の不確実性、並びに自然災害の発生や新型コロナウイルス感染症の拡大による景気下押し圧力等により、市場では株価下落や為替相場の乱高下など、先行き不透明な状況が続いております。
このような状況下、当連結会計年度における当社グループの主な取組みは、下記のとおりであります。
a).グループ経営の体制強化・効率化
アジア市場における事業拡大・安定的収益確保を目指し、2018年11月にタイ国内にミックス粉の製造・販売会社「Nitto Fuji International (Thailand) Co., Ltd.」を設立しましたが、2019年12月に工場竣工、2020年1月より生産を開始しております。2019年度には、事業立上げに対するバックアップ体制の構築(調達・製造・品質・拡販)に注力し、早期に日本・タイ・ベトナム(NITTO-FUJI INTERNATIONAL VIETNAM CO., Ltd.)での三拠点生産・連携を深め、安定的供給・リスクの分散化でグループの総合力向上を目指してきました。
また、2019年4月には当社子会社である㈱増田製粉所が、兼三㈱の株式を追加取得して完全子会社(96.0%→100%)となり、2020年3月には当社関連会社であった㈱兼平製麺所の全保有株式を譲渡して、事業の選択と集中によるグループ経営の効率化を推進いたしました。
b).㈱増田製粉所とのシナジー創出・極大化
完全子会社とした2017年12月から丸2年が経過し、当初施策として掲げた事項についての具体的な結果が数値(利益)として表れたものと考えます。外国産小麦の情報共有による効率的な調達や国内産小麦の相互活用、両社の拠点における適地製造体制の構築による工場稼働率の向上、研究開発設備や製造設備に係るノウハウの共有、両社の倉庫を配送拠点として活用することによる物流の業務効率化、販売活動の一体展開による海外市場を含めた販売拡大の実現、人事交流の展開・上場維持コストの削減による経営効率化等を実現しました。今後も経営資源、システム、ノウハウなどの相互提供・活用を推進し、両社の企業価値をより一層向上させるシナジーの実現へ向けて、取組みを進めたいと考えております。
(ⅰ)調達戦略
・ 外国産小麦の産地情報を両社で共有し、競争力のある原料調達を図ります。
・ 各々で強い関係のある産地の国内産小麦を相互活用するとともに、両社間の需給調整により国内産小麦の安
定調達を図ります。
・ 資材の共同購入等により調達コストの低減を図ります。
(ⅱ)製造戦略
・ 適地工場製造により製造の効率化を図ります。
・ 製造技術の共有により、製造コストの低減を図ります。
・ 両社の製品毎の需給情報の共有化により製造体系の最適化を図ります。
(ⅲ)販売戦略
・ 両社の持つ商流を活用し、両社商品の未開拓市場への拡販を図ります。
・ 三菱商事グループが持つ川上(原料調達)から川下(小売)までの一貫したバリューチェーンを最大限活か
す事業展開を進め、商品の拡販を図ります。
・ 両社の製造設備を活用し、西日本市場への拡販を図ります。
・ 大正初期の時代からの秘伝として独特の粉作りを引き継ぎ、さらに改良を重ねた「宝笠」ブランド製品であ
る「宝笠小麦粉シリーズ」のブランド力強化と地域横断的な展開を推進します。
(ⅳ)研究開発
・ 両社の技術を融合し高品質な新商品を開発します。
・ 研究開発部門が連携し開発ノウハウの共有化により、商品開発力の向上と効率化を図ります。
(ⅴ)物流戦略
・ 両社の持つ拠点を活用し、物流の効率化を図ります。
・ 子会社である日東富士運輸㈱との製品配送を活用し、グループ全体の収益力を高めます。
c).その他の生産性向上・コスト削減の施策
(ⅰ)製販の緊密な連携による生産ロス・廃棄物の削減
(ⅱ)各種申請書類の電子化、定型業務へのRPA導入・WEB請求化などによる経費削減・間接部門の効率化
(ⅲ)グループ会社共通のITインフラ構築(ネットワーク統合)による集中管理・コスト削減
以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
当連結会計年度末の総資産合計につきましては、前連結会計年度末に比べ15億7千2百万円増加し、495億4千1百万円となりました。負債合計につきましては、前連結会計年度末に比べ4億6千万円減少し、126億7千4百万円となりました。純資産合計につきましては、前連結会計年度末に比べ20億3千2百万円増加し、368億6千7百万円となりました。
当連結会計年度の経営成績は、売上高は575億4千4百万円と前連結会計年度に比べ26億4千3百万円(4.8%)の増収となり、営業利益は45億6千8百万円と前連結会計年度に比べ4億4百万円(9.7%)の増益、経常利益は49億7千万円と前連結会計年度に比べ5億7百万円(11.4%)の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は33億8千4百万円と前連結会計年度に比べ2千6百万円(0.8%)の増益となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。なお、各セグメントの売上高には、セグメント間の内部売上高又は振替高を含んでおります。
当事業部門につきましては、主力の小麦粉の販売数量はほぼ前年並みの水準でしたが、当社及びグループ各社の業績が堅調に推移したこと、並びにふすま価格が堅調に推移した結果、売上高は前連結会計年度比増加しました。さらに、引続き全社一丸となり生産性向上・原価低減に注力したこと等により、利益面でも、前連結会計年度比増益となりました。
この結果、売上高は492億8千1百万円と前連結会計年度に比べ15億9千1百万円(3.3%)の増収となり、営業利益は41億2千1百万円と前連結会計年度に比べ3億6千8百万円(9.8%)の増益となりました。
当事業部門につきましては、主力のKFC店のキャンペーンによる販売が好調だったため、売上高・利益面ともに前連結会計年度比増収・増益となりました。
この結果、売上高は81億1千1百万円と前連結会計年度に比べ10億4千6百万円(14.8%)の増収となり、営業利益は2億4千6百万円と前連結会計年度に比べ4千5百万円(22.9%)の増益となりました。
当事業部門につきましては、原料・飼料などの取扱量が伸び悩むなか、収益性重視の受注に注力したこともあり、売上高は前連結会計年度と比べほぼ同額となりました。しかし利益面では、配送の効率化や経費削減努力を行いましたが、営業拠点の新設や車両の買い替えに伴う経費の増加等により、前連結会計年度比減益となりました。
この結果、売上高は20億5千8百万円と前連結会計年度に比べ9百万円(0.4%)の増収となり、営業利益は1億6千9百万円と前連結会計年度に比べ8百万円(4.9%)の減益となりました。
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物の期末残高(以下「資金」という)は84億1千1百万円と前連結会計年度に比べ30億8千7百万円(58.0%)増加しました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。
税金等調整前当期純利益48億9千9百万円、減価償却費13億3千9百万円等で資金が増加した一方、法人税等の支払額19億5千1百万円等により資金が減少した結果、営業活動によるキャッシュ・フローは65億1千3百万円の資金増加となり、当連結会計年度に獲得した資金は前連結会計年度に比べ29億4千4百万円(82.5%)増加しました。
有形固定資産の取得による支出15億9千3百万円等により資金が減少した結果、投資活動によるキャッシュ・フローは19億5千万円の資金減少となりました。当連結会計年度に使用した資金は前連結会計年度に比べ2億7千5百万円(16.5%)増加しました。
配当金の支払額10億8千万円、長期借入金の返済による支出3億3千6百万円等の結果、財務活動によるキャッシュ・フローは14億3千5百万円の資金減少となり、当連結会計年度に使用した資金は前連結会計年度に比べ5億2千8百万円(26.9%)減少しました。
ⅰ.株主還元・配当政策
株主の皆様への利益還元である配当政策は経営の重要課題の一つとして認識し、安定的かつ継続的な維持を基本としつつも、連結ベースの配当性向30%以上をもう一つの基準としております。
当連結会計年度においては、1株あたり年間236円(2019年3月期期末配当130円、2020年3月期中間配当106円)、総額10億8千万円の配当金支払いを実施しました。また、2020年5月8日に開催された取締役会決議により、2020年3月31日現在の株主に対し、1株当たり期末配当116円、総額5億3千1百万円の支払いを2020年6月9日に実施し、4期連続の増配となっております。
ⅱ.設備投資
当社グループは、生産能力増強や合理化によるコスト競争力の向上、並びに将来の利益確保を目的に、継続的な設備投資が必要と考えております。
当連結会計年度においては、有形固定資産の取得による支出は15億9千3百万円であり、使用した資金は、前連結会計年度に比べ4億4千6百万円(21.9%)減少しました。無形固定資産の取得による支出は7千7百万円であり、使用した資金は、前連結会計年度に比べ1千1百万円(17.6%)増加しました。
なお、これらの設備投資額は自己資金により賄われております。
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
注)1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は、期末株価終値×当社の期末発行済株式総数(自己株式控除後)により算出しております。
3.営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は84億1千1百万円、連結有利子負債の残高は9億2千3百万円となっております。現金及び現金同等物の保有額について厳密な目標水準は定めておりませんが、金融情勢などを勘案しつつ、機動的な対応に備え十分な現金及び現金同等物を保有する事としております。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
重要な受注生産を行っておりませんので、記載を省略しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積もり、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積もり、予測を行っております。見積もり特有の不確実性がある事から、これらの見積もりと実際の結果は異なる場合があります。
当社グループは、繰延税金資産について定期的に回収可能性を検討し、当該資産の回収が不確実と考えられる部分に対して評価性引当額を計上しております。回収可能性の判断においては、将来の課税所得見込額と実行可能なタックス・プランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しております。
これらの見積りは適切であると考えておりますが、大幅な環境変化の影響などによりグループ各社の課税所得が見積通り得られない場合には、繰延税金資産を回収できないことがあります。また、繰延税金資産は、決算日現在の法人税率等を利用して算出しているため、将来税率変更があった場合に、繰延税金資産の金額が増減し、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。
当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、各社ごとに資産のグルーピングをセグメント別・店舗別に行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減損し、当該減少額を減損損失として計上しております。
これらの見積りは適切であると考えておりますが、固定資産の回収可能価額について、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき算出しているため、当初見込んでいた収益が得られなかった場合や、将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更があった場合、固定資産の減損を実施し、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。
退職給付債務及び退職給付費用は、主に数理計算で設定される退職給付債務の割引率、年金資産の長期期待運用収益率等に基づいて計算しております。割引率は、従業員の平均残存勤務期間に対応する期間の期末日時点の優良社債の市場利回りを参考に決定し、年金資産の長期期待運用収益率は、過去の運用実績及び将来見通し等を基礎として設定しております。
これらの見積りは適切であると考えておりますが、割引率及び長期期待運用収益率の変動は、将来の退職給付費用に影響を与え、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、以下のとおりであります。
当連結会計年度末の総資産の残高は、前連結会計年度末に比べ15億7千2百万円増加し、495億4千1百万円となりました。この主な要因は、短期貸付金(キャッシュ・マネジメント・システムによる実質的な現金及び現金同等
物)が36億1千2百万円増加した一方、原材料及び貯蔵品が10億5千1百万円、受取手形及び売掛金が8億3百万円減少したこと等となります。
当連結会計年度末の負債の残高は、前連結会計年度末に比べ4億6千万円減少し、126億7千4百万円となりました。この主な要因は、未払法人税等が4億3千3百万円、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金含む)が返済により3億3千6百万円それぞれ減少したこと等となります。
当連結会計年度末の純資産の残高は、前連結会計年度末に比べ20億3千2百万円増加し、368億6千7百万円となりました。この主な要因は、利益剰余金が23億3百万円増加したこと等となります。
当連結会計年度の当社グループの業績は、お客様のニーズに合わせた新製品の開発や少量多品種の生産体制の強化を図り、積極的な提案営業に取組んだ結果、売上高は575億4千4百万円と前連結会計年度に比べ26億4千3百万円(4.8%)の増収となりました。利益面では、全組織・グループにおいて効率化・コスト削減など収益力向上の取組みを推進したことから、営業利益は45億6千8百万円と前連結会計年度に比べ4億4百万円(9.7%)の増益となりました。
当連結会計年度の営業外損益は、固定資産賃貸料の増加により前連結会計年度に比べ1億2百万円改善し、4億1百万円の利益となりました。
これにより、経常利益は49億7千万円と前連結会計年度に比べ5億7百万円(11.4%)の増益となりました。
当連結会計年度の特別損益は、前期に発生した㈱増田製粉所の子会社株式(カネス製麺)売却益の反動等により、前連結会計年度に比べ4億9千8百万円悪化し、7千万円の損失となりました。
以上の結果、税金等調整前当期純利益は48億9千9百万円となり、税金費用15億3百万円、非支配株主に帰属する当期純利益1千2百万円を差し引き、親会社株主に帰属する当期純利益は33億8千4百万円と前連結会計年度に比べ2千6百万円(0.8%)の増益となりました。
当連結会計年度の当社グループのキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、以下のとおりであります。
当社グループの主要な資金需要は、製品製造のための材料費、労務費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用並びに製造設備の新設、改修等に係る投資によるものであります。必要な資金は、主に営業活動によって得られるキャッシュ・フローと、金融機関などからの借入れにより調達しております。なお、調達コストの観点から、長期と短期のバランスを勘案し、低コストかつ安定的な資金確保に努めております。
また、運転資金等の効率的な調達を行うため、取引金融機関と当座貸越契約を締結しており、2020年3月末現在の契約総額は、約120億円(うち、借入実施額5億円)であります。
当社グループは、当社及び国内連結子会社にキャッシュ・マネジメント・システム(CMS)を導入し、グループ内資金を当社が一元管理しております。各社における余剰資金を当社へ集中することで資金の流動性を確保し、また、機動的にグループ内に配分することにより、資金効率の向上と金融負債の極小化を図っております。
なお、当社が一元管理するグループ余剰資金は、CMSにより親会社(三菱商事㈱)が同一であるグループ会社(三菱商事フィナンシャルサービス㈱)へ貸付しており、安全性並びに流動性の高い運用であると考えております。
(提出会社)
(1) 1964年4月、三菱商事㈱と当社製品販売について総代理店契約を締結し、現在に至っております。
(2) 東京都と東京工場敷地29,373.07㎡について土地賃貸借の更新契約(賃貸借期間 2016年11月18日から30年間)を締結しております。
(連結子会社)
㈱さわやかは、日本ケンタッキー・フライド・チキン㈱と、店舗毎に下記のサブ・ライセンス契約(フランチャイジー)を締結しております。
契約内容:フランチャイジー対価として、売上高に対する一定料率を乗じた金額の支払
契約期間:店舗認証契約(自 2019年12月1日 至 2024年11月30日までは期間5年)
当社グループ(当社及び連結子会社)において、研究開発活動は、当社と㈱増田製粉所が行っております。㈱増田製粉所とは、当社グループ全体の事業拡大と収益向上に寄与すべく、競争力のある製品開発に取り組んでおります。
また、当連結会計年度におきましては、㈱増田製粉所主催共同勉強会(全8回)への参加・交流により、技術力および製品知識向上を図りました。
(製粉及び食品事業)
研究開発活動は当社の中央研究所が中心となり、プレミックス、小麦粉、新素材の新製品開発及び用途開発を行っております。
当連結会計年度におきましては、新型コロナウイルスの難局化に加え、引続き人口の減少、少子高齢化、食品ロスの低減といった小麦粉需要が伸び悩む厳しい状況下、安全安心をモットーとし、お客様のニーズに的確かつ迅速に対応すると共に、美味しさを追求した開発を行って参りました。
また、新製品においては、新製品開発会議及び研究開発情報共有会議を立上げ関係部署との連携強化を図ると共に、お客様に対して積極的なプレゼンテーションを行い拡販に努めて参りました。
主な研究開発活動は、次のとおりであります。
① 惣菜やベーカリー製品を見据えた業務用プレミックス及び家庭用プレミックスの新製品開発並びに用途開発
② ベーカリー製品、麺製品及び菓子製品を見据えた小麦粉の新製品開発並びに用途開発
③ ベーカリー製品を見据えた業務用冷凍生地等の開発並びに用途開発
④ 各種穀粉を使用した新素材開発並びに用途開発
⑤ 製品提案活動を通して、プレミックス、小麦粉及び新素材の拡販を支援
これらに対する、当連結会計年度の中央研究所の主な研究開発活動結果は以下のとおりであります。
惣菜業務用プレミックスにおいては、国内外の大手冷凍食品メーカー、大手ファーストフード及びコンビニエンスストア向けの「唐揚げ粉」「天ぷら粉」「バッターミックス」等について、顧客ニーズに対応した提案を行い、採用にいたりました。スナック業務用プレミックスにおいては、「パンケーキ」等の新商品開発を推し進め、大手ファミリーレストランで採用され販売数量を伸ばしました。家庭用プレミックスにおいては、産地限定の国産小麦を使用した「ホットケーキミックス」が量販店に採用され評価を得ております。
ベーカリー業務用プレミックスにおいては、食パン専門店向けの「高級食パン用ミックス」や「インストアベーカリー向けミックス」が新規採用され、売上伸長に寄与いたしました。中華総菜業務用プレミックスにおいては、「餃子皮用ミックス」が大手居酒屋チェーンに採用され、さらに、製麺機械メーカーとは「生パスタ用ミックス」を共同開発し、自家製麺で提供しているレストランに拡販を行っております。
小麦粉開発においては、パン用、中華麺用、菓子用等の小麦粉開発に積極的に取り組み、大手コーヒーチェーン、大手コンビニエンスストア及び大手食肉加工メーカーに対し拡販を行いました。そのうち、「フランスパン用粉」では一般的なストレート法のほか、SDGsにも貢献できる冷蔵発酵法や、プースラント法などを提案いたしました。また、パスタ用小麦を当社独自の技術で粉砕した「デュラム小麦粉」においては、その特徴的な食味食感と色相が評価され、大手製パンメーカー等に採用されました。中華麺用粉の開発においては、食感に特徴を持たせた新製品「鉄華麺」を発売し、販売先を順調に拡大しております。さらに、「冷凍生パスタ用粉」ではモチモチした食感が大手製麺メーカーに評価・採用され、その他にも「春巻用粉」「ギョーザ用粉」等でも拡販により売上を伸ばし、業績向上に貢献いたしました。菓子用粉におきましても、顧客ニーズに対応した製品を企画・提案したことで、大手菓子メーカーに新規採用され拡販に繋げることができました。
新素材開発においては、健康素材として注目をあつめる全粒粉「インテグラーレ」(4種類)を発売開始いたしました。インテグラーレを使用した新規開発製品が、大手製パンメーカーをはじめ様々なお客様に採用されております。その他にも、美味しさと風味を兼ね備えた「ハースブレッド用粉」や「もち大麦粉」の開発を進め、今後の拡販に努めて参ります。
なお、当連結会計年度の研究開発費は、