文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針及び経営戦略
当社グループは、「小麦製粉事業及び、その関連事業を通じて、食糧供給の一翼を担い、社会や人々に貢献してゆく企業を目指します」の企業理念のもと、2021年度から2024年度までの4か年を対象とした新たな中期経営計画『2024中期経営計画“New Foundation for the Future”』を策定いたしました。
新中期経営計画では、市場、経済、環境、DX等の変化に対応しつつ、更なる成長のための「ゆるぎない土台」となる事業基盤を構築し、2024年度の「連結経常利益56億円/連結純利益40億円/連結ROE8.0%」を実現するために、下記5つの《重点戦略》に取り組んでおります。
《重点戦略》
ⅰ)成長を支える設備・人財投資
ⅱ)グループ経営基盤及び連携の強化
ⅲ)海外ミックス粉事業の面展開と小麦粉の輸出拡大
ⅳ)美味しさと健康を軸とした製品ラインナップの拡充
ⅴ)「主食を通じた食と健康の課題解決」につながる新規事業機会の創出
2022~2023年度は目標を仕上げるための「踏み台」となる事業年度であると構想しており、当社の特徴ある商品の開発及び提案を強化し、連結子会社㈱増田製粉所の菓子用最高級小麦粉「宝笠」ブランドの活用、また、安全・安心な製品の安定供給の責任を果たすための設備投資、さらには中長期目標として収益力の高い海外プレミックス事業において拠点間の連携を強化し総合的な供給力の拡充を目指すなど、国内外の既存事業のベースをしっかり作り、基礎収益力の確立に向けてこれまで以上に効率化を図り計画達成に取り組んで参ります。
また、「製粉事業のプロフェッショナルとして、お客様とともに成長し、社会にとってなくてはならない存在となります」をビジョンとして掲げ、安全で安心な製品の安定供給と、美味しさと健康を基軸とした商品提案により、お客様からもご評価いただけるよう事業活動を進めて参ります。
(2)経営環境及び対処すべき課題
製粉及び食品事業をめぐる外部環境変化のうち、中長期的な人口減少を背景とした食品需要の減少は不可避的なものとなり、食品業界各社は、需要減少への対応として製品の付加価値を高める方向への取組みを強化しております。一方で、健康志向や植物性食品を重視する食品消費などの嗜好の多様化、SDGsへの意識の高まりなどを背景に、消費者は従来と異なる付加価値のある製品を求めており、モノと価値観の双方の観点から暮らしを豊かにする製品に対しては、多少単価が高くても購入するという傾向も見られます。したがって、高付加価値製品への取組みは、国内食品企業の成長戦略実現のために不可欠なものであり、かつ、消費者ニーズにも合致したものであることから、今後も、その重要性は増していくものと考えられます。
また、2018年に発効したTPP11では、主要小麦輸入先である豪州及びカナダ産小麦のマークアップを段階的に削減するものとし、小麦粉調製品については、無税枠が設定されました。同じく、主要小麦輸入先である米国との間でも、TPPとほぼ同内容の日米貿易協定が2020年から発効しています。加えて、小麦二次加工製品についても両協定及び日EU・EPA協定により関税が削減・撤廃される方向にあり、小麦・小麦製品に係る国境措置は、全般的に低下しております。
新型コロナウイルス感染症が収束しつつあるなか、ウィズコロナやコロナ収束後の新しい生活様式の中での食形態への変化も進んでいるものと考えますが、当社は全従業員が健康管理に最善を尽くし、製品の安定供給という社会的使命を果たして参ります。
①中核事業のシェアーアップ
当社グループの中核事業である、小麦粉及びミックス粉のシェアーアップを図って参ります。従来より展開している「組織の壁を越えて営業基盤の拡大を図れ」を基本方針として、製造・販売・研究開発が一体となった新製品開発や提案型営業に全社員のベクトルを揃えるとともに、積極的な営業活動を図り新規顧客開拓を促進して参ります。
②環境問題への取組みと安全・安心に係わる体制の強化
当社は、国内全工場において取得した食品安全マネジメントシステムの国際規格「FSSC22000」と環境マネジメントシステム「ISO14001」を効率的に運用し、食品安全と品質管理の徹底及び、環境負荷の低減に努めて参ります。
③ローコストオペレーションの推進
製造、販売、物流等あらゆる分野で業務を見直すことによりローコストオペレーションを推進するとともに、生産設備、管理システムでの自動化技術やIT技術の活用等、事業インフラ基盤を強化するための投資を積極的に行って参ります。
④内部統制の強化及びコンプライアンスの徹底
内部統制システムを通して財務報告の信頼性を確保するとともに、コンプライアンスの徹底によりリスクや環境変化に強い組織を構築して参ります。
⑤企業グループのシナジー極大化
三菱商事㈱の国内外のバリューチェーンの活用や㈱増田製粉所とのシナジーの極大化を図って参ります。
外食事業を展開している㈱さわやかにつきましては、製粉及び食品事業とのシナジー効果が期待できるケンタッキー・フライド・チキン店において、店舗運営の効率化をさらに推進し業容の拡大に努めるとともに、不採算店の整理、新店舗の出店をバランス良く展開して参ります。
運送事業を行っている日東富士運輸㈱につきましては、環境問題や乗務員教育への取組みを通して物流企業としての品質向上に努めて参ります。また、㈱増田製粉所からの配送網を整備する等、グループ一体となった運営により経営の効率化を図って参ります。
⑥海外事業の展開
三菱商事㈱と共同で設立したミックス粉の製造・販売会社NITTO-FUJI INTERNATIONAL VIETNAM CO., Ltd.は、2007年5月に生産を開始しましたが、順調に販売量が増加したことから2012年には設備の増強を図り、製品の安定供給体制を整えております。また、2018年11月にはタイにおいてもミックス粉の製造・販売会社Nitto Fuji International (Thailand) Co., Ltd.を設立し、本格稼働しております。アジア地域へ製造拠点の移転が進む日系冷凍食品メーカー等へ、高品質で競争力のあるミックス粉を安定的に供給することにより、アジア市場における事業の拡大にも努めて参ります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、2024中期経営計画において公表のとおり、サステナビリティの重要性に係る認識の下、企業の社会的責任である「SDGs(持続可能な開発目標)」を経営に取り込み、事業活動を通じて「経済価値」「社会価値」「環境価値」の同時実現による社会的な課題の解決を目指しております。
2022年度においては、サステナビリティ重要課題を「自然環境の保全」「持続可能な調達・供給の実現」「社会課題の解決」「地域・コミュニティーとの共生」「魅力ある職場の実現」「地域課題への対応と解決策の提供」の6項目と定め、目標達成に向けて全社一丸となり尽力しました。課題解決を加速させるための手段として、当社独自のシステム「NittoFuji Total Operation Program(以下、NTOP)」に環境マネジメントシステムを組み込み、マネジメントサイクルにのせることによって、次年度以降も取組みを推進して参ります。
なお、NTOPの効果的な運用及び維持を確実にするため、常務会(各本部長)が責任と権限を持つ体制とし、資源(ヒト・モノ・カネ・情報)確保や、マネジメントレビューによる有効性評価、並びにその改善を指示することとしているほか、下記『環境方針』『食品安全・品質方針』『購買ガイドライン』を社内外へ開示し、当社スタンスの周知にも努めています。
『環境方針』
当社は、安全・安心な製品づくりのなかで、環境への貢献を社会的責任であると位置付け、健全な環境づくりに積極的に参加していきます。また、地球環境・地域環境との調和を図るため、以下の通り環境方針を定め、環境マネジメントシステムを構築し、継続的に改善して参ります。
①経営における全てのプロセスにおいて、地球環境・地域環境に与える影響を認識し、環境負荷の低減を目指し
ます。
②全従業員の創意と工夫によって省エネルギー、省資源、リサイクル促進に努めていきます。
③環境に関する法令・規則や、当社が同意する他の要求事項を遵守していきます。
④本方針に準拠して環境目的を設定し、その達成の為に環境目標を定めて運用していきます。また、これを定期
的に見直し改善していきます。
⑤本方針は社員教育を通じ従業員に周知徹底するとともに、要求に応じて公表していきます。
『食品安全・品質方針』
①お客様の立場に立ち、安全・安心な製品・価値を提供します。
②国内外の関係法規法令・条例等を遵守します。
③原料から配送までのフードチェーンの管理体制を確立し、製品保護および品質の確保に努めます。
④お客様に情報開示し、企業ならびに製品への信頼を高めます。
⑤当社独自のシステム「NTOP」に基づき、製品の安全性を確保し、より良い品質を追求し続けます。
『購買ガイドライン』
安心・安全な購買プロセスの実現のために、以下のガイドラインを制定します。
当社購買活動を行う者は、「企業理念」、「日東富士製粉グループ役職員行動規範」、「食品安全・品質方針」「環境方針」並びに、「購買基本方針」に基づき、公正で責任ある購買活動を行います。
取引先とは、対話による相互理解を図り、信頼関係を構築します。
なお人権・労働問題・地球環境等の改善への取り組みとして、以下の指針を副資材・包材・設備・機械のサプライヤーや委託製造・アウトソーシング先に伝え、理解と実践を促します。
①強制労働の禁止
すべての従業員をその自由意思において雇用し、また従業員に強制的な労働は行わせないこととします。
②児童労働の禁止
最低就業年齢に満たない児童対象者は雇用せず、また児童の発達を損なうような就労はさせないこととしま
す。
③安全で衛生的かつ健康的な労働環境の提供
従業員に対して、安全で衛生的かつ健康的な労働環境の提供に努めます。
④従業員の団結権及び団体交渉権の尊重
労働環境や賃金水準等の労使間協議を実現する手段としての従業員の団結権及び団体交渉権を尊重します。
⑤差別の禁止
雇用における差別をなくし、職場における機会均等と処遇における公平の実現に努めます。
⑥非人道的な扱いの禁止
従業員の人権を尊重し、虐待や各種のハラスメント(嫌がらせ)をはじめとする過酷で非人道的な扱いを禁止
します。
⑦適切な労働時間の管理
従業員の労働時間・休日・休暇を適切に管理し、過度な時間外労働を禁止します。
⑧適切な賃金の確保
従業員には少なくとも法定最低賃金を遵守すると共に、生活賃金以上の支払に努めます。また、賃金の不当な
減額を行いません。
⑨公正な取引と腐敗防止の徹底
国内外の関係法令を遵守し、公正な取引及び腐敗防止を徹底します。
⑩地球環境への配慮
事業の遂行に際しては、地域社会及び生態系への影響にも考慮し、地球環境の保全に努めます。特にエネルギ
ー使用効率・温室効果ガス排出を含む気候変動課題・資源の有効活用・廃棄物削減・大気や土壌、河川の汚
染・水使用に配慮します。
⑪情報開示
上記に関する適時・適切な情報開示を行います。
また、気候変動問題に関しては「自然環境の保全」「持続可能な調達・供給の実現」をサステナビリティ重要課題としており、NTOPに基づいて組成した環境戦略チームが、当社グループの事業に与えるリスク及び機会を分析すると共に対策に係る検討を進め、必要に応じて取締役会へ報告をしています。
当社グループにおける人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針、及び社内環境整備に関する方針は、以下のとおりであります。
<人材育成方針>
『食糧供給の一翼を担い、社会や人々へ貢献してゆく仕事に誇りを持ち、主体的に考え、仲間とともに行動できる
自律性と協調性のバランスのとれた人材の育成に努めます』
新型コロナウイルス感染症の世界的な流行により、勤務形態の多様化・オンライン会議の導入・紙媒体で伝達されていた情報の電子化など、働き方やコミュニケーションの手段が一変したのに加え、AI(人工知能)、IoT、ビッグデータなどで表象されるデジタルテクノロジーの進展もあって、まさに激動の時代です。このような時代にあって企業が成長を遂げるには、従業員の資質を活かしてその可能性・能力を最大限に引き出し、こうした変化へ柔軟に対応できる体制を構築する必要があります。
人材育成を実効あるものとするためには、研修制度を充実させるのに加え学習した知識を実務で活用させる必要がありますが、これを従業員自身の主体的な取組みにのみ頼るのではなく、管理者が多様な機会の提供や支援を行い実践を促す風土づくりを行うべきと考えます。また、ジョブ・ローテーションにより他部署をバランスよく経験させれば、新たな知識や技術と共に幅広い視野を身につけることもでき、その時々に適切な研修を受講させることで、新たな適性を見出せる可能性があります。
このような「個人の成長」を「企業の成長」に繋げることを会社の方針とし、継続的な企業価値の向上を目指すもので、具体的には、以下の施策等によって人材育成に努めております。
・研修、教育プログラム・・・・・・[ 階層別研修 ]
新入社員研修(会社概要説明、社会人としての心得)
インストラクター制度(新卒者及び中途入社社員へのOJT)
新入社員フォロー研修(ロールプレイング、PCスキル)
2~5年目社員研修(ITスキルアップ)
新任管理職研修(マネージャー昇格者のリーダーシップ強化)
管理職研修(マネジメント能力の強化)
[ 全社員対象研修 ]
ハラスメント研修(ハラスメント問題の本質、環境作り、対応フロー)
ITオンライン研修(スキルアップ、リテラシーの底上げ)
・キャリア形成、能力開発支援・・・親会社主催グループ会社対象eラーニング(役職員行動規範基本理念等)
食品安全マネジメントシステム(アーカイブ動画視聴)
商標セミナー(基礎知識、類似判断の考え方等)
自己啓発(通信教育講座や受験費用の補助)
<社内環境整備方針>
『従業員一人ひとりの主体性を大切にし、職場の安全と心身の健康を守るとともに、人権を尊重し、差別やハラス
メントのない健全な職場環境の確保に取り組んでいきます』
豊かな食生活に貢献し、皆が誇りと自信を持って働ける企業であるために、役職員にはその業務遂行にあたり関係諸法令及び社内規程の遵守と社会規範に沿った責任ある行動を求めています。具体的な遵守事項をまとめた役職員行動規範を社内の電子掲示板に掲載し役職員がいつでも確認できるようにしているほか研修やOJT、さらには役員・管理職が範を示すことで、その浸透と実践を図っております。
また、従業員のウェルビーイングの向上のため、職場環境や人事処遇制度の改善、並びに心身の健康保持を通して企業の業績基盤の安定化とさらなる成長の基盤づくりを図りたいと考え、以下の施策を推進しております。
・制度的な対応・・・・・・・・・・変則時差勤務制度、遠隔地勤務制度及び時間単位有給休暇制度の採用
・ワークライフバランスの推進・・・次世代育成支援行動計画の策定(子育てしながら仕事をしやすい環境の
整備、仕事と育児の両立が可能な環境の整備、年間総労働時間短縮施策
の継続実施と新たな制度の導入)
・社員の健康保持、増進・・・・・・モラールサーベイの公表、ノー残業デー及びストレスチェックの実施
・表彰制度・・・・・・・・・・・・社長表彰(上期、下期)、職務発明取扱規程
永年勤続者表彰(30年、20年、10年)
多様性の確保についての考え方や方針などについては、
当社では、財務報告に係る内部統制については業務監査室がリスクとコントロールの評価を実施し、法令や行動規範の遵守状況についてはコンプライアンス委員会が、その他業務の遂行に伴うリスク管理状況についてはリスク管理委員会が、それぞれの状況を確認してグループ全体としてのリスク管理体制の整備に繋げております。
また、リスクに対する実際の行動・シミュレーション実施のため、リスクに応じた分科会を設置しております。
なお、取締役会は、適時にこれらの報告を受け運用状況の監督を行うこととし、発生時の事業への影響を最小限に抑えるよう努めております。
想定されるリスクのうち、特に地球温暖化などによる気候変動関連リスクにつきましては、当社グループ製品の主原料である小麦の調達のほか、自然災害に起因した製造設備の破損や電気・ガス・水道の遮断による製造停止、物流機能麻痺による生産拠点からの出荷停止など、影響が多岐に渡るため重要な問題であると認識しております。
気候変動に関連するリスクの内容については「
当社では、2024中期経営計画の主要方針に沿って「成長を支える設備・人財投資」を重点戦略と掲げ、2022年度においては「生産現場における技術の伝承を進める」「全ての社員がそれぞれの職場でプロフェッショナル人材へと成長できる環境を整える」の2項目を具体的施策と定め、取組みを推進いたしました。
「人材の多様性の確保を含む人材育成に関する方針」及び「社内環境整備に関する方針」に係る指標の過去3ヶ年の実績は下表のとおりですが、連結ベースでの指標管理をしてこなかったため、これらは当社グループにおいて主要な事業を営む提出会社の実績を示したものです。
注 上記実績は、提出会社の従業員の状況となります。
また、地球温暖化の抑制に向けた温室効果ガス排出量削減等の気候変動対策につきましては、責任を持って取組みを進めるため、明確な根拠に基づく指標と目標を検討して参ります。「2050カーボンニュートラル」という国家戦略に従い、資源の有効活用や環境負荷の低減など環境に配慮した事業活動を継続し、省エネ・省力化に貢献できる製品開発を進め、企業の役割としてのCSR(企業の社会的責任)をグループ全社で横断的に進めて参りたいと考えます。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループでは、発生する可能性のあるリスクの発生防止に係る管理体制の整備、並びに発生したリスクへの対応等を行うことにより、会社業務の円滑な運営に資することができるよう「リスク管理委員会」を設置しております。また、「リスク管理規程」に基づきコンプライアンス、環境、災害、品質、情報セキュリティ等に係るリスクについては、それぞれの担当部署において、規則・ガイドラインの制定、研修の実施、マニュアルの作成・配付等を行うものとしており、実際の行動・シミュレーションを実施するため、リスクに応じた分科会を設置しております。
緊急事態の発生、あるいは緊急事態につながるおそれのある事実が判明した際は、グループ各社の危機管理組織等と連携・協議し、迅速かつ適正な対応を行い、リスクの低減に努めるものとしております。
食品業界におきましては、国内の人口減少による需要減少や今後さらに進展する少子高齢化の影響により、中長期的には大きな成長を見込みにくい状況であります。製粉業界におきましても、国内市場は伸び悩んでおり、厳しい経営環境が予想されます。また、諸外国との国際貿易協定の発効により輸入食品の関税の撤廃・削減が進んでおり、国産から輸入品へ需要が大きくシフトした場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループは、これらの市場環境の変化に対応できるよう新市場開拓を目指し、積極的な海外展開により事業拡大に取り組み、また、安全・安心・美味しさを追求した商品の安定的な生産と、収益の確保に注力して参ります。
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識しております。
当社グループ製品の主原料である輸入小麦は、その殆どを国家貿易により政府が一元的に管理しております。そのため、小麦輸出国との貿易交渉や政府による麦政策の動向により、小麦の調達方法が大幅に見直される可能性があります。また、世界的な食料需給構造の変化や気候変動による小麦相場の急騰及び、為替変動の影響等により調達コストが上昇し、製品価格の改定が適正に行われなかった場合、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、需要に応じた主要原料の安定的な調達や、資材の一括大量購入・歩留まり向上等によるコストダウン、並びにコストの変動に応じた販売価格の改定によりリスクの低減を図っております。
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識しております。
大規模な地震・台風・豪雨等の自然災害や火災・爆発等の事故発生により、製造設備の破損、電気・ガス・水道の遮断による製造停止、倉庫損壊及び保管製品破損による出荷停止、物流機能麻痺、事務所施設の損壊、交通機関麻痺による従業員の通勤不能等、事業活動が停止する可能性があります。生産拠点の操業に支障が生じた際は、他の生産拠点からの供給等を行う対応をいたしますが、主要拠点である関東地区において想定を超える災害・事故が発生し、事業活動の復旧に長期を要した場合や、施設等の改修に多額の費用が発生した場合などは、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
なお、大規模な災害・事故が発生した際は、早急に被害状況を把握するため、従業員の安否確認システムを導入するなど、緊急時の連絡体制強化を進めております。また、定期的な訓練実施により、対応力強化と災害対応意識の啓発に努めております。
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識しております。
当社グループは海外連結子会社を有して事業展開しているため、為替リスクを負っております。海外連結子会社における資産・負債については、円高が進行すると換算差額を通じ自己資本が減少するリスクがあります。また、海外連結子会社の連結純利益に占める比率も上がってきていますが、これらの収益は外貨建てであり、外国通貨(ベトナムドン・タイバーツ)に対して円高が進むと、連結純利益にマイナスインパクトを与えます。一方、本国で行う輸出入取引から発生する、外貨建債権及び債務等は為替レートの変動によるリスクを有しておりますが、このリスクは為替予約等によってヘッジしており影響は限定されます。
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識しております。
当社グループは海外戦略としてアジア市場における事業の拡大に努めておりますが、海外における事業展開には、各国の法令・制度、政治・経済・社会情勢、文化・宗教・商習慣の違いなど様々なリスクが存在します。これらのリスクが顕在化し、事業継続が困難となった場合には、減損損失や事業撤退損失等が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
なお、これらのリスクの低減を図るため、海外子会社との連携を密にして海外戦略の見直しを行う一方で、監査体制の強化など経営管理・リスク管理体制の整備にも努めております。
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識しております。
当社グループは不当景品類及び不当表示防止法・食品衛生法・製造物責任(PL)法など、各種法的規制の遵守を求められており、社内規程の整備や、各所管部門と法務部門との緊密な連携により全ての法的要請に応える体制を構築しております。しかしながら、想定外の法的規制強化や新たな規制の発生、異物混入及び品質・表示不良品の流通による回収費用や訴訟・損害賠償、商品の品質や安全性を確保するためのトレーサビリティーの強化・システム構築などの費用が発生した場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、安全・安心な製品の提供を確保するため、国内外の生産工場では、食品安全マネジメントシステム規格の「ISO22000」「FSSC22000」、環境マネジメントシステム規格の「ISO14001」の認証を取得し、品質管理の徹底と品質向上に向けた取組みを実施しております。
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識しております。
2023年5月、新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが季節性インフルエンザ等と同じ「5類」に引き下げられ、外出自粛の要請や入院勧告などの行動制限は求められなくなりました。しかしながら、今後、新たな未知のウイルスが流行し、想定を上回って感染が拡大した場合は、製粉及び食品事業においては景気悪化による小麦粉消費量の減少や、原材料の価格高騰・調達の困難、また得意先の財政状態悪化による売上消失や、売上債権回収の困難等が生じ、外食事業においては店舗の休業や営業時間の短縮による売上減少等、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクが顕在化する可能性は、翌期以降においても常にあるものと認識しております。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
当連結会計年度における国内経済は、新型コロナウイルス第7波・第8波に見舞われましたが、感染拡大防止と社会経済活動との両立を目指すウィズコロナの段階へと移行、各種政策の取組みも進み景気は緩やかな持ち直しの状況となりました。一方、ロシアのウクライナ侵攻等に起因しエネルギー価格・原材料価格が高騰し、直近では飼料価格の上昇や高病原性鳥インフルエンザの感染拡大などの影響を受け、鶏卵価格も高騰するなど、家計への負担も大きくなっております。さらに、為替相場動向の影響もあり依然として先行き不透明で厳しい経営環境が続いております。
食品業界におきましては、核家族化の進展・女性の社会進出・単身世帯の増加などによるライフスタイルの多様化により、個食化・孤食化が急速に進んでおります。また、多忙化する現代人をサポートする形で、ファーストフードやファミリーレストラン、コンビニエンスストアなどの店舗形態が発展しておりますが、これらが食生活そのものを大きく変え、加工食品の消費量が伸びていることから、消費者ニーズを捉えるべくより付加価値の高い製品の提供が求められるようになっております。
当社グループでは、「小麦製粉事業及び、その関連事業を通じて、食糧供給の一翼を担い、社会や人々に貢献してゆく企業を目指します」を企業理念とし、『「原料調達・製造・販売・開発・物流」全部門の連携を強化し全社一丸となって、食の安全・安心・美味しさをお届けしてゆきます。』を基本方針に掲げ、事業基盤の強化による持続的な成長と企業価値向上に努めております。また、当社グループの主力事業である「製粉及び食品事業」につきましては、お客様のニーズに合わせた新商品の開発や少量多品種の生産体制の強化を図り、積極的な提案営業に注力して参ります。
このような状況下、当連結会計年度における当社グループの主な取組みは、下記のとおりであります。
[グループ経営の体制強化・効率化]
2024中期経営計画の重点施策である「アジア域内での事業基盤強化及び他地域への拡販」「欧州/アジア向け製品輸出拡大」の達成に向け、2022年度はタイのミックス粉製造・販売会社「Nitto Fuji International (Thailand) Co., Ltd.」(以下、NFIT)の拡張計画を立案・推進いたしました。2019年12月から工場が稼働しておりますが、成長軌道に乗せるべく、グループ一丸となり確実に実行して事業拡大を図って参ります。
ベトナムの子会社「NITTO-FUJI INTERNATIONAL VIETNAM CO., Ltd.」(以下、NFIV)及びNFITの全体最適を追求しながら両事業を進めることとし、リスク分散体制を構築・強化するとともに、徹底したコスト削減による収益力向上、品質安全管理強化を通じた製品信頼性向上、成長のための積極的な投資を図り、競争優位性確立を目指します。
引き続き、日本・タイ・ベトナムの三拠点による連携を深め、安定供給とリスクの分散を図ることでグループの総合力を強化して参ります。
[㈱増田製粉所とのシナジー創出・極大化]
㈱増田製粉所においては、技術に立脚したブランド価値の向上により顧客満足度を高めるなど、既存取引先との関係強化及び新規顧客の開拓に努めております。2023年3月には、地方創生・SDGsをテーマとするWebメディア「Made In Local」で、「神戸を代表する企業100選」に選出されました。これからも地元・神戸の街に根付き、神戸の街の発展に、小麦粉の製造を通じて寄与していきたいと思いを巡らせ、また、製菓用小麦粉のパイオニアとしてさらなる高みを目指す所存です。
完全子会社とした際に施策として掲げた下記 ⅰ)~ ⅴ)について、今後も経営資源、システム、ノウハウなどの相互提供・活用を推進し、両社の企業価値をより一層向上させるシナジーの実現へ向けて、取組みを進めて参ります。
ⅰ)調達戦略
・ 外国産小麦の産地情報を両社で共有し、競争力のある原料調達を図ります。
・ 各々で強い関係のある産地の国内産小麦を相互活用するとともに、両社が共同で需給調整を行うことにより
国内産小麦の安定調達を図ります。
・ 資材の共同購入等により調達コストの低減を図ります。
ⅱ)製造戦略
・ 適地工場での製造により製造の効率化を図ります。
・ 製造技術の共有により、製造コストの低減を図ります。
・ 両社の製品毎の需給情報の共有化により製造体系の最適化を図ります。
ⅲ)販売戦略
・ 両社の持つ商流を活用し、両社商品の未開拓市場への拡販を図ります。
・ 三菱商事グループが持つ川上(原料調達)から川下(小売)までの一貫したバリューチェーンを最大限活
用して事業展開を進め、商品の拡販を図ります。
・ 両社の製造設備を活用し、西日本市場への拡販を図ります。
・ 大正初期からの秘伝として独特の粉作りを引き継ぎ、さらに改良を重ねた製品である「宝笠小麦粉シリ
ーズ」のブランド力強化と地域横断的な展開を推進します。
ⅳ)研究開発
・ 両社の技術を融合し高品質な新商品を開発します。
・ 研究開発部門が連携し開発ノウハウを共有することによって、商品開発力の向上と効率化を図ります。
ⅴ)物流戦略
・ 両社の持つ拠点を活用し、物流の効率化を図ります。
・ 子会社である日東富士運輸㈱を活用し、グループ全体の収益力を高めます。
[その他の生産性向上・コスト削減の施策]
ⅰ)製販の緊密な連携による生産ロス・廃棄物の削減
ⅱ)グループ会社共通のITインフラ構築(ネットワーク統合)による集中管理・コスト削減
以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
当連結会計年度末の資産合計につきましては、前連結会計年度末に比べ50億7千4百万円増加し、609億4千4百万円となりました。負債合計につきましては、前連結会計年度末に比べ12億6千9百万円増加し、153億8千6百万円となりました。純資産合計につきましては、前連結会計年度末に比べ38億4百万円増加し、455億5千8百万円となりました。
当連結会計年度の経営成績は、売上高は695億4千万円と前連結会計年度に比べ101億9千9百万円(17.2%)の増収となり、営業利益は52億9千9百万円と前連結会計年度に比べ8億9千5百万円(20.3%)の増益、経常利益は57億2千8百万円と前連結会計年度に比べ8億4千1百万円(17.2%)の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は39億6千3百万円と前連結会計年度に比べ2億4千9百万円(6.7%)の増益となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。なお、各セグメントの売上高には、セグメント間の内部売上高又は振替高を含んでおります。
当事業部門につきましては、グループ各社とも堅調に推移したうえ、主力の製粉事業において外国産小麦の政府売渡価格の引き上げに伴う小麦粉販売価格の改定の影響もあり、売上高は前連結会計年度比増収となりました。利益面においても、当社及び国内子会社の増収に伴う売上総利益の増加や、海外子会社における利益貢献により、前連結会計年度比増益となりました。
この結果、売上高は593億7千6百万円と前連結会計年度に比べ95億6千6百万円(19.2%)の増収となり、営業利益は47億7千5百万円と前連結会計年度に比べ7億2千6百万円(17.9%)の増益となりました。
当事業部門につきましては、主力のケンタッキー・フライド・チキン店の店舗数の増加や商品販売価格の改定効果もあり、売上高は前連結会計年度比増収となりました。利益面においても、電気代の高騰や配達代行の対象店舗拡大による配送コストが増加したものの、決算賞与制度の見直しによる人件費減少や利益確保への取組みなどにより、前連結会計年度比増益となりました。
この結果、売上高は100億2千9百万円と前連結会計年度に比べ6億4千万円(6.8%)の増収となり、営業利益は3億3千3百万円と前連結会計年度に比べ1億1千3百万円(51.8%)の増益となりました。
当事業部門につきましては、売上高は前連結会計年度比増収となりました。利益面においても、継続的な燃料代の高騰等もありましたが、運賃改定による売上利益の増加やコスト削減に努めた結果、前連結会計年度比増益となりました。
この結果、売上高は20億3千1百万円と前連結会計年度に比べ5千9百万円(3.0%)の増収となり、営業利益は1億4千9百万円と前連結会計年度に比べ4千7百万円(46.9%)の増益となりました。
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物の期末残高(以下「資金」という)は78億8千5百万円と前連結会計年度に比べ19億1千8百万円(19.6%)減少しました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。
税金等調整前当期純利益56億7千8百万円、減価償却費14億5百万円等で資金が増加した一方、法人税等の支払額16億4百万円等により資金が減少した結果、営業活動によるキャッシュ・フローは22億4千4百万円の資金増加となり、当連結会計年度に獲得した資金は前連結会計年度に比べ7千3百万円(3.4%)増加しました。
有形固定資産の取得による支出25億5千1百万円等の結果、投資活動によるキャッシュ・フローは28億2千1百万円の資金減少となり、当連結会計年度に使用した資金は前連結会計年度に比べ12億5千8百万円(80.5%)増加しました。
配当金の支払額14億7千5百万円等の結果、財務活動によるキャッシュ・フローは14億8千8百万円の資金減少となり、当連結会計年度に使用した資金は前連結会計年度に比べ4千8百万円(3.4%)増加しました。
ⅰ)株主還元・配当政策
株主の皆様への利益還元である配当政策を経営の重要課題の一つとして認識し、安定的かつ継続的な配当の実施を基本としつつも、『2024中期経営計画”New Foundation for the Future”』の最終年度である2025年3月期迄は、連結ベースの配当性向40%以上をもう一つの基準としております。
当連結会計年度においては、1株あたり年間162円(2022年3月期期末配当85円、2023年3月期中間配当77円)、総額14億7千5百万円の配当金支払いを実施しました。
また、2023年5月8日に開催された取締役会決議により、2023年3月31日現在の株主に対し、1株当たり期末配当98円、総額8億9千2百万円の支払いを2023年6月12日に実施しております。
ⅱ)設備投資
当社グループは、生産能力増強や合理化によるコスト競争力の向上、並びに将来の利益確保を目的に、継続的な設備投資が必要と考えております。
当連結会計年度においては、有形固定資産の取得による支出は25億5千1百万円であり、使用した資金は、前連結会計年度に比べ9億2千8百万円(57.3%)増加しました。無形固定資産の取得による支出は7千万円であり、使用した資金は、前連結会計年度に比べ2千8百万円(70.0%)増加しました。
なお、これらの設備投資額は自己資金により賄われております。
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
(注)1 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2 株式時価総額は、期末株価終値×当社の期末発行済株式総数(自己株式控除後)により算出しております。
3 営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用
しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債
を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用し
ております。
以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は78億8千5百万円、連結有利子負債の残高は6億1千万円となっております。現金及び現金同等物の保有額について厳密な目標水準は定めておりませんが、金融情勢などを勘案しつつ、機動的な対応に備え十分な現金及び現金同等物を保有する事としております。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、販売価格によっております。
重要な受注生産を行っておりませんので、記載を省略しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、以下のとおりであります。
当連結会計年度末の総資産の残高は、前連結会計年度末に比べ50億7千4百万円増加し、609億4千4百万円となりました。この主な要因は、投資有価証券の時価評価により18億4千3百万円、生産設備・倉庫設備等の更新・改修による有形固定資産が16億7千5百万円、原材料及び貯蔵品が13億7千2百万円増加した一方、短期貸付金(キャッシュ・マネジメント・システムによる実質的な現金及び現金同等物)が12億6百万円、現金及び預金が6億2千7百万円減少したこと等となります。
当連結会計年度末の負債の残高は、前連結会計年度末に比べ12億6千9百万円増加し、153億8千6百万円となりました。この主な要因は、流動負債その他(未払金)等が5億8千2百万円、繰延税金負債が5億2千2百万円増加したこと等となります。
当連結会計年度末の純資産の残高は、前連結会計年度末に比べ38億4百万円増加し、455億5千8百万円となりました。この主な要因は、利益剰余金が24億8千7百万円、その他有価証券評価差額金が12億7千7百万円増加したこと等となります。
当連結会計年度の当社グループの業績は、外国産小麦の政府売渡価格の引き上げ(昨年4月に平均17.3%)に伴う小麦粉販売価格改定もあり製粉事業における小麦粉の販売数量は若干の減少となりましたが、国内子会社・海外子会社ともに食品事業(ミックス粉等)が堅調に推移したうえ、外食事業による販売好調等もあり、売上高は695億4千万円と前連結会計年度に比べ101億9千9百万円(17.2%)の増収となりました。利益面につきましても、増収に伴う売上総利益の増加などにより、営業利益は52億9千9百万円と前連結会計年度に比べ8億9千5百万円(20.3%)の増益となりました。
当連結会計年度の営業外損益は、前年度に計上した為替差益がなくなり、当年度は為替差損を計上した等により前連結会計年度に比べ5千3百万円悪化し、4億2千8百万円の利益となりました。
これにより、経常利益は57億2千8百万円と前連結会計年度に比べ8億4千1百万円(17.2%)の増益となりました。
当連結会計年度の特別損益は、協力金収入や投資有価証券売却益の減少等により前連結会計年度に比べ6億6千1百万円悪化し、4千9百万円の損失となりました。
以上の結果、税金等調整前当期純利益は56億7千8百万円となり、税金費用17億1百万円、非支配株主に帰属する当期純利益1千3百万円を差し引き、親会社株主に帰属する当期純利益は39億6千3百万円と前連結会計年度に比べ2億4千9百万円(6.7%)の増益となりました。
当連結会計年度の当社グループのキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、以下のとおりであります。
当社グループの主要な資金需要は、製品製造のための材料費、労務費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用並びに製造設備の新設、改修等に係る投資によるものであります。必要な資金は、主に営業活動によって得られるキャッシュ・フローと、金融機関などからの借入れにより調達しております。なお、調達コストの観点から、長期と短期のバランスを勘案し、低コストかつ安定的な資金確保に努めております。
また、運転資金等の安定的な調達を行うため、取引金融機関と当座貸越契約を締結しており、2023年3月末現在の契約総額は、約105億円(うち、借入実施額5億円)であります。
当社グループは、当社及び国内連結子会社にキャッシュ・マネジメント・システム(CMS)を導入し、グループ内資金を当社が一元管理しております。各社における余剰資金を当社へ集中することで資金の流動性を確保し、また、機動的にグループ内に配分することにより、資金効率の向上と金融負債の極小化を図っております。
なお、当社が一元管理するグループ余剰資金は、CMSにより親会社(三菱商事㈱)が同一であるグループ会社(三菱商事フィナンシャルサービス㈱)へ貸付しており、安全性並びに流動性の高い運用であると考えております。
(提出会社)
(1)1964年4月、三菱商事㈱と当社製品販売について総代理店契約を締結し、現在に至っております。
(2)東京都と東京工場敷地29,373.07㎡について土地賃貸借の更新契約(賃貸借期間 2016年11月18日から30年間)を締結しております。
(連結子会社)
㈱さわやかは、日本ケンタッキー・フライド・チキン㈱と、店舗毎に下記のサブ・ライセンス契約(フランチャイジー)を締結しております。
契約内容:フランチャイジー対価として、売上高に一定料率を乗じた金額の支払
契約期間:店舗認証契約(自 2019年12月1日 至 2024年11月30日までは期間5年)
当社グループにおける研究開発活動は、当社と㈱増田製粉所が行っております。㈱増田製粉所とは、両者のノウハウを共有する事で技術シナジーの創出など、競争力のある製品・技術の開発に取り組むことによって、当社グループの成長とより一層の事業拡大を図って参ります。
(製粉及び食品事業)
研究開発活動は当社の中央研究所が中心となり、プレミックス、小麦粉、新素材の製品開発及び用途開発を行っております。
当連結会計年度におきましても、国内人口の減少や少子高齢化による市場縮小、食品ロスの低減等により小麦粉需要が伸び悩む厳しい状況の中、安全安心をモットーとし、美味しさを追求した開発を行って参りました。また、新型コロナウイルス感染防止策として、オンライン会議を活用した商談の実施など適切な感染対策を講じ、開発活動を効率よく推し進めることが出来たと考えます。さらに、足元では原材料の調達難や価格高騰が長期化しておりますが、その対応についても引き続き検討を進めております。
主な研究開発活動は、次のとおりであります。
①惣菜やベーカリー製品を見据えた業務用プレミックス及び家庭用プレミックスの製品開発並びに用途開発
②ベーカリー製品、麺製品及び菓子製品を見据えた小麦粉の製品開発並びに用途開発
③ベーカリー製品を見据えた業務用冷凍生地等の開発並びに用途開発
④各種穀粉を使用した新素材開発並びに用途開発
⑤製品提案活動を通して、プレミックス、小麦粉及び新素材の拡販支援
これらに対する当連結会計年度の中央研究所の主な研究開発活動結果は以下のとおりであります。
新型コロナウイルス感染症の流行が繰り返されるなか、健康基軸製品の提案を積極的に行い、糖質制限製品が家庭用商品取扱い企業でリニューアル採用されたほか、健康素材の全粒粉「インテグラーレ」や、ライ麦製品が大手製パンメーカー等で継続的に採用されております。それに加えウィズコロナのテイクアウト需要に応えた唐揚げ粉や、惣菜用バッター、家庭用商品としてのレンジ調理品向けミックス、フライパン調理向けの新規ミックスが、大手メーカーや量販店で採用となりました。
小麦粉を含む原料価格高騰に伴い食品の値上げが問題となる中、単なる値上げではなく付加価値を望む顧客ニーズに対応し、フランス産小麦を配合した「ルパメント」、電子レンジ調理後にもっちりとした食感となる「ピナパーネ」を開発し、大手メーカーや量販店に採用となりました。
さらに、SDGsの課題解決にも繋がる開発として、茹で時間を短縮した麺類や、焼成時間を短縮したたい焼きの品質改良に継続的に取り組み、加えて電子レンジ調理に対応できる中華まんや、冷蔵発酵法を活用したベーカリー製品等についても継続的に提案を行い、現在拡販に努めております。
なお、アイテム毎の取組み、評価は以下のとおりであります。
惣菜及びスナック業務用プレミックスにおいては、新商品開発や改良を推し進めた結果、国内外の大手冷食メーカー、大手ファーストフード、量販店、及び外食企業等で採用に至り、売上の伸長に寄与いたしました。コンビニエンスストア向けでは、マリネーション技術を用いた鶏肉の味付けと、特徴ある衣をセットにした提案を実施いたしました。
ベーカリー業務用プレミックスにおいては、インストアベーカリー向けのリニューアル品が継続的に採用され、業績の向上に貢献しております。また、パン用小麦粉においては、当社独自の技術で製造した「10kgモンブラン」が、 食味食感で高く評価され、また、10kgという使い勝手の良い荷姿で大手製パンメーカーに採用されております。さらに、産地限定の国産小麦粉の製品においても、大手製パンメーカーやインストアベーカリーで採用にいたっております。
菓子用プレミックスにおけるコーヒーチェーン向けの採用や、菓子用小麦粉における大手製パンメーカー向け「特富士クィーン」の採用等、顧客ニーズに対応した製品の企画・提案にも注力いたしました。
中華麺用粉においては、当社代表ブランド「天壇」を、シリーズとして上市するブランド戦略を継続しております。永年ご愛顧頂いている「天壇」、テイクアウト需要対応の茹で伸び防止効果を持たせた「天壇真」、コロナ禍で人気の餃子皮に特化した「天壇鉑」を昨年度より販売開始し、ご好評を得てラーメンチェーン店、大手冷食メーカーで採用となっております。
なお、当連結会計年度の研究開発費は、