文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①経営戦略(長期ビジョン・中期経営計画)
当社グループは「人々の健康で豊かな食生活に貢献する」ことをグループ経営理念とし、1936年の設立以来、小麦、大豆、菜種、トウモロコシなどの穀物を、小麦粉、プレミックス、植物油、糖化製品、配合飼料などに加工し、
「食」を通じた社会への貢献を志してまいりました。一層の発展のため、創立90周年にあたる2025年度のありたい姿(長期ビジョン)「SHOWA Next Stage for 2025」を策定し、その実現に向けた1st Stageと位置付ける「中期経営計画17-19」を2017年4月よりスタートさせております。全てのステークホルダーに満足を提供する “穀物ソリューション・カンパニー Next Stage”をありたい姿とし、グループでベクトルを合わせ、社会から信頼される企業グループであり続けるために努力してまいります。
■「SHOWA Next Stage for 2025」の内容
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ありたい姿 |
全てのステークホルダーに満足を提供する “穀物ソリューション・カンパニー Next Stage” ~幹を太くし、枝葉を広げ、世の中のためになる果実を育てる~ |
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方 針 |
昭和産業グループならではの複合系シナジーソリューションを進化させると共に、ESG視点での取り組みも強化し、企業価値の向上に努めてまいります。 |
■「中期経営計画17-19」について
〔基本方針〕
ありたい姿(長期ビジョン)の実現に向けた足場固めの期間と位置付け、安定的収益基盤の確立と、更なる成長への準備をしてまいります。
〔基本戦略〕
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①基盤事業の強化 |
・コア事業の磨き上げ ・顧客価値を掘り起こす独自の事業構造確立 ・コアコンピタンスを生かした競争優位性の発揮 |
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②事業領域の拡大 |
・昭和産業グループにふさわしいセグメント領域の確定 |
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③社会的課題解決への貢献 |
・事業活動を通した社会への貢献(CSV戦略への発展) |
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④プラットフォームの再構築 |
・持てる力の発揮とグループ経営の推進 |
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⑤ステークホルダー エンゲージメントの強化 |
・コーポレートコミュニケーション活動を通じたステークホルダーとの 信頼関係の確立 |
〔数値目標〕
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連結売上高 |
2,600億円 |
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連結経常利益 |
115億円 |
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ROE |
9.0%以上 |
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自己資本比率 |
50%以上 |
なお、2019年5月9日付で公表いたしました2019年3月期決算短信における業績予想では、物流費やエネルギーコストの上昇などの外部環境の変化を踏まえ、連結経常利益を100億円としておりますが、上記数値目標に向けて邁進していく所存であります。
②対処すべき課題
気候変動や世界人口の増加による世界的な穀物不足、国内においては自由貿易の進展、少子高齢化による需要の減少など、今後も様々な対処すべき課題が想定されます。また、穀物原料相場や為替相場の変動、物流費やエネルギーコストの上昇、ライフスタイルの変化を背景とした消費者の食に対するニーズの多様化等、食品業界を取り巻く事業環境も大きく変化しております。
このような情勢の中で、当社グループは長期ビジョンの実現に向け、「中期経営計画17-19」の5つの基本戦略に沿って、グループ一丸となって取り組んでまいります。
基本戦略①基盤事業の強化
基本戦略②事業領域の拡大
■主力工場である鹿島工場の製油、糖質、荷役設備において、機能性製品等の生産能力増強、およびBCP対策を目的とした、約60億円の設備投資を実施いたしました。これにより今後も安定製造・安定供給を維持してまいります。
■製粉事業において、当社は、株式会社セブン-イレブン・ジャパン向けに小麦粉・ミックス等の原料供給から冷凍パン生地の製造、焼成までの一貫体制を有しております。2018年4月、新たにガーデンベーカリー株式会社とその子会社タワーベーカリー株式会社を連結子会社化したことにより、既存連結子会社であるグランソールベーカリー株式会社および株式会社スウィングベーカリーを含めた4社の相互連携を強化し、競争力のある商品の開発と生産性の向上を目指してまいります。
■有職主婦の増加や世帯人数の減少を背景に、消費者の食に対するニーズは多様化しております。また、少子高齢化や平均寿命の上昇に伴い、健康を意識した食生活を好む方が増えています。そうした中、お客様が家庭料理に求める“健康”“安全・安心”“簡単・簡便”に応える製品として、ご家庭で簡単に、おいしく楽しくスイーツが作れる『もちぷっち』、発酵いらずでもち大麦粉配合の『もちもちパンミックス』、「お釜にポン」シリーズから、お米由来の植物性乳酸菌をプラスした『お釜にポン乳酸菌Plus』等を新発売いたしました。今後も、新たな価値のご提供と市場の活性化を図ってまいります。
■海外事業につきましては、成長著しいベトナム市場に対してより一層の経営資源を投入すべく、ベトナムのホーチミン市に当社100%子会社であるShowa Sangyo Vietnam Co.,Ltdを設立いたしました。さらに、2018年11月にはプレミックス製造会社をハウジャン省に合弁で設立し、2020年春からの操業を予定しております。新会社設立により、ベトナム国内におけるプレミックス生産拠点は2工場となり、合計で年間約2万トンの生産能力を確保いたします。今後も伸びゆくアジアマーケットを意識して、積極的な事業展開を検討してまいります。
基本戦略③社会的課題解決への貢献
■取締役等に関する株式報酬を含めたインセンティブ報酬制度の導入に伴い2017年4月に設置した「報酬諮問委員会」に加え、コーポレート・ガバナンス体制のより一層の強化を図るため、2019年1月「経営諮問委員会」を設置いたしました。「経営諮問委員会」は、取締役会の任意の諮問機関として、取締役および執行役員の成果評価や任免等に関するプロセスの妥当性や客観性、透明性を確保することに加え、次世代経営人材の育成等の経営課題に対応していくことを目的としており、3名以上の委員は、社外取締役のみの構成となっております。
■鹿島、神戸、船橋の各工場に、環境保安および防火・防災に関する業務に特化する組織を新たに設置し、当該業務における組織体制の強化を図っております。これにより、地域とのコミュニケーションを含む地域への責任も果たしてまいります。
■日本食の食文化継承と発展に貢献するため様々な活動を行っており、その一つが、2019年4月に導入いたしました社内認定制度「SHOWAマイスター(天ぷら)」です。当社は、世界で初めて家庭用天ぷら粉を発売したパイオニア企業であり、天ぷら・天ぷら粉に関連した知識、技術、技能などの資産を体系的に整理し、次世代へ継承してさらに発展させることを目的に、この制度を制定いたします。
基本戦略④プラットフォームの再構築
基本戦略⑤ステークホルダーエンゲージメントの強化
長期ビジョンの実現に向けて、持続的な企業となるビジネススキームを確立するため、以下の取組みを進めております。
■グループマネジメントの向上
■グローバル化、ダイバーシティを推進するための人事戦略の展開(「ダイバーシティ経営宣言」を発表)
■リスクマネジメント体制の強化
■コーポレートコミュニケーションを通した企業ブランドの構築
(株式会社の支配に関する基本方針)
当社は株式会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針(以下、「基本方針」といいます。)を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。
(1)基本方針の内容の概要
当社は、金融商品取引所に株式を上場している者として、市場における当社株式の自由な取引を尊重し、特定の者による当社株式の大規模買付行為であっても、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものである限り、これを一概に否定するものではありません。また、最終的には株式の大規模買付提案に応じるかどうかは株主の皆様の決定に委ねられるべきだと考えております。
ただし、株式の大規模買付提案の中には、たとえばステークホルダーとの良好な関係を保ち続けることができない可能性があるなど、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を損なうおそれのあるものや、当社グループの価値を十分に反映しているとは言えないもの、あるいは株主の皆様が最終的な決定をされるために必要な情報が十分に提供されないものもありえます。
そのような提案に対して、当社取締役会は、株主の皆様から負託された者の責務として、株主の皆様のために、必要な時間や情報の確保、株式の大規模買付提案者との交渉などを行う必要があると考えております。
(2)当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する特別な取組みの内容の概要
当社グループは、穀物を原料とする食品素材を軸にした総合食品メーカーとして、これまで培ってきた製粉、油脂食品、糖質、飼料などの各事業における技術やノウハウを最大限発揮していくことにより、「市場に価値を認められる、安全で安心できる食品を安定的に供給する」という社会的使命を果たしてまいります。
当社グループは、「穀物ソリューション・カンパニー」として、長期ビジョン「SHOWA Next Stage for 2025」及び「中期経営計画17-19」の達成に向けて基本戦略を推進してまいります。
(3)基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの内容の概要
当社取締役会は、当社株券等の大規模買付行為を行おうとする者が遵守すべきルールを明確にし、株主の皆様が適切な判断をするために必要かつ十分な情報及び時間、並びに大規模買付行為を行おうとする者との交渉の機会を確保するために、2017年6月28日開催の第116回定時株主総会のご承認に基づき、「当社株券等の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)」を一部変更の上で継続導入しております(以下、継続後の対応策を「本プラン」といいます。)。
本プランは、以下の通り、当社株券等の大規模買付行為を行おうとする者が遵守すべきルールを策定するとともに、一定の場合には当社が対抗措置をとることによって大規模買付行為を行おうとする者に損害が発生する可能性があることを明らかにし、これらを適切に開示することにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さない当社株券等の大規模買付行為を行おうとする者に対して、警告を行うものです。
なお、本プランにおいては対抗措置の発動にあたって、当社取締役会の恣意的判断を排除するため、一定の場合に、株主意思の確認手続きとして、株主意思確認総会における株主投票、または書面投票のいずれかを選択し実施するとともに、株主の皆様に適時に情報開示を行うことにより透明性を確保することとしております。
なお、当社は、現時点において当社株券等の大規模買付行為に係る提案を受けているわけではありません。
本プランの有効期間は、2017年6月28日開催の第116回定時株主総会において承認が得られたため、2020年6月開催予定の定時株主総会終結のときまでとなります。
ただし、係る有効期間の満了前であっても、当社の株主総会において本プランの変更または廃止の決議がなされた場合には、本プランは当該決議に従い、その時点で変更または廃止されるものといたします。また、当社の株主総会で選任された取締役で構成される取締役会により本プランの廃止の決議がなされた場合には、本プランはその時点で廃止されるものといたします。
当社取締役会は、会社法、金融商品取引法、その他の法令若しくは金融商品取引所規則の変更またはこれらの解釈・運用の変更、または税制、裁判例等の変更により形式的な変更が必要と判断した場合には、本プランを修正し、または変更する場合があります。
当社は、本プランが廃止または本プランの内容について当社株主の皆様に実質的な影響を与えるような変更が行われた場合には、当該廃止または変更の事実及び(変更の場合には)変更内容その他当社取締役会が適切と認める事項について、情報開示を行います。
(4)上記取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由
上記(2)の取組みは、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるための具体的方策として策定されたものであり、基本方針に沿うものであります。
また、上記(3)の取組みは、以下の合理性を考慮して設計されているため、基本方針に沿うものであり、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであって、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
① 買収防衛策に関する指針の要件を全て充足していること
本プランは、経済産業省及び法務省が2005年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、事前開示・株主意思の原則、必要性・相当性確保の原則)を全て充足し、企業価値研究会が2008年6月30日に発表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」を踏まえて設計されております。
② 当社の企業価値・株主共同の利益の確保・向上の目的をもって導入されていること
本プランは、当社株券等に対する大規模買付等がなされた際に、当該大規模買付等に応じるべきか否かを株主の皆様がご判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提示するために必要な情報や期間を確保し、株主の皆様のために買付者等と交渉を行うこと等を可能とすることにより、当社の企業価値・株主共同の利益を確保し、向上させるという目的をもって継続導入されるものです。
③ 株主意思を重視するものであること
本プランは、買付者等が本プランに定められた手続きに従うことなく大規模買付等がなされた場合を除き、買付者等による大規模買付等に対する対抗措置の発動について株主の皆様のご意思を直接確認するものです。
また、本プランは、第116回定時株主総会において、株主の皆様のご承認を得たうえで継続したものであり、その後の当社株主総会において本プランの変更または廃止の決議がなされた場合には、当該決議に従い変更または廃止されることになります。従いまして、本プランの継続導入及び廃止には、株主の皆様のご意思が十分反映される仕組みとなっております。
④ 合理的な客観的発動要件の設定
本プランは、合理的かつ客観的な発動要件が充足されなければ発動されないように設定されており、当社取締役会による恣意的な発動を防止するための仕組みを確保しております。
⑤ デッドハンド型若しくはスローハンド型買収防衛策ではないこと
本プランは、当社の株主総会で選任された取締役で構成される取締役会により、いつでも廃止することができるものとされております。従って、本プランは、デッドハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交代させても、なお発動を阻止できない買収防衛策)ではありません。
また、当社は期差任期制を採用していないため、本プランはスローハンド型買収防衛策(取締役会の構成の交代を一度に行うことができないため、その発動を阻止するのに時間を要する買収防衛策)でもありません。
当社グループの経営成績、株価および財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)穀物原料調達
当社グループの主要営業品目の原料である小麦、大豆、菜種、トウモロコシなどは、主に海外から調達しております。そのため、原料コストは、穀物相場ならびに為替相場、さらにはそれらを運ぶ穀物輸送船賃の変動による影響を受けます。また、国際貿易交渉の進展によっては、大幅な影響が発生する可能性があります。小麦については、国の麦政策に基づく売渡制度により調達していることから、その管理手法に大幅な変更があった場合は、影響を受ける可能性があります。
穀物相場の急激な変化は、当社グループの経営成績を大きく左右する可能性がありますが、その影響を最小限に抑えるべく原料価格に見合った適正な製品価格の改定や、コスト削減施策の実施などに努めております。
(2)製品安全
近年、食品の安全性に対する消費者の意識が高まっております。また、法律や国からの指導、安全基準についても一段と厳しくなっております。当社グループは各種安全・安心対策への投資や、製品安全委員会の活動など組織面での対策も実施しておりますが、万一異物混入や香味異常などによる製品回収の事態が発生した場合には、当社グループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
また、BSE(牛海綿状脳症)、口蹄疫、鳥インフルエンザなどの家畜伝染病の発生による配合飼料販売への影響などは、当社グループを含む飼料畜産業界全体の経営成績に影響を与える可能性があります。
(3)大規模災害
当社グループは、生産拠点として各地に工場を有しております。これら工場設置地域においては、安全管理体制の確立や設備補強などの災害対策は講じておりますが、当社グループの想定以上の大規模災害が発生した場合には、当社グループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
(4)情報管理
当社グループでは、コンピューターシステムの安定的な運用体制の整備、情報管理の徹底、コンピューターウィルス対策などを推進しておりますが、当社グループの予想を超えたウィルスや不正アクセスなどがあった場合、情報の漏洩やシステムトラブルによる費用等が発生する可能性があります。
(5)資産運用
当社グループにおける退職給付費用及び退職給付債務の算定につきましては、割引率等数理計算上で設定される前提条件及び年金資産の時価や長期期待運用収益率に基づいているため、実際の結果が設定された前提条件などと異なる場合は、当社グループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。また、経済情勢の変化などにより、当社グループが株式を保有しております企業の倒産や株価低迷により損失を被る可能性があります。
(6)世界規模での感染症拡大(パンデミック)
当社グループでは、新型ウィルスによる感染症が拡大した場合でも操業を維持するための体制整備を行っておりますが、当社グループの予想を超えた規模でのパンデミックが発生した場合に経営成績などに影響を受ける可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の我が国経済は、緩やかな回復基調で推移いたしましたが、為替や株価の不安定な動き等により、依然として先行きが不透明な状況が継続しております。
このような状況の中、当社90周年を迎える2025年度のありたい姿(長期ビジョン)「SHOWA Next Stage for 2025」を策定し、その実現に向けた足場固めと位置付ける1st Stage「中期経営計画17-19」に取り組んでおります。5つの基本戦略「①基盤事業の強化」「②事業領域の拡大」「③社会的課題解決への貢献」「④プラットフォームの再構築」「⑤ステークホルダーエンゲージメントの強化」の各種施策の推進に努めております。
当連結会計年度では、「①基盤事業の強化」「②事業領域の拡大」の施策については、昨年4月2日付でカルビー株式会社よりガーデンベーカリー株式会社の発行済株式の66.6%を取得し、連結子会社といたしました。当社は、株式会社セブン-イレブン・ジャパン向けに小麦粉・ミックス等の原料供給から冷凍パン生地の製造、焼成までの一貫体制を有しており、さらにガーデンベーカリー株式会社とその子会社タワーベーカリー株式会社を含めた相互連携を強化することで、競争力のある商品の開発と生産性の向上を図っております。
さらに、「②事業領域の拡大」の施策については、昨年11月に経済発展が著しいベトナムのハウジャン省に、ダイフォン製粉グループと合弁でMEKONG INTERNATIONAL MIX JOINT VENTURE COMPANY LIMITED(インターミックスメコン社)を設立いたしました。来年春にはプレミックス製造工場の操業開始を予定しており、既存のホーチミンの工場と併せまして2工場体制となります。
これらの結果、当連結会計年度の経営成績は、連結売上高は255,905百万円と前年同期に比べ22,739百万円(9.8%)の増収となりました。営業利益は8,443百万円と前年同期に比べ1,886百万円(28.8%)の増益、経常利益は9,786百万円と前年同期に比べ2,049百万円(26.5%)の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は7,254百万円と前年同期に比べ2,360百万円(48.3%)の増益となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
<製粉事業>
製粉事業につきましては、引き続きマーケット分析力を生かした提案型営業の更なる強化を行ってまいりました。業務用小麦粉の販売数量につきましては、日本麺用、菓子用小麦粉を中心に拡販を行ったことにより、前年同期を上回りました。業務用プレミックス(加工用プレミックス)の販売数量につきましても、前年同期を上回りました。ふすまの販売数量につきましては、前年同期を下回りました。販売価格につきましては、輸入小麦の政府売渡価格が昨年4月に平均3.5%(税込価格)、10月に平均2.2%(税込価格)引き上げられたことを受け、小麦粉製品の価格改定を実施いたしました。また、昨年4月よりガーデンベーカリー株式会社などを連結子会社化したこともあり、売上高、営業利益ともに前年同期を上回りました。
これらの結果、製粉事業の売上高は83,148百万円と前年同期に比べ18,141百万円(27.9%)の増収、営業利益は3,009百万円と前年同期に比べ633百万円(26.6%)の増益となりました。
<油脂食品事業>
油脂食品事業につきましては、業務用では、油脂と食材(ミックス・パスタ)のシナジー効果を生かし、引き続き課題解決型の営業活動を強化してまいりました。その結果、業務用油脂および業務用食材の販売数量につきましては前年同期を上回りました。
家庭用では、他部門と連携した組織営業の推進に努めてまいりました。家庭用食用油の販売数量につきましては、注力しているオリーブオイルが大きく伸長した結果、前年同期を上回りました。家庭用プレミックスの販売数量につきましては、お好み焼粉類がTVCM投入効果等もあり好調でしたが、天ぷら粉類、ホットケーキミックス類が苦戦し、全体では前年同期を下回りました。
油脂全体につきましては、販売管理の徹底により、売上高、営業利益ともに前年同期を上回りました。
これらの結果、油脂食品事業の売上高は80,487百万円と前年同期に比べ2,916百万円(3.8%)の増収、営業利益は4,195百万円と前年同期に比べ2,009百万円(91.9%)の増益となりました。
<糖質事業>
糖質事業につきましては、当社子会社である敷島スターチ株式会社との連携を図り、また低分解水あめ、粉あめなどに代表される独自商品群の提案に努めてまいりましたが、糖化品の販売数量につきましては、前年同期を下回りました。コーンスターチの販売数量につきましては、ビール用途向けの販売は伸び悩んだものの、新規獲得、既存顧客のシェアアップにより、前年同期を上回りました。加工でん粉の販売数量につきましては、他部門とのシナジーを生かした提案型営業を展開することにより、前年同期を上回りました。以上の結果、全体の販売量としては前年同期を上回りました。
引き続き厳しい市況の中、価格改定に努めた結果、売上高は前年同期を上回りましたが、原料穀物相場やエネルギーコスト、物流費などのコスト増加分を転嫁するには至らず、営業利益は前年同期を下回りました。
これらの結果、糖質事業の売上高は33,824百万円と前年同期に比べ988百万円(3.0%)の増収、営業利益は289百万円と前年同期に比べ750百万円(72.1%)の減益となりました。
<飼料事業>
飼料事業につきましては、鶏卵を中心とした畜産物の販売支援による畜産生産者との取り組み強化を図り、営業活動に努めてまいりました。配合飼料の販売数量につきましては、前年同期を下回りましたが、鶏卵の販売数量につきましては、前年同期を上回りました。配合飼料の販売価格につきましては、原料穀物価格の影響により前年同期を上回りました。一方で鶏卵の販売価格につきましては、鶏卵相場の影響により前年同期を下回りましたが、販売数量の増加等により鶏卵の利益は前年同期を上回りました。しかしながら、配合飼料の全てのコスト増加分を相殺するには至らず、飼料事業全体の営業利益は前年同期を下回りました。
これらの結果、飼料事業の売上高は53,265百万円と前年同期に比べ658百万円(1.3%)の増収、営業利益は573百万円と前年同期に比べ46百万円(7.4%)の減益となりました。
<倉庫事業>
倉庫事業につきましては、貨物獲得競争が激化する中、商社や主要顧客との取り組みを強化し荷役量の増加に努めたことにより、売上高は前期並みとなりました。
これらの結果、倉庫事業の売上高は2,843百万円と前年同期に比べ0百万円(0.0%)の増収、営業利益は711百万円と前年同期に比べ15百万円(2.2%)の減益となりました。
<不動産事業>
不動産事業につきましては、所有物件の資産価値向上、リーシングによる売上拡大を図ってまいりました。オフィス用賃貸ビルならびに商業用土地建物の賃料収入は、新規テナント獲得により、前年同期を上回りました。
これらの結果、不動産事業の売上高は2,050百万円と前年同期に比べ63百万円(3.2%)の増収、営業利益は1,160百万円と前年同期に比べ67百万円(6.2%)の増益となりました。
<その他>
保険代理業、自動車等リース業、運輸業等をあわせたその他事業の売上高は285百万円と前年同期に比べ28百万円(9.0%)の減収、営業利益は62百万円と前年同期に比べ36百万円(36.9%)の減益となりました。
(財政状態の状況)
総資産は、174,711百万円と前連結会計年度に比べ4,167百万円増加しております。主な増加要因は、現金及び預金が2,857百万円増加したこと、売上債権が1,972百万円増加したことであります。一方、主な減少要因は、たな卸資産が1,519百万円減少したことであります。
負債は、88,500百万円と前連結会計年度に比べ993百万円減少しております。主な増加要因は、未払金が1,219百万円増加したこと、未払法人税等が958百万円増加したこと、退職給付に係る負債が484百万円増加したことであります。一方、主な減少要因は、有利子負債が3,560百万円減少したことであります。
純資産は、86,211百万円と前連結会計年度に比べ5,161百万円増加しております。主な増加要因は、親会社株主に帰属する当期純利益7,254百万円の計上による増加であります。一方、主な減少要因は、配当金の支払による1,579百万円の減少であります。
これらの結果、自己資本比率は45.8%から47.4%となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益9,430百万円、減価償却費8,556百万円及びたな卸資産の減少等による資金の増加がありましたが、法人税等1,861百万円の支払等があった結果、合計では18,590百万円の収入となり、前連結会計年度に比べ9,008百万円(94.0%)収入が増加しました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、主に有形固定資産の取得で7,702百万円の資金を使用した結果、合計では8,208百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ3,565百万円(30.3%)支出が減少しました。
財務活動によるキャッシュ・フローについては、これらで得たフリー・キャッシュ・フロー10,382百万円を原資として、借入金の返済や配当金1,579百万円の支払等を行った結果、7,525百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ7,121百万円(1,760.8%)支出が増加しました。
以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は6,538百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,857百万円(77.6%)の増加となりました。
③生産、受注及び販売の実績
1 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりとなります。
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セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前年同期比(%) |
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製粉事業 |
72,780 |
31.8% |
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油脂食品事業 |
45,811 |
1.3% |
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糖質事業 |
25,415 |
2.9% |
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飼料事業 |
25,763 |
5.1% |
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合計 |
169,771 |
13.4% |
(注)1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 金額は製造原価によっており、セグメント間取引については相殺消去しております。
3 当該内容は、製品ベースの生産実績によっております。なお、倉庫事業、不動産事業及びその他は生産活動を行っていないため、記載しておりません。
2 受注実績
当社グループは、受注生産を行っておりません。
3 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりとなります。
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セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
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製粉事業 |
83,148 |
27.9% |
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油脂食品事業 |
80,487 |
3.8% |
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糖質事業 |
33,824 |
3.0% |
|
飼料事業 |
53,265 |
1.3% |
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倉庫事業 |
2,843 |
0.0% |
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不動産事業 |
2,050 |
3.2% |
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その他 |
285 |
△9.0% |
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合計 |
255,905 |
9.8% |
(注)1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 セグメント間取引については相殺消去しております。
3 総販売実績に対する主要な取引先の販売実績の割合が10%未満のため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、時価による測定を含め、会計上の見積りを行うに際して使用した重要な仮定は、合理的であると判断しております。
②財政状態及び経営成績の分析・検討内容
「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照下さい。
③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性の分析
ⅰ)キャッシュフローの状況の分析・検討内容
「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。
ⅱ)資本の財源及び資金の流動性の分析
当社グループは、経済環境や金利動向を考慮しながら、「金利優位性の高い資金を、必要な金額だけ、安定的に調達すること」を基本方針とし、事業運営上必要な資金の確保及び経済環境の急激な変化に耐えうる流動性の維持に努めております。
調達手段として、長期運転資金及び設備投資資金については、営業活動により得られたキャッシュ・フロー及び金融機関からの長期借入を基本とし、短期資金需要については、営業活動により得られたキャッシュ・フロー、コマーシャル・ペーパーの発行及び金融機関からの短期借入を基本としております。
また、当社グループは、当社及び国内連結子会社にキャッシュ・マネジメント・システム(CMS)を導入し、グループ内資金を一元管理しております。グループ内の余剰資金を集中、配分することで、資金の流動性確保、資金効率の向上及び金融負債の極小化を図っております。
その他の経営上の重要な契約は次のとおりであります。
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会社名 |
契約締結先 |
契約内容 |
契約締結年月日 |
有効期間 |
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当社 |
鹿島飼料㈱ |
配合飼料委託加工製造契約 |
1992年4月1日 |
1994年3月31日まで、以降1年毎延長。 但し、期間満了3ヶ月前までに書面による申出によって終了できる。 |
当社グル-プの研究開発は、基盤事業の持続的成長に貢献するために生産技術力、ユーザーコミュニケーション
力のブラッシュアップに取り組むとともに、新製品開発や新たな分野への挑戦に繋がる創造的な新技術の開発、食
の安全・安心を確保する技術の確立などを主眼に活動を展開しております。
食品関連の研究開発は、当社船橋工場(千葉県船橋市)内に、研究開発拠点(名称:RD&Eセンター)を設置し業務に取り組んでおります。飼料事業の研究開発は、飼料技術センターで行っておりましたが、2019年4月よりRD&Eセンターへ統合いたしました。また、研究開発力、事業化推進力などの強化に努めるため、大学や公的研究機関との連携のほか、他業種との交流を活発に行っております。
セグメントごとの研究開発活動は以下のとおりであります。
<製粉事業>
製粉工程の効率化や品質安定化など製粉技術の向上に関する研究のほか、ベーカリー用や麺用の小麦粉製品、ベ
ーカリー用プレミックス、天ぷら粉、冷凍パン生地、調理冷凍食品などの各種製品開発を行いました。主として食
品加工メーカーやコンビニエンスストア向けに供給しております。業務用製品としてフランスパン用粉「ブレドA」を、また一般ユーザー向けとして糖質オフニーズに応じたパン用、麺用、菓子・ドーナツ用ミックス粉を新発売しました。
なお、製粉事業に係る研究開発費の金額は
<油脂食品事業>
油脂および大豆たん白製品の製造技術向上に関する研究や、様々な用途に合わせて機能で差別化した油脂製品及び業務用食材としての天ぷら粉、から揚げ粉などの開発を行いました。主として食品加工メーカーやスーパーのバックヤード向けに供給しております。一般ユーザー向けとして機能性油脂製品を、業務用製品として天ぷら粉『珀金天ぷら粉』、バッターミックス『かつ揚げ職人』を新発売しました。また家庭用食材としては2018年秋に「昭和謹製お好み焼粉・たこ焼粉」、「オリーブオイル生活」、「だしがきいてるから揚粉かつお風味」、「お釜にポン乳酸菌プラス」を、2019年春に「もちぷっち」、「もちもちパンミックス」、「野菜のだしがきいてるから揚粉」を新発売しました。油脂製品との最適な利用方法の研究・提案を行って、当社グループのシナジー効果を活かすことに努めております。また油脂製品との最適な利用方法の研究・提案を行って、当社グループのシナジー効果を活かすことに努めております。
なお、油脂食品事業に係る研究開発費の金額は
<糖質事業>
トウモロコシからコーンスターチを製造する工程の最適化研究や、優れた食品加工特性などの機能を有する食品
素材として、デキストリンやオリゴ糖などの糖化製品をはじめとする新しい糖質の研究開発を行っております。こ
のような機能性を有する糖化製品においては、お客様への提案に繋げる取り組みとして用途開発も進めておりま
す。また、各種飲料、菓子、乳製品など幅広い用途で、お客様のニーズに合わせた新製品を開発しました。
なお、糖質事業に係る研究開発費の金額は
<飼料事業>
養鶏分野においては、食感および加工特性に優れた差別化卵の研究開発を行いました。また、飼料原料の国内自給率向上に向けて、農水産業における未利用資源の有効活用に取り組み、採卵鶏の生産性改善が期待される新技術を開発しました。
養鶏分野では、採卵成鶏用飼料における飼料米の給与効果、および風味特性に優れた特殊卵に関する研究開発を
行いました。
養豚分野では、飼料の利用効率を改善するための加熱加工技術について研究を行いました。また、食用パスタ製
造時に発生する副産物である「パスタ屑」について、豚用の飼料原料として実用化しました。
なお、飼料事業に係る研究開発費の金額は
(注) 基礎的研究開発費の金額825百万円についてはセグメント分類上全社費用として取り扱っております。