文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営戦略(長期ビジョン・中期経営計画)
当社グループは「人々の健康で豊かな食生活に貢献する」ことをグループ経営理念とし、1936年の設立以来、小麦、大豆、菜種、トウモロコシなどの穀物を、小麦粉、プレミックス、植物油、糖化製品、配合飼料などに加工し、
「食」を通じた社会への貢献を志してまいりました。一層の発展のため、創立90周年にあたる2025年度のありたい姿(長期ビジョン)「SHOWA Next Stage for 2025」を策定し、その実現に向けては、3年間の中期経営計画を3次にわたり展開しております。
1st Stageとなる「中期経営計画17-19」では「ありたい姿の実現に向けた足場固め」を基本方針として、収益基盤の強化に取り組んでまいりました。2020年4月よりスタートしました2nd Stage「中期経営計画20-22」は「確立」のステージとして位置付け、当社グループならではの新しい価値をステークホルダーの皆様にお届けすべく、基本コンセプト「SHOWA New Value Creation」を掲げ、基盤事業をより一層盤石にし、成長事業の育成に取り組んでおります。
■「SHOWA Next Stage for 2025」の内容
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ありたい姿 |
全てのステークホルダーに満足を提供する “穀物ソリューション・カンパニー Next Stage” ~幹を太くし、枝葉を広げ、世の中のためになる果実を育てる~ |
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方 針 |
昭和産業グループならではの複合系シナジーソリューションを進化させると共に、ESG視点での取り組みも強化し、企業価値の向上に努めてまいります。 |
■「中期経営計画20-22」について
「中期経営計画20-22」は、長期ビジョンの中間地点であることから、「確立」のステージとして位置づけ、当社グループならではの新しい価値をステークホルダーの皆様にお届けすべく、基本コンセプト「SHOWA New Value Creation~SHOWAだからできる新たな価値とは~」を掲げ、基盤事業の盤石化と成長事業の育成に取り組んでおります。なお、「中期経営計画20-22」では長期ビジョンの数値目標の達成にむけたマイルストーンとして引き続き数値目標を掲げるとともに、基本戦略③「社会的課題解決への貢献」における非財務目標を掲げ、事業活動を通してESG経営を推進するCSV戦略を更に展開してまいります。
非財務目標につきましては、「中期経営計画20-22」のスタート時より、CO2排出量と食品ロスに関する目標を設定して活動を推進してまいりましたが、2021年の政府による「温室効果ガス2013年度比46%削減」の決定、ならびに昨今の環境課題に対する取り組みを強化すべく、これまでの目標を見直し、改めて設定いたしました。
〔基本方針〕
基盤事業の盤石化と成長事業の育成
〔基本戦略〕
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① 基盤事業の強化 |
・グループ会社間の連携強化によるサプライチェーン改革 ・シェア拡大に向けた生産能力増強・ソリューション提案強化 ・高付加価値商品の開発 |
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② 事業領域の拡大 |
・消費スタイル変化に伴う国内外の新たな領域・地域での市場拡大 |
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③ 社会的課題解決への 貢献 |
・事業活動を通してESG経営を推進することで、新たな価値を創出し、持続可能な社会の実現に貢献(CSV戦略の更なる展開) |
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④ プラットフォームの 再構築 |
・イノベーション創出に向けた経営基盤の確立 ・事業ポートフォリオ管理体制の強化 |
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⑤ ステークホルダー エンゲージメントの 強化 |
・自らの透明性を高め、ステークホルダーの皆様から信頼されるため、対話を強化し、パートナーシップを更に推進 |
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〔数値目標〕 |
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〔非財務目標〕 |
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連結売上高(※1) |
2,800億円 |
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CO2排出量(※2) |
46%以上削減 |
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連結経常利益 |
130億円 |
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食品ロス(※3) |
30%以上削減 |
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ROE |
9.0%以上 |
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水使用量原単位(※4) |
12%以上削減 |
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女性管理職数(※5) |
2倍以上 |
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※1)「収益認識に関する会計基準」等適用による影響(売上高の減少)を含む
※2)2030年度目標
対 象:昭和産業グループ会社(連結子会社、生産系非連結子会社)
基準年:2013年度
※3)2025年度目標
対 象:昭和産業及び食品ロス発生量が100t/年以上のグループ会社
(昭和産業、スウィングベーカリー、グランソールベーカリー、ガーデンベーカリー、タワーベーカリー、昭和冷凍食品の6社)
基準年:2018年度
※4)2030年度目標
対 象:昭和産業グループ会社(水質汚濁防止法、下水道法による特定施設を有する事業者)
基準年:2019年度
原単位分母:生産量
※5)2022年度目標
対 象:昭和産業単体
基準年:2016年度~2018年度平均
(2) 対処すべき課題
当社グループを取り巻く環境は、新型コロナウイルス感染症の影響により、経済・社会活動が制限され、極めて厳しい状況が続いております。さらに、南米の天候不順やウクライナ情勢の混迷等から穀物原料価格が騰勢を強めてきていることに加えて、円安基調やエネルギーコストの上昇等、引き続き不透明な状況が続いております。
このような厳しい事業環境下において、当社の事業を取り巻く環境を、「マクロ環境」「ビジネス環境」「市場環境」の3つの視点で分析し、「新しい基軸によるニーズの高まり」や、「最新技術を利用した飛躍的な生産性の向上」、「消費・ライフスタイルの変化に伴う新たな領域・地域での市場拡大」等を、中期的な新たな事業機会と認識しております。当社グループは、多種多様な穀物を扱う穀物ソリューション・カンパニーとして、その総合力、技術力を活用し、「中期経営計画20-22」の5つの基本戦略に沿って、長期ビジョンの実現に向けて取り組んでまいります。
■「中期経営計画20-22」の基本戦略
[基本戦略① 基盤事業の強化]
・プレミックスの生産能力増強を目的として約62億円を投資し、船橋工場内に船橋プレミックス第2工場を建設しております。予定している2022年6月操業開始に向け、順調に工事は進んでおります。新工場では、最新の自動化設備やIoTによる高い生産性と、生産リードタイムの短縮・多品種小ロット生産を実現させます。船橋プレミックス第2工場の稼働により、更なるプレミックスのシェア拡大を図ってまいります。
・2021年10月1日付けで、株式会社内外製粉の販売部門を昭和産業に統合いたしました。昭和産業グループとしての効率的な製造拠点整備を更に進めてまいります。
・2020年12月に完全子会社化した、サンエイ糖化株式会社とのグループシナジーの早期発揮に向けて、両社一体となり、販売チャネルや原料調達力、技術力、研究開発力などの融合による、新たな価値の創造に取り組んでおります。
[基本戦略② 事業領域の拡大]
・2020年9月29日付けでボーソー油脂株式会社を完全子会社化いたしました。これにより、当社グループに新たに「こめ油」という油種が加わり、競争力強化を図っております。油脂食品事業は厳しい状況ではありますが、両社の持つ経営資源や知見を相互に活用し、事業のシナジーを最大化させてまいります。
・健康志向の高まりや環境に配慮した食品として注目されている、植物由来の「プラントベースフード」の開発・販売の強化を図っております。
2022年3月1日に、家庭用新商品として、大豆たん白(大豆ミート)を使ったパスタソース『たっぷり大豆ミートのボロネーゼソース』を発売いたしました。また、大豆胚芽そのものの「風味」と「形状」を生かし、イソフラボン や オリゴ糖 を豊富に含む新素材「大豆Hi!芽」を開発いたしました。「大豆Hi!芽」は、ご飯やパン、菓子、冷凍食品など様々な用途で使用できる素材として、多くのお客様へのご提案を行っております。
引き続き、「健康」をキーワードに、植物由来食品の開発を図ってまいります。
[基本戦略③ 社会的課題解決への貢献]
・「持続可能な生産活動」への取り組みとして、約4億円を投資して鹿島工場コージェネレーション設備の燃料を石炭から都市ガスにシフトする燃料転換工事を実施いたしました。2021年9月13日より運転を開始し、年間約6.3万tのCO2排出量を削減いたします。
・当社グループの持続的成長とサステナブルな社会の実現の両立を目指し、2021年11月26日付で「昭和産業グループ サステナビリティ基本方針」を制定いたしました。
・2021年12月20日付けで、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言に賛同を表明いたしました。今後も、社会的課題の解決に向けた取り組みや気候変動による事業への影響の低減に向けた活動を推進していくとともに、TCFD提言に基づいた情報開示を進め、ステークホルダーの皆様との対話を積極的に進めてまいります。
・当社の従業員の健康維持・健康増進に対する取り組みが評価され、2022年3月9日付で経済産業省と日本健康会議が共同で選定する「健康経営優良法人2022(大規模法人部門)」に認定されました。今後も、従業員の健康の維持・向上に取り組み、持続的な成長を実現することで社会に貢献してまいります。
[基本戦略④ プラットフォームの再構築]
・顧客課題解決型の提案を行う営業組織として、2021年4月1日付で営業部門にソリューション営業部を創設し、当社グループならではの幅広い素材と技術を生かした研究開発と密接に連携する営業体制により、お客様のビジネスに貢献する様々な取り組みを展開しております。
・昨今の、企業へのサイバー攻撃の増加や、手口の高度化、巧妙化に対処するため、当社においても「リスク管理」強化の一環として、「ゼロトラスト」の考え方に基づくセキュリティシステムの導入を進めております。
「クラウド」シフトや「テレワーク」が進む中、今まで以上に、情報セキュリティの強化を図り、安定した企業活動を進めるとともに、多様な働き方への対応も併せて、進めてまいります。
[基本戦略⑤ ステークホルダーエンゲージメントの強化]
・「昭和産業グループ サステナビリティ基本方針」において、「ステークホルダーとのエンゲージメント推進」を、サステナビリティの重点課題の1つと位置づけ、全てのステークホルダーの皆様とのエンゲージメント深化を通して社会との共生を目指してまいります。
■気候変動への取り組みとTCFDへの対応
昨今、気候変動が社会、企業活動に与える影響は非常に大きくなっております。当社グループは「穀物ソリューション・カンパニー」として、大地の恵みである穀物を多種多量に取り扱っており、気候変動は社会が直面し、対応が急務である最も重要な課題の一つと認識しております。
当社グループは「人々の健康で豊かな食生活に貢献する」を経営理念とし、1936年の創業以来「安全・安心な食品を安定的に供給する」という社会的使命のもと、企業の社会的責任を果たす経営に取り組んできております。ステークホルダーの皆様からの期待や社会からの要請に適宜適切に応えるべく、現行の「中期経営計画20-22」の基本戦略③「社会的課題解決への貢献」においても、「環境への配慮」を経営のマテリアリティ(重要課題)の一つとして設定し、取り組んでおります。
2021年12月には「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言に賛同を表明し、合わせて同提言に賛同する国内企業等により構成される「TCFDコンソーシアム」にも参画いたしました。気候変動による事業への影響の低減とともに、気候変動に伴う社会的課題の解決に向けた活動を推進してきており、TCFD提言に則った「ガバナンス」、「戦略」、「リスク管理」、「指標と目標」の4項目の情報開示を積極的に進め、ステークホルダーの皆様との対話を進めてまいります。
a.「ガバナンス」
重要な気候関連のリスク及び機会を特定し、適切にマネジメントするために、社長が委員長を務め全役員及び全部署長が委員となっているサステナビリティ委員会傘下の環境管理委員会に、専門委員会としてTCFD委員会を設置しております。TCFD委員会は、TCFD提言に基づくシナリオ分析を実施するとともに、関連する委員会やグループ会社各社と緊密に連携し、毎期それらの対応に関する計画を策定し、遂行状況については環境管理委員会に報告し承認を得ております。環境管理委員会はTCFD委員会の活動状況のモニタリングとともにグループ環境目標の進捗管理を実施しており、その結果はサステナビリティ委員会及び経営会議の承認を経て、取締役会に原則年1回報告しています。取締役会は当社グループの環境課題への対応及び実行した施策についての監督を行っております。
b.戦略
当社グループはIPCC(気候変動に関する政府間パネル)で示されているシナリオを参照し、その中から2つのシナリオ(2℃未満、4℃)について財務的影響及び事業戦略への影響を評価するとともに、気候関連リスク及び機会に対する当社グループの戦略のレジリエンスの確認と追加施策の必要性の検討を目的として、シナリオ分析を実施しております。
初回となる当期のシナリオ分析は、当社グループの事業セグメントの1つである「糖質事業」について実施致しました。当該セグメントを選定した理由は、糖質事業は当社グループのCO2排出量の約60%、水使用量の約90%(2019年度にて算出)を占めるなど環境負荷が最も大きく、優先して取り組むことで事業戦略における環境負荷軽減の取り組みを加速させる必要があると判断したためであります。糖質事業以外の事業につきましても、順次シナリオ分析及び施策を進め、積極的な情報開示を図ってまいります。
(前提条件)
①対象期間 ⇒ ~2030年、~2050年
②対象事業 ⇒ 当社グループの「糖質事業」
③影響度評価の要件 ⇒ ・気候変動シナリオ(IPCC等)に基づき分析
・項目別に対象期間内に想定される財務的影響を算定
・「リスク」は事象が発生した際の財務的影響で算定
・「機会」は事業戦略への影響の重要性から判断
・公共インフラの開発、技術の進歩、社会情勢の変化は考慮しない
下の表は、糖質事業に関するシナリオ分析で特定された重要なリスク及び機会の一部を抜粋したものであります。
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区分 |
シナリオ分析に基づく当社グループの リスク及び機会の内容及び影響(糖質事業) |
当社グループの 対応方針 |
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リスク及び機会の 内容 |
財務的影響 |
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2030年 |
2050年 |
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2℃ 未満 |
4℃ |
2℃ 未満 |
4℃ |
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リスク |
移行 リスク |
政策及び法規制 |
炭素税・ 炭素価格 |
生産活動でのCO2排出に応じた炭素税支払いによる収益の減少 |
A |
- |
A |
- |
CO2排出抑制のための設備投資 |
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市場 |
低炭素 需要への 対応 |
低炭素製造された商品ニーズの高まりによる収益の減少 |
C |
C |
B |
B |
低炭素製造(再生可能エネルギー使用)された商品の品揃えの充実 |
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|
バイオマス燃料用途の需要増加によるトウモロコシ価格の上昇 |
C |
- |
C |
- |
- |
||||
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低炭素製造を実現するための設備投資額の増加 |
C |
C |
C |
C |
- |
||||
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物理的リスク |
慢性的 |
平均気温 上昇 |
トウモロコシの収量減少に伴う原料価格の上昇 |
B |
B |
B |
A |
歩留向上のための製造技術開発 |
|
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機 会 |
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製品及び サービス |
気候変動に伴い発生する様々な動向(消費者嗜好・行動、企業への要求など)の変化 |
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動向の変化に対する柔軟な適応 |
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財務的影響評価
A:財務的影響が20億円以上と想定されるもの
B:財務的影響が10億円以上20億円未満と想定されるもの
C:財務的影響が10億円未満と想定されるもの
c.リスク管理
TCFD委員会が特定した気候変動に関連する当社グループ全体の重要なリスクの評価及び対応計画については、「a.ガバナンス」に記載のとおり、取締役会に報告され監督を受けております。「a.ガバナンス」で記載した体制に加え、TCFD委員会は環境管理委員会内の環境3部会及び事業系戦略推進委員会と連携し、重要なリスク及び機会の特定を行います。また、サステナビリティ委員会傘下のリスクマネジメント委員会はリスクの影響額と発生頻度の2軸からモニタリングし、リスク低減のためのPDCAサイクルと当社グループ全体の目標進捗を確認しております。
・「サステナビリティ委員会」(1年に1回)
サステナブルな社会の実現と当社グループの持続的な企業価値向上の両立を目指し、「安心・安全で高品質な製品の提供」「公正な企業活動」「人権尊重」「環境への配慮」「社会への貢献」「ステークホルダーとの対話・情報開示」「リスクマネジメント」等の課題への対応を包括的に推進する委員会。委員長は代表取締役社長執行役員。
・「環境管理委員会」(1年に1回)
サステナビリティ委員会傘下の委員会で、主に環境に関する経営課題に取り組む。当社グループの環境基本方針に基づき毎年の環境目標、中長期目標、施策などの決定、進捗管理とともに環境関連データの管理を行う。委員長は管理部門統轄の取締役常務執行役員。
・「リスクマネジメント委員会」(1年に1回)
サステナビリティ委員会傘下の委員会で、主に長期ビジョン達成を阻害するリスクについてモニタリングを行う。企業活動のあらゆる場面におけるリスクを継続的に分析し、社会、環境および企業経営に対して影響額・発生頻度の観点からグループ全体に大きな影響を及ぼすリスクに適切かつ迅速に対処することで、社会から信頼の得られる企業グループとして、持続的に発展していくことを目指す。委員長は管理部門統轄の取締役常務執行役員。
・「TCFD委員会」(随時開催)
気候変動のリスクと機会をTCFD提言に基づいて整理し、“経営戦略”及び“リスク管理”に適切に反映させる。その上で、この対応状況をステークホルダーに発信し、当社グループが、企業として持続的に成長可能なことを示す。委員長は管理部門統轄の取締役常務執行役員で、副委員長は糖質事業担当の取締役常務執行役員。
・「環境3部会」
環境管理委員会内に当社グループのサステナビリティ推進の観点から設置した「CO2排出量削減部会」「食品ロス削減部会」「水使用量削減部会」の3つの部会。当社及びグループ会社の実務担当レベルのメンバーで構成され、グループ環境目標達成の取り組みを行う。
・「事業系戦略推進委員会」
中期経営計画推進にあたり、中長期的な事業毎の課題に対して組織的に対応し、PDCAマネジメントサイクルを確実に回していくことを目的とする。委員長は営業部門統轄の取締役専務執行役員。
d.指標と目標
当社グループは、CO2排出量削減については2019年度に2013年度比26%削減目標を掲げるなど様々な取り組みを進めてまいりましたが、2021年10月22日に我が国の温室効果ガス削減目標が46%削減(地球温暖化対策推進本部)へ引き上げられたことに合わせて、当社グループとしましても、グループのCO2排出量削減目標を2030年度に2013年比46%削減に改定致しました。
また、食品メーカーである当社グループとしましては、環境目標としてCO2排出量削減だけでなく、独自に「水使用量原単位削減」及び「食品ロス発生量削減」についても目標を設定しております。
環境目標達成のためのさらなる施策の検討と取り組みを引き続き進めてまいります。
◆糖質事業のCO2削減目標進捗状況
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目標値 |
項目 |
基準年の 対象範囲 |
基準年 |
目標年 |
基準年度の 排出量 |
2021年度の 排出量 |
評価 |
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CO2排出量 46%以上 削減 |
Scope1,2(※1) |
当社の糖質工場、敷島スターチ㈱、サンエイ糖化㈱ |
2013年 |
2030年 |
26.7万t |
20.6万t (基準年比 22.7%削減) |
糖質事業については「b.戦略」に記載のとおり、今後は環境負荷軽減の取り組みを加速させてまいります。
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<参考>◆当社グループのCO2目標進捗状況(上記の糖質事業も含む)
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目標値 |
項目 |
基準年の 対象範囲 |
基準年 |
目標年 |
基準年度の 排出量 |
2021年度の 排出量 |
評価 |
|
CO2排出量 46%以上 削減 |
Scope1,2(※1) |
当社及び子会社(※2) |
2013年 |
2030年 |
45.5万t |
36.9万t (基準年比 18.9%削減) |
生産設備及びユーティリティ設備の更新・増強等の取り組みによりScope1,2の排出量は減少しております。 今後も目標達成に向けて取り組みを加速させてまいります。
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◆CO2以外のTCFD提言に関連した削減目標
下記2点についても、2022年4月22日開催の取締役会に報告の上、当社グループの目標として設定致しました。
次年度以降、目標進捗を情報開示してまいります。
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『2030年度に水使用量原単位を12%以上削減(2019年度比)』
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『2025年度に食品ロス(※3)発生量を30%以上削減(2018年度比)』
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※1 |
Scope3については、今後集計・目標設定に取り組んでまいります。 Scope1:事業者自らの温室効果ガスの直接排出 Scope2:他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出 Scope3:Scope1、Scope2以外の間接排出(事業者の活動に関連する他社の排出)
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※2 |
2013年度基準排出量には、2014~2021年度に子会社となった11社(セントラル製粉㈱、ガーデンベーカリー㈱、タワーベーカリー㈱、スターベーカリー㈱、ボーソー油脂㈱、長岡油糧㈱、クミアイ油脂㈱、ムサシ油脂㈱、南日本コメ油㈱、東京油脂工業㈱、サンエイ糖化㈱)の2013年度排出量を含みます。また、2021年度に全株式を譲渡し当社グループから離脱した㈱菜花堂の排出量を除いております。
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※3 |
食品ロス発生量の算出方法は、以下に定義する食品ロスの合計値です。 ・素材製造型(昭和産業):食用として計上された製品・商品が廃棄、または飼料用途等の食用目的以外に販売された量の合計 ・加工食品型(ガーデンベーカリー㈱、タワーベーカリー㈱、㈱スウィングベーカリー、グランソールベーカリー㈱、昭和冷凍食品㈱):原料~出荷までに発生した食品廃棄物量
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当社グループでは、年1回、経営目標の達成を阻害する可能性のあるリスクを洗い出し、それらについて「経営への影響度」と「発生可能性」で構成されるリスク基準により評価を行い、リスクの重要度を決定するリスクアセスメントを行っております。これらに基づき、リスク毎に対策を立案しており、万一発生した場合においても影響の極小化に努めております。特に重要度の高いリスクについては、リスクマネジメント委員会にて対応状況をモニタリングし、改善・指導を行う事で対策実行を支援するとともに、リスク低減に向けた継続的なリスクマネジメント活動を展開しております。
認識しているリスクの内、当社グループの経営成績、株価および財政状態等に影響を及ぼす可能性が特に高いと判断しているリスクには以下のようなものがあります。
また、各リスク項目毎の文末における[ ]につきましては、リスクが顕在化した際、当社グループが掲げております、長期ビジョンの※基本戦略の内、主に影響を受ける戦略を示しております。
(※基本戦略につきましては「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 「中期経営計画20-22」について 基本戦略」をご参照下さい。)
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)穀物原料調達
当社グループにおける主要製品の原料となる小麦、大豆、菜種、トウモロコシなどの穀物原料は、主に海外から調達しています。そのため、原料コストは、穀物相場、為替相場及び海上輸送運賃の変動による影響を受けます。また、小麦については主に国の麦政策に基づく売渡制度により調達していることから、国際貿易交渉の進展等により、その管理手法に大幅な変更があった場合には影響を受ける可能性があります。
穀物相場や為替相場の急激な高騰は、製品原価を押し上げ、当社グループの経営成績を大きく左右する可能性があります。影響を最小限に抑えるべく原料価格に見合った適正な製品価格への転嫁、コスト削減施策の実施などに努めております。加えて、為替相場の変動リスクを軽減するために、予め決められたルールに基づき先物為替予約取引を含むデリバティブ金融商品を一部利用しています。
また、穀物原料を継続的に確保するために、生産地での異常気象や輸出国の物流障害等に備えて調達供給地域の分散を図っております。特に小麦については、我が国の主要食糧の安定供給を図る観点から国が一元的に輸入しておりますが、不測の事態に備えて2.3ヶ月分の備蓄在庫を保有しています。飼料穀物は、災害発生などの緊急時の復旧期間を3週間と想定して当社関連会社の穀物サイロ会社において備蓄在庫を保有しております。
[長期ビジョンへの影響:基本戦略①/②]
(2)製品安全
食品の安全性に対する消費者の意識は年々高まっており、法律や国からの指導、安全基準についても一段と厳しくなっております。
当社グループは、食品の安全・安心を確実に実行していくために、HACCPを柱としてISO22000、GFSI認証スキームであるFSSC22000、ISO9001、AIBフードセーフティシステムを包括した当社独自の「食品安全・品質マネジメントシステム(FSQMS)」を運用し、予防的な対策と継続的な改善を行っています。また、万が一にも製品の安全・安心に懸念が生じた場合に備えて、製品回収の仕組み・手順を構築しております。
健康被害や法令違反が疑われる場合は、緊急製品安全委員会で対応を検討の上で製品の回収を決定し、社告やホームページなどで開示する体制をとっております。ただし、これらの想定範囲を超えた事象が発生した場合、原材料の調達不能による操業の停止、製品回収によるコストアップ、一時的な出荷不能に伴う売上高の減少、信用低下に伴う顧客離れによる中長期的な売上高の減少が発生し、当社グループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。また、BSE、口蹄疫、鳥インフルエンザ、豚熱などの家畜伝染病の発生による配合飼料販売への影響などにつきましては、当社グループを含む飼料畜産業界全体に影響を与える可能性があります。
[長期ビジョンへの影響:基本戦略①/②/③]
(3)災害
将来発生が想定される大型地震(南海トラフ巨大地震、首都直下地震など)や、近年多発している気候変動が主因と考えられる風水害(台風・大雨など)などの自然災害は当社グループとしても重大なリスクと認識しております。
当社グループは、生産拠点として全国各地に工場を有しております。これら工場設置地域においては、安全管理体制の確立や設備補強などの災害対策を講じておりますが、想定以上の大規模災害が発生した場合には、従業員の出勤不能、工場の操業停止による製品供給体制の停滞等を招き、当社グループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
災害対策として、平常時においては毎年災害訓練のほか、災害備蓄物資等の点検、整備を行うとともに、災害対策委員会を定期的に開催し、災害発生時の情報ルートや連絡手段の整備等の改善・見直しを行っております。万が一、災害が発生した場合、先ず従業員とその家族の安否を確認の上、災害対策規程に基づき、非常災害にかかる応急措置を迅速・的確に実施して被害の軽減を図ってまいります。
また、事業継続の観点から必要となるシステムについては、直下型地震が発生する等の最悪の事態を想定し、システムがダウンした場合、直ちに予備機に切り替えて事業を継続できる体制を整えております。これに加え今後は、グループ会社を含めたBCP体制の構築を進めてまいります。
[長期ビジョンへの影響:基本戦略:基本戦略①/②/③/④]
(4)情報管理
ICTの発展に伴いサイバー攻撃の手口も年々高度化・巧妙化するなど、当社グループを取り巻く経営環境において、サイバーリスクは高まっております。
当社グループでは、リスクマネジメント委員会傘下の部会として情報セキュリティ委員会を年2回開催し、セキュリティ対策の検討・見直しを継続的に実施しており、当事業年度においてはパソコンの不審なプログラムの動作を検知し、実行を防止する「ゼロトラスト」の考えに基づいたセキュリティシステムを導入しました。また、近年では年々増加する標的型メール攻撃に対するeラーニング、各部署に配置した「IT推進者」への教育の徹底や人的対応力強化に注力しております。ただし、当社グループの想定を上回る新手のサイバー攻撃を受けた場合、システム停止による製品供給の遅れ、情報漏洩による損害賠償、信用低下による顧客離れ等による売上高の減少など、当社グループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。こうしたリスクを低減する施策として、2023年3月期より基幹システムのデータバックアップ方法を見直し、復旧可能な仕組みを構築して参ります。
[長期ビジョンへの影響:基本戦略①/④]
(5)資産運用
当社グループにおける退職給付費用及び退職給付債務の算定につきましては、割引率等数理計算における前提条件及び年金資産の時価や長期期待運用収益率に基づくため、実際の結果が想定した前提条件などと異なり、年金資産の積立不足を補填する必要が生じた場合、追加的掛金拠出等により、当社グループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。当社グループでは財務リスクの圧縮と社員の福利厚生の充実を目的に、企業年金制度の一部にDC(確定拠出型年金)を導入しております。
また、当社は営業戦略上の目的で株式を保有しておりますが、経済情勢の変化などによる企業の倒産や株価下落等により、当社グループの投資有価証券に影響を与える可能性があります。保有する株式については毎年1回、取締役会において、個別の政策保有株式の保有の適否について、株式動向や取引実績などを総合的に勘案して検証を行い、保有の是非についての報告を行っています。保有の妥当性が認められない場合は、適宜、縮減に取り組んでおります。
[長期ビジョンへの影響:基本戦略①]
(6)世界規模での感染症拡大(パンデミック)
当社グループでは、新型ウイルスによる感染症が拡大した場合においても、操業を維持するための体制整備を行っております。平常時はリスクマネジメント委員会を中心として感染症に関する情報収集、事前準備等の対策を行っております。また、感染者が出た場合あるいはその蓋然性が高まった場合には、危機管理規程に基づき社長を本部長とする感染症対策本部を設置し、感染症のまん延防止、及び事業継続に向けて適宜適切に対応する体制を整えています。ただし、パンデミックが発生した場合には、従業員の出勤停止による生産調整等、製品供給体制の停滞を招き、当社グループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
現在、世界的に感染が拡大しております新型コロナウイルス感染症に対しては、社長を本部長とする「感染症対策本部」を設置し、出勤前の検温確認による出勤管理、不要不急の国内外出張の自粛、テレワーク(在宅勤務)、時差出勤の推奨、オンライン会議の活用など密集化防止のための施策など、感染拡大防止と社員の健康管理を徹底する対策を講じております。従業員に感染が確認された場合は、速やかに当該従業員の行動履歴調査による濃厚接触者の特定、及び当該事業所の消毒などを実施いたします。なお、従業員に濃厚接触者が発生した場合は、保健所等の指示に従い自宅待機と毎日の検温等による体調管理を徹底いたします。
ただし、今後さらに感染が拡大した場合や事態が長期化した場合、消費動向の変化による影響や予想を超えた数の従業員・お取引先様の感染などにより、当社グループの生産活動や販売活動など、事業活動全般が制約される事で、当社グループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループとしましては、今後も引き続き、お取引先様、お客様及び当社グループ従業員・家族の安全と健康を最優先に、食品メーカーとして安全・安心・安定供給の責任を果たすべく、事業の継続に努めてまいります。
[長期ビジョンへの影響:基本戦略①/②/③/④]
(7)企業買収及び合弁事業
当社グループは、長期ビジョンの基本戦略となる「基盤事業の強化」及び「事業領域の拡大」を実現するための手段として、国内外の企業買収や海外現地パートナーとの合弁等の可能性を常に検討しております。
企業買収や合弁事業の実施にあたっては、当社グループ独自に策定したガイドラインに基づいた検証・審査プロセスを実施すると共に、外部専門家を活用することでリスクの低減を図っております。しかし、対象となる事業の環境変化等により、当初の想定通りにシナジー効果等が創出できない場合、当社グループの期待する成果が得られない可能性があります。また、企業買収等に伴い計上したのれん及び顧客関連資産については、それぞれの事業価値及び将来の収益力を適切に反映したものと考えておりますが、対象となる事業において当初想定していた収益力が低下するなどの理由により減損損失が発生し、当社グループの経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。
[長期ビジョンへの影響:基本戦略①/②]
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
1) 経営成績の状況
当連結会計年度の我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中、個人消費はワクチン接種などの対策により一時持ち直しの動きがみられたものの、年明け以降のオミクロン株の感染者の急増により、まん延防止等重点措置の適用を受けた自粛ムードの再燃を背景に消費関連業種の景況感が下振れする等、年度を通し総じて厳しい状況となりました。
原料穀物は、世界的に旺盛な需要に加え、ウクライナ情勢の深刻化による供給懸念により、原料穀物相場は歴史的高値で推移しております。また、油脂原料である菜種は天候不順による油分低下に伴い歩留が悪化しております。さらに、為替相場の円安ドル高進行による輸入コストの上昇やエネルギーコストの高騰なども重なり、極めて厳しい経営環境が続いております。
このような状況の中、当社は創立90周年を迎える2025年度のありたい姿(長期ビジョン)「SHOWA Next Stage for 2025」の実現に向けた2nd Stage「中期経営計画20-22」に取り組んでおります。長期ビジョンの「確立」のステージと位置づけ、5つの基本戦略においては、これまでの「①基盤事業の強化」に注力しつつも、軸足を「②事業領域の拡大」「③社会的課題解決への貢献」へと大きく移し、それらを支える「④プラットフォームの再構築」「⑤ステークホルダーエンゲージメントの強化」についても優先度を高めて各施策の推進に努めております。
当連結会計年度の経営成績は、連結売上高が287,635百万円と前年同期に比べ31,637百万円(12.4%)の増収となりました。営業利益は5,564百万円と前年同期に比べ2,029百万円(26.7%)の減益、経常利益は6,576百万円と前年同期に比べ2,637百万円(28.6%)の減益、親会社株主に帰属する当期純利益は4,006百万円と前年同期に比べ6,108百万円(60.4%)の減益となりました。
なお、当連結会計年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収
益認識会計基準」と言う。)等を適用しております。
これに伴い、当連結会計年度の売上高は19,102百万円減少し、営業利益、経常利益及び税金等調整前当期純利益
には影響ありません。詳細は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 注記事項 (会計方針の変更)」をご参照ください。
セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
<製粉事業>
製粉事業は、新型コロナウイルス感染症の影響により、外食や土産品、コンビニエンスストア向けの日配品等において厳しい状況が継続しております。マーケット分析力を生かし、ターゲット業態別での提案型営業の強化を行ってまいりましたが、業務用小麦粉の販売数量については、前年同期を下回りました。一方で、冷凍食品やテイクアウト等の新たな市場や需要への取り組みに注力したこと等により、業務用プレミックスの販売数量については、前年同期を上回りました。ふすまの販売数量については、前年同期を上回りました。販売価格については、輸入小麦の政府売渡価格が昨年4月に平均5.5%(税込価格)、10月にさらに平均19.0%(税込価格)引き上げられたことを受け、小麦粉製品の価格改定を実施いたしました。
営業利益については、焼成パン事業の収益改善や業務用プレミックスの販売増などにより前年同期を大幅に上回りました。
これらの結果、製粉事業の売上高は78,154百万円と前年同期に比べ3,838百万円(5.2%)の増収、営業利益は3,555百万円と前年同期に比べ1,850百万円(108.5%)の増益となりました。
<油脂食品事業>
油脂食品事業は、原料穀物相場の過去に例を見ない急激かつ大幅な高騰により、大変厳しい状況となりました。原料コストの上昇に伴い、油脂製品については昨年3月、6月、8月、11月、本年3月の5度にわたる価格改定を発表し、販売価格の改定を最優先に取り組んでまいりました。しかしながら、秋以降は乾燥によるカナダ産菜種の油分低下による歩留悪化や円安ドル高進行の影響も加わり、原料コスト上昇を吸収することができませんでした。
業務用については、油脂と食材(プレミックス・パスタ)のシナジー効果を生かし、課題解決型の営業活動を強化してまいりました。製粉・糖質事業等と連携を図ることで販売拡大と新たな販路開拓に取り組んだことに加え、2020年7月にボーソー油脂株式会社を子会社化したことにより、業務用油脂の販売数量は、前年同期を上回りました。また、主要販売先である外食向けの売り上げが回復したこと等により、業務用食材の販売数量についても、前年同期を上回りました。
家庭用では、依然として内食消費傾向は堅調に推移しております。しかしながら前年の巣ごもり需要に伴う大幅増加の反動を受け、家庭用食用油、小麦粉、プレミックス(お好み焼き粉、ホットケーキミックス等)、パスタの販売数量については、前年同期を下回りました。
これらの結果、油脂食品事業の売上高は100,426百万円と前年同期に比べ11,892百万円(13.4%)の増収、営業利益は1,020百万円と前年同期に比べ2,098百万円(67.3%)の減益となりました。
<糖質事業>
糖質事業は、当社子会社である敷島スターチ株式会社や2020年12月に子会社化したサンエイ糖化株式会社との連携を図り、提案型営業の強化による低分解水あめ、粉あめなどの独自商品群の拡販に努めてまいりました。新型コロナウイルス感染症の影響により厳しい市場環境が続きましたが、糖化品の販売数量については、前年同期を大幅に上回りました。コーンスターチの販売数量については、工業用途等の需要が減少し前年同期を下回りました。加工でん粉の販売数量についても、食品用途・工業用途ともに需要が減少したことから前年同期を下回りました。
営業利益については、サンエイ糖化株式会社の子会社化による増益要因がありましたが、原料穀物相場の高騰や円安ドル高進行、エネルギーコスト上昇の影響等により前年同期を下回りました。
これらの結果、糖質事業の売上高は51,349百万円と前年同期に比べ14,742百万円(40.3%)の増収、営業利益は550百万円と前年同期に比べ1,126百万円(67.2%)の減益となりました。
<飼料事業>
飼料事業は、原料穀物相場の高騰や円安ドル高進行により原料コストが大きく上昇する中、コストに見合った適正価格での販売を進めてまいりました。また、顧客のニーズに対する提案型営業や畜産物の販売支援による畜産生産者との取り組み強化、高付加価値商材の拡販に努めてまいりました。配合飼料の販売数量については、前年同期を下回りました。鶏卵の販売数量については、前年同期を上回りました。配合飼料の販売価格については、価格改定により前年同期を上回りました。また、鶏卵相場が前年同期を上回る水準で推移したことから、鶏卵の販売価格についても前年同期を上回りました。なお、配合飼料につきましては、新型コロナウイルス感染症による影響は限定的でした。
これらの結果、飼料事業の売上高は52,819百万円と前年同期に比べ1,199百万円(2.3%)の増収、営業利益は484百万円と前年同期に比べ532百万円(52.4%)の減益となりました。
<その他>
倉庫業は、新型コロナウイルス感染症の影響による荷動きの停滞により貨物収容スペースが圧迫される中、隣接する当社関連サイロ会社との連携を図り、効率的な荷役に努めてまいりました。
これらの結果、不動産業、保険代理業、自動車等リース業、運輸業、植物工場等もあわせたその他の売上高は4,886百万円と前年同期に比べ35百万円(0.7%)の減収、営業利益は1,543百万円と前年同期に比べ283百万円(15.5%)の減益となりました。
2) 財政状態の状況
総資産は、231,306百万円と前連結会計年度に比べ17,996百万円増加しております。主な増加要因は、棚卸資産が10,819百万円増加したこと、売上債権が7,995百万円増加したことであります。
負債は、122,216百万円と前連結会計年度に比べ11,987百万円増加しております。主な増加要因は、有利子負債が7,649百万円増加したこと、仕入債務が6,987百万円増加したことであります。一方、主な減少要因は、設備関係債務が1,449百万円減少したことであります。
純資産は、109,089百万円と前連結会計年度に比べ6,009百万円増加しております。主な増加要因は、親会社株主に帰属する当期純利益4,006百万円の計上により増加したこと、新株予約権の行使により資本金1,515百万円及び資本剰余金1,515百万円が増加したことであります。一方、主な減少要因は、配当金の支払による2,135百万円の減少であります。
これらの結果、自己資本比率は46.7%から45.7%となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益5,832百万円、減価償却費9,990百万円及び仕入債務の増加等による資金の増加がありましたが、法人税等の支払3,298百万円、売上債権の増加及び棚卸資産の増加等があった結果、合計では1,334百万円の収入となり、前連結会計年度に比べ12,435百万円(90.3%)収入が減少しました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得11,187百万円及び投融資による支出447百万円等で資金を使用した結果、合計では11,729百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ14,646百万円(55.5%)支出が減少しました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払2,135百万円、長期借入金の返済1,466百万円及び転換社債型新株予約権付社債の償還による支出1,175百万円等がありましたが、コマーシャル・ペーパーの発行13,000百万円等により8,405百万円の収入となり、前連結会計年度に比べ5,395百万円(39.1%)収入が減少しました。
以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は9,170百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,989百万円(17.8%)の減少となりました。
③生産、受注及び販売の実績
1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりとなります。
|
セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
製粉事業 |
70,250 |
4.1% |
|
油脂食品事業 |
74,166 |
41.9% |
|
糖質事業 |
43,200 |
65.0% |
|
飼料事業 |
33,833 |
31.7% |
|
その他 |
182 |
1,479.8% |
|
合計 |
221,634 |
29.1% |
(注)1 金額は製造原価によっており、セグメント間取引については相殺消去しております。
2 当該内容は、製品ベースの生産実績によっております。
2) 受注実績
当社グループは、受注生産を行っておりません。
3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりとなります。
|
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
製粉事業 |
78,154 |
5.2% |
|
油脂食品事業 |
100,426 |
13.4% |
|
糖質事業 |
51,349 |
40.3% |
|
飼料事業 |
52,819 |
2.3% |
|
その他 |
4,886 |
△0.7% |
|
合計 |
287,635 |
12.4% |
(注)1 セグメント間取引については相殺消去しております。
2 総販売実績に対する主要な取引先の販売実績の割合が10%未満のため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表等は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準等に基づき作成されております。この連結財務諸表等の作成にあたっては、期末日における資産および負債、会計期間における収益および費用に影響を与えるような仮定や見積りを必要とします。過去の経験および状況下において妥当と考えられた見積りであっても、仮定あるいは条件の変化等の不確実性により、実際の結果と異なる場合があります。
また、連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
なお、当連結会計年度の連結財務諸表の作成にあたっての、新型コロナウイルス感染症の影響に関する仮定については「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 注記事項(追加情報)」をご参照下さい。
当社グループはこの仮定のもと、会計上の見積り(固定資産の減損、棚卸資産の評価、繰延税金資産の見積り等の検討)を行っておりますが、翌連結会計年度の経営成績および財政状態に与える影響については、現時点において重要な影響はありません。
②財政状態及び経営成績の分析・検討内容
「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照下さい。
③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性の分析
1) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。
2) 財務政策
当社グループは、経済環境や金利動向を考慮しながら、「金利優位性の高い資金を、必要な金額だけ、安定的に調達すること」を基本方針とし、事業運営上必要な資金の確保及び経済環境の急激な変化に耐えうる流動性の維持に努めております。
当連結会計年度末における自己資本比率は45.7%ですが、この水準を維持するとともに、㈱日本格付研究所における格付(A-、安定的)の維持、向上を目指してまいります。
3) 資金需要
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、当社グループ製品製造のための原材料の購入等の製造費並びに販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。営業費用の主なものは人件費及び発送配達費です。
投資資金需要のうち主なものは、製造工場の設備新設、維持、更新等、基盤事業における生産効率向上のための設備投資です。
また、長期ビジョン実現のための資金需要として、将来の企業価値の源泉となる投資については、財務健全性の維持と資本効率性の向上を考慮しながら積極的且つ継続的に実施していく方針です。
4) 資金調達
当社グループの調達手段として、長期運転資金及び設備投資資金については、原則営業活動により得られたキャッシュ・フロー及び金融機関からの長期借入を基本とし、必要に応じて社債等による資金調達も実施してまいります。短期資金調達については、営業活動により得られたキャッシュ・フロー、コマーシャル・ペーパーの発行及び金融機関からの短期借入を基本としております。
また、当社グループは、当社及び国内連結子会社にキャッシュ・マネジメント・システム(CMS)を導入し、グループ内資金を一元管理しております。グループ内の余剰資金を集中、配分することで、コスト低減に努めつつ資金の流動性確保、資金効率の向上及び金融負債の極小化を図っております。さらに、緊急時の流動性確保への備えとして、複数年のコミットメントライン契約を締結しております。
④新型コロナウイルス感染症の影響
「2.事業等のリスク (6)世界規模での感染症拡大(パンデミック)」をご参照下さい。
その他の経営上の重要な契約は次のとおりであります。
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会社名 |
契約締結先 |
契約内容 |
契約締結年月日 |
有効期間 |
|
当社 |
鹿島飼料㈱ |
配合飼料受委託加工製造 契約 |
2021年9月1日 |
2022年3月31日まで、以降1年毎延長。 但し、期間満了3ヶ月前までに書面による申出によって終了できる。 |
(注)1992年4月1日に締結した契約の内容を一部変更し、2021年9月1日に再締結しております。
当社グループの研究開発は、基盤事業の持続的成長、事業領域の拡大に貢献するため、新製品開発や新たな分野への挑戦に繋がる創造的な新技術の開発に注力しております。また、生産技術力向上、食品の安全・安心を確保する技術の確立に取り組んでいます。
千葉県船橋市にあるRD&Eセンターを主な研究開発拠点として、お客様をはじめ社内外とのコミュニケーションの活性化を図り、複合系シナジーソリューションの提供に努めております。そして、研究開発力、事業化推進力などの強化を図るため、大学や公的研究機関との連携のほか、他業種との交流を行っております。
セグメントごとの研究開発活動は以下のとおりであります。
<製粉事業>
製粉工程の効率化や小麦粉品質安定化など製粉技術の向上に関する研究のほか、パン・菓子用や麺用の小麦粉、パン・菓子用プレミックス、バッターミックス、冷凍パン生地などの各種製品開発および各顧客のニーズに応じた改良を食品加工メーカーやコンビニエンスストア向けなどに行いました。また、製パン性に優れ、歯切れのよい食感が特徴のパン用小麦粉『ブレードランナー』、麺の麦の風味を向上させる『グランアロマミックスN-99』などを開発し、顧客提案を進めました。
なお、製粉事業に係る研究開発費の金額は
<油脂食品事業>
油脂や大豆たん白製品の製造技術向上に関する研究や、様々な用途に合わせた機能で差別化した業務用油脂製品、および業務用向け天ぷら粉、から揚げ粉などのプレミックス製品の開発、改良を行いました。それら業務用製品は、食品加工メーカー、外食チェーンやスーパーのバックヤードなどに供給しております。また、油脂製品、小麦粉やプレミックス製品、糖質製品との最適な利用方法の研究・提案を行い、当社グループのシナジー効果を活かすことに努めております。
また、家庭用食材として、2021年9月に『蒟蒻効果(グルコマンナン入りパスタ)』の大容量サイズなどを商品化し、2022年3月に自社製造の大豆たん白を使用した『たっぷり大豆 ミートのボロネーゼソース』の開発、『もう包まない!混ぜ餃子の素』のリニューアルなどを行い、商品化しました。
なお、油脂食品事業に係る研究開発費の金額は
<糖質事業>
トウモロコシからコーンスターチを製造する工程の最適化研究や、加工でん粉、オリゴ糖など食品加工特性などに特徴がある糖質の研究開発を行っており、結晶化しやすく、液状の食品を固めたり、粘度を出す特徴を持つ粉あめ『AmyloSoln』を上市しました。また、グループ会社のサンエイ糖化製の『マルトビオン酸含有水あめ』と組み合わせた機能性の高い用途開発も進めており、各種飲料、菓子、乳製品など幅広い用途で、お客様のニーズに合わせた提案を多数行いました。
なお、糖質事業に係る研究開発費の金額は
<飼料事業>
採卵鶏用飼料や豚用飼料における機能素材の給与効果や、加工特性に優れた特殊卵に関する研究開発、加工卵の製造方法に関する検討を行いました。また、当社グループおよび外食チェーンのお客様における食品廃棄物などを飼料に有効活用する研究を進めております。
なお、飼料事業に係る研究開発費の金額は各セグメントに含まれない基礎的研究開発費の金額に含まれています。
(注) 基礎的研究開発費の金額981百万円についてはセグメント分類上全社費用として取り扱っております。