第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用・所得環境に改善が見られ、景気は緩やかな回復基調が続いておりますが、個人消費への波及には遅れが見られ、中国経済をはじめとするアジア新興国経済の減速の影響もあり、先行き不透明な状況が続いております。

砂糖業界におきましては、消費者の低甘味嗜好を背景に、安価な輸入加糖調製品や高甘味度人工甘味料の増加などから砂糖消費量は減少傾向にあり、厳しい状況が依然として続いております。

このような状況のもと、当連結会計年度の売上高は、前期比0.3%増の57,823百万円となり、経常利益は前期比1.5%減の2,244百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比2.3%減の1,362百万円となりました。

 

セグメント別の概況は次のとおりであります。

 

<砂糖事業>

海外砂糖市況につきましては、ニューヨーク市場粗糖先物相場(当限)において1ポンド当たり期初12.32セントで始まり、8月には世界的な供給過剰感やブラジル通貨レアル安の進行等により10.39セントまで下落しましたが、12月には主要生産国の減産見通しやブラジルのエタノール需要拡大による砂糖減産見込等により、15.58セントまで上昇しました。その後、投機資金の流出等により12セント台まで下落する局面もありましたが、世界的な砂糖供給不足の拡大見込による需給逼迫感が台頭してきたこと等により相場は上昇し、15.35セントで当期を終えました。

一方、国内砂糖市況につきましては、期初185~186円(東京精糖上白現物相場、キログラム当たり)で始まり、海外砂糖相場の変動を受け、10月には2円下落し183~184円になりましたが、2月には4円上昇し187~188円となり、そのまま当期を終えました。

ビート糖は、白糖の販売量はほぼ前期並となりましたが、生産増加に伴う原料糖の販売増加があり、販売量、売上高とも前期を上回りました。

精糖は、販売量はほぼ前期並となりましたが、市況下落に伴う販売価格の低下があり、売上高は、前期を下回りました。

砂糖セグメントの売上高は、39,705百万円(前期比1.8%増)となり、セグメント利益は110百万円(前期比59.4%減)となりました。

 

<食品事業>

イーストは、販売価格の上昇に加え、販売量の増加もあり、売上高は前期を上回りました。

オリゴ糖等機能性食品は、オリゴ糖等の販売量が増加し、売上高は前期を上回りました。

食品セグメントの売上高は、2,649百万円(前期比11.8%増)となり、セグメント利益は317百万円(前期比118.4%増)となりました。

 

<飼料事業>

配合飼料は、販売量は増加しましたが、販売価格の下落により、売上高は前期を下回りました。

ビートパルプは、生産量は増加しましたが、販売量が減少し、売上高は前期を下回りました。

飼料セグメントの売上高は、8,681百万円(前期比4.4%減)となり、セグメント利益は236百万円(前期比27.9%減)となりました。

 

 

<農業資材事業>

紙筒(移植栽培用育苗鉢)は、主にそ菜用の販売数量の減少により、売上高は前期を下回りました。

農業機材は、移植機関連の販売減少等により、売上高は前期を下回りました。

農業資材セグメントの売上高は、4,133百万円(前期比5.5%減)となり、セグメント利益は372百万円(前期比13.5%減)となりました。

 

<不動産事業>

不動産事業は、新規賃貸物件もあり、売上高、営業利益とも増加しました。
 不動産セグメントの売上高は、1,352百万円(前期比1.7%増)となり、セグメント利益は864百万円(前期比3.2%増)となりました。

 

<その他の事業>

その他の事業は、貨物輸送等が好調でしたが、石油類の販売価格下落により売上高は減少しました。
 その他の事業の売上高は、1,301百万円(前期比14.2%減)となり、セグメント利益は135百万円(前期比129.1%増)となりました。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、4,594百万円の収入となり、前連結会計年度に比べ、2,446百万円の資金の増加となりました。

これは、主にたな卸資産の増減額の減少により1,547百万円、売上債権の増減額の減少により709百万円の資金の増加となったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、2,178百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ、847百万円の資金の増加となりました。

これは主に国庫補助金等の受入による収入の減少により677百万円、貸付けによる支出の増加により227百万円の資金の減少となったものの、有形固定資産の取得による支出の減少により1,868百万円の資金の増加となったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、1,091百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ、2,379百万円の資金の減少となりました。

これは、主に短期借入金の返済による支出の増加により2,000百万円、自己株式の取得による支出の増加により349百万円の資金の減少となったことによるものであります。

 

以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ1,324百万円増加し、11,452百万円となりました。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

砂糖

42,304

3.7

食品

1,961

2.6

飼料

8,911

2.6

農業資材

3,489

3.7

合計

56,666

3.5

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 金額は、期中の平均販売価格に生産数量を乗じて算出しております。

3 不動産事業の主な内容は、不動産賃貸等のため、記載しておりません。

4 その他の事業の主な内容は、輸送サービス等のため、記載しておりません。

5 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注実績

一部受注生産を行っておりますが、受注生産高の売上高に占める割合の重要性が乏しいため、記載を省略しております。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

砂糖

39,705

1.8

食品

2,649

11.8

飼料

8,681

△4.4

農業資材

4,133

△5.5

不動産

1,352

1.7

その他

1,301

△14.2

合計

57,823

0.3

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

㈱明治フードマテリア

27,663

48.0

27,466

47.5

三菱商事㈱

6,572

11.4

6,688

11.6

 

3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【対処すべき課題】

砂糖業界におきましては、少子高齢化や消費者の低甘味嗜好に加え、安価な輸入加糖調製品や高甘味度人工甘味料の増加などから砂糖消費量は減少傾向にあり、依然として厳しい状況が続いております。
 また、昨年10月5日に大筋合意されたTPP(環太平洋経済連携協定)では、砂糖については現行の糖価調整制度が維持されることになりましたが、加糖調製品のTPP輸入枠設定による輸入量増加等、今後の砂糖需要に与える影響が懸念されるため、関連する動向等を引き続き注視する必要があります。

平成27年産の原料甜菜は、芽室・美幌・士別各製糖所管内とも生育期間を通じて概ね天候に恵まれ、順調に生育しました。ここ数年、十勝を中心に被害が拡大していた西部萎黄病についても比較的発生が少なく、秋も冷涼に経過したため、高収量高糖分となり製造コスト低減につながりました。

当社グループといたしましては、砂糖をはじめ各製品において、引き続きコスト削減を徹底するとともに、適正価格での販売に努め、収益力の確保、経営基盤の安定化を図ってまいります。

また、品質管理を徹底し、安全性及び品質の更なる向上を図り、皆様に信頼される製品の提供に心がけてまいります。

 

当社グループといたしましては、厳しい企業環境に対処するため、競争力の強化を中長期的な重点課題として取り組んでおります。

 

品質競争力の強化

品質管理の徹底を図り、安全で高品質の製品を生産し、品質面での優位性を確保します。

 

コスト競争力の強化

原材料・需要品調達段階でのコスト削減、製造工程でのコスト削減、効率的投資による省エネ・合理化、流通体制の効率化等により、コスト削減を推し進めます。

 

営業競争力の強化

各営業所を通じたユーザーサポートを一層きめ細やかに展開し、競争力アップを図ります。また、ユーザーニーズの多様化、流通形態の変化などに対応できる態勢作りを進めます。

 

企業競争力の強化

長年の研究により培われたバイオ技術を具体化し、新規事業の開発と既存事業の裾野拡大を図ってまいります。

 

(会社の支配に関する基本方針)

当社は、「開拓者精神を貫き、社会に貢献しよう」の社是のもと、北海道寒地農業の振興と国内甘味資源自給率確保の社会的使命を企業理念として、主業のビート糖事業を中心に公益性の高い事業を営んでおります。

甜菜(ビート)は、北海道の畑作農業において欠くことのできない基幹作物の一つであり、ビート糖事業には原料生産者をはじめ多くのステークホルダーが存在しており、企業利潤追求の枠を超えて、長期的かつ安定的に事業を継続することが求められております。

ビート糖事業は、天候に大きく左右されることはもとより、WTO、EPA/FTAにおける農業交渉、さらにはTPP交渉参加問題の帰趨など、国際的な政策変動にも大きく影響を受ける状況となっており、今後予想される厳しい企業環境を見据え、財務体質の強化と事業基盤の拡大を図っていかなければなりません。

従いまして、当社は、当社の財務及び事業の決定を支配する者は、事業の社会性を考慮したうえ、様々なステークホルダーとの信頼関係を維持し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を、中長期的に確保・向上させる者でなければならないと考えております。

一方、利得権益獲得のみを追求して大量買付け行為を行う者、あるいは中長期的な経営方針に関する情報を充分提供せずに大量買付け行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として適切ではないと考えます。

なお、「会社を支配する者の在り方」は、最終的には、当社の経営基本方針と大量買付け行為を行う者の経営方針を勘案のうえ、株主の皆様の判断により決定されるべきものと考えておりますので、現時点では具体的な買収防衛策は導入いたしません。

但し、株主の皆様が判断するに当たり、大量買付け行為を行う者が、必要な時間と充分な情報を提供しない場合などは、相当な対抗措置を講ずる必要がありますので、買収防衛策の導入について今後とも検討を続けてまいります。

 

4 【事業等のリスク】

当社グループは、売上高の約7割を砂糖事業が占めており、他の事業におきましても、ほとんどが砂糖事業に付随、又は関連する事業から成り立っております。

従いまして、自然災害や事故等の一般的な企業リスクの他、砂糖事業における以下のような特有のリスクが、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼすと考えております。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において判断したものであります。

 

(1)農業政策の影響に関するもの

主力のビート糖部門は、国が策定する食料自給率の達成、北海道寒地農業の振興、砂糖の安定的な供給を使命として遂行されており、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」等、国の農業政策に大きく関わっております。

また、TPP(環太平洋経済連携協定)、EPA(経済連携協定)、FTA(自由貿易協定)等の進展が、農業政策にも大きく反映される可能性が高く、砂糖事業の業績に影響が出ることが考えられます。

 

(2)原料甜菜の生産状況に関するもの

ビート糖の原料である原料甜菜は、農産物のため、生産量、糖分、品質は天候に大きく左右され、その結果、工場の操業度等に影響を与え、ビート糖部門の収益は、大幅に変動する可能性があります。

 

(3)輸入粗糖の価格変動に関するもの

精製糖の原料である輸入粗糖は、海外砂糖相場や為替相場の影響を受け、調達価格が大きく変動することがあります。また、精製糖の販売価格は、基本的には輸入粗糖の調達価格の変動に準じた動きをしておりますが、海外砂糖相場や、為替相場等の急激な変動を、適宜販売価格に反映できない場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社は、主業である甜菜糖業の基盤強化と新規事業の開発、副業部門の拡大拡充を図るために、総合研究所(北海道帯広市)並びに農技開発課(北海道芽室町)を設け、甜菜と製糖技術を中心とした基礎研究のほか、各種の応用研究、開発研究に積極的に取り組んでおります。

当連結会計年度における研究開発費の総額は552百万円であります。

セグメントごとの研究開発活動を示すと、次のとおりであります。

 

(1) 砂糖事業

甜菜関連では、主として耐病性品種の育成や、紙筒栽培用育苗培地を用いた栽培技術等の研究開発に取り組んでおります。また、継続して基礎的な製糖技術の研究も進めております。

当連結会計年度における研究開発費の金額は289百万円であります。

 

(2) 食品事業

甜菜副産物関連では、オリゴ糖やベタイン、ビートファイバー、ビートセラミドなど当社製品に関して、付加価値を高めるべく利活用研究に継続的に取り組んでおります。

イースト関連では、主としてパン用新菌株の開発を進めると共に、清酒用をはじめとした醸造用途向け乾燥酵母や乳酸菌等の微生物を活用した製パン用副資材の商品化開発を進めております。
 その他、アグリバイオ研究の一環として、農産副産物を原料とする各種バイオ関連素材や機能性素材の研究開発にも取り組んでおります。

当連結会計年度における研究開発費の金額は90百万円であります。

 

(3) 飼料事業

飼料関連では、製糖副産物や社内原料を有効利用し、家畜の生産性向上や健康改善に有用な、機能性の高い飼料の開発を主体に取り組んでおります。また、ユーザーに対する技術サポートの観点から、飼料設計などのシステム開発と粗飼料分析を行っております。

当連結会計年度における研究開発費の金額は100百万円であります。

 

(4) 農業資材事業

農業資材関連では、そ菜や花卉、甜菜など各種作物に利用可能な紙筒移植システムの普及を目的に、土詰播種機や移植機等の関連機器類の開発を行っております。また、紙筒や紙筒製造装置、紙筒移植用苗の栽培に不可欠な培土や下敷紙の開発、改良も進めております。

当連結会計年度における研究開発費の金額は72百万円であります。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 当連結会計年度の経営成績の分析

ビート糖は、生産増加に伴う原料糖の販売増加があり、販売量、売上高とも前期を上回りました。
 精糖は、市況下落に伴う販売価格の低下があり、売上高は、前期を下回りました。
 食品事業につきましては、販売量が増加し、売上高は前期を上回りました。
 飼料事業につきましては、配合飼料の販売価格の下落、ビートパルプの販売量減少により、売上高は前期を下回  りました。
 農業資材事業につきましては、販売減少等により、売上高は前期を下回りました。
 不動産事業は、新規賃貸物件もあり、売上高、営業利益とも増加しました。

これらの結果、当連結会計年度の売上高は、前期比0.3%増の57,823百万円となり、経常利益は前期比1.5%減の2,244百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比2.3%減の1,362百万円となりました。

 

(2) 資産、負債及び純資産の分析

資産の合計は96,191百万円で、前連結会計年度末に比べ1,868百万円の増加となりました。このうち流動資産は46,999百万円となり、主に有価証券の増加により、前連結会計年度末に比べ1,230百万円の増加となりました。また、固定資産は49,191百万円となり、主に投資有価証券の時価の上昇により、前連結会計年度末に比べ638百万円の増加となりました。

一方、負債の合計は29,619百万円で、主に未払法人税等の増加により、前連結会計年度末に比べ346百万円の増加となりました。

純資産は66,571百万円で、主にその他有価証券評価差額金の増加により、前連結会計年度末に比べ1,522百万円の増加となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの分析

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、4,594百万円の収入となり、前連結会計年度に比べ、2,446百万円の資金の増加となりました。これは、主にたな卸資産の増減額の減少により1,547百万円、売上債権の増減額の減少により709百万円の資金の増加となったことによるものであります。

また、投資活動によるキャッシュ・フローは、2,178百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ、847百万円の資金の増加となりました。これは主に国庫補助金等の受入による収入の減少により677百万円、貸付けによる支出の増加により227百万円の資金の減少となったものの、有形固定資産の取得による支出の減少により1,868百万円の資金の増加となったことによるものであります。

また、財務活動によるキャッシュ・フローは、1,091百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ、2,379百万円の資金の減少となりました。これは、主に短期借入金の返済による支出の増加により2,000百万円、自己株式の取得による支出の増加により349百万円の資金の減少となったことによるものであります。

以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ1,324百万円増加し、11,452百万円となりました。

 

(4) 問題認識と今後の方針について

主業の砂糖事業を取り巻く環境は、加糖調製品の輸入、消費者の低甘味嗜好等による需要の低迷など、引き続き厳しい状況が続いております。国内産糖事業者には、従来にも増したコスト削減が求められております。

当社グループといたしましては、製造、販売、管理の各部門の連携強化並びに横断的な効率化を図って、コストの更なる低減を推し進め、収益構造を強化するとともに、効率的な物流及びユーザーサポートの充実を図ってまいります。

また、食の安心・安全に対する消費者の関心が非常に高まっており、今後とも徹底した品質管理により安心・安全な製品を提供していくとともに、流通形態の変化などに対応できる態勢作りを進めてまいります。