第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、本報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

当社は、「開拓者精神を貫き 社会に貢献しよう」の社是のもと、北海道寒地農業の振興と国内甘味資源自給率確保の社会的使命を企業理念として掲げ、安全で高品質の砂糖の安定的供給を主たる目標に事業を遂行しております。

当社グループでは、2022年1月に当社グループが目指す道標として「日甜アグリーン戦略」を掲げ、「てん菜糖業」から「てん菜産業」への飛躍を図り、農業を基盤とした成長事業への展開を図ることといたしました。

(「アグリーン」は「アグリカルチャー」と「グリーン」を掛け合わせた造語)

 

「日甜アグリーン戦略」

調達作物・各種作物栽培方針並びに新たな製品開発方針

・栽培作物中CO吸収能力の極めて高い“てん菜”を、引き続き当社事業の核とし、『持続可能なてん菜産業』実現のため、従来からの砂糖製造に加えて、てん菜を原料とした新たな製品・用途開発(健康食材・食品以外の素材開発など)を目指す。

・原料てん菜及び他作物の栽培方法において、減農薬・減肥料・省人省力化(スマート農業)を目指し、生産者の生産費の低減に資する。

・有機農業を視野に入れた製品群・栽培方法を開発・製造し、国内外に普及させる。

・大量の炭素を長期間貯蔵する林業事業に当社技術(紙筒移植ほか)を活用し国内外に普及させる。

・牛の健康に良い飼料を開発・製造し、牛の長命連産を目指す。

・メタン発生量を減少する家畜用飼料の開発を目指す。

生産から流通までの全工程における取り組み方針

・原料輸送・貯蔵・製造・製品保管・製品輸送・販売において、効率化を目指し、省エネ・省人省力・省資材化を図り、製造費・販売費を低減する。

カーボンニュートラル・環境負荷低減の取り組み方針

・各工場・各事業所・不動産事業等で使用する電力・燃料の脱炭素化を目指す。

・各工場・各事業所から排出される産業副産物の有価物利用を促進(資源の循環利用)。

・社用車、社用農業機械などの使用燃料の脱炭素化を目指す。

・当社製品に使用される化石燃料由来のプラスチック・ビニールなどの包装・容器資材類について、削減並びに代替資材類の使用を促進する。

 

「日甜アグリーン戦略」で諸課題にチャレンジし、持続可能な食料システム構築と新たな価値の創造を目指し、多くの方に支持され続ける企業グループに成長してまいります。

 

(2) 目標とする経営指標

当社の主業である砂糖事業の収益は、原料であるてん菜の収量・糖分・品質、及び国内糖価の指標である砂糖の国際価格の変動などの様々な要因から年度により大きく変動するため、一層のコストダウンの推進を図り、外的変動要因を受けにくい経営基盤の構築を目指します。また、より付加価値の高い事業への多角化等により収益の向上を図ります。

当社グループは、株式価値の向上及び企業体質の強化・充実を図るため経常利益の確保を目指しており、売上高経常利益率を経営指標として設定し、売上高経常利益率4.0%を目標としております。

 

(3) 対処すべき課題及び中長期的な経営戦略

当社グループを取り巻く環境は、消費者の低甘味嗜好や輸入加糖調製品等の代替甘味料の増加等により砂糖の消費減少が続く中、2020年以降はコロナ禍における経済活動抑制の影響が重なり、深刻な砂糖の消費低迷に直面しております。

政府は、砂糖消費が低迷する中で、糖価調整制度の持続性を確保するため、昨年12月の食料・農業・農村政策審議会甘味資源部会での議論を踏まえ、てん菜・てん菜糖への政策支援を、砂糖生産量にして現在の64万トンから2026砂糖年度までに55万トンへ漸減させることを決定しました。砂糖を主な事業とする当社グループにとりましては、非常に厳しい決定となっております。

当社グループは、このような著しい外部環境の変化に適応する経営戦略の再構築が急務と捉えており、今まで以上のコスト削減への努力に加え、適正価格での販売を含めた事業基盤の強化に取り組んでまいります。

 

「第1次日甜グループ中期経営計画結果」(2021年3月期~2023年3月期)

当社グループは2021年3月期から3年間の「第1次日甜グループ中期経営計画」を策定し、砂糖事業のコスト低減、及び第2の柱とした食品事業、飼料事業、農業資材事業の成長等により、経常利益27億円、売上高経常利益率4.6%の達成を目標といたしました。

計画2年目となる2022年3月期には各事業とも好調に推移し、目標値を達成いたしました。

計画の最終年度である当連結会計年度は、目標値を超える更なる成長を図るべきところでありましたが、燃料、原材料、諸資材の供給不安や価格の急騰という外部環境に直面し、経常利益は20億円以下に留まる厳しい状況となりました。

 

「第2次日甜グループ中期経営計画」(2024年3月期~2028年3月期)

砂糖消費の減少や燃料等の価格の高騰は継続しておりますが、この状況下での業績の回復、そして成長を図っていくことを目指し、「第2次日甜グループ中期経営計画」を策定いたしました。

計画期間は、2024年3月期から5年間とし、以下の目標を達成し、持続可能なてん菜産業の実現を図るべく、日甜グループ一丸となり取り組んでまいります。

 

基本方針 「持続可能なてん菜産業の創造にチャレンジし、安全・安心で幸せな社会の実現に貢献していく」

非財務目標

①「お客様満足度の追求」  ・基盤事業である砂糖事業・不動産事業の強靭化

              ・食品事業・飼料事業等の成長事業への経営資源の再配分

②「働きやすい環境の実現」 ・人材への投資

              (適切な成長機会の提供・研修等の充実・就業環境整備)

              ・安全衛生対策・コンプライアンスの徹底

              (安全衛生対策・ハラスメント対策の強化)

③「環境への配慮、社会貢献の推進」・環境負荷低減の取組強化

  (使用電力、燃料の脱炭素の推進)

                 ・地域活性化に向けた取組

  (地域農業の持続的発展への貢献)

                 (地域の食育活動等への支援)

利益目標

最終年度である2028年3月期までに営業利益24億円、経常利益28億円

(砂糖事業の省エネ・省人・省力化や成長分野(食品・飼料・農業資材)の販売強化等で利益拡大を目指します。)

資本政策

1株当たり配当金額50円以上、必要に応じて自己株式を取得

(株主還元により、株式価値の向上と資本効率の改善を目指します。)

 

 

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

当社グループは、「開拓者精神を貫き 社会に貢献しよう」を社是に、主業であるてん菜糖業を通じ、北海道畑作農業の持続的な発展、北海道地域経済の発展に貢献してまいりました。また、国産原料を使用した砂糖を安定的に供給することで、国内食料自給率の維持向上に貢献を続けております。

将来の当社事業の方向性として「てん菜糖業」から「てん菜産業」への飛躍を図ること、農業を基盤とした成長事業の展開を考えております。

今後も目標へのチャレンジを通じ、持続可能な社会の実現と、当社事業の「持続的なてん菜産業」への成長の両立を図るべく、取り組みを進めてまいります。

 

(1)ガバナンス

気候変動への対応を検討するため、経営会議の下にサステナビリティ委員会を設置しております。サステナビリティ委員会は、委員長を社長、副委員長をSDGs担当役員、経営企画室担当役員とし、社内取締役、執行役員で構成され、さらに委員会の下部組織として、具体的内容を検討し、報告する分科会を設けております。

サステナビリティ委員会では、毎年項目ごとの目標値を設定し、結果の検証・次年度以降の目標へ反映を行い、経営会議に報告します。

 


 

(2)戦略

当社グループでは2022年1月にSDGs等の世界的な潮流を踏まえて「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)会社の経営の基本方針」に記載のとおり「日甜アグリーン戦略」を策定しました。この方針を踏まえ、サステナビリティ課題に対する重要課題(マテリアリティ)は以下6項目としております。

1.気候変動への対応

2.資源の有効活用

3.持続的な技術・新商品の開発

4.食の安全・安心

5.働きやすい環境の実現

6.地域社会への貢献

 

 

(温暖化などの気候変動により想定されるリスク)

 

砂糖事業

食品事業

飼料事業

農業資材事業

原料てん菜の収量・品質への悪影響

 

輸入原料(粗糖・配合飼料原料)の
価格高騰・調達難

 

 

製品販売への影響

 

 

 

 

 消費者の嗜好の変化に伴う砂糖・
 イーストの需要の変動

 

 

 牛の食欲低下による配合飼料の売上減

 

 

 

 栽培地域/栽培方法の変化による
 農業資材の需要の変動

 

 

 

環境対策(CO排出量削減など)によるコストの増加

環境対策が不十分な場合のレピュテーションリスク

 

 

<人材の育成方針>

「日甜アグリーン戦略」を実現する為には、多様性確保を含む人材の採用と育成は重要な事項と捉えております。

採用については、インターンシップ等の実施を通じ新規学卒者に対し当社グループの魅力や業務の特性を伝えると共に、若手・女性従業員の視点を取り込み、また当人達の想いを伝えることで、当社グループの企業価値向上につながる人材の確保と、在籍人数が少ない女性総合職の採用増に繋げることに取り組んでおります。また人員構成の改善のみならず専門技能を有する人材獲得を目的にキャリア採用を実施し、組織の中心的立場を担う層を厚くし、継続的な発展を目指します。

育成については、それぞれの分野で長年にわたり蓄積された知識やノウハウを引き継いでいくと共に、多様な視点から新しい技術を取り込み、従業員一人ひとりが成長し、柔軟な発想を持って業務に取り組んでいくことが重要ですので、時代に合わせ研修内容を変化させると共に従業員への教育機会を増加させ、自身の判断で学びを進める仕組みを整えます。また中期的な視点に立ち経営人材育成の為の研修にも取り組んでおります。

 

<社内環境整備方針>

多様な価値観を持つ従業員一人ひとりがやりがいを持って業務に取り組めるよう、「働きがいのある」「働きやすい」「安心できる」環境整備に努めてまいります。

まずは「安全な職場づくり」を最優先とし、「労働災害ゼロ」を関係会社や協力会社と共に実現いたします。その為、リスクアセスメントをはじめとする各種活動を推進すると共に、教育研修や安全審査等の充実を図ってまいります。

また、ハラスメント防止や差別の禁止などコンプライアンス意識の向上に資する教育研修も実施いたします。

さらに、育児や介護、病気療養との両立に資する社内制度を充実させ、安心して働き続けることができる環境を整えると共に、ダイバーシティ、キャリアデザインや評価制度などについての教育研修を充実させることで、多様な人材の活躍を促進し、また若手や当社での経験年数の浅い従業員との対話を充実させることで、定着を促し早期戦力化を図ります。

そして「人材への投資」を重視する視点に基づき、適切な成長機会の提供によるキャリア形成、DX推進による業務改革と効率化を執り進め、本人の希望によって多様な働き方を選択できる制度の普及を図ります。

 

(3)リスク管理

リスク管理推進委員会において、リスクの洗い出し及び評価を行い、取締役会にて報告・審議を行っております。気候変動に関するリスクに対応する各施策について、サステナビリティ委員会のマテリアリティ「気候変動への対応」にて個別に目標設定を行い、経営戦略に組み込んでいきます。

また、エネルギーの使用については、エネルギー管理委員会において、当社グルーブの工場又は事業所等及び貨物の輸送に係るエネルギーの使用を管理し、エネルギーの使用の合理化を総合的に進めております。なお、今期においては2事業所に太陽光発電設備を設置しました。

注:2023年5月12日開催の取締役会で決議された第2次日甜グループ中期経営計画(2024年3月期~2028年3月期)において、サステナビリティ委員会にて目標設定した内容に基づき、非財務目標として、気候変動に対する計画を策定しております。

 

(4)指標及び目標

当社はてん菜から砂糖をつくることを主業としております。大量のエネルギーを消費し、工場を動かすことで製品を作り出す企業にとって、環境への配慮は欠かすことのできない重要な責務です。自然環境に配慮しながら、今後もお客様に安心な製品をお届けし続けるため、環境数値目標として、以下の3項目を設定しております。

 

・CO排出量削減率

2030年度 38%(2013年比)SCOPE1+SCOPE2

・産業廃棄物の有効利用率

2030年度 95%以上(各年総排出量)

・取水量削減率

2030年度 10%(2013年比)

※対象範囲 当社

 

 

<人材の育成及び社内環境整備に関する方針における指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績>

当社では上記(2)戦略において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。

指標

目標

実績(当事業年度)

新卒総合職採用者に占める女性の割合

2030年度 25%以上

50.0%

管理職に占めるキャリア採用者の割合

2030年度 10%以上

8.1%

新卒採用者の定着率

2030年度 90%以上

85.7%

 

※対象範囲 当社

 

なお、当社においては関連するデータの管理とともに、具体的な取り組みが行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われていないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、指標に関する目標及び実績は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。
 サステナビリティに関する当社グループの取組の詳細は、当社ウェブサイト(https://www.nitten.co.jp/)内のサステナビリティ情報にて発信しております。

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

当社グループは、リスク管理体制の構築をリスク管理推進委員会で行っており、その内容につきましては、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載しております。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)砂糖事業への依存に関するもの

当社グループでは、売上高の約7割を砂糖事業が占めており、他の事業におきましても、ほとんどが砂糖事業に付随、又は関連する事業から成り立っております。このため、消費者の低甘味嗜好や安価な加糖調製品、異性化糖、高甘味度人工甘味料の増加等を要因とした国内の砂糖消費量の減少が、当社グループの業績に影響を及ぼすリスクがあります。

(2)農業政策の影響に関するもの

主力のビート糖事業は、国が策定する食料自給率の達成、北海道寒地農業の振興、砂糖の安定的な供給を使命として遂行されており、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」等、国の農業政策に大きく関わっております。

また、TPP(環太平洋経済連携協定)等の国際経済協定の進展が、農業政策にも大きく反映される可能性が高く、砂糖事業の業績に影響を及ぼすリスクがあります。

(3)原料てん菜の生産状況に関するもの

ビート糖の原料であるてん菜は、農産物のため、生産量、糖分、品質は天候に大きく左右され、その結果、工場の操業度等に影響を与え、砂糖事業の業績に影響を及ぼすリスクがあります。

(4)燃料等製糖資材の調達に関するもの

ビート糖の製造に必要な燃料などの資材については、多くを海外から調達しております。このため、資材輸出国の地政学事象を要因とした国際的な需給の逼迫や相場の高騰、さらに為替及び物流事情等により、調達コストに大きな影響が生じ、砂糖事業の業績に影響を及ぼすリスクがあります。

(5)輸入粗糖及び輸入穀物の価格変動に関するもの

精製糖の原料である輸入粗糖、配合飼料の原料である輸入穀物は、海外商品相場や為替相場の影響を受け、調達価格が大きく変動することがあります。また、当該製品の販売価格は、基本的には輸入原料の調達価格の変動に準じた動きをしておりますが、相場の急激な変動を適宜販売価格に反映できない場合、当社グループの業績に影響を及ぼすリスクがあります。

(6)製品の販売価格に関するもの

主力のビート糖事業において、ビート糖は国の糖価調整制度のもと国内産糖交付金の交付を受け、一般顧客向けの白糖と国内精製糖企業向けの原料糖に区分し販売されており、原料糖には入札価格に応じて複数の価格帯が存在しております。その製品販売価格は、海外砂糖相場等の影響を受け大きく変動することがあり、相場が急落し製品の販売価格が下落する場合、砂糖事業の業績に影響を及ぼすリスクがあります。

(7)食品の安全に関するもの

当社グループでは、安心安全な製品を提供するため、「品質保証規程」に基づく管理体制を整えております。加えて、当社の製糖工場は国際的な食品安全マネジメントシステムである「FSSC22000」を取得しており、品質管理体制を継続的に改善し続けていく仕組みを導入しております。しかしながら、万が一、食品安全に影響を及ぼすような事態が起きた場合には、製品回収、再発防止対策等の費用が発生するなど、当社グループの業績に影響を及ぼすリスクがあります。

(8)気象災害、生産停止等に関するもの

当社グループは、北海道の生産拠点を中心に全国へ製品供給を行う事業活動を行っておりますが、台風や地震等の大規模自然災害や火災・停電等の事故災害、北海道の冬期の悪天候等により、製品生産や物流機能に支障が生じるリスクがあります。また、製糖工場等では大規模な装置を保持し稼働させているため、労働災害の発生や、故障等による不測の事態による生産停止等が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(9)気候変動に関するもの

当社の主業である砂糖事業をはじめ、食品事業や飼料事業、農業資材事業において、気候変動による製品需要の変化を受け、営業活動に影響を及ぼす可能性があります。
 その他に、脱炭素社会に向けた政府等の規制強化により事業コストや脱炭素化の進展に伴い調達コストが増加する可能性や、脱炭素への取り組みが不十分な場合の事業機会の損失・社会的信頼の低下等が、当社グループの業績に影響を与えうる可能性があります。

(10)感染症拡大に関するもの

当社グループでは、新型コロナウイルス感染症による生産活動への影響に対処するため、生産、販売、管理等の各拠点において細心の注意を払い、従業員等の安全確保に努めております。しかしながら、新型コロナウイルスを含む感染症が大規模に拡大した場合、生産拠点や事業所の閉鎖、流通やサプライチェーンの混乱等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(11)情報システムに関するもの

当社グループでは、生産、販売、管理等の業務にコンピュータシステムを利用しております。これらを適切に管理するため、情報セキュリティ対策を講じておりますが、サイバー攻撃等により想定を超える事態が発生した場合、大規模なシステム障害や機密情報・個人情報の漏洩により、正常な事業運営が困難となり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

これらのリスクを踏まえ、当社としては安定した経営基盤を築くため、高品質原料の調達及び製糖工場の製造能力を最大限に発揮できるよう取り組むとともに、環境に配慮し省エネや製糖資材使用の抑制や調達等のリスクマネジメント等を推し進め、製造コストの削減に努めてまいります。
 それらに加え、砂糖以外の事業についても、経営の多角化を推進しグループ全体の事業の活性化に努めてまいります。

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①経営成績の状況

当連結会計年度のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が徐々に緩和され、個人消費に緩やかな持ち直しが見られるものの、原材料やエネルギー価格上昇の影響等、先行きが非常に不透明な状況となっております。

消費者の低甘味嗜好や輸入加糖調製品等の代替甘味料の増加等からこれまでも減少傾向にあった国内の砂糖消費量は、コロナ禍の影響によりさらに落ち込み、未だ十分に回復できておらず、砂糖業界は大変厳しい状況となっております。

当連結会計年度は、主に砂糖事業と飼料事業における販売価格の上昇により、売上高は前期比11.1%増の65,013百万円となりましたが、経常利益は、主に原材料価格の高騰やエネルギーコストの増加に伴う飼料事業の減益により、前期比29.3%減の1,993百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比36.2%減の1,260百万円となりました。

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

 

<砂糖事業>

海外市況につきましては、ニューヨーク市場粗糖先物相場(当限)において1ポンド当たり期初19.37セントで始まり、7月にはブラジルの供給増が予想され17セント半ばまで下落したものの、インドに加えタイやブラジルの減産で粗糖の需給が引き締まるとの見方から、22.25セントで当期を終えました。

一方、国内市況につきましては、期初204円~205円(東京精糖上白現物相場、キログラム当たり)で始まりましたが、急激な円安や海外砂糖相場の上昇等により、8月に216円~217円に上昇、さらには2月に227円~229円に上昇し、そのまま当期を終えました。

2022年産の原料てん菜による製糖作業は、10月上旬より開始いたしました。昨年の原料てん菜は、特に十勝地方において夏場の高温多雨により生育が停滞し、収量・品質に影響を受けました。品質管理の徹底による原料てん菜品質の維持・劣化抑制、製糖資材の使用量の抑制に努めましたが、ウクライナ情勢や円安の影響等によるエネルギー価格の高騰等により、製造コストは著しく増加しました。

ビート糖は、新型コロナウイルス感染症の影響により落ちこんだ販売量が、清涼飲料向けや菓子向け等の業務用において回復が見られ、販売価格も上昇したことから、売上高は前期を上回りました。

精糖は、家庭用販売量が減少したものの、業務用販売量の回復と販売価格の上昇により、売上高は前期を上回りました。

砂糖セグメントの売上高は、42,818百万円(前期比13.2%増)となりましたが、エネルギーコストの増加の影響が大きく、243百万円のセグメント損失(前期は331百万円のセグメント損失)となりました。

 

<食品事業>

イーストは、適正価格での販売に努めたこと等により、売上高は前期を上回りました。

オリゴ糖等食品素材は、ラフィノース等のオリゴ糖の販売量が増加し、売上高は前期を上回りました。食品セグメントの売上高は、2,528百万円(前期比7.6%増)となり、49百万円のセグメント利益(前期は21百万円のセグメント損失)となりました。

 

<飼料事業>

配合飼料は、コロナ禍による牛乳消費減退の影響を受けて販売数量は減少しましたが、穀物相場の影響を受けて販売単価が上昇したことにより、売上高は前期を上回りました。

ビートパルプは、原料となるてん菜の収量減少に伴う減産により、販売量、売上高ともに前期を下回りました。

飼料セグメントの売上高は、12,536百万円(前期比11.4%増)となりましたが、原材料価格の高騰やエネルギーコストの増加の影響が大きく、440百万円のセグメント利益(前期比66.7%減)となりました。

 

<農業資材事業>

紙筒(移植栽培用育苗鉢)は、ビート用の販売量が減少したものの、そ菜用の販売量が増加し、売上高は前期を上回りました。

農業機材は、移植機材・播種機材等の売上減少により、売上高は前期を下回りました。

農業資材セグメントの売上高は、4,353百万円(前期比3.0%増)となり、セグメント利益は207百万円(前期比9.1%増)となりました。

 

<不動産事業>

不動産事業は、売上高、営業利益とも、ほぼ前期並みとなりました。

不動産セグメントの売上高は、1,510百万円(前期比2.5%減)となり、セグメント利益は965百万円(前期比0.3%減)となりました。

 

<その他の事業>

その他の事業は、スポーツレジャー施設の来客者数が回復したものの、貨物輸送や書籍販売の減少により、売上、利益とも減少しました。

その他の事業の売上高は、1,265百万円(前期比2.8%減)となり、営業利益は70百万円(前期比25.9%減)となりました。

 

②財政状態

当連結会計年度末の資産の合計は103,149百万円で、前連結会計年度末に比べ2,690百万円の増加となりました。

一方、負債の合計は35,015百万円で、前連結会計年度末に比べ2,475百万円の増加となりました。

純資産は68,134百万円で、前連結会計年度末に比べ215百万円の増加となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ560百万円減少し、10,589百万円となりました。
 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、1,825百万円の支出(前連結会計年度は2,577百万円の収入)となりました。
 これは主に税金等調整前当期純利益1,908百万円、減価償却費2,382百万円等による資金の増加があったものの、売上債権の増加1,436百万円、棚卸資産の増加2,000百万円、仕入債務の減少568百万円、法人税等の支払1,532百万円等による資金の減少があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、1,704百万円の支出(前連結会計年度は489百万円の収入)となりました。
 これは主に定期預金の払戻による収入1,010百万円等による資金の増加があったものの、有形固定資産の取得による支出2,678百万円等による資金の減少があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、2,969百万円の収入(前連結会計年度は1,381百万円の収入)となりました。
 これは主に短期借入金の返済による支出18,330百万円、配当金の支払672百万円等による資金の減少があったものの、短期借入れによる収入22,330百万円等による資金の増加があったことによるものであります。

 

④生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

砂糖

43,426

17.4

食品

1,777

△3.7

飼料

12,282

13.3

農業資材

3,515

1.3

合計

61,001

14.8

 

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、期中の平均販売価格に生産数量を乗じて算出しております。
3 不動産事業の主な内容は、不動産賃貸等のため、記載しておりません。
4 その他の事業の主な内容は、輸送サービス等のため、記載しておりません。

 

b.受注実績

一部受注生産を行っておりますが、受注生産高の売上高に占める割合の重要性が乏しいため、記載を省略しております。

 

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

砂糖

42,818

13.2

食品

2,528

7.6

飼料

12,536

11.4

農業資材

4,353

3.0

不動産

1,510

△2.5

その他

1,265

△2.8

合計

65,013

11.1

 

(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本報告書提出日現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(経営成績の分析)

当連結会計年度の売上高は、前期比11.1%増の65,013百万円となりました。
 砂糖事業においては、海外砂糖相場の上昇等による販売価格の上昇及びコロナ禍からの脱却に伴う業務用出荷の回復により販売数量が増加した結果、増収となりました。また飼料事業においても、穀物相場の上昇に伴う販売価格の上昇により、増収となりました。
 売上原価は、ウクライナ情勢等の影響によるエネルギーコストの高騰、原材料の値上がり等により製造コストが上昇し、前期を上回りました。
 販売費及び一般管理費は、主にビート糖の荷動き回復に伴う運送費の増加等により、前期を上回った結果、営業利益は前期比32.4%減の1,506百万円となりました。

営業外収益及び営業外費用はほぼ前期並となった結果、経常利益は前期比29.3%減の1,993百万円となりました。

特別利益には、投資有価証券の売却益186百万円を計上した一方、特別損失には、固定資産の減損損失243百万円を計上しております。
 以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比36.2%減の1,260百万円となりました。

 

「第1次日甜グループ中期経営計画」の最終年度である当連結会計年度では、目標値を超える更なる成長を図るべく取り組み、売上高については第1次中期計画目標である583億円を達成できましたが、燃料・原材料・諸資材の供給不安や価格の急騰という外部環境の急激な変化を受け、製造コストが上昇し、経常利益は20億円以下に留まる厳しい状況となりました。
 砂糖消費量の減少や燃料等の価格高騰が続き、当社グループを取り巻く環境は厳しい状況にありますが、この状況下での業績の回復、そして成長を図っていくことを目指し、当社グループでは2024年3月期から5カ年の「第2次日甜グループ中期経営計画」を策定いたしました。
 「持続可能なてん菜産業の創造にチャレンジし、安全・安心で幸せな社会の実現に貢献していく」を基本方針とし、砂糖事業の更なるコスト低減、及び食品事業、飼料事業、農業資材事業の成長により売上の増加と利益の回復を目指し、計画最終年度となる2028年3月期までに、営業利益24億円、経常利益28億円を達成することを目標としております。当社グループ一丸となり、持続可能なてん菜産業の実現を図るべく取り組んでまいります。

なお、当社グループは「売上高経常利益率」を目標とする経営指標に設定しております。
 当連結会計年度の売上高経常利益率は3.07%(前期4.82%)で、エネルギーコスト高騰等の外部環境の急激な変化が利益を圧迫し、前連結会計年度に比べ1.75ポイント下落いたしました。引き続き、目標とする4%の達成を目指してまいります。

 

セグメントごとの経営成績は「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりであり、セグメントごとの経営成績の分析は以下のとおりであります。なお、各セグメントの外部顧客に対する売上高の連結売上高に占める割合は、砂糖事業が65.9%、食品事業が3.9%、飼料事業が19.3%、農業資材事業が6.7%、不動産事業が2.3%、その他の事業が1.9%であります。

<砂糖事業>

砂糖事業を取り巻く環境は、消費者の低甘味嗜好や輸入加糖調製品等の代替甘味料の増加等により砂糖の消費減少が続くなか、2020年以降はコロナ禍における経済活動抑制の影響が重なり、深刻な砂糖の消費低迷に直面しております。
 ビート糖はコロナ禍前の水準までには戻っていないものの、清涼飲料や菓子向けの業務用出荷で回復が見られ、白糖、原料糖ともに販売数量が増加し、売上高は前期を上回りました。なお販売価格の基準となる国内砂糖相場は、海外砂糖相場の上昇等を受けて2022年8月に12円、2023年2月に12円それぞれ上昇しました。製造面では、品質管理の徹底による原料であるてん菜の品質維持・劣化抑制、製糖資材の使用量抑制に努めましたが、ウクライナ情勢や円安の影響等によるエネルギーコストの高騰等により、製造コストは著しく増加しました。
 精糖は、厳しい販売環境にあるものの業務用販売数量の回復と販売価格の上昇により、売上高は前期を上回りました。
 販売費は、荷動きの回復に伴いビート糖製品の運送費等が増加し、砂糖事業の利益を押し下げました。

<食品事業>

イーストは価格競争による市場の奪い合い等が激しく、厳しい状況にあります。機能性食品の市場は、健康志向の高まりから成長しているものの流行があり、また新規参入しやすい市場でもあり、安定成長が難しい状況にあります。
 イーストは、適正価格での販売に努めたこと等により、売上高は前期を上回りました。
 またオリゴ糖等食品素材は、ラフィノース等のオリゴ糖の販売量が増加し、売上高は前期を上回りました。
 フラクトオリゴ糖等のオリゴ糖含有液状甘味料の拡販により、売上確保に努めております。

<飼料事業>

北海道の乳牛向け配合飼料の市場規模は約160万トンで、価格競争が激化しており、またビートパルプは需要の落ち込みが懸念されております。
 配合飼料の主原料であるとうもろこし等の価格が、穀物相場の高騰により上昇しているため、販売価格に転嫁しましたが、原材料価格の高騰による製造コストの上昇が大きく、セグメント利益は大幅に減少しました。
 ビートパルプは、てん菜の収量減少に伴い生産数量が減少したことで販売数量も減少し、売上高は前期を下回りました。
 当社が製造している機能性食品素材を配合した製品の開発にも力を入れており、付加価値の高い配合飼料「カウライザー」、「コウシのミカタ」等の拡販に努めており、また輸出に向けた取り組みを始めております。

<農業資材事業>

農業用資材は農業人口・戸数の減少に伴い、市場は減少傾向にあります。
 紙筒(移植栽培用育苗鉢)は、ビート用についてはてん菜の生育方法が移植栽培から直播栽培に変わってきており、販売は減少傾向にありますが、ネギ用を主としたそ菜用は国内をはじめ輸出が拡大傾向にあり、ビート用の売上減少をカバーしております。
 農業用機械は年により受注台数に変動がありますが、紙筒と同様、ビート用だけでなく、タマネギ等そ菜用の開発・販売に努めております。

<不動産事業>

社有の遊休地を有効活用し、不動産事業は着実に売上を伸ばしてきました。
 当連結会計年度においては新規物件はなく、売上高、セグメント利益ともにほぼ前期並みとなりました。
 遊休地はあるものの、高度利用可能な遊休地は少なくなってきており、新規オフィスビル取得の検討、既存テナントとの友好的な関係維持に努めております。

<その他の事業>

その他の事業は、貨物輸送や石炭等の燃料の販売、ボウリング等のスポーツレジャー施設の営業、書籍販売等で構成されております。
 当連結会計年度においては、主に原料であるてん菜の収量減少に伴い貨物輸送が減少し、売上高は前期を下回りました。

 

(財政状態の分析)

資産の合計は103,149百万円で、前連結会計年度末に比べ2,690百万円の増加となりました。このうち流動資産は57,054百万円となり、主に原材料及び貯蔵品の増加により、前連結会計年度末に比べ2,101百万円の増加となりました。また、固定資産は46,094百万円となり、主に製糖所での大型設備投資による機械装置の取得及び建設仮勘定の増加により、前連結会計年度末に比べ588百万円の増加となりました。

一方、負債の合計は35,015百万円で、主に短期借入金の借入を増やしたことにより、前連結会計年度末に比べ2,475百万円の増加となりました。

純資産は68,134百万円で、前連結会計年度末に比べ215百万円の増加となりました。

 

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(キャッシュ・フローの状況)

キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりです。

 

2021年

3月期

2022年

3月期

2023年

3月期

自己資本比率(%)

70.3

67.6

66.1

時価ベースの自己資本比率(%)

23.6

21.6

21.6

債務償還年数(年)

6.5

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

20.0

 

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

債務償還年数:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

(注)1 各指標は、いずれも連結ベースの財務指標数値により算出しております。

2 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

3 営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。なお、20213月期及び2023年3月期の債務償還年数及びインタレスト・カバレッジ・レシオについては、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスのため、記載を省略しています。

4 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。

5 利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 

(資金需要及び財政政策)

当社グループが事業を行う上で必要となる運転資金、設備投資、借入金の返済及び利息の支払い並びに配当金及び法人税の支払い等に資金を充当しております。
 運転資金等の資金需要に対しては、営業活動によるキャッシュ・フローと金融機関からの借入により資金を調達しており、金融機関からの借入金額は年間の資金計画に基づき適切な水準とし、資金繰りを考慮し返済方法を決定しております。また当社及び子会社の余剰資金を、当社グループ内で融通し合うことにより資金の効率化を図り、グループ外部への資金流出を抑えております。
 設備投資については、過剰な投資とならないよう当社グループの現況に見合った年間の投資計画を策定し、老朽化した設備の更新のほか、製造コストの削減、製造工程の改善、製品の品質向上、環境対策等を目的とした設備投資又は将来の利益獲得のための先行投資を行っております。設備投資計画の詳細については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。なお、設備の新設・更新は主として自己資金によっております。
 配当については、当社グループは主業のビート糖事業を中心に公益性の高い事業を営んでおり、長期的かつ安定的な事業継続が求められるため、財務体質の強化と経営基盤の拡大を図ることを重視するとともに、株主の皆様への適切な利益還元を経営上の重要な政策と位置づけ、安定的な配当を継続することを基本方針としております。なお、株式価値の向上及び株主還元の充実を図るために、2024年3月期以降の配当方針を変更し、配当を1株につき50円以上とすることに加え、必要に応じて自己株式を取得することといたします。
 資金の運用については、比較的安全な譲渡性預金で運用しております。
 当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は10,589百万円となり、短期借入れを増やした一方、棚卸資産の増加や法人税等の支払い、有形固定資産の取得等により資金が減少し、前連結会計年度末に比べ560百万円減少いたしました。なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は20,487百万円となりました。
 将来発生し得る資金需要については、営業活動によるキャッシュ・フロー及び手許資金により充当が可能であると判断しており、資金の不足が見込まれる場合には、金融機関からの借入により対処する方針であります。

 

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては会計上の見積りを行う必要があり、期末日現在の資産・負債の金額、偶発的な資産・負債の開示及び報告対象期間の収益・費用の金額に影響を与える様々な見積りや仮定を用いており、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

④経営成績に重要な影響を与える要因と今後の方針について

(経営成績に重要な影響を与える要因)

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「対処すべき課題」及び「事業等のリスク」に記載のとおり、当社グループの売上高の約7割を砂糖事業が占めており、他の事業におきましてもほとんどが砂糖の原料となるてん菜(ビート)由来の製品事業、又は砂糖に関連する事業から成り立っていることから、国内の砂糖消費量及び海外砂糖相場の動向、国の農業政策や砂糖業界を取り巻く国際情勢、てん菜の生産状況など砂糖事業に特有のリスクが、当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
 また昨今のエネルギー価格の高騰及び輸入粗糖・輸入穀物価格の高騰の当社事業への影響は大きく、外部環境の急激な変動を販売価格に転嫁できない場合、当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があります。

(今後の方針)

砂糖業界におきましては、消費者の低甘味嗜好や輸入加糖調製品等の代替甘味料の増加等により、国内の砂糖消費量が減少傾向にあるなど大変厳しい状況にあり、2020年以降はコロナ禍における経済活動抑制の影響が重なり、当社グループを取り巻く環境は一層厳しさを増しております。また、ウクライナ情勢等を受けたエネルギーコスト及び原材料等の高騰により、砂糖を始めとする各製品の製造コストは上昇しており、このような急激な外部環境の変化に適応できる経営戦略の再構築が急務と捉えております。
 当社グループでは「開拓者精神を貫き 社会に貢献しよう」の社是のもと、当社グループが目指す道標として「日甜アグリーン戦略」を策定し、「てん菜糖業」から「てん菜産業」への飛躍を図り、農業を基盤とした成長事業への展開を図ることといたしました。当社グループが抱える諸課題にチャレンジし、持続可能な食料システム構築と新たな価値の創造を目指し、多くの方に支持され続ける企業に成長してまいります。
 「対処すべき課題及び中長期的な経営戦略」に記載のとおり、今後、てん菜生産量の漸減が想定され、当社グループを取り巻く環境は一層の厳しさを増すものと捉えております。このような厳しい経営環境に対処すべく「第2次日甜グループ中期経営計画」を新たに策定し、計画達成に向け取り組みを始めております。本計画では、砂糖事業の更なるコスト低減、及び食品事業、飼料事業、農業資材事業の成長により売上の増加と利益の回復を目指しており、基盤事業として砂糖事業の確固たる構造を維持する一方、成長分野としてフラクトオリゴ糖等の販売強化や農業資材等の海外展開、てん菜の用途拡大を図ることとしております。また新たな資本政策や、環境対策・人材への投資・社会貢献等の非財務目標を掲げるなど、持続可能なてん菜産業の実現を図るべく、当社グループ一丸となり取り組んでまいります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

6 【研究開発活動】

当社は、総合研究所(北海道帯広市)及び農技開発部(北海道芽室町)において、てん菜と製糖技術を中心とした基礎研究のほか、各種の応用研究、開発研究に積極的に取り組んでおります。

2022年1月には「日甜アグリーン戦略」を策定し、持続可能なてん菜産業の実現のため、てん菜を活用した幅広い製品・用途の研究開発を進めてまいります。

当連結会計年度における研究開発費の総額は628百万円であります。

セグメントごとの研究開発活動を示すと、次のとおりであります。

 

(1) 砂糖事業

てん菜関連では、主として耐病性品種の育成や、減農薬・減肥料・省人省力化に向けた栽培技術等の研究開発に取り組んでおります。また、継続して基礎的な製糖技術の研究も進めております。

当連結会計年度における研究開発費の金額は306百万円であります。

 

(2) 食品事業

食品関連では、フラクトオリゴ糖などの新規オリゴ糖開発に加え、てん菜副産物であるラフィノース、ベタイン、ビートファイバーなど、当社製品に関して付加価値を高めるべく利活用研究に継続的に取り組んでおります。

イースト関連では、主としてパン用新菌株の開発を進めるとともに、各種の醸造用途向け乾燥酵母や乳酸菌などの微生物を活用した製パン用副資材の商品化開発を進めております。また、微生物技術の応用として航空機バイオ燃料向けに微細藻類の糖蜜培養技術の検討にも取り組んでおります。

当連結会計年度における研究開発費の金額は116百万円であります。

 

(3) 飼料事業

飼料関連では、製糖副産物のほか、イーストやDFAⅢ等の自社製品を有効利用し、家畜の生産性向上や健康改善に有用な機能性の高い飼料の開発を進めるとともに、地球温暖化への対応として牛呼気中メタンの抑制効果のある新飼料の研究にも取り組んでおります。また、ユーザーに対する技術サポートの観点から、飼養管理技術の体系化と飼料分析を行っております。

当連結会計年度における研究開発費の金額は137百万円であります。

 

(4) 農業資材事業

農業資材関連では、そ菜や花卉、てん菜など各種作物に利用可能な紙筒移植システムの普及を目的に、各種紙筒や土詰播種機・移植機などの農機具、紙筒移植用苗の栽培に不可欠な培土や下敷紙の開発・改良を進めております。また、有機栽培に使用可能な新型紙筒の研究開発にも積極的に取り組んでおります。

当連結会計年度における研究開発費の金額は67百万円であります。