当連結会計年度におけるわが国経済は、良好な企業収益を背景とした雇用情勢や所得環境に改善が見られるなど、景気は総じて緩やかな回復基調が続いております。一方で中国をはじめとする新興国経済の減速、欧州各国の選挙や中近東及び東アジアでの地政学リスクの高まりを受け、先行きは不透明な状況が続いております。
精糖業界においては、依然として加糖調製品、異性化糖及び他の甘味料の浸食などにより、厳しい事業環境が続いております。
この様な経済環境の中で当社グループは、品質管理の徹底を図り、顧客満足度を高め、主力製品である砂糖では製品の安定供給に取り組んでまいりました。また、機能性食品では高付加価値提案型の販売活動に取り組んでまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の当社グループの業績は、売上高19,347百万円(前年同期比0.2%増)、営業利益620百万円(同35.3%減)、経常利益856百万円(同10.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は713百万円(同14.5%増)の増収増益となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
①精糖
精糖事業につきましては、売上高12,255百万円(前年同期比2.4%増)、営業利益1,156百万円(同9.3%減)の増収減益となりました。
海外原糖市況は期初ニューヨーク先物市場15.40セント(1ポンド当たり)で始まり、世界の砂糖需給が各地の異常気象のため、2期連続で大幅な供給不足になるとの見通しから、10月には最高値の23.90セントをつけました。その後、生産が消費を大きく上回るとの見通しから18セント台まで下げました。年明けにはインド減産見込みなどから一旦は反発したものの、大きく回復する力はなく、再び下げに転じ、16.76セントにて期末を迎えました。
一方、国内製品市況は期初東京現物相場188円(上白大袋1キログラム当たり)で始まり、海外原糖相場の上昇により10月に製品出荷価格を5円引き上げ、更に2月に3円を引き上げ、196円で期末を迎えました。
製品の荷動きについては、総じて当期は菓子類、冷菓などが好調に推移したものの、清涼飲料向けなどが減少した結果、ほぼ前年同期並みの販売数量となりました。
しかしながら、国産原料糖買入増加による仕入コストの上昇などにより営業利益は減益となりました。
②機能性素材
機能性素材事業につきましては、売上高6,377百万円(前年同期比5.4%減)、営業損失189百万円(前年同期 営業損失154百万円)の減収減益となりました。
機能性食品素材「イヌリン」は、タイの連結子会社Fuji Nihon Thai Inulin Co.,Ltd.(以下、FTI社)での更なる品質安定化や拡販を図るため同社を100%子会社といたしました。売上高につきましてはFTI社が生産するタイ産イヌリンへの切り替えや製菓、製パン分野など新規採用は順調に増加したものの、大手ユーザー向け販売が回復せず、減収となりました。利益面ではタイ産イヌリンの品質安定化にコストを要したことで減益となりました。
切花活力剤「キープ・フラワー」は、花卉市場が縮小傾向にある中、水揚促進剤「ハイ・スピード」も含め拡販を図りましたが、ほぼ前年同期並みの売上高となりました。利益面では原料コストの抑制及び製造コストの削減を行った結果、増益となりました。
連結子会社ユニテックフーズ㈱におきましては、前期に好調であったゼラチン及びOEMの販売が、当期は通常の取引に留まった結果、減収減益となりました。
③不動産
不動産事業につきましては、売上高598百万円(前年同期比0.3%減)、営業利益535百万円(同1.8%増)の減収増益となり、引続き安定収益確保に貢献いたしました。
売上高は8月に既存所有物件の売却を行ったため減収となったものの、維持管理費などの費用が減少したため増益となりました。
④その他食品
その他食品事業につきましては、DAY PLUS (THAILAND) Co.,Ltd.の製パン事業でありますが、セグメント業績は当期より連結しておりますので前年同期比の記載はありません。なお、当連結会計年度の業績は売上高116百万円となりましたが、工場本稼働の立ち遅れにより営業損失117百万円となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ724百万円減少し、2,083百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
①営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果使用した資金は、621百万円(前年同期1,452百万円収入)となりました。これは主として、たな卸資産の増加等によるものであります。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果得られた資金は、667百万円(前年同期347百万円支出)となりました。これは主として、長期貸付けによる支出があったものの投資有価証券の売却による収入及び長期貸付金の回収による収入等があったことによるものであります。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果使用した資金は、773百万円(前年同期比60.4%増)となりました。これは主として、長期借入金の返済による支出及び連結範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出等があったことによるものであります。
当連結会計年度における生産実績及び商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度(千円) |
前年同期比(%) |
|
精糖 |
12,045,761 |
102.9 |
|
機能性素材 |
1,022,599 |
87.5 |
|
その他食品 |
162,008 |
― |
|
合計 |
13,230,370 |
102.7 |
(注) 上記の金額は、販売価格によっております。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度(千円) |
前年同期比(%) |
|
精糖 |
125,475 |
122.5 |
|
機能性素材 |
4,559,962 |
99.1 |
|
合計 |
4,685,438 |
99.6 |
当社グループは受注生産を行っておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度(千円) |
前年同期比(%) |
|
精糖 |
12,255,921 |
102.4 |
|
機能性素材 |
6,377,194 |
94.6 |
|
不動産 |
598,350 |
99.7 |
|
その他食品 |
116,306 |
― |
|
合計 |
19,347,773 |
100.2 |
(注) 1 上記の金額は、セグメント間取引を相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
|
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
販売高(千円) |
割合(%) |
販売高(千円) |
割合(%) |
|
|
双日㈱ |
9,066,386 |
46.9 |
9,169,840 |
47.4 |
(1) 会社の経営の基本方針
当社の経営理念は『夢のあるたくましい会社』を目指し、健康な生活づくりに貢献することであり、5つの経営方針に基づき、株主、取引先、従業員の満足度を高め、食文化による豊かな生活づくりを通じて社会に貢献し、会社の価値を高めることを基本方針としております。
・「顧客第一主義の徹底」
・「会社の発展と共に社員が成長する企業文化の形成」
・「公正で透明性のある企業活動の推進」
・「社会に評価される企業価値の向上」
・「社会に貢献する企業市民活動の充実」
(2) 目標とする経営指標
当社は、経営の効率化による企業価値の向上に取り組んでおります。重要な経営指標としましては、成長のための売上高増加や資本効率の指標としてROE(自己資本当期純利益率)5%を目指します。
(3) 中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題
当社は、各事業部門における収益力の一層の向上を図り、安定した収益体制を構築しながら、次の中核となる新事業を開拓するための投資やM&Aを実行し、海外事業を積極的に展開推進することで企業の活力を高めるように努める所存であります。
①精糖
砂糖の消費減少傾向に歯止めが掛からない厳しい環境が続く中、営業体制の強化を図り、顧客重視と採算重視の営業に努めてまいります。さらに、堅実で安定した原料仕入を図り、加工費・販売費のコスト削減に努めてまいります。
②機能性素材
機能性食品事業では、イヌリンの国内販売において、機能性表示の早期認可取得を目指し、機能性エビデンスの強化に努め、幅広い分野への拡販を行ってまいります。また、海外販売では、アジア各国への早期販売に取り組んでまいります。さらに各事業においてもコスト削減に努めてまいります。
③不動産
自社所有賃貸物件の環境問題や災害対策に留意した維持管理に注力し、安定収入の確保に努めてまいります。また、必要に応じて保有資産の見直し等を視野に入れながら、安全かつ安定した運用を図ってまります。
④その他食品
製パン事業において、生産の安定化を図り、タイ国内だけでなく、東南アジア諸国への拡販により、早期の黒字化を目指してまいります。
当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには次のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、原則として当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(農業制度の影響)
当社グループの主力の精糖セグメントにおいては、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)、EPA(経済連携協定)などにおける交渉の進展や国内の農業制度の変更が、業績に影響を与える可能性があります。
(生産拠点の集約)
当社の精製糖生産は、大半を他の精製糖製造会社に生産委託しており、生産委託先において、技術的もしくは規制上の問題、または火災等の人災及び地震等の自然災害により、操業停止等の混乱が発生した場合、当該製品の供給が停止し、当社の業績に影響を与える可能性があります。
(製造物責任)
製品の研究、開発、製造及び販売につきまして、潜在的な製造物責任を負う可能性があります。当社グループは、賠償責任保険に加入しておりますが、これらの保険の補償範囲を超えた請求が認められた場合、業績に影響を与える可能性があります。
(原糖価格の変動)
精糖セグメントにおいては、原料糖の仕入の大半を海外からの輸入によりまかなっております。そのため、原糖市況、海上運賃、為替相場、エタノールの需要等の影響により、原料糖仕入価格が変動し、業績に対して影響を与える可能性があります。
(国内製品価格の変動)
精糖製品は、差別化が困難な商品であるため、国内における価格競争の影響により、製品販売価格が下落し、当社の業績に影響を与える可能性があります。
(株式相場の変動)
当社グループは、当連結会計年度末で時価のあるその他有価証券を5,033百万円保有しており、株式相場の変動が、業績に対して影響を与える可能性があります。
(「固定資産の減損に係る会計基準」の適用)
当社グループは、平成18年3月期より「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しております。地価下落及び各事業の収益悪化によって減損損失が発生し、業績に対して影響を与える可能性があります。
(海外事業の展開)
海外での事業活動は、為替変動リスクに加え、予期せぬ法律や規制の変更、政治や経済の情勢悪化等のカントリーリスクが潜在しており、それらが顕在化した場合、業績に対して影響を与える可能性があります。
当社は、太平洋製糖株式会社及び三井製糖株式会社と下記のとおり精製糖の製造委託契約を締結しております。
|
契約会社名 |
相手方の名称 |
契約の内容 |
契約年月日 |
契約期間 |
|
フジ日本精糖㈱ |
太平洋製糖㈱ |
精製糖の製造委託 |
平成13年9月21日 |
当社からの申し出がない限り、太平洋製糖㈱が存続する間。 |
|
フジ日本精糖㈱ |
三井製糖㈱ |
精製糖の製造委託 |
平成16年2月1日 |
平成28年4月1日~ |
当社は、コーナン商事株式会社と下記のとおり事業用土地に関する賃貸借契約を締結しております。
|
契約会社名 |
相手方の名称 |
契約の内容 |
契約年月日 |
契約期間 |
|
フジ日本精糖㈱ |
コーナン商事㈱ |
当社の所有する土地の賃貸 |
平成27年10月1日 |
20年 |
当社は、全社的研究開発機関である研究開発室(全社(共通))において、新素材の生産技術開発及び加工技術開発等の基礎的研究を行っております。
なお、当連結会計年度の研究開発費等に係る会計基準による研究開発費の総額は56百万円であります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しておりますが、連結財務諸表の作成について、一部見積りや仮定によることがあります。採用する見積りや仮定は連結決算日において、入手可能な情報を総合的に勘案し、合理的であると考えられるものを継続的に使用しております。連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針等は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しているとおりであります。
①売上高
当連結会計年度の売上高は、精糖事業で販売数量はほぼ前年同期並みとなったものの、海外原糖相場の上昇により販売単価が上がったことにより、前年同期比35百万円増加の19,347百万円となりました。
②売上総利益
当連結会計年度の売上総利益は、精糖事業での国産原料糖買入増加によるコストが上昇した結果、売上高売上総利益率が20.7%と1.0ポイント減少し、前年同期比186百万円減少の4,001百万円となりました。
③販売費及び一般管理費
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は前年同期比152百万円増加の3,381百万円となりました。これは主として、税率変更による外形標準課税の増加など全社費用が増加したことによるものであります。
④営業利益
当連結会計年度の営業利益は、上記の結果、前年同期比338百万円減少の620百万円となりました。また、売上高営業利益率は1.8ポイント減少し、3.2%となりました。
⑤営業外損益、経常利益
営業外収益は、前年同期比128百万円増加の272百万円となりました。これは主として、持分法による投資利益の増加によるものであります。
営業外費用は、前年同期比109百万円減少の36百万円となりました。これは主として、為替差損の減少によるものであります。
以上の結果、営業外損益は236百万円の利益(純額)となり、経常利益は前年同期比101百万円減少の856百万円となりました。また、売上高経常利益率は0.6ポイント減少し、4.4%となりました。
⑥特別損益、当期純利益
特別損益は、減損損失として344百万円を計上したものの、固定資産売却益として143百万円、投資有価証券売却益として231百万円の合計375百万円を計上したことにより、利益(純額)が30百万円となりました。
これにより、税金等調整前当期純利益は前年同期比68百万円減少の886百万円となりました。
法人税等(法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額)は、前年同期比2百万円減少の452百万円となり、非支配株主に帰属する当期純損失は前年同期比155百万円増加の279百万円となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比90百万円増加の713百万円となりました。また、売上高当期純利益率は0.5ポイント上昇し、3.7%となりました。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ1.2%減少し22,231百万円となりました。当連結会計年度における各財政状態の変動状況は、次のとおりであります。
①資産
資産につきましては、流動資産で前連結会計年度末に比べ0.3%増加し9,313百万円となりました。これは主として、たな卸資産の増加等によるものであります。
また、固定資産につきましては、前連結会計年度末に比べ2.3%減少し12,917百万円となりました。これは主として関係会社長期貸付金の減少等によるものであります。
②負債
負債につきましては、流動負債で前連結会計年度末に比べ6.4%減少し3,823百万円となりました。これは主として、未払法人税等及び未払消費税等の減少等によるものであります。
また、固定負債につきましては、前連結会計年度末に比べ5.4%減少し2,400百万円となりました。これは主として長期借入金の減少等によるものであります。
③純資産
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ0.8%増加し16,006百万円となりました。これは主として、その他有価証券評価差額金の増加及び親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が増加したこと等によるものであります。
キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。