当連結会計年度におけるわが国経済は、政府による経済対策や日銀政策などにより、雇用・所得環境が改善するなど緩やかな回復基調で推移しました。一方、個人消費の伸び悩みに加えて、英国のEU離脱問題や米国の政権移行による海外経済の不確実性の高まりなど、景気の先行きは不透明な状況にあります。
このような環境の中で、当社グループはお客様のおなかの健康に貢献する「おなかにやさしい会社」を目標に、砂糖事業及びバイオ事業の計画達成に向けて全力で取り組んで参りました結果、当期の業績は以下のとおりとなりました。
なお、前連結会計年度末より報告セグメントの区分を変更しております。また、当連結会計年度より、収益認識基準を変更し、遡及適用しております。当変更に伴う影響につきましては「(セグメント情報等)」、「(1株当たり情報)」に記載しております。
海外粗糖市況は、ニューヨーク市場粗糖先物相場(当限、1ポンド当たり)において15.40セントで始まり、4月中旬には14.00セントの安値まで下げましたが、ブラジル中南部におけるキビ圧搾の遅れなどにより上昇を続け、10月初旬には4年ぶりとなる23.90セントの高値をつけました。その後、投機筋の売りや世界需給の供給余剰見通しの拡大などにより下げ基調となり、結局16.76セントで当期を終了しました。
国内市中価格(日本経済新聞掲載、上白糖大袋1kg当たり)は、期初187円~188円で始まりましたが、海外原糖相場の上昇を受け10月下旬に192円~193円となり、さらに2月下旬には195円~196円にまで上昇し、同水準のまま当期を終了しました。
精糖などの国内販売は、業務用製品は好調に推移したものの、家庭用製品が低調であったことから、売上高はほぼ前年並みとなりました。
この結果、当期における砂糖事業全体の売上高は25,410百万円(前連結会計年度比1.7%増)、セグメント利益は1,376百万円(前連結会計年度比21.4%減)となりました。
オリゴ糖部門は、前年度から各種メディアに取り上げられている『腸内フローラ』特集の効果に加え、テレビCMの放映等による一般消費者への訴求及び主要量販店等への販売促進活動の強化に努めたことにより「オリゴのおかげ」の販売数量は好調に推移し、売上高は前年同期を上回りました。
サイクロデキストリン部門は、食品及び非食品への拡販に努めましたが、売上高は前年同期を下回りました。
この結果、バイオ事業全体の売上高は1,883百万円(前連結会計年度比4.6%増)、セグメント利益は325百万円(前連結会計年度比46.0%増)となりました。
その他の事業につきましては、ニューESRビル事務所の一部賃貸等を行い、所有不動産の活用に努めました結果、売上高は129百万円(前連結会計年度比1.8%減)、セグメント利益は57百万円(前連結会計年度比9.7%減)となりました。
以上の結果、当期の売上高は27,364百万円(前連結会計年度比1.9%増)、営業利益は726百万円(前連結会計年度比28.8%減)、経常利益は838百万円(前連結会計年度比17.0%減)、親会社株主に属する当期純利益は549百万円(前連結会計年度比11.4%減)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末と比べて70百万円減少し、1,108百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、215百万円(前連結会計年度比1,066百万円の減少)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益791百万円、減価償却費699百万円等による資金の増加があった一方で、法人税等の支払額452百万円、たな卸資産の増加額371百万円等による資金の減少があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は、103百万円(前連結会計年度は709百万円の資金支出)となりました。
これは主に、有形固定資産の取得による支出428百万円等による資金の減少があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は、182百万円(前連結会計年度は860百万円の資金支出)となりました。
これは主に、借入金の返済による純支出46百万円、配当金の支払135百万円等による資金の減少があったことによるものであります。
前連結会計年度末より、報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前年同期比(%) |
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砂糖事業 |
17,628 |
99.4 |
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バイオ事業 |
1,784 |
106.1 |
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合計 |
19,413 |
100.0 |
(注) 1 金額は販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
受注生産は行っておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
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砂糖事業 |
25,391 |
101.7 |
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バイオ事業 |
1,862 |
104.5 |
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その他 |
110 |
110.9 |
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合計 |
27,364 |
101.9 |
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりですあります。
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相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
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販売高(百万円) |
割合(%) |
販売高(百万円) |
割合(%) |
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テラトー株式会社 |
2,817 |
10.5 |
2,803 |
10.3 |
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4 当連結会計年度より収益認識基準を変更しており、前年同期比については当該変更を遡及適用した後の前連結会計年度の数値との比較になっております。
今後の見通しにつきましては、国内経済は緩やかな回復傾向の継続が見込まれるものの、海外の経済情勢や金融資本市場及び商品市場の変動による影響に引き続き留意する必要があります。
かかる環境の下、当社及び当社グループは、お客様のおなかにやさしい商品をお届けし、お客様のおなかの健康に貢献する、「おなかにやさしい会社」を中長期的な経営ビジョンと位置付け、以下の各事業を推進して参ります。
砂糖事業につきましては、砂糖需要が減少する中、厳しい販売環境が続くものと思われますが、顧客満足を第一義に、取引先との信頼営業強化に努めて参ります。また、高品質で安全な製品を安定的に供給するとともに、効率的な事業体制の構築を推し進めることにより、経営基盤の更なる強化に努めて参ります。
バイオ事業につきましては、オリゴ糖部門は特定保健用食品である「オリゴのおかげ」ブランドへの腸内フローラ改善効果を始めとする高い評価をもとに、商品の機能性と信頼性について、さまざまな媒体・機会を利用した啓蒙の取り組みを推進し、他のオリゴ糖商品との一層の差別化、潜在需要の掘り起こしによる拡販を通じた業容の拡大に努めて参ります。サイクロデキストリン部門は営業力を強化し、新規用途の開発及び新素材との組み合わせによる商品化を中心に引き続き拡販に努めて参ります。
研究開発につきましては、当社の特徴である腸の分野(オリゴ糖等)において社会的ニーズが高まる中、既存の研究開発の整備を行うとともに、将来に向かっておなかにやさしい商品開発に積極的に取り組んで参ります。
当社グループの事業及びその他を遂行する上でのリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる事項を以下に記載します。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。
① 糖業政策が及ぼす影響について
砂糖業界は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」に基づく糖業政策及び制度の制約を受けています。
今後、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)、2国間FTA(自由貿易協定)等の動向如何により、わが国の農業政策や糖業政策・砂糖制度が抜本的に見直されることが考えられます。その場合、当業界は大きな影響を受け、当社グループの事業展開並びに業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 原料仕入価格・製品販売価格の変動要因について
海外粗糖の仕入価格は海外相場と為替相場の影響により変動いたします。仕入価格の変動は販売価格に影響を及ぼしますが、それを自助努力で吸収出来ない場合や価格競争等の事情により適正に販売価格へ反映出来ない場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 食品の安全性について
高品質で安全・安心な製品を安定的に提供することは当社グループの基本方針であります。
当社グループでは「品質安全管理規程」を設け、製品品質を保証する専門部署である品質保証部を中心に、トレーサビリティの仕組みを構築し、品質保証体制の強化に努めております。しかしながら、将来において当社グループの予想を超える異常な事態が発生した場合、又は当社グループ製品に直接関係がなくても、風評等により当社グループ製品のイメージが低下するなどの事態が発生した場合、当社グループの事業展開並びに業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 製造物責任について
当社グループは、お客様に高品質で安全・安心な製品を安定的に提供することを使命と考え、「品質安全管理規程」を設け、原材料の安全性並びに各工場での品質管理体制の強化を図っております。また、万が一、製造物責任を問われるような事態が発生した場合に備え、製造物責任賠償保険に加入しております。しかしながら、製造物責任上の事故が発生し製品の回収を余儀なくされるような事態が発生した場合、すべての賠償額を保険でカバーできる保証はなく、多額の賠償額や製品回収費用等が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 市場性のある有価証券における時価の変動について
当社は市場性のある有価証券を保有しています。従いまして、株式市場及び金利等の変動によっては、有価証券の時価に影響を与え、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 「固定資産の減損に係る会計基準」の適用について
当社グループは、平成18年3月期より「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しております。当該基準適用に伴い、地価下落及び各事業の収益悪化によって減損損失が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 海外粗糖の調達について
当社グループは三菱商事株式会社を通じ、海外粗糖を安定的かつ効率的に調達することにより、製造コスト削減に努めております。なお、同社による当社グループの事業活動における制約はなく、当社は事業運営、経営戦略等について、自主的に決定、実行しております。しかしながら、将来において、何らかの要因により、同社が経営方針や営業戦略等(当社株式の保有方針等を含む)を変更した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。同社は、平成29年3月31日現在、当社議決権の14.72%を所有しており、引き続き当社の主要株主である筆頭株主であります。
⑧ 災害等に関する事項について
当社グループは国内各拠点にて事業活動を行っておりますが、地震等の大規模自然災害や新型インフルエンザ等の予想を超える事態が発生し、長期間にわたり生産・物流機能等に支障をきたした場合、当社グループの事業展開並びに業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(1) 原料の買付及び製品の販売に関する契約
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契約会社名 |
相手方の名称 |
契約の内容 |
契約年月 |
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塩水港精糖株式会社 |
株式会社パールエース |
粗糖の仕入及び砂糖・乳糖果糖オリゴ糖の販売 |
平成11年2月 |
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塩水港精糖株式会社 |
三菱商事株式会社 |
海外粗糖の仕入 |
平成18年8月 |
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塩水港精糖株式会社 |
株式会社パールエース |
サイクロデキストリンの販売 |
平成18年6月 |
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塩水港精糖株式会社 |
南西糖業株式会社 |
粗糖の仕入 |
平成28年12月 |
(2) 砂糖等の生産委託及び設備賃貸に関する契約
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契約会社名 |
相手方の名称 |
契約の内容 |
契約年月 |
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塩水港精糖株式会社 |
太平洋製糖株式会社 |
砂糖の加工委託 |
(注1) |
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塩水港精糖株式会社 |
関西製糖株式会社 |
生産設備一式の賃貸
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(注2) (注3) 平成14年6月 平成17年9月 |
(注)1 当社は、東洋精糖㈱、日本精糖㈱(現フジ日本精糖㈱)と三社で、東日本地区において供給する精製糖の生産を太平洋製糖㈱に集約し、精製糖の共同生産に関する「受委託加工契約書」を平成13年9月に締結し、平成13年10月より、三社での共同生産の操業を開始しております。
2 当社は、関西製糖㈱と生産設備一式の賃貸に関する「工場賃貸借契約書」を平成14年3月に締結いたしました。
3 当社は、大日本明治製糖㈱、大東製糖㈱と三社で、西日本地区において供給する精製糖の生産を関西製糖㈱に集約し、精製糖の共同生産に関する「委託加工契約書」を平成14年6月に締結し、平成14年7月より三社での共同生産の操業を開始しております。
その後、平成17年9月には、中日本氷糖㈱を加えた四社で同契約を締結し、平成17年10月より四社での共同生産を操業しております。
研究開発につきましては、話題の「腸内フローラ」に関連して、ビフィズス菌を選択的に増やす「乳糖果糖オリゴ糖」の免疫機能の評価や新製法開発に関する研究を主に行いました。
なお、当連結会計年度の研究開発費総額は91百万円であります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたり、見積もりが必要な事項につきましては、合理的な判断に基づき、会計上の見積りを行なっております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末に比べて445百万円増加し、24,929百万円となりました。
これは主に、現金及び預金70百万円の減少、投資有価証券574百万円の増加、原材料及び貯蔵品174百万円の増加及び繰延税金資産222百万円の減少によるものであります。
負債合計は前連結会計年度末に比べて358百万円減少し、17,309百万円となりました。
これは主に、支払手形及び買掛金37百万円の減少、未払法人税225百万円の減少等によるものであります。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べて803百万円増加し、7,620百万円となりました。
これは主に、利益剰余金413百万円の増加、その他有価証券評価差額金358百万円の増加等であります。
経営成績の分析につきましては、「第2 事業の状況 1業績等の概要」に記載の通りであります。
キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 1業績等の概要」に記載の通りであります。
当社グループを取り巻く環境は、少子高齢化社会に伴う人口の減少や生活環境の変化に加え、消費者の嗜好の変化、加糖調製品の恒常的な輸入増加や代替甘味料の伸張などにより砂糖の需要が漸減傾向となる中、生産・販売競争が激化するなど厳しい環境変化の中にあります。
以上の経営環境を踏まえ、当社グループの基幹事業である砂糖事業とバイオ事業を中心に、将来のゆるぎない収益基盤の構築を基本方針として、お客様のおなかの健康に役立つ商品をお届けする『おなかにやさしい会社』を目標に以下の課題に取り組んで参ります。
①事業基盤の強化
「選択と集中、挑戦」をキーワードとして、収益基盤の強化・拡大と成長戦略への取り組みにより、存在感のある強い企業集団への変革を図ります。
②新商品開発の推進
砂糖事業及びバイオ事業において新商品・新技術の開発を推進するため積極的に経営資源を投入することにより、既存商品の品質改善や新たな付加価値製品等を創出し、次世代を担うパールエース印ブランドの開発・育成に取り組んで参ります。
③グループ経営資源の積極的な活用による競争力強化
グループ一体化によるガバナンス機能の強化を図るとともに、グループの経営資源を最大限に活用することにより、新しい事業モデルを構築し競争力の強化に取り組みます。また、コンプライアンスや環境問題への対応など、企業の社会的責任を果たしつつ、人材の育成と適材適所への配置、研究開発・生産・販売部門との連携強化により組織の活性化を図り、具体的課題に取り組んで参ります。