当社グループを取り巻く環境は、加糖調製品や高甘味度甘味料の輸入増加など甘味料の需給構造の変化、少子高齢化に伴う人口減少など社会構造の変化、家庭での料理機会の減少など生活習慣の変化により砂糖需要の漸減傾向が継続する中、生産・販売競争が激化するなど厳しい環境が続くと思われます。
かかる状況の中で、当社グループの基幹事業である砂糖事業とバイオ事業を中心に将来のゆるぎない収益基盤の構築を基本方針として、お客様のおなかの健康に役立つ商品をお届けする「おなかにやさしい会社」の実現を通じ、社業の発展と社会に貢献できる企業を目指し、以下の課題に取り組んでまいります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。
①事業基盤の強化
「選択と集中、挑戦」をキーワードとして、収益基盤の強化、拡大と成長戦略への取り組みにより、存在感のある強い企業集団への変革を図ります。
②新商品開発の推進
砂糖事業及びバイオ事業において、新商品・新技術の開発を推進するため積極的に経営資源を投入することにより、既存商品の品質改善や新たな付加価値製品等を創出し、次世代を担うパールエース印ブランドの開発・育成に取り組んでまいります。
③グループ経営資源の積極的な活用による競争力強化
グループの経営資源を最大限に活用することにより、多面的な事業モデルの構築と競争力の強化に取り組みます。また、グループ一体化によるガバナンス機能の強化を図るとともに、コンプライアンスや環境問題への対応など、企業の社会的責任を果たしつつ、事業環境の変化に対応した人材の育成と適材適所への配置、研究開発・生産・販売各部門が相互の連携を強化することで組織の活性化を図り、具体的課題に取り組んでまいります。
事業別の戦略につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検証内容 ⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略と現状の見通し」に記載の通りであります。
当社グループの事業及びその他を遂行する上でのリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる事項を以下に記載します。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。
① 糖業政策が及ぼす影響について
砂糖業界は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」に基づく糖業政策及び制度の制約を受けています。
今後、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)、2国間FTA(自由貿易協定)等の動向如何により、わが国の農業政策や糖業政策・砂糖制度が抜本的に見直されることが考えられます。その場合、当業界は大きな影響を受け、当社グループの事業展開並びに業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 原料仕入価格・製品販売価格の変動要因について
海外粗糖の仕入価格は海外相場と為替相場の影響により変動いたします。仕入価格の変動は販売価格に影響を及ぼしますが、それを自助努力で吸収出来ない場合や価格競争等の事情により適正に販売価格へ反映出来ない場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 食品の安全性及び製造物責任について
当社グループは、高品質で安全・安心な製品の安定的供給を基本方針として、「品質安全管理規程」を設け、トレーサビリティの仕組み構築など品質保証体制の強化並びに原材料の安全性及び製造各工場での品質管理体制の強化に努めております。また、万が一の事態に備え製造物責任賠償保険に加入しております。
しかしながら、食品の安全性について予想を超える異常な事態が発生した場合、または当社グループ製品に直接関係がなくても風評等により当社グループ製品のイメージ低下などの事態が発生した場合、もしくは製造物責任上の事故が発生し賠償額や製品回収費用が当該保険で補償される範囲を超える事態が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 市場性のある有価証券における時価の変動について
当社は市場性のある有価証券を保有しています。従いまして、株式市場及び金利等の変動によっては、有価証券の時価に影響を与え、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 「固定資産の減損に係る会計基準」の適用について
当社グループは、2006年3月期より「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しております。当該基準適用に伴い、資産価値の下落及び各事業の収益悪化によって減損損失が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 災害等に関する事項について
当社グループは国内各拠点にて事業活動を行っておりますが、地震等の大規模自然災害や感染症疾病等の予想を超える事態が発生し、長期間にわたり生産・物流機能等に支障をきたした場合、当社グループの事業展開並びに業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境が着実に改善し、企業収益も高い水準を示す中、緩やかな回復基調で推移しました。先行きについては、政府の各種経済政策の効果もあり、継続的な改善が見込まれる一方、不安定な国際情勢に加え、通商問題をはじめとした海外経済の動向は、依然として不透明な状況であります。
このような環境の中で、当社グループはお客様のおなかの健康に貢献する「おなかにやさしい会社」を中長期的な経営ビジョンとして、砂糖事業及びバイオ事業の計画達成に向けて全力で取り組んで参りました結果、経営成績は以下のとおりとなりました。
海外粗糖市況は、ニューヨーク市場粗糖先物相場(当限、1ポンド当たり)において12.33セントで始まり、主要生産国インドの過剰生産見通しを背景に下落基調で推移し、9月下旬に9.83セントの安値まで下落しました。その後は、砂糖国際価格の低迷からブラジルで収益性が低い砂糖からエタノールへの生産シフトの動きが強まり、10月下旬に14.24セントの高値を付けた後、原油先物相場の下落を受けて上値が抑えられ、当期を12.53セントで終了しました。
国内市中価格(日本経済新聞掲載、上白糖大袋1kg当たり)は、期初189円~190円で始まりましたが、粗糖先物相場の下落を受けて7月中旬に187円~188円に値を下げ、同水準のまま当期を終了しました。
精糖及びその他糖類などの国内販売は、業務用製品は大手ユーザー向けを始めとして順調に推移しましたが、家庭用製品は需要の減少傾向により伸び悩み、売上高は前年を下回りました。
かかる販売状況の中、当社グループは効率的な原料調達、製造コストの一層の低減を通じ、利益水準の維持に努めて参りました。
この結果、当期における砂糖事業全体の売上高は24,117百万円(前連結会計年度比3.5%減)、セグメント利益は1,870百万円(前連結会計年度比12.3%増)となりました。
オリゴ糖部門は、腸内環境改善効果を有する「オリゴのおかげ」シリーズ商品の拡販に向け、テレビCMや新聞広告等各種媒体の活用やウェブサイトの充実化など消費者の皆様への訴求に努めました。併せて試食販売の広域展開など主力量販店への販売促進活動も継続的に実施した結果、オリゴ糖部門全体では販売数量及び売上高とも前年同期を上回りました。
サイクロデキストリン部門は、食品及び非食品における新規用途及び素材の開発と営業力強化を通じた拡販に努めましたが、売上高は前年同期を下回りました。
この結果、バイオ事業全体の売上高は1,818百万円(前連結会計年度比0.4%減)、セグメント利益は285百万円(前連結会計年度比14.0%増)となりました。
その他の事業につきましては、ニューESRビル事務所の一部賃貸等を行い、所有不動産の活用に努めました結果、売上高は134百万円(前連結会計年度比2.7%増)、セグメント利益は64百万円(前連結会計年度比3.3%増)となりました。
以上の結果、当期の売上高は26,002百万円(前連結会計年度比3.2%減)、営業利益は1,010百万円(前連結会計年度比20.2%増)、経常利益は、持分法投資利益が当初予想を上回ったことから、1,090百万円(前連結会計年度比8.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は840百万円(前連結会計年度比7.3%減)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末と比べて117百万円減少し、1,667百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、1,959百万円(前連結会計年度比57百万円の増加)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益1,233百万円、減価償却費670百万円及びたな卸資産の減少193百万円等による資金の増加があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は、554百万円(前連結会計年度は595百万円の資金支出)となりました。
これは主に、有形固定資産の取得による支出603百万円等による資金の減少があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は、1,523百万円(前連結会計年度は629百万円の資金支出)となりました。
これは主に、借入金の返済による純支出1,388百万円、配当金の支払135百万円等による資金の減少があったことによるものであります。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原料糖の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は12,024百万円となっております。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
受注生産は行っておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたり、見積もりが必要な事項につきましては、合理的な判断に基づき、会計上の見積りを行なっております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末に比べて458百万円減少し、24,490百万円となりました。
これは主に、現金及び預金117百万円の減少、投資有価証券306百万円の減少によるものであります。
負債合計は前連結会計年度末に比べて963百万円減少し、15,679百万円となりました。
これは主に、支払手形及び買掛金354百万円の増加、有利子負債1,388百万円の減少等によるものであります。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べて504百万円増加し、8,810百万円となりました。
これは主に、利益剰余金705百万円の増加、その他有価証券評価差額金212百万円の減少等であります。
経営成績の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載の通りであります。
キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載の通りであります。
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」で記載いたしました当社グループを取り巻く環境の他、今後の見通しにおいて、国内経済は引き続き緩やかな回復基調で推移することが予想されるものの、海外の政治経済情勢の推移が金融資本市場及び商品市場に及ぼす影響についても留意する必要があります。
かかる環境の下、当社及び当社グループは、お客様のおなかにやさしい商品をお届けし、お客様のおなかの健康に貢献する、「おなかにやさしい会社」を中長期的な経営ビジョンと位置付け、以下の各事業を推進してまいります。
a. 砂糖事業
砂糖の需要構造の変化により砂糖消費量が減少する中、厳しい環境が続くと予想されますが、顧客満足を第一義とした取引先との信頼営業強化に努め、高品質で安全な製品の安定供給を遂行するため、品質管理体制の強化とともに、環境変化に適応した事業体制の構築と経営基盤の更なる強化に努めてまいります。
b. バイオ事業
オリゴ糖部門は、特定保健用食品である「オリゴのおかげ」の機能性(整腸・カルシウム吸収)と信頼性について、より多くのお客様への啓発を図るため、幅広い媒体の利用と販促コンテンツのリニューアル等の施策に取り組み、業容の拡大に努めてまいります。
サイクロデキストリン部門は、新規用途の開発及び新素材との組み合わせによる商品化を進めるとともに、営業力の強化と拡販に努めてまいります。
c. 研究開発
「おなかにやさしい」新商品及び新技術の開発を目標として、オリゴ糖を始めとする腸の分野の研究開発に積極的に取り組んでまいります。
(1) 原料の買付及び製品の販売に関する契約
(2) 砂糖等の生産委託及び設備賃貸に関する契約
(注)1 当社は、東洋精糖㈱、日本精糖㈱(現フジ日本精糖㈱)と三社で、東日本地区において供給する精製糖の生産を太平洋製糖㈱に集約し、精製糖の共同生産に関する「受委託加工契約書」を2001年9月に締結し、2001年10月より、三社での共同生産の操業を開始しております。
2 当社は、関西製糖㈱と生産設備一式の賃貸に関する「工場賃貸借契約書」を2002年3月に締結いたしました。
3 当社は、大日本明治製糖㈱、大東製糖㈱と三社で、西日本地区において供給する精製糖の生産を関西製糖㈱に集約し、精製糖の共同生産に関する「委託加工契約書」を2002年6月に締結し、2002年7月より三社での共同生産の操業を開始しております。
その後、2005年9月には、中日本氷糖㈱を加えた四社で同契約を締結し、2005年10月より四社での共同生産を操業しております。
研究開発につきましては、「乳糖果糖オリゴ糖」の新製法によるコスト削減や、腸内環境改善効果と新たな機能性に関する研究開発および既存商品に新たな機能を付加した新商品の開発に取り組みました。
なお、当連結会計年度の研究開発費総額は