第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループを取り巻く環境は、加糖調製品や高甘味度甘味料の輸入増加など甘味料の需給構造の変化、少子高齢化に伴う人口減少など社会構造の変化、ライフスタイルの変化により砂糖需要の漸減傾向が継続する中、新型コロナウイルス感染拡大や、ウクライナ情勢等による地政学リスクを受け、今後一層厳しい環境が続くと思われます。

かかる状況の中で、当社は生活必需品である砂糖を、非常時においても安心安全に、安定して消費者の皆様にお届けすることを旨に、引き続き供給責任を果たしてまいりますとともに、当社グループの基幹事業である砂糖事業とバイオ事業を中心に将来のゆるぎない収益基盤の構築を基本方針として、お客様のおなかの健康に役立つ商品をお届けする「おなかにやさしい会社」の実現を通じ、社業の発展と社会に貢献できる企業を目指し、以下の課題に取り組んでまいります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。 

 

①事業基盤の強化

「選択と集中、挑戦」をキーワードとして、収益基盤の強化、拡大と成長戦略への取り組みにより、存在感のある強い企業集団への変革を図ります。

②新商品開発の推進

砂糖事業及びバイオ事業において、新商品・新技術の開発を推進するため積極的に経営資源を投入することにより、既存商品の品質改善や新たな付加価値製品等を創出し、次世代を担うパールエース印ブランド・新商品の開発・育成に取り組んでまいります。

③グループ経営資源の積極的な活用による競争力強化

グループの経営資源を最大限に活用することにより、多面的な事業モデルの構築と競争力の強化に取り組みます。また、グループ一体化によるガバナンス機能の強化を図るとともに、コンプライアンスや環境問題への対応など、企業の社会的責任を果たしつつ、事業環境の変化に対応した人材の育成と適材適所への配置、研究開発・生産・販売各部門が相互の連携を強化することで組織の活性化を図り、具体的課題に取り組んでまいります。

 

事業別の戦略につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検証内容 ⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略と現状の見通し」に記載の通りであります。

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。当社は、グループ全体のリスク管理として、内部統制委員会を規程に基づき設置し、関連委員会の統括並びに内部監査室との連携を通じ、リスク管理体制の維持強化に努め、リスクの未然防止を図っております。

 

① 糖業政策が及ぼす影響について

 砂糖業界は、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」に基づく糖業政策及び制度の制約を受けています。

 当社グループは砂糖事業を基幹事業としておりますので、国の農業政策や糖業政策・砂糖制度の見直しや、TPP11(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)をはじめとした経済連携協定の進捗等により、当社グループの事業展開並びに業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 原料仕入価格・製品販売価格の変動要因について

 海外粗糖の仕入価格は海外相場と為替相場の影響により変動いたします。現状、為替相場における円安の進行や、干ばつ等の世界的な気候変動、ウクライナの地政学的問題が及ぼすエネルギーコストの高騰等を受け、原料仕入価格に影響を及ぼしております。仕入価格の変動は販売価格に影響を及ぼしますが、それを自助努力で吸収出来ない場合や価格競争等の事情により適正に販売価格へ反映出来ない場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 食品の安全性及び製造物責任について

 当社グループは、高品質で安全・安心な製品の安定的供給を基本方針として、「品質安全管理規程」を設け、トレーサビリティの仕組み構築など品質保証体制の強化並びに原材料の安全性及び製造各工場での品質管理体制の強化に努めております。また、万が一の事態に備え製造物責任賠償保険に加入しております。

 しかしながら、食品の安全性について予想を超える異常な事態が発生した場合、または当社グループ製品に直接関係がなくても風評等により当社グループ製品のイメージ低下などの事態が発生した場合、もしくは製造物責任上の事故が発生し賠償額や製品回収費用が当該保険で補償される範囲を超える事態が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

④ 市場性のある有価証券における時価の変動について

 当社は市場性のある有価証券を保有しています。従いまして、株式市場及び金利等の変動によっては、有価証券の時価に影響を与え、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 「固定資産の減損に係る会計基準」の適用について

 当社グループは、2006年3月期より「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しております。当該基準適用に伴い、資産価値の下落及び各事業の収益悪化によって減損損失が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑥ 災害等に関する事項について

 当社グループは国内各拠点にて事業活動を行っておりますが、地震等の大規模自然災害や感染症疾病等の予想を超える事態が発生し、長期間にわたり販売・債権回収・生産・物流機能等に支障をきたした場合、当社グループの事業展開並びに業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に伴う断続的な緊急事態宣言発令の影響により、経済活動の抑制を余儀なくされたものの、ワクチン接種の進展に伴い一時は経済回復への兆しがみられました。しかしながら、新たな変異ウイルスの急拡大、さらにはウクライナをめぐる不安定な国際情勢を受け原材料・エネルギー価格の高騰など、先行き不透明な状況が続くものと予想されます。

このような環境の中で、当社および当社グループはお客さま、地域社会、関係取引先、従業員およびその家族の安全と健康を確保することを最優先に、生活必需品である砂糖や、オリゴ糖をはじめとした機能性素材等の製品を、非常時においても安定して消費者の皆さまにお届けすることを第一義に考え、お客さまのおなかの健康に貢献する「おなかにやさしい会社」として、砂糖事業およびバイオ事業の計画達成に向けて全力で取り組んでまいりました結果、当期の業績は以下のとおりとなりました。

なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29 号2020 年3月31 日)等を当連結会計年度の期首から適用しております。

 

a. 砂糖事業

海外原糖市況は、ニューヨーク市場粗糖先物相場(当限、1ポンド当たり)において14.71セントで始まり、砂糖主要生産国ブラジルの干ばつによる供給懸念に加えワクチン接種の進展による世界経済への回復期待から商品相場へ投機資金が流入し、相場は上昇傾向で推移しました。また、下期にかけてもブラジル減産の影響を受け、11月には一時20.69セントの高値を付けました。その後はウクライナ情勢に伴う原油高騰から粗糖相場も高値圏で推移し、19.49セントで当期を終了しました。

国内市中価格(日本経済新聞掲載、上白大袋1kg当たり)は、期初192円~193円で始まり、海外粗糖相場の高騰や海上運賃の上昇を受けた結果、8月上旬に198円~199円に値を上げました。さらに1月中旬には204円~205円に値を上げ、同水準のまま当期を終了しました。

精糖およびその他糖類など国内販売は、家庭用製品では昨年のような巣ごもり需要は見られず、低調に推移しました。一方、業務用製品は下期にかけて観光・外食産業からの需要回復を見越した動きから好調に推移し、売上高は前年を上回りました。

この結果、当期における砂糖事業全体の売上高は23,243百万円前連結会計年度比7.0%増)、原材料コスト等の上昇に伴いセグメント利益は1,390百万円前連結会計年度比23.1%減)となりました。

 

b. バイオ事業

オリゴ糖部門は、コロナ禍における健康志向の高まりを受け、特定保健用食品「オリゴのおかげ」シリーズの販売が好調に推移、特に大容量タイプの伸張が著しく、販売数量は過去最高を達成しました。一方で当連結会計年度の期首より「収益認識に関する会計基準」等を適用したことから売上高は前年同期を下回りました。

サイクロデキストリン部門は、受託加工品の販売が低調に推移したことから、売上高は前年同期を下回りました。

その他、「奇跡の野菜といわれるビーツをドリンクにしました」に続く新製品「ドライビーツチップ」などを「REDBEET」シリーズとして新発売、ビーツ製品のラインナップを拡充しました。引き続きビーツの国内認知度向上そして需要拡大に向け、積極的に取り組んでまいります。

この結果、バイオ事業全体の売上高は1,833百万円前連結会計年度比3.4%減)、セグメント利益は491百万円前連結会計年度比28.5%増)となりました。

 

c. その他

その他の事業につきましては、ニューESRビル事務所の一部賃貸等を行い、所有不動産の活用に努めました結果、売上高は133百万円前連結会計年度比1.9%減)、セグメント利益は59百万円前連結会計年度比0.8%減)となりました。

 

以上の結果、当期の売上高は25,134百万円前連結会計年度比6.1%増)、営業利益は807百万円前連結会計年度比17.9%減)、経常利益は906百万円前連結会計年度比18.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は609百万円前連結会計年度比21.3%減)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末と比べて1,363百万円減少し、3,533百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 ①営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動の結果得られた資金は、1,082百万円(前連結会計年度比289百万円の増加)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益906百万円、減価償却費655百万円による資金の増加があった一方で、棚卸資産の増加303百万円、法人税等の支払268百万円による資金の減少があったことによるものであります。

 ②投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動の結果支出した資金は、711百万円(前連結会計年度は481百万円の資金支出)となりました。

これは主に、有形固定資産の取得による支出491百万円による資金の減少、投資有価証券の取得による支出122百万円による資金の減少があったことによるものであります。

 ③財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動の結果支出した資金は、1,738百万円(前連結会計年度は1,880百万円の資金収入)となりました。

これは主に、借入金の純減額1,603百万円による資金の減少があった一方で、配当金の支払135百万円による資金の減少があったことによるものであります。

 ④資本の財源及び資金の流動性

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原料糖の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。

短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。

なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は13,076百万円となっております。

 

 

③生産、受注及び販売の状況

a.生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

砂糖事業

16,335

108.9

バイオ事業

1,767

96.7

合計

18,103

107.5

 

(注) 金額は販売価格によっております。

b.受注実績

受注生産は行っておりません。

 

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

砂糖事業

23,214

107.0

バイオ事業

1,802

96.5

その他

117

102.4

合計

25,134

106.1

 

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

テラトー株式会社

2,481

10.5

2,647

10.5

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な判断に基づき、会計上の見積りを行なっております。実際の結果は、見積り特有の不確実性を伴うため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループは、特に以下の重要な会計方針が、当社グループの連結財務諸表の作成において使用される見積もりと判断に大きな影響を及ぼすと考えております。

なお、新型コロナウイルスの感染拡大の影響については、先行き不透明な状況が続いており、収束時期等を確実に予測することは困難な状況にありますが、会計上の見積りにおいては、将来の事業に対する重要な影響はないと仮定しております。

 

a. 繰延税金資産の回収可能性

繰延税金資産の回収可能性は、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。計算は、将来の課税所得に関する様々な予測・仮定に基づいており、実際の結果がかかる予測等・仮定とは異なる可能性があります。当社グループでは、将来の課税所得や加減算などのスケジューリングに基づき、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しておりますが、将来の課税所得の予測等・仮定に変更が生じ、繰延税金資産の一部または全部の回収ができないと判断した場合、当社グループの繰延税金資産は減額され税金費用が計上される可能性があります。

 

b. 退職給付債務の算定

「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)退職給付に係る負債」に記載のとおりであります。

 

c. 減損会計における将来キャッシュ・フロー

減損の適用においては、減損会計適用資産の特定とグルーピングを行った後、減損の兆候判定を行います。

当社グループは、収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった固定資産の帳簿価額を、回収可能価額まで減額する会計処理を適用しております。

同会計処理の適用に当たっては、営業活動から生ずる損益の継続的低下や地価の著しい下落等によって減損の兆候が見られる場合に減損の有無を検討しております。減損の検討には将来キャッシュ・フローの見積額を用いており、減損の認識が必要と判断された場合には、帳簿価額が回収可能価額を上回る金額を減損しております。なお、回収可能価額は将来キャッシュ・フローの見積額の現在価値、又は正味売却価額のいずれか高い金額によって決定しております。

将来の営業活動から生ずる損益の悪化、使用範囲又は方法についての変更、経営環境の著しい悪化、市場価格の著しい下落等により減損の認識が必要となった場合、また、見積りの前提条件の変更等により将来キャッシュ・フローの見積額が減少することとなった場合には、追加的な減損処理が必要となる可能性があります。

 

② 財政状態の分析

当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末に比べて1,125百万円減少し、26,114百万円となりました。

これは主に、現金及び預金1,363百万円の減少、商品及び製品267百万円の増加等によるものであります。

負債合計は前連結会計年度末に比べて1,582百万円減少し、15,735百万円となりました。

これは主に、有利子負債1,580百万円の減少によるものであります。

純資産合計は、前連結会計年度末に比べて456百万円増加し、10,379百万円となりました。

これは主に、利益剰余金454百万円の増加、その他有価証券評価差額金32百万円の減少であります。

 

③ 経営成績の分析

経営成績の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載の通りであります。

 

④ キャッシュ・フローの分析

キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載の通りであります。

 

⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略と現状の見通し

経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」で記載いたしました当社グループを取り巻く環境の他、今後の見通しといたしましては、コロナ禍の収束見通しが依然として不透明な状況に加え、ウクライナ情勢等地政学リスクの高まりを受け、原油価格、国際食料価格等の高騰が見込まれます。そのような環境下において、食品業界全体が予断を許さない状況におかれており、国際的なコスト高、物価高の早期解決が求められております。

砂糖業界といたしましては、原油価格高騰が燃料コスト等の上昇を招くとともに、原料糖の主要生産国であるインド、ブラジル等においてバイオエタノール需要が増加、砂糖向けサトウキビの供給が減少することでさらなる原糖相場の上昇が見込まれます。また、為替相場も大幅な円安状況にあり、これを含めて原料調達環境の一層の悪化が予想され、砂糖業界全体として厳しい環境が避けられない状況にあります。国民生活と直結する食品業界全体としても重要な時期を迎えていると認識しております。

 

当社および当社グループは、こうした極めて厳しい環境の中、国民の生活を支える基礎的食品である砂糖事業の安定強化とともに、主力事業として成長してまいりましたオリゴ糖事業の一層の拡充・事業基盤強化に全力を注ぎ、役職員一体となり、経営の安定に努めてまいります。

また、お客さまのおなかの健康に貢献する「おなかにやさしい会社」を中長期的な経営ビジョンと位置付け、以下の各事業を推進してまいります。

 

a.砂糖事業

砂糖事業につきましては、原料調達環境のさらなる悪化が見込まれること、コロナ禍の収束見通しが依然として不透明であることに加え、砂糖制度の不均衡に起因するその他の甘味料への需要シフトや、砂糖に対する根強い誤解により国内需要が減少しており、今までに経験のないほどの厳しい販売環境となることが予想されます。こうした事態に対応すべく、適正価格での原糖買付、効率的販売に全力を挙げるとともに、最大限の生産効率向上に取り組み、事業基盤の強化に努めてまいります。

また、かねてより、漸減する砂糖需要を受け、当社は同業他社との共同生産を進めてまいりましたが、こうした環境変化に対応すべく、今後他社とのさらなる連携を含め、積極的な事業改善に努めてまいります。

昨今、歴史的にも全く害の無い安全安心な素材である砂糖が、不健康な食品であるとの誤った情報から消費者の皆さまの誤解を招いております。

一方、ウクライナ情勢等の危機に際し、国際的には、砂糖は貴重な食料として見直されつつあります。近い将来、国内においても砂糖の本来の価値が必ず見直されるものと予測されます。当社および当社グループは引き続き砂糖の有用性、新たな可能性を訴え、一層の拡販に努めてまいります。

 

b.オリゴ糖事業

オリゴ糖事業につきましては、当社の主力事業として、その拡大強化に全力を注ぎます。中でも、特定保健用食品である「オリゴのおかげ」のさらなる飛躍を期し、業容拡大を強力に進めてまいります。

昨年度、長引くコロナ禍において健康志向の高まりを追い風に、「オリゴのおかげ」は1992年の事業立ち上げ以来最高の売上を達成いたしました。ご愛顧いただいているすべての皆さまに感謝を申しあげますとともに、腸内環境改善が免疫力向上につながることから、免疫力の大切さが再認識されている今般の状況を絶好の販売機会と捉え、さらなる認知度向上、一層の拡販につなげるべく、幅広いメディアを積極的に活用し、消費者の皆さまへ訴求し、売上増進を図ってまいります。

さらに海外展開も視野に、生産拡大も含めた事業強化に全力で取り組んでまいります。

 

c.その他バイオ事業

ビーツ部門につきましては、第一弾として発売した「ビーツドリンク」に続き、昨年、RED BEETシリーズとして、料理に毎日手軽にとりいれやすい「ドライビーツチップ」を筆頭に、新たに商品ラインナップを拡充いたしました。

ビーツの国内認知度向上に向けた施策として、前期に引き続き、箱根駅伝の名監督原晋氏を起用し、同氏の勝利に向けた飽くなき闘志を同商品の販売拡大に活かすべく、積極的な広告宣伝活動を行ってまいります。

ビーツは欧州をはじめ世界各国にて栄養豊富な「スーパーフード」として普及し親しまれております。中でもウクライナの郷土料理ボルシチは特に有名なビーツ料理として世界各国に浸透しており、現在、ウクライナで戦禍に苦しむ方々にとっても大切な活力の源となっております。

国内においても、ビーツの鮮やかな赤色を活かした各種料理がSNSに掲載されるなど徐々に浸透しております。未だ市場規模は小さい状況にありますが、当社はこのビーツ商品が今後必ず健康に役立つ食材として国内においても高い評価を受けるものと予測しており、次の主力商品として成長させるべく、引き続きビーツ関連商品の開発・販売に注力し、積極的に拡充を図ってまいります。

 

d.新商品開発

新商品開発につきましては、オリゴ糖関連商品の新規開発、ならびにビーツ関連商品の開発・販売を推し進めてまいります。また、近年、砂糖の様々な機能が着目され、肌によい素材としても評価されており、化粧品等、食品以外の様々な用途に使用されていることを踏まえ、当社の原点である「砂糖」の新たな可能性を探り、食品・非食品を問わず高付加価値分野の開発、商品化・事業化に向け、全社を挙げて積極的に進出してまいります。

 

e.砂糖制度運営の適正化

精製糖企業は、国の基本的政策である国産糖振興のため、海外原料糖の輸入にあたり毎年約500億円(38年間で約2兆円)の膨大な調整金を負担し、砂糖制度の維持と円滑な運営に大きく貢献してまいりました。

しかしながら、これは一定の砂糖需要を前提とした制度であり、長期間に亘り砂糖需要が減少する中では、もはや輸入糖の負担によって国産糖を保護するという仕組みは根本的に見直さなければならない時期に来ていると言わざるを得ません。

当社および当社グループは、かねてより砂糖需要回復への積極的対応、国内産糖保護財源の今後の在り方、「調整金」負担割合の抜本的な見直し等、不公平・不平等な砂糖制度の改善・是正を、立法機関、行政当局に強く求めておりますが、その改善・改革には、今後も砂糖業界一体となって、より一層厳しく対処してまいります。

現状を黙認し、国の政策の犠牲となることは、砂糖業界として到底容認できるものではありません。

 

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

(1) 原料の買付及び製品の販売に関する契約

契約会社名

相手方の名称

契約の内容

契約年月

塩水港精糖株式会社

株式会社パールエース

粗糖の仕入及び砂糖・乳糖果糖オリゴ糖の販売

1999年2月

塩水港精糖株式会社

三菱商事株式会社

海外粗糖の仕入

2006年8月

塩水港精糖株式会社

株式会社パールエース

サイクロデキストリンの販売

2006年6月

塩水港精糖株式会社

南西糖業株式会社

粗糖の仕入

2021年12月

 

 

(2) 砂糖等の生産委託及び設備賃貸に関する契約

契約会社名

相手方の名称

契約の内容

契約年月

塩水港精糖株式会社

太平洋製糖株式会社

砂糖の加工委託

(注1)
2001年9月

塩水港精糖株式会社

関西製糖株式会社

 

生産設備一式の賃貸


砂糖等の加工委託

 

(注2)
2002年3月

(注3)

2002年6月

2005年9月

 

(注)1  当社は、東洋精糖㈱、日本精糖㈱(現フジ日本精糖㈱)と三社で、東日本地区において供給する精製糖の生産を太平洋製糖㈱に集約し、精製糖の共同生産に関する「受委託加工契約書」を2001年9月に締結し、2001年10月より、三社での共同生産の操業を開始しております。

 2  当社は、関西製糖㈱と生産設備一式の賃貸に関する「工場賃貸借契約書」を2002年3月に締結いたしました。

 3  当社は、大日本明治製糖㈱、大東製糖㈱と三社で、西日本地区において供給する精製糖の生産を関西製糖㈱に集約し、精製糖の共同生産に関する「委託加工契約書」を2002年6月に締結し、2002年7月より三社での共同生産の操業を開始しております。
 その後、2005年9月には、中日本氷糖㈱を加えた四社で同契約を締結し、2005年10月より四社での共同生産を操業しております。

 

5 【研究開発活動】

研究開発につきましては、事業・営業部門と連携し効率的な研究開発体制とするため2020年11月より糖質研究所を横浜から本社に移転しております。「乳糖果糖オリゴ糖」は共同研究を中心に新機能探索研究を継続するとともに、事業部門と連携し、より効率的な生産体制の構築に向け検討を行いました。スーパーフードとして注目を集めている「ビーツ」については、新たな商品の開発とともに、機能性素材としての特性評価に係る各分析試験を行いました。また、砂糖の生理的な機能を補完する機能性素材と組み合わせた砂糖主体の機能性表示食品の開発に取り組みました。

なお、当連結会計年度の研究開発費総額は52百万円であります。