第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度のわが国経済は、政府の景気対策や訪日外国人需要の増加等に伴い、企業収益が改善したことで、景気は緩やかな回復基調で推移いたしておりましたが、年明け以降の円高・株安の進行により本格的な景気回復には陰りが見え始めております。このような経済状況の中、当社グループを取り巻く菓子・食品市場環境は、お客様の商品に対する選別の目がよりいっそう厳しくなるなかで、節約志向は根強く、個人消費の動向は未だ不透明感が続いております。
 このような経営環境のもと、当社は高収益安定企業を実現すべく、高付加価値商品などの開発体制の強化や生産効率の向上、全社的なコスト削減等による収益基盤強化に取り組んでまいりました。
 
 売上高は、主力の食料品製造事業が好調に推移し、全体では1,818億6千8百万円と前年同期実績に比べ39億3千9百万円(2.2%)の増収となりました。
 損益は、売上高が増収であったこと、商品規格の見直しや生産効率の改善等により原価が下がったこと及び販売費の効果的な投入等により、収益性は大きく改善し、営業利益は前年同期実績に比べ55億1千7百万円(92.9%)増益の114億5千6百万円、経常利益も前年同期実績に比べ55億3千2百万円(84.7%)増益の120億6千2百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益も前年同期実績に比べ42億8千6百万円(112.6%)増益の80億9千2百万円となりました。

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。
 なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しております。当連結会計年度の比較、分析は、変更後の区分に基づいております。詳細は、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項 (セグメント情報等)」をご参照ください。

 

<食料品製造事業>

菓子食品部門

 国内では、発売40周年を迎えた主力ブランド「ハイチュウ」は定番品に加え、袋タイプのアソート品や期間限定品などの売上が好調に推移し、前年同期実績を上回りました。
 一方、「チョコボール」「ダース」「森永ビスケット」「おっとっと」「ミルクキャラメル」「森永ココア」が前年同期実績を下回り、主力7ブランド全体では前年同期実績に比べて微減となりました。
 その他のブランドでは、高ポリフェノールの効能を訴求した「カレ・ド・ショコラ」が前年同期実績を上回り、その他商品群も好調に推移したことで、国内全体では前年同期実績並みとなりました。
 海外では、米国、中国は前年同期実績を上回りましたが、台湾とインドネシアが前年同期実績を下回ったことで、海外全体で前年同期実績を下回りました。
 これらの結果、菓子食品部門全体の売上高は1,151億4千5百万円と前年同期実績に比べ17億2千6百万円(1.5%)減となりました。
 

 

冷菓部門

 主力ブランドの「チョコモナカジャンボ」及び「バニラモナカジャンボ」のジャンボグループは、引き続き好調に推移しました。また、「パリパリバー」「パキシエル」等のマルチパック商品やチョコレートメーカーならではの製造技術を応用し開発した「スプーンで食べる生チョコアイス」などの新商品が好調に推移したことで、前年同期実績を上回りました。
 これらの結果、冷菓部門全体の売上高は323億8千1百万円と前年同期実績に比べ24億4千5百万円(8.2%)増となりました。

 

 

健康部門

 主力ブランドの「ウイダーinゼリー」は、商品の機能性を訴求した広告展開の効果や販売店舗において複数個所での商品展開を行うマルチロケーション戦略の徹底等により前年同期実績を大きく上回りました。「天使の健康」シリーズの通販事業は「おいしいコラーゲンドリンク」「パセノール™」関連商品が前年同期実績を上回り、通販事業全体では前年同期実績を上回りました。

 これらの結果、健康部門全体の売上高は249億5百万円と前年同期実績に比べ34億7千9百万円(16.2%)増となりました。

 

 これらの結果、<食料品製造事業>の売上高は1,724億3千1百万円と前年同期実績に比べ2.5%増となりました。セグメント利益は売上高の増収に加え、売上原価が改善したことにより、108億6千3百万円と前年同期実績に比べ52億9千万円の増益となりました。

 

<食料卸売事業>

 売上高は、62億1千3百万円と前年同期実績に比べ2.9%減となりました。セグメント利益は5億2千2百万円と前年同期実績に比べ5千4百万円の増益となりました。

 

<不動産及びサービス事業>

  売上高は、ゴルフ事業、不動産事業共に前年同期実績を下回り、事業全体で25億5千7百万円となりました。セグメント利益は6億7千8百万円と前年同期実績に比べ5千6百万円の減益となりました。

 

<その他> 

  売上高6億6千5百万円、セグメント利益5千4百万円であります。

 

(2) キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて151億1千2百万円増加し、267億1千4百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動による資金の増加は167億1千5百万円と前連結会計年度に比べ55億3千3百万円増加となりました。主な内容は、税金等調整前当期純利益が121億1千9百万円、減価償却費61億3千万円及び法人税等の支払額24億1千1百万円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動による資金の減少は20億9千1百万円となりました。主な内容は、有形固定資産の取得による支出によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動による資金の減少は23億1千1百万円となりました。主な内容は、配当金の支払額によるものであります。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

食料品製造

菓子食品

 キャラメル・キャンディ・チョコレート・ビスケット・ココアほか

93,803

△1.5

 

冷菓
 アイスクリームほか

27,804

+3.1

 

健康
 ゼリー飲料ほか

6,412

+39.0

合計

128,020

+1.0

 

(注) 1 金額は、販売価格によっております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3 「食料卸売」、「不動産及びサービス」及び「その他」のセグメントについては、該当事項はありません。

 

(2) 受注状況

主要製品の受注生産は、行っておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

食料品製造

菓子食品

 キャラメル・キャンディ・チョコレート・ビスケット・ココアほか

115,145

△1.5

 

冷菓
 アイスクリームほか

32,381

+8.2

 

健康
 ゼリー飲料ほか

24,905

+16.2

 

小計

172,431

+2.5

食料卸売

6,213

△2.9

不動産及びサービス

2,557

△3.1

その他

665

+0.9

合計

181,868

+2.2

 

(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。

     2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

三菱食品株式会社

25,097

14.1

26,011

14.3

 

 

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【対処すべき課題】

1.対処すべき課題

当社グループのビジョン・ミッションを具現化するため以下の経営戦略を遂行してまいります。

 

①既存分野における収益力の強化

a. 商品の開発体制を強化することで、高付加価値な商品を生み出していくとともに、既存のブランドの強化、次なるブランドの創出に取り組みます。技術視点からは、当社独自のコア技術を磨いていくことで市場における競争優位を確保いたします。また、研究開発やマーケティング活動を中心に、よりお客様のニーズを満たす商品開発に取り組んでまいります。

b. 営業生産性の向上として、効率化と専門性の強化を同時に進めてまいります。市場変化に対応する体制を構築し、業務の効率化とともに伸長しているチャネルへの対応、新規チャネル開拓を強化いたします。

c. 生産部門で生み出す利益の最大化を図ってまいります。品質管理システムをより運用性・実効性の高いものへ進化させながら、要員効率、設備効率の向上に取り組むことで生産コストの最小化に努めます。

d. 業務の見直しを継続して推進し、さらなる効率化を図ってまいります。

 

②成長分野への進出加速

a. 成長分野への事業拡大の一つ「健康分野」では、スポーツを基軸に独自性のある強い商品群の開発・育成を図りブランド地位を確立してまいります。一方、通販事業では機能性表示食品制度を活用し健康機能訴求の深耕を図ることで通販基盤の強化と拡大に取り組んでまいります。

b. グローバル戦略としては、経営資源を積極的に投入し、米国、中国、インドネシアを拠点とした東南アジアを中心に、事業展開に拍車をかけてまいります。

 

③事業の芽の創出

外部の知見や資源も積極的に活用して、新しい事業の芽の創出に向けた挑戦をしてまいります。

 

④CSR活動の推進

a. 品質の安全性確保につきましては、何ものにもまさる最重要課題として認識し、従来から取り組んでいる品質保証体制の充実や「森永HACCP」「品質アセスメントシステム」の強化などに鋭意取り組んでおります。同時にお客様からの声を経営に反映すべく、誠意・スピード・事実の的確な報告を基本に、お客様対応の充実を推進してまいります。

b. 「世界の子どもたちに貢献できる企業になる」という夢の実現に向け、未来を担う子どもたちのすこやかな成長を願い、自然体験や食育体験、スポーツ体験といった直接体験の場の提供や、国内外の教育環境整備等の社会貢献活動を展開してまいります。

c. 「エンゼルのように地球にやさしく!!」を環境に関する基本理念として、地球温暖化防止のため低炭素社会の実現と持続的成長が可能な循環型社会の形成を目指し、自然共存社会の構築に寄与すべく、企業活動のあらゆる面で環境に配慮した取り組みを進めてまいります。

d. 企業価値の最大化ならびに企業の永続的発展及び強化を図ることを目的に、内部統制システムの強化および経営の効率化を推進し、業務を適正に執行するとともに、コーポレート・ガバナンス体制の充実に継続して取り組んでまいります。

 

 

2.株式会社の支配に関する基本方針

 (1)基本方針の内容の概要

当社は、支配権の移転を伴う当社株式の大量取得提案に応じるか否かの判断は、最終的には株主の皆様の意思に委ねられるべきものと考えております。
 しかしながら、大量取得提案の中には、買付目的や買付後の経営方針等に鑑み、企業価値・株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主の皆様に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主の皆様が大量取得行為の条件等について検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの等、対象会社の企業価値・株主共同の利益を毀損するものも少なくありません。
 当社は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業価値の源泉を十分に理解し、当社の企業価値・株主共同の利益の継続的な確保・向上に資する者であるべきであり、当社の企業価値・株主共同の利益を毀損するおそれのある当社株式の大量取得を行う者に対しては必要かつ相当な手段を採ることにより、当社の企業価値・株主共同の利益を確保する必要があると考えます。

 

 (2)基本方針実現のための取組みの概要

①当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する特別な取組み

当社は、中期経営計画を策定し、高収益安定企業を実現すべく戦略を立案・推進しております。現在の戦略の骨子は新商品開発体制の強化、成長分野への進出加速、更なる経営効率化の推進の3つであります。まず、新商品開発体制の強化として、積極的に経営資源を投入し、新商品の開発体制を強化することで、既存商品のブラッシュアップや新たな価値を創出するとともに、次世代を担うブランド群の開発・育成を展開してまいります。また、独自の生産新技術を背景とした価値の創出により、市場における競争優位を確保します。次に、成長分野への進出加速として、「健康分野」では、スポーツを基軸とした独自性のある強い商品群の開発・育成と、通販事業での商品力・営業力強化を図ってまいります。また、グローバル戦略として、米国や中国、インドネシアを拠点とした東南アジアを中心に、事業展開を加速させてまいります。最後に、更なる経営効率化の推進として、生産部門でのより強固な生産体制の構築、購買力の強化を図ってまいります。一方、品質向上を図りながら商品仕様を見直しコスト削減を進めるとともに、あわせて間接部門での全社的なローコストオペレーションを推進してまいります。
 また、当社は企業価値の最大化ならびに企業の永続的発展および強化を図ることを目的に、内部統制システムの強化および経営の効率化を推進し、業務を適正に執行するとともに、社外取締役選任を含めコーポレート・ガバナンス体制の充実に継続して取り組んでまいります。その一環として事業環境の変化への機動性を高め、意思決定のスピードアップを図るべく執行役員制度を導入し、戦略執行に係る通常業務の執行権限と責任を執行役員に付与しております。

②基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

当社は、第160期定時株主総会における株主の皆様のご承認に基づき、「当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)」を導入し、その後、第163期定時株主総会及び第166期定時株主総会において、それぞれ株主の皆様のご承認を得て、「当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)」を更新しております(以下、最終の更新後の対応策を「本プラン」といいます。)。
 本プランは、一定の株式保有割合を超えることとなる当社株式に対する大量取得行為が行われる場合に、株主の皆様が適切な判断をするために必要・十分な情報と時間を確保するとともに、買付者等との協議・交渉等の機会を確保すること等により、当社の企業価値・株主共同の利益を確保し、向上させることを目的としています。
 具体的には、当社の株式等に対する買付(保有者の株券等保有割合が20%以上となる買付、または公開買付けを行う者の株券等所有割合およびその特別関係者の株券等所有割合の合計が20%以上となる公開買付けを対象とします。)もしくはこれに類似する行為またはその提案(以下「買付等」といいます。)が行われる場合に、買付等を行う者(以下「買付者等」といいます。)に対し事前の情報提供を求める等、上記の目的を実現するために必要な手続を定めています。

 

買付者等が本プランに規定する手続を順守しなかった場合、または当社の企業価値・株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれのある買付等である場合など本プランが予め定める要件に該当した場合には、当社は、買付者等による権利行使は認められないという行使条件および当社が買付者等以外の者から当社株式と引換えに新株予約権を取得することができる旨の取得条項が付された新株予約権を、その時点の当社を除くすべての株主に対して、新株予約権無償割当ての方法により割り当てます。本プランに従って新株予約権の無償割当てがなされ、その行使または当社による取得に伴って買付者等以外の株主の皆様に当社株式が交付された場合には、買付者等の有する当社の議決権割合は、最大2分の1まで希釈化される可能性があります。

 

本プランの有効期間は、平成29年3月末日に終了する事業年度に関する定時株主総会の終結の時までです。ただし、当該有効期間の満了前であっても、当社の株主総会において本プランに係る新株予約権の無償割当てに関する事項の決定についての当社取締役会への委任を撤回する旨の決議が行われた場合、または、当社取締役会により本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランはその時点で廃止されることになります。
 
 なお、本プランの詳細な内容につきましては、インターネット上の当社ホームページにおける平成26年5月14日付「当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)の更新について」(http://www.morinaga.co.jp/company/ir/ir_inc/pdf/h26-0514_02.pdf)に掲載しております。

 

 (3)上記の取組みに対する当社取締役会の判断およびその理由

上記(2)①に記載した各施策は、当社の企業価値・株主共同の利益を継続的かつ持続的に向上させるための具体的方策として策定されたものであり、基本方針の実現に資するものであります。
 本プランは、当社の株券等に対する買付等が行われる場合に、当該買付等に応じるべきか否かを株主の皆様が判断するために必要・十分な情報と時間を確保するとともに、買付者等との協議・交渉等の機会を確保すること等により、当社の企業価値・株主共同の利益を確保するための枠組みであり、基本方針に沿うものです。
 さらに、本プランは、株主総会において株主の皆様のご承認を得た上で更新されたものであること、その内容として合理的かつ詳細な客観的要件が充足されなければ新株予約権の無償割当ては実施されないものとしていること、独立性の高い社外者等から構成される独立委員会が設置され、本新株予約権の無償割当ての実施等に際しては必ず独立委員会の判断を経ることが必要とされていること、独立委員会は当社の費用で独立した第三者である専門家を利用することができるとされていること、有効期間が最長約3年と定められた上、当社株主総会または当社取締役会によりいつでも廃止できると定められていること等から、その公正性・客観性は十分担保されており、企業価値・株主共同の利益を損なうものではなく、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。

 

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスク事項には、次のようなものがあります。
 なお、本事項の文中に将来に関する事項が含まれており、有価証券報告書提出日(平成28年6月29日)現在において判断したものであります。

 

(1) 品質事故

品質の安全性確保につきましては、食品会社として何ものにもまさる最重要課題として認識し、従来から品質保証体制の構築や「森永HACCP」「品質アセスメントシステム」の強化など鋭意取り組んでおります。しかし、予期せぬ品質事故により大規模な回収や製造物責任賠償が発生した場合には、多額のコスト負担や当社グループの信用に重大な影響を与え、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 生産体制

当社グループの主力であります菓子・食品・冷菓等の商品は当社及び当社グループの工場並びに仕入先で製造しておりますが、一部の商品を除き基本的には一商品一工場の生産体制であり、災害等で工場が稼動不能状態に陥った場合には販売できなくなる商品が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 原材料価格の変動

食料品製造で使用する原材料、特に主原料のカカオ豆、乳製品等には、原産国の政情や自然災害等により量的確保ができない状況が発生したり、その価格が海外相場や為替レートの変動の影響を受けるものがあります。これらの原材料価格が高騰した場合は製造コストの上昇に繋がり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 自然災害、異常気象等

当社グループの生産・販売活動及び消費者の購買行動に大きな影響を及ぼすような地震・台風等の大規模な自然災害の発生や異常気象となった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 取引先の経営破綻

当社グループの販売先に対する債権の回収不能という事態を未然に防ぐべく、情報収集・与信管理等、債権保全には万全の体制をとっておりますが、予期せぬ取引先の経営破綻が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 企業情報・個人情報の漏えい

企業情報・個人情報の漏えい対策につきましては、情報セキュリティの一環として、対応策を策定し、取り組んでおります。「個人情報取扱い規程」の制定など、社内体制を整備し、セキュリティ強化に取り組んでおりますが、予期せぬ情報漏えいが発生した場合には、多額のコスト負担や当社グループの信用に重大な影響を与え、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 海外での事業展開

当社はグローバル戦略として、米国、中国、東南アジア等の子会社等を通じ事業展開をしております。しかし、現地の法的規制や商慣習、為替変動等に起因する予測不能な事態が発生することにより当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

なお、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある要素は、上記だけに限定されるものではありません。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

 

ライセンス及び技術援助契約

契約会社名

契約先

国名

契約期間

契約の内容

目的

対価

森永製菓株式会社

(当社)

J.W.O.Corporation
(ジェイ・ダブリュ・オーコーポレーション)

米国

平成25年10月1日から
平成40年9月30日まで

ウイダー商標を付した健康食品ならびに飲料の製造・販売のライセンス及び技術援助

製品の売上高に対し、一定率のロイヤルティを支払う

 

 

 業務提携

契約会社名

契約先

国名

契約期間

契約の内容

目的

提携内容の骨子

森永製菓株式会社

(当社)

Barry Callebaut
(バリーカレボー社)

スイス

平成25年8月19日から
平成35年8月18日まで

当該会社から当社へのチョコレート原液の供給

当社は、当該会社よりチョコレート原液を購入する

 

 

6 【研究開発活動】

当社グループにおける研究開発活動は、「世界の人々の豊かで安全な食生活の実現と健康の増進に貢献していくこと」を使命とし、パイオニアスピリットに溢れた企業活動を通して、お客様に満足していただける商品・サービス・情報を提供すべく、「食」に関連する様々な技術分野において研究を進めております。
 なお、当連結会計年度における当社グループの研究開発費は21億5千2百万円であります。セグメントごとの研究開発費は「食料品製造」が20億2千6百万円、報告セグメントに含まれない「その他」が1億2千5百万円であります。

 

当連結会計年度は、中期経営計画に沿った開発体制の強化として、「高単価・高付加価値商品の創出」、「パワーブランドの継続強化」・「コア技術深耕」を推進いたしました。また、成長分野への取り組みとして「健康・栄養分野での食品機能の研究」に取り組みました。

 

(1)「高単価・高付加価値商品の創出」

菓子食品部門では、新しい価値を付与したキャラメルとして「ミルクキャラメル<ナッツ&フルーツ>」、ワンランク上の商品としてフルーツを具材として使用し、より本物感を味わえる「オトナハイチュウ<ビターオレンジ>」を発売いたしました。また、果肉(ドライフルーツ)を使い、美味しさと食感を特徴とした新感覚グミとして「角切り菓実<パイナップル>、<マンゴー>」を発売いたしました。「ハイチュウ」ブランドでは、通常品のリニューアルに加え発売40周年の取り組みとして多彩な味わいを楽しめる「謹製ハイチュウ」やチルドタイプである「驚愕のハイチュウ」等の開発に取り組みました。森永の上質なビスケットとして、「ステラおばさんのアーモンドクッキー」を発売し、“アントステラブランド”のラインナップの充実を図りました。食感にこだわったベイクとして「大人のくちどけベイク<ベリーのラムフランベ>、<クリーミーショコラ>」、小枝の美味しさを進化させた「小枝PREMIUM<大人のくちどけ>」を発売いたしました。チョコレートの美味しさにこだわった「ダース」においては「ダース<塩レモン>、<ピスタチオガナッシュ>」などの商品を発売いたしました。また、伸長する甘酒市場において、吟醸酒粕や富山県産コシヒカリ米麹等のこだわりの原料を使用した「吟醸甘酒」を発売いたしました。機能性表示食品制度を活用し、健康機能を付加した「カカオフラバノールスティック」を開発し、ココアで初となる“血圧が高めな方の健康な血圧をサポートするココア”を東北地区と通販限定で発売いたしました。またプレミックスでは、分かりやすく健康感が伝わり、かつ電子レンジで作ることが出来る簡便性をポイントとした「ブランブレッド<ほうれん草&コーン>、<バナナ>」を発売いたしました。

冷菓部門では、本格濃厚生チョコレートの味わいや食感にこだわり、チョコレートメーカーならではの独自技術を背景に、上質な生チョコレートを十分楽しめるワンランク上の味わい商品として「スプーンで食べる生チョコアイス」を発売いたしました。パリパリチョコとアイスの組み合わせ商品である「サンデーカップ」はこだわりのチョコ感をアップし、「ザ・クレープ」はクレープ生地のもちもち感を向上させる新配合で品質価値を向上させ、発売いたしました。

 

(2)「パワーブランドの継続強化」・「コア技術深耕」

菓子食品部門では、引き続き主力ブランドの品質向上に注力し、研究開発を行ってまいりました。「ハイチュウ」ブランドではエクステンションとして、チョコでハイチュウを覆った新食感ソフトキャンディ「チョコ玉ハイチュウ」を発売いたしました。「ベジタブルおっとっと」では野菜チップを加えて、より健康感のある商品へと品質改良を行いました。森永のコア技術の1つであるベイクドチョコ技術と半生ケーキの製造技術を活用し、濃厚な味わいとしっとり柔らか食感が特徴である大人向け菓子として「半熟ショコラ」を発売いたしました。

冷菓部門では、主力商品である「バニラモナカジャンボ」は、アイスクリームの風味を改良、モナカのサクサク食感向上と口どけ改良を行うことで、よりおいしさにこだわった品質に仕上げました。

健康部門では、当社が独自素材として開発したパッションフルーツ種子エキス“パセノール™(Passienol™)”を配合した化粧品「パセノール™ モイストジェル」を開発し、通信販売ルートで販売を開始しました。今後も、“パセノール™”の幅広い製品への応用を目指して積極的に取り組んでまいります。

 

(3)「健康・栄養分野での食品機能の研究」

食品の機能性研究としては、当社の独自素材“パセノール™”のアンチエイジング作用について大学等と共同研究を進め、“パセノール™”の血糖値降下作用や抗炎症作用のメカニズムについて国際学術雑誌に発表いたしました。また、SIRT1(長寿遺伝子)やUCP1(熱産生遺伝子)の誘導作用などについて国内の各学会や国際学会で発表いたしました。
 また、甘酒の原料である“酒粕”や“米麹”の機能性について大学等と共同研究を進め、“酒粕”と“米麹”の組み合わせによる目のクマの改善作用や皮脂の抑制作用について国内外の学会で共同発表し、多くのメディアに取り上げられました。
 機能性茶品種“べにふうき”については、2013年より3ヵ年計画で独立行政法人農業・食品産業技術研究機構の「機能性を持つ農林水産物・食品開発プロジェクト」に参画し、機能性研究について継続して取り組んでまいりましたが、無事に完了することが出来ました。今後は、得られた研究成果の応用について検討していく予定であります。
 

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 財政状態の分析

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産の残高は、666億2百万円となり、前連結会計年度末に比べ156億3百万円増加しております。これは主に、現金及び預金が151億1千2百万円、受取手形及び売掛金が2億9千4百万円増加したことなどによるものであります。 

(固定資産)

当連結会計年度末における固定資産の残高は、983億7千6百万円となり、前連結会計年度末に比べ34億7千9百万円減少しております。これは主に、土地が売却等により前連結会計年度末に比べ19億3千1百万円減少したことなどによるものであります。

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債の残高は、407億8千4百万円となり、前連結会計年度末に比べ31億3千1百万円増加しております。これは主に、未払法人税等が26億4千7百万円、賞与引当金が4億9千7百万円増加したことなどによるものであります。

(固定負債)

当連結会計年度末における固定負債の残高は、469億7千万円となり、前連結会計年度末に比べ11億6千2百万円増加しております。これは主に、長期借入金が4億5千2百万円、繰延税金負債が8億8千7百万円増加したことなどによるものであります。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産の残高は772億2千3百万円で、前連結会計年度末に比べ78億2千9百万円増加しております。これは主に、利益剰余金が65億3千万円、その他有価証券評価差額金が19億4千5百万円増加したことなどによるものであります。
 以上により自己資本比率は、前連結会計年度末より1.8ポイント増加し、45.2%となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの分析

(キャッシュ・フロー)

当連結会計年度の営業活動による資金の増加は167億1千5百万円、投資活動の結果使用した資金は20億9千1百万円、財務活動による資金の減少は23億1千1百万円となっております。
 以上により、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は前連結会計年度末に比べ151億1千2百万円増加し、267億1千4百万円となりました。
 なお、詳細につきましては、「第2事業の状況 1業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」をご参照下さい。

 

(キャッシュ・フロー指標のトレンド)

 

 

第164期
平成24年3月期

第165期
平成25年3月期

第166期
平成26年3月期

第167期
平成27年3月期

第168期
平成28年3月期

自己資本比率(%)

40.7

37.2

41.5

43.4

45.2

時価ベースの自己資本比率
(%)

38.9

38.0

40.7

71.9

90.4

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

4.9

5.4

3.4

2.4

1.6

インタレスト・カバレッジ・
レシオ(倍)

18.1

20.4

39.7

66.4

106.0

 

 

(注)

自己資本比率

:自己資本/総資産

 

時価ベースの自己資本比率

:株式時価総額/総資産

 

キャッシュ・フロー対有利子負債比率

:有利子負債/キャッシュ・フロー

 

インタレスト・カバレッジ・レシオ

:キャッシュ・フロー/利払い

各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。

株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 

 

(3) 経営成績の分析

(概要)

当連結会計年度のわが国経済は、政府の景気対策や訪日外国人需要の増加等に伴い、企業収益が改善したことで、景気は緩やかな回復基調で推移いたしておりましたが、年明け以降の円高・株安の進行により本格的な景気回復には陰りが見え始めております。このような経済状況の中、当社グループを取り巻く菓子・食品市場環境は、お客様の商品に対する選別の目がよりいっそう厳しくなるなかで、節約志向は根強く、個人消費の動向は未だ不透明感が続いております。
 このような経営環境のもと、当社は高収益安定企業を実現すべく、高付加価値商品などの開発体制の強化や生産効率の向上、全社的なコスト削減等による収益基盤強化に取り組んでまいりました。

 

売上高は、主力の食料品製造事業が好調に推移し、全体では1,818億6千8百万円と前年同期実績に比べ39億3千9百万円(2.2%)の増収となりました。
 損益は、売上高が増収であったこと、商品規格の見直しや生産効率の改善等により原価が下がったこと及び販売費の効果的な投入等により、収益性は大きく改善し、営業利益は前年同期実績に比べ55億1千7百万円(92.9%)増益の114億5千6百万円、経常利益も前年同期実績に比べ55億3千2百万円(84.7%)増益の120億6千2百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益も前年同期実績に比べ42億8千6百万円(112.6%)増益の80億9千2百万円となりました。

 

(売上高)

売上高の詳細については、「第2事業の状況 1業績等の概要 (1)業績」の中のセグメントの業績に記載のとおりです。

(売上原価、販売費及び一般管理費)

当連結会計年度の売上原価は、生産効率の改善などにより売上高比51.8%と前連結会計年度に比べ2.6ポイント低下しております。また販売費及び一般管理費は、販売費の効果的な投入などの影響により、売上高比で41.9%と前連結会計年度に比べ0.4ポイント低下しております。

(特別損益)

特別損益は、前連結会計年度の6億7千5百万円の損失(純額)から5千6百万円の利益(純額)となりました。これは、固定資産除売却損が増加したこと及び減損損失を計上した一方で、固定資産売却益が増加したことなどによるものであります。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

前連結会計年度に比べ42億8千6百万円の増益となり、1株当たりの当期純利益は31.09円となっております。

 

今後につきましては、中国経済の先行き不安がいっそう高まっているなかで、世界経済への不透明感が根強く、景気回復は鈍化した状況が続くものと思われます。国内経済も年明け以降の円高・株安の進行により景気の下振れリスクが増しており、消費者マインドも悪化していくものと予想されます。
 このような状況において、当社グループといたしましては、商品の開発体制を強化し、高付加価値商品を生み出すことで既存事業の収益力を強化するとともに、成長分野である健康分野での事業拡大及び海外事業のグローバル展開を加速させることにより企業基盤の強化に努めてまいります。また、収益改善を目的とした品目の削減、商品規格の見直しや、生産部門の生産効率向上をはじめとした経営の効率化をよりいっそう推進してまいります。