第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

1 会社の経営の基本方針

当社グループは“おいしく、たのしく、すこやかに”を基本理念とし、常にグループ活動の原点に据え、パイオニアスピリット溢れる企業活動によって、消費者の皆様に「価値と感動」を提供し続けることを使命と考えております。
 このビジョン・ミッションのもと、常に顧客視点に立ち、社会・経済環境の変化に柔軟に対応し、経営基盤の強化と事業の芽の創出に取り組んでまいります。既存事業において収益力の強化を図るとともに、成長分野と位置付けている健康分野及びグローバル展開に拍車をかけ、よりいっそうの企業基盤強化に努めてまいります。また、将来の事業の芽を創出すべく新しい事業へも挑戦し続けてまいります。同時に、従業員一人ひとりの個を活かし、知の多様性をもってこれら取り組みを着実に実現すべく、ダイバーシティ&インクルージョンの強化にも注力しております。加えて、よき企業市民としての社会的責任を果たすべく、CSR活動のいっそうの充実にも積極的に取り組んでまいります。
 当社グループは「成長」と「貢献」の両面から基本理念を具現化してまいります。

 

2 目標とする経営指標

 当社グループは、「2018中期経営計画」において経営基盤の盤石化と成長戦略の加速を実行すべく、売上高営業利益率、海外売上高比率、ROEの3つの経営指標について目標を掲げております。
 当連結会計年度は、売上高営業利益率は目標10%に対し10.2%、ROEは目標10%以上に対し10.8%と目標を達成いたしました。海外売上高比率は、主力の米国事業は好調に推移しましたが、2019年1月に連結子会社であった森永キノインドネシア㈱の全株式譲渡等により、5.3%と目標の10%を下回りました。

 

3 中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題

わが国経済は、政府の景気対策等にともない、緩やかな持ち直し傾向で推移しておりましたが、世界規模の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大により今後の混乱や停滞、景気悪化も懸念され、先行きは依然として不透明な状況が続いております。当社グループを取り巻く食品業界におきましては、国内市場において総人口の減少、シニア層の増加が進む中、家計消費の根強い節約志向が続き、食の安全・安心の徹底や品質・健康といった価値の高まりなど多様化する生活者ニーズに応えるべく、より付加価値の高い商品作りが求められ、競争環境はいっそう激しさを増しております。
 このような経営環境のもと、当社グループは、ビジョン・ミッションの具現化と、長期的かつ持続的な成長の実現のため、「2018中期経営計画」のテーマを「経営基盤の盤石化と成長戦略の加速」とし、新しいステージでの経営基盤をより強固なものとするために、国内の菓子食品・冷菓部門における「既存領域」の強化、成長を担う「ウェルネス領域」「グローバル領域」の拡大に努めてまいります。

 

(1) 既存事業の強化による経営基盤の盤石化

① 既存事業の菓子食品・冷菓部門においては、主力ブランドへマーケティング資源を集中し、売上伸長と利益創出に取り組んでまいります。特に注力する主力ブランドとして「ハイチュウ」「森永ビスケット」「チョコボール」「甘酒」「チョコモナカジャンボ」等を設定し、資源集中による効率化、強いブランド価値を活かしたエクステンション商品の展開等に取り組んでおります。

② 営業部門においては、市場変化に対応する体制構築に取り組んでまいります。既存チャネルへの戦略的な営業活動の強化とともに、ドラッグストア、インバウンド市場など伸長しているチャネルへの対応を強化し、チャネル戦略を加速してまいります。

③ 生産部門においては、主力ブランドの生産性向上と多様化する市場のニーズに応えるべく、生産体制を再構築し、高収益生産体制の確立に取り組んでまいります。森永スナック食品㈱、森永甲府フーズ㈱の2つの生産拠点を閉鎖するとともに、フラッグシップ工場である高崎森永㈱への生産拠点集約を進めております。

④ マーケティング・生産・研究の各部門が三位一体となり、顧客ニーズを満たす価値ある商品開発を推し進めるとともに、原材料価格高騰などに対応し、コストの抑制にも取り組んでまいります。

 

(2) 成長戦略の加速

① 食における健康ニーズの高まりに対応し、ウェルネス領域においては健康価値を生み出すブランドの強化と商品開発に取り組んでまいります。

・ 多様化するお客様のニーズに応えるべく、リーディングブランドである「in」を軸に、機能を充実させた商品の開発や訴求及び食シーンの拡大を図り、ブランド地位を確立してまいります。

・ 通販事業においては、「天使の健康」ブランドの「おいしいコラーゲンドリンク」を中心に、健康機能訴求の深耕を図り、通販事業の基盤強化と拡大に取り組んでまいります。

・ お客様に“健康”という価値をより身近なものとして届けるべく、保有するブランドや技術と様々な健康素材を掛け合わせて、健康を切り口とした商品のさらなる拡大に取り組んでまいります。

② 長期的かつ持続的な成長の実現のため、グローバル領域においては売上・利益の拡大が重要と捉えております。現在の主要拠点である米国・中国・東南アジアを中心に、「ハイチュウ」を核に事業基盤を強化し、さらなるグローバル展開を推進してまいります。特に米国はマーケティング資源を集中し、販売地域と導入チェーンの拡大、認知率の向上、ニーズに呼応したラインアップ拡充等により「ハイチュウ」のブランド浸透を強化すると同時に、生産体制の改善を図り、事業基盤の強化に取り組んでまいります。東南アジア市場は、2019年5月に新たに販売会社の森永アジアパシフィック㈱をタイに設立し、東南アジア市場及び近隣地域への販路拡大に継続して取り組んでまいります。

 

(3) 健康経営の推進

従業員の健康保持・増進の取り組みにより、従業員の活力・生産性の向上等の組織の活性化をもたらし、業績・企業価値の向上を推進してまいります。経済産業省・日本健康会議が選ぶ「健康経営優良法人(ホワイト500)」は2018年から認定を継続取得し、当連結会計年度も「健康経営優良法人2020(ホワイト500)」の認定を受けております。また、「働き方改革」「ダイバーシティ&インクルージョン」と連動させ、従業員が多様な能力を最大限発揮できる環境を整えるなど、従業員の心身の健康、働きがい、意欲向上への積極的なサポートに引き続き取り組んでまいります。

 

  (4) CSR活動の推進

CSR基本方針に則り、「食」を通じた社会課題の解決と持続可能な社会の実現を目指し、ステークホルダーと連携・協働してCSR活動を推進してまいります。

・ 食の安全・安心な品質を確保するために、食品安全マネジメントシステムに関する国際認証規格「FSSC22000」を運用するとともに、「品質アセスメントシステム」の強化にも取り組んでおります。

・ 未来を担う子どもたちの心と体のすこやかな成長を応援し、次世代育成に貢献するため、食育体験や自然体験といった体験型プログラムの提供や、国内外の教育環境整備などの社会貢献活動を展開してまいります。

・ 地球環境との共生を目指し、循環型社会の形成を推進するために、環境マネジメントシステム「ISO14001」の運用等、企業活動のあらゆる面で環境に配慮した取り組みを進めてまいります。

 ・ 公平・公正で社会や環境に配慮した持続可能なサプライチェーンの実現に取り組んでまいります。

・ ステークホルダーの皆様の信頼と期待に応えるために、経営の健全性及び効率性の向上、情報開示、コンプライアンスの強化を図るコーポレート・ガバナンス体制の充実に継続して取り組んでまいります。

 

 なお、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大を受け、消費活動全体は重く先行きの見えない状況となっており、 当社グループでは主に健康部門や一部の国内子会社への影響が大きくなっております。2021年3月期の計画は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響が、主に上半期に生じ、下半期に向けては収束に向かうと想定し策定しており、主な影響は以下を見込んでおります。

 

 

 ■新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に係る2021年3月期計画における考え方

 


 

 これらの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響に加え、連結子会社であった森永キノインドネシア㈱の全株式譲渡(インドネシア合弁解消)、プリングルズ販売店契約終了等の要因により、「2018中期経営計画」の最終年度である2021年3月期は、目標未達と見込んでおります。

 

 ■「2018中期経営計画」との差異


 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスク事項には、次のようなものがあります。
 なお、本事項の文中に将来に関する事項が含まれており、有価証券報告書提出日(2020年6月26日)現在において判断したものであります。

 

(1) 食の安全性

食の安全性確保は食品会社の最重要課題と認識しております。商品の安全の実現のために「品質方針」「品質保証規則」を定めて体系的な品質保証体制を構築するとともに、企画段階では「品質アセスメントシステム」により、企画・開発・製造・物流の各段階でのリスク管理を行い、原材料及び商品の安全性・適法性、適切な輸送・保管条件、容器包装への分かりやすいアレルギー情報の表示などを確認しております。製造段階では食品安全マネジメントシステム「FSSC22000」により食品の安全性を確保しております。しかし、予期せぬ品質事故により大規模な回収や製造物責任賠償が発生した場合には、多額のコスト負担や当社グループの信用に重大な影響を与え、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
 上記リスクに対して当社グループでは、品質事故が発生した場合に備え、「トータルリスクマネジメント規程」「クライシス対応要領」で役員及び従業員が行う対応を定めております。

 

(2) 生産体制

菓子食品・冷菓・健康等の商品は当社グループの工場及び仕入先で製造しておりますが、一部の商品を除き基本的には一商品一工場の生産体制であり、災害等で工場が稼動不能状態に陥った場合には販売できなくなる商品が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
 上記リスクに対して当社グループでは、事業継続マネジメント(BCM)として主力品について生産を中断させない、もしくは中断しても可能な限り短い期間で再開させる対応策を検討しております。
 

(3) 原材料調達

当社グループの主要原材料は、小麦粉・カカオ豆・植物油脂・ナッツなどの農産物及び包材に使用する石油製品等であり、その価格は市況により変動いたします。昨今、全世界的な新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大や、地球温暖化にともなう天候不順による農作物の不作、原産国での政情不安・国際紛争の発生など、原材料調達のリスク要因が増加しております。国内労働力不足に起因する労働力単価・物流・エネルギーコストの上昇、環境対策・人権問題改善に向けた法律または規制の変更などにより、価格の急激・大幅な高騰や、量的確保が困難となった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
 上記リスクに対して当社グループでは、情報収集強化、調達拠点の分散・多様化、適正在庫水準の維持、為替予約など様々な対応策を進めております。
 

(4) 天候、自然災害、感染症等

当社グループが展開している事業の中には、天候状況によって消費者の購買行動が影響を受けやすい商品があります。また、想定を超えた大規模な自然災害や新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のような感染症の流行等によって、生産や物流を中心とするサプライチェーンが停滞し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
 天候リスクに対して当社グループでは、天候に関する情報収集・分析に基づく柔軟な生産管理を行っております。自然災害や感染症などのリスクに対しては、迅速に対策本部を設置し、全社的な対応体制を構築することにより、商品供給が停滞しないよう生産・供給体制を整備いたします。
 

 

(5) 企業情報・個人情報の漏えい

当社グループでは、事業全般にわたり情報システムを活用しており、経営に係る情報や多数の法人・個人に関する重要情報を保有しております。しかし、想定を超えた技術による不正アクセスやコンピューターウイルス感染等により、予期せぬ情報漏えいが発生した場合には、多額のコスト負担や当社グループの信用に重大な影響を与え、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
 上記リスクに対して当社グループでは、情報セキュリティの一環として、対応策を策定するとともに、「個人情報取扱い規程」の制定、情報管理に関する研修の実施など、社内体制を整備し、セキュリティ強化に取り組んでおります。また、万一情報漏えいが発生した場合には、直ちに関係者に公表し、システム復旧や被害拡散防止等の具体的な対策を講じるとともに、徹底した事実調査・原因究明を実施することにより、信用回復を図ることができるよう対応策を整備しております。
 

(6) 海外での事業展開

当社はグローバル戦略として、米国、中国、東南アジア等の子会社等を通じ事業展開をしております。これらの国や地域において、戦争やテロリズムの発生、政治・社会の変化、現地の法的規制や税務制度の変更、商慣習、急激な為替変動等に起因する予測不能な事態が発生することにより当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
 上記リスクに対して当社グループでは、各国での情報収集を通じて、具体的かつ早期に対処できるように、戦略の見直し、商品供給拠点の柔軟な変更、海外子会社への適切な指導・監査を行い、同時に経営管理体制・リスク管理体制の強化を進めております。
 

(7) 企業の社会的責任

法令違反や社会規範に反した行動等が発生したことにより法令による処罰や訴訟の提起、社会的制裁を受け、ステークホルダーからの信頼の失墜、レピュテーションやブランド価値毀損が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
 上記リスクに対して当社グループでは、企業理念に基づく「森永製菓グループ行動憲章」において法令・規則の順守を定めております。コンプライアンス委員会にて当社グループ全体のコンプライアンスリスクのマネジメントを行い、役員及び従業員を対象に毎年実施するコンプライアンス研修等で法令等の知識啓発と意識向上を図ることにより、法令違反や社会規範に反した行動の発生リスク低減に努めております。また、万一リスクが認識された場合には、法令・規則、行動憲章に則り迅速に対応する体制を整えております。

 

なお、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある要素は、上記だけに限定されるものではありません。
 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度のわが国経済は、原材料費の高騰や人手不足による人件費や物流コストの上昇に加え、消費税の引き上げ、大型台風の襲来や暖冬の影響により個人消費は力強さを欠くものとなりました。さらに新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大を受け、消費活動全体は重く先行きの見えない状況となっております。また、海外においても米中の貿易摩擦など世界経済に関する不確実性に加え、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響が世界経済に減速感をもたらしております。
 当社グループを取り巻く食品業界におきましては、食の安全・安心の徹底やライフスタイルの変化により簡便性や健康ニーズが高まる中、購買行動の変化とその兆しをとらえたより付加価値の高い商品作りが求められ、競争環境はいっそう厳しさを増しております。
 このような経営環境のもと、当社は2018年度からの3年間を対象とする中期経営計画を策定し、その2期目として、高収益安定企業を実現すべく、主力ブランドの強化と時代の変化に合わせたウェルネス領域の訴求及び高付加価値商品の開発に注力するとともに、生産効率向上を目指した工場再編や全社的なコスト削減等による収益基盤強化に取り組んでまいりました。

 

売上高は、主力の食料品製造事業が好調に推移し、全体では2,088億7千8百万円と前年実績に比べ35億1千万円(1.7%)の増収となりました。

損益は、物流費及び販売費、広告費の増加等もありましたが、原価率の低減に取り組み、営業利益は前年実績に比べ10億1千3百万円(5.0%)増益の212億3千万円、経常利益も前年実績に比べ11億8千3百万円(5.7%)増益の219億5千万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、J.W.O. Corporation(ジェイ・ダブリュ・オー・コーポレーション)と締結しているライセンス及び技術援助契約一部解約にともなう特別損失の計上等により、前年実績に比べ19億9千2百万円(15.5%)減益の108億2千4百万円となりました。

 

■営業利益増減分析


 

セグメントの経営成績は次のとおりであります。

 

<食料品製造事業>

菓子食品部門

 国内主力ブランドでは、「ハイチュウ」は包装形態の多様化を行いながら、積極的な売り場拡大を進めたことで前年実績を上回りました。「チョコボール」「カレ・ド・ショコラ」「森永甘酒」は前年実績を下回りましたが、人気イラストレーターやキャラクターとのコラボレーションデザインで店頭訴求力を高めた「森永ビスケット」は好調に推移し、主力ブランド全体では前年実績を上回りました。
 その他のブランドでは、ブドウ糖を訴求し新たな食シーンにおける需要創造を図った「森永ラムネ」が前年実績を大きく上回り、また食物繊維や素材の持つおいしさを訴求した「小麦胚芽のクラッカー」も好調に推移し、国内全体では前年実績を上回りました。
 海外では、米国で展開している「HI-CHEW」は、取扱店の増加により引き続き好調に推移しましたが、2019年1月に連結子会社であった森永キノインドネシア㈱の全株式譲渡等の影響もあり、海外全体では前年実績を下回りました。
 これらの結果、菓子食品部門全体の売上高は1,208億7千7百万円と前年実績に比べ11億3千1百万円(0.9%)減となりました。

 損益は、物流費等の増加がありましたが、原価率の低減や効率的な広告投下により、営業利益は前年実績に比べ6億9千5百万円(9.2%)増益の82億4千7百万円となりました。

 

冷菓部門

主力ブランドの「ジャンボ」グループは、最盛期の天候不順などもありましたが、積極的なプロモーションを展開した効果に加え、「バニラモナカジャンボ」が前年実績を大きく上回ったことにより、引き続き好調に推移しました。その他のブランドでは、ファミリー層向けの「パリパリバー」が好調に推移し、webプロモーションによる取扱店の増加等で「板チョコアイス」も前年実績を大きく上回りました。
 これらの結果、冷菓部門全体の売上高は407億5千3百万円と前年実績に比べ35億3千8百万円(9.5%)増となりました。

損益は、乳原料をはじめとした原材料費の高騰、物流費及び広告費の増加等もありましたが、価格改定及び原価低減の取り組みにより営業利益は前年実績に比べ13億9千3百万円(33.4%)増益の55億5千8百万円となりました。

 

健康部門

 主力ブランドの「inゼリー」は、新機能を持った高付加価値商品の訴求や飲用シーンの提案、多様な媒体でのプロモーション展開などを行いましたが、最盛期の天候不順の影響もあり、前年実績並みとなりました。手軽にプロテインが摂れる「inバー」は、糖質オフやタンパク質増量などのリニューアルにより新たなニーズを捉え、好調に推移しました。「天使の健康」シリーズの通販事業は「おいしいコラーゲンドリンク」が前年実績を上回り、通販事業全体としても前年実績を大きく上回りました。
 これらの結果、健康部門全体の売上高は384億8千6百万円と前年実績に比べ14億9千4百万円(4.0%)増となりました。

 損益は、広告費の積極的投下やプロダクトミックス等の影響により、営業利益は前年実績に比べ8億5千5百万円(10.8%)減益の70億3千万円となりました。

 

これらの結果、<食料品製造事業>の売上高は2,001億1千7百万円と前年実績に比べ2.0%増となりました。セグメント利益は208億3千6百万円と前年実績に比べ12億3千3百万円の増益となりました。

 

<食料卸売事業>

売上高は、62億3千4百万円と前年実績に比べ6.4%減となりました。セグメント利益は4億6千1百万円と前年実績に比べ7千8百万円の減益となりました。

 

 

<不動産及びサービス事業>

売上高は、19億1百万円と前年実績に比べ0.4%減となりました。セグメント利益は8億2千4百万円と前年実績に比べ3百万円の減益となりました。

 

<その他>

売上高6億2千4百万円、セグメント利益1億2千6百万円であります。

 

財政状態は次のとおりであります。

 

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産の残高は、863億2千8百万円となり、前連結会計年度末に比べ10億8千9百万円増加しております。これは主に、受取手形及び売掛金が35億9千2百万円減少した一方で、現金及び預金が35億9千1百万円、商品及び製品が4億6千8百万円、その他が7億6千8百万円増加したこと等によるものであります。 

(固定資産)

当連結会計年度末における固定資産の残高は、1,017億3千1百万円となり、前連結会計年度末に比べ111億3千3百万円増加しております。これは主に、減損損失を計上したこと等により土地が26億1千万円減少した一方で、建設仮勘定が90億3百万円、建物及び構築物(純額)が29億5百万円増加したこと等によるものであります。

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債の残高は、578億5千5百万円となり、前連結会計年度末に比べ64億5千3百万円増加しております。これは主に、支払手形及び買掛金が36億7千4百万円減少した一方で、未払金が54億6千4百万円、その他に含まれる設備関係未払金が48億6千8百万円増加したこと等によるものであります。

(固定負債)

当連結会計年度末における固定負債の残高は、247億1千7百万円となり、前連結会計年度末に比べ25億2千4百万円減少しております。これは主に、繰延税金負債が22億2千1百万円減少したこと等によるものであります。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産の残高は1,054億8千7百万円で、前連結会計年度末に比べ82億9千4百万円増加しております。これは主に、利益剰余金が75億2百万円、その他有価証券評価差額金が6億1千7百万円増加したこと等によるものであります。
 以上により自己資本比率は、前連結会計年度末より0.9ポイント増加し、55.7%となりました。

 

 ② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ335億9千万円増加し、434億2千7百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 当連結会計年度における営業活動による資金の増加は209億9千4百万円と前連結会計年度に比べ9千7百万円増加となりました。主な内容は、税金等調整前当期純利益が154億3千7百万円、減価償却費62億3千万円及び法人税等の支払額65億9千5百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 当連結会計年度における投資活動による資金の増加は169億9千3百万円となりました。主な内容は、定期預金の払戻による収入及び有形固定資産の取得による支出によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 当連結会計年度における財務活動による資金の減少は43億7千5百万円となりました。主な内容は、配当金の支払額によるものであります。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

食料品製造

菓子食品

 キャラメル・キャンディ・チョコレート・ビスケット・ココアほか

94,975

△4.2

 

冷菓
 アイスクリームほか

33,703

+5.1

 

健康
 ゼリー飲料ほか

15,218

+7.8

合計

143,897

△1.0

 

(注)1 金額は、販売価格によっております。

 2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 3「食料卸売」、「不動産及びサービス」及び「その他」のセグメントについては、該当事項はありません。

 

b. 受注実績

主要製品の受注生産は、行っておりません。

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

食料品製造

菓子食品

 キャラメル・キャンディ・チョコレート・ビスケット・ココアほか

120,877

△0.9

 

冷菓
 アイスクリームほか

40,753

+9.5

 

健康
 ゼリー飲料ほか

38,486

+4.0

 

小計

200,117

+2.0

食料卸売

6,234

△6.4

不動産及びサービス

1,901

△0.4

その他

624

+7.9

合計

208,878

+1.7

 

(注)1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。

      2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

三菱食品株式会社

24,665

12.0

25,145

12.0

丸紅株式会社

19,181

9.3

21,011

10.1

 

 

 3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

 

当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

① 経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(売上高)

売上高の詳細については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」の中のセグメントの経営成績に記載のとおりです。

(売上原価、販売費及び一般管理費)

当連結会計年度の売上原価は、生産効率の改善、商品規格見直し等により、売上高比47.3%と前連結会計年度に比べ0.8ポイント低下しております。また販売費及び一般管理費は、売上高比42.6%と前連結会計年度に比べ0.6ポイント増加しております。

(営業利益)

食料品製造事業のセグメント利益は、208億3千6百万円と前年実績に比べ12億3千3百万円の増益となりました。菓子食品部門においては、原価率の低減や効率的な広告投下により、営業利益82億4千7百万円と前年実績より6億9千5百万円の増益となりました。冷菓部門においては、主力ブランドの「ジャンボ」グループを中心に好調に推移し、増収効果及び価格改定、原価低減に取り組み、営業利益55億5千8百万円と前年実績より13億9千3百万円の増益となりました。健康部門においては、広告費の積極的投下やプロダクトミックス等の影響により、営業利益70億3千万円と前年実績より8億5千5百万円の減益となりました。
 食料卸売事業のセグメント利益は、4億6千1百万円と前年実績に比べ7千8百万円の減益となりました。
 不動産及びサービス事業のセグメント利益は、8億2千4百万円と前年実績に比べ3百万円の減益となりました。
 その他のセグメント利益は1億2千6百万円であります。

(特別損益)

特別損益は、前連結会計年度の37億6千8百万円の損失(純額)から65億1千2百万円の損失(純額)となりました。これは、J.W.O. Corporation(ジェイ・ダブリュ・オー・コーポレーション)と締結しているライセンス及び技術援助契約一部解約にともなう特別損失を計上したことなどによるものであります。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

前連結会計年度に比べ19億9千2百万円の減益となり、1株当たりの当期純利益は215.18円であります。

 

当社グループは、売上高営業利益率10%、海外売上高比率10%、ROE10%以上を主な中長期目標としております。当連結会計年度の売上高営業利益率は10.2%と、前連結会計年度より0.4ポイント上昇しております。これは主に、収益性の高い主力ブランドへの資源集中、冷菓事業の売上伸長の効果によるものであります。海外売上高比率は、主力の米国事業は好調に推移しましたが、2019年1月に連結子会社であった森永キノインドネシア㈱の全株式譲渡等により、5.3%と前連結会計年度より0.6ポイント低下しております。ROEは、特別損失の計上による親会社株主に帰属する当期純利益の減少により10.8%と前連結会計年度より2.4ポイント低下しております。

 

現在、当社グループを取り巻く事業環境はいっそう厳しさを増しております。
 当連結会計年度のわが国経済は原材料費の高騰や人手不足による人件費や物流コストの上昇に加え、消費税の引き上げ、大型台風の襲来や暖冬の影響により個人消費は力強さを欠くものとなりました。さらに新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大を受け、消費活動全体は重く先行きの見えない状況となっております。また、海外においても米中の貿易摩擦など世界経済に関する不確実性に加え、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響が世界経済に減速感をもたらしており、多くの企業が従来の取り組みと企業努力だけでは乗り切ることが困難なほど厳しい状況に直面しつつあります。 

このような状況の中、当社グループでは事業環境の変化に柔軟に対応しながら中長期の持続的な安定成長の実現を目指してまいります。国内におきましては、収益力の安定化に向けて、顧客視点のマーケティングを徹底し主力ブランドの強化と時代の変化に合わせたウェルネス領域の多様な商品開発に注力するとともに、生産効率向上を目指した工場再編や全社的なコスト削減等による収益基盤強化に取り組むことで事業ポートフォリオの最適化を図ってまいります。

 

海外におきましても、主要国においては主力ブランドの活性化を進めるとともに、営業やサプライチェーンマネジメントの強化、コストの構造改革などに取り組むことで売上拡大と収益改善を両立させた戦略を継続して実行してまいります。

なお、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大を受け、当社グループでは主に健康部門や一部の国内子会社への影響が大きくなっております。2021年3月期の計画は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響が、主に上半期に生じ、下半期に向けては収束に向かうと想定し策定しております。主な影響は「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 3 中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題」をご参照下さい

 

② 財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容

財政状態の詳細については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」の中の財政状態に記載のとおりです。

 

③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(キャッシュ・フローの状況)

キャッシュ・フローの詳細につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

 

(キャッシュ・フロー指標のトレンド)

 

第168期
2016年3月

第169期
2017年3月

第170期
2018年3月

第171期
2019年3月

第172期
2020年3月

自己資本比率(%)

45.7

48.7

55.0

54.8

55.7

時価ベースの自己資本比率
(%)

91.4

140.4

136.9

137.5

118.2

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

1.6

1.4

0.6

0.5

0.5

インタレスト・カバレッジ・
レシオ(倍)

106.0

134.6

149.0

451.4

317.1

 

 

(注)

自己資本比率

:自己資本/総資産

 

時価ベースの自己資本比率

:株式時価総額/総資産

 

キャッシュ・フロー対有利子負債比率

:有利子負債/キャッシュ・フロー

 

インタレスト・カバレッジ・レシオ

:キャッシュ・フロー/利払い

各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。

「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を第171期の期首から適用したことにともない、第170期以前の決算期に係るキャッシュ・フロー指標のトレンドについては、当該会計基準等を遡って適用した後の指標となっております。

株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 

 

(資本の財源及び資金の流動性)

当社グループの当連結会計年度末の現金及び現金同等物は434億2千7百万円となり、資金需要を満たすための資金は、原則として、営業活動によるキャッシュ・フローを財源としつつ、銀行借入、社債発行等により調達する方針であります。資金調達の際には、適切な手元資金の水準、期間及び金利等の調達条件、自己資本比率、ROE、ROICといった財務指標への影響度等を総合的に勘案したうえで、最適な資本構成を目指して実施してまいります。
 資金配分については、円滑な事業活動及び安全性を確保するための手元資金の水準を確保しつつ、企業価値向上に資する配分に努めております。企業価値向上のための資金配分といたしましては、「2018中期経営計画」における「経営基盤の盤石化と成長戦略の加速」を推進するとともに、適切な株主還元を実行してまいります。
 株主還元につきましては経営における重要課題と考えており、安定的配当を確保しつつ、業績及びキャッシュ・フローの状況、配当性向等を総合的に勘案し、状況に応じた株主還元を実施してまいります。当社の配当政策につきましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおりです。
 

④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。
 詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 」に記載のとおりです。

また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の収束時期等を含む仮定に関する情報については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりです。

 

4 【経営上の重要な契約等】

 

ライセンス及び技術援助契約

契約会社名

契約先

国名

契約期間

契約の内容

目的

対価

森永製菓株式会社

(当社)

J.W.O. Corporation
(ジェイ・ダブリュ・オーコーポレーション)

米国

2013年10月1日から
2028年9月30日まで

ウイダー商標を付した健康食品並びに飲料の製造・販売のライセンス及び技術援助

製品の売上高に対し、一定率のロイヤリティを支払う

 

(注) J.W.O. Corporation(ジェイ・ダブリュ・オー・コーポレーション)と締結しているライセンス及び技術援助契約の一部解約を2020年4月20日に合意しております。

 

 業務提携

契約会社名

契約先

国名

契約期間

契約の内容

目的

提携内容の骨子

森永製菓株式会社

(当社)

Barry Callebaut
(バリーカレボー社)

スイス

2013年8月19日から
2023年8月18日まで

当該会社から当社へのチョコレート原液の供給

当社は、当該会社よりチョコレート原液を購入する

 

 

5 【研究開発活動】

当社グループにおける研究開発活動は、「世界の人々の豊かで安全な食生活の実現と健康の増進に貢献していくこと」を使命とし、パイオニアスピリットに溢れた企業活動を通して、お客様に満足していただける商品・サービス・情報を提供すべく、「食」に関連する様々な技術分野において研究を進めております。

なお、当連結会計年度における当社グループの研究開発費は2,240百万円であります。セグメントごとの研究開発費は「食料品製造」が2,139百万円、報告セグメントに含まれない「その他」が100百万円であります。

 

当連結会計年度は、「2018中期経営計画」に掲げる、既存領域での収益性向上とウェルネス領域及びグローバル領域における成長戦略の加速の実現に向けて、「技術を基軸に、未来に向けて新たな価値を創造する」という研究開発方針に基づき、「重要技術のアップデート」「ウェルネス領域の拡大」「未来価値創造」の3つの戦略のもと継続して取り組みました。

 

1)「重要技術のアップデート」

菓子食品部門では、主力ブランドに関する技術伸長に注力して研究開発を進めてまいりました。心地よいチューイング性とジューシー感が特長の「ハイチュウ」は、果実ピューレを従来品の2倍の量を使用し果実の味わいをさらに楽しむことができるように改良いたしました。また、インバウンドを含めた幅広いターゲットを狙い、「国産果汁ハイチュウアソート」を開発し、国産果汁使用による王道の果物の特徴を活かした程よい酸味と、春らしいさわやかな味わいを活かした品質に仕上げました。もちもちとした噛み応えと噛むほどに増す芳醇な味わいと香りが特長の「ハイチュウプレミアム」は、果汁のリアル感にこだわった品質に仕上げた「ハイチュウプレミアム<赤ぶどう>、<レモン>、<もも>」の3品を開発し、売上の伸長に寄与いたしました。
 「森永ビスケット」ではこれまで培ったビスケット製造技術を駆使し、「チョイス<ショコラ>」や「マリー」ブランドでは発売97年目にして初のブランドエクステンション品である「マリー<焦がしキャラメル>」を開発し、ブランドの伸長に大きく寄与いたしました。また「ダース」や「カレ・ド・ショコラ」においては、業務提携しているバリーカレボー社と共同でルビーチョコレートを使用した「ダースプレミアム<ホワイト&ルビー>」「カレ・ド・ショコラ<ルビーカカオ>」を開発し、高付加価値化及びブランド価値向上を進めました。
 注目の甘酒市場に対しては、さらなる若年層のトライアル獲得・森永甘酒ファン化を目指し、「スパークリング米麹甘酒」を開発いたしました。米麹に炭酸を組み合わせ、米麹のコクのある風味と発泡感を活かしたさっぱりと飲みやすい甘酒に仕上げました。また、やさしい甘さが特長の米麹甘酒にお肌にうれしいコラーゲンを配合し、飲み口すっきりと仕上げた「森永のやさしい米麹甘酒<コラーゲン>」を開発し、米麹甘酒の間口拡大を図りました。
 冷菓部門では、当社が得意とする菓子技術との融合を活かした商品開発を継続しております。「パリパリバー」の技術を使用し、ビスケットとの融合で新たな価値を取り入れた「パリパリサンドアイス」を開発いたしました。サンドアイスの新しい可能性を感じられる新商品として来期につながる結果を残すことができました。また、好評をいただいている「ジャンボ」グループに関しては、ミルクと甘さの調整を図り、ミルクのコクを高めた冬限定の「バニラモナカジャンボ」を発売し、トライアルを喚起するとともに冬需要を盛り上げました。 

 

2)「ウェルネス領域の拡大」

  ウェルネス商品を拡充するため、商品開発と食品機能の研究の2方向で取り組みました。

 

 <商品開発>

商品開発では、伸長を続けるゼリー飲料市場に向け、さらに価値を高めた商品開発を行いました。「inゼリー<エネルギー KEI SPECIAL>」「inゼリー<エネルギー NAOMI SPECIAL>」では、素早いエネルギー補給に加えて、錦織圭、大坂なおみ両選手の嗜好やイメージに合わせた品質を開発いたしました。また、秋冬需要に応えるべく、ビタミンCを1000mg配合した「inゼリー<エネルギーレモン ビタミンCプラス>」を開発し、ビタミンCの酸味と甘みのバランスの取れた品質に仕上げました。

「inバー」では、タンパク質の高配合化に取組み、1本でタンパク質を15g摂取できる焼きチョコタイプの「inバープロテイン ベイクドチョコ」を開発いたしました。また、おやつ・間食シーンにおいて、おいしく手軽にタンパク質を摂取できる「inバープロテインミニ ベイクドチョコ」「inバープロテインミニ ココアブラウニー」を開発いたしました。

 

 <食品機能の研究>

食品機能の研究では、ココア、甘酒に加え、“タンパク質”、“コラーゲン”、“パセノール™”について生理機能に関する研究を行いました。

ココアについては、“カカオフラバノールによる身体の柔軟性を高める機能”、“カカオリグニンによる便通を改善する機能”、“カカオフラバノールの血圧調整機能”を併せた、ココアでは初の3つの機能性を同時に表示する機能性表示食品「森永ココア カカオ90スティック」を8月に発売いたしました。その他、ココアの飲用が脳認知機能に与える影響を検証し、“認知機能の一部を向上させる機能”を学術論文で発表いたしました。

また甘酒では、“米麴”を原料としたものには、“肌の弾力性を高め、たるみを抑制する機能”があることをヒト試験で見出し、学術論文で発表いたしました。

タンパク質については、基礎研究に注力しその成果について論文発表や特許取得を行いました。特にプロテインパウダーに配合しているEMR(酵素処理ルチン)について、摂取したタンパク質の血中濃度を上昇させる知見を得て、学術論文で発表いたしました。

コラーゲンの機能研究については、肌の潤いと膝関節に関する機能に加えて、“骨の形成をサポートする機能”についてのヒト試験の結果を学術論文で発表し、コラーゲンでは初の3つの機能性を同時に表示した「おいしいコラーゲンドリンク<ピーチ味>、<レモン味>」を機能性表示食品として届出を行い、受理されました。

当社独自素材“パセノール™”についても、機能性表示食品として届出された“肌の潤いをサポートする機能”に関する作用機序として、肌の潤い因子であるヒアルロン酸の生成促進があることを示し、学会発表いたしました。また、他の食品成分と比較し抗酸化遺伝子HO-1の発現を著しく上昇させる効果や腫瘍細胞において細胞死を促進する活性を見出し、これらを学術論文で発表いたしました。

 

 

(3)「未来価値創造」

2018年度に新設された未来価値創造センターは、当社コア技術領域を中心に中長期的な研究開発と新市場に向けた新規技術開発を進めております。
 特に、注力ブランドに付加価値を加えるべく、タンパク質原料の改質を行うことで、タンパク質濃度が高くてもより風味や食感に優れる加工技術を開発し「inゼリー」へ活用いたしました。また、モナカアイスのパリパリ食感を維持するための、量産技術・モナカ皮の研究や、チョコレート技術をアイス領域に応用するための新規独自素材開発など、コア技術の深耕を図りました。
 また、原料のコストダウン、安定供給に向けた研究、「グローバル・ウェルネス領域」を意識した新規加工技術開発など、新たな技術シーズの開発を、中長期の視点で継続的に取り組んでおります。さらに科学的なアプローチによる独自の評価技術開発を進め、食感や風味の見える化や感性工学に基づく嗜好性の評価研究にも取り組んでおります。 

 

当社グループの価値創造を担う中核拠点として新しい研究所の建設を予定しております。世界の人々の豊かで安全な食生活の実現と健康の増進へのさらなる貢献を目指し、当社が保有する幅広いカテゴリーの食品の知見・技術の融合・発展を図っていくとともに、外部協業を推進すべく、外部の知見も積極的に取り入れるオープンな研究環境を整備するなど、研究開発活動のさらなる強化を図ってまいります。