文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、取り巻く経営環境が大きく変化する中、持続的な成長を目指すべく、2021年に新たに企業理念を策定いたしました。新企業理念は、わたしたちの使命(パーパス)、わたしたちが目指す未来(ビジョン)、わたしたちが大切にする想い(バリュー)と、これらを一言で表した『コーポレートメッセージ』(おいしく たのしく すこやかに)で構成しております。この新企業理念を森永製菓グループにおける全ての活動の拠り所として、ステークホルダーの皆様と社会の期待に応えることで持続可能な社会の実現に貢献し、長期的な企業価値向上を図ってまいります。

(2) 2018中期経営計画の振り返り
「2018中期経営計画」では、長期的且つ持続的な成長への起点の構築を目指し、「経営基盤の盤石化と成長戦略の加速」をテーマに事業活動を推進してまいりました。

既存領域)
当社グループの基盤を支える事業として、「ハイチュウ」「チョコモナカジャンボ」など主力ブランドを中心とした売上高の拡大と高収益生産体制構築に向けた拠点再編に取り組み、収益力を高めてまいりました。
ウェルネス領域)
健康意識の高まりを背景に、「in」ブランドを軸に健康機能の充実、食シーンの拡大を図り、通販事業でも「おいしいコラーゲンドリンク」を中心に機能訴求を高めて事業規模を拡大いたしました。
グローバル領域)
2019年の森永キノインドネシア㈱の全株式譲渡等により重要経営指標における海外売上高比率10%以上の目標は未達となりましたが、米国において「ハイチュウ」の販売とブランド浸透が好調に推移し、当社グループの収益力の向上に大きく貢献いたしました。
経営目標
「2018中期経営計画」の重要経営指標と当連結会計年度の実績は以下のとおりであります。
(注) ウェルネス売上高比率:ウェルネス関連商品/〔国内〕菓子食品・健康部門売上
中期経営計画最終年度の当連結会計年度は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響等から減収となりましたが、既存領域を中心とした収益力の向上により売上高営業利益率10%水準を安定して創出する経営基盤を構築することができました。今後は、中長期の成長戦略を加速するべく、さらなる収益力向上による成長投資原資の安定的な創出、様々な経営リスクに備えつつ経営資源を最大限活用するための経営基盤の強化に取り組んでまいります。
(3) 中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題
① 経営環境
当社グループを取り巻く経営環境
日本国内は、人口減少や少子高齢化が進むことで市場縮小や労働力不足を引き起こし、安定的な企業活動を脅かす可能性があります。一方で、世界人口は新興国を中心に目覚ましい経済発展とともに急速な増加傾向にあります。また、デジタル技術の発展によりAIやIoT等の産業への活用が進み、企業のビジネスモデルにも変革の波が押し寄せております。さらに、地球温暖化による気候変動や環境破壊など地球規模の様々な社会課題が深刻化する中、企業においても持続可能な社会実現への取組みは責務であり、経営におけるサステナビリティの重要性がいっそう高まっております。
食品産業を取り巻く環境変化
高齢化や医療費抑制の観点から食を通じた健康志向が世界的に強まる中、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のまん延等に起因する生活環境の激しい変化により、心の安定、心の健康にも関心が高まっております。また、デジタル技術の発展はEコマースの普及などにつながり、消費者の購買・消費スタイルも大きな変化を続けております。
② 2030経営計画
当社グループは、新たな企業理念のもと、持続可能な社会の実現に貢献しつつ中長期的な成長を遂げ、企業価値を高めていくため、2030年に向けた長期経営計画として「2030経営計画」を策定いたしました。本計画では財務・非財務の両面から重要経営課題を統合し、サステナブル経営を実践してまいります。
2030ビジョン

当社グループは、2030年の目指す姿として2030ビジョン『森永製菓グループは、2030年にウェルネスカンパニーへ生まれ変わります。』を定めました。「ウェルネス」とは、「いきいきとした心・体・環境を基盤にして、豊かで輝く人生を追求・実現している状態」と定義し、顧客・従業員・社会に、心の健康、体の健康、環境の健康の3つの価値を提供し続ける企業になることを目指してまいります。120余年の歴史で培った信頼と技術を進化させ、あらゆる世代のウェルネスライフをサポートしてまいります。

基本方針
方針1)事業ポートフォリオの転換と構造改革による収益力の向上
<重点領域への経営資源集中>
高い収益性、成長性が見込める事業として、「inゼリー」など「in」ブランドを中心とするin事業、通販事業、米国事業、冷菓事業を選定し、これらを重点領域と定めました。重点領域への経営資源集中によって当社グループの成長を牽引してまいります。
<基盤領域による安定的なキャッシュ創出>
菓子事業、食品事業など着実な売上高拡大と収益力向上を目指す事業を基盤領域と定め、重点領域への投資原資の安定的な創出に取り組んでまいります。
<探索・研究領域の取組み>
新たなビジネスモデルの創造、グローバルにおけるウェルネス商品開発など、新たな取組みを総称して探索・研究領域と定め、次世代成長を担う新事業の育成を目指してまいります。
<機能部門を中心とした構造改革による収益力の向上>
重点領域への投資原資を創出するとともに、様々な経営リスクに備えるべく、調達、製造、物流、販売など機能部門を中心に、全社的に構造改革を実行していくことで、収益力のさらなる底上げに取り組んでまいります。
方針2)事業戦略と連動した経営基盤の構築
「2030経営計画」の達成に向けた事業戦略と連動し、「人」「技術」「キャッシュ」そして「デジタル」という経営に不可欠なリソースを最大限活かすことで経営基盤をより強固なものにしてまいります。併せてコーポレート・ガバナンスの改革を推し進め、経営の透明性向上を図ってまいります。
方針3)ダイバーシティの推進
「一人ひとりの個を活かす」という考えのもと、 ダイバーシティ&インクルージョンを推進することで、多様な人材が活躍できる環境・風土をベースに社会課題の解決につながる新しい価値(イノベーション)を創出できる環境の整備を推し進めてまいります。
経営目標
「2030経営計画」における経営目標・指標は以下のとおりであります。なお、2022年3月期の期首より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用するため、当該会計基準等に基づいた金額、指標を記載しております。
2030経営計画全体像

③ サステナブル経営
企業の持続的な成長と企業価値の向上には、財務・非財務の両面から重要経営課題を統合して取り組むサステナブル経営の実践が重要であると捉えております。当社グループでは、社会や環境など様々な課題に向き合い、「パーパス」と「2030ビジョン」の実現へ向けた重要課題(マテリアリティ)を特定いたしました。マテリアリティごとにアクションプランを定め、KPI達成へ継続して取り組んでまいります。
マテリアリティ
④ 2021中期経営計画
2022年3月期を初年度とする「2021中期経営計画」では、「2030経営計画」の達成に向けた1stステージと位置付け、「飛躍に向けた新たな基盤づくり」をテーマに事業活動を推進してまいります。長期トレンドとして原材料費高騰や人件費上昇など厳しい経営環境の継続が見込まれますが、重点領域の成長、経営基盤の構築に向けて積極的な投資を図ってまいります。他方、基盤領域及び機能部門を中心とした構造改革により、収益力のさらなる向上の実現を目指してまいります。

⑤ 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
重点領域による成長の牽引
「inゼリー」を中心としたin事業や「おいしいコラーゲンドリンク」など通販事業の拡大、米国事業における「ハイチュウ」ブランドの拡充、冷菓事業の成長に向けた高収益体制の構築などの重点領域に経営資源を集中してまいります。
2022年3月期には、高崎第三工場において冷菓の製造を開始し、冷菓事業の主力製品の製造能力増強や収益性の向上を図ってまいります。また、in事業においては「inゼリー」の売上高再拡大に向けて、継続して新たな健康機能を提供する製品開発や食シーン、ターゲットの拡大に取り組んでまいります。
基盤領域の収益力向上
菓子事業、食品事業においては、高収益基盤の構築に向けて「ハイチュウ」「森永ビスケット」「森永甘酒」など主力ブランドへの集中による売上高拡大及び効率性と収益力向上に取り組むことで、重点領域への投資原資の安定的な創出を目指してまいります。
2022年3月期には、主力ブランドを中心にお客様の心の健康に資する新たな製品開発や販売促進、商品供給体制の整備に取り組むことで、高収益事業の基盤を構築してまいります。
機能部門の構造改革
製造部門のスマートファクトリー化や販売部門の組織最適化により生産性を高めるとともに、デジタル技術を活用した全社的な効率化により収益力の向上を図ってまいります。
経営基盤の構築
2022年3月期には研究所を新設し、新たな価値を創造することで事業戦略を横断的に支えます。また、デジタル技術を活用して事業活動を変革するべく、生産性を高めるための取組みを推進いたします。さらに、強固な経営基盤の構築に向けて次期基幹システムの検討を進めてまいります。
⑥ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営指標
「2021中期経営計画」における最終年度2024年3月期の経営目標・指標は以下のとおりであります。なお、2022年3月期の期首より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用するため、当該会計基準等に基づいた金額、指標を記載しております。
(注) 「2018中期経営計画」の重点領域売上高比率期間平均値と比べ、5ポイント以上の増加を目標と
しております。
財務指標
「2021中期経営計画」においては「2030経営計画」の達成に向けて、重点領域の成長、基盤領域の収益力向上により創出したキャッシュを、重点領域の拡大、経営基盤の構築、総還元性向も意識した株主還元及びインオーガニックを含むさらなる成長投資に活用してまいります。また、R&D、DX、広告等の無形投資により中長期の成長への基盤づくりも推し進めてまいります。

当社グループは、事業活動に潜在する様々なリスクを把握し、トータルリスクマネジメントの理念のもとリスクに対し適切な対応を図るべく取り組んでおります。事業活動に潜在するリスクに対応するため、内部統制システムの一環として「トータルリスクマネジメント規程」を制定し、想定されるリスクを分類・評価して平常時における予防策を実施しております。また、トータルリスクマネジメントを組織横断的に検討・主管・実施する組織として、取締役が参加する「トータルリスクマネジメント委員会」を設置し、協議内容を取締役会に報告しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループの事業、業績及び財政状態等に影響を与え、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスク事項には、次のようなものがあります。
なお、本事項の文中に将来に関する事項が含まれており、有価証券報告書提出日(2021年6月29日)現在において判断したものであります。
1 短期・中期の視点から事業、業績及び財政状態等に影響を与える可能性のある重要なリスク
食の安全性確保は食品会社の最重要課題と認識しております。商品の安全の実現のために「品質方針」「品質保証規則」を定めて体系的な品質保証体制を構築するとともに、企画段階では「品質アセスメントシステム」により、企画・開発・製造・物流の各段階でのリスク管理を行い、原材料及び商品の安全性・適法性、適切な輸送・保管条件、容器包装への分かりやすいアレルギー情報の表示などを確認しております。製造段階では、国内の当社グループの工場において食品安全マネジメントシステム「FSSC22000」「JFS」の認証を取得、海外の当社グループの工場においても「FSSC22000」「SQF」の第三者認証を取得し、食品の安全性を確保しております。しかし、予期せぬ品質事故により大規模な回収や製造物責任賠償が発生した場合には、多額のコスト負担や当社グループの信用に重大な影響を与え、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
上記リスクに対して当社グループでは、品質事故が発生した場合に備え、「クライシス対応要領」で役員及び従業員が行う対応を定めております。
菓子食品・冷菓・健康等の商品は当社グループの工場及び協力会社で製造しておりますが、一部の商品を除き基本的には一商品一工場の生産体制であり、災害等で工場が稼動不能状態に陥った場合には販売できなくなる商品が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
上記リスクに対して当社グループでは、事業継続マネジメント(BCM)として主力品について生産を中断させない、もしくは中断しても可能な限り短い期間で再開させる対応策を進めております。
当社グループの主要原材料は、小麦粉・カカオ豆・植物油脂・乳原料などの農畜産物及び包材に使用する石油製品等であり、その価格は市況により変動いたします。昨今、全世界的な新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大や、地球温暖化に伴う天候不順による農作物の不作、原産国での政情不安・国際紛争の発生など、原材料調達のリスク要因が増加しております。国内労働力不足に起因する労働力単価・物流・エネルギーコストの上昇、環境対策・人権問題改善に向けた法令又は規制の変更などにより、価格の急激・大幅な高騰や、量的確保が困難となった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、サプライチェーンにおける持続可能な社会形成への対応遅延により、原材料調達不全や企業価値毀損が発生する可能性があります。
上記リスクに対して当社グループでは、情報収集強化、調達拠点の分散・多様化、適正在庫水準の維持、為替予約、重要原材料(カカオ豆・パーム油・紙・プラスチック)のサステナブル化、サプライヤーのサステナビリティ推進など様々な対応策を進めております。
当社グループが展開している事業の中には、天候状況によって変化する消費者の購買行動の影響を受けやすい商品があります。また、想定を超えた大規模な自然災害によって、生産や物流を中心とするサプライチェーンが停滞し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
天候リスクに対して当社グループでは、天候に関する情報収集・分析に基づいた需要予測を行い、柔軟な生産管理を行っております。また、大規模な自然災害のリスクに対しては、迅速に対策本部を設置して全社的な対応体制を構築することにより、従業員及び関係先の安全を守り資産の保全に努めるとともに、事業の早期回復と継続性を確保し商品供給が停滞しないよう生産・供給体制の整備に取り組んでおります。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のような大規模な感染症等の流行は、生産や物流を中心とするサプライチェーンの停滞や消費者の生活様式、嗜好及び購買行動に変化を生み、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
上記リスクに対して当社グループでは、感染症等のまん延時には迅速に対策本部を設置して全社的な対応体制を構築し、テレワークの活用等により従業員及び関係先の安全を守り、生産・物流部門においては商品供給が停滞しないよう生産・供給体制の整備に取り組んでおります。また、消費者の行動や嗜好の変化を継続して調査分析し、ニーズに適合した商品を開発し、新たな需要に応える商品の研究開発体制を整えております。
当社グループでは、事業全般にわたり情報システムを活用しており、経営に係る情報や多数の法人・個人に関する重要情報を保有しております。一方、重要情報の保護においては、大規模災害での停電、ソフトウェアや機器類の欠陥などのリスクに加え、技術の高度化に伴い多様化・巧妙化した外部からのサイバー攻撃によるリスクも高まっております。想定を超えた技術による不正アクセスやコンピューターウイルス感染等により、予期せぬ重要情報の漏えいや破損・消失、深刻なシステム障害などが発生した場合には、当社グループの事業活動の一時停止や多額のコスト負担が生じ、当社グループの社会的信用に重大な影響を与え、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
上記リスクに対して当社グループでは、情報セキュリティの一環として、セキュリティオペレーションセンターによる24時間監視体制などの対応策を実施するとともに、「企業秘密管理規程」及び「個人情報取扱い規程」の制定、情報管理に関する研修の実施など、社内体制を整備し、セキュリティ強化に取り組んでおります。また、万一情報漏えい等が発生した場合には、直ちに関係者に公表し、システム復旧や被害拡散防止等の具体的な対策を講じるとともに、徹底した事実調査・原因究明を実施することにより、信用回復を図ることができるよう対応策を整備しております。
当社グループはグローバル戦略として、米国、中国、東南アジア等の子会社等を通じ事業展開をしております。これらの国や地域において、戦争やテロリズムの発生、政治・社会の変化、各国各地域の法的規制や税務制度の変更、商慣習、急激な為替変動等に起因する予測不能な事態が発生することにより当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
上記リスクに対して当社グループでは、各国各地域での情報収集を通じて、具体的かつ早期に対処できるように、戦略の見直し、商品供給拠点の柔軟な変更、海外子会社への適切な指導・監査を行い、同時に経営管理体制・リスク管理体制の強化を進めております。
(8) 企業の社会的責任
法令や社会規範に違反した行動等が発生することにより法令による処罰や訴訟の提起、社会的制裁を受け、ステークホルダーからの信頼の失墜、レピュテーションやブランド価値毀損が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
上記リスクに対して当社グループでは、企業理念に基づく「森永製菓グループ行動憲章・行動規準」及び「人権方針」「税務方針」「贈収賄防止方針」等において法令・社会規範等の遵守と企業の社会的責任の遂行を定めております。また、コンプライアンスについて組織横断的に検討・推進する組織として、取締役が参加する「コンプライアンス委員会」を「コンプライアンス規程」に基づいて設置し、協議内容を取締役会に報告しております。役員及び従業員を対象に毎年実施するコンプライアンス研修等で法令等の知識啓発と意識向上を図ることにより、法令や社会規範に違反した行動の発生リスク低減に努めております。また、万一リスクが認識された場合には、法令等に則り迅速かつ適切に対応する体制を整えております。
2 中期・長期の視点から事業、業績及び財政状態等に影響を与える可能性のある重要なリスク
(1) 人材の確保・育成
当社グループにおいて人材確保と育成は、企業の持続的成長における重要な課題と認識しております。日本国内では人口減による労働人口の減少や流動性の高まりによる人材の流出増も予想されており、適切な人材の確保と育成、多様な人材が能力を発揮し活躍できる制度や環境の整備が遅れた場合には、市場における競争力が低下し当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
上記リスクに対して、当社グループでは「森永製菓グループダイバーシティポリシー」を制定し、従業員への周知、教育により浸透させていくことで、従業員の個が尊重され、生き生きと働きながら成長を続けていける状態を目指しております。また、事業を推進する専門性やグローバルな視点も踏まえた人材の確保と育成、そして制度面及び労働環境面から健康経営を推進する取組みを行っております。
(2) 気候変動と持続可能性
昨今、地球温暖化の進行による気候変動問題の深刻化や、原材料調達における環境破壊や人権問題、廃棄物の増加による環境負荷の増大等、世界は多くの地球規模の課題に直面しております。これらの課題は、原材料調達、生産、流通、消費者の志向や消費・購買行動まで当社グループの事業のバリューチェーン全体に関わり、中長期にわたって当社グループの事業の継続性や業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
上記リスクに対して、当社グループでは地球環境の保全・持続可能なバリューチェーンの実現に向けた取組みを推進しております。地球環境の保全に関しては、温室効果ガスの排出量削減に向けた中長期目標を設定し、省エネルギーと再生可能エネルギーの活用を検討するとともに、容器・包装における環境配慮や、水資源の有効利用に取り組んでおります。持続可能なバリューチェーンの実現に関しては、カカオ豆・パーム油・紙・プラスチックについて持続可能な原材料調達の中期目標を設定するとともに、フードロス削減を推進し資源循環型社会への貢献に向けて取り組んでおります。また、当社グループではサステナビリティ課題解決に対して組織横断的に検討・推進する組織として、取締役が参加する「ESG委員会」を設置し協議内容を取締役会に報告しております。
なお、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある要素は、上記だけに限定されるものではありません。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
■2021年3月期実績

■2021年3月期実績:セグメント情報

■2021年3月期実績:食料品製造事業

② 財政状態の状況
財政状態は次のとおりであります。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、770億5千1百万円となり、前連結会計年度末に比べ92億7千7百万円減少しております。これは主に、現金及び預金が118億5千9百万円減少したこと等によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、1,248億6千4百万円となり、前連結会計年度末に比べ231億3千3百万円増加しております。これは主に、建物及び構築物(純額)が55億6千7百万円、機械装置及び運搬具(純額)が66億6千2百万円、投資有価証券が94億8百万円増加したこと等によるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、482億7千8百万円となり、前連結会計年度末に比べ95億7千7百万円減少しております。これは主に、未払金が63億3千1百万円、未払法人税等が30億9千7百万円減少したこと等によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、297億1千4百万円となり、前連結会計年度末に比べ49億9千7百万円増加しております。これは主に、繰延税金負債が52億5千6百万円増加したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、1,239億2千3百万円で、前連結会計年度末に比べ184億3千6百万円増加しております。これは主に、利益剰余金が97億8千2百万円、その他有価証券評価差額金が70億6千9百万円増加したこと等によるものであります。
以上により自己資本比率は、前連結会計年度末より5.2ポイント増加し、60.9%となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ118億5千8百万円減少し、315億6千8百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は121億2千7百万円と前連結会計年度に比べ88億6千7百万円減少となりました。主な内容は、税金等調整前当期純利益が189億4千4百万円、減価償却費79億9百万円及び法人税等の支払額75億9千9百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は198億6千2百万円となりました。主な内容は、有形固定資産の取得による支出によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の減少は40億8千4百万円となりました。主な内容は、配当金の支払額によるものであります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3「食料卸売」、「不動産及びサービス」及び「その他」のセグメントについては、該当事項はありません。
主要製品の受注生産は、行っておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大により、外出の自粛やイベントの制限等、様々な経済活動が抑制されたことで消費行動の変化に伴う対応を迫られており、依然として厳しい状況が続いております。海外においては、各種政策によって経済の回復が期待されるものの、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大による世界経済の下振れリスクは依然として大きく、不透明な状況が続いております。
当社グループを取り巻く食品業界におきましては、食の安全・安心の徹底やライフスタイルの変化により簡便性や健康ニーズが高まる中、購買行動の変化とその兆しを捉えたより付加価値の高い商品作りが求められ、競争環境はいっそう厳しさを増しております。
このような経営環境のもと、当社は2018年度からの3年間を対象とする中期経営計画を策定し、その3期目として、高収益安定企業を実現すべく、主力ブランドの強化と時代の変化に合わせたウェルネス領域の訴求及び高付加価値商品の開発に注力するとともに、生産効率向上を目指した工場再編や全社的なコスト削減等による収益基盤強化に取り組んでまいりました。
売上高は、コロナ禍の影響を各セグメントで受けたことにより、全体では1,999億9千万円と前年実績に比べ88億8千8百万円(4.3%)の減収となりました。
損益は、売上高の減収等により、営業利益は前年実績に比べ20億6千8百万円(9.7%)減益の191億6千2百万円、経常利益も前年実績に比べ21億8千3百万円(9.9%)減益の197億6千7百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前年実績に比べ25億8千1百万円(23.9%)増益の134億5百万円となりました。
■営業利益増減分析

(注)1 原価及び販管費計。
2 期初計画において「その他販管費減」に含めておりましたプリングルズ販売店契約終了による影響は、費用の構成に応じて「プロダクトミックス等」及び「その他販管費減」に区分して表示しております。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
<食料品製造事業>
菓子食品部門
国内主力ブランドでは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大により外出機会が減少し、いわゆる巣ごもり需要と呼ばれる家庭内消費が増えた影響により、「森永ビスケット」は引き続き好調に推移しました。一方、外出機会の減少により、行楽需要等が落ち込んだことから「ハイチュウ」は苦戦を強いられました。また、「チョコボール」「ダース」「カレ・ド・ショコラ」「森永甘酒」も前年実績を下回り、主力ブランド全体では前年実績を下回りました。
その他のブランドでは、巣ごもり需要増加の影響により「森永ホットケーキミックス」が前年実績を大きく上回り、「森永ココア」も引き続き好調に推移しましたが、「プリングルズ」が2020年3月に販売店契約を終了した影響もあり国内全体では前年実績を下回りました。
海外では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を受けながらも、中国は前年実績を上回り、台湾、米国も好調に推移したことで、海外全体では前年実績を上回りました。
これらの結果、菓子食品部門全体の売上高は1,088億4千万円と前年実績に比べ120億3千7百万円(10.0%)減となりました。
損益は、原価改善、販売費及び一般管理費の抑制等、コスト削減に取り組んでまいりましたが、コロナ禍による減収影響を吸収するには至らず、営業利益は前年実績に比べ18億5千5百万円(22.5%)減益の63億9千2百万円となりました。

冷菓部門
主力ブランドの「ジャンボ」グループは、積極的なプロモーションを展開した効果に加え、「バニラモナカジャンボ」が引き続き好調に推移し前年実績を上回りました。その他のブランドでは、「板チョコアイス」が季節限定から通年販売に変更した影響により前年実績を大きく上回り、「パリパリバー」等マルチパックグループも好調に推移しました。
これらの結果、冷菓部門全体の売上高は470億9千1百万円と前年実績に比べ63億3千8百万円(15.6%)増となりました。
損益は、主要なブランドが好調に推移したことにより、営業利益は前年実績に比べ15億3千1百万円(27.5%)増益の70億8千9百万円となりました。

健康部門
主力ブランドの「inゼリー」は、飲用シーンの提案に加え、プロテニスプレーヤーの錦織圭選手と大坂なおみ選手の名を冠した「inゼリー<エネルギー KEI SPECIAL>」「inゼリー<エネルギー NAOMI SPECIAL>」、コロナ禍における健康ニーズを捉えた「inゼリー<シールド乳酸菌>」、アイドルグループ「嵐」とのコラボレーション商品、一部コンビニエンスストア限定で販売し好調だった「inゼリー<エネルギー ブドウ糖>」の全国発売など、積極的にブランドの強化に努めてまいりましたが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大に伴う外出機会の減少等の影響により、売上高は前年実績を大きく下回りました。
「天使の健康」シリーズの通販事業は、「おいしいコラーゲンドリンク」が好調に推移し、通販事業全体としても前年実績を上回りました。
これらの結果、健康部門全体の売上高は359億4千7百万円と前年実績に比べ25億3千9百万円(6.6%)減となりました。
損益は、販売費及び一般管理費の抑制等、コスト削減に取り組んでまいりましたが、コロナ禍による減収影響を吸収するには至らず、営業利益は前年実績に比べ17億1千7百万円(24.4%)減益の53億1千3百万円となりました。

これらの結果、<食料品製造事業>の売上高は1,918億7千8百万円と前年実績に比べ4.1%減となりました。セグメント利益は187億9千5百万円と前年実績に比べ20億4千1百万円の減益となりました。
<食料卸売事業>
売上高は、56億4千9百万円と前年実績に比べ9.4%減となりました。セグメント利益は2億8千万円と前年実績に比べ1億8千1百万円の減益となりました。
<不動産及びサービス事業>
売上高は、18億2千5百万円と前年実績に比べ4.0%減となりました。セグメント利益は7億9千万円と前年実績に比べ3千4百万円の減益となりました。
<その他>
売上高6億3千6百万円、セグメント利益1億9千万円であります。
なお、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により生じている経営成績への影響は以下のとおりであります。


② 財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容
財政状態の詳細については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。
キャッシュ・フローの詳細につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
■財務指標の趨勢


■株主還元

④ 目標とする経営指標の達成状況
2018年5月に策定いたしました「2018中期経営計画」では、最終年度となる2021年3月期の経営目標を売上高2,200億円、営業利益220億円としております。また、重要経営指標として売上高営業利益率10%、海外売上高比率10%、ROE10%以上を目標としております。
「2018中期経営計画」最終年度となる当連結会計年度の売上高は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大等の影響を受け、前年実績比4.3%減の1,999億円、営業利益は前年実績比9.7%減の191億円となり、「2018中期経営計画」の経営目標に対して未達となりました。
当連結会計年度の売上高営業利益率はコロナ禍の影響を受けたことによる減収等により、前年実績比0.6ポイント減の9.6%となりました。目標の10%に対して未達となりましたが、「2018中期経営計画」の期間を通じて主力ブランドを中心とした売上高の拡大と高収益生産体制の構築に向けた拠点再編に取り組み、収益力を高めてまいりました。当連結会計年度の海外売上高比率は、主力の米国事業を中心に、中国、台湾なども好調に推移したことで、前年実績比0.8ポイント上昇の6.1%となりましたが、2019年の森永キノインドネシア㈱の全株式譲渡等により目標の10%に対して未達となりました。当連結会計年度のROEは、親会社株主に帰属する当期純利益の増加により前年実績比1.0ポイント上昇の11.8%となり、「2018中期経営計画」の期間中の全連結会計年度で目標の10%以上を達成いたしました。
当連結会計年度のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大により、外出の自粛やイベントの制限等、様々な経済活動が抑制されたことで消費行動の変化に伴う対応を迫られており、依然として厳しい状況が続いております。海外においては、各種政策によって経済の回復が期待されるものの、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大による世界経済の下振れリスクは依然として大きく、不透明な状況が続いております。
このような状況の中、当社グループでは持続可能な社会の実現に貢献しつつ中長期的な成長を果たすべく、高い収益性、成長性が見込める事業へ経営資源を集中することで事業規模の拡大と収益性の向上に取り組んでまいります。また、投資原資を安定的に創出するべく構造改革により経営の効率化をいっそう推進するとともに、研究開発やデジタル技術などへの投資を強化することで中長期の成長に資する基盤づくりに努めてまいります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。
詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 」に記載のとおりであります。
また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の収束時期等を含む仮定に関する情報については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。
業務提携
なお、当連結会計年度において、J.W.O. Corporation(ジェイ・ダブリュ・オー・コーポレーション)と締結している以下のライセンス及び技術援助契約の一部解約を合意しております。
ライセンス及び技術援助契約
当社グループにおける研究開発活動は、「世界の人々の豊かで安全な食生活の実現と健康の増進に貢献していくこと」を使命とし、パイオニアスピリットに溢れた企業活動を通して、お客様に満足していただける商品・サービス・情報を提供すべく、「食」に関連する様々な技術分野において研究を進めております。
なお、当連結会計年度における当社グループの研究開発費は
当連結会計年度は、「2018中期経営計画」に掲げる、既存領域での収益性向上とウェルネス領域及びグローバル領域における成長戦略の加速の実現に向けて、「技術を基軸に、未来に向けて新たな価値を創造する」という研究開発方針に基づき、「重要技術のアップデート」「ウェルネス領域の拡大」「未来価値創造」の3つの戦略のもと継続して取り組みました。
(1)「重要技術のアップデート」
菓子食品部門では、主力ブランドに関する技術伸長に注力して研究開発を進めてまいりました。心地よいチューイング性とジューシー感が特長の「ハイチュウ」は、3つの果汁(果実ピューレ、果汁パウダー、濃縮果汁)を配合し、さらにフルーツの香りとジューシー感を楽しむことができるように改良いたしました。また、具の食感を際立たせる口溶けが良く柔らかい生地が特長の「すッパイチュウ」の技術を応用し、より幅広い層のお客様に様々な食感を楽しんで頂ける「ぷにしゃりハイチュウアソート」「うまイチュウ<みかん味>」の2品を開発いたしました。
「森永ビスケット」では、長年培ってきたプレーンビスケット配合技術・量産化技術をさらに高め、「ホワイトチョコチップクッキー」「ミニムーンライトプチパック」「ミニチョコチッププチパック」の3品を開発し、ブランドの伸長に大きく寄与いたしました。
また、「ダース」や「カレ・ド・ショコラ」では、ピスタチオを配合した「ダースプレミアム<ピスタチオ>、<ホワイトピスタチオ>」「カレ・ド・ショコラ<ピスタチオ>」を開発し、高付加価値化及びブランド価値向上を進めました。
甘酒市場に対しては、さらなる若年層のトライアル獲得・森永甘酒ファン化を目指し、「森永ラムネ」ブランドを活用した「スパークリング米麹甘酒<ラムネ味>」を開発し、甘酒の間口拡大を図りました。
冷菓部門では、当社が得意とする菓子技術との融合を活かした商品開発を継続しております。クリームの中にチョコレートを層状に入れる「パリパリバー」の技術を使用し、チョコレートを最大限に練り込んだ「しましまうまうまバー」を開発いたしました。斬新な見た目、インパクトのある食感に加え、ネーミングの面白さからSNSでも大きな話題を呼びました。また、好評をいただいている「ジャンボ」グループに関しては、センターチョコを増量し、冬ならではのしっかりとしたチョコ感が楽しめる冬限定の「チョコモナカジャンボ」を発売することで、市場が落ち込む冬期に新たな需要を生み出しました。
(2)「ウェルネス領域の拡大」
ウェルネス商品を拡充するため、商品開発と食品機能の研究の2方向で取り組みました。
<商品開発>
商品開発では、コロナ禍で厳しいゼリー飲料市場に対し、市場を活性化する話題性のある商品開発を行いました。森永乳業㈱が保有する独自の乳酸菌を配合した「inゼリー<シールド乳酸菌>」、アイドルグループ「嵐」が結成されたハワイでの5人の出会いをイメージした「inゼリー エネルギー HELLO NEW DREAM.SP<トロピカルフルーツ味>」、5人の夢と化学反応をイメージした「inゼリー エネルギー HELLO NEW DREAM.SP<フルーツミックス味>」を発売し市場を盛り上げました。また、女性ユーザーに向けてゼリーで繊維の食感を表現する独自技術を活用した「inゼリー フルーツ食感<もも>、<マンゴー>」を開発し、本物の果肉のような食感が味わえる品質を実現いたしました。
「inバー」では、タンパク質の高配合化に取り組み、1本あたりにタンパク質15gとEルチン、食物繊維を配合し、従来の「inバープロテイン ベイクドチョコ」と比べ糖質を40%カットした焼きチョコタイプの「inバープロテイン ベイクドビター」を開発し多様なニーズに応える商品を発売いたしました。また、1本あたりにタンパク質20gとEルチンを配合したチョコレートタイプのプロテインバー「inバープロテインSuper クランチチョコ」を開発いたしました。
<食品機能の研究>
食品機能の研究では、“タンパク質”“コラーゲン”“甘酒”“ぶどう糖”“パセノール™” に関する研究を行いました。
タンパク質については、これまで基礎研究に注力して論文発表や特許取得を行ってきたタンパク質の働きを強めるEMR(酵素処理ルチン)について、Eルチンとして広く商品展開を行うとともに立命館大学と共同でこれまでの研究成果を発表するメディア・マスコミセミナーを実施いたしました。
コラーゲンについては、肌の潤いと膝関節に関する機能を表示した「おいしいコラーゲンドリンク<ピーチ味>、<レモン味>」に新たに“骨の形成をサポートする機能”を加え、初の3つの機能性を同時に表示した機能性表示食品としてリニューアルいたしました 。さらに、コラーゲンに加えて、パセノール™、エラスチンペプチド、ヒアルロン酸の組合せが、肌の潤いを保持する成分であるヒアルロン酸を合成する酵素(HAS)の発現を促進することを細胞試験で見出しました。上記の組合せを配合したコラーゲンドリンクの上位商品「おいしいコラーゲンドリンク プレミオ」を飲用することにより“肌の潤いを保つこと”に加え、“肌の弾力(肌のハリ)をも向上させること”をヒト試験で検証し、学術論文で発表いたしました。
甘酒については、酒粕と米麹を原料とした商品に“ヒト腸内のビフィズス菌の占有率を増やすこと”や“日常生活における疲労感を軽減し、人に温かく接する事ができるようになること”をヒト試験で見出し、学術論文で発表いたしました。
ぶどう糖については、ぶどう糖含有ゼリーとぶどう糖ラムネ菓子が“認知機能の一部を向上させること”をヒト試験で見出し、学術論文で発表いたしました。
パセノール™については、“脂肪燃焼を促進する機能があること”をヒト試験で見出し、学術論文で発表いたしました。また、2019年度から商品に表示している“肌の潤いを保つ機能”“肌の弾力を維持する機能”に加え、“脂肪を消費しやすくする機能”も合わせた機能性表示食品の届出を行い、国内初の“肌の潤いを保つ機能”と“脂肪を消費しやすくする機能”を同時に表示する機能性表示食品として受理されました。さらに、パセノール™を配合した製品を複数開発し、機能性表示食品として届出を行い、受理されました。
その他、菓子の機能性表示食品として、「やる気スイッチタブレット」や「糖質90%オフのど飴」などのキャンディ商品を開発いたしました。
(3)「未来価値創造」
2018年度に新設された未来価値創造センターは、当社コア技術領域を中心に中長期的な研究開発と新市場に向けた新規技術開発を進めております。
特に注力している「ゼリー飲料技術」「冷凍下の菓子技術(冷菓)」「ソフトキャンディ技術」の技術深耕による付加価値化に取り組みました。「inゼリー」ではタンパク質原料の改質による高タンパク配合の「inゼリー プロテイン15000」の開発、「ジャンボ」グループでは新たな成形技術を確立しパリパリ食感が進化した「バニラモナカジャンボ」の開発、「キャンディ」では糖結晶コントロールとコーティング技術の進化による新食感ソフトキャンディ「おもちっち<ミルク>」の開発を行いました。また、主に米国向け商品として、より差別化された食感を意識したソフトキャンディの開発を進めております。
原料のコストダウン、安定供給に向けた研究、「グローバル・ウェルネス領域」を意識した新規加工技術開発など、新たな技術シーズの開発を中長期の視点で継続的に取り組んでおります。さらに科学的なアプローチによる独自の評価技術開発を進め、食感や風味の見える化や感性工学に基づく嗜好性の評価研究にも社外の研究機関と連携しながら取り組んでおります。
当社グループの価値創造を担う中核拠点として新しい研究所の建設を進めております。世代を超えて愛されるすこやかな食を創造し続け、世界の人々の笑顔を未来につなぐことを目指し、当社が保有する幅広い食品カテゴリーの知見・技術の融合・発展を図っていくとともに、共創を推進すべく、外部知見を積極的に取り入れるオープンな研究環境を整備するなど、研究開発活動のさらなる強化を図ってまいります。