当連結会計年度におけるわが国経済は、政府の経済政策による企業収益や雇用情勢の改善を背景に緩やかな回復基調が続いておりますが、海外経済の不確実な情勢に起因した為替相場・株式市場の変動により先行き不透明な状況で推移しました。
菓子・食品業界におきましても、消費動向は予断が許されない状況の中、企業間の競争は激化し、厳しい経営環境が続いております。
このような状況のもと、当社グループは中期3カ年計画「One imuraya 2017」の2年目にあたる今年度を、経営目標達成に向けた重要な年として、①経営品質の向上、②無駄の削除、③2N(NEWとNEXT)の創造を軸に事業活動を展開いたしました。
また、「明日も行きたくなる会社」を目指して、全グループで経営品質向上活動を展開しております。この活動が評価され、2017年2月に開催されました三重県経営品質賞選考委員会において、「三重県経営品質賞 知事賞」を受賞いたしました。今後も、さらなる経営品質向上に向けて、活動をブラッシュアップさせてまいります。さらに、地元三重県伊勢市で開催された4年に1度のお菓子の祭典、第27回全国菓子大博覧会・三重「お伊勢さん菓子博2017」への出店準備を着実に進め、開催期間中(4月21日~5月14日)は「ようこそ!!あずき王国へ」「aiai Café(アイアイカフェ)」「物販ブース」の出店やあずきの啓蒙、限定商品の発売などを行い、グループ全体で「お伊勢さん菓子博2017」を応援してまいりました。
当連結会計年度における当社グループの業績は、売上面では、流通事業セグメントにおいて冷菓カテゴリーを中心に全カテゴリーで売上が増加しました。また、井村屋シーズニング株式会社や日本フード株式会社でのBtoB事業の売上も順調に推移しました。なお、井村屋シーズニング株式会社と日本フード株式会社は2017年4月1日付で合併し、社名を「井村屋フーズ株式会社」として新たにスタートいたしました。独自性と多様性のある生産技術力によるシナジー効果を発揮し、事業の発展と企業価値向上を図ってまいります。海外では、米国のIMURAYA USA,INC.のアイス事業において販路拡大が図られました。また、中国事業も売上増加とコスト削減が図られ着実に伸長しました。その結果、連結売上高は、前年同期比33億52百万円(8.7%)増の419億97百万円となりました。
コスト面では、バイオマスボイラの稼働率向上に伴う動燃費の削減や冷凍倉庫「アイアイタワー」の設備投資効果による保管料減少などとともに、グループ全体で取り組んでいる生産性向上活動によって、コスト低減が図られました。
その結果、営業利益は前年同期比4億89百万円(65.9%)増の12億32百万円、経常利益は前年同期比5億68百万円(77.0%)増の13億6百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比2億71百万円(60.9%)増の7億16百万円となり、売上高、各利益とも過去最高の業績となりました。
各セグメントの概況は次のとおりであります。
① 流通事業
流通事業におけるカテゴリー別の概況につきましては以下のとおりです。
(菓子・食品・デイリーチルド)
菓子カテゴリーについては、ようかん類の中で「えいようかん」や「スポーツようかん」「招福羊羹」シリーズの売上が増加しました。また、製法にこだわった新商品「煮小豆ようかん」を発売し、好評をいただいております。焼き菓子では、「和菓子屋のどら焼き」シリーズ、カステラ類の「クリームチーズカステラ」が順調に推移しました。海外では、中国の井村屋(北京)食品有限公司(IBF)のカステラ販売が計画通り推移しました。その結果、菓子カテゴリーの売上高は、前年同期比2億39百万円(5.6%)増の45億44百万円となりました。
食品カテゴリーについては、夏物商品で容器をリニューアルした「氷みつ」が伸長しました。ホットデザートでは新商品「ゴールド大納言小豆ぜんざい」「ゴールド白小豆ぜんざい」を発売し、ぜんざい、しるこ商品が堅調に推移しました。また、日本フード株式会社ではOEM受託商品の売上が増加しました。その結果、食品カテゴリーの売上高は前年同期比4億64百万円(7.6%)増の65億62百万円となりました。
デイリーチルドカテゴリーでは、SOY(大豆)事業において、「栄養・健康に配慮した食品」として「高カロリー豆腐」を開発、発売しておりますが、その取り組みが評価され、「第38回食品産業優良企業等表彰」において「農林水産大臣賞」を受賞しました。今回の受賞を契機に「高カロリー豆腐」のさらなる拡売を図ってまいります。また、豆腐類では「美し豆腐」やその他の業務用商品の売上が増加し、デイリーチルドカテゴリーの売上高は、前年同期比73百万円(2.8%)増の26億97百万円となりました。
(冷菓・加温)
冷菓カテゴリーは、主力商品「あずきバー」シリーズは、24年ぶりに約10%の値上げを行いましたが、売上本数は前期比103.2%と好調に推移しました。「やわもちアイス」シリーズは、新商品「やわもちアイス わらびもち」の貢献もあって売上が前年同期比57.2%増と大きく伸長しました。また、フランスのクリームチーズブランド「kiri®」とのコラボ商品では、新商品として発売した「クリームチーズコーンアイス」や「やわもちアイス クリームチーズカップ」が好調に推移しました。米国でアイス事業を展開しているIMURAYA USA,INC.では井村屋ブランド商品「もちココナッツアイス」の大手小売業への導入が進み、売上高は前年同期比2億59百万円(39.0%)増となりました。その結果、冷菓カテゴリーの売上高は前年同期比17億88百万円(15.5%)増の133億28百万円となりました。
コンビニエンスストア向けの加温カテゴリーでは、残暑や暖冬の影響もありましたが、高品質な商品提案などの積極的な販売活動により、最盛期となる10月以降の売上は前年を上回って推移しました。その結果、加温カテゴリーの売上高は前年同期比2億82百万円(3.2%)増の91億82百万円となりました。肉まん・あんまん類では、量販店で販売している食品カテゴリーの冷凍まん、デイリーチルドカテゴリーのチルドまんにおいて「ゴールドまん」シリーズの新商品「ゴールドピザまん」が順調に推移しました。また、「蒸す」調理の後で「焼く」調理を加えることで新しい食感を味わっていただける新ジャンルの「ベイクド・デリ」シリーズを発売し好評をいただきました。その結果、肉まん・あんまん類全体の売上高は前年同期比3億56百万円(3.1%)増の117億44百万円となりました。
なお、約20億円の設備投資を予定し建設を進めております「点心・デリ工場」も計画通り工事が進行しており、2017年度以降も、更なる成長戦略の展開を図ってまいります。
(スイーツ)
スイーツカテゴリーでは、「Anna Miller's(アンナミラーズ)高輪店」が新メニューの発売など、お客様満足の向上に努め、堅調に推移しました。「JOUVAUD(ジュヴォー)」では、「La maison JOUVAUD(ラ・メゾン・ジュヴォー)KITTE名古屋店」が2016年6月にオープンして以来、特色あるメレンゲ菓子の「生ロカイユ」がテイクアウト商品として人気を集めており、引き続き好調に推移いたしました。また、全国5都市(東京、名古屋、大阪、京都、博多)6箇所の百貨店でバレンタインデーに向けたチョコレートを主体とする催事販売を行い、好評をいただくとともに、更にブランドの認知度向上が図られました。その結果、スイーツカテゴリーの売上高は前年同期比1億73百万円(45.3%)増の5億55百万円となりました。
以上の結果、流通事業の売上高は、前年同期比30億21百万円(8.9%)増の368億70百万円となり、セグメント利益は前年同期比4億79百万円(27.7%)増の22億8百万円となりました。
② 調味料事業
国内では井村屋シーズニング株式会社が、お客様のニーズに対応した生産機能と新商品の提案を行い、OEM及びODM(Original Design Manufacturing)市場での新規販売先の開拓により売上高が増加しました。また、コスト面においても生産性向上活動により、労務費とエネルギーコストの低減が図られました。
中国での調味料事業では、北京の北京京日井村屋食品有限公司(JIF)が中国国内で積極的な販路拡大に取り組みました。大連の井村屋(大連)食品有限公司(IDF)では生産量が増加するとともに製造原価の低減が図られ、中国の調味料事業は計画を上回る推移となりました。その結果、調味料事業の売上高は、前年同期比3億29百万円(7.2%)増の48億92百万円となり、セグメント利益は前年同期比1億56百万円(75.7%)増の3億63百万円となりました。
③ その他の事業
イムラ株式会社が行っているリースや保険の代理業は堅調に推移しました。また、井村屋商品のアウトレット販売を行っております「MOTTAINAI屋」はお客様へのサービス向上に取り組み、地域住民の皆様から引き続き好評をいただきました。本社所在地である三重県津市の近鉄津駅構内に出店している「imuraya Sweets Shop irodori」は特色のあるスイーツ商品を中心に人気を得ております。その結果、その他の事業の売上高は2億34百万円となり、セグメント利益は38百万円となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、7億94百万円となり、前連結会計年度末比で1億9百万円減少いたしました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は22億78百万円となり、前年同期に比べ、収入は6億74百万円減少いたしました。この減少の主な要因は、夏場に向けた製商品在庫の戦略的備蓄、また製商品、投資に関する仕入債務及び未払金が増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は25億55百万円となり、前年同期に比べ、支出は15億21百万円の増加となりました。この増加の主な要因は、有形固定資産の取得による支出が増加したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の増加は2億5百万円となり、前年同期に比べ、収入は20億85百万円の増加となりました。この増加の主な要因は、短期借入金の借入に伴う収入の増加によるものであります。
当連結会計年度における生産等の実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
流通事業 |
19,547,235 |
116.9 |
|
調味料事業 |
3,959,538 |
98.2 |
|
消去(セグメント間取引) |
△175,398 |
― |
|
合計 |
23,331,375 |
113.4 |
(注) 1.金額は、製造原価によって示しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.その他の事業における生産実績はありません。
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セグメントの名称 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
流通事業 |
5,464,847 |
115.3 |
|
合計 |
5,464,847 |
115.3 |
(注) 1.金額は、仕入原価によって示しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.調味料事業、その他の事業における製品仕入はありません。
|
セグメントの名称 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
流通事業 |
62,973 |
112.7 |
|
その他の事業 |
49,019 |
92.2 |
|
消去(セグメント間取引) |
△43,413 |
― |
|
合計 |
68,580 |
107.9 |
(注) 1.金額は、仕入原価によって示しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.調味料事業における商品仕入はありません。
当社グループでは、流通事業及び調味料事業において一部受注生産を行っております。なお、金額は僅少のため記載を省略しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
流通事業 |
36,956,633 |
108.9 |
|
調味料事業 |
5,038,916 |
107.0 |
|
その他の事業 |
235,736 |
100.9 |
|
消去(セグメント間取引) |
△233,520 |
― |
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合計 |
41,997,766 |
108.7 |
(注) 1.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
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相手先 |
前連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
||
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金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
㈱日本アクセス |
11,208,532 |
29.0 |
12,080,076 |
28.8 |
|
三菱商事㈱ |
4,835,281 |
12.5 |
5,090,907 |
12.1 |
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
今後の経済環境につきましては、引き続き景気は回復基調で推移することが期待されますが、新興国における経済成長の減速や、英国の欧州連合からの離脱、米国の新政権の政策動向など、先行き不透明な状況で推移すると予想されます。
菓子食品業界におきましても、人口減少や高齢化社会の進行による国内市場の伸び悩みから、競争の激化が懸念され、経営環境は引き続き厳しい状況が続くと想定されます。
このような状況のもと、2017年度は中期3カ年計画「One imuraya 2017」の最終年度を迎え、創業120年、会社設立70周年、持株会社制移行7年目の記念すべきエポックイヤーとなります。当社グループは経営目標達成に向けて着実な成長を図るとともに、次の100年に向かう大事な「新スタート」の年度として、事業活動を展開してまいります。周年のテーマを「挑む!(Challenge)」として、「変わる(Change)」「創る(Create)」「繋げる(Continue)」の3つのCの実践に取り組んでまいります。
2017年度の経営実行項目は取り組むべき2つの方向性を「リスクマネジメントの実践による新たなBCPの確立」と「生産性の向上」とし、重要項目として①リスクマネジメントの実践 ②「仕掛ける」力の増強 ③生産性の向上 ④「稼ぐ力」の増強 ⑤「2N」の継続 ⑥「働き方改革」への革新の6項目を掲げました。この項目の着実な実行によって当社グループの独自性を生み出し、「強くて、しなやかで、魅力のある」企業体を目指してまいります。
流通事業においては、各カテゴリーで主力商品、重点商品を中心に積極的な販売促進活動を展開するとともに、「Next New」(次の新は何か?)をテーマに新商品の開発、導入に取り組みます。また、SNSを活用した販売促進を強化し、新しい売り場作りとして、業務用市場の拡大、通販市場の開拓、さらにドラッグストアへの商品導入を図ります。
菓子カテゴリーではコア商品であるようかん類で「えいようかん」「スポーツようかん」「招福ようかん」の販路拡大へ取り組みます。食品カテゴリーでは、夏物商品の氷みつに新商品として「カフェフラッペ」シリーズを発売し、新しいおいしさを提供いたします。また、健康・機能性をテーマとした商品の育成を行い、菓子カテゴリーの「煮小豆ようかん」や食品カテゴリーの「煮小豆」など、煮小豆商品の事業化を進めます。デイリーチルドカテゴリーでは美容・健康・美味を提供する豆腐スイーツ「ソイドルチェ」を発売し、SOY事業の展開を図ります。冷菓カテゴリーでは、主力商品「あずきバー」シリーズの積極的な販売促進を行うとともに、「あずきバー」シリーズに次ぐ新ブランドに育った「やわもちアイス」シリーズのリニューアルや新商品「クリームチーズアイス ブルーベリー」の発売を行い、冷菓事業の更なる拡大を目指してまいります。
加温カテゴリーを中心とする肉まん・あんまん類では新工場の「点心・デリ工場」が7月より稼働開始を予定しており、付加価値の高い商品提案と新ジャンルの「ベイクド・デリ」シリーズの販路拡大を図り、新工場の稼働率向上により成長戦略を展開してまいります。
スイーツでは「JOUVAUD(ジュヴォー)」において、「La maison JOUVAUD(ラ・メゾン・ジュヴォー)KITTE名古屋店」が好調に推移しており、お客様からの評価を活かしてブランド力と収益性の向上を目指します。また、「Anna Miller's(アンナミラーズ)」ブランドの更なる展開を図ってまいります。
海外での事業展開では、成長戦略に向けた事業活動を推進します。中国のカステラ事業では業務用ルートの販路拡大と輸出商品の売上増加により、差益の向上を図ります。アメリカのIMURAYA USA,INC.においては、好評をいただいている「モチアイス」「モチクリーム」の更なる販路拡大を進めるとともに、設備投資による生産性の向上と品質管理体制の確立を図り、米国アイス事業の成長戦略を進めます。また、北米、ASEANを中心に海外での井村屋ブランドの認知度向上に取り組み、海外輸出拡大を図ります。
調味料事業では、当社グループのBtoB事業として新たにスタートした井村屋フーズ株式会社のシーズニング事業部において、OEMに加えて、生産設備と技術を活かしたODM(Original Design Manufacturing)商品の企画提案を積極的に行いODM市場での顧客獲得の拡大を目指します。また、ハラールの生産機能を活用した商品開発と提案を行ってまいります。中国の調味料事業では、特色ある商品と技術を活かし、中国国内の重点市場と海外市場に対応した商品提案により売上拡大を図るとともに、井村屋(大連)食品有限公司(IDF)での製造コスト削減により着実な成長とブランド力の向上を目指した活動を展開いたします。井村屋フーズ株式会社では、流通事業においても食品加工事業の持つレトルト・スパウチなどの生産設備を活用し、新規ルートの開拓に取り組みます。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
1.食の安全性に係るもの
当社グループは「おいしい!の笑顔をつくる」の社会的使命のもと、食を提供するものとし、お客様に高品質で安全な商品・サービスを提供し、より多くのお客様のご満足をいただけることを第一義として使用原料の検査体制の充実や生産履歴の明確化(トレーサビリティ)等に努めてまいりました。平成26年度には井村屋シーズニング株式会社、平成27年度には井村屋株式会社全工場で「食品安全管理システム 認証22000」(FSSC22000)を取得し、より一層の食の安全性の追求と品質保証体制の確立を図ってまいります。また、新商品の開発におきましても、「安全・安心・安定」を基本指針としておりさらなる改善を目指しております。
製品等の安全性と商品開発、生産、流通販売の各段階を通じた品質管理体制については最大限の努力を払っております。しかし、偶発的な事由によるものを含めて製品事故が発生した場合や当社グループの取り組みの範囲を超える事態が発生した場合には、業績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。
2.経営成績等と気象状況及び原材料価格との関連に係るもの
当社グループの流通事業における製品は季節商品の占める割合が高く、販売期間における異常気象あるいは異常気温の影響を受けることがあります。
また、製品に使用する原材料においても、主要原料であります小豆・砂糖をはじめとする農作物由来の原料等に関しましては特に市況の影響を受けます。
3.自然災害に係るもの
当社グループは、地震や台風等の自然災害に対して社内体制を整備し、緊急時の対応に備えておりますが、当社グループの危機管理対策の想定範囲を超えた天変地異の場合には、業績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。
4.キャッシュ・フローの状況の変動に係るもの
当社グループのキャッシュ・フローは、当連結会計年度において、借入金を計画通り返済しております。しかし、今後とも資金の効率的配分を行い来期以降のキャッシュ・フロー計画を立案しておりますものの、かつてのオイルショック時の原材料仕入に関しての支払サイトの短縮等を余儀なくされたような、現在の収支状況が崩れる場合が生じた際は、営業活動によるキャッシュ・フローの状況等にも影響を及ぼす可能性があります。
5.特定の販売先への高い依存度に係るもの
加温製品の「肉まん・あんまん」の主要販売先はコンビニエンスストアであり当社も大手数社に対して販売しておりますが、販売先の事業方針、営業施策等に変更があった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
6.特定の製品への高い依存度に係るもの
菓子・食品の製品については、元来その成分および製造方法について、業界自体が特許権のハードルが低く、比較的容易に新規参入や類似商品の販売が予想され加えて競合先との価格競争激化の可能性があります。
また、当社の販売商品には「水ようかん」「ゆであずき」「肉まん・あんまん」「あずきバー」等ロングセラー商品が多くあり販売ウエイトも高いものですが、商品サイクルが短期化している業界にあって、市場のニーズに適合する新商品の開発も必要となっております。
7.事業の今後の展開に係るもの
中国、アメリカで展開しております海外での事業につきましては、現地の消費動向等により、計画通りの販売ができない場合は、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
8.業界関連等の法的規制等に係るもの
当社は食品等の製造や販売等事業の展開において、現時点の規制に従いまた規制上のリスクを伴って業務を遂行しております。
将来における輸入制限、独占禁止、特許、消費者、使用原料、租税、環境・リサイクル関連等の法規制や規則、政策、業務慣行、解釈、財政及びその他の政策の変更ならびにそれによって発生する事態は当社の業務遂行や業績等へ影響を及ぼす可能性があります。しかしそれらの内容・程度等の予測は困難であり、また当社が制御できるものではありません。
9.保有資産の評価に係るもの
当社グループが保有する土地や投資有価証券等の資産価値が時価等に基づき下落する場合には、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
10.退職給付費用及び債務に係るもの
当社グループの従業員に係る退職給付費用及び債務は、割引率や年金資産の期待運用収益率等の数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されておりますが、実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は累積され将来にわたって規則的に認識されるため、将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。従って割引率の低下や運用利回りの悪化は、業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
11.情報システムに係るもの
当社グループでは、生産、販売、管理等の情報をコンピューターにより管理しています。また、ルートセールスや通信販売等の営業取引や消費者キャンペーンを含む販売促進活動等を通じて、お客様情報を保有しております。これらの情報システムの運用については、コンピューターウイルス感染によるシステム障害や、ハッキングによる被害及び外部への社内情報の漏洩が生じないよう万全の対策を講じています。しかしながら、今後これらの情報が外部に流出するような事態が起きた場合、当社グループの信用低下を招き、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
当連結会計年度の研究開発活動は、「おいしい!の笑顔をつくる」の社会的使命のもと、高い技術と新鮮な時代感覚をもち、夢のある商品とすぐれたサービスを通じて豊かな生活を提供できるよう、菓子及び食品とその関連分野における活動を行っております。
すなわち、基礎研究や外部研究機関との共同研究の継続及び事業展開上急務な研究課題に取り組み、お客様の食の安全と安心を提供できるよう、新素材の開発とその応用、製品の改善・改良・品質の向上、生産技術・生産設備の開発などに努めております。
現在の研究開発は、各事業会社の商品開発部門及び研究・開発部門などにより推進されております。なお、研究開発活動を担当している期中平均人員は68名であり、当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は5億55百万円であります。
セグメントの研究開発活動を示すと次のとおりであります。
(1) 流通事業
(基礎研究)
三重県内の大学や公設研究機関と連携し、当社のコア原料である「あずき」の研究として、あずきポリフェノールの機能性・あずき麹の発酵・養液栽培を行っています。また、「健康寿命延伸のための食の研究開発」として、高カロリー豆腐に続く、高カロリー・高タンパクデザートの開発を進めています。
(菓子商品)
当社として特色のある商品として、あずきの煮汁、皮を捨てることなく炊き上げあずきの栄養成分を閉じ込めた煮あずきようかんを発売しました。また、焼き菓子商品としても「kiri®」ブランドとのコラボ商品「クリームチーズカステラ」を発売しました。今後も新たなカステラ商品の展開を図っていきたいと思います。
(食品商品)
長年の蓄積された知恵と独自技術で、小豆を煮汁ごと炊きあげ、小豆の栄養を閉じ込めた「煮小豆」を発売しました。引き続き、好評を得ている、定番の「ゆであずき」「お赤飯の素」とともに、今後は、「煮小豆」のようなお客様の健康に寄与できる商品開発に取り組んでまいります。
(デイリーチルド商品)
美容・健康&美味の切り口で豆腐をスイーツにした「Soy Dolce(ソイドルチェ)」を販売(地域限定)いたしました。また、定番の「美し豆腐」も好評を頂き販売が広がっています。
チルド用の肉まん・あんまんは「ゴールドシリーズ」の新商品「ゴールドピザまん」が好評を得ることが出来ました。更なる商品展開を推進してまいります。
(冷菓商品)
主力商品「あずきバー」シリーズは、24年ぶりに値上げを行いましたが、売上本数は前期比103.2%と好調に推移しました。「やわもちアイス」シリーズは新商品「やわもちアイス わらびもち」が冷菓事業売上に大きく貢献しました。「あずきバー」に次ぐブランドとして順調に成長しています。「kiri®」ブランドとのコラボ商品として新たにカップやコーンタイプも発売し、好評をいただきました。和風、洋風ともに更なる拡売をめざして開発をおこなってまいります。
(点心・デリ商品)
CVSを中心に商品提案及び供給を行っています。好評頂いています「ゴールドシリーズ」に加え、蒸してから焼成することで新しい美味しさを提供できる「ベイクド・デリシリーズ」も発売いたしました。2017年度には「点心・デリ工場」が稼動します。更なる付加価値のある商品開発を行ってまいります。
(冷凍菓子商品)
長年培った「小豆加工技術」、「包あん技術」、「凍結技術」を応用し、解凍するだけで作りたての美味しさを味わっていただける和菓子を展開しています。中でも、チルド温度帯で販売することで専門店のようにすっきりとした甘さや素材の美味しさが引き立ったチルド和菓子にも力を入れて開発を行いました。今後は、和菓子の中に洋の要素を取り入れた和洋折衷菓子にも力を入れ、お客様にお喜び頂ける商品開発を進めてまいります。
当連結会計年度における研究開発費の金額は5億6百万円であります。
(2) 調味料事業
新商品開発として、2016年度は、井村屋グループ全体が掲げる方針「NEW・NEXT」の方針に従って以下の活動と準備を行いました。「井村屋こしあんパウダー」は、小豆の持つ餡粒子の特性を活かした商品に対して、今回は小豆の持つ薫に着目し、香料等の食品添加物を使用せず、小豆の薫を付与できる「アズキ薫るパウダー」を商品化致しました。2017年度の食品素材/添加物展ifia Japanにて展示およびアプリケーションでの他社品との添加効果の比較をすることで、商品特長をアピールし市場への周知を図ってまいります。
合併のシナジー効果の発揮として、2017年4月にグループ事業会社の日本フード株式会社と井村屋シーズニング株式会社を統合し井村屋フーズ株式会社を設立しました。液体及び個体製品のOEM生産加工技術を有する日本フード株式会社と、粉体加工技術と素材開発力を備える井村屋シーズニング株式会社がひとつになることで、より多様なユーザーニーズへの対応が可能となりました。合併により、お客様が期待又は要望される案件に対し、ソリューションビジネスの幅広い提案対応ができる体制が出来上がりました。
海外市場へのアプローチとして、ハラール素材での設計による、粉末醤油を開発しハラール認証登録を行いました。また、当社の登録商品(昆布、ハクサイ、ネギ、醤油、DASHI(Bonito)、DASHI(kombu))を活用したシーズニングを設計し、当社の強みである味つくりにおいてもハラール対応品での提案商談を開始しております。
当連結会計年度における研究開発費の金額は49百万円であります。
(3) その他の事業
特記事項はありません。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、当社グループの経営陣による重要な会計方針に関する見積り、判断及び仮定を使用する必要があります。
経営陣は、売掛債権、たな卸資産等について継続して評価を行っておりますが、その見積り及び判断は、判定しにくい資産・負債の簿価及び収益・費用の報告数字の基礎となります。しかし、実際の結果は、見積りによる不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループでは、重要な会計方針のうち特に以下の事項が、連結財務諸表において使用される当社グループの重要な判断と見積りに大きな影響があるものと考えております。
①その他有価証券の減損において50%超の投資価値の下落は強制減損しているが下落30%から50%までのものの取扱い
②不動在庫等があった場合の販売見込み金額の検討による期末評価及び“不動”の定義
③貸倒懸念債権等についての回収不能見込額
④退職給付会計における退職給付費用及び債務算出の前提となる割引率や年金資産の期待収益率等の検討・判断
⑤継続的な税務計画の検討による繰延税金資産の将来実現の検討・判断
⑥減損会計における資産の収益性および投資回収率の低下に伴う資産価値の下落
⑦有形固定資産の除去に伴う資産除去債務費用の計上
(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度から33億52百万円増加(前期比8.7%増)し、419億97百万円となりました。売上高等の詳細については「第2〔事業の状況〕1〔業績等の概要〕の1)業績」に記載の通りですが、さらに前連結会計年度と比較した当連結会計年度の事業別売上高実績を示すと下記の通りであります。
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企業集団の事業別売上高 |
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(単位:百万円) |
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前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
前期比増減 |
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金額 |
構成比 |
金額 |
構成比 |
金額 |
増減率 |
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流 |
菓子 |
4,305 |
11.1% |
4,544 |
10.8% |
239 |
5.6% |
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食品 |
6,097 |
15.8% |
6,562 |
15.6% |
464 |
7.6% |
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デイリーチルド |
2,623 |
6.8% |
2,697 |
6.4% |
73 |
2.8% |
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加温 |
8,900 |
23.0% |
9,182 |
21.9% |
282 |
3.2% |
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冷菓 |
11,540 |
29.9% |
13,328 |
31.8% |
1,788 |
15.5% |
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スイーツ |
382 |
1.0% |
555 |
1.3% |
173 |
45.3% |
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流通事業計 |
33,849 |
87.6% |
36,870 |
87.8% |
3,021 |
8.9% |
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調味料事業 |
4,562 |
11.8% |
4,892 |
11.6% |
329 |
7.2% |
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その他の事業 |
232 |
0.6% |
234 |
0.6% |
1 |
0.7% |
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合計 |
38,644 |
100.0% |
41,997 |
100.0% |
3,352 |
8.7% |
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(営業利益)
売上原価は、前連結会計年度から19億14百万円増加(前期比7.3%増)し、283億22百万円となりました。売上原価率は前年より0.9%減少の67.4%となっております。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度から9億48百万円増加(前期比8.3%増)し、124億43百万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度から4億89百万円増加(前期比65.9%増)し、12億32百万円となりました。
(経常利益)
当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度から5億68百万円増加(前期比77.0%増)し、13億6百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度から2億71百万円増加(前期比60.9%増)し、7億16百万円となりました。
(3) 当連結会計年度末の財政状態の分析
(資産の部)
総資産は、261億75百万円となり、前連結会計年度末に比べ28億45百万円の増加となりました。流動資産は、春夏商品販売に伴う戦略的在庫備蓄などにより10億40百万円増の99億58百万円となりました。固定資産は、物流効率を目的とした物流倉庫設備や営業事務所などの有形固定資産取得や投資有価証券の時価評価額の増加などにより18億13百万円増の161億95百万円となりました。
(負債の部)
負債は148億50百万円となり、前連結会計年度末に比べ23億57百万円の増加となりました。流動負債は、仕入債務、未払金の増加により、21億86百万円増の124億87百万円となりました。固定負債は、設備投資に伴うリース債務増加などにより1億70百万円増の23億63百万円となりました。
(純資産の部)
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の増加、その他有価証券評価差額金の増加等により4億87百万円増の113億24百万円となりました。
この結果、自己資本比率は前連結会計年度末46.33%から43.17%へ減少しました。
(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループを取り巻く事業環境は、需要の低迷から価格競争の激化が進むなど厳しい状況が続いております。
これらの個人消費基調に加え、当社グループでは流通事業の製品の季節商品の占める割合が高いこと及び調味料事業の主要取引先が即席麺業界であることなどから、気象状況が経営成績に大きな影響を及ぼします。
また製造過程では、原料として使用する農作物の天候条件による不作等での高騰、国際原油価格の動向による包装資材の上昇等直接・間接的な影響が考えられます。
それら経営成績に重要な影響を与えるリスクについては、「第2〔事業の状況〕4〔事業等のリスク〕」にも記載しております。
(5) 経営戦略の現状と見通し
当社グループとしては、このような状況を踏まえて、「和と自然」の味を食に生かし、楽しさと健康に寄与する食メーカーを目指すことをビジョンに掲げ、継続的なイノベーションで、特色経営をさらに磨き、着実な成長によって社会に貢献するグループ企業を目指すため、グループ経営の大事な要素として、“①長期的に、継続的に安定した利益を創出できる経営体制の創出、②コーポレート・ガバナンス(企業統治)の適正化による企業価値の向上”を中心に経営戦略を実施し、業績の向上、持続的成長に向け今後も邁進する所存であります。これらの具体的な取り組みは、「第2〔事業の状況〕3〔経営方針、経営環境及び対処すべき課題等〕」をご参照ください。
新年度につきましては「第2〔事業の状況〕3〔経営方針、経営環境及び対処すべき課題等〕」にも記載しておりますが、強固なグループ体質を構築するため営業利益に強い意識を注ぎ、営業利益の確保に向けた変革の実行に取り組んでまいります。
(6) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金の状況は、「第2〔事業の状況〕1〔業績等の概要〕の2)キャッシュ・フローの状況」の記載のとおりであります。
(7) 経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループの経営者は経営方針の策定に当たり、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき、最善の立案を行うよう努めておりますが、当社グループを取り巻く環境におきましては、消費動向は依然不透明で企業間競争もさらに厳しさが続くものと予測され、また様々なリスクの可能性もあり予断を許さない状況であります。
当社グループは、2015年4月より策定した中期3ヶ年計画に取り組んでおり、目標達成に向け取り組んでまいります。