第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、堅調な企業業績や雇用・所得環境の改善などを背景に、景気は緩やかな回復傾向にあるものの、個人消費は物価の上昇や海外景気の下振れの懸念などから足踏み状態が続きました。

菓子・食品業界におきましては、食の安全・安心に対するお客様の関心が一層高まる中、根強い節約志向・低価格志向による販売競争の激化、物流コストや輸入原材料価格の上昇、変化するお客様ニーズへの対応など、経営環境は厳しさを増しました。

このような環境において、当中村屋グループは経営理念「新たな価値を創造し、健康で豊かな生活の実現に貢献する」を具現化すべく、3ヵ年の経営計画「中期経営計画2015-2017」をスタートさせました。中期ビジョンに「事業構造改革による現状打破を実行し、収益体質の強化と成長軌道への転換を図る」を掲げ、「顧客視点の経営」「強みへの集中」「品質保証の徹底」「生産性の向上」「人材の育成」の5つの経営方針と「実行」「改革」「創造」の3つの行動指針のもと、持続的成長に向けた改革を進めました。

具体的には、菓子・食品・飲食の各事業で、多様化するお客様の価値観やライフスタイルに対応した新商品の開発を進めるとともに、既存商品についても不断の改良を行うことで、商品力の強化を図りました。またコンビニエンスストアや土産市場など、今後さらなる成長が見込まれるマーケットに向けて、各事業が自らの強みを活かした商品展開並びに積極的な販路拡大に取り組み、併せて全社プロジェクトチームを編成し、具体的なテーマのもと事業の垣根を超えた活動をスピード感をもって展開することで、売上高の増大に努めました。さらに、不採算店舗の閉鎖などを実行し、それにより創出された経営資源を成長ビジネスにシフトさせることで、事業構造・収益構造の改革を推進しました。

以上のような経過の中で、当連結会計年度における売上高は、新宿中村屋ビルが開業2年目を迎えて、不動産賃貸事業、飲食事業が売上を伸ばしましたが、昨年に引き続き収益性の向上を目的とした戦略に基づき不採算店舗の整理を行なったこと等により菓子事業での減収が上回り、41,368,309千円 前年同期に対して223,242千円、0.5%の減収となりました。

利益面につきましては、昨年まで高騰を続けた原材料、光熱費等が落ち着いたことによる、売上原価の低減と不採算店舗の整理による効率化が進み、営業利益は1,211,831千円 前年同期に対し444,274千円、57.9%の増益、経常利益につきましては、1,251,026千円 前年同期に対し315,621千円、33.7%の増益となりました。

また、親会社株主に帰属する当期純利益は、742,812千円 前年同期に対し302,352千円、68.6%の増益となりました。

 

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。

① 菓子事業

菓子事業におきましては、昨年に引き続き「収益改善」を念頭に、積極的に新・改良商品を発売する一方、販売不振商品、不採算店舗の整理を推進しました。

贈答菓子類では、パイ生地に餡とダコワーズ生地を乗せて焼き上げた「トロワーズぱい」を新発売しました。主力商品「うすあわせ」「あんまかろん」「月餅」「アイリッシュケーキ」では上質化・増量などの改良に合わせて価格改定を行いました。米菓では、「花の色よせ」、発売15周年を迎えた「こがねはずみ」の品質・パッケージを改良しました。

パックデザート類では、百貨店販路向け主力商品「涼菓撰」は不振でしたが、新商品「涼彩あわせ」が好調に推移しました。量販店販路向けでは、改良発売した「和水菓」が大きく増収し、和洋デザートを詰合わせた「いろどり涼菓」も好調に推移しました。

土産販路では、駅ナカ・空港向けに限定発売した東京ショコラトリー「パリコロッテ」が好評を得たほか、「新宿カリーあられ」も順調に売上を伸ばしました。

ショップブランド「円果天」では、カフェをイメージした新商品「円果天Cafe」を発売しました。「九六一八」では、フォーマルギフト用の品揃えを強化したほか、バームクーヘンなどの主力商品の品質・パッケージを改良し、合わせて価格改定を行いました。

また、新宿中村屋ビル地下1階「スイーツ&デリカBonna新宿中村屋」では、定番の商品に加えお客様の要望を取り入れた新商品・季節の商品を発売しました。

中華まんじゅう類では、商品の企画・設計段階から「安全・安心」の確保と「収益改善」に努め、主力商品の改良と新商品の開発に積極的に取り組みました。百貨店・駅ビル販路では、「天成肉饅」で使用する野菜を全て国産に切替え、醤油も最高等級の丸大豆醤油を使用することで旨みを向上させ、「天成餡饅」では焙煎度の高い黒胡麻を使い、胡麻の風味・香ばしさを追求しました。また、これら改良と合わせて価格改定を行いました。量販店販路では、お客様の嗜好に合わせて生地をしっとり柔らかくし、電子レンジで温めてもおいしく召し上がれるよう改良しました。また、品揃えの充実を図り、「濃厚ハヤシまん」を新発売しました。コンビニエンスストア販路では、「肉まん」「ピザまん」などの主力商品の改良を行うとともに、甘みの強い安納芋を使用した「安納芋まん」やピンク色の「ハートの生チョコまん」などを発売しました。

以上のような営業活動により、菓子事業全体の売上高は29,127,180千円、前年同期に対し522,093千円(1.8%)の減収となりましたが、営業利益におきましては、2,506,398千円と前年同期に対し215,740千円(9.4%)の増益となりました。

② 食品事業

食品事業におきましては、「業務用食品」と「市販食品」の2つの事業形態で活動を展開しました。

業務用食品事業では、外食市場のトレンドを踏まえ、使用食材にこだわったスープ、パスタソースやハンバーグ用ソースなどの提案を積極的に行いました。また、新規取引先へ高品質なカレーソースを供給するなど販路拡大にも努めました。

市販食品事業では、レトルトカレーを中心にスパイスの風味や具材の旨みを向上させるなどの改良を行いました。また、昨年4月に原材料高騰に対応すべく発売以来初となる価格改定を実施しました。調理用中華ソース「本格四川」シリーズでは、麻婆ソースの好調に加え、夏季に発売した「怪味ソース」も売上高拡大に寄与しました。さらに、成長するコンビニエンスストア業態向けにカレーソースの継続的な供給を図るなど、新たな取組みも強化しました。

以上のような営業活動を行いましたが、食品事業全体の売上高は6,945,426千円、前年同期に対し171,467千円(2.4%)の減収となり、営業利益におきましても270,110千円、前年同期に対し5,914千円(2.1%)の減益となりました。

 

③ 飲食事業

飲食事業におきましては、徹底した美味しさの追求と最善のサービスの提供に継続的に取り組み、お客様満足の向上に努めました。

直営レストランの主力業態である「オリーブハウス」「インドカリーの店」においては、強みとなる商品の磨き上げに取り組むとともに、お客様のニーズを取り入れたメニューや季節・時節を意識したフェアメニューを積極的に打ち出し、新たなお客様の開拓とリピート利用の促進を図りました。また、昨年9月にオリーブハウス「新宿髙島屋店」「川越アトレ店」の改装を行い、より居心地の良い店舗づくりに努めました。今年2月には、池袋東武百貨店に中村屋伝統の洋食メニューを和風テイストに仕立てて提供する新業態の店舗「洋食レストラン新宿中村屋」をオープンしました。

新宿中村屋ビル地下2階「レストラン&カフェManna新宿中村屋」では昭和2年発売の純印度式カリーを中心にボルシチなどロングセラーメニューを提供し、多くのお客様にご利用いただきました。8階「レストランGranna新宿中村屋」では、昨年10月の1周年を期にメニューを新たにし、中村屋ならではのスパイスを生かした料理と日本ワインを提供しました。

以上のような営業活動により、飲食事業全体の売上高は3,118,819千円、前年同期に対して183,610千円(6.3%)の増収、営業損失におきましては96,838千円、前年同期に対し79,860千円の改善となりました。

④ 不動産賃貸事業

不動産賃貸事業におきましては、笹塚NAビルの内装・外装の更新などを行い、快適なオフィス空間を提供することで満室稼動を維持しました。また、一昨年に開業した商業ビル「新宿中村屋ビル」の賃料収入も通期で寄与しました。

以上のような営業活動により、売上高は1,295,076千円、前年同期に対して235,003千円(22.2%)の増収、営業利益におきましても426,358千円、前年同期に対し43,508千円(11.4%)の増益となりました。

⑤ その他の事業

スポーツ事業におきましては、会員制スポーツクラブ「NAスポーツクラブA-1」において、新規会員獲得に向けたキャンペーンの実施やキッズ・シニア向けプログラムの強化などにより、運営の安定化に取り組みました。昨年6月に開店した小型フィットネスジム「NAスポーツクラブA-1EXPRESS」西永福店も順調に会員数を伸ばしました。

以上のような営業活動により、売上高は881,808千円、前年同期に対して51,706千円(6.2%)の増収、営業利益におきましても76,271千円、前年同期に対し23,425千円(44.3%)の増益となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ、879,969千円増加し、2,384,972千円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、1,925,113千円の収入となりました。これは主に、退職給付に係る負債の減少287,064千円等があったものの、税金等調整前当期純利益1,293,552千円、減価償却費1,081,448千円等があったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、435,265千円の支出となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出650,783千円等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、556,655千円の支出となりました。これは主に、長期借入れによる収入2,300,000千円があったものの、短期借入金の純増減額による減少2,100,000千円、配当金の支払額591,471千円等があったことによるものです。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

菓子事業

13,068,603

8.4

食品事業

3,451,053

△10.1

合計

16,519,656

3.9

 

(注) 1 金額は製造原価によっております。

2  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注状況

当社グループは受注生産をしておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

菓子事業

29,127,180

△1.8

食品事業

6,945,426

△2.4

飲食事業

3,118,819

6.3

不動産賃貸事業

1,295,076

22.2

その他の事業

881,808

6.2

合計

41,368,309

△0.5

 

(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

㈱セブン-イレブン・ジャパン

12,132,491

29.2

11,954,036

28.9

 

 

 

3 【対処すべき課題】

今後の国内経済は、景気の緩やかな回復が期待される一方で、物価の上昇や消費税増税、社会保険料の負担増加などから、個人消費は引き続き低迷することが懸念されており、先行きは依然として不透明な状況にあります。当社の主力事業分野である菓子・食品業界においても、原材料価格の高止まりによる収益の圧迫、市場の成熟化と流通構造の変化、労働力人口の不足によるコストの増加、そして食の安全・安心や環境問題への対応強化が求められており、企業を取り巻く環境は一層厳しくなるものと予想されます。

(1) 具体的な施策について

このような厳しい環境の中でも、当社が持続的に成長し、ステークホルダーへの利益還元を果たすため、「中期経営計画 2015-2017」の2年目においては、基本戦略である「『選択と集中』の徹底と実行」に基づいた施策を着実に実行し、中期ビジョンの実現に取り組みます。具体的には、各事業が自らの強みが生かせるビジネスへの集中化・重点化を推し進め、目標達成に向けた施策の絞り込みや集中的な資源配分を徹底します。また、不採算ビジネスの再編をスピードアップさせ、経営資源を有効活用すべく成長可能性の高いビジネスにシフトさせていきます。一方で、お客様のニーズ・ウォンツを的確に捉え、当社の企画開発力・技術力・営業力を最大限に発揮した中村屋ならではの商品・サービスを提供することで、顧客満足の向上を図ります。併せて、全社最適の視点で業務の効率化を推進し、生産性を向上させることで、収益体質を強化します。

さらに、AIBフードセーフティシステムの効果的活用や監査体制の機能強化など、メーカーとして揺るぎない品質保証体制を構築すると同時に、生産及び物流機能の整備による基幹商品の供給体制の拡充、人事制度改革による人材育成や女性が活躍できる施策などを推進させることで、将来に向けて企業基盤を強固なものにしていきます。

また「食」に携わる企業として、NPO法人や地域社会と協同で料理教室を開催するなど社会貢献活動に取り組むほか、創業者の精神に基づく芸術・文化支援活動についても、新宿中村屋ビル内の「中村屋サロン美術館」を機軸に展開していきます。

これらの取組みを全社一丸となって推進し、経営理念「新たな価値を創造し、健康で豊かな生活の実現に貢献する」を実践していくことで、社会にとってより存在価値のある会社を目指します。
 

 

(2) 会社の支配に関する基本方針について

① 会社の支配に関する基本方針の内容

上場会社である当社の株式は、株式市場を通じて多数の株主、投資家の皆様による自由な取引が認められているものであり、当社の株式に対する大規模な買付行為や買付提案がなされた場合においても、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものである限り、これを一概に否定するものではありません。

しかしながら、わが国の資本市場における株式の大規模な買付行為や買付提案の中には、その目的等からみて企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主の皆様に株式の売却を事実上強要する恐れがあるもの、対象会社の取締役会や株主の皆様が買付の条件について検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの、対象会社が買付者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買付者との交渉を必要とするもの等、対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さないものも少なくありません。

当社は、上記の例を含め、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を毀損する恐れのある大規模な買付等を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者としては適切でないと考えております。

② 基本方針の実現に資する取組みの概要

・当社グループは厳しい環境の中でも持続的に成長し、ステークホルダーへの利益還元を果たすため、「中期経営計画 2015-2017」の2年目においては、基本戦略である「『選択と集中』の徹底と実行」に基づいた施策を着実に実行し、中期ビジョンの実現に取り組みます。

・各事業が自らの強みが生かせるビジネスへの集中化・重点化を推し進め、目標達成に向けた施策の絞り込みや集中的な資源配分を徹底します。また、不採算ビジネスの再編をスピードアップさせ、経営資源を有効活用すべく成長可能性の高いビジネスにシフトさせていきます。

・お客様のニーズ・ウォンツを的確に捉え、当社の企画開発力・技術力・営業力を最大限に発揮した中村屋ならではの商品・サービスを提供することで、顧客満足の向上を図ります。併せて、全社最適の視点で業務の効率化を推進し、生産性を向上させることで、収益体質を強化します。

・AIBフードセーフティシステムの効果的活用や監査体制の機能強化など、メーカーとして揺るぎない品質保証体制を構築すると同時に、生産及び物流機能の整備による基幹商品の供給体制の拡充、人事制度改革による人材育成や女性が活躍できる施策などを推進させることで、将来に向けて企業基盤を強固なものにしていきます。

・「食」に携わる企業として、NPO法人や地域社会と協同で料理教室を開催するなど社会貢献活動に取り組むほか、創業者の精神に基づく芸術・文化支援活動についても、新宿中村屋ビル内の「中村屋サロン美術館」を機軸に展開していきます。

③ 会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

当社は、当初平成19年12月25日開催の取締役会において、「当社株式の大規模買付行為に関する対応策(以下「現プラン」といいます)」を決議し、直近では平成26年6月27日開催の当社第93回定時株主総会において株主の皆様にご承認いただき継続しております。

その概要は以下のとおりです。

イ 当社株式の大規模買付行為等
 現プランの対象となる当社株式の買付とは、特定株主グループの議決権割合を20%以上とすることを目的とする当社株券等の買付行為、または結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社株券等の買付行為をいい、かかる買付行為を行う者を大規模買付者といいます。

ロ 大規模買付ルール
 大規模買付ルールとは、事前に大規模買付者が取締役会に対して必要かつ十分な情報を提供し、取締役会による一定の評価期間が経過した後に大規模買付行為を開始するというものです。

 

ハ 大規模買付行為がなされた場合の対応
 大規模買付者が大規模買付ルールを順守した場合には、当社取締役会は、仮に当該大規模買付行為に反対であったとしても、当該買付提案についての反対意見を表明したり、代替案を提示するなど、株主の皆様を説得するに留め、原則として当該大規模買付行為に対する対抗措置は講じません。
 ただし、大規模買付ルールを順守しない場合や、順守されている場合であっても、当該大規模買付行為が、当社に回復し難い損害をもたらすなど、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうと当社取締役会が判断する場合には、対抗措置の発動を決定することがあります。

ニ 対抗措置の合理性及び公正性を担保するための制度及び手続き

大規模買付ルールが順守されたか否か、あるいは大規模買付ルールが順守された場合でも、大規模買付行為が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうものであることを理由として対抗措置を講ずるか否かについては、当社取締役会が最終的な判断を行いますが、現プランを適正に運用し、取締役会によって恣意的な判断がなされることを防止し、その判断の客観性・合理性を担保するため、独立委員会を設置いたします。

当社取締役会は、対抗措置の発動に先立ち、独立委員会に対し対抗措置の発動の是非について諮問し、独立委員会は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の向上の観点から大規模買付行為について慎重に評価・検討のうえで、当社取締役会に対し対抗措置を発動することができる状態にあるか否かについての勧告を行うものとします。

ホ 現プランの有効期間等

 現プランの有効期限は平成29年6月30日までに開催予定の当社第96回定時株主総会終結の時までとします。

ただし、現プランは、①当社株主総会において現プランを廃止する旨の決議が行われた場合、②当社取締役会により現プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、その時点で廃止されるものとします。

④ 現プランの合理性の概要

会社の支配に関する基本方針の実現に資する取組みは、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるための施策であり、まさに会社の支配に関する基本方針に沿うものであります。

また、現プランは、「買収防衛策に関する指針の要件を充足していること」「株主共同の利益の確保・向上の目的をもって導入されていること」「株主意思を反映するものであること」「独立性の高い社外者の判断を重視するものであること」「デッドハンド型やスローハンド型買収防衛策ではないこと」等、会社の支配に関する基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。

現プランの詳細につきましては、インターネット上の当社ウェブサイト(http://www.nakamuraya.co.jp)に掲載しております。

 

 

4 【事業等のリスク】

(1) 食の安全・安心に関する影響について

当社グループは、お客様に満足していただける価値ある商品とサービスをお届けするために、企画開発から原材料調達、生産、販売まで一貫した品質保証体制を確立し、日常の管理を万全な体制で取り組むとともに、品質監査体制においても、AIB国際検査統合基準に基づいた品質保証システムをより効果的に活用しております。さらに、研究開発室において、アレルギー検査や残留農薬検査及び残留動物用医薬品(抗生物質・合成抗菌剤)検査を実施することで、食の安全・安心を最優先課題とした自主管理体制及び安全確保の強化に努めておりますが、取り組みの範囲を超えた事象が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 原材料の調達価格変動に関する影響について

当社グループで製造販売しております主力商品の原材料につきまして、安全かつ安定的な供給先の確保、計画的在庫の備蓄、事前の価格交渉、適正な為替決済等を行い、価格変動リスクを可能な限り抑えております。しかしながら、産地の天候不順や自然災害等の不測の事態が発生した場合や、海外からの輸入に依存している原材料において、各種の衛生問題発生による輸入規制や、投機等による価格の高騰など想定を超えた状況が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 海外仕入れに関する商品のカントリーリスクについて

当社グループの一部商品につきましては、海外より原材料調達を行っております。しかしながら、この原材料調達については、さまざまなカントリーリスクが考えられるため、調達が困難となり、一部商品の供給を停止せざるを得ない状況が発生する可能性があります。

 

(4) 取引先への依存リスクについて

当社グループの多くの商品につきましては、協力会社に生産委託しております。生産委託は長期にわたる信頼関係による取引が続いており、安定的な製品供給が確保されると判断しておりますが、これらの委託先にて充分な生産ができない場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 自然災害に関わるリスクについて

当社グループでは、全国の販売店舗での営業展開や製造工場での生産を実施しております。これらの地域において地震や台風などの自然災害が発生した場合に備えて、防災や事故対応マニュアルの整備、防災訓練の実施、安否確認システムの導入と地震災害に対する事業継続計画(BCP)の策定など社内体制を整備し、緊急時に備えてはおりますが、危機管理対策の想定範囲を超えた天変地異の発生には対応できるとは限りません。その場合には当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(6) 金利変動に関わるリスク

当社グループは、必要資金の一部を金融機関からの借入れによって調達しており、将来の金利変動に対しては、常に対応策を講じておりますが、急速かつ大幅な金利変動があれば金利負担の増加などにより、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 有価証券時価下落等のリスク

当社グループの有価証券の運用は、短期的な売買を行わない基本方針でありますが、様々な理由により、売却可能な有価証券を保有しております。これらの有価証券のうち、時価を有するものについては、全て時価にて評価されており、市場における著しい時価変動等があれば、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 情報システムに関わるリスク

当社グループは、生産、販売、管理等の情報をコンピュータにより管理をしており、運用につきましては、ウイルス感染によるシステム障害やハッキングなどによる被害及び外部への社内情報の漏洩が生じないよう最大限の対策を実施しております。しかしながら、予期し得ない事象により当社グループのシステムに障害の発生や、外部へ社内情報が漏洩する可能性があり、対応費用等、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 不動産賃貸事業に関わるリスク

当社グループは、オフィスビル及び商業ビルの賃貸事業を行っておりますが、オフィス需要も、商業ビル需要も景気の動向に影響を受けやすい傾向にあります。経済情勢の低迷によりオフィス需要及び商業ビル需要が悪化した場合は、当社グループの不動産賃貸事業に悪影響を及ぼし、また、所有資産の価値の低下につながる可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

当社は、平成28年5月13日開催の取締役会決議により、当社の連結子会社である黒光製菓㈱と平成29年4月1日を事業譲受日とする事業譲渡契約書を平成28年5月13日付で締結いたしました。

 

6 【研究開発活動】

当社グループにおいての研究開発活動は、当社が行っております。当社は、「新たな価値を創造し、健康で豊かな生活の実現に貢献する」という経営理念のもとに、長期的な企業成長の基盤となる基礎技術研究並びに事業戦略上急務と考えられる応用技術研究と開発研究に取り組んでおります。その中で、研究陣容の強化、研究設備の拡充に努めて参りましたが、当連結会計年度においても引き続いて社外機関との交流にも力を入れることにより、さらに充実した研究開発を進めております。なお、当連結会計年度における研究開発費は、362,047千円となり、そのほとんどが菓子事業における研究開発費用であります。

 

当連結会計年度の主な研究概要は、次のとおりであります。

 

(1) 商品開発

当社の主力商品である中華まんじゅう類の新・改良商品の開発に不可欠な醗酵技術の研究及び酵母の機能研究を独自に進めるとともに、社外の研究機関との交流による新技術の開発・導入を積極的に推進し、基礎技術の蓄積に努めています。

特に、コンビニエンスストア向け戦略商品である中華まんじゅう等の開発・改良を鋭意推進し、原材料の適正化とライン化対応に積極的に取り組み、品質並びに売上の向上に寄与しています。

また、新たなファストフード商材の開発も推進しており、新規販路の開拓・拡大に結びつけるよう新商品開発に努めております。

 

(2) 基礎及び応用技術研究

製品・商品の品質保証体制を確立するため、その基礎となる品質評価技術(理化学検査、微生物検査、官能検査)及び品質保持技術(品質劣化要因の解明とその防止等)の向上、並びに関連情報の収集を推進し、より高品質で安全性の高い製品・商品の提供に寄与するとともに、お客様に満足していただけるよう、潜在ニーズの発掘と独創性の発揮による製品・商品の開発をめざし、加工技術に関する情報収集と新技術を応用した商品開発を積極的に行っております。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に当たっては、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」に基づくほか、財務諸表の作成に当たっては「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」に基づいて作成されております。なお、詳細は、連結財務諸表については、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」の項目を、提出会社の財務諸表については、「重要な会計方針」の項目をご参照ください。

 

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高41,368,309千円となりました。利益面におきましては、原材料価格高騰に対する対応や、人件費を中心とした経費の削減に努め、営業利益は1,211,831千円(前期比57.9%増)、経常利益は1,251,026千円(前期比33.7%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、742,812千円(前期比68.6%増)となりました。

 

(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

(4) 戦略的現状と見通し

当社グループとしましては、「中期経営計画2015-2017」において、「事業構造改革による現状打破を実行し、収益体質の強化と成長軌道への転換を図る」を中期ビジョンに掲げ、5つの中期経営方針「顧客視点の経営」「強みへの集中」「品質保証の徹底」「生産性の向上」「人材の育成」に基づいた戦略・施策に取り組みます。

 

(5) 資本の財源及び流動性についての分析

当社グループの資金の状況は、前連結会計年度末に比べ879,969千円増加し、当連結会計年度末には2,384,972千円となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、退職給付に係る負債の減少等がありましたが、資金の収入は1,925,113千円となり、前連結会計年度に比べ593,396千円の収入増となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出等により、資金の支出は435,265千円となり、前連結会計年度に比べ2,709,397千円の支出減となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払等により、資金の支出は556,655千円となり、前連結会計年度に比べ2,366,221千円の支出増となりました。

 

(6) 経営者の問題意識と今後の方針について

当社グループは、創業者相馬愛蔵の優れた商業経営哲学(商業の社会的役割あるいは本質に関する基本的な考え方)を現在に受け継ぎ、新たな歴史を築いて行くために、当社グループの存在価値を、創業以来変わらず続けている「お客様に満足していただける価値ある商品とサービスを創造し提供していくこと」と考えております。

経営の基本といたしましては、経営理念である「新たな価値を創造し、健康で豊かな生活の実現に貢献する」を
実現するために、「事業構造改革による現状打破を実行し、収益体質の強化と成長軌道への転換を図る」との中期
ビジョンの下、「実行」「改革」「創造」を従業員一人ひとりが仕事を進める上での行動指針としております。昨
今の当社を取り巻く経営環境、市場環境、消費行動などの大きな環境変化をチャンスととらえ、創造志向で持続的
成長を図るとともに、構造改革を推進し、高効率経営の実現を目指します。

また、環境負荷の低減にも努めるなど社会的責任を遂行し、当社グループをご愛顧頂いているステークホルダーであるお客様、お取引先様、株主様、地域社会からより一層のご評価とご支持を頂ける企業になるべく、日々の仕事を通じて新たな価値を創造し、提供していくための努力を重ねてまいります。