当連結会計年度におけるわが国経済は、政府や日銀による経済・金融政策などを背景に企業収益や雇用環境は緩やかな回復基調で推移しました。一方で、個人消費の伸び悩み、世界経済の不確実性の高まり、不安定な為替相場や株式市場など、先行き不透明な状況が続きました。
菓子・食品業界におきましては、お客様の節約志向・低価格志向による価格競争の激化に加え、天候不順による原材料価格の高騰、人手不足による人件費や物流コストの上昇など、経営環境は厳しさを増しました。
このような環境の中、当中村屋グループは3ヵ年の経営計画「中期経営計画2015-2017」の2年目を迎え、経営理念である「新たな価値を創造し、健康で豊かな生活の実現に貢献する」を具現化するため、中期ビジョン「事業構造改革による現状打破を実行し、収益体質の強化と成長軌道への転換を図る」に取り組みました。
具体的には、中期経営計画の基本方針「『選択と集中』の徹底と実行」のもと、菓子・食品・飲食の各事業の不採算ビジネスの再編を進めるとともに、成長販路への展開を積極的に行いました。合わせて、当社の強みを発揮できる基幹商品を一層強化するために不断の改良や新商品開発に取り組みました。また、コンビニエンスストアや土産ビジネスなど今後大きな伸びが見込まれる市場に向けて全社横断的なプロジェクトを編成し、経営資源を有効に活用するとともに素早い課題解決に努めました。
さらに、当社の連結子会社である黒光製菓株式会社から全事業を譲り受けることを決め、事業統合による経営の合理化を推進するほか、保有資産の効率的運用を目的に渋谷区笹塚に保有する固定資産を売却しました。一方で、新しい生産拠点として埼玉県入間市に固定資産を購入する契約を締結するなど、将来に向けた企業基盤の整備にも取り組みました。
以上のような経過の中で、当連結会計年度における売上高は、成長分野への販路拡大と主力商品が好調なことから、菓子事業と食品事業で売上を伸ばし、41,900,947千円 前年同期に対して532,637千円、1.3%の増収となりました。
利益面につきましては、不採算店舗を整理し、経営資源の効率的な活用に努めた結果、営業利益は1,436,626千円 前年同期に対し224,795千円、18.6%の増益、経常利益は、1,589,088千円 前年同期に対し338,063千円、27.0%の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は、固定資産の売却益もあり、3,852,254千円 前年同期に対し3,109,443千円、418.6%の増益となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
菓子事業におきましては、昨年に引き続き、新・改良商品を発売し売上高拡大に取り組む一方、販売不振商品、不採算店舗の整理を推進し、収益改善に取り組みました。
贈答菓子類では、徳島県産鳴門金時を使用し、ほっくりと焼き上げた「ぽくぽてと」を新発売しました。また、主力商品「うすあわせ」「あんまかろん」の品質改良や米菓「こがねはずみ」の品質・パッケージ改良を行いました。さらに、百貨店・量販店銘店向けに「どら焼」をリニューアルするほか、イベント対応商品「ハロウィンうすあわせ」「ぱいショコラん」を新発売し、デイリー品の強化に努めました。
パックデザート類では、百貨店販路において発売2年目の「涼彩あわせ」が好調に推移しました。新商品では素材の産地にこだわった「和涼えらび」を発売しました。量販店販路では、主力商品「和水菓」が昨年に続き好調に推移しました。また「いろどり涼菓」の改良発売や増加傾向にあるセルフ銘店に向けてコンパクトで持ち帰りに適した「夏涼味」を新発売しました。
土産販路では、駅ナカ・空港・高速道路へ「パリコロッテ」「しょ・こ・らドーナツ」並びに「新宿カリーあられ」を拡販しました。
ショップブランドでは「九六一八」3店舗目となる常設店を昨年10月に小田急百貨店新宿店に出店しました。
中華まんじゅう類では、品質保証を第一に新商品の開発と主力商品の改良を行いました。百貨店・駅ビル販路では、定番の「天成肉饅」「天成餡饅」「ふかひれ肉饅」のほか、月替わり商品2品目を改良しました。また、月替わり商品ではプリッとした食感の大きな海老を使用した「海老チリまん」を新発売しました。量販店販路では、電子レンジで加熱してもおいしく召し上がれるよう、昨年に引き続き中身と生地の改良を行いました。コンビニエンスストア販路では、「肉まん」「あんまん」などの主力商品の改良とともに新商品を4品目発売しました。濃厚な生チョコレートを、ココアを加えたハート型の生地で包んだ「ハートの生チョコまん」や明太子をイメージした可愛らしいキャラクターを焼印デザインに使用してSNSで話題となった「明太チーズポテトまん」は若者や女性客を中心に支持されました。
以上のような営業活動により、菓子事業全体の売上高は29,666,321千円、前年同期に対し539,141千円(1.9%)の増収となり、営業利益におきましては、2,632,101千円と前年同期に対し125,703千円(5.0%)の増益となりました。
食品事業におきましては、「業務用食品」と「市販食品」の事業形態別に成長分野の販路拡大に取り組みました。
業務用食品事業では、ファミリーレストランやカフェを中心とした外食企業に向けてパスタソースやカレーなど調理用ソースの提案を積極的に行いました。また、食品スーパーの惣菜売場やコンビニエンスストア向けにカレーパンの具材を供給するなど、新規販路を開拓しました。
市販食品事業では、主力のレトルト食品「インドカリー」シリーズの発売15周年キャンペーンを実施しました。また、「純欧風ビーフカリー」「本格四川 麻婆豆腐」が好調に推移しました。新商品では、調理用カリーソース「インドカリーの素」、2つの味が楽しめる“あいがけスタイル”の「純欧風ビーフカリー」を発売しました。さらに、コンビニエンスストア向けカレーの提案を強化し、取扱いアイテムの増加に努めました。
以上のような営業活動により、食品事業全体の売上高は7,210,725千円、前年同期に対し265,299千円(3.8%)の増収となり、営業利益におきましても496,830千円、前年同期に対し226,720千円(83.9%)の増益となりました。
飲食事業におきましては、徹底したおいしさの追求と丁寧なサービスの実践を心がけ、お客様満足の向上に努めました。
直営レストラン「オリーブハウス」「インドカリーの店」では、主力商品の改良と合わせて、お客様ニーズやトレンドを取り入れたグランドメニューの改訂、季節ごとのフェアメニューの積極的な導入により、常に新しいおいしさを提供しました。昨年12月には、北千住マルイ9階に「オリーブハウス北千住店」を新規にオープンさせ、カフェの要素を取り入れた居心地の良い店内と魅力的なメニューで女性客を中心に多くのお客様からご好評を頂いております。一方で、不採算店舗を閉鎖し、収益の改善に努めました。
新宿中村屋ビル地下2階「レストラン&カフェManna新宿中村屋」では、昭和2年発売の純印度式カリーのほか季節の素材を使ったカリーを提供し、お客様ニーズへの対応を図りました。8階「レストランGranna新宿中村屋」では、日本ワインの充実を図るとともに選べるランチセットやカジュアルなディナーセットを新たに提供しました。
以上のような営業活動を行いましたが、飲食事業全体の売上高は2,933,036千円、前年同期に対して185,783千円(6.0%)の減収、営業損失におきましては103,228千円、前年同期に対し6,390千円の減益となりました。
不動産賃貸事業におきましては、保有資産の効率的運用を図るため、賃貸オフィスビル「笹塚NAビル」を平成29年1月に売却しました。一方、商業ビル「新宿中村屋ビル」は満室稼動し、順調に推移しました。
以上のような営業活動を行いましたが、賃貸オフィスの売却が要因となり、売上高は1,158,838千円、前年同期に対して136,238千円(10.5%)の減収、営業利益におきましても366,041千円、前年同期に対し60,317千円(14.2%)の減益となりました。
スポーツ事業におきましては、総合型スポーツクラブ「NAスポーツクラブA-1」において、会員数増加に向けた魅力あるプログラムの導入・提案を行い、運営の安定化に取り組みました。一昨年から展開している小型フィットネスジム「NAスポーツクラブA-1EXPRESS」も順調に店舗数を伸ばしました。
以上のような営業活動により、売上高は932,026千円、前年同期に対して50,218千円(5.7%)の増収、営業利益におきましても86,776千円、前年同期に対し10,505千円(13.8%)の増益となりました。
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ、750,034千円増加し、3,135,005千円となりました。
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、1,748,949千円の収入となりました。これは主に有形固定資産売却益4,858,849千円等があったものの、税金等調整前当期純利益5,842,105千円、減価償却費1,151,218千円等があったことによるものです。
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、1,605,126千円の収入となりました。これは主に、有価証券の取得による支出7,899,755千円、有形固定資産の取得による支出1,688,192千円等があったものの、有形固定資産の売却による収入11,402,705千円等があったことによるものです。
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、2,604,044千円の支出となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出1,954,613千円等によるものです。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
生産高(千円) |
前年同期比(%) |
|
菓子事業 |
13,697,315 |
4.8 |
|
食品事業 |
3,693,430 |
7.0 |
|
合計 |
17,390,745 |
5.3 |
(注) 1 金額は製造原価によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループは受注生産をしておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
|
菓子事業 |
29,666,321 |
1.9 |
|
食品事業 |
7,210,725 |
3.8 |
|
飲食事業 |
2,933,036 |
△6.0 |
|
不動産賃貸事業 |
1,158,838 |
△10.5 |
|
その他の事業 |
932,026 |
5.7 |
|
合計 |
41,900,947 |
1.3 |
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
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相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
販売高(千円) |
割合(%) |
販売高(千円) |
割合(%) |
|
|
㈱セブン-イレブン・ジャパン |
11,954,036 |
28.9 |
12,969,142 |
31.0 |
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当中村屋グループが判断したものです。
当中村屋グループは、創業者の商業経営哲学を現在に受け継ぎ、新たな歴史を築いていくために、創業以来変わらず続けている「お客様に満足していただける価値のある商品とサービスを創造し提供していくこと」を経営の基本としております。
創業者の精神を受け継ぎ、今後も社会にとって必要な企業であり続けるために、中村屋グループでは「新たな価値を創造し、健康で豊かな生活の実現に貢献する」を経営理念とし、お客様にとって真に価値ある商品・サービスを創造・提供することで、社会に貢献してまいります。
当社を取り巻く経営環境、市場環境、消費行動などの大きな環境変化に対応するため、事業構造改革を推進し、収益体質の強化を図ることで、持続的成長を果たします。そして、当社並びにグループ各社をご愛顧いただいているお客様をはじめ、お取引先様、株主様、地域社会など様々なステークホルダーの皆様からより一層のご評価とご支援をいただける企業となるべく、今後も中村屋ならではの新たな価値の創造と提供に邁進してまいります。
平成30年3月期の連結業績目標につきましては、下記の目標達成を目指し、企業価値の向上を図ってまいります。
経営指標目標
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● |
連結売上高 |
443.0 |
億円 |
|
● |
連結営業利益 |
17.5 |
億円 |
|
● |
連結営業利益率 |
4.0 |
% |
当中村屋グループの平成28年3月期から平成30年3月期を対象期間とする3ヵ年の中期経営計画は以下のとおりです。
当中村屋グループの経営理念「新たな価値を創造し、健康で豊かな生活の実現に貢献する」を実行するために、「事業構造改革による現状打破を実行し、収益体質の強化と成長軌道への転換を図る」を中期ビジョンに掲げ、5つの中期経営方針「顧客視点の経営」「強みへの集中」「品質保証の徹底」「生産性の向上」「人材の育成」に基づいた戦略・施策に取り組みます。
「『選択と集中』の徹底と実行」を基本戦略とし、自らの強みを活かしたビジネスの集中化・重点化により経営資源を効率的・効果的に活用することで、収益体質の強化を図ってまいります。
また、事業構造改革と生産性の向上を通じてコスト競争力を高め、環境変化に柔軟・迅速に対応できる企業基盤を構築いたします。その上で成長可能性の高いビジネスに向けた資源配分を行い、今後の持続的成長に結び付けてまいります。
あわせて、メーカーとしての品質保証の強化を図り、収益性・成長性の基礎としてまいります。
菓子事業では、既存直売店の活性化と円菓天、九六一八、かんてん舎などの新たなブランドの育成拡大、駅ナカや空港、サービスエリアなどの新成長販路への進出を加速するとともに、カジュアルギフトなど需要の多様化に適合した商品の企画を強化してまいります。中華まんについては、量販店及びコンビニエンスストア販路での拡販を図るとともに、新たな需要や用途に対応した新商品開発を進め、高付加価値化を追求します。
業務用食品では、レストランの調理技術を活かした魅力ある商品を外食・中食販路へ積極的に提案してまいります。また市販用食品では、レトルトカレー、中華ソースを中心に上質化に対応した商品開発を行っていくとともに、収益確保のための取り組みを実行します。
飲食事業では、既存レストラン業態のリモデルと新メニューの積極的開発導入に加えて、需要の多様化に対応した新業態開発と、成長集客施設等への出店を行ってまいります。
不動産賃貸事業においては、新宿中村屋ビルなど、保有する土地資産を最大限に活用し、安定的な収益確保に努めてまいります。スポーツ事業では、安心・安全に利用できる地域に密着したスポーツクラブとして、運営安定化に取り組みます。
また成長分野として、健康志向に対応した食品の開発・改良と新たな販路開拓を行うとともに、通信販売のサービス向上と事業拡大を目指します。
さらに新宿中村屋ビル内の自営店舗(「Manna(マンナ)」「Bonna(ボンナ)」「Granna(グランナ)」)においては、中村屋の「食」の魅力をより多くの方に伝える“情報発信源”として、企業価値の向上と事業全体のさらなる発展を実現してまいります。また、中村屋ゆかりの作品の展示等を行う「中村屋サロン美術館」では、“芸術・文化”をテーマとしたメセナ活動を実践してまいります。
今後の国内経済は、景気回復の動きが継続し雇用・所得環境の改善が期待される一方で、物価が上昇基調に転じることにより個人消費の伸びが抑制されることが懸念されます。当社の主力事業分野である菓子・食品業界においても、人口減少による市場規模の縮小、原材料価格の高騰や労働力不足による人件費の上昇などが予測され、経営環境は依然として厳しい状況が続くことが見込まれます。
このような厳しい環境の中でも当社が持続的に成長し、ステークホルダーへの収益還元を果たすため、「中期経営計画 2015-2017」の最終年度となる平成29年度は5つの中期経営方針「顧客視点の経営」「強みへの集中」「品質保証の徹底」「生産性の向上」「人材の育成」に基づき、中期ビジョン「事業構造改革による現状打破を実行し、収益体質の強化と成長軌道への転換を図る」の実現と経営目標の達成に向けた取組みを着実に実行していきます。
具体的には、当社の強みを最大限に生かし成長分野への展開を加速させるとともに、不採算ビジネスの整理・統合を進めることで全社経営資源の適正な配分を行い、事業構造・収益構造の改革へと結びつけます。また、お客様にご支持いただいている基幹商品をより一層強化することと合わせて、新たな柱となる商品・ビジネスの育成にも注力し、需要拡大に取り組みます。
同時に、将来に向けた積極的な投資と生産機能の再編により物流機能を含めた供給体制の整備を推し進め、生産性の向上と効率化を図ります。そして、食品メーカーとして確固たる品質保証体制を構築していくことで、安全・安心をベースとした付加価値の高い商品の提供に努めます。さらに、人材育成システムの整備や女性が活躍できる環境の形成など、多方面から人事制度改革を実行することで企業の基盤となる人的資源を強化していきます。また、「食」に携わる企業として食育活動を通じた地域貢献・地域教育などに積極的に取り組むほか、新宿中村屋ビル内の「中村屋サロン美術館」から発信する文化・芸術活動を通じて、中村屋ならではの社会貢献活動を展開します。
これらの取組みを通じ、経営理念「新たな価値を創造し、健康で豊かな生活の実現に貢献する」を実践することで、企業価値のさらなる向上を図り、社会にとってより存在価値のある会社を目指します。
上場会社である当社の株式は、株式市場を通じて多数の株主、投資家の皆様による自由な取引が認められているものであり、当社の株式に対する大規模な買付行為や買付提案がなされた場合においても、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものである限り、これを一概に否定するものではありません。
しかしながら、わが国の資本市場における株式の大規模な買付行為や買付提案の中には、その目的等からみて企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主の皆様に株式の売却を事実上強要する恐れがあるもの、対象会社の取締役会や株主の皆様が買付の条件について検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの、対象会社が買付者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買付者との交渉を必要とするもの等、対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さないものも少なくありません。
当社は、上記の例を含め、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を毀損する恐れのある大規模な買付等を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者としては適切でないと考えております。
・当社は厳しい環境の中でも持続的に成長し、ステークホルダーへの収益還元を果たすため、「中期経営計画 2015-2017」の最終年度となる平成29年度は5つの中期経営方針「顧客視点の経営」「強みへの集中」「品質保証の徹底」「生産性の向上」「人材の育成」に基づき、中期ビジョン「事業構造改革による現状打破を実行し、収益体質の強化と成長軌道への転換を図る」の実現と経営目標の達成に向けた取組みを着実に実行していきます。
・当社の強みを最大限に生かし、成長分野への展開を加速させるとともに不採算ビジネスの整理・統合を進めることで全社経営資源の適正な配分を行い、事業構造・収益構造の改革へと結びつけます。また、お客様にご支持いただいている基幹商品をより一層強化することと合わせて、新たな柱となる商品・ビジネスの育成にも注力し、需要拡大に取り組みます。
・将来に向けた積極的な投資と生産機能の再編により物流機能を含めた供給体制の整備を推し進め、生産性の向上と効率化を図ります。そして、食品メーカーとして確固たる品質保証体制を構築していくことで、安全・安心をベースとした付加価値の高い商品の提供に努めます。
・人材育成システムの整備や女性が活躍できる環境の形成など、多方面から人事制度改革を実行することで企業の基盤となる人的資源を強化していきます。
・「食」に携わる企業として食育活動を通じた地域貢献・地域教育などに積極的に取り組むほか、新宿中村屋ビル内の「中村屋サロン美術館」から発信する文化・芸術活動を通じて、中村屋ならではの社会貢献活動を展開していきます。
③ 会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
当社は、当初平成19年12月25日開催の取締役会において、「当社株式の大規模買付行為に関する対応策(以下「現プラン」といいます)」を決議し、直近では平成29年6月29日開催の当社第96回定時株主総会において株主の皆様にご承認いただき継続しております。
その概要は以下のとおりです。
イ 当社株式の大規模買付行為等
現プランの対象となる当社株式の買付とは、特定株主グループの議決権割合を20%以上とすることを目的とする当社株券等の買付行為、または結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社株券等の買付行為をいい、かかる買付行為を行う者を大規模買付者といいます。
ロ 大規模買付ルール
大規模買付ルールとは、事前に大規模買付者が取締役会に対して必要かつ十分な情報を提供し、取締役会による一定の評価期間が経過した後に大規模買付行為を開始するというものです。
ハ 大規模買付行為がなされた場合の対応
大規模買付者が大規模買付ルールを順守した場合には、当社取締役会は、仮に当該大規模買付行為に反対であったとしても、当該買付提案についての反対意見を表明したり、代替案を提示するなど、株主の皆様を説得するに留め、原則として当該大規模買付行為に対する対抗措置は講じません。
ただし、大規模買付ルールを順守しない場合や、順守されている場合であっても、当該大規模買付行為が、当社に回復し難い損害をもたらすなど、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうと当社取締役会が判断する場合には、対抗措置の発動を決定することがあります。
大規模買付ルールが順守されたか否か、あるいは大規模買付ルールが順守された場合でも、大規模買付行為が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうものであることを理由として対抗措置を講じるか否かについては、当社取締役会が最終的な判断を行いますが、現プランを適正に運用し、取締役会によって恣意的な判断がなされることを防止し、その判断の客観性・合理性を担保するため、独立委員会を設置いたします。
当社取締役会は、対抗措置の発動に先立ち、独立委員会に対し対抗措置の発動の是非について諮問し、独立委員会は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の向上の観点から大規模買付行為について慎重に評価・検討のうえで、当社取締役会に対し対抗措置を発動することができる状態にあるか否かについての勧告を行うものとします。
現プランの有効期限は平成32年6月30日までに開催予定の当社第99回定時株主総会終結の時までとします。
ただし、現プランは、①当社株主総会において現プランを廃止する旨の決議が行われた場合、②当社取締役会により現プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、その時点で廃止されるものとします。
④ 現プランの合理性の概要
会社の支配に関する基本方針の実現に資する取組みは、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるための施策であり、まさに会社の支配に関する基本方針に沿うものであります。
また、現プランは、「買収防衛策に関する指針の要件を充足していること」「株主共同の利益の確保・向上の目的をもって導入されていること」「株主意思を反映するものであること」「独立性の高い社外者の判断を重視するものであること」「デッドハンド型やスローハンド型買収防衛策ではないこと」等、会社の支配に関する基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。
当社グループは、お客様に満足していただける価値ある商品とサービスをお届けするために、企画開発から原材料調達、生産、販売まで一貫した品質保証体制を確立し、日常の管理を万全な体制で取り組むとともに、品質監査体制においても、AIB国際検査統合基準に基づいた品質保証システムをより効果的に活用しております。さらに、研究開発室において、アレルギー検査や残留農薬検査及び残留動物用医薬品(抗生物質・合成抗菌剤)検査を実施することで、食の安全・安心を最優先課題とした自主管理体制及び安全確保の強化に努めておりますが、取り組みの範囲を超えた事象が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループで製造販売しております主力商品の原材料につきまして、安全かつ安定的な供給先の確保、計画的在庫の備蓄、事前の価格交渉、適正な為替決済等を行い、価格変動リスクを可能な限り抑えております。しかしながら、産地の天候不順や自然災害等の不測の事態が発生した場合や、海外からの輸入に依存している原材料において、各種の衛生問題発生による輸入規制や、投機等による価格の高騰など想定を超えた状況が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの一部商品につきましては、海外より原材料調達を行っております。しかしながら、この原材料調達については、様々なカントリーリスクが考えられるため、調達が困難となり、一部商品の供給を停止せざるを得ない状況が発生する可能性があります。
当社グループの多くの商品につきましては、協力会社に生産委託しております。生産委託は長期にわたる信頼関係による取引が続いており、安定的な製品供給が確保されると判断しておりますが、これらの委託先にて充分な生産ができない場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、全国の販売店舗での営業展開や製造工場での生産を実施しております。これらの地域において地震や台風などの自然災害が発生した場合に備えて、防災や事故対応マニュアルの整備、防災訓練の実施、安否確認システムの導入と地震災害に対する事業継続計画(BCP)の策定など社内体制を整備し、緊急時に備えてはおりますが、危機管理対策の想定範囲を超えた天変地異の発生には対応できるとは限りません。その場合には当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、必要資金の一部を金融機関からの借入れによって調達しております。将来の金利変動に対しては、常に対応策を講じているものの、急速かつ大幅な金利変動があれば金利負担の増加などにより、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、売却可能な有価証券を保有しております。これらの有価証券のうち、時価を有するものについては、全て時価にて評価されており、市場における著しい時価変動等があれば、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、生産、販売、管理等の情報をコンピュータにより管理をしており、運用につきましては、ウイルス感染によるシステム障害やハッキングなどによる被害及び外部への社内情報の漏洩が生じないよう最大限の対策を実施しております。しかしながら、予期し得ない事象により当社グループのシステムに障害の発生や、外部へ社内情報が漏洩する可能性があり、対応費用等、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、商業ビルの賃貸事業を行っておりますが、商業ビル需要も景気の動向に影響を受けやすい傾向にあります。経済情勢の低迷によりび商業ビル需要が悪化した場合は、当社グループの不動産賃貸事業に悪影響を及ぼし、また、所有資産の価値の低下につながる可能性があります。
当社は、平成28年5月13日開催の取締役会決議に基づき、連結子会社である黒光製菓㈱からその全事業の譲り受けを平成29年4月1日に完了いたしました。その概要は以下のとおりであります。
黒光製菓㈱は昭和23年に当社の協力工場として設立され、菓子類の商品を製造し当社に納入を行ってまいりました。昭和53年には、当社からの出資を受け100%子会社となり、当社の菓子事業を補完する役割を担ってまいりました。
本業界を取り巻く環境が年々厳しさを増すなか、事業統合による経営合理化のさらなる推進を図るため、黒光製菓㈱より事業の全部を譲り受け、同社は解散することとしました。
当社は今回の事業譲り受けにともない、経営資源の共有化、生産体制の効率化を進め、当社グループの収益向上に取組んでまいります。
① 名 称 黒光製菓株式会社
② 所在地 東京都新宿区新宿三丁目26番13号
③ 代表者の役職・氏名 代表取締役社長 正岡 弘史
④ 事業内容 和菓子の製造
⑤ 資本金 26,400千円
⑥ 設立年月日 昭和23年12月23日
⑦ 大株主及び持株比率 株式会社中村屋 100%
平成28年5月13日 両社取締役会決議、事業譲渡契約締結
平成29年3月31日 黒光製菓㈱の臨時株主総会にて解散決議及び現物分配決議
平成29年3月31日 黒光製菓㈱から現物分配による固定資産(一部)の受入
平成29年4月1日 事業譲渡効力発生日
平成29年7月 清算完了(予定)
当社は、平成28年10月28日開催の臨時取締役会において、固定資産の取得について以下の通り決議し、平成28年11月16日に不動産売買契約を締結いたしました。
当社グループは、首都圏に生産拠点5個所を保有し、菓子・食品を製造しておりますが、生産能力を増強し、増産体制を確立するとともに生産の効率化を図るため、また、お客様へ、より一層の安全・安心で付加価値のある商品を提供することを目的として、新しい生産拠点として固定資産を取得するものです。
①所在地 埼玉県入間市
②内訳 土地83,138㎡及び建物
③取得価格 総額 2,500,000千円
④資金計画 自己資金により充当予定
①名称 学校法人大妻学院
②所在 東京都千代田区三番町12
③代表役職・氏名 理事長 花村 邦昭
④上場会社と当該会社の関係 相手先と当社との間には、関連当事者として特筆すべき事項はありません。
①取締役会決議日 平成28年10月28日
②契約締結日 平成28年11月16日
③引渡し日 平成29年6月30日
当社は、平成28年12月20日開催の取締役会において、以下のとおり固定資産の譲渡について決議し、平成29年1月18日に実行いたしました。
資産の効率的運用を図るため、当該固定資産を信託受益権化した上で譲渡することといたしました。
①譲渡資産 土地・建物を信託財産とする信託受益権
②所在地 東京都渋谷区笹塚一丁目50-1
③土地 宅地:4,795.26㎡
④建物 延床面積:26,527.62㎡ 用途:事務所・店舗・体育館・駐車場
⑤譲渡価額 11,800,000千円
※譲渡先は、国内法人1社でありますが、譲渡先の概要については、譲渡先との守秘義務により開示を控えさせていただきます。なお、譲渡先と当社との間には、関連当事者として特筆すべき事項はありません。
①取締役会決議日 平成28年12月20日
②契約締結日 平成28年12月21日
③物件引渡、信託受益権譲渡 平成29年1月18日
当社グループにおいての研究開発活動は、当社が行っております。当社は、「新たな価値を創造し、健康で豊かな生活の実現に貢献する」という経営理念のもとに、長期的な企業成長の基盤となる基礎技術研究並びに事業戦略上急務と考えられる応用技術研究と開発研究に取り組んでおります。その中で、研究陣容の強化、研究設備の拡充に努めて参りましたが、当連結会計年度においても引き続いて社外機関との交流にも力を入れることにより、さらに充実した研究開発を進めております。なお、当連結会計年度における研究開発費は、365,687千円となり、そのほとんどが菓子事業における研究開発費用であります。
当連結会計年度の主な研究概要は、次のとおりであります。
当社の主力商品である中華まんじゅう類の新・改良商品の開発に不可欠な醗酵技術の研究及び酵母の機能研究を独自に進めるとともに、社外の研究機関との交流による新技術の開発・導入を積極的に推進し、基礎技術の蓄積に努めています。
特に、コンビニエンスストア向け戦略商品である中華まんじゅう等の開発・改良を鋭意推進し、原材料の適正化とライン化対応に積極的に取り組み、品質並びに売上の向上に寄与しています。
また、新たなファストフード商材の開発も推進しており、新規販路の開拓・拡大に結びつけるよう新商品開発に努めております。
製品・商品の品質保証体制を確立するため、その基礎となる品質評価技術(理化学検査、微生物検査、官能検査)及び品質保持技術(品質劣化要因の解明とその防止等)の向上、並びに関連情報の収集を推進し、より高品質で安全性の高い製品・商品の提供に寄与するとともに、お客様に満足していただけるよう、潜在ニーズの発掘と独創性の発揮による製品・商品の開発をめざし、加工技術に関する情報収集と新技術を応用した商品開発を積極的に行っております。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に当たっては、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」に基づくほか、財務諸表の作成に当たっては「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」に基づいて作成されております。なお、詳細は、連結財務諸表については、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」の項目を、提出会社の財務諸表については、「重要な会計方針」の項目をご参照ください。
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高41,900,947千円となりました。利益面におきましては、不採算店舗を整理し、経営資源の効率的な活用に努めた結果、営業利益は1,436,626千円(前期比18.6%増)、経常利益は1,589,088千円(前期比27.0%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、3,852,254千円(前期比418.6%増)となりました。
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社グループとしましては、「中期経営計画2015-2017」において、「事業構造改革による現状打破を実行し、収益体質の強化と成長軌道への転換を図る」を中期ビジョンに掲げ、5つの中期経営方針「顧客視点の経営」「強みへの集中」「品質保証の徹底」「生産性の向上」「人材の育成」に基づいた戦略・施策に取り組みます。
当社グループの資金の状況は、前連結会計年度末に比べ750,034千円増加し、当連結会計年度末には3,135,005千円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の計上等により、資金の収入は1,748,949千円となり、前連結会計年度に比べ176,164千円の収入減となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の売却による収入等により、資金の収入は1,605,126千円となり、前連結会計年度に比べ2,040,391千円の収入増となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出等により、資金の支出は2,604,044千円となり、前連結会計年度に比べ2,047,389千円の支出増となりました。
(6) 経営者の問題意識と今後の方針について
当社グループは、創業者相馬愛蔵の優れた商業経営哲学(商業の社会的役割あるいは本質に関する基本的な考え方)を現在に受け継ぎ、新たな歴史を築いて行くために、当社グループの存在価値を、創業以来変わらず続けている「お客様に満足していただける価値ある商品とサービスを創造し提供していくこと」と考えております。
経営の基本といたしましては、経営理念である「新たな価値を創造し、健康で豊かな生活の実現に貢献する」を
実現するために、「事業構造改革による現状打破を実行し、収益体質の強化と成長軌道への転換を図る」との中期
ビジョンの下、「実行」「改革」「創造」を従業員一人ひとりが仕事を進める上での行動指針としております。昨
今の当社を取り巻く経営環境、市場環境、消費行動などの大きな環境変化をチャンスととらえ、創造志向で持続的
成長を図るとともに、構造改革を推進し、高効率経営の実現を目指します。
また、環境負荷の低減にも努めるなど社会的責任を遂行し、当社グループをご愛顧頂いているステークホルダーであるお客様、お取引先様、株主様、地域社会からより一層のご評価とご支持を頂ける企業になるべく、日々の仕事を通じて新たな価値を創造し、提供していくための努力を重ねてまいります。