当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社および連結子会社)が判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当中間連結会計期間(2025年1月1日~6月30日)におけるわが国の経済は、雇用・所得環境の改善や政府の各種政策の効果により景気は緩やかに回復しております。その一方で、食品業界においては、原材料価格の高騰や人件費、物流費の上昇に加え、値上げに対する消費者の節約志向の高まりにより、依然として厳しい状況が続いております。
このような状況下にあって当社グループは、お客様により良い商品と最善のサービスの提供を心掛け、売上と利益の確保につとめてまいりました。その結果、当中間連結会計期間の売上高は566億86百万円(対前年同期比106.6%)、営業利益は12億2百万円(対前年同期比110.5%)、経常利益は17億6百万円(対前年同期比103.3%)、親会社株主に帰属する中間純利益は8億36百万円(対前年同期比98.6%)となりました。
(注)記載金額は、百万円未満を切り捨てて表示しております。
<洋菓子事業>
当社単体の洋菓子事業においては、「新生活!スイーツ応援!」と称し、洋菓子チェーン店にて主力商品「プレミアムショートケーキ(国産苺)」や旬の素材を使用した週末限定商品を拡販したほか、『ショートケーキ12の色物語』シリーズ等の販売に注力いたしました。また、ゴールデンウィークや母の日に合わせたイベントを実施し、話題を喚起いたしました。既存の洋菓子店舗については、当中間連結会計期間においてVI(ビジュアルアイデンティティ)を基調とした改装を36店実施したほか、新業態店舗「ペコちゃんmilkyドーナツ」については、新規出店に取り組み、店舗数は10店(当中間連結会計期間における新規出店は9店)となり、新規顧客の獲得につとめました。また、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)においては、コンセプトショップを出店いたしました。なお、同時点における不二家洋菓子店の営業店舗数は865店(前年同期差48店減)となっております。
広域流通企業との取り組みについては、コンビニエンスストア向けに生産性の高い製造ラインを活用した商品を積極的に提案したほか、取引先の新規開拓を行い、売上の確保をはかりました。なお、海外輸出においては北米における新規商品の提案を継続し、さらなる売上向上につとめました。
上記の結果、単体の洋菓子事業の売上は、前年同期の実績を上回りました。
レストラン事業では、原材料価格等の高騰への対応として、アンパンマンレストランにおけるメニュー改善及び価格の一部見直しを実施し、売上及び利益率の向上をはかりました。その結果、売上は前年同期の実績を上回りました。
以上の結果、当中間連結会計期間における洋菓子事業全体の売上高は154億26百万円(対前年同期比104.8%)となりました。利益面では、卵等の原材料価格の高騰や労務費の上昇の影響により減益となりましたが、一部商品について規格及び価格の見直しを実施したほか、生産ラインの省人化や生産能力増強による生産性向上をはかることにより、収益性の改善を進めております。
<製菓事業>
当社単体の菓子事業においては、『ホームパイ』ブランドの強化に向け、タレントを起用した販売促進活動を実施するとともに、4月には「ホームパイ(アーモンドクッキー)」を発売し、『カントリーマアム』と並べて陳列することにより大袋ビスケット製品の売上拡大をはかりました。また、季節限定商品として、群馬県の大学と共同で開発を行った「カントリーマアム(富岡シルクミルク)」や厳選素材を使用した「カントリーマアム(夕張メロン)」を発売し、好調に推移しております。『ミルキー』については、新テレビコマーシャルを放映したほか、人気アニメとのコラボ製品を発売し、『ルック』については、SNSを活用したキャンペーンを実施し、話題喚起による売上伸長につとめました。また、ペコちゃん生誕75周年を記念した商品の発売やイベントの実施により、当社キャラクターの認知度向上をはかりました。
上記の結果、単体の菓子事業の売上は、前年同期の実績を上回りました。
飲料事業では、レモンスカッシュ発売50周年を記念して「プレミアムレモンスカッシュ380mlボトル缶」を発売いたしました。主力製品の価格改定の影響により、売上については前年同期の実績を下回ったものの、利益面では改善をはかることができました。
不二家(杭州)食品有限公司においては、中国国内の経済の影響が大きく、売上は前年同期の実績を下回りました。なお、新たにスナック菓子事業への参入に取り組むなど、売上の回復につとめております。
以上の結果、当中間連結会計期間における製菓事業全体の売上高は394億34百万円(対前年同期比107.1%)となりました。利益面では、カカオ豆の高騰の影響により、一部商品について内容量及び価格の見直しを実施したほか、物流費の改善や生産効率のよい大袋製品の販売が好調に推移したことにより、増益となりました。
<その他>
キャラクターグッズ販売事業、ライセンス事業、不動産賃貸事業及び㈱不二家システムセンターのデータ入力サービスなどの事務受託業務の売上高は18億25百万円となりました。
財政状態は、次のとおりであります。
流動資産は334億63百万円で、主に受取手形及び売掛金の減により前連結会計年度末に比べ19億42百万円減少いたしました。固定資産は589億14百万円で、主に有形固定資産や投資その他の資産のその他に含まれる関係会社出資金の増により、前連結会計年度末に比べ38億53百万円の増加となりました。
この結果、総資産は923億77百万円で前連結会計年度末に比べ19億11百万円増加いたしました。
また、流動負債は199億67百万円で、主に短期借入金の返済により前連結会計年度末に比べ44億88百万円減少いたしました。固定負債は100億79百万円で、主に長期借入金の増により前連結会計年度末に比べ71億35百万円増加いたしました。
この結果、負債は合計300億46百万円で、前連結会計年度末に比べ26億47百万円増加いたしました。
純資産は623億31百万円で、主に為替換算調整勘定や非支配株主持分の減により前連結会計年度末に比べ7億36百万円減少となりました。
次に、当中間連結会計期間のキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、64億68百万円(前年同期は48億13百万円の獲得)となりました。これは主に売上債権の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、61億24百万円(前年同期は24億23百万円の使用)となりました。これは主に固定資産の取得によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、28億96百万円(前年同期は11億32百万円の使用)となりました。これは主に長期借入金の新規約定によるものであります。
以上の結果、当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物は、101億37百万円となりました。
(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(3)研究開発活動
当中間連結会計期間における研究開発活動の金額は、3億16百万円であります。なお、当中間連結会計期間におきまして、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(4)主要な設備
当中間連結会計期間における重要な設備の新設の計画の主なものは次のとおりであります。
(注)当該設備は提出会社が連結子会社である株式会社不二家神戸へ貸与する予定であります。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。