当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
当中間連結会計期間(2024年1月1日~2024年6月30日)におけるわが国経済は、コロナ禍から経済活動が正常化し景気は緩やかな回復基調で推移しましたが、物価上昇により実質賃金の減少が続き個人消費は低迷いたしました。
当業界におきましては、お客様の生活防衛意識が高まり節約志向が強まる中で、前期高騰した鶏卵価格は落ち着きましたものの糖類や油脂など原材料価格の高止まりもあり、厳しい経営環境となりました。また、コンビニエンスストアやフレッシュベーカリーの小売事業につきましては、コロナ禍からの人流回復やインバウンドの増加もあり来店客数が増加するとともに、パンやおにぎりなどが好調に推移しました。
このような情勢下にありまして、当社グループは、「いのちの道」の教えに従い、すべての仕事を種蒔きの仕事から開始する営業・生産が一体となった部門別製品施策・営業戦略、小委員会による「なぜなぜ改善」を推進し、主力製品の品質向上をはかるとともに、2極化・3極化戦略によって低価格製品を充実する一方で、女性製品開発担当者を中心に付加価値を付けた製品開発に取り組むなど、変化するお客様のニーズに対応した隙のない製品対応を推進しました。さらに、消費者キャンペーンを活用して売上拡大に取り組み、業績向上をはかりました。
また、当社グループは、科学的根拠をもった食品安全衛生管理体制の上に行う新型コロナウイルス感染防止対策を継続し製品の安定供給につとめるとともに、労働安全衛生管理体制の充実強化をはかり、従来の現場におけるチョコ停・トラブル、ヒヤリハットを安全日誌により日次・週次・月次で管理する体制に加え、現場の管理職が機械設備や生産ラインの人員体制における問題・課題を管理・監督する、2本立ての労働安全衛生管理体制を整備し、業績向上対策とともに、働く職場の安全に向け取り組んでまいりました。
デイリーヤマザキやフレッシュベーカリーの小売事業につきましては、小売事業業績改善プロジェクトにおいて、お客様のニーズを的確に把握し、日次管理・週次管理・時間管理の経営手法により日々の仕事の精度向上をはかるとともに、小売事業本部内の戦略製品・戦略商品開発推進チームと連携した女性製品開発担当者による商品開発を推進し、業績向上をめざしました。
当中間連結会計期間の業績につきましては、売上高は6,177億47百万円(対前年同期比109.5%)、営業利益は310億29百万円(対前年同期比150.6%)、経常利益は340億28百万円(対前年同期比149.5%)、親会社株主に帰属する中間純利益は215億69百万円(対前年同期比153.5%)となりました。昨年7月に実施した価格改定の寄与や2極化・3極化戦略が奏功し、山崎製パン㈱単体の食パン、菓子パンが好調に推移したことに加え、連結子会社の業績が改善したこともあり、増収増益となりました。
セグメントの業績は以下のとおりであります。
<食品事業>
食品事業の主要製品別の売上状況は次のとおりであります。
①食パン部門(売上高598億49百万円、対前年同期比111.9%)
食パンは、主力の「ロイヤルブレッド」が伸長するとともに、「スイートブレッド」、「モーニングスター」などの低価格食パンや主力製品のハーフサイズ食パンが伸長しました。また、本年1月に新規技術により品質を向上させた「ダブルソフト」が大きく伸長するとともに、前第4四半期に新規連結した㈱YKベーキングカンパニーの売上寄与もあり、前年同期の売上を大きく上回りました。
②菓子パン部門(売上高2,343億77百万円、対前年同期比114.8%)
菓子パンは、「コッペパン」や「まるごとソーセージ」、「ミニスナックゴールド」などの主力菓子パンが伸長するとともに、「ドーナツステーション」や「ずっしり」シリーズなどの低価格製品が伸長しました。また、「薄皮たまごぱん」など新たに惣菜製品をラインアップした薄皮シリーズが伸長するとともに、前第4四半期に新規連結した㈱YKベーキングカンパニーの売上寄与もあり、前年同期の売上を大きく上回りました。
③和菓子部門(売上高368億86百万円、対前年同期比105.1%)
和菓子は、主力の串団子や饅頭が堅調に推移するとともに、主力の「北海道チーズ蒸しケーキ」の伸長や低価格製品の「やまざき蒸しパン」シリーズの寄与もあり蒸しパンが伸長しました。さらに、和洋折衷のチルド製品「クリームたっぷり生どら焼」が寄与し、前年同期の売上を上回りました。
④洋菓子部門(売上高779億15百万円、対前年同期比103.5%)
洋菓子は、主力の2個入り生ケーキや「まるごとバナナ」、大きなシューシリーズが伸長するとともに「イチゴスペシャル」などの「スペシャル」シリーズが好調に推移しました。また、値ごろ感のある「喫茶気分」シリーズが寄与するとともに、コンビニエンスストア向け製品が好調に推移し、前年同期の売上を上回りました。
⑤調理パン・米飯類部門(売上高769億3百万円、対前年同期比103.6%)
調理パン・米飯類は、㈱サンデリカを中心におにぎりやサンドイッチが伸長するとともに、大徳食品㈱において麺の品質向上により調理麺の売上が拡大したこともあり、前年同期の売上を上回りました。
⑥製菓・米菓・その他商品類部門(売上高885億75百万円、対前年同期比107.0%)
製菓・米菓・その他商品類は、㈱不二家の「カントリーマアム」やヤマザキビスケット㈱の「チップスター」、㈱東ハトの「ポテコ」など、各社の主力品が好調に推移し、前年同期の売上を上回りました。
以上の結果、食品事業の売上高は5,745億7百万円(対前年同期比109.4%)、営業利益は299億15百万円(対前年同期比148.3%)となりました。
<流通事業>
デイリーヤマザキのコンビニエンスストア事業につきましては、戦略製品・戦略商品開発推進チームと連携して、「こぼれるクリームパン」などのデイリーホット商品や「ランチパック 大盛り」シリーズなど、女性製品開発担当者による魅力ある商品開発を推進し、お客様に喜ばれるヤマザキ独自のコンビニエンスストアチェーンをめざしました。また、松戸・杉並ドミナントプロジェクトにおいてデイリーホットの品質向上や収益改善などに取り組み、各工場のモデル店を選定し工場と連携した業績改善をはかるとともに、店舗開発や店舗改装によるヤマザキらしい店づくりに取り組みました。この結果、当中間期は、チェーン全店売上高が前年同期を上回るとともに、営業総収入は直営店舗数の増加もあり増収となりました。
以上の結果、流通事業の売上高は360億99百万円(対前年同期比112.1%)、営業損失は5億53百万円(前年同期は11億65百万円の営業損失)となりました。
<その他事業>
その他事業につきましては、売上高は71億40百万円(対前年同期比106.1%)、営業利益は13億99百万円(対前年同期比105.9%)となりました。
当中間連結会計期間末の資産合計は7,954億4百万円で、前連結会計年度末に対して66億31百万円減少しました。流動資産は3,103億44百万円で、売掛金の減少等により、前連結会計年度末に対して44億43百万円減少しました。固定資産は4,850億59百万円で、有形固定資産の減価償却が進んだこと等により、前連結会計年度末に対して21億87百万円減少しました。負債合計は3,416億46百万円で、支払手形及び買掛金等の支払債務の減少や借入金の返済等により、前連結会計年度末に対して142億56百万円減少しました。純資産は4,537億57百万円で、自己株式の取得による減少はありましたが、利益剰余金の増加等により、前連結会計年度末に対して76億25百万円増加しました。
この結果、自己資本比率は51.1%となりました。
当中間連結会計期間におけるキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前中間純利益337億61百万円に加え、減価償却費198億89百万円などにより467億92百万円のプラスとなりましたが、前年同期に対しては53億43百万円収入が減少しました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出などにより196億55百万円のマイナスとなりましたが、前年同期に対しては93億68百万円支出が減少しました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の返済、自己株式の取得、配当金の支払などにより232億90百万円のマイナスとなり、前年同期に対しては81億71百万円支出が増加しました。
以上の結果、現金及び現金同等物の当中間連結会計期間末残高は1,338億68百万円となり、前連結会計年度末残高に対しては42億86百万円の増加となりました。
当中間連結会計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
当中間連結会計期間の研究開発費の総額は45億58百万円であります。
なお、当中間連結会計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
① 当中間連結会計期間において、新たに確定した主要な設備の新設の主なものは次のとおりであります。
(注) 1 当該設備は㈱不二家が㈱不二家神戸へ貸与する予定であります。
② 前連結会計年度末において計画中であった主要な設備の新設について、当中間連結会計期間に完了したものは次のとおりであります。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結はありません。