当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
当中間連結会計期間(2025年1月1日~2025年6月30日)におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続き、インバウンド需要が増加するなど景気は緩やかな回復基調で推移しましたが、米国の関税政策による不透明感がみられました。
当業界におきましては、物価上昇が続きお客様の節約志向や低価格志向が強まる中で販売競争が一段と激化するとともに、鳥インフルエンザの影響により液卵が高騰したことに加え、油脂、包材など原材料価格や人件費、物流費等の上昇もあり、厳しい経営環境となりました。また、コンビニエンスストアやフレッシュベーカリーの小売事業につきましては、人流の増加やインバウンドの増加により売上回復が続きましたものの、人件費等のコスト上昇もあり、厳しい経営環境となりました。
このような情勢下にありまして、当社グループは、「いのちの道」の教えに従い、すべての仕事を種蒔きの仕事から開始する営業・生産が一体となった部門別製品施策・営業戦略、小委員会による「なぜなぜ改善」を推進し、新しい価値の創造に取り組んでまいりました。昨年、新規技術を導入し大幅な品質改善を実現した「ダブルソフト」の技術を最大限活用し、本年1月から主力食パンの「ロイヤルブレッド」に導入して業績向上への推進力とするとともに、この技術を菓子パンや和菓子、洋菓子にも活用し、品質訴求による取扱拡大をはかりました。また、2極化・3極化戦略によって低価格製品を充実する一方で、女性製品開発担当者の感性を活かした高付加価値製品の開発に取り組むなど、変化するお客様のニーズに対応した隙のない製品開発を推進して業績向上をはかり、本年1月1日出荷分から実施した、一部の食パン、菓子パン、和洋菓子製品の価格改定に際しましても、規格の充実や下支え製品の強化など丁寧に対応したこともあり、業績は好調に推移しました。
また、当社は引き続き、労働安全衛生管理体制の整備・充実強化を推進し、労働安全衛生推進基本会議を毎月開催して経営陣、本社各部・各工場が一体となって労働安全衛生に関する問題課題の解決に取り組みました。また、安全日誌を活用して従業員によるチョコ停・トラブル、ヒヤリハットの情報を日次・週次・月次で管理し改善を進めるボトムアップによる労働安全衛生管理とともに、本社各部及び各工場における機械設備のリスクアセスメントによるリスクの排除と低減、並びに管理・監督職による日々の安全パトロールや安全教育を実施するトップダウンによる労働安全衛生管理を2本立てで行う、2本立ての労働安全衛生管理体制の整備・充実強化をはかり、働く職場の安全安心の実現に取り組みました。
デイリーヤマザキやフレッシュベーカリーの小売事業につきましては、小売事業業績改善プロジェクトを通じて日次管理・週次管理・時間管理の経営手法により日々の仕事の精度向上につとめるとともに、小売事業本部内の戦略製品・戦略商品開発推進チームと連携し女性製品開発担当者の感性とヤマザキの技術を最大限活用した競争力のある商品開発を推進し、お客様に喜ばれる商品づくりに取り組みました。
当中間連結会計期間の業績につきましては、パン類を中心に新規技術を積極的に活用し品質向上をはかったことに加え、価格改定の寄与もあり、山崎製パン㈱単体の業績が好調に推移するとともに、連結子会社の業績も好調に推移し、売上高は6,506億33百万円(対前年同期比105.3%)、営業利益は346億90百万円(対前年同期比111.8%)、経常利益は354億48百万円(対前年同期比104.2%)、親会社株主に帰属する中間純利益は229億83百万円(対前年同期比106.6%)となりました。
セグメントの業績は以下のとおりであります。
<食品事業>
食品事業の主要製品別の売上状況は次のとおりであります。
①食パン部門(売上高623億45百万円、対前年同期比104.2%)
食パンは、前期に続き主力食パンに加え低価格食パン等にも新規技術を順次導入して品質を向上させたこともあり、主力の「ロイヤルブレッド」が伸長するとともに、オリジナル対応を含む低価格食パンやサンドイッチ用食パンが伸長し、前年同期の売上を上回りました。
②菓子パン部門(売上高2,436億6百万円、対前年同期比103.9%)
菓子パンは、「まるごとソーセージ」や「アップルパイ」などの主力菓子パンが伸長するとともに、ヤマザキ菓子パンや「ずっしり」シリーズ、「ドーナツステーション」などの低価格製品が伸長しました。さらに、㈱YKベーキングカンパニーグループの売上が好調に推移したこともあり、前年同期の売上を上回りました。
③和菓子部門(売上高392億17百万円、対前年同期比106.3%)
和菓子は、主力の串団子が好調に推移するとともに、新規技術を活用し品質を向上させた饅頭、中華まん、ホットケーキ、「やまざき蒸しパン」シリーズなどが伸長し、前年同期の売上を上回りました。
④洋菓子部門(売上高816億39百万円、対前年同期比104.8%)
洋菓子は、新規技術を活用し品質を向上させた「イチゴスペシャル」などのスナックケーキや「5つに切ったロールケーキ」、「ダブルロール」などのスイスロールが伸長するとともに、コンビニエンスストア向け製品が好調に推移し、前年同期の売上を上回りました。
⑤調理パン・米飯類部門(売上高844億68百万円、対前年同期比109.8%)
調理パン・米飯類は、おにぎりが好調に推移するとともに、㈱サンデリカにおいて主要取引先であるコンビニエンスストアチェーンとの取引が増加したことに加え、量販店との取引拡大もあり、前年同期の売上を上回りました。
⑥製菓・米菓・その他商品類部門(売上高932億43百万円、対前年同期比105.3%)
製菓・米菓・その他商品類は、㈱不二家の「カントリーマアム」やヤマザキビスケット㈱の「チップスター」、㈱東ハトの「ハーベスト」等、各社の主力品が好調に推移し、前年同期の売上を上回りました。
以上の結果、食品事業の売上高は6,045億20百万円(対前年同期比105.2%)、営業利益は330億69百万円(対前年同期比110.5%)となりました。
<流通事業>
デイリーヤマザキのコンビニエンスストア事業につきましては、「いのちの道」の教えに従い、すべての仕事を種蒔きの仕事から開始し、運営・商品が一体となって、お客様のニーズに対応したオリジナル商品の開発に取り組むとともに、戦略製品・戦略商品開発推進チームと連携した競争力のある商品開発や新規技術による冷凍生地を活用したデイリーホットの品質向上をはかりました。また、松戸・杉並ドミナントプロジェクトにおける成功事例を活用し、デイリーホットを中心に収益の改善をはかるとともに、各工場と連携し売り場づくりや店舗改装によるヤマザキらしい店づくりに取り組むなど、デイリーヤマザキ1店1店の店舗収益の改善をはかりました。この結果、当中間期は、チェーン全店売上高が前年同期を上回るとともに、営業総収入は直営店舗数の増加もあり増収となりました。
以上の結果、流通事業の売上高は389億51百万円(対前年同期比107.9%)、営業損失は2億43百万円(前年同期は5億53百万円の営業損失)となりました。
<その他事業>
その他事業につきましては、売上高は71億60百万円(対前年同期比100.3%)、営業利益は16億30百万円(対前年同期比116.5%)となりました。
当中間連結会計期間末の資産合計は8,643億31百万円で、前連結会計年度末に対して7億73百万円減少しました。流動資産は3,384億70百万円で、売掛金の減少などにより、前連結会計年度末に対して29億34百万円減少しました。固定資産は5,258億61百万円で、退職給付に係る資産が増加したことなどにより、前連結会計年度末に対して21億60百万円増加しました。負債合計は3,945億24百万円で、未払費用や支払手形及び買掛金などの支払債務の減少などにより、前連結会計年度末に対して100億94百万円減少しました。純資産は4,698億7百万円で、利益剰余金の増加などにより、前連結会計年度末に対して93億20百万円増加しました。
この結果、自己資本比率は48.8%となりました。
当中間連結会計期間におけるキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前中間純利益346億23百万円に加え、減価償却費206億27百万円などにより620億18百万円のプラスとなり、前年同期に対しては152億25百万円収入が増加しました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出などにより284億12百万円のマイナスとなり、前年同期に対しては87億57百万円支出が増加しました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の返済、自己株式の取得、配当金の支払などにより135億78百万円のマイナスとなりましたが、前年同期に対しては新規借入もあり97億11百万円支出が減少しました。
以上の結果、現金及び現金同等物の当中間連結会計期間末残高は1,658億97百万円となり、前連結会計年度末残高に対しては199億58百万円の増加となりました。
当中間連結会計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
当中間連結会計期間の研究開発費の総額は47億4百万円であります。
なお、当中間連結会計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
① 当中間連結会計期間において、新たに確定した主要な設備の新設の主なものは次のとおりであります。
(注) 1 包装形態変更のため、生産能力の増加はありません。
2 荷物用垂直搬送機の新設のため、生産能力の増加はありません。
② 前連結会計年度末において計画中であった主要な設備の新設について、当中間連結会計期間に完了したものは次のとおりであります。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結はありません。