当連結会計年度におけるわが国経済は、一部に改善の遅れがみられるものの個人消費は持ち直しており、雇用・所得環境が改善傾向となるなど緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で中国を始めとするアジア新興国の景気減速や英国のEU離脱問題等の影響により、世界経済の不確実性の高まりもあり、景気は依然として先行き不透明な状況で推移いたしました。
このような環境下において、当グループでは基本方針に「お客様に感動を届ける新たな挑戦」と「垣根を越えたチームプレイ」を掲げ、黒字を継続すべく取り組んでまいりました。
当社のロングセラー商品である「大きなデニッシュ」シリーズは、リニューアル以降、季節感を取り込んだ商品や産地限定の商品等の姉妹品を投入し、更に消費者の好評を得て堅調に推移いたしました。また、「アップルシナモンロール」など従来のホールセールではなかった形状の商品を投入したことにより、新たな顧客を獲得するとともに、市場に定着し売上に貢献いたしました。
売上の重要な柱でもある「キャラクター商品」においては、上期は減少傾向でございましたが、キャラクターを取り巻く環境の変化もあり、下期には回復傾向へと転換するとともに、長年続けているキャラクター故のメイン顧客層の変化に対応するべく、従来のお子様向け商品だけではなく「大人にも」購入していただける商品を開発してまいりました。
また、子会社で展開しております、その他部門の菓子類は、大口取引の拡大などにより好調に推移いたしました。
当社独自の改善活動である「DPS活動」(Daiichi-pan Production System:第一パン生産方式)のレベルを高めることで品質の安定化と生産効率の改善が進むとともに、原材料調達コストやエネルギーコストの低下も貢献し、製造原価率を低減することができました。
一方で、市場での厳しい企業間競争により、当社の主力の一つである和洋菓子類の売上不振が続くなど、厳しい経営環境が継続いたしました。
以上の結果、当連結会計年度のパン部門の売上高は19,785百万円(前連結会計年度比610百万円の増加)、和洋菓子部門の売上高は3,460百万円(同149百万円の減少)、その他の売上高は3,447百万円(同1,158百万円の増加)となりました。よって売上高は26,693百万円(同1,619百万円の増加)となりました。営業利益は464百万円(同305百万円の増加)、経常利益は553百万円(同294百万円の増加)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、410百万円(同260百万円の増加)となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ489百万円増加し、2,891百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の資金収支は、減価償却費667百万円などにより1,208百万円の資金を得ることができました。
なお、前連結会計年度に比べ476百万円の収入の増加となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の資金収支は、有形固定資産の取得による支出539百万円などにより579百万円の支出となりました。
なお、前連結会計年度に比べ218百万円の支出の増加となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の資金収支は、社債発行及び長期借入による収入2,667百万円を実施し、短期借入金の返済による支出2,721百万円などにより134百万円の支出となりました。
なお、前連結会計年度に比べ232百万円の支出の減少となりました。
当連結会計年度における生産実績を単一セグメント内の部門別に示すと、次のとおりであります。
|
部門名 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
食品事業 |
|
|
|
パン部門 |
17,579 |
82.4 |
|
和洋菓子部門 |
3,074 |
76.6 |
|
その他 |
3,200 |
162.5 |
|
合計 |
23,854 |
87.3 |
(注) 1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度において受注実績は、金額に重要性がないため記載を省略しております。
当連結会計年度における販売実績を単一セグメント内の部門別に示すと、次のとおりであります。
|
部門名 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
食品事業 |
|
|
|
パン部門 |
19,785 |
103.2 |
|
和洋菓子部門 |
3,460 |
95.9 |
|
その他 |
3,447 |
150.6 |
|
合計 |
26,693 |
106.5 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(1)商品開発力の強化
商品本部商品開発部R&D(Research and Development)グループでは、基礎的研究・開発の強化を行い、新たな製造方法や処方による技術で差別化した競争力のある商品を創ってまいります。また、社内のみでの活動に留まらず、外部との連携も積極的に活用してまいります。
(2)マーケティング力の強化
従来のプロダクトアウトの発想から転換し、市場のニーズに立脚した明確なコンセプトに基づく商品を開発し、お客様へ提供価値が明確に伝わる様なマーケティングの設計を行い、本部間の連携を密にした展開を行ってまいります。
(3)営業の強化
流通の進化に呼応し、提案力の強化を図り、取組流通顧客にとって無くてはならないメーカーとしての関係を確立してまいります。また、昨年取引を開始した複数の大手流通顧客との取引を確固たるものとし、売上の拡大を図ってまいります。
(4)販売費及び一般管理費の圧縮
グループの黒字体質の構築を目指し、間接コストの削減にも引き続き全力で取り組みます。人件費につきましては、グループ各社を含め各部門間の人員の流動化や業務の集中化を行い、効率性を追及してまいります。また、販管費の大半を占める物流経費につきましては、他社との共同配送を更に推進すると共にグループ内物流の効率化を図るため、配送システムの見直しを積極的に進め、物流コストの圧縮に努めてまいります。その他の諸経費につきましても積極的に削減を図り、経費率の改善に努めてまいります。
(5)生産性の向上
DPSの改善活動をレベルアップさせ、生産能力の向上とコスト削減に努めて、生産性の向上を進めてまいります。あわせて、商品数の管理を強化し、1品あたりの生産数量を向上させることにより、生産性を改善してまいります。
(6)食品安全衛生対策と品質の向上
食品製造業の原点であります、食品安全衛生対策と品質管理体制につきましては、AIB(American Institute of Baking)が全米の食品企業に対して実施しているフードセーフティーシステム(Food Safety System)を全てのパン工場に導入し、GMP(Good Manufacturing Practice:適正製造規範)の遵守に努め、常にお客様に安心して食べていただける商品を提供すべく努力してまいります。
DPSの改善活動により商品の品質の安定化を図るとともに、品質の向上を進めてまいります。
(7)働く環境整備と設備の刷新
従業員が活き活きと働き続けられるよう更なる環境の整備と設備の刷新を進めてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項は以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(平成28年12月31日)現在において当グループが判断したものであります。
(1)食の安全性と品質管理について
お客様に安心して食べていただける商品を提供すべき企業として、食品の安全性と品質管理についてはAIBが全米の食品企業に対して実施している「フードセーフティーシステム」を導入し、GMPの遵守に努め、食品安全管理体制の強化を徹底させ、万全の体制で臨んでおります。しかし、上記の取り組みの範囲を超えた事象が発生した場合、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)原材料の価格及び運送コストの変動について
当グループにおける売上原価に占める原材料等の割合は高く、小麦粉・砂糖・油脂・鶏卵等の安定的な調達や価格の維持に極力努めておりますが、市場動向や異常気象等によりもたらされる価格高騰が、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当グループにおける販売費に占める運送コストの割合も高く、ドライバー不足による人件費高騰や原油高など運送コストの増大、或いは得意先主導による配送システムの大幅な変更などにより、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)競合するパン市場について
パン業界の状況については、人口減少による需要減など市場の大きな成長が期待できない中、消費者の節約志向・低価格志向を受け、同業他社との価格競争や販売シェア獲得競争により大変厳しい状況となっております。
当グループといたしましては、業務用商品やコンビニエンスストア等の販路開拓を進めると共に、魅力ある商品をお客様に提供できるよう競争力強化に取り組んでおりますが、他社商品との厳しい競合の結果、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)自然災害について
地震や台風等の自然災害が発生し、生産設備の破損、物流機能の麻痺等により生産拠点の操業に支障が生じた時は、他の生産拠点からの商品供給等を受ける対応をいたしますが、当グループの工場が集中している関東地区で危機管理対策の想定を超える災害が発生した場合、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)保有資産の価値変動
当グループが保有する様々な資産について、土地や有価証券などの資産価値が下落することにより減損処理が必要となる場合があり、減損した場合、当グループの業績・財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6)その他の主なリスクについて
当グループは日本国内で事業を展開しておりますが、以下のようなリスクがあります。これらの事象が発生した場合、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
①取引先の経営破綻
②生産設備の火災等の事故
③各種の法的規制の改廃
④必要物資の品不足の発生
⑤過度な人材獲得難
⑥労働安全衛生上の事故
特記すべき事項はありません。
当グループは、お客様の食生活の多様化、目まぐるしい嗜好の変化に迅速かつ的確に対応し、よりお客様のニーズに応えた商品の発売を目指して、研究開発活動を行っております。また、新商品開発や既存商品の改良の取り組みと並行して、中長期的な展望に立った企業の基盤となるようなパン生地製法の開発や食品分析等の基礎研究にも取り組んでおります。
第一パンブランドを高めるために、売り場でお客様に手を伸ばしてもらえる魅力的で説得力のある商品のパッケージデザイン・ネーミングの開発を行っております。
研究開発部門として、専従スタッフの強化と設備の充実を図り、お客様が求める・認める価値を備えた商品創りを追求し、品質の一層の向上に努め、独自性のあるこだわりを持った商品開発に取り組んでおります。
当連結会計年度中に支出した研究開発費は163百万円であります。
当グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成しております。また、連結財務諸表の作成にあたって、見積りが必要なものについては、合理的な基準に基づいて行っております。
当連結会計年度末の資産合計は20,013百万円となり前連結会計年度末より343百万円増加しました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ現金及び預金が489百万円増加したことなどにより、残高7,369百万円と前連結会計年度末より491百万円増加しました。
有形固定資産は、539百万円の設備投資を実施しましたが、有形固定資産に係る減価償却費594百万円などにより、残高7,759百万円と前連結会計年度末より40百万円減少しました。
投資その他の資産は、保有株式の時価の変動による投資有価証券の減少71百万円、賃貸固定資産の減価償却費29百万円などにより、残高4,733百万円と前連結会計年度末より120百万円減少しました。
当連結会計年度末の負債合計は10,698百万円となり前連結会計年度末より75百万円減少しました。
流動負債は、前連結会計年度末と比べ短期借入金2,687百万円減少したことなどにより、残高4,179百万円と前連結会計年度末より2,608百万円減少しました。
固定負債は、前連結会計年度末と比べ社債500百万円、長期借入金2,141百万円増加したことなどにより、残高6,518百万円と前連結会計年度末より2,532百万円増加しました。
当連結会計年度末の純資産合計は9,315百万円となり前連結会計年度末より418百万円増加しました。これは、前連結会計年度末に比べ、利益剰余金が410百万円増加したことなどによります。
当連結会計年度の売上高は26,693百万円(前連結会計年度25,074百万円)と前連結会計年度に比べ6.5%の増収となりました。営業利益は当社独自の改善活動である「DPS活動」のレベルを高めることで品質の安定化と生産効率の改善が進みました。一方で、市場での厳しい企業間競争により、当社の主力の一つである和洋菓子類の売上不振が続く厳しい経営環境が継続し、前連結会計年度に比べ305百万円増加し464百万円の利益となりました。経常利益は前連結会計年度に比べ294百万円増加し553百万円の利益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ260百万円増加し410百万円の利益となりました。
資金状況については、業績の非常に厳しい中で、事業活動による資金調達によって充当しております。
なお、借入金及びリース債務については約定に基づき返済しております。
また、当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの概況につきましては、「第2 事業の状況 1業績等の概要(2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。